JP2018154975A5 - - Google Patents

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土の品質管理方法、及び土の品質モニタリングシステム
本願発明は、造成盛土や道路の路床、路体、河川堤防など土構造物の品質管理に関する技術であり、より具体的には、締固めた土の加速度応答値と飽和度によってその品質を管理する技術に関するものである。
造成盛土や道路の路床、路体、河川堤防といった土構造物は、その用途に応じてあらかじめ要求性能(強度や、変形・圧縮特性、透水性など)が設定されおり、この要求性能を満足するため造成盛土等の材料である土(以下、総称して「盛土材」という。)は適切な締固めが行われる。この締固めの適否を評価するにあたっては、土構造物の要求性能である強度や透水性などを直接確認することが考えられるが、これには相当の手間と時間が必要とされる。そのため、実際の施工で直接的に確認することは現実的でなく、他の代替手法によって土構造物の要求性能を担保しているのが実情である。
昨今ではこの代替手法として密度管理が主流となっている。密度管理は現地(現場)で行われる実施工(本施工)に先立って室内試験を行い、盛土材の最大乾燥密度を求め、この最大乾燥密度と本施工時に測定した乾燥密度の比率(締固め度)を指標として、締固められた土(以下、「締固め土」という。)の品質を管理するものである。しかし、室内試験と実施工では、締固めエネルギーや土質の状態の条件を完全に一致させることは困難であり、試験結果に基づく合理的な施工管理が実際の施工現場で適切に実現できず、期待した成果が得られない場合があった。
また密度管理は、本施工の結果をサンプリングすることで得られるいわば点の情報であるため、サンプリング数によっては施工範囲全体を適切に評価できるとはいい難い。施工範囲を網羅的に評価するためには、多点数(高密度)のサンプリングを行う必要があるが、その分手間と時間を要し施工コストを押し上げることから現実的ではない。さらに密度管理は、事後的に結果を確認する手法であるから、施工に手戻りが生ずるおそれもある。
以上の問題を解決するため、締固め土の品質管理手法として新たな取り組みがこれまでも行われてきた。例えば特許文献1では、振動ローラで転圧しながら地盤の加速度応答値(振動ローラの振動加速度の時間変化を示す加速度波形を用いて、盛土材料の締固め程度を表す値)を計測し、この地盤の加速度応答値と締固め実測値(砂置換等による試験値)との関係式に基づいて締固め管理ブロックごとにブロック特性値を算出し、このブロック特性値を指標として締固め土の品質を管理する技術を提案している。
特開2002−327429号公報 龍岡文夫、藤代健司、須藤雅人、建山和由、根本忠、「乾燥密度と飽和度の関数としての締固めた土の物性」、第48回地盤工学研究発表会講演集、公益社団法人地盤工学会、2013年7月、p.575−576 龍岡文夫、藤代健司、川辺翔平、菊池喜昭、建山和由、根本忠、「地盤工学・技術ノート 第3回 盛土の締固め(3)」、月刊基礎工、2013年9月号、株式会社総合土木研究所、2013年9月、p.103−106 龍岡文夫、「技術手帳 盛土の締固めにおける飽和度管理の重要性」、地盤工学会誌、Vol.63 No.7 Ser.No.690(2015年7月号)、公益社団法人地盤工学会、2015年7月、p.39−40
ところで、含水比と乾燥密度の関係に着目した締固め曲線は締固めエネルギーと材料の粒度分布の影響を受けやすいが、非特許文献1〜3では、最適飽和度(最適含水比と最大乾燥密度となる土の飽和度)は締固めエネルギーと材料の粒度分布の影響を受けにくいことを示している。また非特許文献1〜3では、締固め土の剛性・強度や透水係数は、含水比と乾燥密度で定められるのではなく、乾燥密度と飽和度の関数によって求められることを示しており、飽和度の管理の重要性を指摘したうえで飽和度を指標とした締固め土の品質管理手法(以下、単に「飽和度管理」という。)を提案している。そして近年では、この飽和度管理が注目されている。
従来の密度管理は、含水比と乾燥密度による品質管理を基礎としており、この結果、オーバーコンパクションや浸水による強度低下、コラプス沈下などを生じることがあった。一方、飽和度管理によれば、このような問題を回避できる点で優れた管理手法といえるものの、現状ではまだそれほど多くの採用事例がない。これは、従来では締固め土の飽和度が施工完了後(現場密試験)に得られるものとされていたことから、場合によっては手戻りが生ずるおそれがあり、効率的な施工管理に繋がらないと考えられていたことが要因である。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち施工中において即座に(リアルタイムに)かつ面的に締固め土に対して飽和度管理による評価を行うことができる、土の品質管理方法とそのモニタリングシステムを提供することである。
本願発明は、施工中に随時取得できる加速度応答値に着目し、さらに加速度応答値と飽和度との関係を示す飽和度換算式を設定することによって、含水比を一定とすれば加速度応答値を取得するだけで締固め土の飽和度を把握することができる、という点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の土の品質管理方法は、試験材料(盛土材)を締固める「モデル施工」と現地材料(盛土材)を締固める「本施工」を行うことで、締固め土の品質を管理する方法である。このモデル施工は、試験含水比取得工程と、試験加速度応答値取得工程、試験物性値取得工程、飽和度換算式設定工程を備えている。このうち試験含水比取得工程では、試験材料の含水比を「試験含水比」として取得し、試験加速度応答値取得工程では、試験材料を締固めながらその試験材料の加速度応答値を「試験加速度応答値」として取得し、試験物性値取得工程では、締固められた試験材料の飽和度(又は乾燥密度)を「試験飽和度(又は試験乾燥密度)」として取得する。また飽和度換算式設定工程では、試験含水比と(試験加速度応答値取得工程を複数回行った結果得られる)複数の試験加速度応答値と(試験物性値取得工程を複数回行った結果得られる)複数の試験飽和度(又は試験乾燥密度)に基づいて、その試験材料における加速度応答値と飽和度の関係を示す「飽和度換算式」を設定する。一方の本施工は、現地含水比取得工程と、現地加速度応答値取得工程、現地飽和度算出工程、確認工程を備えている。このうち現地含水比取得工程では、現地材料の含水比を「現地含水比」として取得し、現地加速度応答値取得工程では、現地材料を締固めながらその締固められた現地材料の加速度応答値を「現地加速度応答値」として取得する。また現地飽和度算出工程では、現地含水比と現地加速度応答値と飽和度換算式に基づいて「現地飽和度」を求め、確認工程では、現地飽和度と「評価基準範囲(あらかじめ設定した許容される飽和度の範囲)」を比較する。そして、現地飽和度が評価基準範囲に収まるまで、現地加速度応答値取得工程、現地飽和度算出工程、確認工程が繰り返し行われる。
本願発明の土の品質管理方法は、モデル施工が現地転圧条件設定工程をさらに備えた方法とすることもできる。この現地転圧条件設定工程では、締固めの条件である「現地転圧条件」を設定する。この場合試験加速度応答値取得工程では、「転圧条件(転圧の起振力及び転圧機械の走行速度の組み合わせ)」を変えながら試験材料の締固めを行って、転圧条件ごとに試験加速度応答値を取得する。そして現地転圧条件設定工程では、試験含水比と飽和度換算式と転圧条件ごとの試験加速度応答値に基づいて、転圧条件ごとの試験飽和度を求めるとともに試験飽和度が評価基準範囲に収まる転圧条件を現地転圧条件として設定する。
本願発明の土の品質管理方法は、飽和度換算式が乾燥密度のみを変数とする「第1関数」と飽和度のみを変数とする「第2関数」によって構成される方法とすることもできる。この第1関数は、飽和度が同等の値である、複数組の試験加速度応答値と試験乾燥密度に基づいて設定され、第2関数は、複数種類の飽和度を条件として得られる、複数の第1関数及び第2関数値(飽和度を入力して得られる第2関数の値)に基づいて設定される。
本願発明の土の品質モニタリングシステムは、加速度応答値計測手段と、測位手段、飽和度算出手段、記憶手段、出力手段を備えたシステムである。このうち加速度応答値計測手段は、締固められた土の加速度応答値を計測する手段であり、測位手段は、加速度応答値を計測した位置を測位する手段であり、飽和度算出手段は、土の含水比と加速度応答値と飽和度換算式に基づいて飽和度を求める手段である。また記憶手段は、飽和度と位置情報を組み合わせて記憶する手段であり、出力手段は、飽和度と位置情報の組み合わせに基づいて飽和度をマップ表示する手段である。なお飽和度換算式は、ここまでに説明したモデル施工を行うことによって設定される。
本願発明の土の品質管理方法、及び土の品質モニタリングシステムには、次のような効果がある。
(1)飽和度管理を採用していることから、締固めエネルギーと材料の粒度分布の影響を受けにくく、しかも浸水による強度低下やオーバーコンパクションを回避できることから、従来に比べより高い精度で締固め土の品質を管理することができる。
(2)現地で計測される加速度応答値を用いて飽和度管理を行うことから、施工中リアルタイムに締固め土に対して評価を行うことができ、この結果手戻りを回避することができる。
(3)転圧条件(転圧の起振力と転圧機械の走行速度)を設定したうえで締固めを行うことで、さらに高品質の土構造物を構築することができる。
(a)は本願発明で採用する飽和度管理の基礎となる含水比と乾燥密度の関係を示すグラフ図、(b)は本願発明で採用する飽和度管理の基礎となる飽和度と乾燥密度の関係を示すグラフ図。 締固め曲線に基づく密度管理の基礎となるグラフ図。 モデル施工のうち飽和度換算式を設定するまでの主な工程の流れを示すフロー図。 モデル施工のうち現地転圧条件を設定するまでの主な工程の流れを示すフロー図。 本施工の主な工程の流れを示すフロー図。 飽和度換算式を設定するまでの主な処理の流れを示すフロー図。 試験乾燥密度と試験加速度応答値の関係を示したものであり、試験飽和度の値を70〜80%としたケースを実線で示し、試験飽和度の値を60〜70%としたケースを破線で示したグラフ図。 (a)は試験飽和度を40%としたケースのCCV−ρグラフ図、(b)は試験飽和度を50%としたケースのCCV−ρグラフ図、(c)は試験飽和度を60%としたケースのCCV−ρグラフ図、(d)は第2関数を示すグラフ図。 (a)は起振力を一定とし締固め時間を変えて締固めを行った2ケースを比較するグラフ図、(b)は締固め時間を一定とし起振力を変えて締固めを行った2ケースを比較するグラフ図。 土の品質モニタリングシステムを搭載した振動ローラを模式的に示す側面図。 土の品質モニタリングシステムの主な構成を示すブロック図。
本願発明の土の品質管理方法、及び土の品質モニタリングシステムの形態の一例を、図に基づいて説明する。
1.定義
本願発明の実施形態の例を説明するにあたって、はじめにここで用いる用語の定義を示しておく。なお、本願発明ではモデル施工と本施工を行うこととしており、それぞれで同様の工程が実施されることから、それぞれで同じ名称を用いることがある。そこで、モデル施工のものと本施工のものを区別するため、「試験」という語と「現地」という語を付加して使用することとする。例えば飽和度であれば、モデル施工におけるものを「試験飽和度」、本施工におけるものを「現地飽和度」とする。また、飽和度Srや含水比wなどアルファベット等とともに表記する場合は、試験含水比w、現地含水比wのようにモデル施工のものはtを添え、本施工のものはcを添えることとする。
(試験材料と現地材料)
本願発明は、造成盛土や道路の路床、路体、河川堤防といった土構造物に用いられる土(盛土材)の締固めの程度を管理する技術であり、締固め度に併せて飽和度をリアルタイムかつ面的に把握することを特徴としている。そして盛土材の転圧は、モデル施工でも本施工でも行われる。そこで、ここではモデル施工で試験的に転圧する対象を「試験材料」と、本施工で転圧する対象を「現地材料」ということとする。さらに、モデル施工で転圧された試験材料を「試験締固め土」と、本施工で転圧された現地材料を「現地締固め土」ということとする。なお試験材料と現地材料は、同種(ただし各物性値は異なってもよい)の盛土材が用いられる。
(試験含水比と現地含水比)
本願発明は、試験材料の含水比wを取得するとともに、現地材料の含水比wも取得する。そこで、ここでは試験材料の含水比を「試験含水比w」と、現地材料の含水比を「現地含水比w」ということとする。
(加速度応答値)
加速度応答値CCV(Compaction Control Value)は、先に示した特許文献1にも開示されているように、振動ローラの振動加速度の時間変化を示す加速度波形を用いて、盛土材料の締固め程度を表す値である。より詳しくは、振動ローラの振動輪に取り付けた加速度計によって地盤上で振動輪を振動させたときの加速度(振動輪加速度)を計測し、この振動輪加速度の周波数分析を行った結果得られる振動ローラの基本振動数成分とその他の成分の比によって求められる値が加速度応答値CCVである。本願発明は、モデル施工における試験締固め土の加速度応答値を取得するとともに、本施工における現地締固め土の加速度応答値を取得することから、ここでは試験締固め土のものを「試験加速度応答値CCV」と、現地締固め土のものを「現地加速度応答値CCV」ということとする。
(試験飽和度と試験乾燥密度)
モデル施工では、試験締固め土に対して密度試験等を行い、その飽和度Sと乾燥密度ρを取得する。ここでは、試験締固め土の飽和度を「試験飽和度Srt」と、試験締固め土の乾燥密度を「試験乾燥密度ρdt」ということとする。
(飽和度換算式)
非特許文献1〜3では、締固めた地盤の剛性やその指標であるCBRは、乾燥密度と飽和度Srを変数とする関数によって求められ、含水比wがほぼ一定であればCBRと飽和度Sの間には高い相関があることを示している。このことから、加速度応答値CCVは、締固めた地盤の剛性を反映しているので、飽和度Sを変数とする関数で求めることができ、含水比wがほぼ一定であれば飽和度S との間には高い相関があることが想定できる。ここでは、この関数(つまり加速度応答値CCVと飽和度Sの関係を表す算式)を「飽和度換算式」ということとする。ところで、下記(式1)に示すように飽和度Sは乾燥密度ρによって求めることができる。水の密度ρは既知であり、盛土材の土粒子密度ρ(=Gs×ρ)も試験等により既知とすることができることから、含水比wが既知であれば、飽和度Sを決めると(式1)によって乾燥密度ρも求められ、逆に乾燥密度ρを決めると下記(式2)によって飽和度Sも求められる。すなわち飽和度換算式は、加速度応答値CCVと飽和度Sの関係を表す関数であると同時に、加速度応答値CCVと乾燥密度ρの関係を表す関数でもある。
Figure 2018154975
Figure 2018154975
(現地飽和度と現地乾燥密度)
本願発明は、飽和度換算式に現地加速度応答値CCVを入力することで、現地締固め土の飽和度Sや乾燥密度ρを算出する。ここでは、試験締固め土のものと区別するため、現地締固め土の飽和度を「現地飽和度Src」と、現地締固め土の乾燥密度を「現地乾燥密度ρdc」ということとする。
(評価基準範囲)
本願発明は、既述のとおり本施工の結果得られた現地締固め土を管理する技術であり、現地締固め土の現地飽和度Src及び現地乾燥密度ρdcを利用して締固めの程度の適否を評価する。そして、この現地飽和度Src及び現地乾燥密度ρdcと照らし合わせる基準となるものが「評価基準範囲」であり、適否を評価するためのいわば許容範囲である。すなわち、現地締固め土の特性が評価基準範囲にある(収まる)値であれば適正と評価され、評価基準範囲外の値であれば不適と評価される。この評価基準範囲は、文字どおり1点の値ではなく幅をもった値であり、すなわち下限値と上限値によって規定される。具体的には、非特許文献1〜3で提案されている飽和度管理法に基づいて、含水比と乾燥密度の関係を表すグラフに測定値をプロットした図1(a)に示すように、最適飽和度を中心に下限値(下限飽和度)と上限値(上限飽和度)を定め、さらに下限含水比と上限含水比を定め、これら飽和度の上限値と下限値、含水比の上限値と下限値、そして乾燥密度の下限値(目標乾燥密度)それぞれの線に囲まれた領域を評価基準範囲とすることができる。あるいは、飽和度と乾燥密度の関係を表すグラフに測定値をプロットした図1(b)に示すように、やはり最適飽和度を中心に下限飽和度上限飽和度を定め、さらに下限含水比と上限含水比を定め、これら飽和度の上限値と下限値、含水比の上限値と下限値、そして目標乾燥密度それぞれの線に囲まれた領域を評価基準範囲とすることができる。
(飽和度管理)
図2は、これまで主流とされてきた締固め曲線に基づく管理手法(以下、「密度管理」という。)の基礎となるグラフ図であり、図1(a)や図1(b)は本願発明で採用する飽和度管理の基礎となるグラフ図である。従来の密度管理では、図2に示すように含水比の下限値(下限含水比)と上限値(上限含水比)を定めることで基準範囲(含水比基準範囲)を設定していた。したがって、図2で網掛けした領域が含水比基準範囲となり、この領域内にある含水比と乾燥密度の組み合わせが適正と評価される。なお、含水比と乾燥密度の組み合わせがゼロ空隙曲線を超える(上方に位置する)ことはないため、含水比基準範囲は概ね台形となっている。一方、飽和度管理では、図1(a)で網掛けした領域が評価基準範囲となる。図1(a)と図2を比べてみると、含水比基準範囲よりも評価基準範囲の方が斜線領域分だけ小さく(狭く)なっていることが分かる。このことは、密度管理よりも飽和度管理の方が厳密な管理であることを意味しており、すなわち飽和度管理の方が高い精度で締固め土を管理することを意味している。
(転圧条件)
転圧を行う際の施工条件、特に転圧の起振力(締固めエネルギー)と転圧機械(振動ローラなど)の走行速度(転圧する移動速度)の組み合わせを、ここでは「転圧条件」ということとする。モデル施工において、転圧条件を変えながら締固めを行い、その都度、試験飽和度Srtや試験加速度応答値CCVを取得し、さらに評価基準範囲と照らし合わせることで、転圧条件の適否を評価することができる。ここでは、試験飽和度Srtが評価基準範囲を満足する(評価基準範囲内に収まる)転圧条件を特に「適正転圧条件」と、適正転圧条件のうち最適と判断され実際に本施工で採用する転圧条件を特に「現地転圧条件」ということとする
2.土の品質管理方法
次に、本願発明の土の品質管理方法について図3〜図5を参照しながら説明する。図3はモデル施工のうち飽和度換算式を設定するまでの主な工程の流れを示すフロー図であり、図4はモデル施工のうち現地転圧条件を設定するまでの主な工程の流れを示すフロー図、図5は本施工の主な工程の流れを示すフロー図である。なおこれらのフロー図では、中央の列に実施する行為を示し、左列にはその行為に必要なものを、右列にはその行為から生ずるものを示している。
(モデル施工)
図3に示すようにまずは試験材料の試験含水比wを取得する(Step101)。試験含水比wを取得するにあたっては、サンプリングの炉乾燥(あるいは電子レンジ乾燥)法で測定したり、RI(Radio Isotope)計器を用いて計測したり、従来利用されている種々の計測手法を採用することができる。なお、試験材料の土粒子密度ρ(あるいは土粒子の比重Gs)もあらかじめ把握しておく。
試験材料を用いて実験フィールドに試験盛土体を構築し、振動ローラ等の転圧機械によって転圧を行いながら転圧中の試験加速度応答値を取得し(Step102)、転圧の結果得られた試験締固め土に対して密度試験等を行うことで、試験飽和度Srtと試験乾燥密度ρdtを取得する(Step103)。そして転圧回数を変えながら、試験加速度応答値取得工程(Step102)〜試験物性値の取得工程(Step103)を複数回実施して、複数組の物性値(試験加速度応答値CCV、試験飽和度Srt、試験乾燥密度ρdt)を取得する。
試験含水比wを取得し、複数組の物性値(試験加速度応答値CCV、試験飽和度Srt、試験乾燥密度ρdt)を取得すると、飽和度換算式を設定する(Step104)。例えば、横軸を試験飽和度Srt(又は試験乾燥密度ρdt)、縦軸を試験加速度応答値CCVとした座標系に、複数組の物性値をプロットし、これに基づいて求められる回帰曲線(あるいは回帰直線)を、飽和度換算式とすることができる。あるいは、既述したとおり加速度応答値と飽和度の関係を利用すると、より再現性が高い飽和度換算式を設定することができる。
発明者らは実験を繰り返した結果、非特許文献1〜3で提案されている締固め土のCBRや剛性の経験式と同様に、(式3)に示すように飽和度換算式が乾燥密度のみを変数とする関数(以下、「第1関数f」という。)と、飽和度のみを変数とする関数(以下、「第2関数f」という。)によって構成されることを解明した。
Figure 2018154975
また、第1関数fが(式4)に示す算式で表すことができ、第2関数fが(式5)に示す2次式(3以上のn次式でもよい)で表すことができることを確認しており、したがって(式3)は、(式4)と(式5)から(式6)で表すことができる。なお、a〜eは定数である。
Figure 2018154975
Figure 2018154975
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以下、図6を参照しながら、(式3)に示す飽和度換算式を設定するまでの処理の流れを説明する。大まかな手順としては、まず第2関数fを定数として扱うことで試験加速度応答値CCVと試験乾燥密度ρdtの関係を作り、その関係から第1関数fを定めるとともに第2関数fの値(以下、「第2関数値」という。)を求め、次に第2関数値と試験飽和度Srtの関係から第2関数fを定め、第1関数fと第2関数fから飽和度換算式を設定する。
図6に示すように、転圧を行って得られた試験材料(つまり試験締固め土)の試験飽和度Srtと試験乾燥密度ρdt、試験加速度応答値CCVといった物性値を取得する。そして、転圧回数を変えながら(あるいは、転圧回数及び含水比wを変えながら)試験締固め土の物性値(試験飽和度Srtと試験乾燥密度ρdt、試験加速度応答値CCV)を繰り返し取得する。この結果得られた複数組(図ではn組)の物性値のうち試験飽和度Srtの値が同等である組み合わせを抽出し、試験乾燥密度ρdtと試験加速度応答値CCVをグラフ上にプロットする。図7は、試験飽和度Srtの値が同等である試験乾燥密度ρdtと試験加速度応答値CCVの関係を示したグラフ(以下、「CCV−ρグラフ」という。)であり、試験飽和度Srtの値が70〜80%であるケースを実線で示し、試験飽和度Srtの値が60〜70%であるケースを破線で示している。
図7に示すように、試験飽和度Srtの値が同等である試験乾燥密度ρdtと試験加速度応答値CCVの間には相当の関係が見られる。したがって、回帰曲線(あるいは回帰直線)を求めることによって図7に示す関係をCCV−ρグラフで表すことができ、関数(以下、「CCV−ρ関数」という。)で表すことができるわけである。ところで、このCCV−ρグラフは試験飽和度Srtの値が同等であるため、飽和度のみを変数とする第2関数値も変化することなく一定の値となる。つまりこの場合、(式3)における第2関数値(f(S))は定数(係数)として扱うことができる。故に、CCV−ρ関数と、(式3)及び(式4)を照らし合わせることで、第1関数fを定める(つまり定数d、eを決定する)ことができ、同時に第2関数値も定めることができるわけである。
1種類のCCV−ρ関数が得られ、第1関数fと第2関数値を定めることができると、同等となる試験飽和度Srtの値を変えて改めて物性値の組み合わせを抽出し、再度第1関数の設定を行う。そして同等となる試験飽和度Srtの値を変えながら繰り返し(図7ではk回)第1関数の設定を行い、複数種類(k種類)のCCV−ρグラフ(CCV−ρ関数)を取得する。例えば図8では3種類のCCV−ρグラフを取得した例を示しており、(a)は試験飽和度Srtが40%であるケースのCCV−ρグラフを示し、(b)は試験飽和度Srtが50%であるケースのCCV−ρグラフ、(c)は試験飽和度Srtが60%であるケースのCCV−ρグラフを示している。なお、図8は便宜上3種類のCCV−ρグラフを示しているが、もちろん4種類以上のCCV−ρグラフを求めることもできる。
ここまでの処理で、複数種類のCCV−Sr関数が得られ、複数の第2関数値を得ることができる。複数の第2関数値を得ることは、すなわち複数組(図8では3組)の試験飽和度Srtと第2関数値を得ることにほかならない。そして、複数組の試験飽和度Srtと第2関数値を用いることで、(式5)に示す第2関数fを定める(つまり定数a〜cを決定する)ことができる。あるいは図8(d)に示すように、横軸を試験飽和度Srt、縦軸を第2関数値とした座標系に、複数組の(試験飽和度Srt,第2関数値)をプロットし、これを基に設定される回帰曲線(あるいは回帰直線)を第2関数fとすることもできる。
以上説明した手順で第1関数fと第2関数fが設定できると、(式3)にしたがって飽和度換算式を設定することができる。また既述したとおり飽和度換算式は、加速度応答値CCVと飽和度Sの関係を表す関数であると同時に、加速度応答値CCVと乾燥密度ρの関係を表す関数でもある。(式7)は、加速度応答値CCVを飽和度Sで表した飽和度換算式であり、(式8)は、加速度応答値CCVを乾燥密度ρで表した飽和度換算式である。
Figure 2018154975
Figure 2018154975
本施工を行うに当たって、図4に示すようにあらかじめ現地転圧条件を設定することもできる。既述のとおり転圧条件は、転圧の起振力(締固めエネルギー)と転圧機械の走行速度の組み合わせであり、当然ながら図9に示すように転圧条件によって締固めの程度は大きく異なる。図9は、転圧条件を変えて締固めを行った結果を示すグラフであり、(a)は起振力fを一定とし走行速度を変えた2ケースを比較するものであり、(b)は走行速度を一定とし起振力fを変えた2ケースを比較するものである。なお、このグラフの縦軸は、当初から増加した分の密度を示している。
以下、図4を参照しながら現地転圧条件を設定するまでの工程の流れを説明する。まず、最初の転圧条件を設定し(Step105)、その転圧条件のもと試験材料を転圧し、転圧中の試験加速度応答値CCVを取得する。そして、ここまでに取得した試験含水比wや土粒子密度ρ、試験加速度応答値CCVを、飽和度換算式に入力して試験飽和度Srtと試験乾燥密度ρdtを算出する(Step106)。
試験飽和度Srtが、図1(b)に示す評価基準範囲に収まっていれば、その試験締固め土は適正と評価され、すなわちその試験締固め土を形成した転圧条件は適正転圧条件として評価される(Step107)。
図4に示すように転圧条件を変えながら、複数の試験締固め土に対して適否判定を行い、1又は2以上の適正転圧条件を得る。そして、複数の適正転圧条件が得られた場合は、そのうち最も適したものを現地転圧条件として設定する(Step108)。この場合、転圧条件のうちの転圧の起振力(締固めエネルギー)を重視して現地転圧条件を設定することもできるが、転圧機械の走行速度(転圧する移動速度)を重視して現地転圧条件を設定する方が、全体工期が短縮されるため好適となる。
(本施工)
図5に示すように、本施工でもモデル施工同様に現地材料の現地含水比wを取得する(Step201)。現地含水比wを取得するにあたっては、サンプリングの炉乾燥(あるいは電子レンジ乾燥)法で測定したり、RI計器を用いて計測したり、従来利用されている種々の計測手法を採用することができる。なお、現地材料は試験材料と同種のものを使用するため、土粒子密度ρに関しては試験材料の値をそのまま用いることもできるし、ここで改めて試験等により土粒子密度ρ(あるいは土粒子の比重Gs)を取得してもよい。
本施工では、使用する材料(つまり現地材料)の目標含水比wがあらかじめ設定されていることもある。この場合、現地含水比wが目標値から大きく外れているときは現地材料の現地含水比wを調整したうえで施工するとよい。例えば、現地含水比wが目標含水比wよりも高いときは、天日乾燥と攪拌を繰返すことで現地材料を乾燥させ、あるいは強制曝気設備(キルン)を利用することで現地含水比wを下げるとよい。一方、現地含水比wが目標含水比wよりも低いときは、散水により含水比を調整するとよい。
現地材料の状態が把握できると、設計仕様や施工計画等にしたがって撒出し〜転圧を行う。そして転圧を行いながら振動輪を振動させたときの振動輪加速度を計測し、この振動輪加速度の周波数分析を行うことで、現地締固め土の現地加速度応答値CCVを取得する(Step202)。
現地加速度応答値CCVを取得すると、モデル施工の結果得られた飽和度換算式を利用して現地飽和度Srcと現地乾燥密度ρdcがリアルタイムに算出できる。(Step203)。具体的には、現地含水比wや土粒子密度ρ、現地加速度応答値CCVを、飽和度換算式(例えば(式7)や(式8))に入力入することで現地飽和度Srcと現地乾燥密度ρdcを算出し、パーソナルコンピュータ(PC)やデータベースサーバ等に記憶させる。このとき、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)などを利用して、現地加速度応答値CCVを計測した位置(以下、「CCV計測位置」という。)の位置情報を取得し、その位置情報とともに(関連付けて)現地加速度応答値CCVと現地飽和度Src、現地乾燥密度ρdcを記憶させるとよい。
事前に測定した含水比wと盛土材の土粒子密度ρ、転圧作業中にリアルタイムに得られる現地加速度応答値CCVから、現地飽和度Srcと現地乾燥密度ρdcを算定する。具体的には、(式7)によって現地飽和度Srcを算定し、(式8)によって現地乾燥密度ρdcを算定する。そして、これらの結果を図1(a)や図1(b)に示すグラフにプロットし、現地飽和度Srcと現地乾燥密度ρdcが評価基準範囲(図1(a)、図1(b))に収まれば当該施工範囲の締固めの程度(つまり現地締固め土)は適正と評価される(Step205)。このように本願発明では、(式7)や(式8)といった飽和度換算式を用いることで現地飽和度Srcと現地乾燥密度ρdcを容易かつリアルタイムに算定することができ、この結果、従来の現地乾燥密度ρdcのみによる評価に加え現地乾燥密度ρdcによる評価を行うことができ、すなわち従来よりも高い精度の評価を容易かつリアルタイムに行うことができるわけである。なお現地乾燥密度ρdcが評価基準範囲外にプロットされる場合、飽和度下限値以下では再転圧を行い、飽和度上限値以上ではその部分の盛土材を除去して再度敷均し〜転圧作業を行う。
施工範囲の締固めの程度(つまり現地締固め土)がすべて適正と評価されると、次のブロック(施工範囲)に移るか、次のブロックがない場合はそのまま施工を完了する。なお締固めは通常、あらかじめ計画した回数だけ返し行われる。そこで、1回の締固めが終わるたびに現地締固め土の評価(Step205)を行いすべて適正とされた段階で当該範囲の完了とすることもできるし、図5に示すように計画した回数だけ転圧が繰り返されたタイミングで(Step204)、現地締固め土を評価する(Step205)こともできる。また施工を完了する前に、本願発明による管理手法の妥当性を確認する目的で、現地締固め土に対して現場密度試験を行ってもよい(Step206)。
3.土の品質モニタリングシステム
続いて、本願発明の土の品質モニタリングシステム100について図を参照しながら説明する。図10は、土の品質モニタリングシステム100を搭載した振動ローラVRを模式的に示す側面図であり、図11は、土の品質モニタリングシステム100の主な構成を示すブロック図である。なお、土の品質モニタリングシステム100は、ここまで説明した土の品質管理方法に使用する装置であり、したがって土の品質管理方法で説明した内容と重複する説明は避け、土の品質モニタリングシステム100に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、土の品質管理方法で説明したものと同様である。
図11に示すように土の品質モニタリングシステム100は、加速度応答値計測手段101と、測位手段102、飽和度算出手段103、計測情報記憶手段104、出力手段105を含んで構成され、その他、飽和度換算式記憶手段106やマップ情報記憶手段107を含んで構成することもできる。
加速度応答値計測手段101は、図10に示すように振動ローラVRの振動輪に取り付けられ、振動輪を振動させたときの振動輪加速度を計測するとともに、この振動輪加速度の周波数分析を行って締固め土の加速度応答値CCVを算出するものである。なお加速度応答値計測手段101は、振動輪加速度を計測する機能を持つものと、周波数分析を行って加速度応答値CCVを算出する機能を持つものを別体として構成してもよいし、これらを一体として構成することもできる。
測位手段102は、全球測位衛星システムGNSSなどを利用して現在位置の座標を取得するものである。具体的には、図10に示すように衛星STからの信号を受信する受信機RMを振動ローラVRに設置し、その受信機RMが受信した信号情報を空間演算することによって振動ローラVRの位置(つまりCCV計測位置)を算出するものである。
飽和度算出手段103は、飽和度換算式記憶手段106に記憶された飽和度換算式を読み出すとともに、この飽和度換算式と、現地含水比wと、加速度応答値計測手段101で取得した現地加速度応答値CCVによって、現地飽和度Srcと現地乾燥密度ρdcを算出するものである。この飽和度算出手段103は、専用のものとして製造することもできるし、汎用的なコンピュータ装置を利用することもできる。
計測情報記憶手段104は、飽和度算出手段103で求めた現地飽和度Src及び現地乾燥密度ρdcと、測位手段102で測位した位置情報を組み合わせて(関連付けて)記憶するものである。なお、現地飽和度Srcと現地乾燥密度ρdcに加えて、加速度応答値計測手段101で取得した現地加速度応答値CCVも位置情報と関連付けて記憶することもできる。この計測情報記憶手段104は、単独のデータベースサーバとして構築することもできるし、インターネット経由で保存するクラウドサーバとして構築することもできる。
出力手段105は、計測情報記憶手段104で記憶した現地飽和度Srcや現地乾燥密度ρdcと位置情報の組み合わせに基づいて、現地飽和度Srcや現地乾燥密度ρdcをマップ表示するものである。このとき、現地飽和度Src及び現地乾燥密度ρdcと評価基準範囲を比較した結果を反映させて(例えば、適否評価に応じた色とともに)表示することもできる。なおマップ表示するに当たっては、施工範囲の平面図(地図)と、この平面図の位置(座標)情報、施工範囲を複数に分割したメッシュ情報(座標や識別子)をマップ情報記憶手段107から読み出し、平面図とともにメッシュごとの現地飽和度Srcや現地乾燥密度ρdcを表示するとよい。
本願発明の土の品質管理方法、及び土の品質モニタリングシステムは、造成盛土に利用できるほか、道路路床、路体や、河川堤防、海岸堤防、ダム、堰堤などの土構造物に広く利用することができる。本願発明が、社会インフラストラクチャーとして高品質の土構造物を提供することを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
100 土の品質モニタリングシステム
101 加速度応答値計測手段
102 測位手段
103 飽和度算出手段
104 計測情報記憶手段
105 出力手段
106 飽和度換算式記憶手段
107 マップ情報記憶手段
RM (測位手段の)受信機
ST 衛星
VR 振動ローラ

Claims (2)

  1. 試験材料としての土を締固めるモデル施工と、現地材料としての土を締固める本施工と、を行うことで、締固められた該現地材料の品質を管理する方法において、
    前記モデル施工は、
    前記試験材料の含水比を、試験含水比として取得する試験含水比取得工程と、
    前記試験材料を締固めながら、該試験材料の加速度応答値を試験加速度応答値として取得する試験加速度応答値取得工程と、
    前記試験加速度応答値取得工程で締固められた前記試験材料の飽和度又は乾燥密度を、試験飽和度又は試験乾燥密度として取得する試験物性値取得工程と、
    前記試験含水比取得工程で取得された前記試験含水比と、前記試験加速度応答値取得工程を複数回行うことで得られる複数の前記試験加速度応答値と、前記試験物性値取得工程を複数回行うことで得られる複数の前記試験飽和度又は前記試験乾燥密度と、に基づいて前記試験材料における加速度応答値と飽和度の関係を示す飽和度換算式を設定する飽和度換算式設定工程と、
    締固めの条件である現地転圧条件を設定する現地転圧条件設定工程と、を備え、
    前記モデル施工のうちの前記試験加速度応答値取得工程では、転圧の起振力及び転圧機械の走行速度の組み合わせである転圧条件を変えながら、該転圧条件ごとに前記試験加速度応答値を取得し、
    前記モデル施工のうちの前記現地転圧条件設定工程では、前記試験含水比と、前記飽和度換算式と、前記転圧条件ごとの前記試験加速度応答値と、に基づいて前記転圧条件ごとの前記試験飽和度を求めるとともに、該試験飽和度が評価基準範囲に収まる前記転圧条件を前記現地転圧条件として設定し、
    前記本施工は、
    前記現地材料の含水比を、現地含水比として取得する現地含水比取得工程と、
    前記現地転圧条件設定工程で設定された前記現地転圧条件で前記現地材料を締固めながら、該現地材料の加速度応答値を現地加速度応答値として取得する現地加速度応答値取得工程と、
    前記現地含水比取得工程で取得された前記現地含水比と、前記現地加速度応答値取得工程で取得された前記現地加速度応答値と、前記飽和度換算式設定工程で設定された前記飽和度換算式と、に基づいて現地飽和度を求める現地飽和度算出工程と、
    前記現地飽和度算出工程で求められる前記現地飽和度と、あらかじめ設定した飽和度の範囲である前記評価基準範囲と、を比較する確認工程と、を備え、
    前記現地飽和度が前記評価基準範囲に収まるまで、前記現地加速度応答値取得工程、前記現地飽和度算出工程、及び前記確認工程を、繰り返し行う、
    ことを特徴とする土の品質管理方法。
  2. 締固められた土の品質を確認するモニタリングシステムにおいて、
    締固められた土の加速度応答値を計測する加速度応答値計測手段と、
    加速度応答値を計測した位置を測位する測位手段と、
    土の含水比と、前記加速度応答値計測手段で計測した加速度応答値と、加速度応答値と飽和度の関係を示す飽和度換算式と、に基づいて飽和度を求める飽和度算出手段と、
    前記飽和度算出手段で求めた飽和度と、前記測位手段で測位した位置情報と、を組み合わせて記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段で記憶した飽和度と位置情報の組み合わせに基づいて、該飽和度をマップ表示する出力手段と、を備え、
    前記飽和度換算式は、モデル施工を行うことによって設定され、
    前記モデル施工は、
    試験材料である土の含水比を、試験含水比として取得する試験含水比取得工程と、
    前記試験材料を締固めながら、該試験材料の加速度応答値を試験加速度応答値として取得する試験加速度応答値取得工程と、
    前記試験加速度応答値取得工程で締固められた前記試験材料の飽和度又は乾燥密度を、試験飽和度又は試験乾燥密度として取得する試験物性値取得工程と、
    前記試験含水比取得工程で取得された前記試験含水比と、前記試験加速度応答値取得工程を複数回行うことで得られる複数の前記試験加速度応答値と、前記試験物性値取得工程を複数回行うことで得られる複数の試験飽和度又は前記試験乾燥密度と、に基づいて前記試験材料における前記飽和度換算式を設定する飽和度換算式設定工程と、を備えた、
    ことを特徴とする土の品質モニタリングシステム。
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