JP2018150879A - 発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱効率及び発電効率が従来よりも高められた発電システムを提供する。【解決手段】バイオマスの発酵により低濃度エタノール水溶液を製造する糖化発酵槽1と、低濃度エタノール水溶液を蒸留して高濃度エタノール水溶液を得るエタノール水溶液蒸留塔4と、高濃度エタノール水溶液を使用して発電するエンジン6と、低濃度エタノール水溶液及び/又は高濃度エタノール水溶液を改質することで、水素を含む改質ガスを製造する改質器11と、改質器11で製造された改質ガスをエンジン6に供給する改質ガス供給系統51と、エンジン6の排気ガスをエタノール水溶液蒸留塔4に供給する排熱供給系統52と、エンジン6の排気ガスを改質器11に供給する排熱供給系統53とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は発電システムに関する。
近年、石油系燃料の代替として、カーボンニュートラルなバイオ燃料が注目されている。バイオ燃料のうちバイオマスエタノールについては、とうもろこし、さとうきび、米、有機系廃棄物等を原料として、糖化工程、発酵工程、蒸留工程、脱水工程を経て製造される。
バイオマスエタノールをエンジン燃料として使用する場合には、濃度を99.5質量%以上に濃縮するのが一般的である。濃縮するためには、通常は、発酵工程で生産されたエタノール水溶液(含水エタノール)が蒸留工程及び脱水工程に供され、高純度のエタノールが製造される。ただ、これらの工程では、多大なエネルギが消費される。このため、特に小規模なエタノール製造設備では、製造コスト面で不利になる。
この点に鑑みて、蒸留工程及び脱水工程を簡略化して製造されたエタノール水溶液が注目されている。エタノール水溶液であれば製造コストが安くなり、代替燃料としての普及が期待できる。一方で、エタノール水溶液は、燃焼のし難さの観点から、熱効率の点では不利である。そこで、熱効率を向上させるために、エタノール水溶液を改質して水素を含む改質ガスを燃料として使用する燃料改質技術が検討されている。
特許文献1には、エタノール水溶液の貯留タンクと、貯留タンクのエタノール水溶液を改質器に供給する第一の供給装置と、前記改質器から送出される改質ガスを含む混合ガスを冷却し、混合ガスに含まれる水蒸気を凝縮させて気液分離する分離装置と、分離装置で分離された改質ガスをエンジンに供給する改質ガス供給装置と、分離装置で分離された回収液を回収する回収タンクと、回収タンクの回収液を改質器に供給する第一の回収液供給装置、又は、回収タンクの回収液をエンジンの燃焼室に供給する第二の回収液供給装置を備えたエタノールエンジンシステムが記載されている。
特開2015−218676号公報
特許文献1に記載の技術では、貯留タンクに貯留されたエタノール水溶液が、エンジン及び改質器のそれぞれに送られている(特許文献1の例えば図1参照)。即ち、この技術では、同じエタノール濃度のエタノール水溶液が、エンジン及び改質器のそれぞれに送られている。ただ、エタノール水溶液は高純度のエタノールと比べて燃焼しにくいことから、エタノール水溶液でのエタノール濃度が低過ぎる場合には、エタノール水溶液がいっそう燃焼しにくくなる。この結果、エンジンでの発電効率が低下する。
一方で、エタノール濃度が高過ぎる場合には、改質器に供給されるエタノールの量が化学量論的に過剰となる。この結果、改質器において、エタノールが余ることになる。そうすると、改質するよりもそのままエンジンに供給した方が熱効率の観点からは有利となる。そのため、熱的に不必要な改質が行われることから、発電システム全体で熱効率が低下する。
また、特許文献1に記載の技術では、エンジンで生じた熱が回収され、回収された熱が改質器に供給されている(特許文献1の例えば明細書段落0022参照)。しかし、エンジンで生じた熱が過剰な場合、改質器には過剰な熱が供給されることになる。そして、供給された熱のうちの過剰な熱は外部に排出される。そのため、熱効率の観点から、特許文献1に記載の技術には依然として改善の余地がある。
本発明はこれらの課題に鑑みて為されたものであり、本発明は、熱効率及び発電効率が従来よりも高められた発電システムを提供することである。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、以下の知見を見出して本発明を完成させた。即ち、本発明は、バイオマスの発酵によりエタノール水溶液を製造する発酵装置と、当該発酵装置で得られたエタノール水溶液を蒸留して当該エタノール水溶液におけるエタノール濃度を高める蒸留装置と、当該蒸留装置においてエタノール濃度を高めたエタノール水溶液を使用して発電を行う発電装置と、前記発酵装置において製造されたエタノール水溶液、及び、前記蒸留装置においてエタノール濃度を高めたエタノール水溶液のうちの少なくとも一方を改質することで、水素を含む改質ガスを製造する改質装置と、当該改質装置において製造された改質ガスを前記発電装置に供給する改質ガス供給系統と、前記発電装置での排熱を前記蒸留装置に供給することで当該排熱を使用して前記蒸留装置での蒸留を行うエンジン排熱第一供給系統と、前記発電装置での排熱を前記改質装置に供給することで当該排熱を使用して前記改質装置での改質を行うエンジン排熱第二供給系統と、を備えることを特徴とする、発電システムに関する。
本発明によれば、熱効率及び発電効率が従来よりも高められた発電システムを提供することができる。
第一実施形態の発電システムの系統図である。 エタノール水溶液におけるエタノール濃度と、エタノール水溶液が保有する熱量のみで改質反応を進行可能なエタノール水溶液の温度との関係を示すグラフである。 第一実施形態の発電システムにおいて、エタノール水溶液蒸留塔及びエンジン近傍の系統図である。 原料から低濃度エタノール水溶液を生産するまでの手順を示すフローである。 発電システムの立ち上げ直後に行われる、エタノール水溶液蒸留塔及びエンジンの運転方法を示すフローである。 第二実施形態の発電システムの系統図である。 第三実施形態の発電システムの系統図である。 第三実施形態の発電システムにおいて、エタノール水溶液蒸留塔及びエンジン近傍の系統図である。 第四実施形態の発電システムの系統図である。 第四実施形態の発電システムにおいて、エタノール水溶液蒸留塔及びエンジン近傍の系統図である。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)について、図面を適宜参照しながら説明する。なお、各図面において、共通する構成要素には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、第一実施形態の発電システム100の系統図である。発電システム100は、原料を発酵させることで得られたエタノール水溶液を使用し、エンジンでの発電効率を高めるものである。特に、発電システム100では、エタノール水溶液の濃度(水中におけるエタノールの濃度(質量%)、以下同じ)に応じて、生成したエタノール水溶液は改質器に供給されるか、又は、エンジンに供給される。
この図1に示す発電システム100は、糖化発酵槽1、固液分離装置2、低濃度エタノール水溶液タンク3、エタノール水溶液蒸留塔4、高濃度エタノール水溶液タンク5、エンジン6、発電機7、エタノール濃度調整装置8、熱交換器9,10、改質器11、気液分離装置12、余剰水タンク13、エタノール濃度調整装置14、及び、演算制御部101を備える。そして、図1において、実線矢印は、いずれも図示しないが、エタノール水溶液、改質ガス、排気ガス等の物質が流通する配管と、その流れ方向とを表す。また、二重線矢印は、動力及びエネルギの伝達方向を表す。さらには、いずれも図示はしないが、図1に示した各装置間の物質移動のため、配管、弁、ポンプ等の設備が適宜設置される。
糖化発酵槽1は、発酵の対象となる原料(バイオマス)、酵素、酵母、及び必要に応じて濃度調整用の水を使用して、内部を攪拌することによりエタノール発酵を生じさせて、発酵液を生産するものである。この発酵液には、エタノール水溶液(エタノール及び水を含む、低濃度エタノール水溶液)が含まれる。原料には、とうもろこし、さとうきび、米、有機系廃棄物等があり、原料に合わせて、酵素及び酵母がそれぞれ選択される。例えば、とうもろこしに対してセルラーゼ(酵素)を作用させることで、グルコース(糖)が生成する。そして、このグルコースに対して、酵母を作用させることで、エタノールが生成する。
また、糖化発酵槽1で使用される濃度調整用の水としては、余剰水タンク13(後記する)に貯蔵され、余剰水供給系統55から供給された余剰水(主として水)が使用される。また、糖化発酵槽1で使用される水としては、必要に応じて外部から供給される上水等でもよい。
糖化発酵槽1は、単一の槽によって構成されてもよいし、複数の槽によって構成されてもよい。複数の原料が使用できる場合には、糖化発酵槽1は、原料に合わせて複数の槽を使用して糖化及び発酵させる構成としてもよい。また、糖化及び発酵の各工程の運転条件を最適化するため、糖化発酵槽1は、別体に構成された糖化槽と発酵槽とのように、工程毎に複数の槽を使用する構成としてもよい。
糖化発酵槽1では、原料の糖化及び発酵に最適な温度管理がなされる。温度管理の方法としては、いずれも図示しないが、糖化発酵槽1の外部に設置したジャケット、又は、糖化発酵槽1の内部に設置した温度調整用のコイル等が使用される。そして、ジャケット又はコイルの内部に、図示しない恒温熱媒体循環装置等を使用して熱媒体が循環されることで、糖化発酵槽1での冷却又は加熱が行われる。
なお、循環させる熱媒体の温度調節のうち、加熱は、排熱供給系統54を通じて供給された、エンジン6(後記する)からの排熱(使用済みの冷却水、排気ガス等)を使用して行われる。この排熱供給系統54は、例えば、エンジン6と糖化発酵槽1との間で循環する別の熱媒体を備えて構成可能である。従って、エンジン6の排熱は、この熱媒体を介して、糖化発酵槽1に供給可能である。一方で、循環させる熱媒体の温度調節のうち、冷却は、例えば、電気式のクーラ(図示しない)を使用することができる。
固液分離装置2は、糖化発酵槽1で生産された発酵液を沈降分離、遠心分離、ろ過、圧搾等の方法により固形物と液体とに分離するものである。固形物は発酵残渣と呼ばれ、発酵原料によって、有価物又は廃棄物として処理される。即ち、発酵残渣は、有価物として飼料や肥料等として有効に活用され、又は、廃棄物(産業廃棄物)として焼却処理や埋め立て処理される。
固液分離装置2は、糖化発酵槽1を兼ねる構成であってもよい。また、固液分離装置2は、糖化発酵槽1と同様、単一の分離装置又は方法によって構成されてもよいし、複数の分離装置や方法によって構成されてもよい。中でも、固液分離装置2が複数の分離装置により構成される場合、これらの装置は、直列に接続されたり、並列に接続されたりする構成としてもよい。
低濃度エタノール水溶液タンク3は、固液分離装置2で分離された液体、即ちエタノール水溶液を貯蔵するものである。エタノール濃度としては、例えば、水に対するエタノールの質量濃度として、2質量%〜20質量%である。
エタノール水溶液蒸留塔4は、低濃度エタノール水溶液タンク3から供給された低濃度エタノール水溶液を用いて、高濃度エタノール水溶液と微量のエタノールが含まれる水溶液とに分離するものである。即ち、エタノール水溶液蒸留塔4では、蒸留により、前記の糖化発酵槽1において製造された低濃度エタノール水溶液のエタノール濃度が高められ、高濃度エタノールが製造される。
エタノール水溶液蒸留塔4で製造される高濃度エタノール水溶液以外の水溶液、即ち、微量のエタノールが含まれる水溶液は、蒸留残渣といわれ、発酵原料に応じて、固液分離装置2での発酵残渣と同様に、有価物又は廃棄物として処理される。即ち、蒸留残渣は、有価物として飼料や肥料等に有効に活用され、又は、廃棄物(産業廃棄物)として焼却処理や排水処理される。なお、エタノール水溶液蒸留塔4の構成については、後記する図2を用いて詳細に説明する。
高濃度エタノール水溶液タンク5は、エタノール水溶液蒸留塔4で分離された高濃度エタノール水溶液を貯蔵するものである。ここで貯蔵されるエタノール水溶液のエタノール濃度としては、例えば、40質量%〜90質量%である。ただし、上限としては、取り扱い及び保管性の簡便さの観点からは、60質量%未満であることが好ましい。
エタノール濃度調整装置14は、高濃度エタノール水溶液タンク5から供給された高濃度エタノール水溶液と余剰水タンク13から供給された水とを混合し、エンジン6で燃焼可能なエタノール濃度に調整するものである。即ち、ここでは、後記する気液分離装置12で除去された余剰水が使用され、エタノール水溶液蒸留塔4で得られた高濃度エタノール水溶液のエタノール濃度の調整が行われる。エタノール濃度調整装置14では、エンジン6での燃焼のし易さ、及び、得られた高濃度エタノールの使用量を削減して長時間運転する観点から、エタノール濃度が40質量%程度に調整される。なお、水で希釈せずに、高濃度エタノールがそのまま(即ちエタノール濃度が40質量%程度以上)エンジン6に供給されてもよい。
エンジン6は、燃料として、エタノール濃度調整装置14から供給された高濃度エタノール水溶液、及び、気液分離装置12から供給された改質ガス(主として水素)のうち少なくとも一方を使用して駆動するものである。エンジン6では、吸気口(図示しない)から空気を取り込んで燃料を燃焼させ、得られた燃焼ガスのエネルギが動力(回転力)に変換される。動力を取り出した後の燃焼ガスは、排気ガスとして排出される。ここで排出される排気ガスは、通常は例えば600℃前後であり、十分な熱量を有する。そこで、この排気ガスは熱交換器10に供給され、改質器11(後記する)に供給される低濃度エタノール水溶液の加熱に使用される。
また、エンジン6には、エタノール水溶液蒸留塔4を構成する熱交換器402(図3で後記する)との間で、エンジン6を冷却するための冷却水が循環している。冷却水は、通常は例えば80℃前後の温度でエンジン6から出て行き、その流量が多いため、十分な熱量を有する。そこで、エンジン6から出た冷却水は、エタノール水溶液蒸留塔4に供給され、エタノール水溶液蒸留塔4において蒸留される熱エネルギの一部として使用される。なお、この点の詳細は、図2及び図3を参照しながら説明する。
エンジン6は、単一のエンジンによって構成されてもよいし、複数のエンジンによって構成されてもよい。また、エンジン6は、燃焼の機構が制限されるものではない。エンジン6としては、例えば、火花点火エンジン、ディーゼルエンジン、ガスタービンエンジン等の各種の内燃機関を適用することが可能である。
発電機7は、エンジン6により発生した動力(回転力)を使用して発電し、電力負荷への電力を供給可能にするものである。電力負荷に供給される電力は、所謂「商用電力」である。そのため、発電機7の極数に合わせて、発電機7の回転速度は、商用電力の周波数が50Hzでは例えば1500rpm又は3000rpmに、60Hzでは例えば1800rpm又は3600rpmの一定回転速度に設定される。そこで、エンジン6の回転速度は、発電機7の回転速度が一定速度となるように設定される。なお、発電機7が発電した電力をコンバータにより直流に変換し、その後インバータにより任意の周波数の交流電力に変換してもよい。
発電機7は、複数のエンジンがある場合にはエンジン一台に対して発電機一台の構成としてもよい。また、複数のエンジンの回転軸を共有したり、ギア等で接続したりして、複数のエンジンに対して発電機一台の構成としてもよい。
エタノール濃度調整装置8は、低濃度エタノール水溶液タンク3から供給された低濃度エタノール水溶液と余剰水タンク13から供給された水とを混合して(即ち希釈して)、改質器11(後記する)で改質可能なエタノール濃度に調整するものである。即ち、ここでは、後記する気液分離装置12で除去された余剰水が使用され、改質器11に供給される低濃度エタノール(糖化発酵槽1で生成したもの)の濃度調整が行われる。具体的なエタノール濃度については、後記する改質器11の項目で説明する。
熱交換器9は、エタノール濃度調整装置8で濃度調整されたエタノール水溶液と改質器11で改質された改質ガス(主として水素)との間で熱交換するものである。熱交換器9は、エタノール濃度調整装置8から供給されたエタノール水溶液が流通する受熱側流路を有している。そして、この受熱側流路の一端側がエタノール濃度調整装置8の出口に、他端側が熱交換器10の受熱側流路の入口に接続される。また、また、熱交換器9は、改質ガスが流通する放熱側流路を有している。そして、この放熱側流路の一端側が改質器11の出口に、他端側が気液分離装置12の入口に接続される。
熱交換器10は、熱交換器9で加熱されたエタノール水溶液とエンジン6の排気ガスとの間で熱交換するものである。熱交換器10は、エタノール水溶液が流通する受熱側流路を有している。そして、この受熱側流路の一端側が熱交換器9の受熱側流路の出口に、他端側が改質器11の入口に接続される。また、熱交換器10は、排気ガスが流通する放熱側流路を有している。そして、この放熱側流路の一端側がエンジン6の排気ガス出口に、他端側がエタノール水溶液蒸留塔4の熱交換器入口に接続される。
なお、熱交換器10を構成する放熱側流路(図示しない)には、エンジン6の排気ガス出口側に、排熱供給系統52,53が接続される。そして、この放熱側流路と熱交換される受熱側流路の下流には、改質器11が備えられる。従って、改質器11では、排熱供給系統53を通じて熱交換器10で受け取ったエンジン6の排熱を使用して、エタノール水溶液の改質が行われる。
また、熱交換器10を構成する放熱側流路には、エタノール水溶液蒸留塔4の側に、排熱供給系統52が接続される。そして、エンジン6の排気ガスであって、熱交換器10で熱を失った後の排気ガスであっても、依然としてある程度の熱を有している。そこで、熱交換器10で熱を失った後の排気ガスは、排熱供給系統52を通じて、エタノール水溶液蒸留塔4に供給される。従って、エタノール水溶液蒸留塔4では、このようにエンジン6の排気ガスが有する排熱の残りを使用して、低濃度エタノールの蒸留が行われる。
改質器11から排出された改質ガスは、300℃〜400℃程度であり、十分な熱量を有している。そこで、熱交換器9では、その熱量を使用して、エタノール濃度調整装置8で濃度調整されたエタノール水溶液が、室温付近から沸点近く(76℃〜100℃程度)にまで昇温される。一方で、熱交換器9では、改質ガスは、エタノール水溶液に熱量を与えることで降温する。従って、熱交換器9において、改質ガスの有する熱がエタノール水溶液に与えられ、改質反応の反応熱として使用される熱量がエタノール水溶液に蓄えられる一方で、改質ガスが降温することで改質ガスに含まれる水蒸気が凝縮液化する。
エンジン6での排気ガスは、前記のように例えば600℃前後であり、十分な熱量を有している。そこで、熱交換器10では、その熱量を使用して、エタノール水溶液が、改質器11で改質反応が生じる300℃〜400℃程度にまで昇温する。一方で、排気ガスはエタノール水溶液に熱量を与えて降温する。従って、熱交換器10において、排気ガスの有する熱がエタノール水溶液に与えられ、改質反応の反応熱として使用される熱量がエタノール水溶液に蓄えられる。これにより、エンジン6の排気ガスが有する排熱の使用効率(熱効率)が高められる。
発電システム100では、改質器11の前段に、熱交換器9,10が備えられている。このように二つの熱交換器9,10を備え、段階的にエタノール水溶液を昇温することで、熱交換器10のみでは困難な温度にまでエタノール水溶液が昇温する。これにより、改質器11での改質が促され、改質器11での改質ガスの生成量が増加する。そのため、エンジン6に供給される改質ガスの量が増大する。また、熱交換器9,10において、高温の改質ガスの熱がエタノール水溶液の昇温に用いられることで、エンジン6の排熱が有効に燃料改質に使用される。そして、エンジン6での排熱の回収量の増大、及び、改質ガスの増量により、エンジン6での熱効率が向上する。
なお、熱交換器9,10は、例えば、シェルアンドチューブ型、プレート型、フィンチューブ型等の適宜の形式の熱交換器である。熱交換器9,10は、単一の熱交換器によって構成されてもよいし、複数の熱交換器によって構成されてもよい。複数の熱交換器の配列は、直列であってもよいし、並列であってもよい。
熱交換器9,10は、断熱体で覆われた状態とされることが好ましい。断熱体としては、例えば、発泡樹脂、グラスウール、ロックウール等の断熱材によって形成された断熱カバー、断熱ジャケット等が挙げられる。熱交換器を断熱体で覆うことにより、放熱による熱損失が低減され、改質反応の反応熱として使用される熱量を確実にエタノール水溶液に蓄えることが可能となる。また、発電システム100全体としての熱効率も改善される。
改質器11は、熱交換器10で昇温されたエタノール水溶液を改質し、水素を含む改質ガスを生成するものである。ここで生成した改質ガスは、改質ガス供給系統51を通じてエンジン6に供給される。改質器11で行われる改質は、次の式(1)及び(2)により進行する。
OH+3HO→2CO+6H−217kJ ・・・式(1)
OH+HO→2CO+4H−298kJ ・・・式(2)
ここで、これらの式(1)及び式(2)のうち、式(2)において生成する一酸化炭素は、高温の水(水蒸気)と速やかに反応し、二酸化炭素及び水素に変化する。そのため、改質器11では、実質的には、式(1)のみが進行すると考えることができる。
式(1)及び式(2)で表される改質反応は、いずれも吸熱反応である。そのため、エタノール水溶液を用いて改質ガスを生成させるためには、通常は、反応系に熱が与えられることになる。しかし、発電システム100では、改質されるエタノール水溶液には、熱容量が大きな水を高い割合で含んでいる。そして、前記のように、熱交換器9,10において、改質反応の反応熱として使用される熱量として予め蓄えられる。従って、発電システム100では、改質反応の反応熱として使用される熱量を蓄えたエタノール水溶液が改質器11に導入されることで、外部から熱を全く供給することなく、又は、供給したとしてもその供給量を少なくしても、エタノール水溶液が改質される。
ここで、図2を参照しながら、改質器11に供給されるエタノール水溶液の濃度と、外部から熱を供給することなく(即ちエタノール水溶液が保有する熱量のみで)改質を進行させることが可能なエタノール温度(改質器11の入口温度)との関係について説明する。
図2は、エタノール水溶液におけるエタノール濃度と、エタノール水溶液が保有する熱量のみで改質反応を進行可能なエタノール水溶液の温度との関係を示すグラフである。この図2は、改質器11での改質反応が前記の式(1)のみであること、及び、改質器11の出口における改質ガスの温度(出口温度)が300℃程度(改質が完了するために通常必要な最低温度)であることの二つを仮定したときに、改質反応の反応熱として使用される熱量のみ(即ちエタノール水溶液が保有する熱量のみ)で改質可能なエタノール水溶液の改質器11の入口温度(即ち、改質器11に供給されるエタノール水溶液の温度)を示すものである。
エタノール水溶液において、エタノール濃度が低いほど、熱容量の大きな水の割合が高くなる。即ち、エタノール濃度が低いほど、エタノール水溶液が保有する熱量のみで改質可能なエタノール水溶液の温度は低くなる。ここで、エンジン6の排気ガス温度は、前記のように例えば600℃程度である。そのため、熱交換器9,10による二段階の加熱により、改質器11に供給されるエタノール水溶液の温度を少なくとも500℃程度、最大で600℃程度にまで昇温させることが可能である。
そうすると、図2に示すグラフから、エタノール水溶液の温度が最大でも17質量%程度以下、好ましくは11質量%程度以下であれば、エタノール水溶液が保有する熱量のみで改質反応を十分に生じさせることができると考えられる。即ち、エタノール濃度が17質量%程度以下のエタノール水溶液を改質することで、エンジン6の排気ガス温度が600℃であると仮定したとき、改質反応に必要な熱量を確実に蓄えることが可能である。また、エタノール濃度が低いほど、低コストで製造が可能であるし、改質触媒にカーボンが析出して転化率が低下することも防止できる。
また、前記のように、前記の改質器11におけるエタノール水溶液の改質は、実質的には前記の式(1)で示す反応により進行する。従って、改質器11では、エタノール1molが水素(分子)6モルに変換される。ここで、エタノール標準燃焼熱は1366kJ/mol、水素の標準燃焼熱は285kJ/molである。そのため、エタノール1molをエンジン6で燃焼させて発生する熱量(1366kJ)よりも、改質を行って得られた水素6molを燃焼させて発生する熱量(1710kJ)が大きくなる。
従って、エタノール1molを燃焼させるよりは、水素6molを燃焼させる方が、発生する熱量が多くなるといえる。そのため、改質を行って得られた水素6molを燃焼させて発生する熱量を使用して発電することで、発電機7による発電効率を高めることができる。よって、低濃度エタノール水溶液を改質することで、エタノール水溶液が保有する熱量のみで改質反応を十分に生じさせることができるとともに、発電効率を高めることもできる。
また、前記のように、実質的には、改質反応では前記の式(1)のみが進行すると考えられる。そのため、式(1)から導かれる化学量論比を考慮すると、エタノール水溶液の濃度は46質量%程度以下とすることが好ましい。エタノール水溶液の濃度を46質量%程度以下とすることが、熱効率の観点で有利である。即ち、例えばエタノール水溶液の濃度は46質量%程度を超えるエタノール水溶液であれば、改質せずにエンジン6にそのまま供給する方が、熱的には有利となる。さらには、エタノール水溶液の濃度が46質量%程度以下であれば、改質反応が式(1)のみであると仮定したとき、エタノールと水とが量論比で反応することにより未反応のエタノールが気液分離装置12において余剰水側に残留するのを抑制することができる。
以上の点をまとめると、改質器11に供給されるエタノール水溶液のエタノール濃度としては、取り扱い及び保管性の簡便さの観点からは、通常は60質量%程度以下、熱効率の観点からは、好ましくは46質量%程度以下、エタノール水溶液が保有する熱量のみによる改質のし易さの観点からは、より好ましくは17質量%程度以下、特に好ましくは11質量%程度以下である。
図1に戻り、改質器11での改質は、触媒を使用して行われる。使用可能な触媒としては、例えば、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルト、鉄、ニオブ、銅、亜鉛等のほか、これらが適宜組み合わされた複合触媒が挙げられる。また、触媒は、通常は担体に担持される。この担体としては、例えば、α−アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化ニオブ、シリカ、マグネシア、セリア等のほか、これらが適宜組み合わされた複合担体が挙げられる。担体の形状は、例えば、ペレット状、ハニカム状、シート状、モノリス状、粒状等の形状とすることができる。
改質器11は、断熱体で覆われた状態とされることが好ましい。断熱体としては、例えば、発泡樹脂、グラスウール、ロックウール等の断熱材によって形成された断熱カバー、断熱ジャケット等が挙げられる。改質器10が断熱体で覆れることで、放熱による熱損失が低減される。これにより、吸熱反応である改質反応が進んだ改質器11の出口付近で改質ガスが高温に維持され、改質器11の後段に備えられた熱交換器9での熱交換量が多くなる。
気液分離装置12は、改質器11で生成した改質ガスに含まれる水蒸気及び未反応エタノール蒸気を分離するものである。気液分離装置12は、例えば、液体を貯蔵可能であり、降温した改質ガスから水蒸気及び未反応のエタノール蒸気を凝縮させて分離し得るドレンタンク(図示しない)等によって構成される。
改質ガスに含まれる蒸気及び未反応のエタノール蒸気は、熱交換器9における熱交換でエタノール水溶液に熱を与えることで凝縮されてもよいし、気液分離装置12における環境温度で凝縮されてもよい。また、気液分離装置12に搭載した凝縮器(図示しない)によって凝縮させてもよい。凝縮器としては、いずれも図示しないが、エンジン6を冷却するエンジン冷却水、外部から供給される上水、中水等を使用した水冷式の熱交換器のほか、フィンチューブ型、シェルチューブ型等の空冷式の熱交換器、強制通風又は自然通風を使用した空冷式の冷却器等を使用する装置が挙げられる。
前記の図2を参照しながら説明したように、改質器11に供給されるエタノール水溶液濃度(改質器11の入り口濃度)が46質量%程度以下であると、改質反応として前記の式(1)のみが進行し、かつ、最大収率で進行したと仮定しても、改質反応の後には水が残留する。そこで、気液分離装置12が改質器11の後段に備えられていれば、改質ガスに含まれる水がエタノール水溶液濃度にかかわらず確実に除去される。これにより、エンジン6の燃焼効率、燃焼温度の低下及び出力低下が防止され、エンジン6の熱効率が高いまま維持される。
この観点から、気液分離装置12には、100℃以下に降温した改質ガスが供給されることが好ましい。これにより、改質ガスに含まれる水蒸気を液化させることができ、気液分離装置12で水(液体)が余剰水として除去される。ここで除去された水は、後記する余剰水タンク13に送られる。一方で、気液分離装置12に供給される改質ガスの温度としては、例えば78℃以上とすることができる。これにより、未反応のエタノールの回収(凝縮)が抑制され、未反応のエタノール(気体)が燃料としてエンジン6に供給され易くなる。
なお、改質ガスの温度は、一定である必要はないが、エンジン6の仕様、改質器11の仕様、及び発電システム100が設置された場所の環境温度等に応じ、所定範囲内での管理を行うことが好ましい。
余剰水タンク13は、気液分離装置12で分離された水等の液体を貯蔵するものである。貯蔵される液体は、改質器11で主として未反応物として残ったものである。そのため、改質器11入口のエタノール水溶液濃度が46質量%以下であれば、改質反応として前記の式(1)のみが進行し、かつ、最大収率で進行したとすれば、当該液体は水となる。ただし、改質器11で生成される水素や二酸化炭素の一部が、水に溶解した状態で存在する。
余剰水タンク13に貯蔵された余剰水は、糖化発酵槽1に送られる。そして、送られた水は、発酵の原料と混合され、糖化発酵槽1における原料の濃度調整に使用される。また、余剰水タンク13に貯蔵された余剰水は、エタノール濃度調整装置8にも送られる。そして、エタノール濃度調整装置8に送られた水は、低濃度エタノール水溶液タンク3から供給された低濃度エタノール水溶液と混合され、濃度調整に使用される。さらには、余剰水タンク13に貯蔵された余剰水は、エタノール濃度調整装置14にも送られる。そして、送られた水は、高濃度エタノール水溶液タンク5から供給された高濃度エタノール水溶液と混合され、エンジン6で燃焼可能な濃度調整に使用される。
このように、発電システム100では、原料濃度の調整及びエタノール水溶液の希釈に余剰水が使用される。これにより、水の使用量を削減することができる。さらに、余剰水は、改質ガスの成分である水素が水に溶解した所謂「水素水」と呼ばれるものである。水素水は、植物に与えると発育がよくなるといわれていることから、このような余剰水を農作物への灌水に使用することもできる。
演算制御部101は、発電システム100を監視及び制御するものである。演算制御部101は、いずれも図示しないが、発電システム100の各所に設けられた計測機器(センサ等)からの計測データを収集する。そして、演算制御部101は、その内部に予め記憶されたプログラムに従って、発電システム100の各所に設けられた制御機器(図示しないポンプ、弁、スロットル等)を制御する。
なお、演算制御部101は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、I/F(インターフェイス)等を備えて構成される。そして、演算制御部は、ROMに格納されている所定の制御プログラムがCPUによって実行されることにより具現化される。
図3は、第一実施形態の発電システム100において、エタノール水溶液蒸留塔4及びエンジン6近傍の系統図である。ただし、この図3では、図示の簡略化のために、前記の図1を参照しながら説明した装置の一部の図示を省略している。図3において、実線矢印は、エタノール水溶液、改質ガス、排気ガス等の物質が流通する配管及びそれらの流れ方向を表している。破線矢印も同じく物質が流通する配管及びそれらの流れ方向を表している。ただし、破線矢印で示す方向の流れにおいて、その途中に配置された装置の図示は一部省略している。また、二重線矢印は、前記のように動力及びエネルギの伝達方向を表している。一点破線で囲ったところが、図1におけるエタノール水溶液蒸留塔4及びエンジン6に相当するものである。
エタノール水溶液蒸留塔4は、蒸留を行う蒸留塔本体401、蒸留塔のプレヒータである熱交換器402,403、蒸留塔の塔頂コンデンサである熱交換器404、及び蒸留塔の塔底リボイラである熱交換器405を備える。そして、エタノール水溶液蒸留塔4では、熱交換器402,403に対して、低濃度エタノール水溶液タンク3からの低濃度エタノール水溶液が供給される。そして、熱交換器402,403において、供給された低濃度エタノールが、室温付近からエタノール水溶液の沸点近く(76℃〜100℃程度)にまで段階的に昇温された後、蒸留塔本体401に供給される。
熱交換器402は、低濃度エタノール水溶液タンク3からのエタノール水溶液とエンジン本体601からの使用済冷却水との間で熱交換させるものである。即ち、熱交換器402では、使用済冷却水供給系統57を通じて供給されたエンジン6の冷却水(エンジン6の排熱を有する使用済みの冷却水)により、糖化発酵槽1で生成した低濃度エタノールが加熱される。
熱交換器402は、低濃度エタノール水溶液が流通する受熱側流路を有している。そして、受熱側流路の一端側が低濃度エタノール水溶液タンク3の出口に、他端側が熱交換器403の受熱側流路の入口に接続されている。また、熱交換器402は、エンジン6の冷却水が流通する放熱側流路を有している。そして、放熱側流路の一端側がエンジン本体601の冷却水出口に、他端側がエンジンのラジエータである熱交換器602の放熱側流路の入口に接続されている。
エンジン本体601(後記する)から排出される使用済冷却水は、90℃程度の温度であり流量が多いため、十分な熱量を有している。そこで、熱交換器402では、その熱量を使用して、低濃度エタノール水溶液が、室温付近から沸点近く(76℃〜100℃程度)を目標に昇温される。一方で、熱交換器402では、エンジン本体601の使用済冷却水は、低濃度エタノール水溶液に熱量を与えて降温する。
熱交換器403は、熱交換器402からのエタノール水溶液と熱交換器405からの排気ガスとの間で熱交換するものである。即ち、熱交換器403では、排熱供給系統52及び熱交換器405を経て供給されたエンジン6の排気ガスにより、熱交換器402を経た糖化発酵槽1で生成した低濃度エタノールが加熱される。
熱交換器403は、低濃度エタノール水溶液が流通する受熱側流路を有している。そして、受熱側流路の一端側が熱交換器402の受熱側流路の出口に、他端側が蒸留塔本体401の入口に接続されている。また、熱交換器403は、エンジン6の排気ガスが流通する放熱側流路を有している。そして、放熱側流路の一端側が蒸留塔の塔底リボイラである熱交換器405の放熱側流路の出口、他端側が大気開放されている。
エンジン本体601(後記する)から排気され、排気ガス浄化装置603(後記する)を経由した排気ガスは、熱交換器10,405(後記する)において熱交換して降温しているものの、十分な熱量を有している。そこで、熱交換器403では、その熱量を使用して、低濃度エタノール水溶液が、低濃度エタノールの沸点近く(76℃〜100℃程度)まで昇温される。一方で、エンジン本体601の排気ガスは低濃度エタノール水溶液に熱量を与えてさらに降温する。
熱交換器404は、蒸留塔本体401の塔頂部に接続され、蒸留塔本体401の塔頂部から抜き出された蒸気とチラー(図示しない)から供給される冷水との間で熱交換するものである。熱交換器404は、チラーから供給される冷水が流通する受熱側流路を有している。そして、受熱側流路の一端側がチラーの冷水出口に、他端側がチラーの冷水入口(冷水戻り口)に接続されている。また、熱交換器404は、蒸留塔本体401の塔頂部からの蒸気が流通する放熱側流路を有している。そして、放熱側流路の一端側が蒸留塔本体401の塔頂部出口に、他端側が蒸留塔本体401の塔頂部入口及び高濃度エタノール水溶液タンク5の入口に接続されている。
熱交換器404に供給される冷水(上水、中水等)は、20℃程度であり流量が多いため、十分な冷却能力を有している。そこで、その冷却能力を使用して、熱交換器404において、蒸留塔本体401の塔頂部からの蒸気が、エタノール水溶液の沸点近く(76℃〜100℃程度)にまで凝縮液化される。一方、冷水は、熱交換器404において、塔頂部からの蒸気の蒸発潜熱を受けて昇温する。
熱交換器405は、蒸留塔本体401の塔底部に接続され、蒸留塔本体401の塔底部から抜き出された液体と熱交換器10からの排気ガスとの間で熱交換するものである。即ち、蒸留塔本体401の塔底部から抜き出された液体は、熱交換器405において、排熱供給系統52及び熱交換器405を経て供給されたエンジン6の排気ガスを使用して加熱される。
熱交換器405は、蒸留塔本体401の塔底部からの液体が流通する受熱側流路を有している。そして、受熱側流路の一端側が蒸留塔本体401の塔底部出口に、他端側が蒸留塔本体401の塔底部入口及び蒸留残渣の抜き出し流路に接続されている。また、熱交換器405は、エンジン6の排気ガスが流通する放熱側流路を有している。そして、放熱側流路の一端側が熱交換器10の放熱側流路の出口、他端側が熱交換器403の放熱側流路の入口に接続されている。
エンジン本体601(後記する)から排気され、排気ガス浄化装置603(後記する)を経由した排気ガスは、熱交換器10において熱交換して降温しているものの、十分な熱量を有している。そこで、熱交換器405では、その熱量を使用して、塔底部からの液体が、エタノール水溶液の沸点近く(76℃〜100℃程度)にまで蒸発気化される。ここで蒸発気化したエタノール水溶液(一部又は全部が液体のまま残存していてもよい)は、戻し系統56を通じて蒸留塔本体401に戻される。一方で、熱交換器405で熱を失った排気ガスは、塔底部からの液体に熱量を与えることで、さらに降温する。
以上のような構成を備えるエタノール水溶液蒸留塔4では、塔底リボイラである熱交換器405において塔底の液体が加熱蒸発される。そして、蒸留塔本体401に設置された複数の棚段で蒸気と液体とが接触される。さらには、塔頂コンデンサである熱交換器404において、塔頂の蒸気が冷却されることで凝縮して液化する。ここで生じた液体は、蒸留塔本体401に供給された低濃度エタノール水溶液よりも濃度の高い高濃度エタノール水溶液となる。そこで、この高濃度エタノール水溶液の一部は蒸留塔本体401に還流され、残りは留出液としてエタノール水溶液蒸留塔4から抜き出される。一方で、塔底の液体は、蒸留塔本体401に供給された低濃度エタノール水溶液よりも濃度の低いエタノール水溶液となる。そこで、このエタノール水溶液の一部は熱交換器405で加熱蒸発させて蒸留塔本体401に戻され、残りは蒸留残渣としてエタノール水溶液蒸留塔4から抜き出される。
また、発電システム100を構成するエンジン6は、エンジン本体601、エンジン本体601のラジエータである熱交換器602、及び排気ガス浄化装置603を備える。
エンジン6は、高濃度エタノール水溶液タンク5からの高濃度エタノール水溶液、及び、気液分離装置12からの改質ガスのうち少なくとも一方を燃料として駆動するものである。エンジン6は、図示しない吸入口から燃焼に必要な空気を取り入れて燃料を燃焼させることで駆動し、動力が取り出される。そして、得られた燃焼ガスのエネルギ(動力)は、図3では図示しない発電機7に伝達され、電力に変換される。
エンジン6には、熱交換器602が備えられる。この熱交換器602は、図示しないファンから供給される空気が流通する受熱側流路を有している。そして、受熱側流路の一端側がファンの空気出口に、他端側が大気開放されている。また、熱交換器602は、エンジン6の冷却水が流通する放熱側流路を有している。そして、放熱側流路の一端側がエタノール水溶液蒸留塔4の熱交換器402の放熱側流路出口に、他端側がエンジン本体601の冷却水入口に接続されている。
エンジン本体601は、エンジンの焼き付きを防止するために冷却水で冷却される。そして、エンジン本体601を出た高温の使用済冷却水(使用済みの冷却水)は、エタノール水溶液蒸留塔4の熱交換器402に供給される。熱交換器402では、この高温の冷却水の有する熱が熱交換される。そして、この降温した冷却水は、エンジンのラジエータである熱交換器602でさらに降温して、エンジン本体601に戻される。
エンジン本体601は、動力を取り出した後の燃焼ガスを排気ガスとして排出する。排気ガス成分の大部分が、燃料に由来する二酸化炭素と水蒸気であるほか、その他の成分として、過剰に供給された空気成分も含む。一方で、微量成分として、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)又は硫黄酸化物(SOx)が含まれる。これらの微量成分は、動物及び植物にとって有害な成分であるため、分解触媒、吸着剤等の排気ガス浄化装置603により無害化処理が行われる。
図4は、原料から低濃度エタノール水溶液を生産するまでの手順を示すフローである。このフローは、いずれも図1に示す糖化発酵槽1及び固液分離装置2を使用し、前記の演算制御部101によって行われる。そして、このフローを経て生産された低濃度エタノールは、前記の図1に示した低濃度エタノール水溶液タンク3に貯蔵される。
まず、糖化発酵槽1に対して、原料(さとうきび等のバイオマス)、酵素及び必要に応じて水が仕込まれる(ステップS101)。次いで、糖化発酵槽1の内部が糖化反応に適した温度になるように温度調節されながら、適宜の攪拌が行われる。これにより、糖化が進行し、単糖、二糖等の糖類の生成が開始される。その後、演算制御部101は、糖化発酵槽1に備えられたセンサ(図示しない)により、糖化発酵槽1の内部に存在する糖の濃度を監視する。ここで、糖の濃度は、例えば糖化発酵槽1の内部に存在する反応液の吸光度を測定することで算出できる。
そして、監視された糖の濃度が予め定められた数値を超えるまで、監視が続けられる(ステップS102のNo方向)。監視された糖の濃度が予め定められた数値を超えた場合、演算制御部101は糖化反応が完了したと判断する(ステップS102のYes方向)。
糖化反応が完了した後、酵母が糖化発酵槽1に仕込まれる(ステップS103)。そして、糖化発酵槽1の内部が発酵に適した温度になるように温度調節されながら、適宜の攪拌が行われる。なお、発酵の対象となる原料が、発酵により糖化されることなくエタノールを生成する場合には、前記のステップS102は不要となる。これにより、発酵が進行し、前記のステップS102において生成した糖から、エタノールの生成が開始される。その後、演算制御部101は、糖化発酵槽1に備えられたセンサ(図示しない)により、糖化発酵槽1の内部に存在するエタノールの濃度を監視する。ここで、エタノールの濃度は、例えば糖化発酵槽1の内部に存在する反応液の比重分析、ガスクロマトグラフィ分析等により算出できる。
そして、監視されたエタノールの濃度が予め定められた数値を超えるまで、監視が続けられる(ステップS104のNo方向)。監視されたエタノールの濃度が予め定められた数値を超えた場合、演算制御部101は発酵が完了したと判断する(ステップS104のYes方向)。
次いで、糖化発酵槽1の内容物(反応液)は、図示しないポンプによって固液分離装置2に供給され、固液分離される(ステップS105)。ここで分離された液体は、エタノール及び水を含む低濃度エタノール水溶液である。そして、この液体(低濃度エタノール水溶液)は、図示しないポンプを用いて、低濃度エタノール水溶液タンク3(図1参照)に移送される(ステップS106)。低濃度エタノール水溶液タンク3では、低濃度エタノール水溶液タンク3に備えられたセンサを使用して、低濃度エタノール水溶液タンク3の内部のエタノール濃度が測定される(ステップS107)。エタノール濃度の測定は、前記の糖化発酵槽1の内部に存在するエタノールの濃度の測定と同様にすることができる。最後に、固液分離装置2で分離された固体(発酵残渣)が処理される(ステップS108)。
以上の流れにより、低濃度エタノール水溶液が生産される。次に、発電システム100(図1参照)の立ち上げに際して行われる、エタノール水溶液蒸留塔4及びエンジン6の運転方法について図5を参照しながら説明する。なお、装置の名称及び符号については、図1及び図3に示す装置の名称及び符号に対応するものであり、以下の説明では、図1及び図3を適宜参照しながら説明を行う。
図5は、発電システム100の立ち上げ直後に行われる、エタノール水溶液蒸留塔4及びエンジン6の運転方法を示すフローである。このフローも、前記の図4に示したフローと同様に、前記の演算制御部101によって行われる。
発電システム100が立ち上げられる際、まず、エンジン6(図1参照)の駆動が開始(即ち始動)される。この始動には、高濃度エタノール水溶液タンク5(図1参照)に貯蔵された高濃度エタノール水溶液(外部から補助的に供給されたものでもよい)が使用される。ただし、外部から供給される、軽油、ガソリン等の外部燃料が補助的に使用されてもよい。ここでは、高濃度エタノール水溶液タンク5に貯蔵された高濃度エタノールが使用され、エンジン6が始動されるものとする(ステップS201)。
エンジン6の始動後、しばらくはエンジン6の暖機運転が行われる。そして、エンジン6の暖機が完了したか否かを判断するために、エンジン6の始動後、演算制御部101(図1参照)は、温度センサ501により、冷却水についての熱交換器402の出口温度を測定する(ステップS202)。また、演算制御部101は、温度センサ502,503,504(図3参照)により、排気ガスについての熱交換器10,405,403(図3参照)の出口温度を測定する(同)。そして、演算制御部101は、測定された四つの温度が、いずれも暖機終了温度(それぞれ、予め設定された温度)以上であるか否かを判断する(ステップS203)。この判断の結果、測定された四つの温度のうち、いずれか一つでも暖機終了温度未満である場合(No方向)、エンジン6の暖機運転が引き続き行われる。
一方で、測定された四つの温度がいずれも暖機終了温度以上である場合(Yes方向)、低濃度エタノール水溶液タンク3に予め貯蔵された低濃度エタノール(外部から補助的に供給されたものでもよい)が改質器11(図1参照)に供給され始める(ステップS204)。これにより、改質器11において、低濃度エタノールの改質が開始され、改質ガス(主として水素)の生成が開始される。ちなみに、ここで生成した改質ガスは、生成開始直後はその成分が不安定である可能性がある。そのため、燃焼を促進させる観点から、生成直後の改質ガスは、高濃度エタノール水溶液とともにエンジン6に供給される。ちなみに、この時点では、依然として蒸留塔4の運転は行われていない。
なお、低濃エタノール水溶液3タンクから供給される低濃度エタノール水溶液は、はじめに、エタノール濃度調整装置8においてエタノール濃度が調整される。この調整は、エタノール濃度調整装置8に備えられた濃度計(図示しない)を使用して行われる。そして、次いで、エタノール濃度が調整された低濃度エタノール水溶液は、熱交換器9,10により段階的に昇温された後、改質器11に供給される。
改質開始後、演算制御部101は、気液分離装置12の出口に備えられる測定装置(図示しない)を使用して、気液分離装置12の出口ガス成分を測定する。そして、演算制御部101は、出口ガス成分の測定結果に基づき、改質反応が安定して進行しているか否かを判断する(ステップS205)。具体的には、例えば、出口ガスの各成分の量が一定(例えば10%程度の振れ幅があってもよい)である場合には、改質反応が安定して進行(即ち定常状態)と判断することができる。
この判断の結果、改質反応が安定していると判断された場合には(Yes方向)、演算制御部101は、前記のステップS201で供給し始めた高濃度エタノール水溶液の供給量を減少させる(ステップS206)。次いで、演算制御部101は、改質器11で生成している改質ガスを、主燃料としてエンジン6に供給し始める(同)。即ち、ここでは、主燃料である改質ガスと、補助燃料である高濃度エタノールとの双方が、エンジン6に供給される。
ここで、「主燃料」及び「補助燃料」との意味について説明する。発電システム100では、電力需要に応じた発電が行われる。具体的には、電力需要に応じて、エンジン6の出力目標値が設定される。従って、改質器11で生成した改質ガス(主燃料)は、エンジン6の出力がこの出力目標値に到達できるように供給される。ただし、改質器11で生成した改質ガスの全量がエンジン6に供給されても、エンジン6の出力がこの出力目標値に到達できない可能性がある(即ち、改質ガスが不足する可能性がある)。また、エンジン6の出力変動により改質器11で生成する改質ガスの生成量も変化するが、その生成量の変化と改質ガスのエンジン6への供給時期との間にはタイムラグ(時間遅れ)がある。
そこで、発電システム100では、補助的に高濃度エタノール水溶液が使用される。これにより、電力需要の変化及びエンジン6の出力目標値の変更があっても、安定した運転が可能となる。従って、本明細書において「主燃料」とは、はじめに供給量が制御される燃料(ここでは改質ガス)である。一方で、本明細書において「補助燃料」とは、主燃料だけではエンジン6が出力目標値に届かない場合(届きにくい場合でもよい)に供給量が制御される燃料(ここでは高濃度エタノール水溶液)である。
なお、改質ガス及び高濃度エタノール水溶液のそれぞれの燃焼により発生する熱量は、供給される改質ガスに含まれる水素の物質量、及び、供給される高濃度エタノールに含まれる炭素の物質量のそれぞれに基づいて計算可能である。従って、例えば計算されたこれらの熱量に基づいて、改質ガス及び高濃度エタノール水溶液が供給されるようにすればよい。また、このステップS206により、エンジン6の出力目標値に到達するのであれば、燃料を高濃度エタノールから改質ガスに完全に切り替えてもよい。そして、以上のステップS201〜S206により、エンジン6の暖機運転が終了する。
なお、エンジン6の暖機運転終了後には、前記のようにして、エンジン6は改質ガスを主燃料とし、高濃度エタノール水溶液を補助燃料として駆動することになる。次いで、演算制御部101は、低濃度エタノール水溶液タンク3に貯蔵された低濃度エタノールを、エタノール水溶液蒸留塔4(図1参照)に供給する(ステップS207)。次いで、演算制御部101は、熱交換器404,405(図3参照)を使用し、エタノール水溶液蒸留塔4の全還流運転を開始する(ステップS208)。熱交換器404の使用により、蒸留塔本体401(図3参照)での塔頂の蒸気が凝縮液化する。また、熱交換器405の使用により、蒸留塔本体401(図3参照)での塔底の液体が加熱気化する。
エタノール水溶液蒸留塔4の全還流運転開始後、演算制御部101は、図示しない液量センサを使用して還流量を監視することで、全還流運転が安定しているか否かを判断する(ステップS209)。判断の結果、エタノール水溶液蒸留塔4の全還流運転が安定していないと判断された場合(No方向)、演算制御部101は、全還流運転が安定するまで所定時間ごとに同じ判断を行う。
一方で、エタノール水溶液蒸留塔4の全還流運転が安定していると判断された場合(Yes方向)、演算制御部101は、全還還流運転を停止し、蒸留塔本体401の塔頂から高濃度エタノール水溶液を、蒸留塔本体401の塔底から蒸留残渣の抜き出しを開始する(ステップS210)。抜き出された高濃度エタノール水溶液は、高濃度エタノール水溶液タンク5(図1参照)等を経て、エンジン6に供給される。これらのステップS207〜S210を経ることで、エタノール水溶液蒸留塔4の起動が行われる。
以上の図1〜図5を参照しながら説明したように、第一実施形態の発電システム100によれば、外部燃料をほとんど使用せず(又は全く使用せず)に、発電機7での発電効率及び熱効率が高められる。即ち、エンジン6には、高濃度エタノール水溶液又は改質ガス(主として水素)が供給され、これらは燃焼し易い。そのため、エンジン6での燃焼効率が高められ、これにより、発電効率が従来よりも高められる。
特に、エタノール濃度が低いエタノール水溶液は改質器11に供給され、改質ガスに変換された後にエンジン6に供給される。そして、改質器11での改質は、エンジン6の排熱を使用して行われることから、発電システム10の全体のエネルギ的にも有利である。従って、発電システム100では生じる熱が無駄なく回収され、発電システム100は熱効率的にも有利である。
また、外部から供給される燃料が少ないか、又は全く必要無いため、燃料の輸送コスト(輸送距離等)が大幅に削減される。即ち、各装置が連続的に接続されることで構成された発電システム100によれば、エネルギ効率が高められる。
図6は、第二実施形態の発電システム200の系統図である。この図6において、前記の図1に示した第一実施形態の発電システム100と同じものについては同じ名称及び符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
この図6に示す発電システム200では、前記の発電システム100とは異なり、エタノール水溶液蒸留塔4の塔頂部から抜き出された高濃度エタノール水溶液がエタノール濃度調整装置8に供給されている。即ち、前記の発電システム100では、図1に示すように、低濃度エタノール水溶液タンク3とエタノール水溶液蒸留塔4との間から分岐して、低濃度エタノール水溶液がエタノール濃度調整装置8に供給されていた。しかし、図6に示す発電システム200では、図6において太線矢印で示すように、高濃度エタノール水溶液タンク5とエタノール濃度調整装置14との間から分岐して、高濃度エタノール水溶液がエタノール濃度調整装置8に供給される。
低濃度エタノール水溶液には、エタノール及び水のほか、様々な成分が含まれ得る。そして、それらの成分の中に、改質器11に備えられる改質触媒(図示しない)の性能に影響を与える可能性のある成分が含まれ得る。そこで、この図6に示す発電システム200では、エタノール水溶液蒸留塔4においてエタノール濃度を高めることで、エタノール以外の成分の含有量を低減した高濃度エタノール水溶液が改質器11に供給される。これにより、改質器11に備えられる改質触媒の性能に影響を与える可能性のある成分が改質器11に到達することが抑制され、改質触媒の性能が維持される。これにより、改質触媒の寿命が延び、発電システム200の運転コストが削減される。
図7は、第三実施形態の発電システム300の系統図である。この図7において、前記の図1に示した第一実施形態の発電システム100と同じものについては同じ名称及び符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
この図7に示す発電システム300では、前記の発電システム100,200とは異なり、図7において太線矢印で示すように、エタノール水溶液蒸留塔4の塔頂部から、高濃度エタノール水溶液の蒸気が抜き出される。そして、抜き出された高濃度エタノールの蒸気は、熱交換器9と熱交換器10との間(即ち熱交換器10のすぐ前段)に供給されている。従って、熱交換器10には、エタノール濃度調整装置8を経た低濃度エタノール水溶液と、エタノール水溶液蒸留塔4の塔頂部から抜き出された高温の高濃度エタノール水溶液(蒸気)との混合物が供給される。そして、改質器10では、低濃度エタノールと高濃度エタノールとの混合物が改質されることになる。
図8は、第三実施形態の発電システム300において、エタノール水溶液蒸留塔4及びエンジン6近傍の系統図である。この図8においても、前記の図3に示した第一実施形態の発電システム100と同じものについては同じ名称及び符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
発電システム300では、前記の発電システム100で説明した内容と同様に、蒸留塔本体401の塔頂部から蒸気が抜き出され、抜き出された蒸気が熱交換器404に供給される。ただし、この発電システム300では、抜き出された蒸気が熱交換器404に供給される系統に加えて、図8において太線矢印で示すように、抜き出された蒸気が前記のように熱交換器10のすぐ前段に供給される系統が備えられている。
蒸留塔本体401の塔頂部から抜き出された蒸気は、多くの熱量を有している。そのため、蒸留塔本体401の塔頂部から抜き出された蒸気が熱交換器10のすぐ前段に供給されることで、熱交換器10でのエタノール水溶液を加熱するために使用される熱量が削減される。従って、熱交換器10に供給する排気ガスの熱量を少なくすることができること。これにより、排気ガスの有する熱量を他の場所で使用できるようになる。この結果、発電システム300の全体で省エネルギ化することができ、発電システム300全体のエネルギ効率が改善する。
また、蒸留塔本体401の塔頂部から蒸気が抜き出されることで、同じく塔頂部から抜き出されて熱交換器404に供給される蒸気の量が減少する。これにより、熱交換器404で凝縮液化される高濃度エタノール水溶液(蒸気)の量が少なくなり、熱交換器404で使用される冷水の量が少なくなる。これにより、冷水を調製するために使用するチラーの消費電力を削減できるほか、例えば水の少ない地域に発電システム300が設置される場合でも、熱交換器404で十分に凝縮液化が可能になる。
さらには、改質器11に供給されるエタノール水溶液のエタノール濃度を高めたい場合に、蒸留塔本体401の高濃度エタノール水溶液が供給されることで、改質器11に供給されるエタノール水溶液のエタノール濃度が高められる。
図9は、第四実施形態の発電システム400の系統図である。この図9において、前記の各実施形態の発電システム100,200,300と同じものについては同じ名称及び符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
この図9に示す発電システム400では、前記の第三実施形態(図7参照)と同様に、蒸留塔本体401の塔頂部から高濃度エタノール水溶液(蒸気)が抜き出される。ただし、ここで抜き出された高濃度エタノール水溶液(蒸気)は、図9において太線矢印で示すように、エタノール濃度調整装置8に供給される。そして、このエタノール濃度調整装置8に供給された高濃度エタノール水溶液は、熱交換器9,10を経て、改質器11に供給される。従って、改質器11では、蒸留塔本体401の塔頂部から抜き出された高濃度エタノール水溶液(蒸気)が、排熱供給系統53を通じて供給されたエンジン6の排気ガスの有する熱を使用して、改質される。
このようにすることで、前記の第二実施形態と同様に、エタノール水溶液に含まれる不純物の含有量を減らし、改質器11に備えられる改質触媒の長寿命化が図られる。また、蒸留塔本体401の塔頂部から抜き出された高濃度エタノール水溶液(蒸気)は高温であるから、熱交換器9,10で与えられる熱量が少なくなる。そのため、緩やかな加熱が行われるため、改質器11に供給されるエタノール水溶液の温度が安定し易い。
図10は、第四実施形態の発電システム400において、エタノール水溶液蒸留塔4及びエンジン6近傍の系統図である。この図10においても、前記の図3に示した第一実施形態の発電システム100と同じものについては同じ名称及び符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
発電システム400では、前記のように、そして図10において太線矢印で示すように、蒸留塔本体401の塔頂部から高濃度エタノール水溶液(蒸気)が抜き出される。そして、この高濃度エタノール水溶液(蒸気)は、多くの熱量を有している。そのため、前記の第三実施形態において説明した発電システム300と同様に、熱交換器10でエタノール水溶液の加熱に使用される熱量が削減される。これにより、発電システム400全体のエネルギ効率が改善し、さらには、緩やかな加熱が行われるため、改質器11に供給されるエタノール水溶液の温度が安定し易い。
以上、本発明を四つの実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記の例に何ら限定されない。即ち、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。例えば、前記の各実施形態は適宜組み合わせて実施することができる。
また、例えば、前記の各実施形態では、余剰水タンク13に貯蔵された余剰水は、エタノール濃度調整装置8,14の双方に供給されているが、いずれか一方のみに供給されてもよい。
1 糖化発酵槽(発酵装置)
4 エタノール水溶液蒸留塔(蒸留装置)
6 エンジン(発電装置)
7 発電機(発電装置)
8 エタノール濃度調整装置
10 熱交換器(改質装置)
11 改質器(改質装置)
12 気液分離装置(改質ガス除湿装置)
14 エタノール濃度調整装置
51 改質ガス供給系統
52 排熱供給系統(エンジン排熱第一供給系統)
53 排熱供給系統(エンジン排熱第二供給系統)
54 排熱供給系統(エンジン排熱第三供給系統)
55 余剰水供給系統(除去水供給系統)
56 戻し系統
57 使用済冷却水供給系統(エンジン排熱第一供給系統)
100 発電システム
101 制御部
200 発電システム
300 発電システム
400 発電システム
401 蒸留塔本体
402 熱交換器(第二熱交換機)
403 熱交換器(第二熱交換機)
404 熱交換器
405 熱交換器(第一熱交換器)

Claims (9)

  1. バイオマスの発酵によりエタノール水溶液を製造する発酵装置と、
    当該発酵装置で得られたエタノール水溶液を蒸留して当該エタノール水溶液におけるエタノール濃度を高める蒸留装置と、
    当該蒸留装置においてエタノール濃度を高めたエタノール水溶液を使用して発電を行う発電装置と、
    前記発酵装置において製造されたエタノール水溶液、及び、前記蒸留装置においてエタノール濃度を高めたエタノール水溶液のうちの少なくとも一方を改質することで、水素を含む改質ガスを製造する改質装置と、
    当該改質装置において製造された改質ガスを前記発電装置に供給する改質ガス供給系統と、
    前記発電装置での排熱を前記蒸留装置に供給することで当該排熱を使用して前記蒸留装置での蒸留を行うエンジン排熱第一供給系統と、
    前記発電装置での排熱を前記改質装置に供給することで当該排熱を使用して前記改質装置での改質を行うエンジン排熱第二供給系統と、を備えることを特徴とする、発電システム。
  2. 前記蒸留装置は、蒸留を行う蒸留塔本体と、当該蒸留塔本体の塔底部に接続され、前記蒸留塔本体の塔底部から排出された液体を加熱する第一熱交換器と、当該第一熱交換器で加熱されることで生成した蒸気、及び、残存する液体のうちの少なくとも一方を前記蒸留塔本体に戻す戻し系統とを備えて構成され、
    前記第一熱交換器での加熱は、前記エンジン排熱第一供給系統を通じて供給された前記発電装置での排熱を使用して行われることを特徴とする、請求項1に記載の発電システム。
  3. 前記蒸留装置は、前記発酵装置で得られたエタノール水溶液を加熱する第二熱交換器を備え、
    前記第二熱交換器での加熱は、前記エンジン排熱第一供給系統を通じて供給された前記発電装置での排熱を使用して行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の発電システム。
  4. 前記改質装置において製造された改質ガス中の水分を除去する改質ガス除湿装置を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の発電システム。
  5. 前記改質ガス除湿装置で除去された水分を使用して、前記改質装置に供給される、前記発酵装置において製造されたエタノール水溶液、及び、前記蒸留装置においてエタノール濃度を高めたエタノール水溶液のうちの少なくとも一方のエタノール濃度を調整するエタノール濃度調整装置を備えることを特徴とする、請求項4に記載の発電システム。
  6. 前記発電装置での排熱を前記発酵装置に供給することで当該排熱を使用して前記発酵装置での発酵を行うエンジン排熱第三供給系統を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の発電システム。
  7. 前記改質ガス除湿装置で除去された水分を供給することで前記発酵装置において供給された水を使用して発酵を行う除去水供給系統を備えることを特徴とする、請求項4に記載の発電システム。
  8. 前記改質装置で改質されるエタノール水溶液は、前記蒸留装置においてエタノール濃度を高めたエタノール水溶液であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の発電システム。
  9. 前記蒸留装置は、蒸留を行う蒸留塔本体を備え、
    当該蒸留塔本体の塔頂部から抜き出されたエタノール水溶液の蒸気が、前記改質装置において、前記エンジン排熱第二供給系統を通じて供給された排熱を使用して改質されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の発電システム。
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