JP2018154158A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
Description
自車の舵角を調整する舵角調整装置と、
前記自車の検出舵角を取得する検出舵角取得手段と、
自車レーンの情報を取得するレーン情報取得手段と、
前記自車の車速を取得する車速取得手段と、
前記自車の検出ヨーレートを取得する検出ヨーレート取得手段と、
目標舵角を用いて前記舵角調整装置を制御する操舵制御を実行する制御装置と、
を備え、
前記操舵制御において、前記制御装置は、
前記検出舵角又は前記目標舵角と前記車速とに基づいて規範ヨーレートを算出し、
前記検出ヨーレートと前記規範ヨーレートの偏差に基づいて前記規範スタビリティファクタを算出し、
前記自車レーンの情報、前記車速及び前記規範スタビリティファクタに基づいて新たな前記目標舵角を算出し、
前記目標舵角と前記検出舵角の誤差を減少させるように前記舵角調整装置を制御する
ことを特徴とする。
<A−1.全体的な構成の説明>
[A−1−1.概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置12を有する車両10の概略構成図である。本実施形態の操舵装置12は、電動パワーステアリング装置14(以下「EPS装置14」という。)とレーンキープアシストシステム16(以下「LKAS16」という。)とを兼ねている。
(A−1−2−1.EPS装置14の概要)
操舵装置12のうちEPS装置14は、ステアリングホイール20と、ステアリングコラム22と、中間ジョイント24と、ステアリングギアボックス26と、EPS装置駆動用のモータ28(以下「EPSモータ28」ともいう。)と、インバータ30(以下「EPSインバータ30」ともいう。)と、車速センサ32と、電流センサ34と、ヨーレートセンサ36と、電子制御装置38(以下「ECU38」という。)と、低電圧バッテリ40(以下「バッテリ40」ともいう。)とを有する。
ステアリング軸52は、その一端がステアリングホイール20に固定され、他端がユニバーサルジョイント70aに連結されている。ユニバーサルジョイント70aは、ステアリング軸52の一端と軸部72の一端とを連結する。ユニバーサルジョイント70bは、軸部72の他端とピニオン軸82の一端とを連結する。ピニオン軸82のピニオン84と、車幅方向に往復動可能なラック軸90のラック歯92とが噛合する。ラック軸90の両端はそれぞれタイロッド94を介して左右の前輪96(操舵輪)に連結されている。
(A−1−2−3−1.アシスト駆動系)
EPSモータ28(舵角調整装置)は、ウォームギア100及びウォームホイールギア102を介してステアリング軸52に連結されている。すなわち、EPSモータ28の出力軸は、ウォームギア100に連結されている。また、ウォームギア100と噛合するウォームホイールギア102は、ステアリング軸52自体に一体的に形成されている。
EPSインバータ30、車速センサ32、電流センサ34、ヨーレートセンサ36、ECU38、トルクセンサ60及び舵角センサ62は、アシスト駆動系を制御するアシスト制御系を構成する。以下では、アシスト駆動系、アシスト制御系及び低電圧バッテリ40を合わせて転舵アシスト系とも称する。本実施形態において、EPSモータ28の出力は、d軸及びq軸を用いるいわゆるベクトル制御により制御される。
トルクセンサ60は、ステアリング軸52にかかる操舵トルクTstrを検出してECU38に出力する。車速センサ32(車速取得手段)は、車速V[km/h]を検出してECU38に出力する。ヨーレートセンサ36(検出ヨーレート取得手段)は、車両10に発生するヨーレートYを検出してECU38に出力する。舵角センサ62(検出舵角取得手段)は、ステアリングホイール20の操舵量を示す舵角θstr(検出舵角θstr)[度]を検出してECU38に出力する。操舵トルクTstr、車速V、ヨーレートY及び舵角θstrは、ECU38においてフィードフォワード制御に用いられる。
EPSインバータ30は、3相ブリッジ型の構成とされて、直流/交流変換を行い、低電圧バッテリ40からの直流を3相の交流に変換してEPSモータ28に供給する。
電流センサ34は、前記ベクトル制御においてトルク電流成分であるq軸電流(以下「モータ電流Im」という。)を検出する。本実施形態におけるモータ電流Imは、モータ28の回転方向が第1方向(例えば、車両10を右に回転させる方向)であるとき正の値とし、第2方向(例えば、車両10を左に回転させる方向)であるとき負の値とする。但し、第1方向及び第2方向を判定可能であれば、モータ電流Imを正の値のみで制御してもよい。
図1に示すように、ECU38は、ハードウェアの構成として、入出力部110と、演算部112と、記憶部114とを有する。ECU38は、各センサからの出力値に基づき、EPSインバータ30を介してEPSモータ28の出力を制御する。入出力部110は、ECU38と外部機器(例えば、車速センサ32、舵角センサ62)との入出力を行う。
低電圧バッテリ40は、低電圧(本実施形態では12ボルト)を出力可能な蓄電装置であり、例えば、鉛蓄電池等の2次電池を利用することができる。
操舵装置12のうちLKAS16は、上述したEPSモータ28、ECU38等に加え、前方カメラ140(以下「カメラ140」ともいう。)と、LKASスイッチ142とを有する。
[A−2−1.概要]
上記のように、本実施形態では、基本アシスト制御及びLKAS制御を実行する。基本アシスト制御は、運転者の操舵に応じたアシストを行う制御である。基本アシスト制御では、基本アシストトルクTbが用いられる。基本アシストトルクTbは、操舵トルクTstrを増幅するためのトルクである。
図2は、本実施形態の車両10において基本アシスト制御及びLKAS制御を切り替えるフローチャートである。ここでは、特定のECU等の処理というよりはむしろ車両10全体の動きとして説明する。車両10は、所定周期毎に図2の切替えを繰り返す。LKAS16がオン(作動中)である場合(S11:TRUE)、ステップS12において、車両10は、LKAS制御を実行する。この場合、EPSモータ28は基本アシストトルクTb及びLKASトルクTlkasを出力する。
(A−2−3−1.概要)
図3は、本実施形態におけるECU38の演算部112の機能的構成を示す図である。図3に示すように、演算部112は、基本アシスト電流算出部200と、LKAS電流算出部202と、加算器204と、駆動信号出力部206とを有する。
基本アシスト電流算出部200(以下「算出部200」ともいう。)は、トルクセンサ60からの操舵トルクTstrと、舵角センサ62からの舵角θstrと、車速センサ32からの車速Vとに基づいて基本アシスト電流Ibaseを算出する。基本アシスト電流Ibaseは、基本アシストトルクTbに対応する電流である。本実施形態では、操舵トルクTstr、舵角速度Vθstr及び車速Vの組合せと基本アシスト電流Ibaseとを関連付けたマップを記憶部114に記憶している。算出部200は、舵角θstr[deg]に基づいて舵角速度Vθstr[deg/s]を算出した上で、操舵トルクTstr、舵角速度Vθstr及び車速Vの組合せに対応する基本アシスト電流Ibaseを特定する。
(A−2−3−3−1.LKAS電流算出部202の概要)
LKAS電流算出部202(以下「算出部202」ともいう。)は、カメラ140からの前方画像Ifと、車速センサ32からの車速Vと、ヨーレートセンサ36からのヨーレートYと、舵角センサ62からの舵角θstrとに基づいてLKAS電流Ilkasを算出する。LKAS電流Ilkasは、LKASトルクTlkasに対応する電流である。図3に示すように、算出部202は、カメラ情報処理部210と、基準舵角電流算出部212と、横方向ずれ量補正電流算出部214と、加算器216とを有する。
カメラ情報処理部210(以下「処理部210」ともいう。)は、カメラ140からの前方画像Ifに基づいて画像情報Ii(後述する曲率半径R及び横方向ずれ量ΔDlat)を出力する。図3に示すように、処理部210は、曲率半径算出部220と、横方向ずれ量算出部222とを有する。曲率半径算出部220は、前方画像Ifに基づいて走行レーンの曲率半径R[m]を算出する。横方向ずれ量算出部222は、車両10の横方向ずれ量ΔDlatを算出する。横方向ずれ量ΔDlatは、車両基準位置Prefvとレーン基準位置Preflとの偏差[m]を示す。上記のように、車両基準位置Prefvは、例えば、車幅方向における車両10の中央に設定され、レーン基準位置Preflは、例えば、車幅方向における走行レーンの中央に設定される。
(A−2−3−3−3−1.基準舵角電流算出部212の概要)
基準舵角電流算出部212(以下「算出部212」ともいう。)は、LKASトルクTlkasの一部に対応する基準舵角電流Iθを算出する。図3に示すように、算出部212は、目標舵角設定部230と、減算器232と、電流算出部234とを有する。
(A−2−3−3−3−2−1.目標舵角設定部230の概要)
図4は、本実施形態の目標舵角設定部230の具体的機能構成を示す図である。上記のように、設定部230は、舵角θstr(検出舵角θstrdet)と、車速Vと、ヨーレートY(検出ヨーレートYdet)と、曲率半径Rとに基づいて目標舵角θstrtarを設定する。図4に示すように、設定部230は、規範ヨーレート算出部250と、減算器252と、規範スタビリティファクタ更新部254と、目標舵角算出部256とを有する。
規範ヨーレート算出部250(以下「算出部250」ともいう。)は、舵角センサ62からの舵角θstrと、車速センサ32からの車速Vと、SF更新部254からの規範スタビリティファクタAとに基づいて規範ヨーレートYrefを算出する。具体的には、算出部250は、以下の式(1)を用いて規範ヨーレートYrefを算出する。
減算器252は、ヨーレートセンサ36からのヨーレートY(検出ヨーレートYdet)と、規範ヨーレート算出部250からの規範ヨーレートYrefの偏差(以下「ヨーレート偏差ΔY」という。)を算出する(ΔY=Y−Yref)。
規範スタビリティファクタ更新部254(以下「規範SF更新部254」、「SF更新部254」又は「更新部254」ともいう。)は、規範スタビリティファクタ更新制御(以下「規範SF更新制御」ともいう。)を実行する。規範SF更新制御は、車両10の規範スタビリティファクタA(以下「規範SF A」ともいう。)を更新する制御である。
目標舵角算出部256(以下「算出部256」ともいう。)は、更新部254からの規範SF Aと、車速センサ32からの車速Vと、カメラ情報処理部210の曲率半径算出部220からの曲率半径Rとに基づいて目標舵角θstrtarを算出する。具体的には、算出部256は、以下の式(3)を用いて目標舵角θstrtarを算出する。
図3の横方向ずれ量補正電流算出部214(以下「算出部214」ともいう。)は、横方向ずれ量ΔDlatを補正する横方向ずれ量補正電流Id(以下「補正電流Id」ともいう。)を算出する。本実施形態の算出部214は、横方向ずれ量ΔDlatと補正電流Idの組合せを車速V毎に記憶したマップを記憶部114に有している。例えば、車速Vが高くなるほど、横方向ずれ量ΔDlatに対応する補正電流Idを小さくする。このため、算出部214は、横方向ずれ量ΔDlatと車速Vに基づいて補正電流Idを算出する。
加算器216は、基準舵角電流算出部212からの基準舵角電流Iθと、補正電流算出部214からの補正電流Idを加算して、LKAS電流Ilkasを算出する(Ilkas=Iθ+Id)。
加算器204は、基本アシスト電流算出部200からの基本アシスト電流Ibaseと、LKAS電流算出部202からのLKAS電流Ilkasとを加算して、アシスト電流Iasiとして出力する(Iasi=Ibase+Ilkas)。
駆動信号出力部206(以下「出力部206」ともいう。)は、加算器204からのアシスト電流Iasiとモータ電流Imの偏差をゼロにするようにインバータ30に対する駆動信号Sdを生成する。すなわち、モータ電流Imがアシスト電流Iasiよりも小さい場合、インバータ30の図示しないスイッチング素子の駆動デューティ比DUTを大きくする。モータ電流Imがアシスト電流Iasiよりも大きい場合、駆動デューティ比DUTを小さくする。モータ電流Imがアシスト電流Iasiと等しい場合、現在の駆動デューティ比DUTを維持する。
以上説明したように、本実施形態によれば、規範ヨーレートYrefとヨーレートY(検出ヨーレートYdet)との偏差ΔYに基づいて算出した規範スタビリティファクタAを目標舵角θstrtarに反映する(図4)。このため、舵角比の利用の有無にかかわらず目標舵角θstrtarを算出可能である。従って、舵角比が可変であるか否かにかかわらず、規範スタビリティファクタAの変化を考慮した操舵制御が可能となる。よって、車輪(前輪96等)の状態(経年変化、圧力変化等)、乗員の人数及び位置、荷物の積載状態等を考慮した操舵制御が実現されることで、操舵性能を向上可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
上記実施形態では、操舵装置12を搭載する車両10は四輪自動車であることを想定していた(図1)。しかしながら、例えば、検出ヨーレートYdetと規範ヨーレートYrefの偏差ΔYに基づいて算出した規範スタビリティファクタAを用いて目標舵角θstrtarを算出する観点からすれば、これに限らない。例えば、車両10は、自動二輪車、自動三輪車、六輪車等であってもよい。
[B−2−1.EPS装置14の全体構成]
上記実施形態のEPS装置14は、EPSモータ28がステアリング軸52にモータトルクTmを伝達する構成(いわゆるコラムアシスト式EPS装置)であった。しかしながら、モータトルクTmを発生するものであれば、EPS装置14の構成はこれに限らない。例えば、ピニオンアシスト式EPS装置、デュアルピニオンアシスト式EPS装置、ラックアシスト式EPS装置及び電動油圧パワーステアリング装置のいずれかであってもよい。なお、電動油圧パワーステアリング装置では、電動ポンプで油圧をつくり、その油圧でモータトルクTmを生成する。
上記実施形態では、EPSモータ28を3相交流ブラシレス式としたが、これに限らない。例えば、モータ28を3相交流ブラシ式、単相交流式又は直流式としてもよい。
上記実施形態では、ECU38を車両10に搭載することを念頭に説明した(図1)。しかしながら、例えば、ECU38の一部を携帯端末に設け、当該携帯端末を車両10のネットワークに接続することでECU38を構成してもよい。
上記実施形態では、カメラ140からの前方画像Ifに基づいて曲率半径Rを算出した(図3)。しかしながら、これに加えて又はこれに代えて、図示しないナビゲーション装置からの地図情報及び現在位置情報を用いて曲率半径Rを判定してもよい。
上記実施形態では、数値の比較において等号を含む場合と含まない場合とが存在した(図5のS22等)。しかしながら、例えば、等号を含む又は等号を外す特別な意味がなければ(換言すると、本発明の効果を得られる場合)、数値の比較において等号を含ませるか或いは含ませないかは任意に設定可能である。
32…車速センサ(車速取得手段)
36…ヨーレートセンサ(検出ヨーレート取得手段)
38…ECU(制御装置) 62…舵角センサ(検出舵角取得手段)
140…カメラ(レーン情報取得手段) A…規範スタビリティファクタ
THttc…TTC閾値(時間閾値) THvθstr…速度閾値
V…車速 Vθstr…舵角速度
Y…ヨーレート Ydet…検出ヨーレート
Yref…規範ヨーレート θstr…舵角
θstrdet…検出舵角 θstrtar…目標舵角
ΔY…ヨーレート偏差(検出ヨーレートと規範ヨーレートの偏差)
Δθstr…舵角偏差(目標舵角と検出舵角の誤差)
Claims (3)
- 自車の舵角を調整する舵角調整装置と、
前記自車の検出舵角を取得する検出舵角取得手段と、
自車レーンの情報を取得するレーン情報取得手段と、
前記自車の車速を取得する車速取得手段と、
前記自車の検出ヨーレートを取得する検出ヨーレート取得手段と、
目標舵角を用いて前記舵角調整装置を制御する操舵制御を実行する制御装置と、
を備え、
前記操舵制御において、前記制御装置は、
前記検出舵角又は前記目標舵角と前記車速とに基づいて規範ヨーレートを算出し、
前記検出ヨーレートと前記規範ヨーレートの偏差に基づいて規範スタビリティファクタを算出し、
前記自車レーンの情報、前記車速及び前記規範スタビリティファクタに基づいて新たな前記目標舵角を算出し、
前記目標舵角と前記検出舵角の誤差を減少させるように前記舵角調整装置を制御する
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1に記載の操舵装置において、
前記制御装置は、舵角速度が速度閾値を下回る場合のみ、前記規範スタビリティファクタの更新を行う
ことを特徴とする操舵装置。 - 請求項1又は2に記載の操舵装置において、
前記制御装置は、
前方車と前記自車との接触余裕時間を取得し、
前記接触余裕時間が時間閾値を下回る場合、前記規範スタビリティファクタの更新を中止する
ことを特徴とする操舵装置。
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