JP2018155781A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体に転写された画像のトナーが、当該画像の後方側へ飛散するのを抑制する。【解決手段】画像形成装置10は、金属顔料を含まない透明トナー(第一トナーの一例)で透明画像(第一画像の一例)を形成するトナー画像形成部20V(第一形成部の一例)と、金属顔料を含む白色トナー(第二トナーの一例)で白色画像(第二画像の一例)を形成するトナー画像形成部20W(第二形成部の一例)と、白色画像における単位面積当たりのトナー質量が、予め定められた値以上である場合に、透明画像が転写された後にその上に白色画像が転写される転写ベルト31(転写体の一例)と、二次転写ロール34に二次転写電圧が印加されて前記転写ベルト31から記録媒体へ透明画像及び白色画像を転写する二次転写ベルト36(転写部の一例)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
特許文献1には、クリアトナー像を中間転写ベルトに転写する画像形成ユニットと、各有色トナー像を中間転写ベルト上のクリアトナー像に重なるように転写する画像形成ユニットと、各色トナー像を記録媒体に転写する二次転写ロールと、を備える画像形成装置が開示されている。
特開2010−224126号公報
ここで、二次転写ロール等の転写部と、記録媒体における転写部を通過した通過部分と、の間で剥離放電が生じると、負極に帯電していた記録媒体は、通過部分が低帯電化しやすい。これにより、記録媒体の通過部分と通過前の部分とで電界が形成され、記録媒体に転写されたトナー画像における記録媒体への付着力の弱いトナー(例えば、上層のトナー)が、前述の電界に沿って、トナー画像の後方側(搬送方向上流側)へ飛散する場合がある。
特に、金属顔料を含むトナー(以下、金属トナーという)は、導電性を有するため、金属トナーが、電荷注入によって低帯電化しやすい。このため、記録媒体への付着力が弱くなりやすく、トナー画像の後方側へ飛散しやすい。
さらに、トナー画像における単位面積当たりのトナー質量が多くなると、記録媒体上に形成されるトナー層が多層になる。これにより、記録媒体への付着力の弱くなる上層のトナー量が増えるため、トナー画像の後方側への飛散が発生しやすい。
本発明は、金属顔料を含むトナーで形成された画像における単位面積当たりのトナー質量が、予め定められた値以上である場合であっても、常に、当該画像のみを転写体に転写する構成に比べ、記録媒体に転写された画像のトナーが、当該画像の後方側へ飛散するのを抑制することを目的とする。
請求項1の発明は、金属顔料を含まない第一トナーで第一画像を形成する第一形成部と、金属顔料を含む第二トナーで第二画像を形成する第二形成部と、該第二画像における単位面積当たりのトナー質量が、予め定められた値以上である場合に、該第一画像が転写された後にその上に該第二画像が転写される転写体と、転写電圧が印加されて前記転写体から記録媒体へ該第一画像及び該第二画像を転写する転写部と、を備える。
請求項2の発明では、前記第一形成部は、前記第一トナーの帯電量が、前記第二形成部における前記第二トナーの帯電量よりも高くされている。
請求項3の発明は、前記転写体に転写された第一画像を、前記記録媒体に転写される前に、前記転写体上で空転写する空転写部を備える。
請求項4の発明では、前記転写体は、前記第二画像における単位面積当たりのトナー質量が、予め定められた値以上である場合であって、前記第二形成部におけるトナー帯電量が予め定められた値未満である場合に、該第一画像が前記転写体に転写された後にその上に該第二画像が転写される。
請求項5の発明では、前記転写体は、該第二画像における単位面積当たりのトナー質量が、予め定められた値以上である場合であっても、前記第二形成部におけるトナー帯電量が予め定められた値以上である場合には、前記第一画像が前記転写体に転写されずに前記第二画像が転写される。
本発明の請求項1の構成によれば、金属顔料を含む第二トナーで形成された第二画像における単位面積当たりのトナー質量が、予め定められた値以上である場合であっても、常に、第二画像のみを転写体に転写する構成に比べ、記録媒体に転写された第二画像の第二トナーが、第二画像の後方側へ飛散するのを抑制できる。
本発明の請求項2の構成によれば、金属顔料を含まない第一トナーの帯電量が、金属顔料を含む第二トナーの帯電量以下である構成に比べ、第一トナーが第二トナーを記録媒体に保持する保持力が向上する。
本発明の請求項3の構成によれば、第一トナーで形成された第一画像が空転写を受けずにそのまま記録媒体に転写される構成に比べ、第一トナーが第二トナーを記録媒体に保持する保持力が向上する。
本発明の請求項4の構成によれば、第二トナーで形成された第二画像における単位面積当たりのトナー質量が、予め定められた値以上である場合であって、第二形成部におけるトナー帯電量が予め定められた値未満である場合であっても、常に、第二画像のみを転写体に転写する構成に比べ、第二画像が転写された記録媒体において、第二トナーが第二画像の後方側へ飛散するのを抑制できる。
本発明の請求項5の構成によれば、第二画像における単位面積当たりのトナー質量が、予め定められた値以上である場合であって、第二形成部におけるトナー帯電量が予め定められた値以上である場合に、常に、第一画像を転写体に転写した後にその上に第二画像が転写される構成に比べ、第一トナーの不要な消費を抑制できる。
本実施形態に係る画像形成装置を正面側から見た構成を示す概略図である。 本実施形態に係るトナー画像形成部を示す概略図である。 本実施形態に係る転写装置を示す概略図である。 本実施形態に係る画像形成装置における二次転写位置での白色トナーの挙動を示す図である。 比較例に係る構成における二次転写位置での白色トナーの挙動を示す図である。 変形例に係る画像形成装置を正面側から見た構成を示す概略図である。
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。なお、各図に示す矢印Hは鉛直方向を示し、矢印Wは水平方向であって装置幅方向を示す。
<画像形成装置10の構成>
図1は、画像形成装置10を正面側から見た構成を示す概略図である。この図に示されるように、画像形成装置10は、電子写真方式により用紙やフィルム等の記録媒体Pに画像を形成する画像形成部12と、記録媒体Pを搬送する搬送装置50と、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部70と、を有している。この画像形成装置10は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置とされている。
(搬送装置50)
図1に示されるように、搬送装置50は、記録媒体Pが収容される収容器51と、収容器51から二次転写位置NTへ記録媒体Pを搬送する複数の搬送ロール52と、を有している。さらに、搬送装置50は、二次転写位置NTから定着装置40へ記録媒体Pを搬送する複数の搬送ベルト58と、定着装置40から記録媒体Pの排出部(図示省略)へ向けて記録媒体Pを搬送する搬送ベルト54及び搬送ロール56と、を有している。
(画像形成部12)
画像形成部12は、トナー画像を形成するトナー画像形成部20と、トナー画像形成部20で形成されたトナー画像を記録媒体Pに転写する転写装置30と、記録媒体Pに転写されたトナー画像を加熱及び加圧して記録媒体Pに定着する定着装置40と、を有している。
トナー画像形成部20は、色ごとにトナー画像を形成するように複数備えられている。この実施形態では、透明(V)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、白色(W)の計6色のトナー画像形成部20が設けられている。
図1に示す(V)、(Y)、(M)、(C)、(K)、(W)は、上記各色に対応する構成部分を示している。なお、本明細書の説明では、(V)、(Y)、(M)、(C)、(K)、(W)の括弧を省略して、V、Y、M、C、K、Wと記載する場合がある。
〔トナー画像形成部20〕
各色のトナー画像形成部20は、用いるトナーを除き基本的に同様に構成されている。具体的には、各色のトナー画像形成部20は、図2に示されるように、図2における時計周り方向に回転する感光体ドラム21と、感光体ドラム21を帯電させる帯電器22と、を有している。さらに、各色のトナー画像形成部20は、帯電器22によって帯電された感光体ドラム21を露光して感光体ドラム21に静電潜像を形成する露光装置23と、露光装置23によって感光体ドラム21に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置24と、を有している。
帯電器22は、例えば、感光体ドラム21の表面(感光層)を負極性に帯電させる。負極性に帯電した感光体ドラム21の表面は、露光装置23によって露光光Lが照射された部分が正極性を呈し、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。そして、現像装置24内で負極性に摩擦帯電されたトナーが、正極性を呈する静電潜像に付着して静電潜像が現像される。
〔転写装置30〕
転写装置30は、各色の感光体ドラム21のトナー画像を、転写ベルト31(中間転写体)に重畳して一次転写し、該重畳されたトナー画像を二次転写位置NTで記録媒体Pに二次転写するようになっている。具体的には、転写装置30は、図1に示されるように、転写体の一例としての転写ベルト31と、一次転写ロール33と、転写部の一例としての二次転写ベルト36と、を備えている。
[転写ベルト31]
転写ベルト31は、図1に示されるように、無端状を成し、複数のロール32に巻き掛けられて姿勢が決められている。この実施形態では、転写ベルト31は、正面視で装置幅方向に長い逆鈍角三角形状の姿勢とされている。複数のロール32のうち、図1に示すロール32Dは、図示しないモータの動力により転写ベルト31を矢印A方向に周回させる駆動ロールとして機能する。転写ベルト31は、矢印A方向に周回することで、一次転写された画像を二次転写位置NTへ搬送するようになっている。
また、複数のロール32のうち、図1に示すロール32Tは、転写ベルト31に張力を付与する張力付与ロールとして機能する。複数のロール32のうち、図1に示すロール32Bは、二次転写ロール34の対向ロール32Bとして機能する。対向ロール32Bには、前述の通り逆さ鈍角三角形状の姿勢とされた転写ベルト31の鈍角を成す下端側の頂部が巻き掛けられている。この転写ベルト31は、前述した姿勢で装置幅方向に延びる上辺部において、各色の感光体ドラム21に下方から接触している。
[一次転写ロール33]
一次転写ロール33は、各感光体ドラム21のトナー画像を転写ベルト31に転写させるロールであり、図1に示されるように、転写ベルト31の内側に配置されている。各一次転写ロール33は、転写ベルト31を挟んで対応する色の感光体ドラム21に対して対向配置されている。また、一次転写ロール33には、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の一次転写電圧が印加されるようになっている。この一次転写電圧の印加により、感光体ドラム21に形成されたトナー画像が、一次転写位置Tで転写ベルト31に転写される。
[二次転写ベルト36]
二次転写ベルト36は、転写ベルト31に重畳されたトナー画像を記録媒体Pに転写するベルトである。二次転写ベルト36は、図3に示されるように、無端状をなし、二次転写ロール34と、従動ロール37と、に巻き掛けられている。
二次転写ロール34は、対向ロール32Bとの間に転写ベルト31及び二次転写ベルト36を挟むように配置されており、二次転写ベルト36と転写ベルト31とは予め定められた荷重にて接触している。このように接触している二次転写ベルト36と転写ベルト31の間が二次転写位置NTとされる。この二次転写位置NTには、収容器51から適時に記録媒体Pが供給されるようになっている。二次転写ベルト36は、二次転写ロール34が回転駆動されることで、矢印B方向へ周回移動される。
本実施形態では、転写ベルト31のトナー画像を記録媒体Pに転写する際には、印加部としての給電部39によって、対向ロール32Bに負極性の電圧が印加される。これにより、対向ロール32Bと二次転写ロール34との間に電位差が生じる。すなわち、対向ロール32Bに負極性の電圧が印加されることで、対向ロール32Bの対向電極をなす二次転写ロール34にトナー極性と逆極性の二次転写電圧(正極性の電圧)が間接的に印加される。これにより、二次転写位置NTを通過する記録媒体Pに、転写ベルト31からトナー画像が転写される。
<要部構成>
ここで、トナー画像形成部20Vは、金属顔料を含まない透明なトナー(第一トナーの一例)で透明なトナー画像(第一画像の一例)を形成する第一形成部の一例である。以下、透明なトナーを透明トナーと称し、透明なトナー画像を透明画像と称する。
透明トナーは、結着樹脂と、その他添加剤と、を有しており、金属顔料を含む着色剤を有していない。なお、透明トナーは、微量の着色剤(金属顔料を除く)を有していてもよい。
トナー画像形成部20Wは、金属顔料を含む白色のトナー(第二トナーの一例)で白色のトナー画像(第二画像の一例)を形成する第二形成部の一例である。以下、白色のトナーを白色トナーと称し、白色のトナー画像を白色画像と称する。
白色トナーは、結着樹脂と、白色顔料として酸化チタン(金属顔料の一例)と、その他添加剤と、を有している。なお、白色顔料としては、酸化チタン以外の金属顔料を用いてもよい。白色トナーは、金属顔料である酸化チタンを有しているため、導電性を有する。
画像形成装置10では、トナー画像形成部20Vにおける透明トナーの帯電量が、トナー画像形成部20Wにおける白色トナーの帯電量よりも高くされている。具体的には、トナー画像形成部20Wの現像装置24よりも、トナー画像形成部20Vの現像装置24におけるトナーの撹拌回数を増加させることで、透明トナーの帯電量が、白色トナーの帯電量よりも高くされている。なお、キャリアに対するトナー濃度を低下させることで、透明トナーの帯電量を、白色トナーの帯電量よりも高くしてもよい。また、他の手段により、トナー画像形成部20Vにおける透明トナーの帯電量を、トナー画像形成部20Wにおける白色トナーの帯電量よりも高くしてもよい。
さらに、画像形成装置10は、白色画像を単色にて記録媒体Pに形成する態様(白色単色モード)を有している。白色単色モードは、例えば、記録媒体Pとして、黒色等の有色の記録媒体に白色画像を形成する場合に用いられる。
白色単色モードでは、制御部70が、トナー画像形成部20Y、20M、20C、20K(以下、20Y〜20Kという)を稼働させず且つトナー画像形成部20Wを稼働させることで、実行される。さらに、白色単色モードでは、制御部70が、実行条件を参照して、トナー画像形成部20Vを稼働するか否かを決定する。
具体的には、制御部70は、白色画像における単位面積当たりのトナー質量〔g/m〕が、予め定められた値以上である場合であって、トナー画像形成部20Wにおける白色トナーのトナー帯電量が予め定められた値未満である場合に、トナー画像形成部20Vを稼働する。本実施形態では、制御部70は、白色画像を形成するための画像データを取得し、その画像データに基づき、白色画像における単位面積当たりのトナー質量を求める。予め定められた値としては、一例として、3g/m以上15g/m以下の範囲の値が用いられる。
トナー帯電量は、現像装置24内のトナーを撹拌する経路にて、センサ(検出部)にて検出してもよい。また、トナー帯電量とキャリアに対するトナー濃度とに相関関係があるため、現像装置24内のキャリアに対するトナー濃度に基づき、トナー帯電量を求めてもよい。さらに、現像装置24内のトナーを撹拌する撹拌部材の回転数に基づき、トナー帯電量を求めてもよい。
さらに、制御部70は、トナー画像形成部20Wを稼働した場合において、転写ベルト31に転写された透明画像に対し、トナー画像形成部20Y〜20Kの少なくとも1つにおいて、空転写を実行する。
空転写は、感光体ドラム21にトナー画像が形成されていない状態で、透明画像が一次転写位置Tを通過するタイミングで、一次転写電圧の印加を行うことで実行される。これにより、透明画像における透明トナーの帯電量が上昇する。
このように、空転写を実行するトナー画像形成部20Y〜20Kの少なくとも1つが、転写ベルト31に転写された透明画像を、記録媒体Pに転写される前に、転写ベルト31上で空転写する空転写部として機能する。
なお、制御部70は、白色画像における単位面積当たりのトナー質量〔g/m〕が、予め定められた値以上である場合であっても、トナー画像形成部20Wにおける白色トナーのトナー帯電量が予め定められた値以上である場合には、トナー画像形成部20Vを稼働しない。
<本実施形態の作用>
次に、本実施形態の作用について説明する。ここでは、白色単色モードにおける作用について説明する。
白色単色モードの画像形成指令を受けた制御部70は、白色画像における単位面積当たりのトナー質量〔g/m〕が、予め定められた値以上である場合であって、トナー画像形成部20Wにおける白色トナーのトナー帯電量が予め定められた値未満である場合に、トナー画像形成部20V、20Wを稼働する。
この場合では、トナー画像形成部20Vの感光体ドラム21において、透明画像が形成され、トナー画像形成部20Wの感光体ドラム21において、白色画像が形成される。
透明画像が周回する転写ベルト31に最初に一次転写され、その後、白色画像が、転写ベルト31における透明画像の上に一次転写される。これにより、転写ベルト31には、透明画像の上に白色画像が重畳されたトナー画像が形成される。このトナー画像が、二次転写位置NTで記録媒体Pに二次転写される。これにより、記録媒体P上に白色画像が載せられ、その白色画像の上に透明画像が載せられる。
ここで、白色画像における単位面積当たりのトナー質量〔g/m〕が、予め定められた値以上である場合であって、トナー画像形成部20Wにおける白色トナーのトナー帯電量が予め定められた値未満である場合に、トナー画像形成部20Wのみを稼働する場合(第一比較例)では、以下のようになる。
すなわち、図4に示されるように、二次転写ベルト36と、記録媒体Pにおける二次転写ベルト36を通過した通過部分と、の間で剥離放電が生じると、負極に帯電していた記録媒体Pは、通過部分が低帯電化しやすい。
これにより、記録媒体Pの通過部分と通過前の部分とで電界が形成され、記録媒体Pに転写された白色画像における記録媒体Pへの付着力の弱い白色トナー(例えば、上層のトナー)が、前述の電界に沿って、白色画像の後方側へ飛散する場合がある。
特に、白色トナーは、導電性を有するため、白色トナーが、電荷注入によって低帯電化しやすい。このため、記録媒体Pへの付着力が弱くなりやすく、白色画像の後方側へ飛散しやすい。
また、記録媒体Pとして、樹脂フィルム等の高抵抗(裏面抵抗値が例えば10logΩ/□以上)のシート材を用いた場合では、剥離放電が生じやすく、白色トナーが白色画像の後方側へ飛散しやすい。
さらに、白色画像における単位面積当たりのトナー質量が多くなると、記録媒体P上に形成されるトナー層が多層になる。これにより、記録媒体Pへの付着力の弱くなる上層のトナー量が増えるため、白色画像の後方側への飛散が発生しやすい。
これに対して、本実施形態では、図5に示されるように、記録媒体P上の白色トナーWT(白色画像)の上に透明トナーVT(透明画像)が載せられる。透明トナーは、金属顔料を含んでいないため、電荷注入による低帯電化を生じにくい。このため、透明トナーは、白色トナーよりも記録媒体Pへの付着力が強い。このように、記録媒体Pへの付着力が白色トナーよりも強い透明トナーが白色トナーに載せられるので、透明トナーが白色トナーを保持し、第一比較例に比べ、白色トナーの白色画像の後方側へ飛散するのが抑制される。なお、図4及び図5では、記録媒体P及びトナーを模式的(概念的)に示している。
また、本実施形態では、透明トナーの帯電量が、二次転写前に白色トナーの帯電量よりも高くされている。このため、透明トナーは、白色トナーよりも記録媒体Pへの付着力が強い。したがって、二次転写前に透明トナーの帯電量が、白色トナーの帯電量以下である構成に比べ、透明トナーが白色トナーを記録媒体Pに保持する保持力が向上する。
さらに、本実施形態では、制御部70が、転写ベルト31に転写された透明画像に対し、トナー画像形成部20Y〜20Kの少なくとも1つにおいて、空転写を実行する。
空転写は、感光体ドラム21にトナー画像が形成されていない状態で、一次転写電圧の印加を行うことで実行される。これにより、透明画像における透明トナーの帯電量が上昇する。
このため、透明トナーは、白色トナーよりも記録媒体Pへの付着力が強くなる。したがって、透明画像が空転写を受けずにそのまま記録媒体Pに転写される構成に比べ、透明トナーが白色トナーを記録媒体Pに保持する保持力が向上する。
一方、白色画像における単位面積当たりのトナー質量〔g/m〕が、予め定められた値以上である場合であっても、トナー画像形成部20Wにおける白色トナーのトナー帯電量が予め定められた値以上である場合には、制御部70は、トナー画像形成部20Vを稼働せず、トナー画像形成部20Wのみを稼働する。
この場合では、トナー画像形成部20Wの感光体ドラム21において、白色画像が形成される。この白色画像は、周回する転写ベルト31に一次転写された後、二次転写位置NTで記録媒体Pに二次転写される。記録媒体Pに二次転写された白色画像は、定着装置40にて、記録媒体Pに定着される。
白色トナーのトナー帯電量が予め定められた値以上である場合では、記録媒体Pへの付着力が強く、白色トナーの白色画像の後方側への飛散が生じにくい。このため、本実施形態では、白色トナーのトナー帯電量が予め定められた値以上である場合には、透明画像を形成しない。
画像形成装置10によれば、白色画像における単位面積当たりのトナー質量〔g/m〕が、予め定められた値以上である場合であって、トナー画像形成部20Wにおける白色トナーのトナー帯電量が予め定められた値以上である場合に、常に、透明画像を転写ベルト31に転写した後にその上に白色画像が転写される場合(第四比較例)に比べ、透明トナーの不要な消費が抑制される。
(変形例)
上記の実施形態では、白色画像における単位面積当たりのトナー質量〔g/m〕が、予め定められた値以上である場合において、トナー画像形成部20Wにおける白色トナーのトナー帯電量が予め定められた値未満であるか否かによって、トナー画像形成部20Vの稼働を決定していたが、これに限られない。例えば、白色画像における単位面積当たりのトナー質量〔g/m〕が、予め定められた値以上である場合であれば、トナー画像形成部20Wにおける白色トナーのトナー帯電量に関わらず、トナー画像形成部20V、20Wを稼働してもよい。
上記の実施形態では、透明トナーの帯電量が、二次転写前に白色トナーの帯電量よりも高くされていたが、透明トナーの帯電量は、白色トナーの帯電量以下の帯電量であってもよい。
上記の実施形態では、制御部70が、転写ベルト31に転写された透明画像に対し、トナー画像形成部20Y〜20Kの少なくとも1つにおいて、空転写を実行していたが、空転写を実行しない構成であってもよい。
上記の実施形態では、第一トナーの一例として、透明トナーを用いたが、これに限られない。第一トナーの一例としては、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、その他の有色のトナーを用いてもよい。したがって、第一形成部の一例としてのトナー画像形成部20Vに替えて又は加えて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーを用いたトナー画像形成部20Y〜20Kの少なくとも1つを第一形成部の一例として用いてもよい。
なお、有色のトナーは、金属顔料を含まず、金属顔料以外の顔料と結着樹脂とを含んで構成される。また、有色のトナーを用いる構成は、白色画像が有色画像の下地として用いられる。
また、上記の実施形態では、第二トナーの一例として、白色トナーを用いたが、これに限られない。第二トナーの一例としては、例えば、銀色や金色等の金属色のトナーを用いてもよい。銀色のトナーは、例えば、アルミニウム等で形成された金属顔料と結着樹脂とを含んで構成される。金色のトナーは、例えば、アルミニウム等で形成された金属顔料と、イエローの着色剤と、結着樹脂とを含んで構成される。
(画像形成装置10の変形例)
本実施形態に係る画像形成装置10は、タンデム方式の画像形成装置とされていたが、これに限られない。例えば、ロータリ型現像装置を備えた図6に示す画像形成装置600であってもよい。
画像形成装置600は、図6に示されるように、トナー画像を形成するトナー画像形成部612(第一形成部の一例、第二形成部の一例)と、トナー画像形成部612で形成されたトナー画像を記録媒体Pに転写する転写装置630と、画像形成装置600の各部の動作を制御する制御部670と、を備えている。
トナー画像形成部612は、矢印−R方向に回転する感光体ドラム621と、感光体ドラム621を帯電させる帯電器622と、を有している。さらに、トナー画像形成部612は、帯電器622によって帯電された感光体ドラム621を露光して感光体ドラム621に静電潜像を形成する露光装置623と、露光装置623によって感光体ドラム621に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成するロータリ現像装置640と、を有している。
転写装置630は、複数のロール632に巻き掛けられた転写ベルト631(転写体の一例)と、感光体ドラム621のトナー画像を一次転写位置Tで転写ベルト631に転写する一次転写ロール633と、二次転写電圧が印加されて転写ベルト631のトナー画像を二次転写位置NTで記録媒体Pに転写する二次転写ロール634(転写部の一例)と、有している。
ロータリ現像装置640は、回転軸649と、回転軸649の周囲に配置された透明色(V)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、白色(W)、の現像器64V、64Y、64M、64C、64K、64W(以下、64V〜64Wという)と、を備えている。現像器64V〜64Wには、各色のトナーが収容されると共に、該トナーを感光体ドラム621に付着されるための現像ロール648を有している。すなわち、現像器64Vには、金属顔料を含まない透明トナー(第一トナーの一例)が収容されている。現像器64Wには、金属顔料を含む白色トナー(第二トナーの一例)が収容されている。
ロータリ現像装置640は、中心角で60°ずつ矢印+R方向に回転されることで、感光体62の外周面と対向する現像位置で現像処理を行う現像器64V〜64Wが切り替えられる。
画像形成装置600では、白色単色モードの画像形成指令を受けた制御部670が、白色画像における単位面積当たりのトナー質量〔g/m〕が、予め定められた値以上である場合であって、白色トナーのトナー帯電量が予め定められた値未満である場合に、現像器64V、64Wを用いる。
この場合では、感光体ドラム621に透明画像が形成されて、当該透明画像が転写ベルト631に最初に一次転写される。その後、感光体ドラム621に白色画像が形成されて、当該白色画像が、転写ベルト631における透明画像の上に一次転写される。これにより、転写ベルト631には、透明画像の上に白色画像が重畳されたトナー画像が形成される。このトナー画像が、二次転写位置NTで転写ベルト631から記録媒体Pへ二次転写される。これにより、記録媒体P上に白色画像が載せられ、その白色画像の上に透明画像が載せられる。
透明トナーは、金属顔料を含んでいないため、電荷注入による低帯電化を生じにくい。このため、透明トナーは、白色トナーよりも記録媒体Pへの付着力が強い。このように、記録媒体Pへの付着力が白色トナーよりも強い透明トナーが白色トナーに載せられるので、透明トナーが白色トナーを保持し、第一比較例に比べ、白色トナーの白色画像の後方側へ飛散するのが抑制される。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
10 画像形成装置
20V トナー画像形成部(第一形成部の一例)
20W トナー画像形成部(第二形成部の一例)
20Y、20M、20C、20K トナー画像形成部(空転写部の一例)
31 転写ベルト(転写体の一例)
36 二次転写ベルト(転写部の一例)

Claims (5)

  1. 金属顔料を含まない第一トナーで第一画像を形成する第一形成部と、
    金属顔料を含む第二トナーで第二画像を形成する第二形成部と、
    該第二画像における単位面積当たりのトナー質量が、予め定められた値以上である場合に、該第一画像が転写された後にその上に該第二画像が転写される転写体と、
    転写電圧が印加されて前記転写体から記録媒体へ該第一画像及び該第二画像を転写する転写部と、
    を備える画像形成装置。
  2. 前記第一形成部は、前記第一トナーの帯電量が、前記第二形成部における前記第二トナーの帯電量よりも高くされている
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記転写体に転写された第一画像を、前記記録媒体に転写される前に、前記転写体上で空転写する空転写部
    を備える請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記転写体は、前記第二画像における単位面積当たりのトナー質量が、予め定められた値以上である場合であって、前記第二形成部におけるトナー帯電量が予め定められた値未満である場合に、該第一画像が前記転写体に転写された後にその上に該第二画像が転写される
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記転写体は、該第二画像における単位面積当たりのトナー質量が、予め定められた値以上である場合であっても、前記第二形成部におけるトナー帯電量が予め定められた値以上である場合には、前記第一画像が前記転写体に転写されずに前記第二画像が転写される
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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