JP2003166232A - 締め固め管理装置 - Google Patents
締め固め管理装置Info
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Abstract
締め固めの程度を規定することができる締め固め管理装
置を提供する。 【解決手段】 土、コンクリートその他の材料の転圧時
における重機5の振動波情報である加速度の計測をして
加速度データを得る加速度計1(計測手段)と、加速度
計1により得た加速度データの解析をして波形スペクト
ルを得る解析手段2と、解析手段2により得た波形スペ
クトルにおける基本周波数に対応するフーリエ振幅及び
該波形スペクトルにおける1/2周波数に対応するフー
リエ振幅を用いた演算をして指標値を得る演算手段3
と、演算手段3により得た前記指標値及びあらかじめ設
定された基準値に基づいて、転圧時における材料の締め
固め度、密度、含水比その他の締め固めの程度を規定す
る規定手段4とを含む締め固め管理装置である。
Description
その他の材料を重機により締め固める場合において、転
圧時における該材料の締め固めの程度の管理に用いられ
る締め固め管理装置に関する。
は、地盤を掘削して穴を設け、その内部を粒径の揃った
砂、又は水に置き換えて穴の体積を求め、掘削した地盤
の質量を前記穴の体積で除して湿潤密度を求める砂置換
法や、掘削した地盤の一部から含水比を測定して乾燥密
度を求め、その地盤の締め固めの程度を規定する水置換
法がある。また、地盤に埋設されたラジオアイソトープ
(放射性同位元素 RI)線源から伝わるガンマ線によ
り地盤の湿潤密度を求めるとともに、中性子線から含水
量を求めて乾燥密度及び含水比を算出し、その地盤の締
め固めの程度を規定するRI法がある。
締め固め管理方法では、以下の問題が存在している。ま
ず、砂置換法や水置換法では、地盤を掘削して穴を設け
る必要があるとともに、砂や水を現場に搬入しなければ
ならない。また、RI法では、計測点ごとにRI線源を
埋設しなければならない。
は、材料の締め固めの程度を規定する作業が煩雑になる
ため、締め固め施工に係る人員が増加してしまうととも
に、施工期間が長期化してしまうという問題がある。
作業を行うことなく、材料の締め固めの程度を規定する
ことができる締め固め管理装置を提供することにある。
載の発明に係る締め固め管理装置は、土、コンクリート
その他の材料の転圧時における重機の振動波情報である
水平方向の加速度の計測をして水平加速度データを得る
計測手段と、前記計測手段により得た前記水平加速度デ
ータの解析をして水平方向の波形スペクトルを得る解析
手段と、前記解析手段により得た前記水平方向の波形ス
ペクトルにおける重機の振動転圧輪の基本周波数に対応
するフーリエ振幅を指標値に決定する指標値決定手段
と、前記指標値及びあらかじめ設定された基準値に基づ
いて、前記転圧時における前記材料の沈下量の程度を規
定する規定手段とを含むことを特徴としている。
動転圧輪の基本周波数とは、重機の振動転圧輪の基本振
動の周波数と同じ周波数であって、振動を付与すると同
時に重機の振動転圧輪が地表面から受けることとなる衝
撃波の周波数を意味する。
に用いられることにより、材料の締め固めの程度を規定
する目的であらかじめ試験盛土などによって設定される
値を意味する。
により得られるものであれば十分であり、また、前記波
形スペクトルとしては、そのような加速度データに基づ
いて解析手段により得られるものであれば足りる。
応するフーリエ振幅としては、そのような波形スペクト
ルにおけるものであれば十分である。
平方向の加速度と、材料の沈下量の程度との相関性に基
づいて、振動転圧輪の水平加速度データから解析した水
平方向の波形スペクトルにおける振動転圧輪の基本周波
数に対応するフーリエ振幅を指標値にして、材料の沈下
量の程度を規定することができるため、作業員が煩雑な
作業を行うことなく、材料の沈下量の程度を短期間に規
定することができる。
め管理装置は、土、コンクリートその他の材料の転圧時
における重機の振動波情報である鉛直方向の加速度の計
測をして鉛直加速度データを得る計測手段と、前記計測
手段により得た前記鉛直加速度データの解析をして鉛直
方向の波形スペクトルを得る解析手段と、前記解析手段
により得た前記鉛直方向の波形スペクトルにおける重機
の振動転圧輪の基本周波数に対応するフーリエ振幅を指
標値に決定する指標値決定手段と、前記指標値及びあら
かじめ設定された基準値に基づいて、前記転圧時におけ
る前記材料の剛性の程度を規定する規定手段とを含むこ
とを特徴としている。
直方向の加速度と、材料の剛性の程度との相関性に基づ
いて、振動転圧輪の鉛直加速度データから解析した鉛直
方向の波形スペクトルにおける振動転圧輪の基本周波数
に対応するフーリエ振幅を指標値にして、材料の剛性の
程度を規定することができるため、作業員が煩雑な作業
を行うことなく、材料の剛性の程度を短期間に規定する
ことができる。
め管理装置は、土、コンクリートその他の材料の転圧時
における重機の振動波情報である加速度の計測をして加
速度データを得る計測手段と、前記計測手段により得た
前記加速度データの解析をして波形スペクトルを得る解
析手段と、前記解析手段により得た前記波形スペクトル
における重機の振動転圧輪の1/2周波数に対応するフ
ーリエ振幅を指標値に決定する指標値決定手段と、前記
指標値及びあらかじめ設定された基準値に基づいて、前
記転圧時における前記材料の締め固め密度の程度を規定
する規定手段とを含むことを特徴としている。
とは、重機による振動の付与に伴う衝撃波が現に転圧し
ている盛土及び前回転圧した盛土の境界面で反射して戻
ってきた場合において、重機の振動転圧輪が地表面から
受けることとなる衝撃波の周波数を意味する。
対応するフーリエ振幅としては、そのような波形スペク
トルにおけるものであれば十分である。
と、材料の締め固め密度との相関性に基づいて、振動転
圧輪の加速度データから解析した波形スペクトルにおけ
る振動転圧輪の1/2周波数に対応するフーリエ振幅を
指標値として、材料の締め固め密度の程度を規定するこ
とができるため、作業員が煩雑な作業を行うことなく、
材料の締め固め密度の程度を短期間に規定することがで
きる。
性、安定性を高めるという観点からすれば、前記計測手
段により得られる前記加速度データが、鉛直方向の加速
度データ及び水平方向の加速度データからなるものであ
り、前記解析手段により得られる前記波形スペクトル
が、鉛直方向の波形スペクトル及び水平方向の波形スペ
クトルからなるものであり、前記指標値決定手段におけ
る前記重機の振動転圧輪の1/2周波数に対応するフー
リエ振幅が、前記鉛直方向の波形スペクトル及び前記水
平方向の波形スペクトルのいずれかにおけるものである
ことが好ましい。
め管理装置は、土、コンクリートその他の材料の転圧時
における重機の振動波情報である加速度の計測をして加
速度データを得る計測手段と、前記計測手段により得た
前記加速度データの解析をして波形スペクトルを得る解
析手段と、前記解析手段により得た前記波形スペクトル
における重機の振動転圧輪の基本周波数に対応するフー
リエ振幅及び該波形スペクトルにおける重機の振動転圧
輪の1/2周波数に対応するフーリエ振幅を用いた演算
をして指標値を得る演算手段と、前記演算手段により得
た前記指標値及びあらかじめ設定された基準値に基づい
て、前記転圧時における前記材料の締め固め度、密度、
含水比その他の締め固めの程度を規定する規定手段とを
含むことを特徴としている。
本周波数に対応するフーリエ振幅のみならず重機の振動
転圧輪の1/2周波数に対応するフーリエ振幅をも指標
値としており、材料の剛性のみならず材料の密度をも含
めて材料の締め固めの程度を規定することとしたので、
転圧により密度が大きくなっても、同時に構造が乱され
剛性が却って低下するような特異な性状を示す材料にお
ける締め固めの程度を正確に把握することができる。な
お、前記特異な性状を示す材料としては、粘性土やダム
工事におけるコア材料に用いられるフレッシュコンクリ
ート等の材料がある。
性、安定性を高めるという観点からすれば、前記計測手
段により得られる前記加速度データが、鉛直方向の加速
度データ及び水平方向の加速度データからなるものであ
り、前記解析手段により得られる前記波形スペクトル
が、鉛直方向の波形スペクトル及び水平方向の波形スペ
クトルからなるものであり、前記演算手段における前記
重機の振動転圧輪の基本周波数に対応するフーリエ振幅
が、前記鉛直方向の波形スペクトル及び前記水平方向の
波形スペクトルのいずれかにおけるものであり、前記演
算手段における前記重機の振動転圧輪の1/2周波数に
対応するフーリエ振幅が、前記鉛直方向の波形スペクト
ル及び前記水平方向の波形スペクトルのいずれかにおけ
るものであることが好ましい。
の実施形態を詳細に説明する。なお、各実施形態の説明
において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付
し、重複した説明は省略するものとする。
係る締め固め管理装置は、盛土の転圧時における重機の
振動転圧輪の加速度データから盛土の沈下量、剛性及び
締め固め密度の程度を規定するものである。
固め管理装置の概略構成を示す側面図である。図2は、
締め固め管理装置の概略構成を示すブロック図である。
図3は、締め固め管理装置で得られる波形スペクトルを
示すグラフであり、(a)は鉛直方向の波形スペクト
ル、(b)は水平方向の波形スペクトルである。図4
は、振動転圧輪の水平加速度と盛土の沈下量を示した図
であり、(a)は粘性土における各転圧回数ごとの水平
加速度と沈下量を示したグラフ、(b)は粒調砕石にお
ける各転圧回数ごとの水平加速度と沈下量を示したグラ
フである。
は、図1及び図2に示すように、振動転圧輪5a及び車
両本体5bを含む重機5に設けられるものであり、振動
転圧輪5aに配設される計測手段である加速度計1と、
車両本体5bに搭載される各手段である解析手段2と、
指標値決定手段3と、規定手段4とから構成されてい
る。以下、各構成要素について詳細に説明する。
波情報である加速度の計測をすることにより、加速度デ
ータを得る役割を果たすものである。
の加速度データを得るための鉛直方向加速度計1aと、
水平方向の加速度データを得るための水平方向加速度計
1bとから構成されており、後記する入力手段12に接
続されている。
度計1aにより得られる鉛直方向の加速度データ(以
下、「鉛直加速度データ」という)と、水平方向加速度
計1bにより得られる水平方向の加速度データ(以下、
「水平加速度データ」という)とからなっている。
析をすることにより、波形スペクトルを得る役割を果た
すものである。
は、図3(a)に示すような鉛直加速度データから得ら
れる鉛直方向の波形スペクトルと、図3(b)に示すよ
うな水平加速度データから得られる水平方向の波形スペ
クトルとからなっている。
ス線11と、これに接続される各手段である入力手段1
2、CPU14、RAM15及び第一のファイル16と
から構成されている。
計1により得た加速度データの解析をして波形スペクト
ルを得るための解析プログラム16aが格納されてい
る。
16aを第一のファイル16からRAM15に読み出し
て実行し、入力手段12を介して、加速度計1からの加
速度データを受信するとともに、受信した加速度データ
から波形スペクトル(図3参照)を得るようになってい
る。
トルにおける重機5の振動転圧輪5aの基本周波数に対
応するフーリエ振幅、又は解析手段2により得た波形ス
ペクトルにおける重機5の振動転圧輪5aの1/2周波
数に対応するフーリエ振幅を指標値に決定する役割を果
たすものである。
波数とは、重機5の振動転圧輪5aの基本振動の周波数
と同じ周波数であって、振動を付与すると同時に重機5
の振動転圧輪5aが地表面から受けることとなる図1に
示すような衝撃波の周波数を意味する。また、重機5の
振動転圧輪5aの1/2周波数とは、重機5による振動
の付与に伴う衝撃波が現に転圧している盛土及び前回転
圧した盛土の境界面で反射して戻ってきた場合におい
て、重機5の振動転圧輪5aが地表面から受けることと
なる図1に示すような衝撃波の周波数を意味する。
に、バス線11と、これに接続される各手段であるCP
U14、RAM15及び第一のファイル16とから構成
されている。
示すように、解析手段2により得た波形スペクトルにお
ける重機5の振動転圧輪5aの基本周波数に対応するフ
ーリエ振幅、又は解析手段2により得た波形スペクトル
における重機5の振動転圧輪5aの1/2周波数に対応
するフーリエ振幅を指標値に決定するための指標値決定
プログラム16bが格納されている。
グラム16bを第一のファイル16からRAM15に読
み出して実行し、一方では、解析手段2により得た波形
スペクトルから重機5の振動転圧輪5aの基本周波数に
対応するフーリエ振幅を抽出し、他方では、解析手段2
により得た波形スペクトルから重機5の振動転圧輪5a
の1/2周波数に対応するフーリエ振幅を抽出し、各フ
ーリエ振幅を指標値に決定するようになっている。
あらかじめ設定された基準値に基づいて、転圧時におけ
る盛土の締め固め度、密度、含水比、沈下量、剛性その
他の締め固めの程度を規定する役割を果たすものであ
る。
ス線11と、これに接続される各手段である出力手段1
3、CPU14、RAM15、第一のファイル16、第
二のファイル17及び出力手段13に接続されるディス
プレイ13とから構成されている。
3により得た指標値及びあらかじめ設定された基準値に
基づいて、転圧時における材料の締め固め度、密度、含
水比、沈下量、剛性その他の締め固めの程度を規定する
ための規定プログラム16cが格納されている。
の程度の規定について説明する。図4(a),(b)の
グラフに示すように、盛土(粘性土及び粒調砕石)の沈
下量が大きい転圧初期段階には、重機5の振動転圧輪5
aが地表面から水平方向に大きな衝撃を受けるため、振
動転圧輪5aの水平加速度が大きくなる。そして、転圧
回数が増加するに従って、振動転圧輪5aが地表面から
水平方向に受ける衝撃が小さくなるため、振動転圧輪5
aの水平加速度が小さくなる。したがって、振動転圧輪
5aの水平加速度と盛土の沈下量とは相関性があるた
め、水平加速度データから解析した水平方向の波形スペ
クトルにおける振動転圧輪5aの基本周波数に対応する
フーリエ振幅を指標値にして、盛土の沈下量の程度を規
定することができる。
度の規定について説明する。鉛直方向に振動する重機5
の振動転圧輪5aは、地表面から盛土の剛性に比例した
大きな衝撃を受けることから、振動転圧輪5aの鉛直加
速度と、盛土の剛性とは相関性があるため、振動転圧輪
5aの鉛直加速度データを解析した鉛直方向の波形スペ
クトルにおける振動転圧輪の基本周波数に対応するフー
リエ振幅を指標値にして、盛土の剛性の程度を規定する
ことができる。
密度の程度の規定について説明する。1/2周波数は、
重機5の振動転圧輪5aによる振動の付与に伴う衝撃波
が現に転圧している盛土と前回転圧した盛土の境界面で
反射して戻ってきた衝撃波の周波数であり、盛土の締め
固め密度が高まるとともに、1/2周波数の振幅が大き
くなるという相関性がある。したがって、加速度データ
を解析した波形スペクトルにおける振動転圧輪5aの1
/2周波数に対応するフーリエ振幅を指標値にして、地
盤の締め固め密度の程度を規定することができる。
定手段3により得た指標値との対比において締め固めの
程度を規定すべくあらかじめ設定された基準値データ1
7aが記憶されている。なお、この締め固め度、密度、
含水比、沈下量、剛性その他の基準値データ17aとし
ては、あらかじめ土質の種類ごとに実施された試験盛土
により確定されたものが用いられている。
16cを第一のファイル16からRAM15に読み出し
て実行し、現場の実況に最も適合する土質条件を有する
材料名を特定して第二のファイル17にある基準値デー
タ17aの中から取り出すとともに、指標値決定手段3
により得た指標値及び第二のファイル17から取り出し
た基準値データ17aに基づいて、転圧時における締め
固めの程度としての材料の締め固め度、密度、含水比、
沈下量、剛性その他を規定するようになっている。さら
に、出力手段13を介して、規定された締め固め度、密
度及び含水比をディスプレイ13に表示する。
締め固め管理装置を用いて行う締め固め管理方法につい
て説明する。なお、第1実施形態に係る締め固め管理方
法は、盛土材料の締め固めの程度の管理を、転圧時にお
ける盛土の沈下量、剛性及び締め固め密度の観点から、
作業の中断を伴うことなくリアルタイムで行うものであ
り、計測段階と、解析段階と、指標値決定段階と、規定
段階とからなっている。以下、各段階に分けて簡単に説
明する。
おける重機5の加速度の計測をして鉛直加速度データ及
び水平加速度データを得る段階である。
度データを解析して鉛直方向及び水平方向の波形スペク
トルを得る段階である。
階で得た波形スペクトルから盛土の沈下量、剛性及び締
め固め密度の程度を規定するための指標値を得る段階で
ある。ここで、盛土の沈下量の程度を規定するための指
標値は、解析段階で得た水平方向の波形スペクトルにお
ける振動転圧輪5aの基本周波数に対応するフーリエ振
幅である。また、盛土の剛性の程度を規定するための指
標値は、解析段階で得た鉛直方向の波形スペクトルにお
ける振動転圧輪5aの基本周波数に対応するフーリエ振
幅である。また、盛土の締め固め密度の程度を規定する
ための指標値は、解析段階で得た水平方向及び鉛直方向
の波形スペクトルにおける振動転圧輪5aの1/2周波
数に対応するフーリエ振幅である。
で得た指標値及びあらかじめ設定された基準値に基づい
て、転圧時における盛土の沈下量、剛性及び締め固め密
度の程度を規定する段階である。
締め固め管理装置においては、転圧時における重機5の
振動転圧輪5aの加速度データから、盛土の締め固めの
程度を規定するための指標を得るため、作業員が煩雑な
作業を行うことなく、盛土の締め固めの程度を短期間に
規定することができる。
固め管理装置は、盛土の転圧時における重機の振動転圧
輪の加速度データから盛土の締め固め度、密度、含水比
その他の締め固めの程度を規定するものである。この第
2実施形態に係る締め固め管理装置は、図1及び図2に
示すように、第1実施形態に係る締め固め管理装置と略
同様の構成であり、指標値決定手段3が、解析手段2に
より得た波形スペクトルにおける重機5の振動転圧輪5
aの基本周波数に対応するフーリエ振幅を、波形スペク
トルにおける重機5の振動転圧輪5aの1/2周波数に
対応するフーリエ振幅で、除する演算をすることによ
り、指標値を得ることが異なっている。
は、締め固め後の材料に目的に適合する強度特性を与え
る必要があるのみならず、材料中の間隙を可及的に排除
して透水性を低下させることにより、雨水の浸入による
材料の軟化や吸水による膨張を防ぐ必要や、締め固め後
の材料の圧縮沈下量をおさえる必要もあるからである。
よって、材料の締め固めの程度は、材料の密度や含水比
で規定して管理する必要があり、材料の剛性だけで規定
するのでは不十分となる場合がある。材料の剛性及び密
度の間に密接な関連性があれば、材料の剛性だけで規定
しても、材料の密度で規定したのと同様の効果が得られ
る。
密度の間に密接な関連性があるという研究成果が報告さ
れているが、粘性土については、そのような関連性は認
められない。というのは、粘性土は、含水比が比較的大
きいこともあり、砂質土又はれき質土と異なり、転圧に
より密度が大きくなっても、同時に構造が乱され剛性が
却って低下するような特異な性状を示すからである。
が転圧による振動の影響を受けて分離して地表面付近ま
で上昇することや、重機等との接触で地表面に練り返し
現象が生ずることによるものであり、地表面付近に集中
して発生する。地表面付近に集中して剛性の低下が発生
しても、土中における振動の伝搬が妨げられるわけでは
ないので、重機5による締め固め効果は盛土全体に及ぶ
と考えられる。それゆえ、地表面付近の剛性が低下した
場合においても、盛土全体としてみれば、密度が大きく
なっており、十分な締め固め効果が得られたと判定でき
る場合もあるはずである。
における第一のファイル16に格納された指標値決定プ
ログラム16bは、解析手段2により得た波形スペクト
ルにおける重機5の振動転圧輪5aの基本周波数に対応
するフーリエ振幅を、波形スペクトルにおける重機5の
振動転圧輪5aの1/2周波数に対応するフーリエ振幅
で、除するように構成されている。
グラム16bを第一のファイル16からRAM15に読
み出して実行し、一方では、解析手段2により得た波形
スペクトルから振動転圧輪5aの基本周波数に対応する
フーリエ振幅を抽出し、他方では、解析手段2により得
た波形スペクトルから振動転圧輪5aの1/2周波数を
抽出した上で、前者を後者で除する演算をすることによ
り、指標値を得るようになっている。
認められる以上、重機5の振動転圧輪5aの基本周波数
に対応するフーリエ振幅も無視できないと考えられる。
盛土全体Mに与える影響をできる限り少なくすることが
望ましい。
る重機5の振動転圧輪5aの基本周波数に対応するフー
リエ振幅は、鉛直方向の波形スペクトルにおけるものと
比較して、地表面付近Tの剛性の低下現象による影響が
相当に小さいという経験的事実がある。
の波形スペクトルをも用いて指標値を得ることによっ
て、特異な性状を示す地表面付近Tの盛土全体Mへの影
響を可及的に排除することが可能となり、ひいては本締
め固め管理装置に対する信頼性、安定性を高めることが
可能となっている。
段階では、指標値決定手段3を用いて、解析段階で得た
水平方向の波形スペクトルにおける重機5の振動転圧輪
5aの基本周波数に対応するフーリエ振幅を、鉛直方向
の波形スペクトルにおける重機5の振動転圧輪5aの1
/2周波数に対応するフーリエ振幅で、除する演算をし
て指標値を得る。
振動転圧輪5aの1/2周波数に対応するフーリエ振幅
は、図3(a)に示すような鉛直方向の波形スペクトル
におけるものとしている。
る締め固め管理装置においては、振動転圧輪5aの基本
周波数に対応するフーリエ振幅のみならず振動転圧輪5
aの1/2周波数に対応するフーリエ振幅をも指標値と
しており、盛土の剛性のみならず盛土の密度をも含めて
盛土の締め固めの程度を規定することとしている。
管理装置によれば、粘性土やフレッシュコンクリートな
どの特異な性状を示す材料に対しても十分に対応するこ
とが可能になったといえる。
一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定され
ず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可
能である。例えば、本発明の締め固め管理装置の規定手
段における出力手段に、パーソナルコンピュータ等のコ
ンピュータを接続し、コンピュータのディスプレイに締
め固め施工の対象領域における締め固めの程度を表示す
るように構成してもよい。この構成では、まず、対象領
域の形状及び面積を示した領域データをコンピュータに
入力し、領域データを所定数に区画して複数のブロック
に分割する。続いて、重機の振動転圧輪で対象領域を転
圧して締め固める。このとき、重機を自動追尾型トータ
ルステーションやGPS等で自動追尾しながら位置を計
測して転圧範囲を求め、本締め固め管理装置を用いて転
圧されたブロックの締め固めの程度を規定する。そし
て、締め固めの程度に対応させて領域データのブロック
を色別する。これにより、重機に搭載したディスプレイ
上に対象領域の締め固めの程度が表示されるため、重機
のオペレータは、対象領域の締め固めの程度を把握しな
がら、効率良く締め固め施工を行うことができる。
ば、作業員が煩雑な作業を行うことなく、材料の締め固
めの程度を短期間に規定することができるため、締め固
め施工に係る人員を削減することができるとともに、施
工期間を短縮することができる。また、粘性土やフレッ
シュコンクリートなどの特異な性状を示す材料に対して
も十分に対応することができる。
の概略構成を示す側面図である。
の概略構成を示すブロック図である。
で得られる波形スペクトルを示すグラフであり、(a)
は鉛直方向の波形スペクトル、(b)は水平方向の波形
スペクトルである。
た図であり、(a)は粘性土における各転圧回数ごとの
水平加速度と沈下量を示したグラフ、(b)は粒調砕石
における各転圧回数ごとの水平加速度と沈下量を示した
グラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 材料の転圧時における重機の振動波情報
である水平方向の加速度の計測をして水平加速度データ
を得る計測手段と、 前記計測手段により得た前記水平加速度データの解析を
して水平方向の波形スペクトルを得る解析手段と、 前記解析手段により得た前記水平方向の波形スペクトル
における重機の振動転圧輪の基本周波数に対応するフー
リエ振幅を指標値に決定する指標値決定手段と、 前記指標値及びあらかじめ設定された基準値に基づい
て、前記転圧時における前記材料の沈下量の程度を規定
する規定手段とを含むことを特徴とする、締め固め管理
装置。 - 【請求項2】 材料の転圧時における重機の振動波情報
である鉛直方向の加速度の計測をして鉛直加速度データ
を得る計測手段と、 前記計測手段により得た前記鉛直加速度データの解析を
して鉛直方向の波形スペクトルを得る解析手段と、 前記解析手段により得た前記鉛直方向の波形スペクトル
における重機の振動転圧輪の基本周波数に対応するフー
リエ振幅を指標値に決定する指標値決定手段と、 前記指標値及びあらかじめ設定された基準値に基づい
て、前記転圧時における前記材料の剛性の程度を規定す
る規定手段とを含むことを特徴とする、締め固め管理装
置。 - 【請求項3】 材料の転圧時における重機の振動波情報
である加速度の計測をして加速度データを得る計測手段
と、 前記計測手段により得た前記加速度データの解析をして
波形スペクトルを得る解析手段と、 前記解析手段により得た前記波形スペクトルにおける重
機の振動転圧輪の1/2周波数に対応するフーリエ振幅
を指標値に決定する指標値決定手段と、 前記指標値及びあらかじめ設定された基準値に基づい
て、前記転圧時における前記材料の締め固め密度の程度
を規定する規定手段とを含むことを特徴とする、締め固
め管理装置。 - 【請求項4】 前記計測手段により得られる前記加速度
データが、鉛直方向の加速度データ及び水平方向の加速
度データからなるものであり、 前記解析手段により得られる前記波形スペクトルが、鉛
直方向の波形スペクトル及び水平方向の波形スペクトル
からなるものであり、 前記指標値決定手段における前記重機の振動転圧輪の1
/2周波数に対応するフーリエ振幅が、前記鉛直方向の
波形スペクトル及び前記水平方向の波形スペクトルのい
ずれかにおけるものであることを特徴とする、請求項3
に記載の締め固め管理装置。 - 【請求項5】 土、コンクリートその他の材料の転圧時
における重機の振動波情報である加速度の計測をして加
速度データを得る計測手段と、 前記計測手段により得た前記加速度データの解析をして
波形スペクトルを得る解析手段と、 前記解析手段により得た前記波形スペクトルにおける重
機の振動転圧輪の基本周波数に対応するフーリエ振幅及
び該波形スペクトルにおける重機の振動転圧輪の1/2
周波数に対応するフーリエ振幅を用いた演算をして指標
値を得る演算手段と、 前記演算手段により得た前記指標値及びあらかじめ設定
された基準値に基づいて、前記転圧時における前記材料
の締め固め度、密度、含水比その他の締め固めの程度を
規定する規定手段とを含むことを特徴とする、締め固め
管理装置。 - 【請求項6】 前記計測手段により得られる前記加速度
データが、鉛直方向の加速度データ及び水平方向の加速
度データからなるものであり、 前記解析手段により得られる前記波形スペクトルが、鉛
直方向の波形スペクトル及び水平方向の波形スペクトル
からなるものであり、 前記演算手段における前記重機の振動転圧輪の基本周波
数に対応するフーリエ振幅が、前記鉛直方向の波形スペ
クトル及び前記水平方向の波形スペクトルのいずれかに
おけるものであり、 前記演算手段における前記重機の振動転圧輪の1/2周
波数に対応するフーリエ振幅が、前記鉛直方向の波形ス
ペクトル及び前記水平方向の波形スペクトルのいずれか
におけるものであることを特徴とする、請求項5に記載
の締め固め管理装置。
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- 2002-06-21 JP JP2002181068A patent/JP4084608B2/ja not_active Expired - Fee Related
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