JP2018154871A - 焼入装置用整流板および焼入装置 - Google Patents

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園部  勝
篤司 山下
Tokuji Yamashita
篤司 山下
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Abstract

【課題】焼入槽内の上部の被処理物と下部の被処理物との焼入性をほぼ均一にできる焼入装置用整流板およびそれを備えた焼入装置を提供する。【解決手段】金属材料または金属製品の焼入れ処理を行う焼入装置に用いられる整流板において、整流板は所定の厚みを有している板状として、中央部に切り欠き部を設けた焼入装置用整流板10とする。また、切り欠き部11の形状を、V字型、U字型、凹字型のうちのいずれかの形状とすることができる。さらに、整流板10を備えた焼入装置の場合には、この整流板10を焼入槽に備え付けの被処理物移動手段に設けることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、液状の冷却媒体(以下、冷媒という)を貯留した焼入槽内で冷媒の流れを制御する焼入装置用整流板およびそれを備えた焼入装置に関する。
従来、自動車部品に代表される機械部品を焼入処理する際には、油等の冷媒を満たした焼入槽に当該部品を浸漬させる。焼入処理を行う被処理物の材質や形状などは様々であり、被処理物の焼入効果はその材質や形状などに大きく依存する。
また、焼入処理は多数の被処理物をカゴなどに積載した状態で一度に焼入槽に浸漬させるため、積載されている位置によって冷媒との接触状態が大きく異なる。そのため、被処理物の焼入効果は浸漬時の位置や積載状態にも大きく依存する。
そこで、特許文献1では焼入槽内の配管ダクト内部に案内板を取り付けたり、撹拌機器のプロペラ(羽根)を軸方向に2箇所取り付けた状態が開示されている。これにより焼入槽内の被処理物が設置される領域の隅部まで冷媒を行き渡らせることができる。その結果、被処理物を均一に冷却できる効果があることが説明されている。
また、非特許文献1では、上述の配管ダクト内に縦方向(冷媒が流れる方向)に仕切り板を設けて配管ダクト内の断面積が縮小しない構造が開示されている。この構造により冷媒の流れを整流化して冷媒の流れを配管ダクト内で均一化できることが説明されている。
特開2016−17190号公報
「IHI技報 Vol.55 No.3(2015)」、株式会社IHI機械システム、2015年、p.26〜p.29
しかし、特許文献1および非特許文献1に開示された焼入装置では、焼入槽に浸漬させる被処理物の充填量が比較的に多い(または被処理物が満載されている)場合に問題がある。つまり、下部に位置する被処理物と上部に位置する被処理物とでは被処理物の周囲を流れる冷媒の流れ(流速)に差が生じる。そのため、焼入槽内の被処理物が設置された位置によってその被処理物の焼入効果が大きく異なるという問題があった。
また、焼入槽内において上部中央に位置する被処理物の周囲には冷媒の溜まり部分が生じて、冷媒の流速が減少する。その結果、被処理物の焼入性が他の場所に位置する被処理物と比べて低下するという問題があった。
そこで、本発明においては、焼入槽内の上部の被処理物と下部の被処理物との焼入性および上部中央に位置する被処理物と上部中央の周辺に位置する被処理物の焼入性をほぼ均一にできる焼入装置用整流板およびそれを備えた焼入装置を提供することを課題とする。
前述した課題を解決するために、本発明は金属材料または金属製品の焼入れ処理を行う焼入装置に用いられる整流板において、整流板は所定の厚みを有している板状であり、中央部に切り欠き部を設けた焼入装置用整流板とした。この切り欠き部の形状は、V字型、U字型、凹字型のうちのいずれかとすることができる。
また、この整流板を用いて、冷媒を貯留する焼入槽と、焼入槽内の冷媒を攪拌する攪拌手段と、被処理物を焼入槽内で移動させる被処理物移動手段と、を備えた焼入装置において、被処理物移動手段に整流板を設ける焼入装置としても良い。
本発明に係る焼入装置用整流板を被処理物移動手段に設けると、焼入槽内に浸漬させる被処理物の充填量が比較的に多い場合でも焼入装置用整流板の中央部に切り欠きがあるため、焼入槽内の冷媒がその切り欠き部を通過することができる。その結果、整流板の端部の冷媒の流速と切り欠き部における冷媒の流速の差異が縮まる。そして、焼入槽内の上部の被処理物と下部の被処理物との焼入性をほぼ均一にできるという効果を奏する。
本発明の実施形態の一例である焼入装置用整流板10(切り欠き部11の形状がV字型)の模式図である。 本発明の別の実施形態である焼入装置用整流板20(切り欠き部21の形状がU字型)の模式図である。 本発明の別の実施形態である焼入装置用整流板30(切り欠き部31の形状が凹字型)の模式図である。
本発明の実施の形態の一例について図面を用いて説明する。図1〜3は本発明の実施の形態の一例である焼入装置用整流板10、20、30の模式図(斜視図)である。図1〜3に示すように焼入装置用整流板10、20、30は、一定の厚みを有する板状の形態を呈している。そして、上部(紙面上方)の中央付近には切り欠き部11、21、31を備えている。
切り欠き部11、21、31の形状は、例えば図1〜図3に示すようにV字型(図1の形態)、U字型(図2の形態)、凹字型(図3の形態)などの形態とし、その幅や深さなどの寸法は焼入装置(特に焼入槽)の大きさやに被処理物の処理量などに応じて自在に調整することができる。
本発明の焼入装置用整流板を焼入装置に用いる場合、主に焼入槽内で移動させる被処理物移動手段(バスケット、かご等)の周囲に設置して使用することができる。例えば、焼入装置を構成する配管ダクト(冷媒を圧送するパイプ)側に近接するように本発明の整流板を設置する。その場合、配管ダクトより送られる冷媒は被処理物移動手段を通過した後、優先的に整流板の切り欠き部を通って流れる。一方、切り欠き部以外の箇所の冷媒の速度は、切り欠き部における冷媒の流速に比べて遅くなる。その結果、被処理物の上部中央付近に存在していた冷媒の溜まり部分が解消されて、焼入槽内の上部に浸漬される被処理物と下部に浸漬される被処理物との焼入性はほぼ均一になる。
10、20、30 焼入装置用整流板
11、21、31 切り欠き部

Claims (3)

  1. 金属材料または金属製品の焼入れ処理を行う焼入装置に用いられる整流板であって、前記整流板は所定の厚みを有する板状であり、中央部に切り欠き部が設けられていることを特徴とする焼入装置用整流板。
  2. 前記切り欠き部の形状は、V字型、U字型、凹字型のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の焼入装置用整流板。
  3. 冷媒を貯留する焼入槽と、前記焼入槽内の前記冷媒を攪拌する攪拌手段と、被処理物を前記焼入槽内で移動させる被処理物移動手段と、を備えた焼入装置であって、請求項1または2に記載の焼入装置用整流板が前記被処理物移動手段に設けられていることを特徴とする焼入装置。
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