JP2018154158A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】舵角比が可変であるか否かにかかわらず、操舵性能を向上可能な車両用操舵装置を提供する。【解決手段】車両用操舵装置12において、制御装置38は、検出舵角θstr及び車速Vに基づいて規範ヨーレートYrefを算出し、検出ヨーレートYdetと規範ヨーレートYrefの偏差ΔYに基づいて規範スタビリティファクタAを算出する。制御装置38は、自車レーンの情報、車速V及び規範スタビリティファクタAに基づいて目標舵角θstrtarを算出し、目標舵角θstrtarと検出舵角θstrの誤差Δθstrを減少させるように舵角調整装置28を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、目標舵角と検出舵角の誤差を減少させるように舵角調整装置(EPSモータ、トルクベクタリング機構等)を制御する車両用操舵装置に関する。
特許文献1では、積載状況の変化に関わらず、またタイヤの空気圧等の変化に関わらず、ドライバの意図に沿ったコースを走行することが可能な車両用操舵装置を提供することを目的としている([0008]、要約)。
当該目的を達成するため、特許文献1(要約)の車両用操舵装置は、操舵角検出手段11と、車速検出手段12と、ヨーレート検出手段13と、操向輪角検出手段14と、目標操向輪角生成手段40と、操向輪角制御手段15とを備える。目標操向輪角生成手段40は、操舵角検出手段11、車速検出手段12、ヨーレート検出手段13及び操向輪角検出手段14で検出された操舵角、車速、ヨーレート及び実操向輪角に基づいて、目標操向輪角を生成する。操向輪角制御手段15は、目標操向輪角生成手段40が生成する目標操向輪角に基づいて車両の操向輪角を制御する。目標操向輪角生成手段40は、車両に発生する実旋回半径相当値である実スタビリティファクタと車両により予め定められた規範旋回半径相当値である規範スタビリティファクタを用いて、目標操向輪角を生成する。
特許文献1の実施の形態1(図3、図4、[0023]、[0030]及び[0031])では、規範スタビリティファクタ信号と実スタビリティファクタ信号に基づいてスタビリティファクタ誤差を算出し、スタビリティファクタ誤差信号を出力する。また、スタビリティファクタ誤差信号に基づいて舵角比修正量を算出し、舵角比修正量信号を出力する。さらに、基本舵角比信号と舵角比修正量信号に基づいて目標舵角比を算出し、目標舵角比信号を出力する。さらにまた、目標舵角比信号と操舵角信号を乗算して目標操向輪角信号を生成する。特許文献1の実施の形態2(図5、図6及び[0049]〜[0051])も同様である。
特開2009−119921号公報
上記のように、特許文献1では、目標操向輪角(目標舵角)の算出に当たり、規範スタビリティファクタと実スタビリティファクタの誤差を求める。そして、この誤差に基づく舵角比修正量を基本舵角比に反映して目標舵角比を算出する。さらに、目標舵角比と操舵角を乗算して目標操向輪角を算出する。以上によれば、特許文献1では、舵角比を可変とする構成(いわゆるステアバイワイヤ構成)が前提となっている([0002]〜[0007]及び図2参照)。
特許文献1の段落[0062]では、ハンドルと操向輪機構が機械的に連結されていない操舵機構に限らない旨の記載があるが、それ以外の構成について具体的な開示は存在しない。このため、特許文献1では、舵角比が固定されている車両への応用等の点で改善の余地がある。
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、舵角比が可変であるか否かにかかわらず、操舵性能を向上可能な車両用操舵装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両用操舵装置は、
自車の舵角を調整する舵角調整装置と、
前記自車の検出舵角を取得する検出舵角取得手段と、
自車レーンの情報を取得するレーン情報取得手段と、
前記自車の車速を取得する車速取得手段と、
前記自車の検出ヨーレートを取得する検出ヨーレート取得手段と、
目標舵角を用いて前記舵角調整装置を制御する操舵制御を実行する制御装置と、
を備え、
前記操舵制御において、前記制御装置は、
前記検出舵角又は前記目標舵角と前記車速とに基づいて規範ヨーレートを算出し、
前記検出ヨーレートと前記規範ヨーレートの偏差に基づいて前記規範スタビリティファクタを算出し、
前記自車レーンの情報、前記車速及び前記規範スタビリティファクタに基づいて新たな前記目標舵角を算出し、
前記目標舵角と前記検出舵角の誤差を減少させるように前記舵角調整装置を制御する
ことを特徴とする。
本発明によれば、規範ヨーレートと検出ヨーレートとの偏差に基づいて算出した規範スタビリティファクタを目標舵角に反映する。このため、舵角比の利用の有無にかかわらず目標舵角を算出可能である。従って、舵角比が可変であるか否かにかかわらず、規範スタビリティファクタの変化を考慮した操舵制御が可能となる。よって、車輪の状態(経年変化、圧力変化等)、乗員の人数及び位置、荷物の積載状態等を考慮した操舵制御が実現されることで、操舵性能を向上可能となる。
前記制御装置は、舵角速度が速度閾値を下回る場合のみ、前記規範スタビリティファクタの更新を行ってもよい。舵角速度が速度閾値を上回る場合、規範ヨーレートと検出ヨーレートの位相がずれたり、舵角速度が速いために規範スタビリティファクタがばらついたりする等の誤学習が生じる可能性が高くなる。本発明では、舵角速度が速度閾値を上回る場合、規範スタビリティファクタの更新を行わない。そのため、上記のような誤学習を抑制することができ、違和感のない操舵制御を実行することができる。
前記制御装置は、前方車と前記自車との接触余裕時間を取得してもよい。また、前記制御装置は、前記接触余裕時間が時間閾値を下回る場合、前記規範スタビリティファクタの更新を中止してもよい。前方車と自車との接触余裕時間が比較的短い場合、自車が前方車を追い越すために加速を開始した可能性が高いと考えることができる。自車が追い越しを図る場合、自車の挙動が急激に変化する可能性が高く、規範スタビリティファクタの更新に適していないと考えることができる。本発明では、追い越しの可能性が高いと考えられる状態では、規範スタビリティファクタの更新を中止することで、規範スタビリティファクタの精度を高めることが可能となる。
本発明によれば、舵角比が可変であるか否かにかかわらず、操舵性能を向上可能となる。
本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置を有する車両の概略構成図である。 前記実施形態の前記車両において基本アシスト制御及びLKAS制御を切り替えるフローチャートである。 前記実施形態における電子制御装置(ECU)の演算部の機能的構成を示す図である。 前記実施形態の目標舵角設定部の具体的機能構成を示す図である。 前記実施形態の規範スタビリティファクタ更新部が実行する規範スタビリティファクタ(SF)更新制御のフローチャートである。 変形例に係る規範スタビリティファクタ(SF)更新制御のフローチャートである。
A.一実施形態
<A−1.全体的な構成の説明>
[A−1−1.概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置12を有する車両10の概略構成図である。本実施形態の操舵装置12は、電動パワーステアリング装置14(以下「EPS装置14」という。)とレーンキープアシストシステム16(以下「LKAS16」という。)とを兼ねている。
[A−1−2.EPS装置14]
(A−1−2−1.EPS装置14の概要)
操舵装置12のうちEPS装置14は、ステアリングホイール20と、ステアリングコラム22と、中間ジョイント24と、ステアリングギアボックス26と、EPS装置駆動用のモータ28(以下「EPSモータ28」ともいう。)と、インバータ30(以下「EPSインバータ30」ともいう。)と、車速センサ32と、電流センサ34と、ヨーレートセンサ36と、電子制御装置38(以下「ECU38」という。)と、低電圧バッテリ40(以下「バッテリ40」ともいう。)とを有する。
ステアリングコラム22は、筐体50と、筐体50内部において軸受54、56、58に支持されたステアリング軸52と、トルクセンサ60と、舵角センサ62とを有する。
中間ジョイント24は、2つのユニバーサルジョイント70a、70bと、その間に配置された軸部72とを有する。
ステアリングギアボックス26は、筐体80と、ラック&ピニオン機構のピニオン84が設けられ軸受86、88により支持されたピニオン軸82と、ラック&ピニオン機構のラック歯92が設けられたラック軸90と、タイロッド94とを有する。
(A−1−2−2.マニュアル操舵系)
ステアリング軸52は、その一端がステアリングホイール20に固定され、他端がユニバーサルジョイント70aに連結されている。ユニバーサルジョイント70aは、ステアリング軸52の一端と軸部72の一端とを連結する。ユニバーサルジョイント70bは、軸部72の他端とピニオン軸82の一端とを連結する。ピニオン軸82のピニオン84と、車幅方向に往復動可能なラック軸90のラック歯92とが噛合する。ラック軸90の両端はそれぞれタイロッド94を介して左右の前輪96(操舵輪)に連結されている。
従って、運転者がステアリングホイール20を操作することによって生じた操舵トルクTstr(回転力)は、ステアリング軸52及び中間ジョイント24を介してピニオン軸82に伝達される。そして、ピニオン軸82のピニオン84及びラック軸90のラック歯92により操舵トルクTstrが推力に変換され、ラック軸90が車幅方向に変位する。ラック軸90の変位に伴ってタイロッド94が前輪96を転舵させることで、車両10の向きを変えることができる。
ステアリング軸52、中間ジョイント24、ピニオン軸82、ラック軸90及びタイロッド94は、ステアリングホイール20に対する運転者の操舵動作を前輪96に直接伝えるマニュアル操舵系を構成する。
(A−1−2−3.転舵アシスト系)
(A−1−2−3−1.アシスト駆動系)
EPSモータ28(舵角調整装置)は、ウォームギア100及びウォームホイールギア102を介してステアリング軸52に連結されている。すなわち、EPSモータ28の出力軸は、ウォームギア100に連結されている。また、ウォームギア100と噛合するウォームホイールギア102は、ステアリング軸52自体に一体的に形成されている。
本実施形態のEPSモータ28は、例えば、3相交流ブラシレス式であるが、3相交流ブラシ式、単相交流式、直流式等のその他のモータであってもよい。EPSモータ28は、ECU38に制御されるEPSインバータ30を介して低電圧バッテリ40から電力が供給される。そして、当該電力に応じた駆動トルクTm(以下「モータトルクTm」又は「トルクTm」ともいう。)を生成する。モータトルクTm(又はこれに基づく推力)は、EPSモータ28の出力軸、ウォームギア100、ステアリング軸52(ウォームホイールギア102)、中間ジョイント24及びピニオン軸82を介してラック軸90に伝達される。EPSモータ28、ウォームギア100及びステアリング軸52(ウォームホイールギア102)は、操舵のための駆動力(モータトルクTm)を生成するアシスト駆動系を構成する。
本実施形態におけるトルクTmは、操舵アシストトルクTasiとして用いられる。操舵アシストトルクTasiは、基本アシストトルクTbと、LKASトルクTlkasとを含む。
基本アシストトルクTbは、ステアリングホイール20に対する運転者の入力トルク(操舵トルクTstr)と同じ方向に働いて運転者の操舵を補助する駆動力である。LKASトルクTlkasは、車両10が走行レーン(図示せず)内を継続して走行するように操舵するためのトルクである。操舵アシストトルクTasiは、運転者に対して好ましい操舵を通知するための反力として、操舵トルクTstrと反対方向に働かせることも可能である。
(A−1−2−3−2.アシスト制御系)
EPSインバータ30、車速センサ32、電流センサ34、ヨーレートセンサ36、ECU38、トルクセンサ60及び舵角センサ62は、アシスト駆動系を制御するアシスト制御系を構成する。以下では、アシスト駆動系、アシスト制御系及び低電圧バッテリ40を合わせて転舵アシスト系とも称する。本実施形態において、EPSモータ28の出力は、d軸及びq軸を用いるいわゆるベクトル制御により制御される。
(a)フィードフォワード系センサ類
トルクセンサ60は、ステアリング軸52にかかる操舵トルクTstrを検出してECU38に出力する。車速センサ32(車速取得手段)は、車速V[km/h]を検出してECU38に出力する。ヨーレートセンサ36(検出ヨーレート取得手段)は、車両10に発生するヨーレートYを検出してECU38に出力する。舵角センサ62(検出舵角取得手段)は、ステアリングホイール20の操舵量を示す舵角θstr(検出舵角θstr)[度]を検出してECU38に出力する。操舵トルクTstr、車速V、ヨーレートY及び舵角θstrは、ECU38においてフィードフォワード制御に用いられる。
以下では、ヨーレートセンサ36が検出したヨーレートYを検出ヨーレートYdet又は実ヨーレートYdetともいう。また、舵角センサ62が検出した舵角θstrを検出舵角θstrdetともいう。
(b)EPSインバータ30
EPSインバータ30は、3相ブリッジ型の構成とされて、直流/交流変換を行い、低電圧バッテリ40からの直流を3相の交流に変換してEPSモータ28に供給する。
(c)フィードバック系センサ類
電流センサ34は、前記ベクトル制御においてトルク電流成分であるq軸電流(以下「モータ電流Im」という。)を検出する。本実施形態におけるモータ電流Imは、モータ28の回転方向が第1方向(例えば、車両10を右に回転させる方向)であるとき正の値とし、第2方向(例えば、車両10を左に回転させる方向)であるとき負の値とする。但し、第1方向及び第2方向を判定可能であれば、モータ電流Imを正の値のみで制御してもよい。
電流センサ34は、EPSモータ28の巻線(図示せず)におけるU相、V相及びW相のうち少なくとも2相の電流を検出する電流センサ(図示せず)と、EPSモータ28の図示しない出力軸又は外ロータの回転角度である電気角θを検出するレゾルバ(図示せず)と、前記少なくとも2相の電流及び電気角θに基づいてq軸電流(モータ電流Im)を演算するq軸電流演算部とを含む。なお、前記q軸電流演算部の機能は、ECU38が担うこともできる。
(d)ECU38
図1に示すように、ECU38は、ハードウェアの構成として、入出力部110と、演算部112と、記憶部114とを有する。ECU38は、各センサからの出力値に基づき、EPSインバータ30を介してEPSモータ28の出力を制御する。入出力部110は、ECU38と外部機器(例えば、車速センサ32、舵角センサ62)との入出力を行う。
演算部112は、中央演算装置(CPU)を含み、記憶部114に記憶されているプログラム及びデータを用いて操舵装置12(EPS装置14及びLKAS16)を制御する。演算部112は、基本アシスト制御部130と、LKAS制御部132とを有する。基本アシスト制御部130及びLKAS制御部132は、いずれもEPS装置14の一部を構成する。また、LKAS制御部132は、LKAS16の一部も構成する。ECU38の詳細は、図3等を参照して後述する。
記憶部114は、演算部112が用いるプログラム及びデータを記憶するものであり、ランダム・アクセス・メモリ(以下「RAM」という。)を備える。RAMとしては、レジスタ等の揮発性メモリと、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリとを用いることができる。また、記憶部114は、RAMに加え、リード・オンリー・メモリ(以下「ROM」という。)を有してもよい。
(A−1−2−3−3.低電圧バッテリ40)
低電圧バッテリ40は、低電圧(本実施形態では12ボルト)を出力可能な蓄電装置であり、例えば、鉛蓄電池等の2次電池を利用することができる。
[A−1−3.LKAS16]
操舵装置12のうちLKAS16は、上述したEPSモータ28、ECU38等に加え、前方カメラ140(以下「カメラ140」ともいう。)と、LKASスイッチ142とを有する。
カメラ140(レーン情報取得手段)は、バックミラーの前のフロントウィンドシールドの内側に取り付けられており、LKASスイッチ142がオン状態とされているとき、前方の路面(走行レーン)にある両側のレーンマークLM(図示せず)を画像として捉える。LKASスイッチ142は、ユーザの操作に応じた信号Slkasを出力してLKAS16のオンオフを切り替える。
ECU38(特にLKAS制御部132)は、LKAS制御(レーン維持制御)を実行する。カメラ140が取得した前方画像Ifから車両10の両側のレーンマークLM(白線又は境界線)を検出する。そして、車両10が、例えば、両レーンマークLMの中央を走行するようにEPSモータ28を制御する。本実施形態のLKAS制御は、車速Vが、例えば65〜100[km/h]の範囲で実行される。
<A−2.EPSモータ28の出力制御>
[A−2−1.概要]
上記のように、本実施形態では、基本アシスト制御及びLKAS制御を実行する。基本アシスト制御は、運転者の操舵に応じたアシストを行う制御である。基本アシスト制御では、基本アシストトルクTbが用いられる。基本アシストトルクTbは、操舵トルクTstrを増幅するためのトルクである。
LKAS制御は、自車10が走行レーン内を継続して走行するようにEPSモータ28を制御する。より具体的には、車両10の基準位置Prefv(以下「車両基準位置Prefv」ともいう。)が、走行レーンの基準位置Prefl(以下「レーン基準位置Prefl」ともいう。)と一致するようにEPSモータ28を制御する。車両基準位置Prefvは、例えば、車幅方向における車両10の中央に設定される。レーン基準位置Preflは、例えば、車幅方向における走行レーンの中央に設定される。
LKAS制御では、LKASトルクTlkasが用いられる。LKASトルクTlkasは、車両基準位置Prefvとレーン基準位置Preflとのずれを減少させるためのトルクである。
[A−2−2.基本アシスト制御及びLKAS制御の切替え]
図2は、本実施形態の車両10において基本アシスト制御及びLKAS制御を切り替えるフローチャートである。ここでは、特定のECU等の処理というよりはむしろ車両10全体の動きとして説明する。車両10は、所定周期毎に図2の切替えを繰り返す。LKAS16がオン(作動中)である場合(S11:TRUE)、ステップS12において、車両10は、LKAS制御を実行する。この場合、EPSモータ28は基本アシストトルクTb及びLKASトルクTlkasを出力する。
LKAS16がオフ(停止中)である場合(S11:FALSE)、ステップS13において、車両10は、基本アシスト制御を実行する。この場合、EPSモータ28は、基本アシストトルクTbのみを出力する。
[A−2−3.ECU38の演算部112の機能的構成]
(A−2−3−1.概要)
図3は、本実施形態におけるECU38の演算部112の機能的構成を示す図である。図3に示すように、演算部112は、基本アシスト電流算出部200と、LKAS電流算出部202と、加算器204と、駆動信号出力部206とを有する。
演算部112は、記憶部114に記憶されているプログラムを実行することにより、上記各部を実現する。但し、各部の一部の機能をハードウェア(電気回路等)により実現することも可能である。
(A−2−3−2.基本アシスト電流算出部200)
基本アシスト電流算出部200(以下「算出部200」ともいう。)は、トルクセンサ60からの操舵トルクTstrと、舵角センサ62からの舵角θstrと、車速センサ32からの車速Vとに基づいて基本アシスト電流Ibaseを算出する。基本アシスト電流Ibaseは、基本アシストトルクTbに対応する電流である。本実施形態では、操舵トルクTstr、舵角速度Vθstr及び車速Vの組合せと基本アシスト電流Ibaseとを関連付けたマップを記憶部114に記憶している。算出部200は、舵角θstr[deg]に基づいて舵角速度Vθstr[deg/s]を算出した上で、操舵トルクTstr、舵角速度Vθstr及び車速Vの組合せに対応する基本アシスト電流Ibaseを特定する。
(A−2−3−3.LKAS電流算出部202)
(A−2−3−3−1.LKAS電流算出部202の概要)
LKAS電流算出部202(以下「算出部202」ともいう。)は、カメラ140からの前方画像Ifと、車速センサ32からの車速Vと、ヨーレートセンサ36からのヨーレートYと、舵角センサ62からの舵角θstrとに基づいてLKAS電流Ilkasを算出する。LKAS電流Ilkasは、LKASトルクTlkasに対応する電流である。図3に示すように、算出部202は、カメラ情報処理部210と、基準舵角電流算出部212と、横方向ずれ量補正電流算出部214と、加算器216とを有する。
(A−2−3−3−2.カメラ情報処理部210)
カメラ情報処理部210(以下「処理部210」ともいう。)は、カメラ140からの前方画像Ifに基づいて画像情報Ii(後述する曲率半径R及び横方向ずれ量ΔDlat)を出力する。図3に示すように、処理部210は、曲率半径算出部220と、横方向ずれ量算出部222とを有する。曲率半径算出部220は、前方画像Ifに基づいて走行レーンの曲率半径R[m]を算出する。横方向ずれ量算出部222は、車両10の横方向ずれ量ΔDlatを算出する。横方向ずれ量ΔDlatは、車両基準位置Prefvとレーン基準位置Preflとの偏差[m]を示す。上記のように、車両基準位置Prefvは、例えば、車幅方向における車両10の中央に設定され、レーン基準位置Preflは、例えば、車幅方向における走行レーンの中央に設定される。
(A−2−3−3−3.基準舵角電流算出部212)
(A−2−3−3−3−1.基準舵角電流算出部212の概要)
基準舵角電流算出部212(以下「算出部212」ともいう。)は、LKASトルクTlkasの一部に対応する基準舵角電流Iθを算出する。図3に示すように、算出部212は、目標舵角設定部230と、減算器232と、電流算出部234とを有する。
目標舵角設定部230(以下「設定部230」ともいう。)は、舵角θstr(検出舵角θstrdet)と、車速Vと、ヨーレートY(検出ヨーレートYdet)と、曲率半径Rとに基づいて目標舵角θstrtarを設定する(詳細は、図4を参照して後述する。)。減算器232は、目標舵角設定部230が設定した目標舵角θstrtarと、舵角センサ62からの舵角θstr(検出舵角θstrdet)との偏差(以下「舵角偏差Δθstr」という。)を算出する(Δθstr=θstrtar−θstr)。電流算出部234は、舵角偏差Δθstrに基づいて基準舵角電流Iθを算出する。
具体的には、電流算出部234は、舵角偏差Δθstrをゼロにするように基準舵角電流Iθを算出する。記憶部114には、舵角偏差Δθstrと基準舵角電流Iθを対応付けたマップ(基準舵角電流マップ)が記憶されている。電流算出部234は、舵角偏差Δθstrに対応する基準舵角電流Iθを基準舵角電流マップから読み出して出力する。
(A−2−3−3−3−2.目標舵角設定部230)
(A−2−3−3−3−2−1.目標舵角設定部230の概要)
図4は、本実施形態の目標舵角設定部230の具体的機能構成を示す図である。上記のように、設定部230は、舵角θstr(検出舵角θstrdet)と、車速Vと、ヨーレートY(検出ヨーレートYdet)と、曲率半径Rとに基づいて目標舵角θstrtarを設定する。図4に示すように、設定部230は、規範ヨーレート算出部250と、減算器252と、規範スタビリティファクタ更新部254と、目標舵角算出部256とを有する。
(A−2−3−3−3−2−2.規範ヨーレート算出部250)
規範ヨーレート算出部250(以下「算出部250」ともいう。)は、舵角センサ62からの舵角θstrと、車速センサ32からの車速Vと、SF更新部254からの規範スタビリティファクタAとに基づいて規範ヨーレートYrefを算出する。具体的には、算出部250は、以下の式(1)を用いて規範ヨーレートYrefを算出する。
Figure 2018154158
式(1)において、Aは、規範スタビリティファクタであり、Vは車速であり、Lは、車両10のホイールベース(固定値)であり、Ksは、ステアリングレシオ(固定値)であり、θstrは舵角(検出舵角θstrdet)である。
(A−2−3−3−3−2−3.減算器252)
減算器252は、ヨーレートセンサ36からのヨーレートY(検出ヨーレートYdet)と、規範ヨーレート算出部250からの規範ヨーレートYrefの偏差(以下「ヨーレート偏差ΔY」という。)を算出する(ΔY=Y−Yref)。
(A−2−3−3−3−2−4.規範スタビリティファクタ更新部254)
規範スタビリティファクタ更新部254(以下「規範SF更新部254」、「SF更新部254」又は「更新部254」ともいう。)は、規範スタビリティファクタ更新制御(以下「規範SF更新制御」ともいう。)を実行する。規範SF更新制御は、車両10の規範スタビリティファクタA(以下「規範SF A」ともいう。)を更新する制御である。
図5は、本実施形態の規範スタビリティファクタ更新部254が実行する規範SF更新制御のフローチャートである。ステップS21において、SF更新部254は、舵角センサ62からの舵角θstr(検出舵角θstrdet)に基づいて舵角速度Vθstrを算出する。
ステップS22において、SF更新部254は、舵角速度Vθstrが速度閾値THvθstr(以下「閾値THvθstr」ともいう。)を下回るか否かを判定する。閾値THvθstrは、舵角θstr(検出舵角θstrdet)と検出ヨーレートYdetの相関関係が十分に担保されるか否かを判定するための閾値である。舵角θstrの変化が速すぎると、慣性のために検出ヨーレートYdetが追従できなくなり、学習値に誤差が含まれ易くなるためである。舵角速度Vθstrが閾値THvθstrを下回る場合(S22:TRUE)、ステップS23において、SF更新部254は、規範SF Aを更新する。具体的には、更新部254は、以下の式(2)を用いて新たな規範SF Aを算出する。
Figure 2018154158
式(2)において、Anは規範スタビリティファクタの前回値であり、An+1は、規範スタビリティファクタの今回値であり、m(又は2m)は更新ゲインであり、Yはヨーレート(検出ヨーレートYdet)であり、Yrefは規範ヨーレートである。更新ゲインmは、0〜正の所定値の間で設定される。ステップS23では、更新ゲインmを固定値とすることができる。或いは、舵角速度Vθstrが高くなるほど、mを小さくしてもよい。
式(2)では、前回値Anに右辺第2項を加算したものを今回値An+1とする。右辺第2項は、ヨーレートY(検出ヨーレートYdet)と規範ヨーレートYrefの偏差ΔYを含む。このため、規範SF An+1は、ヨーレート偏差ΔYに応じて変化する。また、右辺第2項は、規範ヨーレートYrefを規範SF Anで偏微分した値を含む。
舵角速度Vθstrが閾値THvθstrを下回らない場合(S22:FALSE)、ステップS24において、ECU38は、規範スタビリティファクタAの更新を行わない(中止する)。ECU38は、例えば、式(2)の更新ゲインmをゼロにすることにより、更新を中止することができる。
(A−2−3−3−3−2−5.目標舵角算出部256)
目標舵角算出部256(以下「算出部256」ともいう。)は、更新部254からの規範SF Aと、車速センサ32からの車速Vと、カメラ情報処理部210の曲率半径算出部220からの曲率半径Rとに基づいて目標舵角θstrtarを算出する。具体的には、算出部256は、以下の式(3)を用いて目標舵角θstrtarを算出する。
Figure 2018154158
式(3)において、Ksはステアリングレシオであり、Lはホイールベースであり、Aは規範スタビリティファクタであり、Vは車速であり、Rは曲率半径である。
(A−2−3−3−4.横方向ずれ量補正電流算出部214)
図3の横方向ずれ量補正電流算出部214(以下「算出部214」ともいう。)は、横方向ずれ量ΔDlatを補正する横方向ずれ量補正電流Id(以下「補正電流Id」ともいう。)を算出する。本実施形態の算出部214は、横方向ずれ量ΔDlatと補正電流Idの組合せを車速V毎に記憶したマップを記憶部114に有している。例えば、車速Vが高くなるほど、横方向ずれ量ΔDlatに対応する補正電流Idを小さくする。このため、算出部214は、横方向ずれ量ΔDlatと車速Vに基づいて補正電流Idを算出する。
(A−2−3−3−5.加算器216)
加算器216は、基準舵角電流算出部212からの基準舵角電流Iθと、補正電流算出部214からの補正電流Idを加算して、LKAS電流Ilkasを算出する(Ilkas=Iθ+Id)。
(A−2−3−4.加算器204)
加算器204は、基本アシスト電流算出部200からの基本アシスト電流Ibaseと、LKAS電流算出部202からのLKAS電流Ilkasとを加算して、アシスト電流Iasiとして出力する(Iasi=Ibase+Ilkas)。
(A−2−3−5.駆動信号出力部206)
駆動信号出力部206(以下「出力部206」ともいう。)は、加算器204からのアシスト電流Iasiとモータ電流Imの偏差をゼロにするようにインバータ30に対する駆動信号Sdを生成する。すなわち、モータ電流Imがアシスト電流Iasiよりも小さい場合、インバータ30の図示しないスイッチング素子の駆動デューティ比DUTを大きくする。モータ電流Imがアシスト電流Iasiよりも大きい場合、駆動デューティ比DUTを小さくする。モータ電流Imがアシスト電流Iasiと等しい場合、現在の駆動デューティ比DUTを維持する。
<A−3.本実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、規範ヨーレートYrefとヨーレートY(検出ヨーレートYdet)との偏差ΔYに基づいて算出した規範スタビリティファクタAを目標舵角θstrtarに反映する(図4)。このため、舵角比の利用の有無にかかわらず目標舵角θstrtarを算出可能である。従って、舵角比が可変であるか否かにかかわらず、規範スタビリティファクタAの変化を考慮した操舵制御が可能となる。よって、車輪(前輪96等)の状態(経年変化、圧力変化等)、乗員の人数及び位置、荷物の積載状態等を考慮した操舵制御が実現されることで、操舵性能を向上可能となる。
本実施形態において、ECU38(制御装置)は、舵角速度Vθstrが速度閾値THvθstrを下回る場合のみ、規範スタビリティファクタAの更新を行う(図5のS22:TRUE→S23)。舵角速度Vθstrが速度閾値THvθstrを上回る場合、規範ヨーレートYrefとヨーレートY(検出ヨーレートYdet)の位相がずれたり、舵角速度Vθstrが速いために規範スタビリティファクタAがばらついたりする等の誤学習が生じる可能性が高くなる。本実施形態では、舵角速度Vθstrが速度閾値THvθstrを上回る場合(図5のS22:FALSE)、規範スタビリティファクタAの更新を行わない(S24)。そのため、上記のような誤学習を抑制することができ、違和感のない操舵制御を実行することができる。
B.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
<B−1.適用対象>
上記実施形態では、操舵装置12を搭載する車両10は四輪自動車であることを想定していた(図1)。しかしながら、例えば、検出ヨーレートYdetと規範ヨーレートYrefの偏差ΔYに基づいて算出した規範スタビリティファクタAを用いて目標舵角θstrtarを算出する観点からすれば、これに限らない。例えば、車両10は、自動二輪車、自動三輪車、六輪車等であってもよい。
上記実施形態では、運転者の操舵をアシストするLKAS制御を行う構成に本発明を適用した(図1)。しかしながら、例えば、検出ヨーレートYdetと規範ヨーレートYrefの偏差ΔYに基づいて算出した規範スタビリティファクタAを用いて目標舵角θstrtarを算出する観点からすれば、これに限らない。例えば、操舵以外に加速及び減速を運転者の操作なしに行うことができる自動運転に本発明を適用することも可能である。
<B−2.EPS装置14>
[B−2−1.EPS装置14の全体構成]
上記実施形態のEPS装置14は、EPSモータ28がステアリング軸52にモータトルクTmを伝達する構成(いわゆるコラムアシスト式EPS装置)であった。しかしながら、モータトルクTmを発生するものであれば、EPS装置14の構成はこれに限らない。例えば、ピニオンアシスト式EPS装置、デュアルピニオンアシスト式EPS装置、ラックアシスト式EPS装置及び電動油圧パワーステアリング装置のいずれかであってもよい。なお、電動油圧パワーステアリング装置では、電動ポンプで油圧をつくり、その油圧でモータトルクTmを生成する。
上記実施形態では、運転者による操舵トルクをそのまま前輪96に伝達する構成(以下、「直接伝達方式」ともいう。)であったが、ステアバイワイヤ式の電動パワーステアリング装置にも適用可能である。
上記実施形態では、EPS装置14(特にEPSモータ28)により車両10の進行方向を制御したが(図1)、これに限らない。例えば、EPS装置14に加え又はこれに代えて、いわゆるトルクベクタリング機構により車両10の進行方向を制御してもよい。その場合、舵角θstrの検出は、例えば、左右輪における伝達トルクの差(又は回転速度の差)として検出することが可能である。
[B−2−2.EPSモータ28]
上記実施形態では、EPSモータ28を3相交流ブラシレス式としたが、これに限らない。例えば、モータ28を3相交流ブラシ式、単相交流式又は直流式としてもよい。
上記実施形態では、モータ28は、低電圧バッテリ40から電力が供給された(図1)。これに加えて又はこれに代えて、オルタネータ、燃料電池又は高電圧バッテリからモータ28に電力を供給してもよい。
[B−2−3.ECU38]
上記実施形態では、ECU38を車両10に搭載することを念頭に説明した(図1)。しかしながら、例えば、ECU38の一部を携帯端末に設け、当該携帯端末を車両10のネットワークに接続することでECU38を構成してもよい。
上記実施形態では、1つのECU38が、EPS装置14及びLKAS16の両方を制御した(図1)。しかしながら、EPS装置14とLKAS16に分けて別々のECU38を設けることも可能である。
<B−3.LKAS16>
上記実施形態では、カメラ140からの前方画像Ifに基づいて曲率半径Rを算出した(図3)。しかしながら、これに加えて又はこれに代えて、図示しないナビゲーション装置からの地図情報及び現在位置情報を用いて曲率半径Rを判定してもよい。
上記実施形態では、自車レーンの情報として曲率半径Rを用いた(図3)。しかしながら、例えば、目標舵角θstrtarを算出する観点からすれば、これに限らない。例えば、曲率半径Rの代わりに、自車レーンの曲率を用いることも可能である。
上記実施形態では、舵角θstr(検出舵角θstrdet)と車速Vと規範スタビリティファクタAとを用いて規範ヨーレートYrefを算出した。しかしながら、例えば、ヨーレートYの基準値としての規範ヨーレートYrefを算出する観点からすれば、これに限らない。例えば、舵角θstr(検出舵角θstrdet)の代わりに目標舵角θstrtarの前回値を用いることも可能である。
上記実施形態では、カメラ140からの前方画像Ifに基づいて横方向ずれ量ΔDlatを算出した(図3)。しかしながら、これに加えて又はこれに代えて、図示しないナビゲーション装置からの地図情報及び現在位置情報を用いて横方向ずれ量ΔDlatを算出することも可能である。
上記実施形態の規範SF更新制御では、舵角速度Vθstrが速度閾値THvθstrを下回るか否かに基づいて規範スタビリティファクタAの更新の要否を判定した(図5)。しかしながら、例えば、検出ヨーレートYdetと規範ヨーレートYrefの偏差ΔYに基づいて算出した規範スタビリティファクタAを用いて目標舵角θstrtarを算出する観点からすれば、これに限らない。例えば、舵角速度Vθstrが速度閾値THvθstrを下回るか否かの判定を省略することも可能である。
図6は、変形例に係る規範スタビリティファクタ更新制御のフローチャートである。ステップS31において、ECU38は、自車10の前方車(図示せず)とのTTC(Time to Collision)を算出する。ステップS32において、ECU38は、TTCがTTC閾値THttcを上回るか否かを判定する。TTCがTTC閾値THttcを上回る場合(S32:TRUE)、ステップS33において、ECU38は、規範スタビリティファクタAを更新する。TTCがTTC閾値THttcを上回らない場合(S32:FALSE)、ステップS34において、ECU38は、規範スタビリティファクタAの更新を行わない(中止する)。
図6の変形例によれば、ECU38(制御装置)は、前方車と自車10とのTTC(接触余裕時間)を取得する(S31)。ECU38は、TTCがTTC閾値THttc(時間閾値)を下回る場合(S32:FALSE)、規範スタビリティファクタAの更新を中止する(S34)。前方車と自車10とのTTCが比較的短い場合、自車10が前方車を追い越すために加速を開始した可能性が高いと考えることができる。自車10が追い越しを図る場合、自車10の挙動が急激に変化する可能性が高く、規範スタビリティファクタAの更新に適していないと考えることができる。本変形例では、追い越しの可能性が高いと考えられる状態では、規範スタビリティファクタAの更新を中止することで、規範スタビリティファクタAの精度を高めることが可能となる。
なお、例えば、自車10が前方車を追い越すために加速を開始したことを判定するためには、TTC以外の指標を用いてもよい。そのような指標としては、例えば、図示しないアクセルペダルの操作量が操作量閾値を上回るか否かを用いることができる。或いは、アクセルペダルの操作速度(操作量の時間微分値)が操作速度閾値を上回るか否かを用いてもよい。
<B−4.その他>
上記実施形態では、数値の比較において等号を含む場合と含まない場合とが存在した(図5のS22等)。しかしながら、例えば、等号を含む又は等号を外す特別な意味がなければ(換言すると、本発明の効果を得られる場合)、数値の比較において等号を含ませるか或いは含ませないかは任意に設定可能である。
その意味において、例えば、図5のステップS22における舵角速度Vθstrが閾値THvθstrを下回るか否かの判定(Vθstr<THvθstr)を、舵角速度Vθstrが閾値THvθstr以下であるか否かの判定(Vθstr≦THvθstr)に置き換えることができる。
10…車両(自車) 28…EPSモータ(舵角調整装置)
32…車速センサ(車速取得手段)
36…ヨーレートセンサ(検出ヨーレート取得手段)
38…ECU(制御装置) 62…舵角センサ(検出舵角取得手段)
140…カメラ(レーン情報取得手段) A…規範スタビリティファクタ
THttc…TTC閾値(時間閾値) THvθstr…速度閾値
V…車速 Vθstr…舵角速度
Y…ヨーレート Ydet…検出ヨーレート
Yref…規範ヨーレート θstr…舵角
θstrdet…検出舵角 θstrtar…目標舵角
ΔY…ヨーレート偏差(検出ヨーレートと規範ヨーレートの偏差)
Δθstr…舵角偏差(目標舵角と検出舵角の誤差)

Claims (3)

  1. 自車の舵角を調整する舵角調整装置と、
    前記自車の検出舵角を取得する検出舵角取得手段と、
    自車レーンの情報を取得するレーン情報取得手段と、
    前記自車の車速を取得する車速取得手段と、
    前記自車の検出ヨーレートを取得する検出ヨーレート取得手段と、
    目標舵角を用いて前記舵角調整装置を制御する操舵制御を実行する制御装置と、
    を備え、
    前記操舵制御において、前記制御装置は、
    前記検出舵角又は前記目標舵角と前記車速とに基づいて規範ヨーレートを算出し、
    前記検出ヨーレートと前記規範ヨーレートの偏差に基づいて規範スタビリティファクタを算出し、
    前記自車レーンの情報、前記車速及び前記規範スタビリティファクタに基づいて新たな前記目標舵角を算出し、
    前記目標舵角と前記検出舵角の誤差を減少させるように前記舵角調整装置を制御する
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の操舵装置において、
    前記制御装置は、舵角速度が速度閾値を下回る場合のみ、前記規範スタビリティファクタの更新を行う
    ことを特徴とする操舵装置。
  3. 請求項1又は2に記載の操舵装置において、
    前記制御装置は、
    前方車と前記自車との接触余裕時間を取得し、
    前記接触余裕時間が時間閾値を下回る場合、前記規範スタビリティファクタの更新を中止する
    ことを特徴とする操舵装置。
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