JP2018150857A - ロータ及びこのロータを備える回転機械 - Google Patents

ロータ及びこのロータを備える回転機械 Download PDF

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Abstract

【課題】ロータの回転同期振動(共振)を抑制するとともに、回転非同期振動も抑制する。
【解決手段】ロータ10は、軸線Arを中心として軸線方向に長いロータ軸部11と、軸線Arに対する周方向Dcに並んでロータ軸部11に固定されている複数の翼13と、を備える。複数の翼13はそれぞれ、周方向Dcに隣り合う翼13と接する接触部を有する。翼の先端部の重い翼113aと、翼の先端部の軽い翼113bとが周方向Dcにおいて交互に並んでいる。
【選択図】図6

Description

本発明は、ロータ及びこのロータを備える回転機械に関する。
回転機械の一種である蒸気タービンは、軸線を中心に回転するロータと、このロータを覆うケーシングと、を備えている。ロータは、軸線を中心として軸方向に延びているロータ軸と、このロータ軸に取り付けられている複数の動翼列と、を有する。動翼列は、軸線に対する周方向に並ぶ複数の動翼で構成されている。動翼は、軸線に対する径方向に延びる翼体と、翼体の径方向内側に設けられているプラットフォームと、このプラットフォームの径方向内側に設けられている翼根と、翼体の径方向外側に設けられている外側シュラウドと、を有する。プラットフォームの径方向外側と外側シュラウドの径方向内側との間には、蒸気が流れる。
通常、蒸気タービンにおける一の動翼列を構成する複数の動翼は、略同一形状で形成されている。しかしながら、動翼を同一形状で形成された場合に、蒸気タービンの運転中において、特定の振動数における共振(回転同期振動)が発生してしまう。このような共振は、動翼の固有振動数によって構造上発生してしまう。
このような共振の発生を防ぐために、動翼を異なる形状で形成することが特許文献1に開示されている。例えば、各動翼のシュラウドは、異なる形状で形成されている。このような構成により各動翼の固有振動数を変化させることで、蒸気タービンの共振の発生を防ぐことができた。
米国特許出願公開第2014/0072432号明細書
しかしながら、従来技術は、回転同期振動(例えば、共振等)を抑制することができるけれども、回転非同期振動(例えば、ランダム振動、自励振動、強制振動等)を抑制することができないという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、回転同期振動(例えば、共振等)を抑制するとともに、回転非同期振動(例えば、ランダム振動、自励振動、強制振動等)も抑制することが可能なロータ及びこのロータを備える回転機械を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、以下の手段を採用している。
すなわち、本発明の第一態様に係るロータは、軸線を中心として軸線方向に長いロータ軸部と、前記軸線に対する周方向に並んで前記ロータ軸部に固定されている複数の翼と、を備え、前記複数の翼はそれぞれ、前記周方向に隣り合う翼と接する接触部を有し、前記翼の先端部の重い翼と、前記翼の先端部の軽い翼とが前記周方向において交互に並んでいる。
この構成によれば、前記先端部の重い翼と前記先端部の軽い翼とはその固有振動数が異なっており、前記翼の先端部の重い翼と前記翼の先端部の軽い翼とは前記接触部により互いに接触しながら、前記周方向において交互に並んでいる。そのため、隣り合う翼の振れ幅(振幅)が互いに異なり、先端部の重い翼及び先端部の軽い翼のうちの一方の他方に対する滑り量も各翼において変わる。それによって、隣り合う翼同士の接触部に起因する摩擦減衰が高まるので、回転同期振動(例えば、共振等)を抑制するとともに、回転非同期振動(例えば、ランダム振動、自励振動、強制振動等)も抑制することができる。
本発明の第二態様に係るロータは、前記第一態様のロータにおいて、前記重い翼及び前記軽い翼の先端部にはそれぞれ、シュラウドが形成されており、前記重い翼における前記シュラウドの厚さは、前記軽い翼における前記シュラウドの厚さよりも大きくなっている。
この構成によれば、重い翼及び軽い翼の先端部に形成されたシュラウドの質量を変更することにより、翼の質量を調整することができるので、隣り合う翼同士の接触部に起因する摩擦減衰が容易に高められ、回転同期振動を抑制するとともに、回転非同期振動も抑制することができる。
本発明の第三態様に係るロータは、前記第一態様のロータにおいて、前記軽い翼の先端部には、少なくとも1つの溝が形成されている。
この構成によれば、先端部の重い翼と先端部の軽い翼とは略同一形状で形成されることができるので、翼の性能を維持しつつ回転同期振動及び回転非同期振動を抑制することができる。
本発明の第四態様に係るロータは、前記第三態様のロータにおいて、前記少なくとも1つの溝には、前記翼の材料の密度より軽い密度を有する充填剤が充填されている。
この構成によれば、先端部の重い翼と先端部の軽い翼とは略同一形状で形成されることができるので、翼の性能を維持しつつ回転同期振動及び回転非同期振動を抑制することができる。
本発明の第五態様に係るロータは、前記第一態様のロータにおいて、前記重い翼の先端部には、少なくとも1つの溝が形成されており、前記少なくとも1つの溝には、前記翼の材料の密度より重い密度を有する充填剤が充填されている。
この構成によれば、先端部の重い翼と先端部の軽い翼とは略同一形状で形成されることができるので、翼の性能を維持しつつ回転同期振動及び回転非同期振動を抑制することができる。
本発明の第六態様に係るロータは、前記第一態様のロータにおいて、前記重い翼の先端部及び前記軽い翼の先端部にはそれぞれ、少なくとも1つの溝が形成されており、前記少なくとも1つの溝には、充填剤が充填されており、前記重い翼の前記少なくとも1つの溝内に充填された充填剤は、前記軽い翼の前記少なくとも1つの溝内に充填された充填剤より重い密度を有する。
この構成によれば、先端部の重い翼と先端部の軽い翼とは略同一形状で形成されることができるので、翼の性能を維持しつつ回転同期振動及び回転非同期振動を抑制することができる。
本発明の第七態様に係るロータは、前記第三態様から前記第六態様のいずれかのロータにおいて、前記軽い翼の先端部及び前記重い翼の先端部にはそれぞれ、前記少なくとも1つの溝を有するシュラウドが形成されている。
この構成によれば、軽い翼及び重い翼の先端部に形成されたシュラウドにより、タービン内の流体の流れを調整しつつ、回転同期振動及び回転非同期振動を抑制することができる。
本発明の第八態様に係るロータは、前記第二態様又は前記第七態様のロータにおいて、前記シュラウドは、前記接触部を有する。
この構成によれば、軽い翼のシュラウドが重い翼のシュラウドと接触するので、回転同期振動及び回転非同期振動を抑制することができる。
本発明の第一態様に係る蒸気タービンは、前記第一態様から前記第八態様のいずれかのロータと、前記ロータの外周側を覆うケーシングと、を備える。
本発明の一態様によれば、回転同期振動を抑制しつつ、回転非同期振動も抑制することができるとの効果を奏する。
本発明に係る第一実施形態における蒸気タービンの模式的な断面図である。 本発明に係る第一実施形態における動翼列の斜視図である。 図1におけるIII−III線の断面図である。 本発明に係る第一実施形態における動翼の概略図である。 本発明に係る第一実施形態における動翼の隣り合うシュラウドを示す図(a)及び隣り合うスタブ(b)を示す図である。 本発明の第一実施形態の動翼列を示す図である。 本発明の第二実施形態の動翼列を示す図である。 本発明の第三実施形態の動翼列を示す図である。 本発明の第四実施形態の動翼列を示す図である。
[第一実施形態]
本発明に係る回転機械の第一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
本実施形態の回転機械は、蒸気タービンである。この蒸気タービンは、図1に示すように、軸線Arを中心として回転する蒸気タービンロータ(以下、単にロータとする)10と、このロータ10を回転可能に覆う蒸気タービンケーシング(以下、単にケーシングとする)30と、を備えている。なお、以下では、軸線Arが延びている方向を軸方向Da、軸線Arに対する周方向を単に周方向Dc、軸線Arに対する径方向を単に径方向Drとする。また、軸方向Daの一方側を上流側、軸方向Daの他方側を下流側とする。
ケーシング30には、上流側部分にケーシング30内に蒸気STを導く蒸気入口31が形成され、下流側部分にはケーシング30内を通った蒸気STを外部に排出する蒸気出口32が形成されている。
ロータ10は、軸線Arを中心として軸方向Daに延びているロータ軸11と、軸方向Daに並んでいる複数の動翼列12と、を有する。複数の動翼列12は、いずれも、周方向Dcに並んでロータ軸11の外周に取り付けられている複数の動翼13により構成されている。蒸気タービンは、さらに、各動翼列12の上流側に配置されている静翼列38を備えている。複数の静翼列38は、いずれも、周方向Dcに並んでケーシング30の内周に取り付けられている複数の静翼39により構成されている。
動翼13は、図2に示すように、径方向Drに延びている翼体14と、翼体14の径方向Dr内側に設けられているプラットフォーム15と、このプラットフォーム15の径方向Dr内側に設けられている翼根16と、この翼体14の径方向Dr外側に設けられている外側シュラウド17と、を有する。外側シュラウド17は、動翼13の径方向外側端部を成す。外側シュラウド17は、その温度が常温でロータ10が停止している状態では、周方向Dcで隣り合う動翼13の外側シュラウド17と非接触である。また、この外側シュラウド17は、温度上昇に伴う熱膨張により周方向Dcで隣り合う動翼13の外側シュラウド17の一部と接触するよう、その形状及びサイズが定められている。図2に示すように、プラットフォーム15の径方向Dr外側と外側シュラウド17の径方向Dr内側との間には、蒸気STが流れる。よって、プラットフォーム15と外側シュラウド17とは、蒸気STが流れる蒸気流路を画定する。
図3は、図1におけるIII−III線の断面図である。ロータ軸11には、周方向Dcに並んで配置された複数の動翼13を備える動翼列12が設けられている。各動翼13の翼根16は、ロータ軸11に設けられた溝と係合してロータ軸11に取り付けられている。
また、図4に示すように、動翼13は、翼体14の略中央部に設けられたスタブ18を備えていてもよい。このスタブ18は、その温度が常温でロータが停止している状態では、周方向Dcで隣り合う動翼13のスタブ18と非接触である。また、このスタブ18は、温度上昇に伴う熱膨張により周方向Dcで隣り合う動翼のスタブ18と接触するよう、その形状及びサイズが定められている。
図5(a)は、温度上昇に伴う熱膨張により周方向Dcで隣り合う動翼の外側シュラウドが互いに接触している状態を示しており、図5(b)は、温度上昇に伴う熱膨張により周方向Dcで隣り合う動翼のスタブが互いに接触している状態を示している。
なお、温度上昇に伴う熱膨張により、隣り合う動翼のプラットフォーム15が互いに接触していてもよい。
図6は、本発明の第一実施形態の動翼列112を示す。
この動翼列112において、先端部の重い動翼113aと、先端部の軽い動翼113bとが、周方向Dcに沿って交互に配置されている。ここで、先端部とは、翼体の径方向の中心より径方向外側の部分である。
先端部の重い動翼113a及び先端部の軽い動翼113bはそれぞれ、径方向Drに延びている翼体114と、翼体114の径方向Dr内側に設けられているプラットフォーム115と、このプラットフォーム115の径方向Dr内側に設けられている翼根116と、この翼体114の径方向Dr外側に設けられている外側シュラウド117と、を有する。
先端部の重い動翼113aは、外側シュラウド117の径方向Drの厚さが厚くなるように形成されており、先端部の軽い動翼113bは、外側シュラウド117の径方向Drの厚さが薄くなるように形成されている。つまり、先端部の重い動翼113aの外側シュラウド117の径方向Drの厚さは、隣り合う先端部の軽い動翼113bの外側シュラウド117の径方向Drの厚さよりも大きくなっており、先端部の軽い動翼113bの外側シュラウド117の径方向Drの厚さは、隣り合う先端部の重い動翼113aの外側シュラウド117の径方向Drの厚さよりも小さくなっている。さらに、動翼列112の各動翼113a、113bの外径、つまり、外側シュラウド117の外径は略同一になるように形成される。そのため、翼体114の径方向Drの長さは、先端部の重い動翼113a及び先端部の軽い動翼113bにおいて異なっており、先端部の軽い動翼113bの翼体114の径方向Drの長さは、先端部の軽い動翼113aの翼体114の径方向Drの長さと比べて外側シュラウド117の径方向Drの厚さの差だけ長くなっている。
隣り合う動翼113a、113bは、外側シュラウド117、及び/又はプラットフォーム115で互いに接触している。なお、隣り合う動翼113a、113bはそれぞれスタブ118を備えてもよく、スタブ118で互いに接触していてもよい。
このような構成により、隣り合う動翼113a、113bの外側シュラウド117の質量が異なるため、隣り合う動翼113a、113bの質量も異なっている。それにより、隣り合う先端部の重い動翼113a及び先端部の軽い動翼113bの固有振動数が互いに異なっている。そのため、隣り合う先端部の重い動翼113a及び先端部の軽い動翼113bの振れ幅(振幅)が互いに異なり、先端部の重い動翼113a及び先端部の軽い動翼113bのうちの一方の動翼の他方の動翼に対する滑り量も各動翼113a、113bにおいて変わる。それによって、隣り合う動翼113a、113b同士の接触部(例えば、外側シュラウド117、プラットフォーム115、及び/又はスタブ118)に起因する摩擦減衰が高まるので、回転同期振動(例えば、共振等)を抑制するとともに、回転非同期振動(例えば、ランダム振動、自励振動、強制振動等)も抑制することができる。
[第二実施形態]
図7は、径方向Dr外側から見た場合の、運転中の先端部の重い動翼213bと先端部の軽い動翼213aとが交互に配置された動翼列212を示す。この動翼列212において、先端部の重い動翼213bと、先端部の軽い動翼213aとが周方向Dcに沿って交互に配置されている。先端部の重い動翼213b及び先端部の軽い動翼213aの径方向Dr外側先端部にはそれぞれ、外側シュラウド217a、217bが設けられている。先端部の軽い動翼213aの外側シュラウド217aにおける径方向Dr外側の外周面には、少なくとも1つの溝220が形成されている。外周面には、複数の溝220が形成されてもよく、溝220の形状は円形状又は矩形状であってもよい。
これらの溝220により、先端部の軽い動翼213aの質量は、隣り合う先端部の重い動翼213bよりも軽くなる。つまり、先端部の重い動翼213bの形状と先端部の軽い動翼213aの形状とは、外側シュラウド217b、217aの径方向Dr外側の外周面に形成された少なくとも1つの溝220を除いて、略同一である。なお、先端部の重い動翼213b及び先端部の軽い動翼213aはそれぞれ、径方向Drに延びている翼体と、翼体の径方向Dr内側に設けられているプラットフォームと、このプラットフォームの径方向Dr内側に設けられている翼根と、この翼体の径方向Dr外側に設けられている外側シュラウドと、翼体の略中央部に設けられたスタブと、を有する。
さらに、このような構成において、少なくとも1つの溝220には、外側シュラウド217a、217bを形成している材料の密度より軽い密度を有する充填剤が充填されてもよい。充填剤の例としては、金属材料又は複合材料などが適用可能である。複合材料の例は、炭素繊維樹脂、エポキシ樹脂、セラミック樹脂等である。なお、温度上昇に伴う熱膨張により、隣り合う動翼213a、213bは、外側シュラウド、スタブ、及び/又はプラットフォームで互いに接触している。
このような構成により、動翼列212において、溝220又は当該溝220内に充填された充填剤であって、外側シュラウドの材料より軽い密度を有する充填剤によって、外側シュラウド217a及び217bの質量が異なるため、隣り合う動翼213a、213bの質量は互いに異なるように形成される。そのため、隣り合う先端部の重い動翼213b及び先端部の軽い動翼213aの振れ幅(振幅)が互いに異なり、先端部の重い動翼213b及び先端部の軽い動翼213aのうちの一方の動翼の他方の動翼に対する滑り量も各動翼213a、213bにおいて変わる。それによって、隣り合う動翼213a、213b同士の接触部(例えば、外側シュラウド、プラットフォーム、及び/又はスタブ)に起因する摩擦減衰が高まるので、回転同期振動(例えば、共振等)を抑制するとともに、回転非同期振動(例えば、ランダム振動、自励振動、強制振動等)も抑制することができる。
また、このような構成により、先端部の重い動翼213bと先端部の軽い動翼213aとは、外側シュラウド217aの径方向Dr外側の外周面に形成された少なくとも1つの溝220又は当該溝220内に充填された充填剤を除いて、略同一形状であるので、動翼213a、213bの性能を維持しつつ、回転同期振動及び回転非同期振動を抑制することができる。
[第三実施形態]
また、図7は、径方向Dr外側から見た場合の、運転中の先端部の重い動翼213aと先端部の軽い動翼213bとが交互に配置された動翼列212を示してもよい。
第二実施形態と第三実施形態との違いは、参照符号213aが示す構成要素が先端部の重い動翼か先端部の軽い動翼かだけである。
この動翼列212において、先端部の重い動翼213aと、先端部の軽い動翼213bとが周方向Dcに沿って交互に配置されている。先端部の軽い動翼213a及び先端部の重い動翼213bの径方向Dr外側先端部にはそれぞれ、外側シュラウド217a、217bが設けられている。先端部の重い動翼213aの外側シュラウド217aにおける径方向Dr外側の外周面には、少なくとも1つの溝220が形成されている。外周面には、複数の溝220が形成されてもよく、溝220の形状は円形状又は矩形状であってよい。
さらに、外側シュラウド217aに形成された少なくとも1つの溝220には、外側シュラウド217a、217bを形成している材料の密度より重い密度を有する充填剤が充填されている。つまり、先端部の重い動翼213aの形状と先端部の軽い動翼213bの形状とは、外側シュラウド217aの径方向Drの外周面に形成された少なくとも1つの溝220及び当該溝220内に充填された充填剤を除いて、略同一である。
このような構成により、動翼列212において、溝220及び当該溝220内に充填された充填剤であって、外側シュラウドの材料より重い密度を有する充填剤によって、外側シュラウド217a及び217bの質量が異なるため、隣り合う動翼213a、213bの質量は互いに異なるように形成される。そのため、隣り合う先端部の重い動翼213a及び先端部の軽い動翼213bの振れ幅(振幅)が互いに異なり、先端部の重い動翼213a及び先端部の軽い動翼213bのうちの一方の動翼の他方の動翼に対する滑り量も各動翼213a、213bにおいて変わる。それによって、隣り合う動翼213a、213b同士の接触部(例えば、外側シュラウド、プラットフォーム、及び/又はスタブ)に起因する摩擦減衰が高まるので、回転同期振動(例えば、共振等)を抑制するとともに、回転非同期振動(例えば、ランダム振動、自励振動、強制振動等)も抑制することができる。
また、このような構成により、先端部の重い動翼213aと先端部の軽い動翼213bとは、外側シュラウド217aの径方向Dr外側の外周面に形成された少なくとも1つの溝220又は当該溝220内に充填された充填剤を除いて、略同一形状であるので、動翼213a、213bの性能を維持しつつ、回転同期振動及び回転非同期振動を抑制することができる。
[第四実施形態]
図8は、径方向Dr外側から見た場合の、運転中の先端部の重い動翼313aと先端部の軽い動翼313bとが交互に配置された動翼列312を示す。この動翼列312において、先端部の重い動翼313aと、先端部の軽い動翼313bとが周方向Dcに沿って交互に配置されている。先端部の重い動翼313a及び先端部の軽い動翼313bの先端部にはそれぞれ、外側シュラウド317a、317bが設けられている。
これら外側シュラウド317a、317bの径方向Dr外側の外周面には、少なくとも1つの溝320、322が形成されている。これらの溝320、322の形状は各動翼において同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
さらに、外側シュラウド317a、317bに形成された少なくとも1つの溝320、322にはそれぞれ、充填剤が充填されている。先端部の重い動翼313aの溝320内に充填された充填剤は、先端部の軽い動翼313bの溝322内に充填された充填剤の密度よりも重い密度を有する。先端部の重い動翼313a及び先端部の軽い動翼313bの溝320、322の形状が同一である場合では、つまり、先端部の重い動翼313a及び先端部の軽い動翼313bの溝320、322の全体積が同一である場合では、溝320、322内に充填される充填剤の量は同一となり、密度が重い充填剤が充填された動翼が先端部の重い動翼313aとなる。また、先端部の重い動翼313a及び先端部の軽い動翼313bの溝320、322の形状が互いに異なる場合では、つまり、先端部の重い動翼313a及び先端部の軽い動翼313bの溝の体積が互いに異なる場合では、充填剤が充填される溝の体積を充填剤の密度と乗じたものが大きい方が先端部の重い動翼313aとなる。
なお、先端部の重い動翼313a及び先端部の軽い動翼313bはそれぞれ、径方向Drに延びている翼体と、翼体の径方向Dr内側に設けられているプラットフォームと、このプラットフォームの径方向Dr内側に設けられている翼根と、この翼体の径方向Dr外側に設けられている外側シュラウドと、翼体の略中央部に設けられたスタブと、を有する。
このような構成により、動翼列312において、溝320、322及び当該溝320、322内に充填された充填剤によって、外側シュラウド317a及び317bの質量が異なるため、隣り合う動翼313a、313bの質量は互いに異なるように形成される。
そのため、隣り合う先端部の重い動翼313a及び先端部の軽い動翼313bの振れ幅(振幅)が互いに異なり、先端部の重い動翼313a及び先端部の軽い動翼313bのうちの一方の動翼の他方の動翼に対する滑り量も各動翼313a、313bにおいて変わる。それによって、隣り合う動翼313a、313b同士の接触部(例えば、外側シュラウド、プラットフォーム、及び/又はスタブ)に起因する摩擦減衰が高まるので、回転同期振動(例えば、共振等)を抑制するとともに、回転非同期振動(例えば、ランダム振動、自励振動、強制振動等)も抑制することができる。
また、このような構成により、先端部の重い動翼313aと先端部の軽い動翼313bとは、外側シュラウド317a、317bの径方向Dr外側の外周面に形成された少なくとも1つの溝320、322又は当該溝320、322内に充填された充填剤を除いて、略同一形状であるので、動翼313a、313bの性能を維持しつつ、回転同期振動及び回転非同期振動を抑制することができる。
[第五実施形態]
図9は、径方向Dr外側から見た場合の、運転中の先端部の軽い動翼413aと先端部の重い動翼413bとが交互に配置された動翼列412を示す。
この動翼列412において、先端部の軽い動翼413aと、先端部の重い動翼413bとが周方向Dcに沿って交互に配置されている。先端部の軽い動翼413a及び先端部の重い動翼413bはそれぞれ、径方向Drに延びている翼体414と、翼体414の径方向Dr内側に設けられているプラットフォーム415と、このプラットフォーム415の径方向Dr内側に設けられている翼根416と、を有する。
周方向Dcで隣り合う動翼413a、413bは、温度上昇に伴う熱膨張により、プラットフォーム415において互いに接触するように形成されている。また、前記先端部の軽い動翼413aにおける翼体414の径方向Dr外側の外周面には、少なくとも1つの溝420が設けられている。溝420は、翼体414の径方向Dr外側の外周面上であればどこに形成されてもよい。さらに、当該溝420には、翼体414を形成している材料より軽い密度を有する充填剤が充填されていてもよい。
また、図9は、径方向Dr外側から見た場合の、運転中の先端部の軽い動翼413bと先端部の重い動翼413aとが交互に配置された動翼列412を示してもよい。この動翼列412において、先端部の軽い動翼413bと、先端部の重い動翼413aとが周方向Dcに沿って交互に配置されている。
先端部の軽い動翼413b及び先端部の重い動翼413aはそれぞれ、径方向Drに延びている翼体414と、翼体414の径方向Dr内側に設けられているプラットフォーム415と、このプラットフォーム415の径方向Dr内側に設けられている翼根416と、を有する。また、先端部の重い動翼413aにおける翼体414の径方向Dr外側の外周面には、少なくとも1つの溝420が設けられており、当該溝420には、翼体414を形成している材料より重い密度を有する充填剤が充填されることもできる。このような構成により、先端部の軽い動翼413bと先端部の重い動翼413aとを実現することができる。
さらに、図9には、少なくとも1つの溝が形成されていない先端部の軽い動翼413bが示されているが、先端部の軽い動翼413bの翼体414の径方向Dr外側の外周面には、少なくとも1つの溝が設けられてもよい。先端部の重い動翼413a及び先端部の軽い動翼413bの両方に溝が設けられる場合に、これらの溝にはそれぞれ、充填剤が充填されており、先端部の重い動翼413aにおける溝内に充填された充填剤は、先端部の軽い動翼413bにおける溝内に充填された充填剤の密度より重くなってもよい。
また、先端部の重い動翼413a及び先端部の軽い動翼413bの溝の形状が同一である場合では、つまり、先端部の重い動翼413a及び先端部の軽い動翼413bの溝の全体積が同一である場合では、溝内に充填される充填剤の量は同一となり、密度が重い充填剤が充填された動翼が先端部の重い動翼413bとなってもよい。或いは、先端部の重い動翼413a及び先端部の軽い動翼413bの溝の形状が互いに異なるである場合では、つまり、先端部の重い動翼413a及び先端部の軽い動翼413bの溝の体積が互いに異なる場合では、溝の体積を充填剤の密度と乗じたものが大きいものが先端部の重い動翼413bとなってもよい。
このような構成により、動翼列412において、溝420又は当該溝420内に充填された充填剤によって、動翼413a、413bの質量が異なるため、隣り合う動翼413a、413bの質量は互いに異なるように形成される。そのため、隣り合う動翼413a、413bの振れ幅(振幅)が互いに異なり、動翼413a、413bのうちの一方の動翼の他方の動翼に対する滑り量も各動翼413a、413bにおいて変わる。それによって、隣り合う動翼413a、413b同士の接触部(プラットフォーム415)に起因する摩擦減衰が高まるので、回転同期振動(例えば、共振等)を抑制するとともに、回転非同期振動(例えば、ランダム振動、自励振動、強制振動等)も抑制することができる。
また、このような構成により、動翼413a、413bは、略同一形状であるので、動翼413a、413bの性能を維持しつつ、回転同期振動及び回転非同期振動を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。本発明は、蒸気タービンだけではなく、他の軸流回転機械に適用可能である。
10 蒸気タービンロータ(ロータ)
11 ロータ軸
12 動翼列
13 動翼
14 翼体
15 プラットフォーム
16 翼根
17 外側シュラウド
18 スタブ
30 蒸気タービンケーシング(ケーシング)
31 蒸気入口
32 蒸気出口
38 静翼列
39 静翼
112 動翼列
113a、113b 動翼
114 翼体
115 プラットフォーム
116 翼根
117 外側シュラウド
118 スタブ
212 動翼列
213a、213b 動翼
217a、217b 外側シュラウド
220 溝
312 動翼列
313a、313b 動翼
317a、317b 外側シュラウド
320 溝
322 溝
412 動翼列
413a、413b 動翼
414 翼体
415 プラットフォーム
416 翼根
420 溝
Ar 軸線
Da 軸方向
Dc 周方向
Dr 径方向
ST 蒸気

Claims (9)

  1. 軸線を中心として軸線方向に長いロータ軸部と、
    前記軸線に対する周方向に並んで前記ロータ軸部に固定されている複数の翼と、
    を備え、
    前記複数の翼はそれぞれ、前記周方向に隣り合う翼と接する接触部を有し、
    前記翼の先端部の重い翼と、前記翼の先端部の軽い翼とが前記周方向において交互に並んでいる、ロータ。
  2. 前記重い翼及び前記軽い翼の先端部にはそれぞれ、シュラウドが形成されており、
    前記重い翼における前記シュラウドの厚さは、前記軽い翼における前記シュラウドの厚さよりも大きくなっている、請求項1に記載のロータ。
  3. 前記軽い翼の先端部には、少なくとも1つの溝が形成されている、請求項1に記載のロータ。
  4. 前記少なくとも1つの溝には、前記翼の材料の密度より軽い密度を有する充填剤が充填されている、請求項3に記載のロータ。
  5. 前記重い翼の先端部には、少なくとも1つの溝が形成されており、
    前記少なくとも1つの溝には、前記翼の材料の密度より重い密度を有する充填剤が充填されている、請求項1に記載のロータ。
  6. 前記重い翼の先端部及び前記軽い翼の先端部にはそれぞれ、少なくとも1つの溝が形成されており、
    前記少なくとも1つの溝には、充填剤が充填されており、
    前記重い翼の前記少なくとも1つの溝内に充填された充填剤は、前記軽い翼の前記少なくとも1つの溝内に充填された充填剤より重い密度を有する、請求項1に記載のロータ。
  7. 前記軽い翼の先端部及び前記重い翼の先端部にはそれぞれ、前記少なくとも1つの溝を有するシュラウドが形成されている、請求項3〜6のいずれか一項に記載のロータ。
  8. 前記シュラウドは、前記接触部を有する、請求項2又は7に記載のロータ。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のロータと、
    前記ロータの外周側を覆うケーシングと、
    を備える、回転機械。
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