JP2007237112A - バイオガス中のメタン濃度の安定化システム及びバイオガス中のメタン濃度の安定化方法 - Google Patents

バイオガス中のメタン濃度の安定化システム及びバイオガス中のメタン濃度の安定化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオガス発生装置から排出されるバイオガスのメタン濃度を安定化する。
【解決手段】メタンガス発生装置から流入したバイオガスのメタンガス濃度が所定範囲のとき弁を開く制御器と、弁が開いたとき制御器により作動するバイオガスポンプと、バイオガスポンプから送出されたバイオガスをスターリングサイクルの冷却作用によって常圧から1.0MPaの圧力範囲で冷却し、バイオガス中に含まれる二酸化炭素を固化し除去するとともに、液化したシロキサン等の不純物質と凝集水として飽和水蒸気を除去する冷却手段と、冷却手段により除去されたシロキサン等の不純物と凝縮水を分離し排出するシロキサン・凝縮水排出手段と、冷却手段により濃度が調整された調整バイオガスを排出する排出手段と、除去された固化した二酸化炭素を貯留するとともに、冷却媒体として所定機器に送出する固体二酸化炭素貯留・送出手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱エネルギーと電気エネルギーとを利用して、下水汚泥や家畜糞尿のような有機物含有廃棄物中の有機物を完全分解し、高い生産量でスラッジの生成なしにメタンガスを発生させる方法及びそれに用いる二相式メタン発生装置に適用されるバイオガス中のメタン濃度の安定化システムに関するものである。
省資源や地球温暖化防止のための技術開発等のため、各種バイオマスの再利用・再資源化、つまり社会技術化が急がれている。バイオマスとは、生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもののことをいい、種類としては、下水汚泥、食品廃棄物、畜産排泄物等の廃棄物系のものと、未利用のもの及び資源作物がある。
上記のような廃棄物系のバイオマスをメタン発酵させてメタン系燃料ガスを生産する方法は、工業的に広く行われており、そのためにメタンガスの収容量に応じてガスホルダーの容量を変えるための上下可動天蓋を有するガスホルダーを内蔵した容量可変ガスホルダー型反応装置、ガスホルダーが発酵槽上部に固定されたガスホルダー固定型反応装置及び下水処理場で嫌気性処理を行うのに慣用されている下水消化槽、酸発酵槽及びメタン発酵槽を含む二相型反応装置などが開発され、実用に供されている。
しかしながら、これまで下水処理において実用化されているメタン発生装置は、バイオガスの生産速度が低く効率が劣るため、これを改善するものとして二相式メタン発生装置が提案されている。このような装置としては、例えば光合成細菌を固定化した担体を収容した好気反応槽と、酸発酵槽及びメタン発酵槽からなる二相式メタン発酵槽とを備えた有機系廃水浄化装置、発酵処理用の供給液を収容する発酵槽、上部空間をメタンガスホルダーとしたガスホルダー型メタン発酵槽とから構成された二相式メタン発酵用反応装置がある。
前者は光合成菌を酸発酵槽の好気的条件下で培養し、この際発生する熱をメタン発酵槽の加温に利用するものであるが、メタンの回収率が低下するという課題を有し、また後者は、ガス貯留槽のガス圧力を利用して液を輸送する機構を有し、無動力で液体を酸発酵室よりメタン発酵室に移送しうるという利点はあるものの、ガスを利用するシステムと連結しないと液体の移送ができないこと、プラグフローの流路長さが十分に確保されず、またガス撹拌手段を備えられないためメタン菌の分散ができないなどの課題を有していた。
本出願人は、二相式メタン発生装置を用いたメタン発生方法について、従来の方式の課題を解決して、その効率を高めるために、ガス利用系としての内燃機関である小型マイクロガスタービンエンジン又は外燃機関として性能が向上したスターリングエンジン又は燃料電池などを、熱・電供給システムとしてメタン発生装置内に配置し、メタン発生過程における発生熱を有効に利用するとともに、バイオガス利用を優先させる自律型メタン発生装置としての性能を向上させることができる二相式メタン発生装置を提案した(特許文献1)。
特許文献1に記載の二相式メタン発生装置は、酸発酵部101とメタン発酵部102とは連結し、全体として横型円筒状タンク103を構成している。原料の有機物質含有廃水は、パイプ104を介して酸発酵部101に導入され、酸発酵したのち、ガス貯留室105の圧力を利用して隔壁106に設けられたパイプ107を通ってメタン発酵部102に送られる。このメタン発酵部102では、メタン菌を担持した板状ロックウール又はグラスウールからなる担体108が複数個流線に対し垂直に立設され、これにより流線を伸長し、メタン菌と液との接触時間を長くするようになっている。
未分解物である粒子状のスラッジを排出し、回収するために、酸発酵部101とメタン発酵部102の下部に、スラッジ回収用樋109が設けられている。そして、この樋109は、横型円筒状タンク103内において、メタン発酵部102の酸発酵部101との接合端と反対側の端部付近に付設された消化脱離液室110の方向に向かって下方に傾斜して配置されている。この樋109の頂部には、酸発酵部101及びメタン発酵部102における沈殿物を取り入れるために、複数の孔111が穿設されている。
また、この樋109の下部には、下面に小孔を有するパイプをガス貯留室105との間にブロア113を介して配管し、これを通してガスを噴出させ、撹拌することによってスラッジに付着したメタン菌を脱離、分散させ、メタン発酵を促進させる。
隔壁106には酸発酵部101とメタン発酵部102との連通部118及びメタン排出孔119が設けられている。さらに、この隔壁106には温水熱交換器114及び貯湯槽115が付設され、熱電供給機構116から送られてくる温水を貯蔵し、これをタンク内に配設されたポンプ117により熱交換器114へ送って、この熱エネルギーを酸発酵部101とメタン発酵部102の加温に使用する。
そして、熱電供給機構116に、外燃機関のスターリングエンジンと燃料電池を配設し、これにより発生させた直流電力を蓄電池に蓄える。
特開2005−81182号公報
特許文献1に記載されているようなメタン発生装置で生産されるバイオガスのメタン濃度は、有機物負荷変動や原料組成の変化が原因となって45〜65%の間で頻繁に変動する。
特にボイラ用バーナ、内燃機関では。メタンの濃度が60%以下では燃焼が不安定になり、65%以上では排気ガスのCO濃度の増加を来す。メタン濃度50%以下では、着火不良、失火や出力の低下が著しくなるという課題があった。
また、バイオガスは、約60%のメタンと約35%の二酸化炭素及び飽和水分が主成分であり、硫化水素・シロキサン類(有機ケイ素またはシリコンオイルともいう。)・アンモニア・メチルメルカプタン等の不純成分も微量に含まれている。
さらに、バイオガス中には飽和水蒸気が含まれ、この凝縮水は内燃機関の燃料−空気混合機器やガス燃料用バーナの燃料ガスの流速の安定性に影響を与える。
特に、シロキサン類は、ケイ素と酸素が交互に結合してポリマーが形成された状態のもので、主骨格が「Si−O」で側鎖に炭化水素基を有し、可燃性であり、燃焼すると酸化ケイ素(SiO2 )が発生し、発電機やボイラーの排気管内に蓄積し、発電停止や燃焼トラブルの原因となっており、シロキサン類を除去することが課題となっている。また、従来装置は、シロキサン類を特殊処理活性炭等の吸着剤を使用して除去するものであった。
本発明は、上記のメタン発生装置で生産されるバイオガスのメタン濃度は有機物負荷変動や原料組成の変化が原因となって45〜65%の間で頻繁に変動することを防止し、燃焼を安定させるとともに、同時にシロキサン類、飽和水蒸気も除去できるようにすることを目的とする。
本発明のバイオガス中のメタン濃度の安定化システムは、メタンガス発生装置から流入したバイオガスのメタンガス濃度を計測するメタンガス濃度センサと、前記メタンガス濃度センサによってメタンガス濃度が所定範囲のとき弁を開く制御器と、前記弁が開いたとき前記制御器により作動するバイオガスポンプと、前記バイオガスポンプから送出された前記バイオガスをスターリングサイクルの冷却作用によって常圧から1.0MPaの圧力範囲で冷却し、前記バイオガス中に含まれる二酸化炭素を固化し除去するとともに、液化したシロキサン等の不純物質と凝集水として飽和水蒸気を除去する冷却手段と、前記冷却手段により除去された前記シロキサン等の不純物と凝縮水を分離し排出するシロキサン・凝縮水排出手段と前記冷却手段により濃度が調整された調整バイオガスを排出する排出手段と、前記除去された固化した二酸化炭素を貯留するとともに、冷却媒体として所定機器に送出する固体二酸化炭素貯留・送出手段とを備える。
本発明のバイオガス中のメタン濃度の安定化方法は、スターリングサイクルの冷却作用により、バイオガスを常圧から1.0MPaの圧力範囲で冷却し、バイオガス中に含まれる二酸化炭素を固化し除去するとともに、液化したシロキサン、凝縮水として飽和水蒸気を除去することによりバイオガス中のメタン濃度を安定化する。
本発明は、バイオガス中の二酸化炭素(CO2)濃度に着目し、これをスターリングサイクルによりバイオガスを常圧から1.0MPaの範囲の圧力下で除去して、バイオガス中のメタン濃度を60±5%に維持することを可能にした装置である。また内燃機関シリンダー内面やボイラー伝熱面の腐食発生の原因となるガス中の飽和水蒸気やシロキサン(シリコーンオイル状のもの)も同時に除去することができ、バイオガスガス中の不純物を除去するガス精製が可能となる。また、二酸化炭素を全て除去しほぼ100%のメタン濃度の達成が可能である。除去した二酸化炭素の冷熱はこの装置に入る段階でバイオガスの予備冷却に使用することができる。
本発明のバイオガス中のメタン濃度の安定化システム(以下、「メタン濃度安定化システム」という。)の実施の形態を図1〜図3に示す。特許文献1に示されるようなメタン発生装置で生産されるバイオガス中の二酸化炭素濃度に着目し、これをスターリングサイクルによりバイオガスを常圧から1.0MPaの範囲の圧力下でいわゆるドライアイス(商標)(以下、「固体二酸化炭素」という。)を生成し固体化して除去して、バイオガス中のメタン濃度を60±5%に維持するとともに、凝縮水として飽和水蒸気、液化したシロキサンを同時に除去して、調整バイオガスを生成する。また、二酸化炭素を全て除去しほぼ100%のメタン濃度の調整メタンガスの生成もできるように構成される。
そして、除去した二酸化炭素の冷熱は、本システムに流入する段階でのバイオガスの予備冷却に使用することとなる。
図1は、本発明のメタン濃度安定化システム構成の流れ図を示し、特許文献1に示されるメタン発生装置で発生したバイオガスは、流路入口Aから流入し、本システムによって調整されて、調整バイオガスとして流路出口Bより排出される。
図1においては、実線はバイオガス等の流路を示し、破線で制御機器等の制御信号の経路を示している。
メタン濃度安定化システムは、流路入口Aから流入するバイオガスのメタンガス濃度を感知するメタンガス濃度センサ制御機器(以下、「センサ」という。)1によって、二酸化炭素濃度が45%以上になった場合(メタンガスを燃焼させて利用することを考慮した場合は、二酸化炭素濃度50%以上でも良い。)、電磁弁2を開き、ガスポンプ3を作動させ、システム内にバイオガスを流入させる。バイオガス中の二酸化炭素の濃度が45%と以下のときは、ポンプ18が作動し、バイオガス貯留タンク27に送られ、流路出口Bから直接排出される。
なお、必要とするバイオガス中のメタンガス濃度によって、電磁弁2の開閉制御を行なえば、例えば、ほぼ100%のメタンガス濃度の調整バイオガスを生成することもできる。
流入したバイオガスは、熱交換器4に送られる。この熱交換器4は、二酸化炭素貯留タンク13に貯留された固体二酸化炭素を昇華させ、気体となった低温の二酸化炭素を、温度制御器5により二酸化炭素循環ガスポンプ16を作動させ、バイオガスの予備冷却を行なう。この予備冷却に使用された二酸化炭素は、二酸化炭素蓄圧容器30に一旦貯留され、二酸化炭素貯留タンク13に環流される。
さらに、熱交換器4によって予備冷却されたバイオガスは、第1のスターリングクーラ6によって第1段の冷却が行なわれ、−0・5℃±1.0までの第1段の冷却を行なう。第1段の冷却が完了すると、温度制御器5による温度制御により、電磁弁9が開かれ、第1段の冷却が完了したバイオガスは、第2のスターリングクーラに送出される。
この第1段の冷却において、バイオガス中の飽和水蒸気は凝集水として捕集され、ドレイントラップ7から電磁弁8の開閉によって、排出口Eから排出される。
第2スターリングクーラ11に送られたバイオガスは、常圧下で第2段の冷却が行なわれ、−80℃に達するまで冷却される。第2段の冷却によって、バイオガス中の二酸化炭素は、常圧の場合−80℃に達すると固体に相変化して、固体二酸化炭素が析出される。第2段の冷却中、温度制御器10は、温度制御を行なって、電磁弁20を閉鎖する。
第2のスターリングクーラ11内のバイオガスが−80℃に達して第2段の冷却が完了すると、温度制御器10は、固体二酸化炭素分離機12を作動させ、ロータリーバルブ32を開き、析出された固体二酸化炭素を二酸化炭素貯留タンク13に排出する。
二酸化炭素貯留タンク13は、第2段の冷却により析出された固体二酸化炭素を貯留する。
二酸化炭素貯留タンク13は、温度制御器14と温水ポンプ15と連動し所定の温度5±2℃に保持され、気化した二酸化炭素は、前記したバイオガスの予備冷却に利用される。
蓄圧容器23は、ガス濃度制御器21によってメタン濃度が55%以上に達したとき電磁弁20を開き、バイオガスを貯留する。圧力制御器22は、電磁弁24の開閉制御を行ない、圧力容器の調整メタンガスが一定圧以上になると、電磁弁24を開き、容器内の調整メタンガスは、電磁弁24をとおり、バイオガス貯留タンク27に貯留されて、流路出口Bより排出する。
メタンガス濃度のセンサ1は、流路入口Aより流入するバイオガスの二酸化炭素濃度35%以下になったことを検知すると、電磁弁17を開き、二酸化炭素貯留タンク13内の気化している二酸化炭素をポンプ16、18のポンプを作動させて混合させ、メタンガス濃度を60〜65%の範囲に抑えるようにしてもよい。このガスはガス貯留タンク27に蓄えられる。
センサ1が二酸化炭素濃度が35−40%であると検知すると、ポンプ18のみが作動し、ガス貯留タンク27に直接送出され、蓄えられる。圧力制御器27は、ガス貯留タンク27の圧力を計測し、設定値によって、電磁弁26の開閉を制御する。
なお、熱交換機4を冷却した冷却用二酸化炭素は、蓄圧容器30で貯留され、二酸化炭素貯留タンク13に環流するように制御されて循環する。蓄圧容器30内の二酸化炭素が圧力制御器29の設定圧力をこえた場合、電磁弁31を開放して、二酸化炭素排出口Cより排出して、二酸化炭素・水素混合ガスを生成して、メタン菌によりメタネーションとビタミンB12の生産を行うようにすることもできる。又は、野菜や果実などの温室やビニールハウス栽培に欠乏する二酸化炭素施肥として利用するようにしてもよい。
なお、二酸化炭素貯留タンク13の内部の固体二酸化炭素が昇華したとき、液状のシロキサン(シリコーンオイル様樹脂)が分離され、タンク13の下部に設けられた、ドレインバルブ33の開閉により、排出される。
本発明のシステムは、以上のような実施の態様で示された装置により、バイオガスのメタン濃度の安定化を行うことができる。
従来の方法ではフロンガスを使用した冷凍サイクルによる冷却が行われているが、本発明ではスターリングサイクルを利用したスターリングクーラを用いて、二酸化炭素を冷却する。このスターリングクーラは、スターリングエンジンとして知られている外燃機関を活用した冷却システムであり、フロンガスなどの地球温暖化ガスであるフロンガスを用いない有用なシステムである。
スターリングクーラの冷却では冷媒の特性に依存しないので、−200℃まで冷却できる機関であるので、−80℃で、固体二酸化炭素としてバイオガス中の二酸化炭素を固体として分離できる。さらに−160℃まで冷却するとメタンを液化できる。
本発明のさらなる特徴は、固体二酸化炭素分離機12を備えていることである。これは、スターリングクーラ11による常圧における第2の冷却によって、バイオガスの温度が−80℃に達したとき、固体二酸化炭素が析出するので、電磁バルブ20を開放して蓄圧器23に二酸化炭素を除去した調整バイオガスを送出する。二酸化炭素の除去が不十分のときは二酸化炭素検出器21が作動して電磁バルブ20を閉じる。また、バイオガス圧力が常圧より高ければ−80℃より高い温度で固体二酸化炭素を析出させることもできる。ガスポンプ3の圧力を0.57MPaまで昇圧すると−58.9℃の温度で固体二酸化炭素として二酸化炭素を析出させることができる。
固体二酸化炭素分離機12の内部構造を図2に示す。固体二酸化炭素分離器12は、析出した固体二酸化炭素を掻き取る電気モータ38で駆動するスクレーパ34、冷却されたバイオガスが衝突する円盤状のデスク35と、このデスク35にバイオガスを吹き付けるノズル36によって構成されている。このノズル36の中心ラインとスクレーパ34の中心と一致しないように配置し、固体二酸化炭素の局所的堆積をこの偏芯により回避している。固体二酸化炭素分離機の外套部37の下部にロータリーバルブ32が取り付けられ、スクレーパ37によって掻き取った固体二酸化炭素を二酸化炭素貯留タンク13に排出する。
二酸化炭素貯留タンク13は、固体二酸化炭素を昇華させ、低温に保持された二酸化炭素を熱交換器4の冷却媒体として利用される。二酸化炭素貯留タンク13の内部温度は、ポンプ15と温度制御器14との相互作用で5±2℃に制御される。これによって、固体二酸化炭素とともにバイオガスに含まれるシロキサンを二酸化炭素貯留タンク13内で捕捉することができ、液状であるので二酸化炭素貯留タンク13下部のドレインバルブ33より排出することができる。
本システムのスターリングクーラによって冷却した冷却例を以下に示す。
30w入力の電気モータによってヘリウムガスを熱媒体とするスターリングサイクルの冷却部にバイオガスを平均流速0.15m/sで送入したときの温度低下の経過を図3に示す。
このときカルノーサイクルに基づくCOP(成績係数)は0.52であった。さらに冷却を続けると−143℃まで冷却が可能であった。成績係数はほとんど0に近く、バイオガスの液化も可能であることが示唆された。
例2として、30w入力の電気モータによって、2台のスターリングクーラを、バイオガスを0.12MPaのほぼ大気圧に近いところで運転した。バイオガスの温度は28℃であった。バイオガスの流速を0.075m/s(0.55m/min)に設定し、第1のスターリングサイクルの冷却クーラの温度を0.5±1℃に設定した。また後段の冷却部を−80±2℃に設定し、スクレーパの回転数を5rpmとした。
運転開始後、約5分後に初段のスターリングサイクルのドレイン部から結露水を得た。25分後に固体二酸化炭素を得た。雪状の固体二酸化炭素で、スクレーパが良く機能していると評価した。30分後に定常運転に入ったものと考え、固体二酸化炭素の生成速度を計量した。その結果、固体二酸化炭素は0.50g/minの平均生成速度でほぼ化学量輪に近い値であった。また、結露水は、9.5g/minの平均生成速度であった。
例3として、例2の運転操作条件と同じにして、メタン濃度が50〜55%のバイオガスの送入圧力を0.26MPaに高め、熱交換器を固体二酸化炭素の昇華潜熱を利用したバイオガスの冷却を併用する運転を行なった。また、最終メタン濃度を60%に設定した。その結果、定常運転は17分後に達成した。運転開始25分以降の結露水の平均生成量は18g/minで、固体二酸化炭素生成量は1g/minで、固体二酸化炭素の外観はザラメ状であった。バイオガス中のメタン濃度を60±3%に維持できた。
本発明の実施例であるメタン濃度の安定化システムを示す構成図である。 本発明の固体二酸化炭素分離器の断面図。 30w入力の電気モータによってヘリウムガスを熱媒体とするスターリングサイクルの冷却部にバイオガスを平均流速0.15m/sで送入したときの温度低下の経過を示す図。 特許文献1に記載の二相式メタン発生装置の縦断面図。
符号の説明
ガス濃度センサ制御器 1、
電磁弁 2、8、9、17、19、20、24、26、28、31、33
ポンプ 3、15,16,18
熱交換器 4、
温度制御器 5、10、14
第1のスターリングクーラ 6、
第2のスターリングクーラ 11、
固体二酸化炭素分離機 12、
二酸化炭素貯留タンク 13、
ガス濃度制御器 21、25
圧力制御器 22、26、29
蓄圧容器 23、30
バイオガス貯留タンク 27、
ロータリーバルブ 32、
ドレインバルブ 33
流路入口 A、
流路出口 B、
二酸化炭素排出口 C、
シロキサン排出口 D、
凝集水排出口 E

Claims (5)

  1. メタンガス発生装置から流入したバイオガスのメタンガス濃度を計測するメタンガス濃度センサと、
    前記メタンガス濃度センサによってメタンガス濃度が所定範囲のとき弁を開く制御器と、
    前記弁が開いたとき前記制御器により作動するバイオガスポンプと、
    前記バイオガスポンプから送出された前記バイオガスをスターリングサイクルの冷却作用によって常圧から1.0MPaの圧力範囲で冷却し、前記バイオガス中に含まれる二酸化炭素を固化し除去するとともに、液化したシロキサン等の不純物質と凝集水として飽和水蒸気を除去する冷却手段と、
    前記冷却手段により除去された前記シロキサン等の不純物と凝縮水を分離し排出するシロキサン・凝縮水排出手段と、
    前記冷却手段により濃度が調整された調整バイオガスを排出する排出手段と、
    前記除去された固化した二酸化炭素を貯留するとともに、冷却媒体として所定機器に送出する固体二酸化炭素貯留・送出手段と
    を備えたこと特徴とするバイオガス中のメタン濃度の安定化システム。
  2. スターリングサイクルの冷却作用により、バイオガスを常圧から1.0MPaの圧力範囲で冷却し、バイオガス中に含まれる二酸化炭素を固化し除去するとともに、液化したシロキサン、凝縮水として飽和水蒸気を除去することによりバイオガス中のメタン濃度を安定化すること
    を特徴とするバイオガス中のメタン濃度の安定化方法。
  3. 前記除去した二酸化炭素を昇華させ、その冷熱をバイオガスの冷却に利用することを特徴とする請求項2に記載のバイオガス中のメタン濃度の安定化方法。
  4. 前記昇華させて気体となった二酸化炭素を、前記シロキサンの分離とバイオガス中のメタン濃度が65%以上のときに希釈用気体とすることを特徴とする請求項3に記載のバイオガス中のメタン濃度の安定化方法。
  5. 前記昇華させて気体となった二酸化炭素を、温室やビニールハウスの果実や野菜類の二酸化炭素施肥とすることを特徴とする請求項3に記載のバイオガス中のメタン濃度の安定化方法。

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