JP2018155212A - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】雑防抵抗の信頼性を損なうことなく、低コストで雑防抵抗の組み付け作業を容易に行える構造の内燃機関用点火コイルを提供する。
【解決手段】収納ケース2の下部に位置する高圧筒部2cに設けた素子収納室3は、雑防抵抗4における第1,第2電極部41,42の被支持面41a,42aが当接して支持する支持面31aが形成された素子支持体31と、雑防抵抗4の第1電極部41における当接部41bが当着する当着面32と、雑防抵抗4の第1電極部41における突状導電部41cを挿通可能な電極誘導孔33を設け、雑防抵抗4を素子収納室3の所定位置へ容易に組み付けることができるようにし、素子収納室3の所定位置に収納された雑防抵抗4は外気に曝されることが無いので、劣化によって信頼性を損なうことを防げる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関(例えば、自動車のエンジン)の点火プラグに火花放電を発生させるために高電圧を供給する内燃機関用点火コイルに関し、特に、ノイズ防止用に設ける雑防抵抗の信頼性を損なうことなく、低コストで雑防抵抗の組み付け作業を容易に行える技術に関する。
従来より、内燃機関用点火コイルには、電雑を抑制するための雑防抵抗が設けられている。雑防抵抗としては、高抵抗で耐電圧の高い比較的大型の素子が用いられており、その収納場所や収納方法には、様々な工夫が必要である。すなわち、雑防抵抗の組み付け作業が煩雑となって、内燃機関用点火コイルの組み立て工程における作業効率を低下させないような配慮が必要なのである。そのため、内燃機関用点火コイルのケースに雑防抵抗を組み付ける作業を簡易化する手法が、種々提案されている。
一例として、収納ケースの高圧端子部にリング状脱落防止部材を取り付けて、雑防抵抗が抜け落ちることがないようにし、リング状脱落防止部材に設けた開口部より導電性スプリングを通過させて、雑防抵抗と点火プラグを接続するようにした内燃機関用点火コイルが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、高圧筒部に雑防抵抗を収容してインサート成型することにより、雑防抵抗を高圧筒部に一体化することで、雑防抵抗を高圧筒部へ収容する作業を不要にして、全体の組み立て作業が容易になるようにした内燃機関用点火コイルが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2008−034682号公報 特開2006−049478号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、導電性スプリングを通過させるためにリング状脱落防止部材に設けた開口部によって、雑防抵抗の収容室は外部と連通することとなり、雑防抵抗が外気に曝されることで素子の劣化を招き易く、雑防抵抗の信頼性を損なうことになりかねない。
また、特許文献2に記載された発明では、インサート成型時の成型圧で雑防抵抗の素子性能が劣化するおそれがあるため、雑防抵抗の信頼性を損なう可能性がある。加えて、雑防抵抗のインサート成型による高圧筒部の製造工程が別途必要になるため、総じて高コストになってしまうことが懸念される。
そこで、本発明は、雑防抵抗の信頼性を損なうことなく、低コストで雑防抵抗の組み付け作業を容易に行える構造の内燃機関用点火コイルの提供を目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る内燃機関用点火コイルは、少なくとも、一次ボビンに電線を巻いた一次コイルと、二次ボビンに電線を巻いた二次コイルと、前記一次コイルと二次コイルを磁気的に結合させる鉄心と、前記二次コイルと点火プラグとの間に設ける雑防抵抗と、これらを収納するケースと、該ケース内の部品を電気的機械的に封止するモールド樹脂とからなり、前記ケースは、筒状に突出して前記雑防抵抗を収納する素子収納室を設けた高圧筒部を備える内燃機関用点火コイルにおいて、前記雑防抵抗の点火プラグ接続側となる円筒状の第1電極部には、外周に沿って設けられる円環状の平坦な当着部と、該当着部の内縁側より突出する円柱状の突状導電部と、を設け、前記高圧筒部の素子収納室には、少なくとも前記雑防抵抗における第1電極部の外周面に当接して雑防抵抗を支持する素子支持体と、該素子支持体に支持された雑防抵抗の第1電極部における当着部が当着し得る当着面と、第1電極部の突状導電部を挿通可能な電極誘導孔と、を設け、前記電極誘導孔内へ誘導された突状導電部を介して、雑防抵抗と点火プラグを接続するようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に係る内燃機関用点火コイルにおいて、前記高圧筒部の素子収納室に設ける素子支持体は、前記雑防抵抗における第1電極部の外周面に適合した円筒周面状の支持面を備えるものとし、素子支持体の支持面で第1電極部を支持するようにしたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記請求項2に係る内燃機関用点火コイルにおいて、前記雑防抵抗の第1電極部と第2電極部は、最大径が等しい外周面を有するものとし、前記素子支持体の支持面で第1電極部および第2電極部を支持するようにしたことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、前記請求項1に係る内燃機関用点火コイルにおいて、前記高圧筒部の素子収納室に設ける素子支持体は、前記雑防抵抗における第1電極部の外周面に適合した円形状に配置してなる複数の可撓性突起片で構成し、複数の可撓性突起片で第1電極部を支持するようにしたことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、前記請求項4に係る内燃機関用点火コイルにおいて、前記複数の可撓性突起片は、前記雑防抵抗における第1電極部を挿入させ得る中空円筒体に等角度でスリットを設けて形成するようにしたことを特徴とする。
本発明に係る内燃機関用点火コイルによれば、簡単な組み付け作業によって、素子収納室内の所定位置へ雑防抵抗を安定的に支持することができる。しかも、雑防抵抗における第1電極の突状導電部のみが電極誘導孔から素子収納室外へ露出して点火プラグに接続されるので、雑防抵抗が外気に曝されて劣化するおそれが無く、雑防抵抗の信頼性を損ねることがない。
本発明に係る内燃機関用点火コイルの第1実施形態を示す概略構成図である。 第2実施形態の内燃機関用点火コイルにおける雑防抵抗の収納構造を示し、(a)は高圧筒部における要部の縦断面図、(b)は図2(a)におけるIIb−IIb線の矢視断面図である。 第3実施形態の内燃機関用点火コイルにおける雑防抵抗の収納構造を示し、(a)は高圧筒部における要部の縦断面図、(b)は図3(a)におけるIIIb−IIIb線の矢視断面図である。
次に、本発明に係る内燃機関用点火コイルの実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る内燃機関用点火コイルの第1実施形態を示すもので、内燃機関用点火コイル1におけるケース2の内部には、図示を省略した諸部品、例えば、一次ボビンに電線を巻いた一次コイル、二次ボビンに電線を巻いた二次コイル、一次コイルと二次コイルを磁気的に結合させる鉄心、一次コイルへの給電制御を行うイグナイタ等が収納される。これらは、ケース2における収納ケース2aのコイル収納部に収納される。また、収納ケース2aには絶縁ケース2bが一体的に取り付けられ、長尺なジョイント筒部を介して、図示を省略した点火プラグと接続される。
上記収納ケース2の下部に位置する高圧筒部2cには素子収納室3を設け、電波や雑音等のノイズを抑制するための雑防抵抗4を収納し、絶縁性の樹脂材を収納ケース2のコイル収納部へ充填する。樹脂材は、収納ケース2内の各部材間の隙間を埋めるように浸透してゆき、樹脂材が固化することで絶縁性のモールド樹脂5となり、各部材の絶縁状態を良好に保持しつつケース2内の所要位置へ安定的に固定する。
なお、モールド樹脂5を形成する前に雑防抵抗4を素子収納室3へ収納する作業を行う必要がある。この作業を効率良く行えるように、本実施形態に係る内燃機関用点火コイル1においては、雑防抵抗4および素子収納室3に特別な構造を採用した。以下、雑防抵抗4および素子収納室3の詳細構造について説明する。
まず、雑防抵抗4は、略円筒状の第1電極部41と第2電極部42を抵抗本体43の各端部に設けた構造で、第1,第2電極部41,42は抵抗本体43よりも径が大きい。また、第1電極部41と第2電極部42の最大径はほぼ等しくすることで、第1電極部41が通過可能な開口形状であれば、第2電極部42も通過可能である。なお、抵抗本体43の基材は特に限定されるものではなく、セラミックや巻線など、ノイズを抑制できるものであればよい。
また、規格化された市販の抵抗素子では極性による接続の向きは制限されないが、本実施形態の内燃機関用点火コイル1で用いる雑防抵抗4においては、第1電極部41が点火プラグ(図示省略)との接続側となり、第2電極部42が二次コイル(図示省略)との接続側となる。
雑防抵抗4の点火プラグ接続側となる第1電極部41は、最大径となる被支持面41aの先端側に段部を設けて、外径が若干小さい円筒状の突起が生ずる構造とした。すなわち、第1電極部41には、外周に沿って設けられる円環状の平坦な当着部41bと、当着部41bの内縁側より突出する円柱状の突状導電部41cが設けられるのである。なお、突状導電部41cの突出端は平坦面としてあり、点火プラグ2との接続に用いる導電性スプリング6との接触が良好となるようにし、安定した導通状態を保持できるものとした。
一方、雑防抵抗4の二次コイル接続側となる第2電極部42は、円筒状の被支持面42aを備え、その先端側に、二次コイルにおける高圧側の電線7が半田付け等により取り付けられる。
なお、雑防抵抗4は、既存の同等性能素子に対して第1電極部41と第2電極部42のみを変更するセミカスタムで作製できるので、著しいコスト増にはならない。しかも、第1電極部41と第2電極部42の外観が大きく異なっていることから、内燃機関用点火コイル1の組み立て作業において雑防抵抗4を組み付ける際に、その向きを間違え難くなるので、作業性が悪くなることはない。
上記のように構成した雑防抵抗4を収納する素子収納室3は、収納ケース2aのコイル収納部からジョイント通孔8(点火プラグと接続するための導電性スプリング6が配置される絶縁ケース2b内の空部)へ至る連通空間が形成されるもので、素子収納室3へ適正状態に雑防抵抗4収納すると、第1電極部41は導電性スプリング6を介して点火プラグと接続することができ、第2電極部42は二次コイルの電線7を接合した状態のままで支障が無い。
雑防抵抗4を収納するために、素子収納室3には、雑防抵抗4における第1,第2電極部41,42の外周面(被支持面41a,42a)に当接して雑防抵抗4を支持する素子支持体31と、素子支持体31に支持された雑防抵抗4の第1電極部41における当着部41bが当着し得る当着面32と、第1電極部41の突状導電部41cを挿通可能な電極誘導孔33を設ける。
素子支持体31の支持面31aは、第1,第2電極部41,42の最大外形にほぼ等しいか、若干小さいぐらいの円筒内面であり、しかも、雑防抵抗4がほぼ収まる程度の奥行きに形成してあるので、第1電極部41の被支持面41aを支持面31aに当接させて押し込んでゆくと、第2電極部42の被支持面42aも支持面31aに当接する状態となって、雑防抵抗4全体が素子支持体31内へ収納される。このとき、第1電極部41の当着部41bが素子支持体31の当着面32に当着しすると、それ以上奥へ雑防抵抗4を押し込めなくなり、適正な収納状態に位置決めされる。
上記のようにして雑防抵抗4を素子収納室3へ適正に収納すると、雑防抵抗4の第1電極部41および第2電極部42の両方が素子支持体31の支持面31aに当接して、その接触抵抗により安定的に支持される状態となる。したがって、内燃機関用点火コイル1の組み立て作業中に、ケース2の向きを変えたりしても、雑防抵抗4が素子収納室3から容易に脱落するおそれが無いので、その後の作業性を悪くすることはない。
加えて、収納ケース2aのコイル収納部と素子収納室3との連通空部は第2電極部42によって封止されるので、モールド樹脂5を形成するための樹脂材を流し込んでも問題ない。また、ジョイント通孔8と素子収納室3との連通側は、第1電極部41の当着部41bが素子支持体31の当着面32に当着して封止されると共に、第1電極部41の突状導電部41cが電極誘導孔33に突出した状態となる。したがって、第1電極部41と導電性スプリング6との接続を阻害することなく、雑防抵抗4がジョイント通孔8を介して外気に曝されることを防げるので、雑防抵抗4の性能劣化を効果的に抑制できる。
なお、雑防抵抗4の第1電極部41や第2電極部42の最大外径が素子支持体31の内径よりも小さいと、雑防抵抗4が素子収納室3から脱落してしまう可能性があるので、第1電極部41や第2電極部42の最大外径が素子支持体31の内径よりも大きくなるようにしておき、適宜な接触抵抗に抗しつつ雑防抵抗4を素子支持体3内へ圧入してゆくことが望ましい。しかしながら、一般的な抵抗素子の電極部は比較的大きな公差を持つため、一般的な抵抗素子を内燃機関用点火コイルの雑防抵抗として用いる場合、電極部の大きさが収納部のサイズに合わないことが少なからず起こり得る。例えば、第1電極部41や第2電極部42の最大外径が素子支持体31の内径よりも大きすぎた場合、素子支持体3内へ雑防抵抗4を入れるために強い押圧力を要することとなる。かといって、雑防抵抗4に設ける第1電極部41や第2電極部42の外径を高精度に作製すると高コストになってしまう。
上述した第1実施形態に係る内燃機関用点火コイル1では、素子支持体31によって雑防抵抗4の第1電極部41と第2電極部42の両方を支持する構造を採用したため、第1電極部41の最大外径が素子支持体31の内径よりも大きすぎる雑防抵抗4を素子支持体3内へ入れるためには、第1電極部41の被支持面41aが素子支持体31の支持面31aに当接して生じる高い摺動抵抗に逆らって、第1電極部41の当着部41bが素子収納室3の当着面32に当着するまで、雑防抵抗4を素子支持体31内へ押し込んでゆかなければならない。しかも、第2電極部42も素子支持体3内へ入ると、摺動抵抗は一層大きくなるので、更に強い力で雑防抵抗4を素子支持体31内へ押し込んでゆかなければならない。
そこで、図2に示す第2実施形態の内燃機関用点火コイルにおける素子収納室3′に設ける素子支持体31′は、雑防抵抗4における第1電極部41がちょうど入る程度の奥行きに設定した中空円筒体構造とすることで、雑防抵抗4を素子支持体31′内へ押し込んでゆく距離を短くすると共に、第2電極部42は素子支持体31′内へ圧入する必要を無くせるのである。
すなわち、第2実施形態に係る内燃機関用点火コイルでは、雑防抵抗4における第1電極部41の被支持面41aのみを、素子支持体31′の内周面31aによって支持するものであるから、第1電極部41の最大外径が素子支持体31′の内径よりも大きすぎる雑防抵抗4を素子支持体3′内へ入れる場合、第1実施形態の内燃機関用点火コイル1の素子保持構造と比べて、雑防抵抗4を素子支持体31′内へ圧入する距離を短くでき、作業負担を軽減できるのである。また、雑防抵抗4を素子支持体31′内へ圧入する距離が短いことで、素子収納室3へ雑防抵抗4を取り付ける作業時間を短縮できることから、内燃機関用点火コイルの組み立て作業を一層効率良く行えるという利点もある。
しかも、上述した第1実施形態に係る内燃機関用点火コイル1と同様に、第2実施形態に係る内燃機関用点火コイルにおいても、ジョイント通孔8と素子収納室3′との連通部は、第1電極部41の当着部41bが素子支持体31′の当着面32に当着して封止できるので、雑防抵抗4がジョイント通孔8を介して外気に曝されることを防ぎ、雑防抵抗4の性能劣化を効果的に抑制できる。
さらに、第2実施形態に係る内燃機関用点火コイルの素子保持構造においては、雑防抵抗4を組み付けた後も、収納ケース2aのコイル収納部と素子収納室3とが空間的に連通したままなので、高圧筒部2c′の内側に形成される素子収納室3′にも樹脂材が流し込まれることとなり、雑防抵抗4もモールド樹脂5で固定される。すなわち、素子収納室3′内で雑防抵抗4がモールド樹脂5によって覆われた状態となるので、雑防抵抗4の封止効果は一層高いものとなる。
上述した第2実施形態に係る内燃機関用点火コイルでは、雑防抵抗4における第1電極部41の被支持面41aが素子支持体31′の支持面31aの全周にわたって摺接するので、第1電極部41の最大外径が素子支持体31′の内径よりも大きすぎる場合、雑防抵抗4を素子支持体3′内へ圧入してゆく過程で、非金属(例えば、可撓性を有する樹脂など)で構成される素子支持体31の支持面31aが金属製の第1電極部41に削られてしまう可能性がある。削れカスが素子支持体31′内に残ってしまうと、第1電極部41の当着部41bと素子支持体31′の当着面32の間に挟まるなどして、雑防抵抗4を適正な収納状態にできない可能性があり、好ましくない。
そこで、第3実施形態に係る内燃機関用点火コイルでは、図3に示すように、素子収納室3″に設ける素子支持体31″を、雑防抵抗4における第1電極部41の被支持面41aに適合した円形状に配置してなる複数(たとえは、18個)の可撓性突起片311で構成し、各可撓性突起片311が第1電極部41の被支持面41aに当接することで雑防抵抗4を支持するようにした。また、可撓性の樹脂材で高圧筒部2c″と一体的に素子支持体31″を形成することで、各可撓性突起片311には、比較的弱い力で撓む性質を持たせることができる。
かくすれば、複数の可撓性突起片311が配置される仮想的な円の内径より第1電極部41の最大径が大きすぎた場合でも、押し入ってくる第1電極部41を避けるように可撓性突起片311が撓むので、強い押圧力をかけることなく第1電極部41を素子支持体31″内へ挿入できる。しかも、可撓性突起片311が第1電極部41によって削られるようなこともないので、素子支持体31″の削れカスによって雑防抵抗4を適正な収納状態にできなくなるといった不具合も生じない。
なお、素子支持体31″として機能する複数の可撓性突起片311の形状や配設数は、特に限定されるものではないが、上述した第2実施形態に係る内燃機関用点火コイルにおける素子支持体31′と同様な中空円筒体(雑防抵抗4における第1電極部41を挿入させ得る薄肉の円筒状壁体)に対して、内空部の中心O(図3(b)を参照)から等角度で(例えば、10゜毎に)スリット312を設けて形成するものとした。すなわち、10゜毎に18箇所のスリット312と18個の可撓性突起片311を設けることで、各可撓性突起片311が第1電極部41に比して小さく撓みやすいサイズになると共に、第1電極部41における被支持面41aの全周を各可撓性突起片311により均等に支持することができる。
しかも、中空円筒体(第2実施形態の内燃機関用点火コイルにおける素子支持体31′)の内曲面と同じ曲面が、各可撓性突起片311の支持内面311aの曲面として反映されるようにしておけば、各可撓性突起片311の支持内面311aが第1電極部41の被支持面41aに面接触で当接するので、素子支持体31″と第1電極部41との接触抵抗が極端に低下することを抑制し、素子支持体31″による雑防電極4の支持機能を良好に保持することが可能となる。
以上、本発明に係る内燃機関用点火コイルの実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない範囲で、公知既存の等価な技術手段を転用することにより実施しても構わない。
1 内燃機関用点火コイル(第1実施形態)
2 ケース
2c 高圧筒部
3 素子収納室
31 素子支持体
32 当着面
33 電極誘導孔
4 雑防抵抗
41 第1電極
41a 被支持面
41b 当着部
41c 突状導電部
42 第2電極
42a 被支持面
43 抵抗本体
5 モールド樹脂
6 導電性スプリング
7 電線
8 ジョイント通孔

Claims (5)

  1. 少なくとも、一次ボビンに電線を巻いた一次コイルと、二次ボビンに電線を巻いた二次コイルと、前記一次コイルと二次コイルを磁気的に結合させる鉄心と、前記二次コイルと点火プラグとの間に設ける雑防抵抗と、これらを収納するケースと、該ケース内の部品を電気的機械的に封止するモールド樹脂とからなり、前記ケースは、筒状に突出して前記雑防抵抗を収納する素子収納室を設けた高圧筒部を備える内燃機関用点火コイルにおいて、
    前記雑防抵抗の点火プラグ接続側となる円筒状の第1電極部には、外周に沿って設けられる円環状の平坦な当着部と、該当着部の内縁側より突出する円柱状の突状導電部と、を設け、
    前記高圧筒部の素子収納室には、少なくとも前記雑防抵抗における第1電極部の外周面に当接して雑防抵抗を支持する素子支持体と、該素子支持体に支持された雑防抵抗の第1電極部における当着部が当着し得る当着面と、第1電極部の突状導電部を挿通可能な電極誘導孔と、を設け、
    前記電極誘導孔内へ誘導された突状導電部を介して、雑防抵抗と点火プラグを接続するようにしたことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  2. 前記高圧筒部の素子収納室に設ける素子支持体は、前記雑防抵抗における第1電極部の外周面に適合した円筒周面状の支持面を備えるものとし、素子支持体の支持面で第1電極部を支持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火コイル。
  3. 前記雑防抵抗の第1電極部と第2電極部は、最大径が等しい外周面を有するものとし、
    前記素子支持体の支持面で第1電極部および第2電極部を支持するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用点火コイル。
  4. 前記高圧筒部の素子収納室に設ける素子支持体は、前記雑防抵抗における第1電極部の外周面に適合した円形状に配置してなる複数の可撓性突起片で構成し、複数の可撓性突起片で第1電極部を支持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火コイル。
  5. 前記複数の可撓性突起片は、前記雑防抵抗における第1電極部を挿入させ得る中空円筒体に等角度でスリットを設けて形成するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関用点火コイル。
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