JP2018151225A - 放射能測定システム及び放射能測定方法 - Google Patents

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【課題】測定対象物を破壊することなく、また遮蔽体を使用せずに微量の放射能を測定する。【解決手段】放射能測定システムは、制御部が、検出部で測定対象物のガンマ線を測定するサンプル測定部と、前記検出部で前記測定対象物と同じ大きさ及び重量の予め用意した無汚染物を用いて周囲からのガンマ線を測定するバックグラウンド測定部と、前記サンプル測定部で取得したガンマ線のデータと前記バックグラウンド測定部で取得したガンマ線のデータとの差分から前記測定対象物に含まれる放射能を算出する差分算出部と、を有し、前記検出部は、前記測定対象物のある場所において上方に前記測定対象物が非破壊で載置されると共に、周囲のガンマ線を遮蔽する遮蔽体を設けずに前記差分算出部で微量の放射能を算出するために前記測定対象物の測定と同じ場所で前記無汚染物の測定が行われる、ことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象物を破壊することなく、また遮蔽体を使用せずに微量の放射能を測定するシステムに関する。
シイタケ栽培用原木の生産及びその原木を用いたシイタケ栽培は、東北地方太平洋沖地震に伴う福島第一原子力発電所事故によって深刻な被害を受けている。福島県やその周辺県の自県産原木調達率は原発事故前の10%にまで落ち込んでおり、すぐに使用できる放射能濃度の低い原木林を選定する必要がある。シイタケ栽培用原木についても、現場で放射能を測定し、放射能の高い原木を除外するための測定器が必要である。
従来の測定器は、測定対象物の形状によっては正確な測定が困難な場合もあるため、測定対象物を細かく切り刻んで測定していたが、測定対象物を破壊せずにそのまま測定する方法も考えられている。特許文献1に記載されているように、放射線汚染により発生するガンマ線から非破壊で判定する放射性汚染物質用非破壊検査装置の発明が開示されている。
特開平8−220029公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような非破壊検査装置では、厚さが30〜50mmもある鉛製の遮蔽体を用いているので、総重量も約4トンになり、原木生産林に持ち込むのは不可能である。なお、遮蔽体は、周囲の放射能の影響を排除して測定対象物に含まれる微量の放射能を測定することを可能にしている。
そこで、本発明は、測定対象物を破壊することなく、また遮蔽体を使用せずに微量の放射能を測定するシステムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明である放射能測定システムは、ガンマ線が入射すると発光する結晶シンチレータ、及び前記結晶シンチレータの光を検出するための光電子増倍管を備えた検出部と、前記検出部による測定を制御する制御部と、を有する放射線測定システムであって、前記制御部は、前記検出部で測定対象物のガンマ線を測定するサンプル測定部と、前記検出部で前記測定対象物と同じ大きさ及び重量の予め用意した無汚染物を用いて周囲からのガンマ線を測定するバックグラウンド測定部と、前記サンプル測定部で取得したガンマ線のデータと前記バックグラウンド測定部で取得したガンマ線のデータとの差分から前記測定対象物に含まれる放射能を算出する差分算出部と、を有し、前記検出部は、前記測定対象物のある場所において上方に前記測定対象物が非破壊で載置されると共に、周囲のガンマ線を遮蔽する遮蔽体を設けずに前記差分算出部で微量の放射能を算出するために前記測定対象物の測定と同じ場所で前記無汚染物の測定が行われる、ことを特徴とする。
また、前記放射能測定システムにおいて、前記検出部を複数にすることで感度を上げて測定時間を短縮させる、ことを特徴とする。
また、前記放射能測定システムにおいて、前記検出部を複数にして前記測定対象物の複数の部位において測定する、ことを特徴とする。
また、前記放射能測定システムにおいて、予め複数の大きさ及び重量の無汚染物を用いて周囲からのガンマ線を測定したデータを蓄積しておくデータ記憶部と、前記サンプル測定部で測定した前記測定対象物と同じ大きさ及び重量の無汚染物における周囲からのガンマ線のデータを前記データ記憶部から抽出するデータ照合部と、を有し、前記差分算出部は、前記サンプル測定部で取得したガンマ線のデータと前記データ照合部で取得したガンマ線のデータとの差分から前記測定対象物に含まれる放射能を算出する、ことを特徴とする。
本発明である放射能測定方法は、ガンマ線が入射すると発光する結晶シンチレータ、及び前記結晶シンチレータの光を検出するための光電子増倍管を備えた検出部を用いて非破壊で放射能を測定する方法であって、測定対象物のある場所において前記検出部の上方に載置した前記測定対象物のガンマ線量を測定し、前記測定対象物の測定と同じ場所において前記検出部の上方に載置した前記測定対象物と同じ大きさ及び重量の予め用意した無汚染物のガンマ線量を測定し、前記測定対象物のガンマ線量から前記無汚染物のガンマ線量の差分から周囲のガンマ線の影響を排除した前記測定対象物に含まれる放射能を算出することにより、前記検出部の周囲にガンマ線を遮蔽する遮蔽体を設けずに、微量の放射能を算出する、ことを特徴とする。
また、前記放射能測定方法において、前記検出部を複数にすることで感度を上げて測定時間を短縮する、ことを特徴とする。
また、前記放射能測定方法において、前記検出部を複数にして前記測定対象物の複数の部位において測定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、測定対象物を破壊することなく、また遮蔽体を使用せずに微量の放射能を測定することができる。また、遮蔽体を使用しないため、装置自体が非常に軽く、現場に簡単に持ち運ぶことができる。さらにコストも低く抑えることができる。
本発明である放射能測定システムの装置構成を示す図である。 本発明である放射能測定システムの測定方法について説明する図である。 本発明である放射能測定システムによる測定結果を示すグラフである。 本発明である放射能測定システムの検出器の設置位置を比較した図である。 本発明である放射能測定システムについて従来と比較したグラフである。 本発明である放射能測定システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
まず、本発明である放射能測定システムの構成について説明する。図1は、放射能測定システムの装置構成を示す図である。図1に示すように、放射能測定システム100は、検出部200、及び制御部300等を有し、測定対象物400を破壊することなく測定対象物400に含まれる放射能を推定する。測定対象物400としては、例えば、シイタケの原木栽培に使用するために一定の長さに切断されたホダ木などである。
放射能測定システム100は、少なくとも検出部200が可搬式であり、測定対象物400を検出部200が設置された測定場所に運び入れるのではなく、検出部200を測定対象物400が存在する測定場所に運び入れる。放射能測定システム100では、検出部200を運搬するため遮蔽体を設けない。すなわち、放射能測定システム100は、バックグラウンドの空間線量が高い環境下でも測定する手法を備える。
検出部200は、結晶シンチレータ210と光電子増倍管220を用いたシンチレーションカウンターである。結晶シンチレータ210は、ガンマ線が入射されると発光する。光電子増倍管220は、結晶シンチレータ210が発した光を検出する。なお、検出部200で検出した量は、イベント数として表す。
検出部200は、主に福島第一原子力発電所事故で飛散した放射性セシウム(137Cs,134Cs)から放射されるガンマ線(137Cs:662keV,134Cs:605keV,796keV)を測定する。
検出部200は、複数(例えば、4個)設けることにより感度が向上する。検出部200を4チャンネルで構成する場合、図1に示すように、結晶シンチレータ210が中央に集まるように配置すれば良い。なお、検出部200の感度が良くなれば、測定時間も短縮される。
制御部300は、少なくとも、バックグラウンド測定部310、サンプル測定部330、差分算出部360を有し、必要に応じて、データ記憶部320、サイズ確認部340、データ照合部350、結果出力部370等を備えても良い。制御部300は、検出部200等から取得した入力データ(信号)から放射能を算出して結果データを出力する。
制御部300の例としては、コンピュータのCPU等のプロセッサであり、検出部200を外部入力装置として接続すれば良い。制御部300は、各部において予め設定された放射能の測定手順に従って処理を実行する。
次に、本発明である放射能測定システムによる放射能の測定について説明する。図2は、放射能測定システムの測定方法について説明する図である。放射能測定システム100では、図2(a)に示すように、サンプル測定部330において検出部200で測定対象物400を測定する処理を実行し、図2(b)に示すように、バックグラウンド測定部310において検出部200で無汚染物410を測定する処理を実行し、図2(c)に示すように、差分算出部360において放射能を推定する処理を実行する。
サンプル測定部330では、測定対象物400に含まれる放射性セシウムから放射されるガンマ線と、測定場所の周囲、特に地面500から放射されるガンマ線の両方を含むデータを、検出部200で測定する。
バックグラウンド測定部310では、無汚染物410を検出部200の上部に載置して、測定場所の周囲、特に地面500から放射されるガンマ線のみのデータを測定する。なお、測定対象物400とほぼ同じ大きさ及び重量の無汚染物410を用いるものとする。無汚染物410は、放射性セシウムを含んでおらず、ガンマ線が照射されないものであれば良い。無汚染物410を用いることで、測定対象物400自身が持つガンマ線の遮蔽効果も再現される。
測定対象物400には個々に大きさ及び重量に微差があるが、それごとに無汚染物410を用意するのは効率が悪いので、同程度の大きさ及び重量の測定対象物400に対して、一の無汚染物410を用いれば良い。この無汚染物410は、測定対象物400と同じ大きさ及び重量のものとして扱う。そして、必要に応じて誤差の調整をしても良い。
なお、測定対象物400と同じ大きさ及び重量の無汚染物410を用意しても良いが、ガンマ線を放射している箇所の質量を精度良く決めるのは難しいことから、従来のゲルマニウム(Ge)半導体検出器によるデータとの相関から換算の係数を求めて、そこから質量あたりの放射能に変換するようにしても良い。
差分算出部360では、測定対象物400に含まれる放射性セシウムから放射されるガンマ線のみのデータを算出する。すなわち、サンプル測定部330で取得したガンマ線のデータから、バックグラウンド測定部310で取得したガンマ線のデータを差し引くことで、測定対象物400に含まれる放射能を推定する。
図3は、放射能測定システムによる測定結果を示すグラフである。なお、空間線量が0.06〜0.08μSv/hの屋外で測定され、横軸をガンマ線のエネルギー(keV)、縦軸をイベント数として示す。放射能測定システム100では、バックグラウンド以下のレベルの微量な放射能(林野庁が定めている指標は、50Bq/kg以下)を測定する。
微量の放射能を測定するためには、バックグラウンドの差引きが重要となる。例えば、地面の線量が0.08μSv/hの環境の場合に、サンプル測定部330における測定値が48601イベント、バックグラウンド測定部310における測定値が47244イベント、差分算出部360における差分値が1357イベントのように、差分は全体の約3%に過ぎない。
空間線量に関しては、例えば、ある実験室におけるバックグラウンドは、0.04〜0.05μSv/h、茨城県水戸市のある場所の地面においては、0.06〜0.1μSv/h(除染基準の空間線量は、0.23μSv/h)のように、地面500の線量にはバラつきがある。そのため、微量の放射能を測定するためには、測定対象物400を測定した場所において無汚染物410も測定する。すなわち、測定するものの大きさや重量、場所等の条件を同じにする必要がある。
図3(a)に示すサンプル測定部330におけるエネルギースペクトルからバックグラウンド測定部310におけるエネルギースペクトルを差し引くと、図3(b)に示すように、差分算出部360における結果として、測定対象物400由来のガンマ線のエネルギースペクトルが得られる。そして、予め放射能の量が分かっている線源から検出されたガンマ線のイベント数と比較等することで、測定対象物400由来の放射能は、61±15Bqと推定される。
図4は、放射能測定システムの検出器の設置位置を比較した図である。図4(a)では、検出部200に対して、地面500からのガンマ線による影響が少ない上(空)側に測定対象物400を載置した状態である。また、図4(b)では、検出部200に対して、地面500からのガンマ線による影響が大きい下(地面)側に測定対象物400を配置した状態である。
そして、検出部200の上に測定対象物400を載置して測定した場合と、測定対象物400の上に検出部200を配置して測定した場合とを比較する。なお、屋外で約20分間測定したときの誤差を検証する。
測定誤差には、制御できない要因によってバラつきが生じる統計誤差(偶然誤差)や、同じ方法であれば系統的にズレが生じる系統誤差が含まれる。統計誤差は測定時間を長くする、もしくは複数の検出器を用いて感度を向上させることにより精密さが向上するので、系統誤差を少なくして正確さを向上させる。
図4(c)に示すように、本例における測定誤差は、検出部200の上に測定対象物400を載置した場合は277、検出部200の下に測定対象物400を配置した場合は358である。また、本例における統計誤差は、検出部200の上に測定対象物400を載置した場合は228、検出部200の下に測定対象物400を配置した場合は215である。なお、検出部200の上に測定対象物400を載置すると、測定対象物400が検出部200を遮蔽することになるので、統計誤差が若干大きくなる。
測定誤差と統計誤差から本例における系統誤差を推定すると、検出部200の上に測定対象物400を載置した場合は157、検出部200の下に測定対象物400を配置した場合は286である。
検出部200の上に測定対象物400を載置した場合、下側からのガンマ線の影響はむしろ大きいが、無汚染物410の測定でも地面から受ける影響は同じであるため、測定対象物400や無汚染物410の乗せ換えで起こる系統誤差は、測定対象物400を下側にするより上側に置いた方が小さくなる。現在の測定誤差では、系統誤差が効いてくるため、その影響が小さくなる方(検出部200の上に測定対象物400を載置した場合)が好ましい。
図5は、放射能測定システムについて従来と比較したグラフである。なお、横軸をゲルマニウム半導体検出器による放射能濃度(Bq/kg)、縦軸を放射能測定システム100で推定した放射能(Bq)として散布図にしたものである。なお、放射線測定システム100において、質量を測定しておらず、また測定値に対して重量による補正をしていない場合に、ゲルマニウム半導体検出器との相関係数から換算する際に利用することが可能となる。
図5に示すように、最小二乗法により回帰直線を求めると、相関係数が0.92となり、線形な関係にあると言える。放射能測定システム100において目標としている50Bq/kg以下の微量な放射能も測定することが可能である。
実施例1を前提に、本発明である放射能測定システムを実現するコンピュータプログラムの処理について説明する。図6は、放射能測定システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。放射能測定システム100の装置構成を用いた放射能測定方法の手順を示すものである。
図6に示すように、制御部300が実行するプログラムは、バックグラウンド測定ステップS310、データ記憶ステップS320、サンプル測定ステップS330、サイズ確認ステップS340、データ照合ステップS350、差分算出ステップS360、及び結果出力ステップS370等を有する。なお、一部のステップ(例えば、サイズ確認ステップS340やデータ照合ステップS350等)を省略しても良い。
バックグラウンド測定ステップS310は、バックグラウンド測定部310が無汚染物410を用いて地面500から放射されるガンマ線のみのデータを検出部200で測定し、入力データとして取得する。
データ記憶ステップS320は、バックグラウンド測定ステップS310で入力されたデータをデータ記憶部320がデータベース600に蓄積する。なお、データが1件であれば一時的な記憶でも良い。また、バックグラウンド測定ステップS310及びデータ記憶ステップS320を繰り返して、複数の大きさ及び重量の無汚染物410による地面500からのガンマ線を測定したデータを蓄積しても良い。
サンプル測定ステップS330は、サンプル測定部330が測定対象物400に含まれる放射性セシウムから放射されるガンマ線と、地面500から放射されるガンマ線の両方を含むデータを検出部200で測定し、入力データとして取得する。なお、サンプル測定ステップS330で入力されたデータは、データ記憶部320が一時的に記憶すれば良い。
サイズ確認ステップS340は、サイズ確認部340がサンプル測定ステップS330で測定された測定対象物400の大きさ及び重量を取得する。サイズ確認部340は、計測器などを用いて自動的に測定対象物400の大きさや重量を取得しても良いし、ユーザ(測定者)がメジャー等で径を測る等した上で、ユーザからの入力を受け付けて取得しても良い。
データ照合ステップS350は、データ照合部350が、まずサイズ確認ステップS340で取得した大きさ(太さや形状を含む)や重量などのパラメータを条件として、データベース600から地面500からのガンマ線のデータを抽出する。なお、多くの種類やパラメータについてデータが蓄積されていれば、条件により合致するものを抽出することが可能となる。
また、ホダ木として使用する木の太さが直径8〜12cmの場合に、例えば、無汚染物410として直径が9cmと11cmのデータを蓄積していたとする。サンプル測定ステップS330で測定された測定対象物400の直径が10cmだった場合は、蓄積されているデータを基に10cmのデータを推定しても良い。その他、重量を測定していない場合に、測定値に対する重量による補正や相関係数からの換算などを行っても良い。
差分算出ステップS360は、サンプル測定ステップS330で取得したガンマ線のデータと、データ照合ステップS350で取得したガンマ線のデータとの差分から、差分算出部360が測定対象物400に含まれる放射能を推定する。
なお、1件ごと測定する場合は、サンプル測定ステップS330で取得したガンマ線のデータから、バックグラウンド測定ステップS310で取得したガンマ線のデータを差し引くことで、測定対象物400に含まれる放射能を推定しても良い。
結果出力ステップS370は、結果出力部370が、差分算出ステップS360で算出した結果データをデータベース610に保存したり、モニタやプリンタに文字や画像として出力したりする。なお、必要な加工を施すなど編集処理をしても良い。また、結果データが予め設定した範囲外の場合は文字や音声等を出力しても良い。
予めデータベース600に複数の無汚染物410によるデータが蓄積されていれば、バックグラウンド測定ステップS310からでなく、サンプル測定ステップS330以降の処理を繰り返せば良い。
このように、バックグラウンドとなる空間線量が高い(0.1μSv/h程度)の環境であっても、遮蔽体を使用せずに微量(50Bq/kg程度)の放射能を非破壊で測定することができる。また、重量のある遮蔽体を使用しないため、装置自体が非常に軽く(3kg以下)、現場に簡単に持ち運ぶことができる。さらに大規模な装置として設置する必要がないので、コストも大幅に低く抑えることができる。
低レベル汚染地域において、現場で簡単に安全なホダ木を選別することができる。ホダ木を破壊する必要はないので、バックグラウンド以下の微量な放射能を測定し、そのまま栽培へ使用することができる。そのため、放射能汚染によって栽培が困難となった地域におけるシイタケ産業の再開に貢献することができる。
ホダ木の置き方のわずかな差によって地面から放射されるガンマ線の寄与が変化しないように、系統誤差が小さくなるような置き方にすることで、ホダ木自身が有する遮蔽効果が考慮され、検出されるガンマ線のイベント数の不定性を小さくすることができる。
以上、本発明の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。例えば、検出部200は、放射線に励起されることにより発光するその他のシンチレータと、光電効果により光エネルギーを電気エネルギーに変換するその他の光検出器を組み合わせたものでも良い。
また、検出部200を複数設ける場合に、結晶シンチレータ210を中央に集めるのではなく、間欠的に配置して測定対象物400の複数の部位において測定するようにしても良い。これにより、測定対象物400に部分的に放射能の強弱があっても、部位によるばらつきを考慮した測定をすることができる。
なお、検出部200は、測定対象物400の下に配置するだけでなく、測定対象物400自身が有する遮蔽効果を考慮して適切な位置に配置すれば良い。本発明は、シイタケ栽培に使用されるホダ木に限らず、様々なものを対象とすることができる。
100:放射能測定システム
200:検出部
210:結晶シンチレータ
220:光電子増倍管
300:制御部
310:バックグラウンド測定部
320:データ記憶部
330:サンプル測定部
340:サイズ確認部
350:データ照合部
360:差分算出部
370:結果出力部
400:測定対象物
410:無汚染物
500:地面
600:データベース
610:データベース

Claims (7)

  1. ガンマ線が入射すると発光する結晶シンチレータ、及び前記結晶シンチレータの光を検出するための光電子増倍管を備えた検出部と、前記検出部による測定を制御する制御部と、を有する放射線測定システムであって、
    前記制御部は、
    前記検出部で測定対象物のガンマ線を測定するサンプル測定部と、
    前記検出部で前記測定対象物と同じ大きさ及び重量の予め用意した無汚染物を用いて周囲からのガンマ線を測定するバックグラウンド測定部と、
    前記サンプル測定部で取得したガンマ線のデータと前記バックグラウンド測定部で取得したガンマ線のデータとの差分から前記測定対象物に含まれる放射能を算出する差分算出部と、を有し、
    前記検出部は、前記測定対象物のある場所において上方に前記測定対象物が非破壊で載置されると共に、周囲のガンマ線を遮蔽する遮蔽体を設けずに前記差分算出部で微量の放射能を算出するために前記測定対象物の測定と同じ場所で前記無汚染物の測定が行われる、
    ことを特徴とする放射能測定システム。
  2. 前記検出部を複数にすることで感度を上げて測定時間を短縮させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射能測定システム。
  3. 前記検出部を複数にして前記測定対象物の複数の部位において測定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射能測定システム。
  4. 予め複数の大きさ及び重量の無汚染物を用いて周囲からのガンマ線を測定したデータを蓄積しておくデータ記憶部と、
    前記サンプル測定部で測定した前記測定対象物と同じ大きさ及び重量の無汚染物における周囲からのガンマ線のデータを前記データ記憶部から抽出するデータ照合部と、を有し、
    前記差分算出部は、前記サンプル測定部で取得したガンマ線のデータと前記データ照合部で取得したガンマ線のデータとの差分から前記測定対象物に含まれる放射能を算出する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の放射能測定システム。
  5. ガンマ線が入射すると発光する結晶シンチレータ、及び前記結晶シンチレータの光を検出するための光電子増倍管を備えた検出部を用いて非破壊で放射能を測定する方法であって、
    測定対象物のある場所において前記検出部の上方に載置した前記測定対象物のガンマ線量を測定し、
    前記測定対象物の測定と同じ場所において前記検出部の上方に載置した前記測定対象物と同じ大きさ及び重量の予め用意した無汚染物のガンマ線量を測定し、
    前記測定対象物のガンマ線量から前記無汚染物のガンマ線量の差分から周囲のガンマ線の影響を排除した前記測定対象物に含まれる放射能を算出することにより、
    前記検出部の周囲にガンマ線を遮蔽する遮蔽体を設けずに、微量の放射能を算出する、
    ことを特徴とする放射能測定方法。
  6. 前記検出部を複数にすることで感度を上げて測定時間を短縮する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の放射能測定方法。
  7. 前記検出部を複数にして前記測定対象物の複数の部位において測定する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の放射能測定方法。
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