JP7363934B2 - 粒状材の評価方法、路盤材用粒状材の製造方法および路盤材用粒状材 - Google Patents

粒状材の評価方法、路盤材用粒状材の製造方法および路盤材用粒状材 Download PDF

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Description

本発明は、締固め施工面の外観を評価できる粒状材の評価方法、当該評価方法を用いた路盤材用粒状材の製造方法および締固め施工面の外観が良好となる路盤材用粒状材に関する。
従来から路盤として施工された路盤材施工面の外観の良否は主にプルーフローリング試験(非特許文献1)で判断される。これは、施工時に用いる転圧機械と同等以上の締固め効果を有するタイヤローラやトラックを走行させて施工面の浮上りや緩みを十分に締固めた後の不良箇所を目視観察により発見する試験である。プルーフローリング試験において施工面の外観が悪いと判断されると、当該外観が改善するまでアスファルト舗装やコンクリート舗装ができない。一般的に、施工面の外観を評価する場合、配合毎に試験施工およびプルーフローリング試験を実施してその外観を評価する。このため、試験施工の負荷が非常に大きく、仮に試験施工なしに施工面の外観を評価できれば、路盤材施工の迅速化及び効率化が図れる。
特許文献1には、タイヤローラの前輪及び後輪間に設けられた上昇下降自在の中間加重輪と、距離測定器と、中間加重輪の押つけ圧力測定器とを有する道路舗装における締固め度の管理装置が開示されている。特許文献1によれば、当該管理装置を用いることで道路舗装における締固め度の管理を効率的に行うことができるとしている。
特許第3331427号公報
舗装調査・試験法便覧 [第4分冊] 第III章 試験偏 G023 プルーフローリング試験方法 [4]P210-213
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、プルーフローリング試験とたわみ量試験とを同じ重機で行うことで締固め度の管理を効率的に行うものであり、プルーフローリング試験を行うことなく締固め施工面の外観を評価できるものではない。本発明は、このような従来技術の課題を鑑みてなされた発明であり、その目的は、プルーフローリング試験を行うことなく締固め施工面の外観を評価できる粒状材の評価方法、当該評価方法を用いた路盤材用粒状材の製造方法、および、締固め施工面の外観が良好となる路盤材用粒状材を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]粒状材の平均含水比と、乾燥密度と、見かけ密度と、を用いて、前記粒状材によって形成される空隙の体積に対する前記空隙に浸水した水の体積の割合を示す飽和度を算出し、前記飽和度を用いて前記粒状材の締固め施工面の外観を評価する、粒状材の評価方法。
[2]下記(1)式を用いて前記飽和度を算出する、[1]に記載の粒状材の評価方法。
Sr=[(w×ρs×ρd)/{ρw×(ρs-ρd)}]・・・(1)
(1)式において、Srは飽和度(%)であり、wは締固め試験から得られる平均含水比(%)であり、ρsは前記粒状材の見かけ密度(g/cm)であり、ρdは締固め試験から得られる乾燥密度(g/cm)であり、ρwは水の密度(g/cm)である。
[3]前記粒状材の含水比を変えて締固め試験を複数回実施し、複数回実施された前記締固め試験の各々の結果に対して前記飽和度を算出し、算出された複数の前記飽和度のうちの最大の飽和度を用いて前記粒状材の締固め施工面の外観を評価する、[1]または[2]に記載の粒状材の評価方法。
[4]前記飽和度が80%より大きい場合に、前記粒状材はプルーフローリング試験における外観を満足する粒状材であると評価する、[1]から[3]の何れか1つに記載の粒状材の評価方法。
[5][4]に記載の粒状材の評価方法でプルーフローリング試験における外観を満足すると評価された粒状材を路盤材用粒状材とする、路盤材用粒状材の製造方法。
[6]平均含水比と、乾燥密度と、見かけ密度と、とから算出される飽和度が80%より大きい、路盤材用粒状材。
[7]前記飽和度は、下記(1)式を用いて算出される、[6]に記載の路盤材用粒状材。
Sr=[(w×ρs×ρd)/{ρw×(ρs-ρd)}]・・・(1)
(1)式において、Srは飽和度(%)であり、wは締固め試験から得られる平均含水比(%)であり、ρsは見かけ密度(g/cm)であり、ρdは締固め試験から得られる乾燥密度(g/cm)であり、ρwは水の密度(g/cm)である。
[8]前記路盤材用粒状材の含水比を変えて実施された複数回の締固め試験の各々の結果に対して算出される複数の前記飽和度のうちの最大の飽和度が80%より大きい、[6]または[7]に記載の路盤材用粒状材。
[9]粒径が0mmより大きく0.075mm以下の含有量が2質量%以上20質量%以下であり、粒径が0.075mmより大きく0.425mm以下の含有量が2質量%以上20質量%以下であり、粒径が0.425mmより大きく2.36mm以下の含有量が2質量%以上25質量%以下である、[6]から[8]の何れか1つに記載の路盤材用粒状材。
[10]粉粒状の製鋼スラグと、高炉スラグ微粉末との水和固化体を20質量%以上含む、[6]から[9]の何れか1つに記載の路盤材用粒状材。
[11]粉粒状の製鋼スラグと、高炉スラグ微粉末およびフライアッシュとの水和固化体を20質量%以上含む、[6]から[9]の何れか1つに記載の路盤材用粒状材。
[12]溶銑の脱炭処理工程から発生するスラグを20質量%以上含む、[6]から[9]の何れか1つに記載の路盤材用粒状材。
本発明に係る粒状材の評価方法の実施により、プルーフローリング試験を行うことなく粒状材の締固め施工面の外観を評価できる。これにより、路盤材施工の迅速化および効率化が実現できる。
本実施形態に係る路盤材用粒状材の製造方法の一例を示すフロー図である。 粒状材の粒径が0mmより大きく0.075mm以下の含有量と擬似飽和度との関係を示すグラフである。 粒状材の粒径が0mmより大きく0.425mm以下の含有量と擬似飽和度との関係を示すグラフである。 粒状材の粒径が0mmより大きく2.36mm以下の含有量と擬似飽和度との関係を示すグラフである。 混練材、フライアッシュおよび脱炭スラグの混合量と、擬似飽和度との関係を示すグラフである。
本発明者らは、路盤材の締固め施工面の外観を評価できる指標としてどんな試験データが適用できるかについて検討した。まず、路盤材の粒度分布および保水性に着目し、微細粒の含有量を変更した種々の粒状材を調製し、締固め施工面の外観との関係を調査した。その結果、路盤材に微細粒を添加したり、水和固化体を使用したりして転圧後においても路盤表面に多くの細粒が残っている場合に締固め施工面の外観が良化することが判明した。この結果は、微細粒を多く含む粒状材を用いたり、水付着力が強い材料(水和固化体)を用いたりすることで水の架橋力で粗粒周りに微細粒が保持され、これにより、路盤材転圧後においても微細粒が粗粒周りに保持され、締固め施工面の外観が改善したと考えられる。
このように、路盤材の粒度分布および水付着力は、締固め施工面の外観に影響を及ぼすことから、粒状材の粒度分布および水付着力を評価できる指標に着目した。粒状材の粒度分布および水付着力を複合的に表す指標として飽和度が知られている。飽和度は、粒状材によって形成される空隙の体積に対して当該空隙に浸水した水の体積の割合を示す。例えば、飽和度100%は全ての空隙に水が浸水している状態を示す。本発明者らは、粒状材の粒度分布と水付着力とが評価できる指標である飽和度を用いることで、当該粒状材の締固め施工面の外観を評価できることを見出して本発明を完成させた。以下、本発明の実施形態を通じて発明を説明する。
本実施形態に係る粒状材の評価方法では、粒状材の飽和度を算出し、当該飽和度を用いて粒状材の締固め施工面の外観を評価する。粒状材の飽和度は、粒状材の平均含水比および乾燥密度と、粒状材の見かけ密度と、を用いて算出する。粒状材の平均含水比および乾燥密度は、粒状材の締固め試験を実施することにより得られる。粒状材の飽和度は、例えば、下記(1)式を用いて算出することができる。
Sr=[(w×ρs×ρd)/{ρw×(ρs-ρd)}]・・・(1)
(1)式において、Srは飽和度(%)であり、wは締固め試験から得られる平均含水比(%)であり、ρsは粒状材の見かけ密度(g/cm)であり、ρdは締固め試験から得られる乾燥密度(g/cm)であり、ρwは水の密度(1.0(g/cm))である。
粒状材の締固め試験は、JIS A 5015「道路用鉄鋼スラグ」に引用されているJIS A 1210「突固めによる土の締固め試験方法」に記載の手順に従い実施する。粒状材のうち粒径5mm未満の細骨材の見かけ密度はJIS A 1109「細骨材の密度及び吸収率試験方法」に記載の吸収率試験で測定し、粒径5mm以上の粗骨材の見かけ密度はJIS A 1110「粗骨材の密度および吸収率試験方法」に記載の吸収率試験で測定する。これらの見かけ密度を細骨材と粗骨材との粒度比で按分して粒状材の見かけ密度を算出する。締固め試験および吸収率試験はいずれも実験室内で実施することができる試験である。
粒状材の見かけ密度は、液中秤量法、ルシャテリエ比重瓶法またはアルキメデス法を用いて測定してもよい。また、複数の原料が混合された粒状材を用いる場合には、上述した方法で各原料の見かけ密度を算出し、各原料の見かけ密度を各原料の配合比で按分して算出する。
飽和度が大きい粒状材であるほど、水の架橋力で粗粒周りに微細粒が保持されるので、転圧中に微細粒が下に落ちて行きにくい。このため、飽和度が大きい粒状材は、転圧後においても粗粒周りに微細粒が保持されるので締固め施工面の外観が良好になる。上述したように、飽和度は実験室内で実施できる試験データから求めることができるので、飽和度は、プルーフローリング試験を行なうことなく、室内試験データを用いて締固め施工面の外観を評価できる指標になる。
締固め施工面の外観の評価には、締固め施工面の外観が良好となる飽和度の閾値を予め設定しておき、算出された粒状材の飽和度が当該閾値より大きいか否かで判断すればよい。締固め施工面の外観が良好となる飽和度の閾値は下記1~6の手順で設定する。本実施形態において、飽和度の閾値は例えば80%である。
1.粒度分布が異なる粒状材を複数準備する。
2.粒状材の吸収率試験を実施し、各粒状材の見かけ密度を算出する。
3.各粒状材において含水量を変えて締固め試験を複数回実施し、ぞれぞれの試験から求められる平均含水比および乾燥密度を求める。含水量を変えて締固め試験を実施する回数は例えば6回である。
4.複数回の締固め試験の各々の結果から求められる平均含水比および乾燥密度と、見かけ密度とを用いて、複数回の締固め試験の各々の結果に対して飽和度を算出し、算出された複数の飽和度のうちの最大の飽和度(以下、この最大の飽和度を「擬似飽和度」と記載する。)を特定する。
5.各粒状材に対してプルーフローリング試験を行い、締固め施工面の外観を評価する。
6.締固め施工面の外観が良好と評価された粒状材の擬似飽和度を含み、締固め施工面の外観が不良と評価された粒状材の擬似飽和度を含まない擬似飽和度の値から飽和度の閾値を定める。
また、各粒状材において含水量を変えて締固め試験を複数回実施し、これら複数回の締固め試験の各々の結果に対して飽和度を算出することにより、含水量の変化に対する飽和度の変化をみることができる。そして、複数回の締固め試験の各々の結果に対して算出される飽和度は、実際の保水量を示す指標であるのに対し、擬似飽和度はその粒状材の潜在的な保水能力を示すものであるため、粒状材の締固め施工面の外観を評価するための指標として適する。粒状材の潜在的な保水能力を評価できていれば、この潜在的な保水能力を発揮できるように粒状材の含水比を調整することで、多くの微細粒を粗粒周りに付着させることができ、粒状材の締固め施工面が緻密になり外観を良好にできるためである。
そこで、上述のように、複数回の締固め試験の各々の結果に対して算出された複数の飽和度のうちの最大の飽和度、すなわち擬似飽和度を用いることが好ましい。
このように、本実施形態に係る粒状材の評価方法では、粒状材の飽和度を算出し、当該飽和度が予め定められた閾値より大きい場合に、締固め施工面の外観が良好になる、すなわち、プルーフローリング試験における外観を満足する粒状材であると評価する。このように評価することで、プルーフローリング試験を行うことなく粒状材の締固め施工面の外観を評価できるようになり、路盤材施工の迅速化および効率化が実現できる。
なお、本実施形態に係る粒状材の評価方法では、粒状材の含水比を変えて締固め試験を複数回実施し、複数回実施された前記締固め試験の各々の結果から得られる平均含水比および乾燥密度を用いて算出される複数の飽和度のうちの最大の飽和度、すなわち擬似飽和度を用いて前記粒状材の締固め施工面の外観を評価する例を説明した。しかしながら、本発明はこれに限らず、擬似飽和度に代えて、所定の含水比にて実施した締固め試験から得られる平均含水比および乾燥密度を用いて算出される飽和度を用いて、粒状材の締固め施工面の外観を評価してもよい。
上述したように、飽和度の閾値は、種々の条件で調製された粒状材に対してプルーフローリング試験を実施し、締固め施工面の外観が不良と評価された粒状材の飽和度を含まないように設定される。このため、締固め試験の条件によっては低い値の飽和度が算出され、締固め施工面の外観が良好となる粒状材であっても不良と評価してしまう場合がある。これに対し、擬似飽和度を用いて粒状材の締固め施工面の外観を評価することで、締固め施工面の外観が良好となる粒状材を不良と評価する確率を下げることができる。しかし、類似の性状の粒状材について既に締固め試験が多数回行われ、擬似飽和度に近い値の飽和度が得られることがわかっている試験条件によって飽和度が得られる場合には、必ずしも擬似飽和度を用いる必要はない。
また、飽和度が閾値より大きい粒状材、すなわち、飽和度が80%より大きい粒状材は、プルーフローリング試験における外観を満足し、締固め施工面の外観が良好となる粒状材となる。ここで、粒状材の含水比を変えて実施された複数回の締固め試験の各々の結果に対して算出される複数の飽和度のうちの最大の飽和度、すなわち擬似飽和度が80%より大きい粒状材であれば、より好適に締固め施工面の外観が良好となる粒状材となる。したがって、このような粒状材を路盤材用粒状材として用いることが好ましい。
さらに、粒状材の飽和度が80%より大きく、且つ、粒径が0mmより大きく0.075mm以下の含有量が2質量%以上20質量%以下であり、粒径が0.075mmより大きく0.425mm以下の含有量が2質量%以上20質量%以下であり、粒径が0.425mmより大きく2.36mm以下の含有量が2質量%以上25質量%以下である粒状材を用いることが好ましい。この粒度条件を満足する粒状材は、様々な粒径の粒状材がバランスよく配合されていることに加え、飽和度が80%より大きいことから、バランスよく配合された微細粒が転圧後においても保持されるので締固め施工面の外観がより良好になる。
また、粒状材の飽和度が80%より大きく、且つ、粉粒状の製鋼スラグと高炉スラグ微粉末の水和固化体を20質量%以上含む粒状材、もしくは、粒状材の飽和度が80%より大きく、且つ、粉粒状の製鋼スラグ、高炉スラグ微粉末およびフライアッシュの水和固化体を20質量%以上含む粒状材を用いることが好ましい。水和固化体は水付着力が強いので、当該水和固化体を20質量%以上含むことで、当該水和固化体に付着した水の架橋力により転圧後においても粗粒周りに微細粒が保持され、これにより、締固め施工面の外観がより良好になる。一方、これらの水和固化体の含有量が20質量%未満になると、他の水付着力の弱い粒子の影響が支配的になり、粗粒周りに微細粒を保持できなくなり、締固め施工面の外観が悪化するので好ましくない。なお、水和固化体の含有量が多いほど、粗粒周りの微細粒の保持効果が高まるので、水和固化体の含有量の上限は定めなくてもよい。
さらに、粒状材の飽和度が80%より大きく、且つ、溶銑の脱炭処理工程から発生する脱炭スラグを20質量%以上含む粒状材を用いることが好ましい。溶銑の脱炭処理工程から発生する脱炭スラグは水和固化体と同様に水付着力が強い。このため、当該脱炭スラグに付着した水の架橋力により転圧後においても粗粒周りに微細粒が保持され、これにより、締固め施工面の外観が良好になる。一方、脱炭スラグの含有量が20質量%未満になると、他の水付着力が弱い粒子の影響が支配的になり、粗粒周りに微細粒を保持できなくなり、締固め施工面の外観が悪化するので好ましくない。なお、脱炭スラグの含有量が多いほど、粗粒周りの微細粒の保持効果が高まるので、脱炭スラグの含有量の上限は定めなくてもよい。
次に、図1を用いて本実施形態に係る路盤材用粒状材の製造方法を説明する。図1は、本実施形態に係る路盤材用粒状材の製造方法の一例を示すフロー図である。
本実施形態に係る路盤材用粒状材の製造方法では、まず、粒状材に対して吸収率試験を実施して細骨材の見かけ密度および粗骨材の見かけ密度を求める(ステップS101)。次いで、粒状材の締固め試験を実施して平均含水比および乾燥密度を求める(ステップS102)。また、粒状材中の細骨材と粗骨材との粒度比で按分して粒状材の見掛け密度を算出する(ステップS103)。
次に、ステップS102で求めた平均含水比および乾燥密度と、ステップS103で算出した粒状材の見掛け密度とを用いて、粒状材の飽和度を算出する(ステップS104)。次いで、算出された粒状材の飽和度が80%より大きいか否かを評価する(ステップS105)。
粒状材の飽和度が80%以下であると評価された場合(ステップS105:No)、粒状材の粒度を調整する(ステップS106)。その後、工程をステップS102、S103の前に戻し、再び、ステップS102~S105の工程を繰り返し実施する。なお、粒度調整後の粒状材の見かけ密度は、粒度調整後における細骨材と粗骨材との粒度比で按分して算出する。
一方、粒状材の飽和度が80%より大きいと評価された場合(ステップS105:Yes)、当該粒状材を路盤材用粒状材とする(ステップS107)。このようにして製造された路盤材用粒状材は、締固め施工面の外観が良好となる路盤材用粒状材となる。また、仮に、ステップS105において飽和度が80%以下と評価された粒状材においても、締固め施工面の外観が良好になるように粒状材の粒度が調整されるので、粒状材を無駄にすることなく路盤の施工に用いることができる路盤材用粒状材を製造できる。
次に、本発明の実施例を説明する。実施例1では、種々の粒状材の擬似飽和度を測定するとともにプルーフローリング試験を行い、これら粒状材の擬似飽和度と締固め施工面の外観との関係を確認した。まず、粒度分布が異なる粒状材を準備し、各粒状材に対して6~10質量%の範囲内で含水比が異なるように調整して締固め試験を6回実施した。それぞれの試験で求められた平均含水比と乾燥密度とを用いて6つの飽和度を算出し、これら飽和度の最大値を粒状材の擬似飽和度とした。また、プルーフローリング試験では、締固め施工面にタイヤの跡が残らなかった場合に外観を「良」と判断し、締固め施工面にタイヤの跡が残ったものを「不良」と判断した。粒状材の粒度、擬似飽和度および締固め施工面の外観の確認結果を表1、2に示す。また、図2に粒状材の粒径が0mmより大きく0.075mm以下の含有量と擬似飽和度との関係を示すグラフを示し、図3に粒状材の粒径が0mmより大きく0.425mm以下の含有量と擬似飽和度との関係を示すグラフを示す。さらに、図4に、粒状材の粒径が0mmより大きく2.36mm以下の含有量と擬似飽和度との関係を示すグラフを示す。
Figure 0007363934000001
Figure 0007363934000002
表1、2において、「0mm~0.075mm」は、粒状材における粒径が0mmより大きく0.075mm以下の含有量を示す。他の粒径についても同様に、下限側の境界は「より大きく」であり、上限側の境界は「以下」である。である。表1、2に示すように、擬似飽和度が80.3(発明例7)~100(発明例3)の範囲内となった発明例1~34の締固め施工面の外観はいずれも良好であった。一方、擬似飽和度が50.5(比較例26)~79.6(比較例17)であった比較例1~30の締固め施工面の外観はいずれも不良となった。これらの結果から、粒状材の飽和度を用いることで締固め施工面の外観を評価できることが確認された。また、飽和度が80%より大きい粒状材は、締固め施工面の外観が良好となる路盤材用粒状材となることも確認された。さらに、表1および図2~4に示すように、粒状材の粒径が0mmより大きく0.075mm以下の含有量が2質量%以上20質量%以下であり、且つ、粒径が0.075mmより大きく0.425mm以下の含有量が2質量%以上20質量%以下であり、且つ、0.425mmより大きく2.36mm以下の含有量が2質量%以上20質量%以下であることでさらに粒状材の擬似飽和度が高くなり、当該粒度を満足することで粒状材の飽和度が高くなることが確認された。
実施例2では、混練材、フライアッシュや脱炭スラグを含む種々の粒状材の擬似飽和度を測定するとともにプルーフローリング試験を行い、これら粒状材の擬似飽和度と締固め施工面の外観との関係を確認した。擬似飽和度の測定方法は実施例1と同じである。また、混練材は、粉粒状の製鋼スラグと、高炉スラグ微粉末とを水で混練した材料であり、水和固化体となる材料である。フライアッシュは、石炭火力発電所で発生した石炭灰であって、SiOの含有量が45.0質量%以上で、その他はAlを主な成分とするものである。脱炭スラグは、溶銑の脱炭処理工程から発生するスラグである。表3に、粒状材の粒度、混合種、混合量、擬似飽和度および締固め施工面の外観の確認結果を示す。また、図5は、混練材、フライアッシュおよび脱炭スラグの混合量と擬似飽和度との関係を示すグラフである。
Figure 0007363934000003
表3においても「0mm~0.075mm」は、粒状材における粒径が0mmより大きく0.075mm以下の含有量を示す。他の粒径についても同様に、下限側の境界は「より大きく」であり、上限側の境界は「以下」である。表3に示すように、混練材や脱炭スラグを含む粒状材においても、擬似飽和度が80.6(発明例53)~99.9(発明例46)の範囲内となった発明例35~54の粒状材の締固め施工面の外観はいずれも良好であった。一方、擬似飽和度が53.0(比較例36)~77.3(比較例31)の範囲内となった比較例31~36の粒状材の締固め施工面の外観はいずれも不良となった。これらの結果から、混練材や脱炭スラグを含む粒状材においても飽和度を用いて締固め施工面の外観を評価できることが確認された。また、飽和度が80%より大きい粒状材は、締固め施工面の外観が良好となる路盤材用粒状材となることも確認された。
さらに、図5に示すように、粒状材に含まれる混練材や脱炭スラグの混合量を20質量%以上にすることで、粒状材の擬似飽和度が高くなる傾向が見られた。この結果から、混練材や脱炭スラグを20質量%以上含む粒状材は飽和度が高くなり、締固め施工面の外観がさらに良好になる路盤材用粒状材となることが確認された。

Claims (5)

  1. 粒状材の平均含水比と、乾燥密度と、見かけ密度と、を用いて、前記粒状材によって形成される空隙の体積に対する前記空隙に浸水した水の体積の割合を示す飽和度を算出し、前記飽和度を用いて前記粒状材の締固め施工面の外観を評価する、粒状材の評価方法。
  2. 下記(1)式を用いて前記飽和度を算出する、請求項1に記載の粒状材の評価方法。
    Sr=[(w×ρs×ρd)/{ρw×(ρs-ρd)}]・・・(1)
    (1)式において、Srは飽和度(%)であり、wは締固め試験から得られる平均含水比(%)であり、ρsは前記粒状材の見かけ密度(g/cm)であり、ρdは締固め試験から得られる乾燥密度(g/cm)であり、ρwは水の密度(g/cm)である。
  3. 前記粒状材の含水比を変えて締固め試験を複数回実施し、複数回実施された前記締固め試験の各々の結果に対して前記飽和度を算出し、算出された複数の前記飽和度のうちの最大の飽和度を用いて前記粒状材の締固め施工面の外観を評価する、請求項1または請求項2に記載の粒状材の評価方法。
  4. 前記飽和度が80%より大きい場合に、前記粒状材はプルーフローリング試験における外観を満足する粒状材であると評価する、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の粒状材の評価方法。
  5. 請求項4に記載の粒状材の評価方法でプルーフローリング試験における外観を満足すると評価された粒状材を路盤材用粒状材とする、路盤材用粒状材の製造方法。
JP2022002076A 2021-02-24 2022-01-11 粒状材の評価方法、路盤材用粒状材の製造方法および路盤材用粒状材 Active JP7363934B2 (ja)

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JP2014029297A (ja) 2012-07-31 2014-02-13 Tokyo Soil Research Co Ltd 地盤の飽和度測定方法
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JP2019163685A (ja) 2018-03-19 2019-09-26 Jfeスチール株式会社 粒状材の判断方法、路盤材用粒状材の製造方法および路盤材の製造方法

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