JP2018149714A - 斜め延伸フィルムの製造方法 - Google Patents

斜め延伸フィルムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018149714A
JP2018149714A JP2017046375A JP2017046375A JP2018149714A JP 2018149714 A JP2018149714 A JP 2018149714A JP 2017046375 A JP2017046375 A JP 2017046375A JP 2017046375 A JP2017046375 A JP 2017046375A JP 2018149714 A JP2018149714 A JP 2018149714A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
width direction
stretching
raw
orientation angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017046375A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6780551B2 (ja
Inventor
達希 萩原
Tatsuki Hagiwara
達希 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2017046375A priority Critical patent/JP6780551B2/ja
Publication of JP2018149714A publication Critical patent/JP2018149714A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6780551B2 publication Critical patent/JP6780551B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

【課題】フィルムの幅方向で配向角のバラツキを少なくすることができる斜め延伸フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】原反フィルムの幅方向に対する面内遅相軸の角度として表される配向角が、原反フィルムの幅方向の一方の端部Aから他方の端部Bに向かって連続的に増加しており、且つ|θ1|<|θ0|<|θ2|を満たす原反フィルムを得る工程と、前記原反フィルムの前記他方の端部Bを把持具Ciで把持し、前記一方の端部Aを前記把持具Coで把持する工程と、前記把持具Coの移動距離を前記把持具Ciの移動距離よりも長くなるように前記斜め延伸用原反フィルムを搬送して、前記原反フィルムを幅方向に対して斜め方向に延伸して斜め延伸フィルムを得る工程とを含む、斜め延伸フィルムの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、斜め延伸フィルムの製造方法に関する。
有機EL表示装置は、光の取り出し効率を高めるために、通常、有機EL素子の背面側にアルミニウム板等の反射部材を有する。そのため、有機EL表示装置に入射した外光がこの反射部材で反射されて、画像のコントラストが低下することがある。このような外光の反射による画像のコントラストの低下を抑制するために、有機EL素子の表面側に円偏光板が配置されている。
円偏光板は、偏光子と、延伸フィルムとを含む。円偏光板は、延伸フィルムと偏光子とを、延伸フィルムの面内遅相軸が、偏光子の透過軸に対して所望の角度で傾斜するように貼り合わせて製造される。偏光子の透過軸は、通常、長手方向に平行であるため、ロールトゥロールで貼り合わせて製造できるようにするために、延伸フィルムとしては、幅方向に対して斜め方向に面内遅相軸を有する斜め延伸フィルムが使用されている。
斜め延伸フィルムは、原反フィルムの幅方向の両端部を一対の把持具で把持すると共に、一方の把持具の移動距離が他方の把持具の移動距離よりも長くなるように搬送することで、原反フィルムを斜め方向に延伸(斜め延伸)して製造される。しかしながら、そのような斜め延伸では、フィルムの幅方向の両端部を把持する一対の把持具の移動距離が異なり、延伸倍率が異なることから、得られるフィルムは、幅方向で厚みや光学特性が不均一になりやすいという問題があった。
これに対し、斜め延伸後のフィルムの幅方向の厚みのバラツキを低減する方法として、例えば特許文献1では、フィルムの幅方向の両端部のうち、一方の端部の厚みが、他方の端部の厚みよりも大きくなるような厚み分布を有する原反フィルムが開示されている。特許文献2では、フィルムの幅方向の中央付近の厚みが、両端部の厚みよりも大きくなるような厚み分布を有する原反フィルムが開示されている。
また、斜め延伸後のフィルムの幅方向の配向角のバラツキを低減する方法として、特許文献2では、フィルムの幅方向に弓なり状をなす配向角の分布が付与された原反フィルムが開示されている。特許文献3では、斜め延伸と同時二軸延伸とを組み合わせる方法が開示されている。
特開2010−173261号公報 特開2014−237287号公報 特開2008−112084号公報
特許文献1及び2に示される原反フィルムは、斜め延伸によって減少する厚みの分だけ厚みを予め増加させたものであることから、斜め延伸後のフィルムの幅方向の厚みをある程度均一にすることができる。しかしながら、斜め延伸後のフィルムの配向角は、幅方向にバラツキが生じるという問題があった。
また、特許文献2に示されるように、原反フィルムの幅方向に弓なり状をなす配向角の分布を付与しても、斜め延伸後のフィルムの配向角のバラツキを十分には少なくすることができなかった。特許文献3に示される方法では、延伸工程において配向角の調整が必要となるため、工程が複雑になるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、フィルムの幅方向で配向角のバラツキを十分に少なくすることができる斜め延伸フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
[1] フィルムの幅方向に対して直交する方向に連続した長尺状の原反フィルムであって、前記原反フィルムの幅方向に対する面内遅相軸の角度として表される配向角が、前記原反フィルムの幅方向の一方の端部Aから他方の端部Bに向かって連続的に増加しており、且つ前記原反フィルムの幅方向において、前記一方の端部Aから前記原反フィルムの幅方向の長さの20%の地点における配向角をθ1、50%の地点における配向角をθ0、80%の地点における配向角をθ2としたとき、下記式(1)を満たす原反フィルムを得る工程と、
式(1):|θ1|<|θ0|<|θ2|
前記原反フィルムの前記他方の端部Bを把持具Ciで把持し、前記一方の端部Aを前記把持具Coで把持する工程と、
前記把持具Coの移動距離を前記把持具Ciの移動距離よりも長くなるように前記斜め延伸用原反フィルムを搬送して、前記原反フィルムを幅方向に対して斜め方向に延伸して斜め延伸フィルムを得る工程と、
を含む、斜め延伸フィルムの製造方法。
[2] 前記原反フィルムは、下記式(2)’をさらに満たす、[1]に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
式(2)’:0°≦θ1<θ0<θ2≦30°
[3] 前記原反フィルムは、下記式(3)をさらに満たす、[1]又は[2]に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
式(3):L<θ0−θ1<20L、L<θ2−θ0<20L
(式(3)中、Lは、原反フィルムの幅方向の長さ(m)を示す)
[4] 前記原反フィルムは、下記式(3)’をさらに満たす、[3]に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
式(3)’:1.5°≦θ0−θ1、1.5°≦θ2−θ0
[5] 前記原反フィルムは、下記式(4)をさらに満たす、[1]〜[4]のいずれかに記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
式(4):θ0−θ1≦θ2−θ0
[6] 前記原反フィルムは、下記式(3)’’をさらに満たす、[4]に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
式(3)’’:5.0°≦θ0−θ1、5.0°≦θ2−θ0
[7] 前記原反フィルムを得る工程は、熱可塑性樹脂を含む長尺状の膜状物を得る工程と、前記膜状物を幅方向に延伸する工程と、延伸された前記膜状物を幅方向の中央部で切断して、2つの長尺状の原反フィルムを得る工程とをさらに含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
[8] 前記幅方向に延伸する工程は、前記膜状物の搬送方向の下流側の延伸温度を、搬送方向の上流側の延伸温度よりも高くして行う、[7]に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
本発明は、フィルムの幅方向で配向角のバラツキを十分に少なくすることができる斜め延伸フィルムの製造方法を提供することができる。
図1は、配向角の分布の一例を示す平面図である。 図2は、配向角の分布形状の一例を示す図である。 図3は、配向角θ1、θ0及びθ2の測定方法を示す平面図である。 図4A〜Cは、原反フィルムの製造工程の一例を示す模式図である。 図5は、斜め延伸フィルムの製造装置の構成の一例を示す平面図である。 図6は、延伸部のレールパターンの一例を示す平面図である。 図7Aは、斜め延伸前の原反フィルムの配向角の分布の一例を示す図であり;図7Bは、斜め延伸後の原反フィルムの配向角の分布の一例を示す図である。 図8は、有機EL表示装置の構成の一例を示す模式図である。
斜め延伸後のフィルムに配向角のバラツキが生じるメカニズムは明らかではないが、以下のように推測される。
即ち、斜め延伸時には、原反フィルムの長手方向には、機械的な収縮力が加わりやすい。機械的な収縮力は、通常、フィルムの樹脂配向に起因する熱収縮力(熱緩和)によって吸収することができる。
しかしながら、斜め延伸時に原反フィルムに加わる機械的な収縮力は、移動距離が短い把持具Ciで把持される他方の端部B側が、移動距離が長い把持具Coで把持される一方の端部A側よりも大きくなりやすい(表1参照)。一方、従来の原反フィルムの樹脂配向に起因する熱収縮力は、他方の端部Bと一方の端部Aとで同じである。その結果、他方の端部Bのほうが、一方の端部Aよりも機械的な収縮力を熱収縮力によって吸収しにくく、得られるフィルムは幅方向に配向角のバラツキが生じやすいと考えられる。
従って、得られるフィルムの幅方向の配向角のバラツキを少なくするためには、大きな機械的な収縮力が加わる他方の端部Bのほうが、小さな機械的な収縮力が加わる一方の端部Aよりも原反フィルムの熱収縮の向き(ベクトル)と機械的な収縮の向き(ベクトル)とが揃っていることが望まれる。
フィルムの熱収縮は、通常、フィルムの樹脂配向方向に最も強く発生する。従って、大きな機械的な収縮力が加わる他方の端部Bのほうが、小さな機械的な収縮力が加わる一方の端部Aよりも、樹脂配向の向き(ベクトル)と機械的な収縮の向き(ベクトル)とが揃っていることが望まれる(表1参照)。
Figure 2018149714
本発明では、フィルムの幅方向に対する面内遅相軸の角度を配向角としたとき、幅方向の一方の端部A(移動距離が長いほうの端部)から他方の端部B(移動距離が短いほうの端部)に向かって配向角が連続的に増加するような配向角の分布を有する原反フィルムを用いる。具体的には、原反フィルムの一方の端部Aから原反フィルムの幅方向の長さの20%の地点における配向角をθ1、50%の地点における配向角をθ0、80%の地点における配向角をθ2としたとき、下記式(1)を満たす原反フィルムを用いる。
式(1):|θ1|<|θ0|<|θ2|
それにより、大きな機械的な収縮力が加わる他方の端部Bのほうが、小さな機械的な収縮力が加わる一方の端部Aよりも機械的な収縮の向きとフィルムの熱収縮の向きとが揃っているので、配向角のバラツキを生じにくくすることができる。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
1.斜め延伸フィルムの製造方法
本発明の斜め延伸フィルムの製造方法は、1)フィルムの幅方向に対して直交する方向に連続した長尺状の原反フィルムであって、フィルムの幅方向の一方の端部Aから他方の端部Bに向かって、配向角が連続的に増加している原反フィルムを得る工程と;2)原反フィルムの他方の端部Bを把持具Ciで把持し、一方の端部Aを把持具Coで把持する工程と;3)把持具Coの移動距離を把持具Ciの移動距離よりも長くなるように原反フィルムを搬送して、原反フィルムを幅方向に対して斜め方向に延伸して斜め延伸フィルムを得る工程とを含む。
1)の工程について
本工程では、フィルムの幅方向の一方の端部Aから他方の端部Bに向かって、配向角が連続的に増加している原反フィルムを得る。配向角とは、フィルムの面内遅相軸がフィルムの幅方向に対してなす角度のうち鋭角をなす角度であり、0、正、又は負の値をとりうる。
図1は、配向角の分布の一例を示す平面図である。図1に示されるように、原反フィルムは、幅方向において一方の端部Aから原反フィルムの幅方向の長さの20%の地点における配向角をθ1、50%の地点における配向角をθ0、80%の地点における配向角をθ2としたとき、下記式(1)を満たす。
式(1):|θ1|<|θ0|<|θ2|
原反フィルムは、斜め延伸フィルムの配向角の調整を行いやすく、且つ斜め延伸フィルムの配向角のバラツキを一層低減しやすくする観点から、下記式(2)をさらに満たすことが好ましい。
式(2):−5°≦θ1<θ0<θ2≦35°
θ2が35°以下であると、斜め延伸フィルムの配向角との間の調整しろをある程度確保できるので、斜め延伸フィルムの配向角の調整が容易となる。θ1が−5°以上であると、斜め延伸フィルムの配向角のバラツキを一層低減しやすい。原反フィルムは、下記式(2)’を満たすことがより好ましい。
式(2)’:0°≦θ1<θ0<θ2≦30°
原反フィルムは、斜め延伸フィルムの配向角のバラツキを一層低減しやすくする観点から、下記式(3)をさらに満たすことが好ましい。
式(3):L<θ0−θ1<20L、L<θ2−θ0<20L
(式(3)中、Lは、原反フィルムの幅方向の長さ(m)を示す)
具体的には、原反フィルムは、下記式(3)’をさらに満たすことが好ましく、下記式(3)’’をさらに満たすことがより好ましい。
式(3)’:1.5°≦θ0−θ1、1.5°≦θ2−θ0
式(3)’’:5.0°≦θ0−θ1、5.0°≦θ2−θ0
(θ0−θ1)及び(θ2−θ0)が1.5°以上、好ましくは5.0°以上であると、一方の端部Aと他方の端部Bの配向角の差を一定以上に大きくすることができる。具体的には、他方の端部Bにおける配向角を、一方の端部Aにおける配向角よりも一定以上に大きくすることができる。それにより、他方の端部Bにおいて、一方の端部Aよりも、フィルムの熱収縮の向きを機械的な収縮の向きに近づけやすくしうるので、機械的な収縮力を効率的に吸収することができる。その結果、斜め延伸フィルムにおける配向角のバラツキを生じにくくすることができる。尚、θ0−θ1やθ2−θ0は、通常、20°以下としうる。
原反フィルムは、機械的な収縮力の幅方向の分布に対応するように、原反フィルムの熱収縮力を生じさせやすくし、斜め延伸フィルムの幅方向の配向角のバラツキを低減しやすくする観点から、下記式(4)をさらに満たすことが好ましい。
式(4):θ0−θ1≦θ2−θ0
その場合、原反フィルムの幅方向における配向角の分布は、後述の図2において例えば符号3のような曲線状となりうる。
(θ2−θ0)と(θ0−θ1)との差は、0〜20°としうる。(θ2−θ0)と(θ0−θ1)との差が0°以上であると、他方の端部Bの近傍において配向角の変化率を高めやすいので、機械的な収縮の向きとフィルムの熱収縮の向きとを一層揃えやすく、斜め延伸フィルムの配向角のバラツキを一層低減しうる。
図2は、原反フィルムの幅方向における配向角の分布形状の一例を示す図である。図2において、横軸はフィルムの幅方向の一方の端部Aからの距離を示し;縦軸は、配向角を示す。図2に示されるように、配向角の分布形状は、曲線状であってもよいし(符号2と3)、直線状であってもよい(符号1)。
原反フィルムの配向角(θ1、θ0及びθ2)は、以下の方法で測定することができる。
図3は、θ1、θ0及びθ2の測定方法を示す平面図である。図3に示されるように、フィルムの幅方向の一方の端部Aから、原反フィルムの幅方向の長さの20%の地点、50%の地点、及び80%の地点における配向角をそれぞれ測定する。具体的には、各地点を中心とするフィルムの幅方向の5点(+60mm、+30mm、0mm、−30mm及び−60mm)の配向角を測定し、それらの平均値を求める。配向角の測定は、各地点での面内遅相軸のフィルムの幅方向に対してなす角度を、自動複屈折率計アクソスキャン(AxoScan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)で測定して求める。
原反フィルムの幅方向の長さは、特に制限されないが、例えば300〜2000mmであることが好ましく、500〜1500mmであることがより好ましい。
原反フィルムの厚みは、例えば20〜200μm、好ましくは40〜150μm、より好ましくは50〜120μmとしうる。
このような原反フィルムは、1−1)熱可塑性樹脂を含む長尺状の膜状物を得る工程と;1−2)膜状物を幅方向に延伸した後、幅方向の中央部でスリットして2つの長尺状の原反フィルムを得るか(方法A);幅方向の一方の端部Aと他方の端部Bとで搬送速度に差を設けて、膜状物を幅方向に延伸するか(方法B);又は膜状物の幅方向の一方の端部Aと他方の端部Bとで温度差を設けて、膜状物を幅方向に延伸する(方法C)工程とを経て得ることができる。
1−1)の工程について
熱可塑性樹脂を含む長尺状の膜状物は、任意の方法で得ることができ、例えば溶融製膜法又は溶液製膜法で製造することができる。
(溶液流延法)
溶液流延法では、フィルム材料を溶剤に溶解させてドープを調製する工程;ドープを無端状の金属支持体上に流延する工程;流延したドープを乾燥した後、剥離して膜状物を得る工程を経て原反フィルムを得ることができる。フィルム材料については後述する。
ドープに用いられる溶媒は、前述の熱可塑性樹脂を溶解させ得る有機溶媒(良溶媒)を含むことが好ましい。そのような良溶媒の例には、塩化メチレン(メチレンクロライド)等の塩素系有機溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフラン等の非塩素系有機溶媒が含まれ、好ましくは塩化メチレン(メチレンクロライド)である。
ドープに用いられる溶媒は、貧溶媒をさらに含んでいてもよい。貧溶媒の例には、炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールが含まれる。炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール等が含まれ、沸点も比較的低く、乾燥性もよい点から好ましくはエタノールである。
ドープ中の樹脂の濃度は、例えば10〜35質量%、好ましくは15〜25質量%としうる。
金属支持体の表面温度は、ドープの発泡や、平面性の低下を抑制する観点から、例えば−50℃〜溶剤が沸騰して発泡しない温度以下に設定される。好ましい温度としては、0〜100℃で適宜決定され、5〜30℃が更に好ましい。
次いで、金属支持体上に流延されたドープ中の溶媒を蒸発させ、乾燥させる。乾燥されたドープを金属支持体から剥離して、膜状物を得る。金属支持体から剥離する際のドープの残留溶媒量は、例えば10〜150質量%としうる。剥離時の残留溶媒量が10質量%以上であると、乾燥又は延伸時に樹脂が流動しやすく無配向にしやすいため、得られる膜状物の位相差を低減しやすい。剥離時の残留溶媒量が150質量%以下であると、ドープを剥離する際に要する力が過剰に大きくなりにくいので、ドープの破断を抑制しやすい。
ドープの残留溶媒量は、下記式で定義される。以下においても同様である。
ドープの残留溶媒量(質量%)=(ドープの加熱処理前質量-ドープの加熱処理後質量)/ドープの加熱処理後質量×100
尚、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、115℃1時間の加熱処理をいう。
剥離して得られた膜状物を必要に応じて乾燥させてもよい。
(溶融流延法)
溶融流延法には、溶融押出(成形)法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法等がある。これらの中でも、機械的強度や表面精度に優れた膜状物が得られやすい点から、溶融押出法が好ましい。
溶融押出法では、前述の熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を溶融混練する工程;溶融混練した樹脂組成物をシート状に吐出する工程;吐出された溶融状態の樹脂組成物を冷却固化する工程を経て原反フィルムを得ることができる。
溶融混練は、押出し機にて行うことができる。押出し機に供給する材料(熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物)は、通常、予め混錬してペレット化しておくことが好ましい。もちろん、ペレット化せず、原材料をそのままフィーダーで押出し機に供給してもよい。添加剤は、押出し機に供給する前に混合しておいてもよいし、それぞれ個別のフィーダーで供給してもよい。
熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を、1軸や2軸タイプの押出し機を用いて溶融混練する。溶融温度は、材料の粘度や吐出量、製造するフィルムの厚み等にもよるが、一般的には、フィルムのガラス転移温度Tgに対して、Tg以上、Tg+100℃以下、好ましくはTg+10℃以上、Tg+90℃以下であり、例えば200〜300℃程度としうる。
その後、リーフディスクタイプのフィルター等で濾過して異物を除去した後、Tダイに供給する。フィルターとしては、ステンレス繊維焼結フィルターが好ましく用いられる。
そして、溶融混練した樹脂組成物をTダイからシート状に流延し、冷却ロールと弾性タッチロールとで樹脂組成物をニップし、冷却ロール上で固化させる。
冷却ロールとタッチロール(挟圧回転体)とで樹脂組成物をニップする際のタッチロール側のフィルム温度は、フィルムのTg(ガラス転移温度)以上Tg+110℃以下にすることが好ましい。このような目的で使用する弾性体表面を有するロールは、公知のロールを使用できる。タッチロールと併用して、或いはタッチロールに代えて、静電ピニング装置を用いてもよい。
そして、剥離ロール等により冷却ロールから膜状物を剥離する。
1−2)の工程について
前述の通り、得られた膜状物を幅方向に延伸した後、幅方向の中央部でスリットして2つの長尺状の原反フィルムを得るか(方法A);幅方向の一方の端部Aと他方の端部Bとで搬送速度に差を設けて、膜状物を幅方向に延伸して原反フィルムを得るか(方法B);又は膜状物の幅方向の一方の端部Aと他方の端部Bとで温度差を設けて、膜状物を幅方向に延伸して原反フィルムを得ることができる(方法C)。
図4Aは、方法Aの工程の一例を示す模式図であり;図4Bは、方法Bの工程の一例を示す模式図であり;図4Cは、方法Cの工程の一例を示す模式図である。図4A〜Cにおいて、片向き矢印Xは、膜状物の搬送方向を示し、白抜き矢印は、延伸方向を示し、両向き矢印は、膜状物の配向方向を示す。
方法Aでは、膜状物11を幅方向に延伸してボーイング現象を生じさせる(図4Aの符号13参照)。ボーイング現象とは、膜状物の幅方向に面内遅相軸が弓なり状に湾曲する現象であり、通常、幅方向の中央部分が最も凸又は凹となるように生じる。ボーイング現象を生じやすくするためには、延伸時の膜状物の搬送方向の下流側と上流側とで温度差を設けることが好ましい。膜状物の搬送方向上流側に凸となるようなボーイング現象(図4A参照)を生じさせるためには、延伸時の膜状物の搬送方向下流側の温度を、搬送方向上流側の温度よりも高くすることが好ましい。具体的には、搬送方向上流側から、予熱ゾーン、延伸ゾーン、保持ゾーン、冷却ゾーンがこの順に設けられた延伸装置においては、保持ゾーンの保持温度を延伸ゾーンの延伸温度よりも高くすることが好ましい。延伸時の膜状物の搬送方向下流側と上流側の温度差(保持ゾーンの保持温度−延伸ゾーンの延伸温度)は、例えば0〜20℃程度、好ましくは1〜20℃としうる。
次いで、ボーイング現象を生じさせた膜状物の幅方向の中央部分をスリット(切断)し、一方の端部Aから他方の端部Bに向かって配向角が連続的に増加する2つの長尺状の原反フィルム15を得ることができる(図4A参照)。
方法Bでは、膜状物11を幅方向に延伸する際に、膜状物11の幅方向の他方の端部Bの搬送速度SBを、一方の端部Aの搬送速度SAよりも速くする(図4Bの矢印参照)。具体的には、膜状物11を幅方向に延伸する際に、膜状物11の幅方向の両端部を把持する一対の把持具のうち他方の端部Bを把持する把持具の移動速度を、一方の端部Aを把持する把持具の移動速度よりも速くする。それにより、一方の端部Aから他方の端部Bに向かって配向角が連続的に増加する原反フィルム15を得ることができる。搬送速度の差(SB−SA)は、例えば搬送速度SBの1〜100%としうる。
方法Cでは、膜状物11を幅方向に延伸する際に、膜状物11の幅方向の他方の端部B側の温度TB(延伸温度)を、一方の端部A側の温度TA(延伸温度)よりも高くする(図4C参照)。それにより、一方の端部Aから他方の端部Bに向かって配向角が連続的に増加する原反フィルム15を得ることができる。温度差(TB−TA)は、例えば1〜20℃程度としうる。
延伸時における膜状物11の幅方向両端部の温度は、端部局所加熱手段17によって行うことができる(図4C参照)。端部局所加熱手段17の例には、高温エアや不活性ガスの吹き付け手段、赤外線照射手段、電熱線、加熱ロール等が含まれる。
1−2)の工程における延伸温度は、膜状物のガラス転移温度をTgとしたとき、Tg−8〜Tg+80℃に設定されうる。延伸倍率は、1.01〜3.0倍としうる。延伸倍率は、延伸後の膜状物の幅方向の長さ/延伸前の膜状物の幅方向の長さとして定義される。
これらの中でも、製造効率が高く、配向角の調整が容易であることから、方法A及びCが好ましく、方法Aがより好ましい。
2)及び3)の工程について
まず、2)及び3)の工程(斜め延伸フィルムの製造工程)に用いられる、斜め延伸フィルムの製造装置の構成について説明する。
図5は、斜め延伸フィルムの製造装置30の構成の一例を示す平面図である。図5に示されるように、斜め延伸フィルムの製造装置30は、原反フィルム15の搬送方向上流側から順に、フィルム繰り出し部31と、搬送方向変更部33と、ガイドロール35と、延伸部37と、ガイドロール39と、搬送方向変更部41と、フィルム巻き取り部43とを有する。延伸部37は、後述する。
フィルム繰り出し部31は、長尺状の前述の原反フィルム15を繰り出して延伸部37に供給するものである。フィルム繰り出し部31は、原反フィルムの製膜装置と別体で構成されていてもよいし、一体的に構成されてもよい。前者の場合、原反フィルム15を製膜後に一度巻芯に巻き取って巻回体(長尺フィルム原反)となったものをフィルム繰り出し部31に装填することで、フィルム繰り出し部31から長尺状の原反フィルム15が繰り出される。一方、後者の場合、フィルム繰り出し部31は、原反フィルム15の製膜後、それを巻き取ることなく、延伸部37に対して繰り出すことになる。
搬送方向変更部33は、フィルム繰り出し部31から繰り出される原反フィルム15の搬送方向を、延伸部37の入口に向かう方向に変更するものである。搬送方向変更部33は、例えば原反フィルム15を搬送しながら折り返すことで搬送方向を変更するターンバーや、そのターンバーをフィルムに平行な面内で回転させる回転テーブルを含んで構成されている。
ガイドロール35は、原反フィルム15の走行時の軌道を安定させるために、延伸部37の上流側に少なくとも1本設けられている。
ガイドロール39は、延伸部37にて斜め延伸されたフィルムの走行時の軌道を安定させるために、延伸部37の下流側に少なくとも1本設けられている。
搬送方向変更部41は、延伸部37から搬送される延伸後のフィルムの搬送方向を、フィルム巻き取り部43に向かう方向に変更するものである。
フィルム巻き取り部43は、延伸部37から搬送方向変更部41を介して搬送されるフィルムを巻き取るものであり、例えばワインダー装置、アキューム装置、ドライブ装置等で構成される。
図6は、延伸部37のレールパターンの一例を模式的に示す平面図である。但し、これは一例であって、延伸部37の構成はこれに限定されるものではない。
延伸部37では、斜め延伸可能なテンター(斜め延伸機)を用いて、原反フィルム15を斜め延伸する。斜め延伸機は、加熱ゾーンZと、左右で一対のレールRi及びRoと、レールRi及びRoに沿って走行し、原反フィルム15を搬送する多数の把持具Ci及びCoとを有する。
レールRi及びRoは、それぞれ、複数のレール部を連結部で連結して構成されうる(図6中の白丸は連結部の一例)。把持具Ci及びCoは、原反フィルム15の幅方向の両端を把持するクリップである。
図6において、原反フィルム15の繰出方向D1は、延伸後のフィルム(斜め延伸フィルム)の巻取方向D2と異なっており、巻取方向D2との間で繰出角度θiをなしている。繰出角度θiは、0°を超え90°未満の範囲で、所望の角度に任意に設定することができる。
このように、繰出方向D1と巻取方向D2とが異なっており、且つレールRoを走行する把持具Coの移動距離が、レールRiを走行する把持具Ciの移動距離よりも長くなっている。そのため、テンターのレールパターンは左右で非対称な形状となっている。そして、斜め延伸フィルムに付与すべき配向角θ、延伸倍率等に応じて、レールパターンを手動又は自動で調整できるようになっている。
テンターの把持具Ci及びCoは、前後の把持具Ci及びCoと一定間隔を保って、一定速度で走行するようになっている。把持具Ci及びCoの走行速度は、通常、1〜150m/minである。
加熱ゾーンZは、予熱ゾーンZ1、延伸ゾーンZ2及び熱固定ゾーンZ3を有する。延伸部37では、把持具Ci及びCoによって把持された原反フィルム15は、予熱ゾーンZ1、延伸ゾーンZ2、熱固定ゾーンZ3を順に通過する。予熱ゾーンZ1と延伸ゾーンZ2とは隔壁で区切られており、延伸ゾーンZ2と熱固定ゾーンZ3とは隔壁で区切られている。
予熱ゾーンZ1とは、加熱ゾーンZの入口部において、原反フィルム15の両端を把持した把持具Ci及びCoが、左右で(フィルム幅方向に)一定の間隔を保ったまま走行する区間を指す。
延伸ゾーンZ2とは、原反フィルム15の両端を把持した把持具Ci及びCoの間隔が開き出し、所定の間隔になるまでの区間を指す。
熱固定ゾーンZ3とは、延伸ゾーンZ2より後の、把持具Ci及びCoの間隔が再び一定となる区間であって、両端の把持具Ci及びCoが互いに平行を保ったまま走行する区間を指す。
次に、2)及び3)の工程について、図6を参照しながら説明する。
原反フィルム15の他方の端部Bを把持具Ciで把持し、一方の端部Aを把持具Coで把持する(2)の工程)。次いで、把持具Coの移動距離を、把持具Ciの移動距離よりも長くなるように原反フィルム15を搬送して、原反フィルム15を幅方向に対して斜め方向に延伸する(3)の工程)。
3)の工程では、一対の把持具Ci及びCoを走行させて、原反フィルム15を搬送する。一対の把持具Ci及びCoは、延伸部37の入口部(図中Pの位置)において、フィルムの進行方向(繰出方向D1)に対して略垂直な方向に相対しており、左右非対称な一対のレールRi及びRo上をそれぞれ走行する。
このとき、レールRi及びRoは左右非対称であり、長さも異なるため、図6中Pの位置で相対していた左右の把持具Ci及びCoは、レールRi及びRo上を走行するにつれて、レールRi側(インコース側)を走行する把持具Ciが、レールRo側(アウトコース側)を走行する把持具Coに対して先行する位置関係となる。
即ち、図中Pの位置で原反フィルム15の繰出方向D1に対して略垂直な方向に相対していた把持具Ci及びCoのうち、一方の把持具Ciが原反フィルム15の延伸終了時の位置Qに先に到達したときには、把持具Ci及びCoを結んだ直線がフィルムの巻取方向D2に略垂直な方向に対して、角度θLだけ傾斜している。以上の所作をもって、原反フィルム15が幅方向に対してθLの角度で斜め延伸されることとなる。尚、略垂直とは、90±1°の範囲にあることを示す。
延伸温度は、例えば樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、Tg−30〜Tg+80℃に設定されうる。延伸温度は、主に延伸ゾーンZ2における加熱温度で調整されうる。延伸倍率は、求められるフィルムの特性にもよるが、例えば1.01〜3.0倍でありうる。
その後、延伸終了時の出口部(図中Qの位置)に到達すると、把持していたフィルムを開放する。把持具Ci及びCoから開放されたフィルムは、前述したフィルム巻き取り部43にて巻芯に巻き取られる。一対のレールRi及びRoは、それぞれ無端状の連続軌道を有しており、テンターの出口部でフィルムの把持を開放した把持具Ci及びCoは、外側のレールを走行して順次入口部に戻される。
図7Aは、斜め延伸前の原反フィルムの配向角の分布の一例を示す図であり;図7Bは、斜め延伸後の原反フィルム(斜め延伸フィルム)の配向角の分布の一例を示す図である。
本発明では、斜め延伸前の原反フィルムは、配向角が、幅方向の一方の端部A(移動距離が長いほうの端部)から他方の端部B(移動距離が短いほうの端部)に向かって連続的に増加している(図7A参照)。
従って、斜め延伸時に、原反フィルムの長手方向に加わる機械的な収縮力が、フィルムの幅方向のうち移動距離が短いほうの端部(他方の端部B側)に、移動距離が長いほうの端部(一方の端部A側)よりも大きく加わっても;本発明の原反フィルムも、他方の端部Bのほうが一方の端部Aよりも配向角が大きくなっているので、他方の端部Bにおいて機械的な収縮の向きと熱収縮の向きとが揃いやすい。その結果、原反フィルムの幅方向の全体にわたって、機械的な収縮力をフィルムの熱収縮力によって効率的に吸収できるので、斜め延伸フィルムの幅方向における配向角のバラツキを少なくすることができる(図7B参照)。
以下、原反フィルムの材料について説明する。
(原反フィルムの材料)
原反フィルムの材料は、特に限定されず、種々の熱可塑性樹脂を用いることができ、その例には、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、環状オフィン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、セルロースエーテル系樹脂等が含まれる。中でも、透明性や機械強度等の観点から、環状オレフィン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、セルロースエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。
(環状オレフィン系樹脂)
環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィン由来の構造単位を含む重合体であり、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体又はそれらの水添物が含まれる。
環状オレフィンは、ノルボルネン系単量体であることが好ましい。即ち、環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系樹脂であることが好ましい。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能な共重合性単量体の例には、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエン等のノルボルネン系単量体以外の環状オレフィンが含まれる。
ノルボルネン系単量体と付加共重合可能な共重合性単量体の例には、不飽和二重結合含有化合物、ビニル系環状炭化水素単量体、(メタ)アクリレートが含まれる。不飽和二重結合含有化合物の例には、炭素原子数2〜12(好ましくは2〜8)のオレフィン系化合物であり、その例には、エチレン、プロピレン、ブテンが含まれる。ビニル系環状炭化水素単量体の例には、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテン等のビニルシクロペンテン系単量体が含まれる。(メタ)アクリレートの例には、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素原子数1〜20のアルキル(メタ)アクリレートが含まれる。
中でも、ノルボルネン系単量体の開環(共)重合体が好ましい。
ノルボルネン系単量体由来の構造単位の含有割合は、環状オレフィン系樹脂を構成する構造単位の合計に対して50〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%とし得る。
環状オレフィン系樹脂としては、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオネックス」、「ゼオノア」、JSR株式会社製の商品名「アートン」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学株式会社製の商品名「APEL」が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、20000〜300000であることが好ましく、30000〜250000であることがより好ましく、40000〜200000であることがさらに好ましい。
環状オレフィン系樹脂の重量平均分子量は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定できる。測定条件は以下の通りである。
(測定条件)
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)
Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
(セルロースエステル系樹脂)
セルロースエステル樹脂は、炭素数2以上の脂肪族アシル基を有するセルロースエステルであることが好ましい。
脂肪族アシル基の炭素数は、セルロース合成の生産性、コストの観点から、2以上6以下が好ましく、2以上4以下がさらに好ましい。脂肪族アシル基の例には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタネート基、ヘキサネート基等が含まれる。
セルロースエステルの例には、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースペンタネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートペンタネート等が含まれる。中でも、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースプロピオネートが好ましい。
セルロースエステルのアシル総置換度は、1.0〜2.95であることが好ましい。中でも、炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をYとしたとき、下記式(I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステルが好ましい。
式(I) 1.0≦X+Y≦2.95
式(II) 0≦X≦2.5
中でも、セルロースアセテートプロピオネートがより好ましく、0.01≦X≦2.5、0.1≦Y≦2.94を満たすセルロースアセテートプロピオネートがより好ましい。アシル基置換度は、ASTM−D817−96に準じて測定することができる。
セルロースエステルの重量平均分子量Mwは、50000〜500000であることが好ましく、100000〜300000であることがより好ましく、150000〜250000であることがさらに好ましい。セルロースエステルの重量平均分子量Mwは、前述と同様の方法で測定することができる。
(セルロースエーテル系樹脂)
セルロースエーテル系樹脂は、セルロースの水酸基が、炭素数4以下のアルコキシ基で置換された樹脂であることが好ましい。具体的には、セルロースの水酸基がメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基のいずれか又は複数のアルコキシ基で置換されたものが好ましく、メトキシ基又はエトキシ基で置換されたものがより好ましく、エチルセルロースが特に好ましい。
エーテル置換度は、2.0〜2.9であることが好ましく、2.2〜2.6であることがより好ましい。エーテル置換度が2.0以上であると、単独で溶解する溶剤の種類が限定されず、フィルムの吸水性を一定以下に調整しやすい。また、エーテル置換度が2.9以下であると、溶解する溶剤の種類が限定されすぎない。エーテル置換度は、ASTM D4794−94に記載の方法にて定量することができる。尚、アルコキシ基で置換されていない水酸基は、未置換のまま残っていてもよいし、アシル基で置換されていてもよい。
(ポリカーボネート系樹脂)
ポリカーボネート系樹脂としては、化学的性質及び物性の点から、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましく、フルオレン骨格を有するポリカーボネートや、ビスフェノールA系ポリカーボネート樹脂がより好ましく、ビスフェノールAにベンゼン環、シクロヘキサン環、脂肪族炭化水素基等を導入したものがさらに好ましい。さらに、ビスフェノールAの中央の炭素に対して、非対称に上記官能基が導入された誘導体を用いて得られたポリカーボネート樹脂が特に好ましい。
このようなポリカーボネート樹脂の例には、ビスフェノールAの中央の炭素の2個のメチル基をベンゼン環に置き換えたもの、ビスフェノールAのそれぞれのベンゼン環の一の水素をメチル基やフェニル基等で中央炭素に対し非対称に置換して得られるポリカーボネート樹脂が特に好ましい。具体的には、4,4′−ジヒドロキシジフェニルアルカン又はこれらのハロゲン置換体からホスゲン法又はエステル交換法によって得られるものであり、例えば、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルブタン等が含まれる。
熱可塑性樹脂の含有量は、原反フィルムの全質量に対して50〜100質量%であることが好ましく、50〜99質量%であることがより好ましく、60〜98質量%であることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が50質量%以上であると、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等を十分に発現しうる。
(その他の成分)
原反フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分の例には、微粒子(マット剤)や紫外線吸収剤、酸化防止剤等が含まれる。
微粒子(マット剤)は、原反フィルムの滑り性を高める機能を有する。微粒子の例には、二酸化珪素(SiO)、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等の無機微粒子が含まれる。中でも、得られるフィルムのヘイズの増大を少なくするためには、二酸化ケイ素が好ましい。二酸化ケイ素粒子の市販品の例には、アエロジルR812、R972(日本アエロジル社製)、NanoTek SiO(シーアイ化成社製)等が含まれる。
微粒子の平均一次粒子径は、5〜50nmであることが好ましい。微粒子の平均一次粒子径が5nm以上であると、フィルムの表面を粗面化することができるので、滑り性を付与しやすく、50nm以下であると、ヘイズの増大を抑制しやすい。微粒子の平均一次粒子径は、5〜30nmであることがより好ましい。
微粒子の含有量は、熱可塑性樹脂の全質量に対して例えば0.1〜5質量%としうる。無機微粒子の含有量が0.1質量%以上であると、得られる原反フィルムの表面の滑り性を十分に高めやすく、5質量%以下であると、原反フィルムのヘイズの増大を抑制しやすい。微粒子の含有量は、熱可塑性樹脂の全質量に対して0.1〜2.5質量%であることがより好ましく、0.3〜2質量%であることがさらに好ましい。
2.斜め延伸フィルムの物性
(位相差Ro及びRt)
斜め延伸フィルムが、λ/4位相差フィルムとして用いられる場合、測定波長590nm、23℃55%RHの環境下で測定される面内方向の位相差Roは、30nm≦Ro≦300nmを満たすことが好ましく、50nm≦Ro≦250nmを満たすことがより好ましい。厚み方向の位相差Rtは、−200nm≦Rt≦200nmを満たすことが好ましく、−150nm≦Rt≦150nmを満たすことがより好ましい。
斜め延伸フィルムのRo及びRtは、それぞれ下記式で定義される。
式(IIa):Ro=(nx−ny)×d
式(IIb):Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、
nxは、斜め延伸フィルムの面内遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率を表し、
nyは、斜め延伸フィルムの面内遅相軸に直交する方向の屈折率を表し、
nzは、斜め延伸フィルムの厚み方向の屈折率を表し、
dは、斜め延伸フィルムの厚み(nm)を表す。)
斜め延伸フィルムの面内遅相軸とは、フィルム面において屈折率が最大となる軸をいう。斜め延伸フィルムの面内遅相軸は、自動複屈折率計アクソスキャン(AxoScan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)により確認することができる。
斜め延伸フィルムのRo及びRtの測定は、以下の方法で行うことができる。
1)斜め延伸フィルムを23℃55%RHの環境下で24時間調湿する。この斜め延伸フィルムの平均屈折率をアッベ屈折計で測定し、厚みdを市販のマイクロメーターを用いて測定する。
2)調湿後の斜め延伸フィルムの、測定波長590nmにおけるリターデーションRo及びRtを、それぞれ自動複屈折率計アクソスキャン(AxoScan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃55%RHの環境下で測定する。
(配向角)
斜め延伸フィルムの配向角(斜め延伸フィルムの面内遅相軸と斜め延伸フィルムの幅方向とのなす角)は、40〜50°であることが好ましく、45°であることがより好ましい。
斜め延伸フィルムの幅方向における配向角のバラツキは、3.0°未満であることが好ましく、1.5°未満であることがより好ましく、0.5°未満であることがさらに好ましい。
斜め延伸フィルムの幅方向における配向角のバラツキは、フィルムの幅方向の一方の端部Aから、原反フィルムの幅方向の長さの20%の地点、50%の地点、及び80%の地点における配向角をそれぞれ測定し、それらの最大値と最小値の差として求めることができる。
(厚み)
斜め延伸フィルムの厚みは、例えば5〜100μm、好ましくは10〜80μm、より好ましくは20〜60μmとしうる。
3.斜め延伸フィルムの用途
本発明の斜め延伸フィルムは、前述の通り、円偏光板、好ましくは有機EL表示装置の円偏光板に用いることができる。
(有機EL表示装置)
図8は、有機EL表示装置の構成の一例を示す模式図である。図7に示されるように、有機EL表示装置100は、有機EL素子101と、円偏光板301と、それらの間に配置された接着層201とを有する。
有機EL素子101は、ガラスやポリイミド等を用いた基板111上に、金属電極112、発光層113、透明電極(ITO等)114、封止層115をこの順に有する。
金属電極112(陽極)は、効率良く正孔を注入するために電極材料の真空準位からの仕事関数が大きいもの、例えばAl、Cr、Mo、W、Cu、Ag、Au等の金属やその合金、これらの酸化物が用いられる。金属電極112は、光反射性に優れた第1層と、この上部に設けられた光透過性を有すると共に仕事関数の大きい第2層との積層物であっても良い。例えば、第1層を、Al又はCrを主成分とする合金層とし、第2層を、ITOやIZOとしてもよい。
発光層113は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、このような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層との積層体や、これらの正孔注入層、発光層、電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成でありうる。
透明電極114(陰極)は、仕事関数が小さく、且つ光透過性の良好な材料、例えばLi酸化物(例えばLiO)や、セシウムの複合酸化物(例えばCsCO)、Ca、Ba等のアルカリ土類金属、Li、Ce等のアルカリ金属、In、Mg等の仕事関数の小さい金属、さらにはこれらの酸化物や複合酸化物、フッ化物等が用いられる。
有機EL素子101自体の厚さは1μm程度である。
円偏光板301は、有機EL素子101側から、λ/4位相差フィルム311、偏光子312、保護フィルム313をこの順に有する。偏光子312の透過軸と斜め延伸フィルムからなるλ/4位相差フィルム311の遅相軸とのなす角度が約45°(または135°)となるように貼り合わせることで、円偏光板301が構成されている。
上記の構成において、金属電極112と透明電極114とに電圧を印加すると、発光層113に対して、金属電極112及び透明電極114のうちで陰極となる電極から電子が注入され、陽極となる電極から正孔が注入され、両者が発光層113で再結合することにより、発光層113の発光特性に対応した可視光線の発光が生じる。発光層113で生じた光は、直接又は金属電極112で反射した後、透明電極114及び円偏光板301を介して外部に取り出される。
発光層113は、厚さ10nm程度と極めて薄い膜で構成されていることから、発光層113も透明電極114と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板114の表面から入射し、透明電極114と発光層113とを透過して金属電極112で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置100の表示面が鏡面のように見える。円偏光板301は、このような外光反射が特に問題となる有機EL表示装置に適している。
即ち、有機EL素子101の非発光時に、室内照明等により有機EL素子101の外部から入射した外光は、円偏光板301の偏光子312によって半分は吸収され、残りの半分は直線偏光として透過し、λ/4位相差フィルム311に入射する。λ/4位相差フィルム311に入射した光は、偏光子312の透過軸とλ/4位相差フィルム311の遅相軸とが45°(または135°)で交差するように配置されているため、λ/4位相差フィルム311を透過することにより円偏光に変換される。
λ/4位相差フィルム311から出射された円偏光は、有機EL素子101の金属電極112で鏡面反射する際に、位相が180度反転し、逆回りの円偏光として反射される。この反射光は、λ/4位相差フィルム311に入射することにより、偏光子312の透過軸に垂直(吸収軸に平行)な直線偏光に変換されるため、偏光子312で全て吸収され、外部に出射されないことになる。つまり、円偏光板301により、有機EL素子101での外光反射を低減することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)原反フィルムの作製
環状オレフィン樹脂(アートンR5000:JSR(株)製、ガラス転移点(Tg)=137℃)のペレットを、100℃で3時間乾燥させて、含水率100ppmとした。このペレットを、Tダイを取り付けた単軸押出し機に供給して、以下の条件で溶融押出しを行った後、冷却固化して膜状物を得た(前記1−1)の工程)。
具体的には、単軸押出し機は、スクリュー径90mm、L/D=30のものを使用した。材料供給口付近から窒素ガスを封入して、押出し機内を窒素雰囲気に保った。押出し機及びTダイは、温度を270℃に設定した。Tダイは、コートハンガータイプで、幅が1500mm、内壁にハードクロムメッキを施しており、面粗度0.1Sの鏡面に仕上げられたものを使用した。Tダイのリップ間隙は2mmに設定した。
次いで、Tダイから溶融状態の樹脂組成物をシート状に冷却ロール上に吐出し、タッチロール(挟圧回転体)で押圧した。
第1冷却ロールとしては、材質;ステンレス鋼のクロムメッキ鏡面仕上げのもの、ロール幅:1600mm、表面粗さ:最大高さRyで0.1μm以下、表面温度:100℃にとした。
タッチロールとしては、ロール幅:1600mm、表面温度:120℃、押圧;5N/mmの線圧とした。また、タッチロールとしては、金属外筒と、内筒と、それらの間に設けられた空隙部とを有する二重筒構造のものを用いた。金属外筒は、材質:ステンレス、表面粗さ:最大高さRyで0.05μm以下、肉厚:3mmとした。内筒は、材質:アルミニウム、肉厚:30mmとした。金属外筒と内筒との空隙部は5mmとし、この空隙部にオイルを流し、金属外筒の表面の温度を90℃とした。
第1冷却ロールとタッチロールで押圧されたフィルムは、引き続いて第2冷却ロール、第3冷却ロールで冷却固化し、剥離ロールで剥離して、Tg=137℃の膜状物を得た。
得られた膜状物を、テンターにて幅方向に2.0倍に延伸した。テンターは、予熱ゾーン、延伸ゾーン、保持ゾーン、冷却ゾーンを搬送方向上流側からこの順に有するものを用いた。そして、延伸は、保持ゾーンの温度(保持温度)をTg+18℃(155℃)、延伸ゾーンの温度(延伸温度)をTg+13℃(150℃)として温度差を設けることで、ボーイング現象を生じさせながら行った。
次いで、延伸後に得られた膜状物のテンタークリップ痕のついた両端部をカットした後、膜状物の幅方向の中央部で切断し(2600mm幅を2本にスリットし)、それぞれ厚み60μm、幅1300mmの原反フィルムを得た(前記1−2)の工程)。
得られた原反フィルムの幅方向の配向角θ1、θ0及びθ2を、以下の方法で評価した。
(配向角θ1、θ0及びθ2)
得られた原反フィルムの幅方向において、一方の端部Aから幅方向の長さの20%に相当する位置での配向角θ1、50%に相当する位置での配向角θ0、80%の位置での配向角θ2を、それぞれ以下の方法で測定した。
具体的には、各地点を中心とするフィルムの幅方向の5点(+60mm、+30mm、0mm、−30mm及び−60mm)の配向角を測定し、それらの平均値を求めた(図2参照)。配向角の測定は、各地点での面内遅相軸のフィルムの幅方向に対してなす角度を、自動複屈折率計アクソスキャン(AxoScan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)で測定して求めた。
(2)斜め延伸フィルムの作製
得られた原反フィルムを、図5及び6に示されるような斜め延伸フィルムの製造装置の延伸部にて斜め延伸した。具体的には、原反フィルムの幅方向のうち配向角が大きい方の端部(他方の端部B)を把持具Ci(移動距離が短いインコース側)で把持し、配向角が小さい方の端部(一方の端部A)を把持具Co(移動距離が長いアウトコース側)で把持し、延伸温度をTg+20℃、延伸倍率を2.0倍、屈曲角度(繰出角度)θiを49°、収縮率(MD方向)を25%、配向角を45°の条件で斜め延伸した(前記2)及び3)の工程)。
得られた斜め延伸フィルムの配向角のバラツキを以下の方法で評価した。
(配向角のバラツキ)
得られた斜め延伸フィルムの幅方向において、前述と同様にして、配向角θ1’、θ0’、及びθ2’をそれぞれ測定した。次いで、θ1’、θ0’、及びθ2’のうち最大値と最小値の差Δを算出した。そして、以下の基準に基づいて配向角のバラツキを評価した。
◎:差Δが0.5°未満
○:差Δが0.5°以上1.5°未満
△:差Δが1.5°以上3.0°未満
×:差Δが3.0°以上
(実施例2〜7)
原反フィルムの配向角θ1、θ0及びθ2を、表2に示されるように以外は実施例1と同様にして原反フィルムを得た。原反フィルムのθ1、θ0及びθ2は、テンターにおける延伸温度と保持温度との差によって調整した。この原反フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして斜め延伸フィルムを得た後、同様の評価を行った。
(比較例1)
テンターにおける延伸温度と保持温度の差を調整し、且つ延伸後に得られた膜状物の幅方向両端部のカット幅を変え、中央のみ使用したこと以外は実施例1と同様にして原反フィルムを得た。そして、この原反フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして斜め延伸フィルムを得た後、同様の評価を行った。
実施例1〜7及び比較例1の評価結果を表2に示す。
Figure 2018149714
表2に示されるように、少なくとも式(1):|θ1|<|θ0|<|θ2|を満たす実施例1〜Xの原反フィルムを用いることで、斜め延伸フィルムの配向角のバラツキを小さくしうることがわかる。
特に、式(2)’:0°≦θ1<θ0<θ2≦30°を満たすことで、配向角のバラツキを一層少なくできることがわかる(実施例1と5の対比)。
また、式(3)’:1.5°≦θ0−θ1°、1.5°≦θ2−θ0(実施例6と7との対比)、好ましくは式(3)’’5.0°≦θ0−θ1°、5.0°≦θ2−θ0(実施例7と3の対比)をさらに満たすことで、配向角のバラツキを一層少なくできることがわかる。
また、式(4):θ0−θ1≦θ2−θ0をさらに満たすことで、配向角のバラツキを一層少なくできることがわかる(実施例1〜3と実施例4との対比)。
これに対し、式(1)を満たさない比較例1の原反フィルムは、斜め延伸フィルムの配向角のバラツキが大きいことがわかる。
(実施例8)
(1)原反フィルムの作製
(微粒子分散液の調製)
シリカ微粒子(アエロジルR812 日本アエロジル(株)製):11質量%
ジクロロメタン:89質量%
以上をディゾルバーで50分間撹拌混合した後、マントンゴーリン分散機を用いて分散を行い、微粒子分散液1を調製した。
(微粒子添加液1の調製)
溶解タンクにジクロロメタンを入れ、ジクロロメタンを十分に撹拌しながら上記調製した微粒子分散液を50質量%となるようにゆっくりと添加し、アトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過して、微粒子添加液1を調製した。
(ドープの調製)
ジクロロメタン及びエタノールの入った加圧溶解タンクに、ベンゾイル基置換度が0.6、エトキシ基置換度が2.3のセルロースエーテル樹脂を撹拌しながら投入した。
次いで、微粒子添加液を下記記載の添加量になるように添加した後、25℃の溶解温度で3時間撹拌しながら、完全に溶解した。その後、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、ドープを調製した。ドープの組成を下記に示す。
セルロースエーテル樹脂:100質量%
ジクロロメタン:420質量%
エタノール:40質量%
微粒子添加液1:固形分としてフィルム中で0.50質量%になる量を添加
(製膜)
バンド流延装置を用い、調製したドープをステンレス製の流延支持体(支持体温度22℃)に流延した。ドープ中の残留溶媒量が略20質量%の状態で剥ぎ取り、Tg=163℃の膜状物を得た(前記1−1)の工程)。
得られた膜状物の幅方向の両端をテンターで把持し、残留溶媒量が10質量%の状態で幅方向に1.6倍(60%)延伸しながら乾燥させた。この延伸は、延伸温度Tg−3℃(160℃)とし、保持温度をTg+2℃(165℃)として温度差を設けることで、ボーイング現象を生じさせながら行った。
次いで、120℃、140℃の乾燥ゾーンを多数のローラーで搬送させながら乾燥を終了させた。その後、テンタークリップ痕のついた膜状物の幅方向両端部をカットした後、膜状物の幅方向の中央部で切断し(1600mm幅を2本にスリットし)、それぞれ厚み60μm、幅800mmの原反フィルムを得た(前記1−2)の工程)。
得られた原反フィルムの幅方向の配向角θ1、θ0及びθ2を、実施例1と同様にして測定した。
(2)斜め延伸フィルムの作製
得られた原反フィルムを用いて実施例1と同様にして斜め延伸を行った(前記2)及び3)の工程)。そして、得られた斜め延伸フィルムの幅方向の配向角のバラツキを実施例1と同様に評価した。
(実施例9〜14)
原反フィルムの配向角θ1、θ0及びθ2を、表3に示されるように以外は実施例8と同様にして原反フィルムを得た。原反フィルムのθ1、θ0及びθ2は、テンターにおける延伸温度と保持温度の差によって調整した。この原反フィルムを用いた以外は実施例8と同様にして斜め延伸フィルムを得た後、同様の評価を行った。
(比較例2〜3)
テンターにおける延伸温度と保持温度との差を調整し、且つ延伸後に得られたフィルムを幅方向の中央部で切断しなかった以外は実施例8と同様にして原反フィルムを得た。そして、この原反フィルムを用いた以外は実施例8と同様にして斜め延伸フィルムを得た後、同様の評価を行った。
(比較例4)
テンターにおける保持温度を延伸温度よりも低くして、一方の端部Aの配向角が他方の端部Bの配向角よりも大きい原反フィルムを得た。この原反フィルムの一方の端部Aを把持具Coで把持し、他方の端部Bを把持具Ciで把持して斜め延伸を行った以外は実施例8と同様にして斜め延伸フィルムを得て、同様の評価を行った。
実施例8〜14及び比較例2〜4の評価結果を表3に示す。
Figure 2018149714
表3に示されるように、少なくとも式(1):|θ1|<|θ0|<|θ2|を満たす実施例8〜14の原反フィルムを用いることで、斜め延伸フィルムの配向角のバラツキを小さくしうることがわかる。
特に、式(2)’:0°≦θ1<θ0<θ2≦30°を満たすことで、配向角のバラツキを一層少なくできることがわかる(実施例8〜10と12との対比)。
また、式(3)’:1.5°≦θ0−θ1°、1.5°≦θ2−θ0(実施例11と14との対比)、好ましくは式(3)’’5.0°≦θ0−θ1°、5.0°≦θ2−θ0(実施例9と10との対比)をさらに満たすことで、配向角のバラツキを一層少なくできることがわかる。
また、式(4):θ0−θ1≦θ2−θ0をさらに満たすことで、配向角のバラツキを一層少なくできることがわかる(実施例8〜9と11との対比)。
これに対し、式(1)を満たさない比較例2〜4の原反フィルムは、斜め延伸フィルムの配向角のバラツキが大きいことがわかる。
(実施例15)
(1)原反フィルムの作製
ドープの調製において、セルロースエーテル樹脂を環状オレフィン系樹脂(JSR社製、アートンG7810)に変更した以外は実施例8と同様にしてTg=168℃の膜状物を得た(前記1−1)の工程)。
得られた膜状物の幅方向の両端をテンターで把持し、残留溶媒量が10質量%の状態で幅方向に1.6倍(60%)延伸しながら乾燥させた。延伸ゾーンにおける延伸温度はTg−8℃(160℃)とし、且つ延伸ゾーンの膜状物の幅方向の両側に端部局所加熱手段(高温エア)を設け、一方の端部のみをTg−18℃(150℃)に加熱して行った。
次いで、120℃、140℃の乾燥ゾーンを多数のローラーで搬送させながら乾燥を終了させた。その後、テンタークリップ痕のついた両端部をカットした後、厚み60μm、幅800mmの原反フィルムを得た(前記1−2)の工程)。得られた原反フィルムの幅方向の配向角θ1、θ0及びθ2を、実施例1と同様にして測定した。
(2)斜め延伸フィルムの作製
得られた原反フィルムを用いて実施例1と同様にして斜め延伸を行った(前記2)及び3)の工程)。そして、得られた斜め延伸フィルムの幅方向の配向角のバラツキを実施例1と同様に評価した。
(実施例16、比較例5〜6)
原反フィルムの配向角θ1、θ0及びθ2を、表4に示されるように変更した以外は実施例15と同様にして原反フィルムを得た。原反フィルムのθ1、θ0及びθ2は、延伸時の膜状物の幅方向両端部の加熱温度によって調整した。この原反フィルムを用いた以外は実施例15と同様にして斜め延伸フィルムを得た後、同様の評価を行った。
実施例15〜16及び比較例5〜6の評価結果を表4に示す。
Figure 2018149714
(実施例17)
(1)原反フィルムの作製
セルロースエステルフィルム(コニカミノルタ社製KC4DR)をテンターにセットし、幅方向の延伸倍率1.3倍で延伸した。この延伸は、延伸温度を170℃、保持温度を173℃として温度差を設けることで、ボーイング現象を生じさせながら行った。
次いで、延伸後に得られた膜状物のテンタークリップ痕のついた幅方向両端部をカットした後、膜状物の幅方向の中央部で切断し(1600mm幅を2本にスリットし)、それぞれ厚み30μm、幅800mの原反フィルムを得た(前記1−2)の工程)。得られた原反フィルムの幅方向の配向角θ1、θ0及びθ2を、実施例1と同様にして測定した。
(2)斜め延伸フィルムの作製
得られた原反フィルムを用いて実施例1と同様にして斜め延伸を行った(前記2)及び3)の工程)。そして、得られた斜め延伸フィルムの幅方向の配向角のバラツキを実施例1と同様に評価した。
(実施例18)
セルロースエステルフィルム(コニカミノルタ社製KC4DR)をセルロースエステルフィルム(コニカミノルタ社製KC2CT1)に変更し、且つ延伸温度を180℃に、保持温度を183℃に変更した以外は実施例17と同様にして、厚み15μm、幅800mmの原反フィルムを得た(前記1−2)の工程)。得られた原反フィルムの幅方向の配向角θ1、θ0及びθ2を、実施例1と同様にして測定した。そして、得られた原反フィルムを用いて実施例1と同様にして斜め延伸を行い(前記2)及び3)の工程)、得られた斜め延伸フィルムの幅方向の配向角のバラツキを実施例1と同様に評価した。
実施例17及び18の評価結果を表5に示す。
Figure 2018149714
本発明によれば、フィルムの幅方向で配向角のバラツキを少なくすることができる斜め延伸フィルムの製造方法を提供することができる。
11 膜状物
15 原反フィルム
30 斜め延伸フィルムの製造装置
31 フィルム繰り出し部
33 搬送方向変更部
35 ガイドロール
37 延伸部
39 ガイドロール
41 搬送方向変更部
43 フィルム巻き取り部
100 有機EL表示装置
101 有機EL素子
301 円偏光板
201 接着層
111 基板
112 金属電極
113 発光層
114 透明電極
115 封止層
311 λ/4位相差フィルム
312 偏光子
313 保護フィルム

Claims (8)

  1. フィルムの幅方向に対して直交する方向に連続した長尺状の原反フィルムであって、
    前記原反フィルムの幅方向に対する面内遅相軸の角度として表される配向角が、前記原反フィルムの幅方向の一方の端部Aから他方の端部Bに向かって連続的に増加しており、且つ
    前記原反フィルムの幅方向において、前記一方の端部Aから前記原反フィルムの幅方向の長さの20%の地点における配向角をθ1、50%の地点における配向角をθ0、80%の地点における配向角をθ2としたとき、下記式(1)を満たす原反フィルムを得る工程と、
    式(1):|θ1|<|θ0|<|θ2|
    前記原反フィルムの前記他方の端部Bを把持具Ciで把持し、前記一方の端部Aを前記把持具Coで把持する工程と、
    前記把持具Coの移動距離を前記把持具Ciの移動距離よりも長くなるように前記原反フィルムを搬送して、前記原反フィルムを幅方向に対して斜め方向に延伸して斜め延伸フィルムを得る工程と、
    を含む、斜め延伸フィルムの製造方法。
  2. 前記原反フィルムは、下記式(2)’をさらに満たす、請求項1に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
    式(2)’:0°≦θ1<θ0<θ2≦30°
  3. 前記原反フィルムは、下記式(3)をさらに満たす、請求項1又は2に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
    式(3):L<θ0−θ1<20L、L<θ2−θ0<20L
    (式(3)中、Lは、原反フィルムの幅方向の長さ(m)を示す)
  4. 前記原反フィルムは、下記式(3)’をさらに満たす、請求項3に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
    式(3)’:1.5°≦θ0−θ1、1.5°≦θ2−θ0
  5. 前記原反フィルムは、下記式(4)をさらに満たす、請求項1〜4のいずれか一項に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
    式(4):θ0−θ1≦θ2−θ0
  6. 前記原反フィルムは、下記式(3)’’をさらに満たす、請求項4に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
    式(3)’’:5.0°≦θ0−θ1、5.0°≦θ2−θ0
  7. 前記原反フィルムを得る工程は、
    熱可塑性樹脂を含む長尺状の膜状物を得る工程と、
    前記膜状物を幅方向に延伸する工程と、
    延伸された前記膜状物を幅方向の中央部で切断して、2つの長尺状の原反フィルムを得る工程と
    をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
  8. 前記幅方向に延伸する工程は、
    前記膜状物の搬送方向の下流側の延伸温度を、搬送方向の上流側の延伸温度よりも高くして行う、請求項7に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
JP2017046375A 2017-03-10 2017-03-10 斜め延伸フィルムの製造方法 Active JP6780551B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017046375A JP6780551B2 (ja) 2017-03-10 2017-03-10 斜め延伸フィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017046375A JP6780551B2 (ja) 2017-03-10 2017-03-10 斜め延伸フィルムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018149714A true JP2018149714A (ja) 2018-09-27
JP6780551B2 JP6780551B2 (ja) 2020-11-04

Family

ID=63679874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017046375A Active JP6780551B2 (ja) 2017-03-10 2017-03-10 斜め延伸フィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6780551B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007111313A1 (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Zeon Corporation 長尺の延伸フィルムおよびその製造方法並びに用途
JP2012150513A (ja) * 2012-04-13 2012-08-09 Nippon Zeon Co Ltd 延伸フィルムおよび延伸フィルムの製造方法
WO2013027414A1 (ja) * 2011-08-25 2013-02-28 コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 長尺延伸フィルムの製造方法及び円偏光板の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007111313A1 (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Zeon Corporation 長尺の延伸フィルムおよびその製造方法並びに用途
WO2013027414A1 (ja) * 2011-08-25 2013-02-28 コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 長尺延伸フィルムの製造方法及び円偏光板の製造方法
JP2012150513A (ja) * 2012-04-13 2012-08-09 Nippon Zeon Co Ltd 延伸フィルムおよび延伸フィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6780551B2 (ja) 2020-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6623737B2 (ja) 光学フィルムの製造方法および製造装置
JP6617494B2 (ja) 斜め延伸フィルムの製造方法
WO2014073021A1 (ja) 長尺延伸フィルムの製造方法
US9314960B2 (en) Method for producing long stretched film, and device for producing long stretched film
WO2016152384A1 (ja) 斜め延伸フィルムの製造方法
WO2013161581A1 (ja) 斜め延伸フィルムの製造方法
JP5083483B1 (ja) 長尺延伸フィルムの製造方法
JP6699655B2 (ja) 斜め延伸フィルムの製造方法
KR20180085759A (ko) 편광판, 편광판의 제조 방법 및 액정 표시 장치
WO2016152381A1 (ja) 斜め延伸フィルムの製造方法
WO2013128599A1 (ja) 長尺斜め延伸フィルムの製造方法および製造装置
JP5979224B2 (ja) 長尺延伸フィルムの製造方法及び製造装置
US9221207B2 (en) Method for producing long stretched film
JP6003815B2 (ja) 長尺斜め延伸フィルムの製造方法
WO2014156416A1 (ja) 光学フィルムの製造方法
JP6780551B2 (ja) 斜め延伸フィルムの製造方法
JP5862687B2 (ja) 長尺延伸フィルムの製造方法
WO2016132893A1 (ja) 長尺斜め延伸フィルムの製造方法
JP5862686B2 (ja) 長尺延伸フィルムの製造方法
JP6769298B2 (ja) 斜め延伸用原反フィルム及びその製造方法、並びに斜め延伸フィルムの製造方法
JP5999004B2 (ja) 光学フィルムの製造方法
JP6107368B2 (ja) 光学フィルムの製造方法
WO2014123132A1 (ja) 光学フィルムの製造方法
WO2014123133A1 (ja) 光学フィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190620

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190708

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20191011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200915

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200928

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6780551

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150