JP2018148641A - コンバータ及びコンバータ制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力を所定の値へと調整する際の応答速度の低下を防止できるコンバータ及びその制御方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係るコンバータは、第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの一方のスイッチ素子用の第1の三角波状信号、第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの他方のスイッチ素子用の第2の三角波状信号、及び第2回路のスイッチ素子用の第3の三角波状信号を形成し、第2の三角波状信号の平均レベルと第3の三角波状信号の平均値レベルを近接させ、第2の三角波状信号の最大値が第3の三角波状信号の最小値より大きくなるように設定した。【選択図】図17

Description

本開示は、広範囲の入出力の電圧や電流又は電力に対応できるコンバータ及びコンバータの制御方法に関する。
一般的にDC−DCコンバータには、入力側と出力側を絶縁するためのトランスが用いられる。このトランスの入力側と出力側との巻数比に応じて、入力される直流電圧を昇圧又は降圧して出力することができる。従来のDC−DCコンバータとして、例えば特許文献1のDC−DCコンバータでは、昇圧用のトランスを用いている。このDC−DCコンバータは、第1、第4スイッチング素子がオンのとき、第2、第3スイッチング素子をオフとし、次の期間にこれらの動作を反転させて各期間を交互に発生させることで、高周波交流電圧矩形波を発生させる。この動作により生じた高周波交流電圧矩形波は、トランスで昇圧され、全波整流回路を介して出力される。コンバータ制御部は、所望の出力電圧が得られると、インバータ回路の第1、第4スイッチング素子又は第2、第3スイッチング素子をオフさせる。
特許文献2に示されるDC−DCコンバータでは、入力された直流電圧をインバータのデューティー比制御によって交流にし、得られた交流をトランスで変圧し、整流回路を介して直流電圧を出力している。このDC−DCコンバータでは、入力電圧の変動に応じてインバータのデューティー比を変動させているため、入力電圧が大きく変動した場合に、デューティー比が小さくなるとトランスの損失が大きくなってしまう。このため、特許文献2に示されるDC−DCコンバータでは、インバータの前に降圧回路を挿入させ、入力電圧が大きい場合には降圧回路を動作させている。また、特許文献2に示されるDC−DCコンバータでは、接続切替回路を設け、入力電圧が大きい場合には接続切替回路を介して出力電圧を下げている。
また、インバータ/コンバータとして働く第1回路をトランスの1次側巻線に接続し、インバータ/コンバータとして働く第2回路をトランスの2次巻線に接続して、双方向に電力を供給することが可能な双方向のコンバータも既に種々提案されている(例えば、特許文献3、4参照)。特許文献3のコンバータにあっては、商用電源系統からみれば負荷側となる蓄電池などに適するように第2回路を倍電圧整流回路として機能させるなど、独自の回路構成を有するものであるが、広範囲の入出力電圧、入出力電流、入出力電力に十分に対応できるとは言えない。また、特許文献4のコンバータはスイッチング損失を低減するために共振を利用し、電力供給方向によって切換手段で回路方式を切り換える。したがって、切換手段などを備えなければならず、回路構成や制御が複雑になる傾向があり、広範囲の入出力電圧、入出力電流、入出力電力に十分に対応できるとは言えない。
しかしながら、これらのDC−DCコンバータは、広範囲な入出力電圧電流の実現を可能とするには、インバータ内のスイッチング素子をデューティー比制御で対応させるために降圧回路や切替回路などを備えなければならず、回路構成や制御が複雑になるという課題があった。この課題に対し、本発明の発明者は、特許文献7において、簡素な回路構成及び制御で、広範囲な入出力電圧、入出力電流、入出力電力に対応できるコンバータ及びコンバータの制御方法を提供している。
特開2008−278723号公報 特開平11−187654号公報 特開2011−120370号公報 特開2013−230067号公報 特許第5552149号 特許第5535290号 特許第6029619号 特許第5992820号
ここで、特許文献7の発明は、同じ発明者が発明した特許文献8の発明を取り込んだものである。特許文献8は、次のような発明である。特許文献5や特許文献6のコンバータでは、スイッチ素子Q2とQ4(特許文献5や特許文献6の図1)のゼロボルトスイッチング(ZVS)を行うために、トランス11の励磁電流を使ってダイオードD2とD4を導通させる制御を行っていた。しかし、軽負荷時には励磁電流が減少してZVSができなくなるという問題があった。特許文献8は、この問題に対し、スイッチ素子Q4又はQ3オフ後もスイッチ素子Q5又はQ6をオンとして第二回路に短絡電流を発生させ、スイッチ素子Q1又はQ2をオフ後でスイッチ素子Q2又はQ1をオンする前にスイッチ素子Q5又はQ6をオフすることで第二回路に共振を発生させることとしている。この共振によりトランス11を介して第一回路にも共振が発生し、この共振電流と励磁電流で軽負荷時のスイッチ素子Q1又はQ2のZVSを実現している。
特許文献7では、スイッチングを3つの三角波状信号を用いて制御しており、特許文献8の「スイッチ素子Q1又はQ2をオフ後でスイッチ素子Q2又はQ1をオンする前にスイッチ素子Q5又はQ6をオフする」という動作を第3の三角波状信号の位相ずれ(第1、第2の三角波状信号の位相とのずれ)を利用して実現している。ところが、この第3の三角波状信号の位相ずれのために、誤差増幅信号のレベルが上昇して軽負荷の制御(特許文献7の図4のスイッチング動作)から高負荷の制御(特許文献7の図3のスイッチング動作)へ移行するとき、誤差増幅信号のレベルが上昇しても高負荷の制御が始まらずに軽負荷の制御を維持してしまう(出力電力が上昇しない)レベルが存在していた。
つまり、特許文献7の制御には、コンバータの出力を所定の値へと調整するべく、誤差増幅信号の出力が変化してもコンバータの出力が変化しない区間があり、その区間の応答速度が低下するという課題があった。そこで、本発明は、上記課題を解決すべく、特許文献8の効果を得つつ、出力を所定の値へと調整する際の応答速度の低下を防止できるコンバータ及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るコンバータは、特許文献7に記載の制御において3つある三角波状信号の内、第2の三角波状信号の上部と第3の三角波状信号の下部とを重複させ、第1回路のスイッチ素子の駆動信号のパルス幅と第2回路のスイッチ素子の駆動信号の位相を同時に変化させる区間を作ることとした。
具体的には、本発明に係るコンバータは、
スイッチ素子を上下アームとする第1レグと第2レグとが並列に接続され、前記第1レグの上アーム又は下アームのスイッチ素子と前記第2レグの下アーム又は上アームのスイッチ素子とをそれぞれ組として動作する第1回路と、
一方向性素子を上下アームとする第3レグと第4レグとが並列に接続され、前記第3レグもしくは前記第4レグの上下アーム又は前記第3レグ、前記第4レグの上アーム同士もしくは下アーム同士を構成する前記一方向性素子にそれぞれ並列にスイッチ素子が接続される第2回路と、
1次巻線側に前記第1回路が接続され、2次巻線側に前記第2回路が接続されるトランスと、
前記1次巻線側又は前記2次巻線側に接続されるインダクタンス手段と、
制御対象を検出する制御対象検出手段と、
前記スイッチ素子に与える駆動信号を形成する制御回路と、を備えたコンバータであって、
前記制御回路は、前記制御対象検出手段によって検出した前記コンバータの制御対象検出値と予め定めた基準値との差に対応する誤差増幅信号を求め、前記第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの一方のスイッチ素子用の第1の三角波状信号、前記第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの他方のスイッチ素子用の第2の三角波状信号、及び前記第2回路のスイッチ素子用の第3の三角波状信号を、前記第2の三角波状信号の平均信号レベルが前記第1の三角波状信号の平均信号レベルよりも大きく、前記第3の三角波状信号の平均信号レベルが第2の三角波状信号の平均信号レベルよりも大きく、前記第2の三角波状信号の最大信号レベルが前記第3の三角波状信号の最小信号レベルよりも大きくなるように、且つ前記誤差増幅信号が変動する範囲に前記第1、第2及び第3の三角波状信号が存在するように形成し、前記誤差増幅信号と前記第1、第2又は第3の三角波状信号とを比較し、
前記誤差増幅信号が前記第1の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第1の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第1回路の組となる一方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させ、
前記誤差増幅信号が前記第2の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第2の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第1回路の組となる他方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させ、
前記誤差増幅信号が前記第3の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第3の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第2回路のスイッチ素子用のパルス状の駆動信号を位相変調させることを特徴とする。
また、本発明に係る制御方法は、
スイッチ素子を上下アームとする第1レグと第2レグとが並列に接続された第1回路は前記第1レグの上アーム又は下アームのスイッチ素子と前記第2レグの下アーム又は上アームのスイッチ素子とをそれぞれ組として動作し、
一方向性素子を上下アームとする第3レグと第4レグとが並列に接続される第2回路は前記第3レグもしくは前記第4レグの上下アーム又は前記第3レグ、前記第4レグの上アーム同士もしくは下アーム同士を構成する前記一方向性素子にそれぞれ並列にスイッチ素子が接続され、
前記第1回路に接続されたトランスの1次巻線側に又は前記第2回路に接続された前記トランスの2次巻線側にインダクタンス手段が接続され、
制御対象を検出し、
検出した前記制御対象の検出値と予め定めた基準値との差に対応する誤差増幅信号を求め、前記第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの一方のスイッチ素子用の第1の三角波状信号、前記第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの他方のスイッチ素子用の第2の三角波状信号、及び前記第2回路のスイッチ素子用の第3の三角波状信号を、前記第2の三角波状信号の平均信号レベルが前記第1の三角波状信号の平均信号レベルよりも大きく、前記第3の三角波状信号の平均信号レベルが第2の三角波状信号の平均信号レベルよりも大きく、前記第2の三角波状信号の最大信号レベルが前記第3の三角波状信号の最小信号レベルよりも大きくなるように、且つ前記誤差増幅信号が変動する範囲に前記第1、第2及び第3の三角波状信号が存在するように形成し、前記誤差増幅信号と前記第1、第2又は第3の三角波状信号とを比較し、
前記誤差増幅信号が前記第1の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第1の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第1回路の組となる一方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させ、
前記誤差増幅信号が前記第2の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第2の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第1回路の組となる他方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させ、
前記誤差増幅信号が前記第3の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第3の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第2回路のスイッチ素子用のパルス状の駆動信号を位相変調させることを特徴とする。
第2の三角波状信号の上部と第3の三角波状信号の下部とを重複させることで、第1回路のスイッチ素子の駆動信号の終わりと第2回路のスイッチ素子の駆動信号の始まりが重なり、第1回路のスイッチ素子による降圧動作の終了後直ちに昇圧動作へ移行することができる。
従って、本発明は、特許文献8の効果を得つつ、出力を所定の値へと調整する際の応答速度の低下を防止できるコンバータ及びその制御方法を提供することができる。
本発明は、特許文献8の効果を得つつ、出力を所定の値へと調整する際の応答速度の低下を防止できるコンバータ及びその制御方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る電圧モード制御を行う一方向給電のコンバータの一例を示す図である。 本発明に関連するコンバータ及び本発明に係るコンバータの動作説明するための3つの三角波形と誤差増幅信号x0との関係を示す波形図である。 誤差増幅信号x0が第3の三角波状信号x3と交わる区間(1)の制御動作を説明するための波形図である。 誤差増幅信号x0が第2の三角波状信号x2と交わる区間(2)の制御動作を説明するための波形図である。 誤差増幅信号x0が第1の三角波状信号x1と交わる区間(3)の制御動作を説明するための波形図である。 本発明の第2の実施形態に係る双方向給電が可能なコンバータの一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る電流モード制御を行うコンバータの一例を示す図である。 本発明に関連するコンバータの制御動作を説明する波形図である。 本発明に関連するコンバータの制御動作を説明する波形図である。 本発明に関連するコンバータの制御動作を説明する波形図である。 本発明に関連するコンバータの制御動作を説明する波形図である。 本発明に関連するコンバータの制御動作を説明する波形図である。 本発明に関連するコンバータの制御動作を説明する波形図である。 本発明に関連するコンバータの制御動作を説明する波形図である。 本発明に関連するコンバータの制御動作を説明する波形図である。 本発明に関連するコンバータの出力を説明するグラフである。 本発明に係るコンバータの制御動作を説明する波形図である。 本発明に係るコンバータの制御動作を説明する波形図である。 本発明に係るコンバータの制御動作を説明する波形図である。 本発明に係るコンバータの制御動作を説明する波形図である。 本発明に係るコンバータの制御動作を説明する波形図である。 本発明に係るコンバータの出力を説明するグラフである。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(本発明に関連する実施形態)
図1〜図5によって本発明に関連する実施形態のコンバータについて説明する。図1に、本発明に関連する実施形態(関連形態)に係るコンバータの構成図を示す。関連形態に係るコンバータは、第1回路1と、第2回路2と、第1回路1に1次巻線11aが接続されると共に、第2回路2に2次巻線11bが接続されるトランス11と、1次巻線11aに直列接続されたインダクタンス手段Lと、制御対象を検出する制御対象検出手段18と、第1回路1、第2回路2のスイッチ素子に与える駆動信号を形成する制御回路3とを備える。
第1回路1は、第1端子T1、第2端子T2との間に接続され、第2回路2は第3端子T3、第4端子T4との間に接続される。このコンバータは、第1端子T1及び第2端子T2側から入力される直流を交流に変換し、トランス11を介して第2回路2で交流を直流に変換して出力側の第3端子T3、第4端子T4側へ直流電力を供給する。第1端子T1、第2端子T2は外付けされる電源からの電力が入力される入力端子であり、第3端子T3、第4端子T4は、外付けされる負荷等に接続される出力端子である。
第1回路1は、スイッチ素子Q1、Q2を上、下アームとする第1レグ12と、スイッチ素子Q3、Q4を上、下アームとする第2レグ13とが並列に接続される。スイッチ素子Q1には並列に一方向性素子としてのダイオードD1とコンデンサC1とが接続され、これをスイッチング素子S1とする。同様に、スイッチ素子Q2、Q3、Q4には並列に一方向性素子としてダイオードD2、D3、D4とコンデンサC2、C3、C4とがそれぞれ接続され、これらをスイッチング素子S2、S3、S4とする。第1回路1は、第1レグ12の上、下アームのスイッチ素子Q1、Q2と第2レグ13の下、上アームのスイッチ素子Q4、Q3とを、すなわちスイッチ素子Q1とQ4又はスイッチ素子Q2とQ3とを、それぞれ組として動作する。図1では、第1回路1のそれぞれ組となる一方のスイッチ素子を第1レグ12の上下アームを構成するスイッチ素子Q1とQ2とし、第1回路のそれぞれ組となる他方のスイッチ素子を第2レグ13の上下アームを構成するスイッチ素子Q3とQ4としている。ここでは、一例として、この組となるスイッチ素子Q1とQ4又はQ2とQ3とが同時にオン状態にあるときに、他方のスイッチ素子Q3又はQ4は、一方のスイッチ素子Q1又はQ2よりも先にオフする。
第2回路2は、一方向性素子としてダイオードD5、D6を上、下アームとする第3レグ14と、一方向性素子としてダイオードD7、D8を上、下アームとする第4レグ15とが並列に接続される。第3レグ14もしく第4レグ15の上下アーム又は第3レグ14、第4レグ15の上アーム同士もしくは下アーム同士を構成する一方向性素子にそれぞれ並列にスイッチ素子が接続される。図1では、第3レグ14の上、下アームは、一方向性素子としてダイオードD5、D6にそれぞれ並列にスイッチ素子Q5、Q6が接続され、さらにこれらに並列にコンデンサC5、C6が接続されたスイッチング素子S5、S6で構成されている。なお、ここでは、一方向性素子D7、D8は、ダイオードを用いているが、スイッチング素子S5、S6と同様のスイッチング素子を用いてもよい。
トランス11は、1次巻線11a側に第1回路1が接続され、2次巻線11b側に第2回路2が接続される。1次巻線11aは、第1回路1の第1レグ12の上下アームを構成するスイッチング素子S1とS2との接続点側と第1回路1の第2レグ13の上下アームを構成するスイッチング素子S3とS4との接続点側とにそれぞれ接続される。2次巻線11bは、第2回路2の第3レグ14の上下アームを構成するスイッチング素子S5とS6との接続点側と第2回路2の第4レグ15の上下アームを構成する一方向性素子D7とD8との接続点側とにそれぞれ接続される。
インダクタンス手段Lは、1次巻線11a側又は2次巻線11b側に接続される。図1では、インダクタンス手段Lは、トランス11の1次巻線11aを介して、第1レグ12の上、下アームの接続点側と第2レグ13の上、下アームの接続点側とに接続される。インダクタンス手段L1を2次巻線11b側に接続させる場合は、2次巻線11bを介して、第3レグ14の上下アームのスイッチング素子S5、S6が直列に接続される接続点側と第4レグ15の一方向性素子D7、D8が直列に接続される他方の接続点側とに接続される。つまり、インダクタンス手段Lは、1次巻線11a又は2次巻線11bと直列に接続される。また、図1では、インダクタンス手段Lの一端が第1レグ12の上、下アームの接続点側に、他端がトランス11の1次巻線11a側に接続されているが、インダクタンス手段Lの一端を第2レグ13の上、下アームの接続点側に、他端をトランス11の1次巻線11a側に接続させてもよい。インダクタンス手段Lが2次巻線11bを介して接続される場合も同様である。なお、インダクタンス手段Lは、少なくとも1次巻線11a又は2次巻線11bに直列接続させればよいので、1次巻線11aと2次巻線11bの双方に直列接続させてもよい。また、インダクタンス手段Lは、その一部または全部がトランスの漏れインダクタンスであってもよい。
図1では、コンデンサ16は第1端子T1、第2端子T2の間に接続され、第1端子T1、第2端子T2から第1回路1には直流電圧が入力される。また、コンデンサ17は、第3端子T3、第4端子T4の間に接続され、直流電圧が第3端子T3、第4端子T4の間に出力される。第3端子T3、第4端子T4は、外付けされる負荷等に接続される出力端子である。
制御対象を検出する制御対象検出手段として、関連形態のコンバータでは、図1に示した電圧検出手段18を備え、第3端子T3及び第4端子T4間に出力される第2回路2の出力電圧を検出し、出力電圧検出信号を制御回路3に入力する。ここでは、一例として、コンバータの制御対象を出力電圧とし、電圧検出手段18を用いているが、制御対象は出力電流もしくは出力電力又は入力側の電圧、電流、もしくは電力であってもよい。
制御対象を電流とする場合は、電流検出手段を備える。また、制御対象を電力とする場合は、電圧と電流をそれぞれ検出し、検出した電圧信号と電流検出信号とを乗算することにより、電力検出信号を求めることができる。
制御回路3は、上述の制御対象検出手段18によって検出したコンバータの制御対象検出値と予め定めた基準値との差分に対応する誤差増幅信号x0を求める。例えば、不図示のオペアンプなどの比較手段を用い、オペアンプの一端に予め定められた目標値である基準値を入力し、他端に電圧検出手段18の検出値を入力し、オペアンプから出力されるその差分値を誤差増幅信号x0として得る。
制御回路3は、スイッチ素子、ここでは、第1回路1のスイッチ素子Q1からQ4及び第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6に与える駆動信号を形成する。関連形態では、三角波状信号を用いて各スイッチング素子の駆動信号を形成する電圧モード制御について示す。制御回路3は、例えば不図示の三角波状信号形成回路によって、第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの一方のスイッチ素子用の第1の三角波状信号x1、第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの他方のスイッチ素子用の第2の三角波状信号x2、及び第2回路のスイッチ素子用の第3の三角波状信号x3を形成する。
制御回路3では、誤差増幅信号x0と第1の三角波状信号x1、第2の三角波状信号x2又は第3の三角波状信号x3とを比較する。誤差増幅信号x0が第1の三角波状信号x1と交わるときは、誤差増幅信号x0と第1の三角波状信号x1とに対応して第1回路1の組となる一方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させる。誤差増幅信号x0が第2の三角波状信号x2と交わるときは、誤差増幅信号x0と第2の三角波状信号x2とに対応して第1回路1の組となる他方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させる。誤差増幅信号x0が第3の三角波状信号x3と交わるときは、誤差増幅信号x0と第3の三角波状信号x3とに対応して第2回路2のスイッチ素子用の駆動信号をパルス幅変調させる。
次に、制御回路3が形成するスイッチ素子の駆動信号についてより詳しく説明する。図2は、3つの三角波状信号x1〜x3と誤差増幅信号x0との関係を示す波形図であり、横軸を時間、縦軸を信号レベルとする。信号レベルとしては、例えば、ここでは電圧値を用いる。
図2に示すように、第1の三角波状信号x1、第2の三角波状信号x2、第3の三角波状信号x3は、それぞれ直流電圧部分とその直流電圧部分に重畳された三角波電圧部分とからなる。第1の三角波状信号x1の最小値、最大値をp1n、p1x、第2の三角波状信号x2の最小値、最大値をp2n、p2x、第3の三角波状信号x3の最小値、最大値をp3n、p3xとする。ここでは、例として、第1の三角波状信号x1は、最小値p1n、最大値p1x、次の最小値p1nをつないだ三角波を用い、第2、第3の三角波状信号x2、x3についても同様である。スロープL11は、第1の三角波状信号x1の最大値p1xと最小値p1nとを結んだ傾きがある直線、スロープL12は、第1の三角波状信号x1の最小値p1nと最大値p1xとを結んだ傾きがある直線とする。スロープL2は、第2の三角波状信号x2の最小値p2nと最大値p2xとを結んだ傾きがある直線であり、スロープL3は、第3の三角波状信号x3の最小値p3nと最大値p3xとを結んだ傾きがある直線とする。
図2に示すように、信号レベルは、最低値0、第1、第2、第3の三角波状信号x1、x2、x3の順で大きくなる。つまり、最低値0、第1の三角波状信号x1の最小値p1n、最大値p1x、第2の三角波状信号x2の最小値p2n、最大値p2x、第3の三角波状信号x3の最小値p3n、最大値p3xの順で大きくなる。
第1の三角波状信号の最小値p1nから次の最小値p1nまで又は第1の三角波状信号の最大値p1xから次の最大値p1xまでの時間幅は、第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの一方のスイッチ素子の半周期と等しくする。第2、第3の三角波状信号についても同様に、第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの他方のスイッチ素子、第2回路のスイッチ素子の半周期と等しくする。
関連形態のコンバータは次の条件(1)〜(3)を兼ね備える。
条件(1)第1、第2、第3の三角波状信号x1、x2、x3それぞれの信号レベルは、三角波状信号x1、x2、x3の順で大きくなる。つまり、第2の三角波状信号を第1の三角波状信号よりも大きく、かつ、第3の三角波状信号を第2の三角波状信号よりも大きく設定する。
条件(2)第1、第2、第3の三角波状信号x1、x2、x3は重ならない。図2を例にすると、三角波状信号x1の最大値p1xより第2の三角波状信号x2の最小値p2nの方が大きく、三角波状信号x2の最大値p2xよりも第3の三角波状信号x3の最小値p3nの方が大きい。
条件(3)誤差増幅信号x0の変動する範囲に第1、第2、第3の三角波状信号x1、x2、x3が存在する。このため、誤差増幅信号x0は、同一時刻において、第1、第2、第3の三角波状信号x1、x2、x3のいずれか一つの三角波状信号と交わるときは、他の三角波状信号とは交わらない。
基本的には、制御回路3は、図2に示すように、誤差増幅信号x0と信号レベルの異なる3つの第1〜第3の三角波状信号x1、x2、x3とを比較する。誤差増幅信号x0が、第3の三角波状信号x3と交わり、この第3の三角波状信号x3よりも低い三角波状信号x1、x2と交わらない大きさとなる場合を、区間(1)とする。区間(1)では、誤差増幅信号x0と第3の三角波状信号x3とに対応して第2回路のスイッチ素子用の駆動信号をパルス幅変調させる。
誤差増幅信号x0が、第2の三角波状信号x2と交わり、三角波状信号x1、x3と交わらない大きさとなる場合を、区間(2)とする。区間(2)では、誤差増幅信号x0と第2の三角波状信号x2とに対応して第1回路の組となる他方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させる。
誤差増幅信号x0が、第1の三角波状信号x1と交わり、第2、第3の三角波状信号x2、x3と交わらない大きさとなる場合を、区間(3)とする。区間(3)では、誤差増幅信号x0と第3の三角波状信号x3とに対応して第1回路の組となる一方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させる。
次に、図1〜図5を用いて関連形態のコンバータの詳細な動作について説明する。
図3は、誤差増幅信号x0が第3の三角波状信号x3と交わる区間(1)の動作を説明するための図である。図4は、図2において、第2の三角波状信号x2と交わる信号レベルにある区間(2)の動作を説明するための図である。また、図5は、図2において、第1の三角波状信号x1と交わる信号レベルにある区間(3)の動作を説明するための図である。
図3〜図5において、(A)は第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6のそれぞれの駆動信号、(B)は第1回路1の他方の組となるスイッチ素子、ここでは第2レグ13のスイッチ素子Q3、Q4に与えられる駆動信号、(C)は第1回路1の組となる一方のスイッチ素子、ここでは第1レグ12のスイッチ素子Q1、Q2の駆動信号を、それぞれ同一の時間軸で示した波形図である。(A)のスイッチ素子Q5、Q6の駆動信号は、それぞれ(D)のスイッチ素子Q6の駆動信号と(E)のスイッチ素子Q5の駆動信号に振り分けられる。また、(B)のスイッチ素子Q3、Q4の駆動信号は、それぞれ(F)のスイッチ素子Q4の駆動信号と(G)のスイッチ素子Q3の駆動信号に振り分けられる。さらに、(C)のスイッチ素子Q1、Q2の駆動信号は、それぞれ(H)のスイッチ素子Q2の駆動信号と(I)のスイッチ素子Q1の駆動信号に振り分けられる。
ここでは、スイッチ素子Q1〜Q4の駆動信号はパルス幅制御、スイッチ素子Q5、Q6の駆動信号は位相シフト制御とする場合について説明する。図3〜図5において、鎖線a、bは、第3の三角波状信号x3の最大値p3xと最小値p3nとの間に位置させ、第3の三角波状信号の制限値とする。鎖線aは最小の場合は第3の三角波状信号x3の最大値p3xとし、鎖線bは最大の場合は第3の三角波状信号x3の最大値p3nとなる。スイッチ素子Q5、Q6の駆動信号は位相シフト制御を行うので、鎖線a、bは、第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6の位相シフト上限値、位相シフト下限値を決定し、鎖線a、b間は、第2回路2のスイッチ素子の駆動信号が位相シフトする範囲となる。鎖線cは、第2の三角波状信号x2の最大値p2xと最小値p2nとの間に位置し、第1回路の組となる他方のスイッチ素子Q3又はQ4のパルス幅の上限値(最大パルス幅)を決定する。
鎖線dは第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6の動作停止レベルを示し、誤差増幅信号x0が鎖線dを下回るときにはスイッチ素子Q5、Q6をオフのままの状態に保持する。鎖線eは、第1の三角波状信号x1の最大値p1xと最小値p1nとの間に位置し、第1レグ12のスイッチ素子Q1、Q2のパルス幅の上限値(最大パルス幅)を決定する。
第1の三角波状信号x1の最大値p1xから次の最大値p1xまでの幅を第1回路1の組となる一方のスイッチ素子の半周期とする。これは、第1の三角波状信号x1の最小値p1nから次の最小値p1nであってもよい。第2の三角波状信号x2は、他方のスイッチ素子Q3、Q4の駆動信号を形成するためのもので、第2の三角波状信号x2と誤差増幅信号x0又は第2の三角波状信号x2の制限値となる鎖線cとに対応して定まる第1回路1の他方のスイッチ素子Q3、Q4の駆動信号を第1の三角波状信号x1と第1の三角波状信号の制限値である波線eとに対応して定まる第1回路1の一方のスイッチ素子Q1、Q2の駆動信号よりも先にオフさせる。また、第3の三角波状信号x3は、第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6用の駆動信号を形成するためのもので、第3の三角波状信号x3と誤差増幅信号x0又は第3の三角波状信号の制限値となる波線aとに対応して定まるスイッチ素子Q6(又はQ5)をオン状態とする駆動信号を第1の三角波状信号x1及び第2の三角波状信号x2によって定まる第1回路1の一方のスイッチ素子Q1(又はQ2)及び他方のスイッチ素子Q4(又はQ3)の駆動信号が共にオン状態となる駆動信号のときに与える。
[誤差増幅信号x0が第3の三角波状信号x3と交わる区間(1)の動作]
第3、第4端子T3とT4との間の出力電圧(制御対象)が低下することによって、誤差増幅信号x0が大きくなり、図3に示すように誤差増幅信号x0が第3の三角波状信号x3と交わった状態にあるとする。この状態では、誤差増幅信号x0は、第1の三角波状信号x1の制限値(最大パルス幅)を示す鎖線e及び第2の三角波状信号x2の制限値(最大パルス幅)を示す鎖線cを超えている。
制御回路3は、図3(C)に示す組となる一方のスイッチ素子Q1、Q2の駆動信号を、第1の三角波状信号x1と鎖線eとの交点で定まる最大パルス幅で制御する。スイッチ素子Q1、Q2の駆動信号のオンのタイミングをスロープL11と鎖線eの交点から定まる時点とし、オフのタイミングをスロープL12と鎖線eの交点で定まる時点とする。スイッチ素子Q1、Q2が共にオフするデッドタイムは、スロープL12と鎖線eの交点で定まる時点からスロープL11と鎖線eの交点で定まる時点までとする。このスイッチ素子Q1、Q2のデッドタイムは、スイッチ素子Q1とQ2とが同時に導通するのを防止することができる期間とする。図3(C)の駆動信号は、(H)スイッチ素子Q1と(I)スイッチ素子Q2の駆動信号にそれぞれ振り分けられる。
制御回路3は、図3(B)に示す組となる他方のスイッチ素子Q3、Q4の駆動信号がオフするタイミングを、第2の三角波状信号x2と鎖線cとの交点で決定する。ここでは、スイッチ素子Q3、Q4の駆動信号がオンするタイミングは、第2の三角波状信号x2の最小値p2nとなる時点としている。また、オフするタイミングは、スロープL2と第2の三角波状信号の制限値である鎖線cとの交点で定まる時点となるので、このときのパルス幅は、スイッチ素子Q3、Q4の最大パルス幅となる。図3(B)の駆動信号は、(G)スイッチ素子Q3と(F)スイッチ素子Q4の駆動信号としてそれぞれ振り分けられる。
制御回路3は、第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6を一定幅のパルスで位相シフトさせる制御を行う。スイッチ素子Q5、Q6の駆動信号は、一定幅のパルスを、誤差増幅信号x0と第3の三角波状信号x3とが交わる時点でオフさせるタイミングを定めることで位相シフト量が決定する。図3では、誤差増幅信号x0が、スロープL3と交わる時点t1、t2で、図3(A)スイッチ素子Q5、Q6の駆動信号をオフさせる。図3(A)の駆動信号は、(D)スイッチ素子Q6と(E)スイッチ素子Q5の駆動信号にそれぞれ振り分けられる。時刻t1で、オン状態の(E)スイッチ素子Q5の駆動信号がオフすると、予め決められたデッドタイムの後に(D)スイッチ素子Q6の駆動信号がオンする。同様に、時刻t2で、オン状態の(D)スイッチ素子Q6の駆動信号がオフすると、予め決められたデッドタイムの後に(E)スイッチ素子Q5の駆動信号がオンする。なお、スイッチ素子Q5、Q6が共にオフするデッドタイムは、スイッチ素子Q5とQ6が同時に導通することを防止することができる期間とする。
位相シフトの変動量は、スロープL3と交わる誤差増幅信号x0が、鎖線aと一致する場合に最大(位相シフト上限値)、鎖線bと一致する場合に最小(位相シフト下限値)とし、この最大値から最小値の間をシフトさせる。なお、誤差増幅信号x0が、鎖線aよりも大きい場合は位相シフト上限値でパルス制御をし、誤差増幅信号x0が、鎖線bよりも低く、鎖線dよりも高いときは、位相シフト下限値のパルス制御をする。
誤差増幅信号x0の値が大きくなるほどスロープL3と交わる点が図3の右側の方向となり、スイッチ素子Q5、Q6の駆動信号は図3の右方向にシフトする。よって、スイッチ素子Q6のオン期間は、スイッチ素子Q2とQ3とが同時にオンする期間と一致する時間が長くなる。同様に、スイッチ素子Q5のオン期間は、スイッチ素子Q1とQ4とが同時にオンする期間と一致する時間が長くなる。
ここで、区間(1)の動作について詳しく述べる。図3(H)、(F)に示すように、第1回路1の組となる一方のスイッチ素子Q1と他方のスイッチ素子Q4とに共にオン信号が与えられている状態から、他方のスイッチ素子Q4を先にオフし、その後に、一方のスイッチ素子Q1を後からオフさせる。同様に、図3(I)、(G)に示すように、第1回路1の組となる一方のスイッチ素子Q2と他方のスイッチ素子Q3とに共にオン信号が与えられている状態から、他方のスイッチ素子Q3が先にオフし、その後に、一方のスイッチ素子Q2を後からオフさせる。
第2回路2のスイッチ素子Q6又はQ5は、第1回路1の組となるスイッチ素子Q1、Q4又はスイッチ素子Q2、Q3が共にオン状態にあるときに順方向に導通させる。図3に示すように、(H)、(F)のスイッチ素子Q1、Q4又は(I)、(G)スイッチ素子Q2、Q3にオン信号の与えられる期間に、(D)スイッチ素子Q6又は(E)スイッチ素子Q5にオン信号が与えられる。このため、トランス11の2次側では、2次巻線11bが短絡状態となり、第1端子T1、第2端子T2側から入力されるエネルギーがインダクタンス手段Lに蓄積される。この動作は、スイッチ素子Q1、Q4又はスイッチ素子Q2、Q3に共にオン信号が与えられている期間に、スイッチ素子Q6又はQ5のオン信号をオフさせることによって終了する。したがって、(D)スイッチ素子Q6又は(E)スイッチ素子Q5の駆動信号が、図3において右方向にシフトすると、つまり誤差増幅信号x0が大きくなるほど、インダクタンス手段Lにエネルギーを蓄える期間が長くなるのでインダクタンス手段Lに蓄えられるエネルギーが大きくなる。
次に、誤差増幅信号x0と第3の三角波状信号x3とが交わる時刻で、スイッチ素子Q6又はQ5がオフすると、インダクタンス手段Lに蓄えられたエネルギーは、一方向性素子D5、D8又は一方向性素子D6、D7を通して第3端子T3、第4端子T4側に供給される。このとき、第2回路2は、一方向性素子D5〜D8のフルブリッジ整流回路として機能する。
以上のことから、区間(1)では、誤差増幅信号x0が大きくなるほど、スイッチ素子Q1、Q4又はスイッチ素子Q2、Q3の駆動信号が共にオン信号のときに、スイッチ素子Q6又はQ5の駆動信号のオン状態が長くなるため、インダクタンス手段Lにエネルギーを蓄える期間が長くなり、コンバータの出力電圧の上昇率が大きくなる。
一方、区間(1)において、出力電圧の上昇に伴い誤差増幅信号x0の値が小さくなっていくと、スイッチ素子Q5又はQ6の駆動信号が図3左方向にシフトし、組となるスイッチ素子Q1、Q4又はQ2、Q3が同時に順方向に導通しているときに、スイッチ素子Q6又はQ5が順方向に導通状態となる期間が短くなる方向に変化する。区間(1)の動作で、第3端子T3、第4端子T4の間の出力電圧が上昇して目標値方向に向かうに従って、誤差増幅信号x0が小さくなって鎖線bを下回り、誤差増幅信号x0は、第2の三角波状信号x2と交わる信号レベルまで低下すると次の区間(2)の動作に切り替わる。
[誤差増幅信号x0が第2の三角波状信号x2と交わる区間(2)の動作]
誤差増幅信号x0が、図4に示す第2の三角波状信号x2と交わる信号レベルまで低下したものとする。この状態では、誤差増幅信号x0は、第1の三角波状信号x1の制限値(最大パルス幅)を示す鎖線eを超えており、かつ第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6の動作停止レベルを示す鎖線dよりも上にある。
制御回路3は、組となる一方のスイッチ素子Q1、Q2の駆動信号を区間(1)と同様に最大パルス幅で動作させる。また、誤差増幅信号x0は、鎖線dよりも上方であるが第3の三角波状信号の最小制限値を示す鎖線bよりも下方にあるので、制御回路3はスイッチ素子Q5、Q6を第3の三角波状信号と鎖線bとの交点によって定まるタイミングでオフさせる最小の位相シフトで制御する。
組となる他方のスイッチ素子Q3、Q4の駆動信号は、誤差増幅信号x0が、第2の三角波状信号x2の最小値p2nから最大値p2xを結ぶスロープL2と交わる時点t3、t4でオフさせる。スイッチ素子Q3、Q4の駆動信号がオンするタイミングは、第2の三角波状信号x2の最小値p2nとなる時点とし、オフするタイミングを変動させてパルス幅を制御する。誤差増幅信号x0が低くなるにつれて、スイッチ素子Q3、Q4がオフするタイミングは、図4の左側にずれる。誤差増幅信号x0が、第2の三角波状信号x2の制限値である鎖線cと交わるタイミングでオフしたときのパルス幅を最大パルス幅とし、誤差増幅信号x0が鎖線cを超えるときも、スイッチ素子Q3、Q4は最大パルス幅で動作させる。
区間(2)では、第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6は、最小の位相シフトで交互にオンオフし、スイッチ素子Q5、Q6を逆方向に電流が流れる期間にオンさせて同期整流させている。ダイオードD5、D6よりも導通損の小さいスイッチ素子Q5、Q6を導通させることにより、導通損失を低減できる。なお、区間(2)では、スイッチ素子Q5又はQ6に、駆動信号を与えないでオフ状態としてもよい。
前述したように、区間(2)では、誤差増幅信号x0が低くなるにつれて、スイッチ素子Q3、Q4それぞれの駆動信号のパルス幅が狭くなる。このため、第1端子T1と第2端子T1側から供給される入力電力が、スイッチ素子Q1、Q4又はスイッチ素子Q2、Q3を介して、第2回路側に供給される電力量が減少することになる。誤差増幅信号x0の大きさに従ってこのコンバータの出力電圧を制御し、出力電圧を上昇させるが、区間(2)における出力電圧の上昇率は区間(1)に比べて小さい。
制御回路3は、出力電圧の更なる上昇に伴って、誤差増幅信号x0が第2の三角波状信号x2の信号レベルよりも下側で、かつ第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6の動作停止レベルを示す鎖線dよりも下側まで低下すると、下記区間(3)の制御動作に自動的に切り替わる。
[誤差増幅信号x0が第1の三角波状信号x1と交わる区間(3)の動作]
図5に示すように、誤差増幅信号x0が第1の三角波状信号x1と交わった状態にあるとする。この状態では、誤差増幅信号x0は、第1の三角波状信号x1の制限値である鎖線eよりも下側にある。このため、制御回路3は、組となる他方のスイッチ素子Q3、Q4及び第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6をオンオフ動作させずに停止状態とし、組となる一方のスイッチ素子Q1、Q2だけを制御する。
誤差増幅信号x0が第1の三角波状信号x1と交わる時点で、組となる一方のスイッチ素子Q1、Q2のオン、オフのタイミングを決定する。例えば、図5に示す時点t5、t6は、スイッチ素子Q1のオン、オフ時点を、時点t7、t8はスイッチ素子Q2のオン、オフ時点をそれぞれ示すものとする。この区間(3)では、組となる一方のスイッチ素子Q1、Q2だけがパルス幅制御で交互にオンオフ動作を繰り返し、スイッチ素子Q1又はQ2がオンの期間に、インダクタンス手段Lと各部容量との共振によって、入力電源からのエネルギーが出力に供給される。
この区間(3)では、誤差増幅信号x0が小さくなるほど、スイッチ素子Q1、Q2の駆動信号のパルス幅が狭くなり、コンバータの出力端子である第3端子T3、第4端子T4に供給される電力は低下する。スイッチ素子Q1、Q2の駆動信号のパルス幅をゼロにすると、トランス11の2次巻線11bから第3端子T3、第4端子T4側に供給される電力をほぼゼロの無負荷状態にできる。軽負荷からほぼ無負荷状態となる区間(3)では、出力電圧の上昇率が前記区間(1)、区間(2)に比べて非常に小さい。
上述では、誤差増幅信号x0が小さくなる場合の動作について説明したが、これとは逆に、区間(3)において、コンデンサ17の両端の電圧が降下することによって誤差増幅信号x0が大きくなる方向に変化すると、制御回路3は組となる一方のスイッチ素子Q1、Q2の駆動信号のパルス幅を広くして行く。さらに第3端子T3、第4端子T4側電圧が低下し、誤差増幅信号x0が大きくなって、誤差増幅信号x0が第2の三角波状信号x2に交わる信号レベルになると、区間(2)に切り替わる。さらに、誤差増幅信号x0が第3の三角波状信号x3に交わる信号レベルになると、区間(1)の動作に切り替わる。
以上で説明したように、この関連形態のコンバータは、第3端子T3、第4端子T4間の出力電圧の大きさによって、区間(1)〜区間(3)の制御動作のいずれかに自動的に切り替わって動作するので、昇圧回路及び切り替え回路などを用いることなく、第3端子T3、第4端子T4間の出力電圧の上昇率を自動的に変えて短時間で出力電圧を目標値に近づけることができ、広範囲の出力電圧に対応できる。
例えば、このコンバータが太陽光発電などに用いられる場合には、太陽光発電による第1端子T1、第2端子T2に入力される電圧を制御するのにも有効である。この場合には、図示しないが、太陽光発電装置が接続される第1端子T1、第2端子T2間の電圧を検出する電圧検出手段を別途備える。この電圧検出手段で第1端子T1、第2端子T2間の電圧を検出し、その電圧検出値と第1端子T1、第2端子T2間の目標電圧に対応する基準値とを比較して、誤差増幅信号x0を得る。この誤差増幅信号x0と前記第1〜第3の三角波状信号x1〜x3とを比較し、前述したように区間(1)〜(3)の電圧モード制御を行うことによって、第1端子T1、第2端子T2間の制御対象となる電圧の上昇率を自動的に変えて、それらをその目標電圧に近づけることが可能である。制御回路3は、制御対象が第3端子T3、第4端子T4間の電圧のときには電圧検出手段18の電圧検出信号を利用し、制御対象が第1端子T1、第2端子T2間の電圧のときには前記別途備えた電圧検出手段の電圧検出信号を利用して、前述した誤差増幅信号x0を得る。
関連形態のコンバータでは、誤差増幅信号x0が鎖線dで示すスイッチ素子Q5、Q6の動作停止レベルよりも低くなると、制御回路3はスイッチ素子Q5、Q6に駆動信号を与えず、第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6をオフ状態、つまり動作停止状態にしているが、前記動作停止レベルを設けずにオンオフ動作をさせても構わない。また、上述の関連形態の区間(1)、(2)において、一例として、スイッチ素子Q3、Q4の駆動信号がオンするタイミングを、第2の三角波状信号x2の最小値p2nとなる時点としているが、組となる一方のスイッチ素子Q2又はQ1と同時にオン状態になる期間を実現できればよい。
上述のように、関連形態のコンバータは、信号レベルの異なる第1〜第3の三角波状信号x1〜x3と誤差増幅信号x0とを比較することにより、簡潔な回路構成で、スイッチ素子に与える駆動信号を形成して各スイッチ素子の動作を切替えることで、広範囲な入出力の電圧、電流、電力を実現できる。
(関連形態のコンバータの課題)
関連形態のコンバータは、上記条件(2)と(3)により各三角波信号を図2のように配置していた。このため、誤差増幅信号x0のレベルが上昇し、誤差増幅信号x0が第2の三角波信号x2と交わる区間(2)から第3の三角波信号x3と交わる区間(3)へ移行するときに、コンバータの出力電力が上昇しない時間が存在していた。このときの動作を図8から図15で説明する。図8から図15には、誤差増幅信号x0、第2の三角波信号x2、及び第3の三角波信号x3を示し、誤差増幅信号x0のレベルによる各スイッチ素子の駆動信号とコンバータが出力する電力のイメージのタイミングを示している。なお、図8から図15では、第2の三角波信号x2の最大値と第3の三角波信号x3の最小値のレベルが一致するように第3の三角波信号x3のレベルを最も下げている。
図8から図10は、誤差増幅信号x0が第2の三角波状信号x2と交わる区間(2)の動作である。図8から図10にかけて誤差増幅信号x0のレベルが上昇し、それに伴ってスイッチ素子Q3とQ4がオン状態の時間が延びている。このためスイッチ素子Q1とQ4が重複してオンとなる時間及びスイッチ素子Q2とQ3が重複してオンとなる時間が延び、第1端子T1と第2端子T2側から供給され、インダクタンス手段Lを介して第2回路側に供給される電力量が増加していく。
図11は、誤差増幅信号x0が第2の三角波状信号x2の最大値と交わるときの動作である。このときにスイッチ素子Q3とQ4がオン状態となる時間が最大となり、第1端子T1と第2端子T2側から供給され、インダクタンス手段Lを介して第2回路側に供給される電力量も最大となる。また、このときから誤差増幅信号x0が第3の三角波状信号x3の最小値と交わるため、このときからスイッチ素子Q5とQ6をオン状態とする駆動信号の位相が変化し始める。
図12から図15は、誤差増幅信号x0が第3の三角波状信号x3と交わる区間(1)の動作である。誤差増幅信号x0と第3の三角波状信号x3の登りスロープと交わる点に基づきスイッチ素子Q5とQ6をオン状態とする駆動信号の位相が変化する。ここで、本実施形態のコンバータは、特許文献8の発明を取り込んでいるために第2の三角波状信号x2と第3の三角波状信号x3との位相を若干ずらしている。このため、図12の時点ではスイッチ素子Q5がオン状態の時間とスイッチ素子Q2及びQ3がオン状態となる時間ないしスイッチ素子Q6がオン状態の時間とスイッチ素子Q1及びQ4がオン状態となる時間との重複時間が無く、インダクタンス手段Lにエネルギーが蓄積されない。従って、図12の時点では、誤差増幅信号x0のレベルが上昇しているにもかかわらず第2回路から出力される電力は図11の状態が維持され、増加しないという現象が発生する。
図13は、誤差増幅信号x0のレベルがさらに上昇し、スイッチ素子Q5とQ6をオン状態とする駆動信号の位相が移動して前記重複時間が発生し始める時点の図である。前記重複時間が発生するのでインダクタンス手段Lにエネルギーが蓄積し、第2回路から出力される電力が増大する。図14と図15は、誤差増幅信号x0のレベルがさらに上昇するに伴い、前記重複時間が長くなることを説明している。そして、前記重複時間が長くなるに伴い、インダクタンス手段Lに蓄積されるエネルギーも増加するので、第2回路から出力される電力が増大する。
図16は、関連形態のコンバータにおいて、誤差増幅信号x0のレベルに対し、第2回路から出力される電力を説明した図である。図16において、縦軸は誤差増幅信号x0のレベルであり、横軸は第2回路から出力される電力である。図16において、(A)から(H)はそれぞれ図8から図15の状態における縦軸は誤差増幅信号x0のレベルと第2回路から出力される電力の値をプロットした点である。このように関連形態のコンバータは、誤差増幅信号x0が8.2E−6から9.5E−6のレベルで変動したとしても出力電力が3.8kWに維持され、応答速度の低下が発生することになる。
(第1の実施形態)
本実施形態のコンバータは、上記関連形態のコンバータの応答速度低下という課題に対し、第2の三角波状信号x2と第3の三角波状信号x3とを一部重複させることとしている。本実施形態のコンバータの電気回路図は図1と同じである。しかし、制御回路3が、「第2の三角波状信号x2の平均信号レベルが第1の三角波状信号x1の平均信号レベルよりも大きく、第3の三角波状信号x3の平均信号レベルが第2の三角波状信号の平均信号レベルよりも大きく、第2の三角波状信号x2の最大信号レベルが第3の三角波状信号x3の最小信号レベルよりも大きくなるように、且つ前記誤差増幅信号が変動する範囲に前記第1、第2及び第3の三角波状信号が存在するように形成(条件(4))」していることが上記関連形態のコンバータとの相違点である。
特に、制御回路3は、前記誤差増幅信号が第2の三角波状信号x2の最大値と交わるときに第2回路のスイッチ素子(Q5又はQ6)をオフするタイミングが第1回路の一方のスイッチ素子(Q2又はQ1)用の駆動信号をオフするタイミングと同時又は以降となるように、第2の三角波状信号x2の最大信号レベルが第3の三角波状信号x3の最小信号レベルよりも大きく設定することが好ましい。
本実施形態のコンバータの動作を図17から図21で説明する。図17から図21には、誤差増幅信号x0、第2の三角波信号x2、及び第3の三角波信号x3を示し、誤差増幅信号x0のレベルによる各スイッチ素子の駆動信号とコンバータが出力する電力のイメージのタイミングを示している。
図17から図20は、誤差増幅信号x0が第2の三角波状信号x2と交わる区間(2)の動作である。図17から図20にかけて誤差増幅信号x0のレベルが上昇し、それに伴ってスイッチ素子Q3とQ4がオン状態の時間が延びている。このためスイッチ素子Q1とQ4が重複してオンとなる時間及びスイッチ素子Q2とQ3が重複してオンとなる時間が延び、第1端子T1と第2端子T2側から供給され、インダクタンス手段Lを介して第2回路側に供給される電力量が増加していく。そして、図20は、誤差増幅信号x0が第2の三角波状信号x2の最大値と交わるときの動作である。このときにスイッチ素子Q3とQ4がオン状態となる時間が最大となり、第1端子T1と第2端子T2側から供給され、インダクタンス手段Lを介して第2回路側に供給される電力量も最大となる。
その一方で図18の時点で、誤差増幅信号x0が第3の三角波状信号x3の最小値と交わるため、このときからスイッチ素子Q5とQ6をオン状態とする駆動信号の位相が変化し始める。つまり、図18から図20は、誤差増幅信号x0が第2の三角波状信号x2と交わる区間(2)の動作と誤差増幅信号x0が第3の三角波状信号x3と交わる区間(1)の動作が同時に行われる区間である。
本実施形態のコンバータは、特許文献8の発明を取り込んでいるために第2の三角波状信号x2と第3の三角波状信号x3との位相を若干ずらしている。このため図18から図20での区間(1)の動作では、スイッチ素子Q5がオン状態の時間とスイッチ素子Q2及びQ3がオン状態となる時間ないしスイッチ素子Q6がオン状態の時間とスイッチ素子Q1及びQ4がオン状態となる時間との重複時間が無く、インダクタンス手段Lにエネルギーが蓄積されない。しかし、図18から図20では区間(2)の動作も同時に行われるため、誤差増幅信号x0のレベルの上昇とともにスイッチ素子Q3とQ4がオン状態となる時間が長くなり、第1端子T1と第2端子T2側から供給され、インダクタンス手段Lを介して第2回路側に供給される電力量も増加する。
図20以降(図21)では区間(2)の動作が終了し、誤差増幅信号x0のレベルが上昇してもスイッチ素子Q3とQ4がオン状態となる時間は長くならず、第1端子T1と第2端子T2側から供給され、インダクタンス手段Lを介して第2回路側に供給される電力量は増加しない。しかし、図20以降(図21)では区間(1)の動作で前記重複時間が発生しており、誤差増幅信号x0のレベルがさらに上昇するに伴い、前記重複時間が長くなる。このため、前記重複時間が長くなるに伴い、インダクタンス手段Lに蓄積されるエネルギーも増加するので、第2回路から出力される電力が増大する。
図22は、本実施形態のコンバータにおいて、誤差増幅信号x0のレベルに対し、第2回路から出力される電力を説明した図である。図22において、縦軸は誤差増幅信号x0のレベルであり、横軸は第2回路から出力される電力である。図22において、(A)か(E)はそれぞれ図17から図22の状態における縦軸は誤差増幅信号x0のレベルと第2回路から出力される電力の値をプロットした点である。また、図22において、関連形態のコンバータの出力を破線で示している。本実施形態のコンバータは、図16で説明した関連形態のコンバータと異なり、誤差増幅信号x0の変動に応じて出力電力も変動しており、応答速度の低下は認められない。
なお、本実施形態では三角波状信号x3の最小値となる所でスイッチ素子Q5とQ6の位相シフト量が最小値となり、三角波状x2の最大値の所でスイッチ素子Q3とQ4のパルス幅が最大となる場合で説明している。本発明に係るコンバータは、上記動作以外にも、関連形態のコンバータの図3〜図5で説明したように、鎖線bでスイッチ素子Q5とQ6の位相シフト量が最小値となり、鎖線cでスイッチ素子Q3とQ4のパルス幅が最大となるように決定しても同様の効果が得られる。
(第2の実施形態)
図6に、本発明の第2の実施形態に係る電圧モード制御を行う双方向のコンバータの電気回路図を示す。図6の双方向のコンバータは、第1回路1側から入力される電力を第2回路2側に供給する(順方向給電)動作と、第2回路2側から入力される電力を第1回路1側に供給する(逆方向給電)動作とを実現する。前者の動作は、第1の実施形態において説明しているため説明を省略する。以下では、主に第1の実施形態に係るコンバータと異なる構成及び電圧モード制御について説明する。
図6に示す双方向コンバータでは、第1端子T1と第2端子T2との間の電圧を検出する電圧検出手段19を備え、第1端子T1と第2端子T2との間の電圧に対応する電圧検出信号を制御回路3に与える。第2の実施形態では、電圧検出手段18を第1の電圧検出手段とし、電圧検出手段19を第2の電圧検出手段とする。
第1回路1の第1レグ12、第2レグ13は、第1の実施形態の図1に示す回路構成と同様である。第2回路2の第3レグ14の上下アームは、図1の回路構成と同様に、スイッチQ5、Q6にそれぞれ並列にダイオードD5、D6及びコンデンサC5、C6が並列に接続されたスイッチ素子S5、S6を用いる。また、第4レグ15の上下アームは、スイッチ素子Q7、Q8にそれぞれ並列にダイオードD10、D11及びコンデンサC7、C8が並列に接続されたスイッチ素子S7、S8を用いる。
制御回路3は、一例として、第3端子T3、第4端子T4間の電圧を制御対象とする場合に、順方向給電では第1の電圧検出手段18からの電圧検出信号を使用し、第1端子T1、第2端子T2間の電圧を制御対象とする場合に、逆方向給電では第2の電圧検出手段19からの電圧検出信号を使用する。
順方向給電では、第2回路2の第3レグ14もしくは第4レグ15の上下アーム又は第3レグ、第4レグの上アーム同士もしくは下アーム同士を構成するスイッチ素子Q5からQ8のいずれかを制御する。ここでは、第1の実施形態のコンバータと同様に、第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6を位相シフト制御するものとする。
次に、逆方向給電について説明する。第1端子T1、第2端子T2間の電圧を制御対象とする場合、制御回路3は、電圧検出手段19からの電圧検出信号に応じてスイッチング素子S8〜S3を制御する。逆方向給電では、第1の実施形態におけるトランス11の1次巻線11aの役割を2次巻線11bが行い、2次巻線11bの役割を1次巻線11aが行う。また、第1回路1のスイッチング素子S1、S2を第2回路2のスイッチング素子S7、S8に読み替え、同様に、第1回路1スイッチング素子S3、S4を2回路2のスイッチング素子S5、S6、第2回路2のスイッチング素子S5、S6を第1回路1スイッチング素子S3、S4にそれぞれ読み替える。さらに、電圧検出手段18を、第2の電圧検出手段19に読み替える。
逆方向給電では、誤差増幅信号x0は、例えば、第2の電圧検出手段19によって検出された第1端子T1、第2端子T2間の電圧の電圧検出値と第1端子T1、第2端子T2間の電圧の最大電圧値(目標値)に対応する基準値とを不図示のオペアンプなどの比較手段によって差分を増幅して得られる。制御回路3は、第1の実施形態で述べた条件(4)に基づき、第1の三角波状信号x1、第2の三角波状信号x2、第3の三角波状信号x3と誤差増幅信号x0とを比較してスイッチング素子S8〜S3を第1の実施形態と同様に制御する。したがって、第2回路2又は第1回路1は、第1の実施形態における第1回路1又は第2回路2と同様に動作する。
この双方向のコンバータにおいて、順方向給電又は逆方向給電において、第3端子T3、第4端子T4間の電圧を制御対象とする場合には、第1の電圧検出手段18の検出信号を用いればよく、第1端子T1、第2端子T2間の電圧を制御対象とする場合には、第2の電圧検出手段19の検出信号を用いればよい。
上述のように、第2の実施形態のコンバータは、信号レベルの異なる第1〜第3の三角波状信号x1〜x3と誤差増幅信号x0とを比較することにより、簡潔な回路構成で、スイッチ素子に与える駆動信号を形成して各スイッチ素子の動作を切替えることで、双方向に広範囲な入出力の電圧、電流、電力を実現できる。
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態では、出力電圧を検出して電圧モード制御を行うコンバータについて述べたが、本実施形態では、出力電流を検出して電流モード制御を行うコンバータについて説明する。このコンバータは、図7に示すように、制御対象となる第3端子T3、第4端子T4を通して流れる電流を検出するための第1の電流検出手段20を備える。また、第3の実施形態に係るコンバータでは、電流モード制御を行うため、第1回路1の第2レグ13のスイッチ素子Q4を通して流れる電流を検出する第2の電流検出手段21及び第2回路2のスイッチ素子Q6を通して流れる電流を検出する第3の電流検出手段22を備える。図7に示した第3の実施形態は、コンバータの制御対象を電流とし、電流モード制御を行うことから電流検出手段20〜22を備える点が、図1及び図6に示した、制御対象を電圧とし電圧モード制御を行う第1及び第2の実施形態のコンバータと異なる。
第3の実施形態において、第1回路1側から入力される電力を第2回路2側に供給する順方向給電の動作について説明する。コンバータの制御対象は、第3端子T3、第4端子T4からの出力電流とする。この場合、第1の電流検出手段20によって得られる出力電流の検出信号を電圧検出信号に変換し、例えば、不図示のオペアンプなどの比較手段によって、この電圧検出信号を出力電流目標値に対応する基準値と比較し、この差分を増幅して差動増幅信号を得る。この差動増幅信号を第1の実施形態で説明した差動増幅信号x0として用いる。
第2の電流検出手段21で検出されるスイッチング素子S4の電流検出信号は、対応する電圧信号に変換され、図2〜図5における第1回路1の組となる他方のスイッチ素子Q3、Q4用の第2の三角波状信号x2として用いる。ここで、第2の電流検出手段21で検出されるスイッチング素子S4を通して流れる電流は、インダクタンス手段Lにエネルギーを蓄積してから放出されるので、インダクタンス手段Lの両端電圧、インダクタンス値などで定まる傾きで上昇してから下降する三角波状の信号となる。ここでは、スイッチング素子S4を順方向に流れる三角波状の電流を第2の電流検出手段21で検出し、例えば抵抗、電流センサなどを利用して電圧信号に変換する。第2の電流検出手段21が微小の抵抗を有する場合には、三角波状の電流信号に対応する三角波状の電圧信号を直接得ることができる。この三角波状の電圧信号に適当な大きさの直流電圧を加算して得られる三角波状信号を、第2の三角波状信号x2として形成する。なお、第2の電流検出手段21で検出する電流は、スイッチング素子S4、スイッチング素子S3又はこれら両方のであってもよい。
第3の電流検出手段22に検出されたスイッチング素子S6を通して流れる電流の検出信号は、対応する電圧信号に変換され、図2〜図5における第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6用の第3の三角波状信号x3として用いる。ここでは、スイッチング素子S6を順方向に流れる電流を用いる。この電流は、スイッチング素子S3を順方向に流れる電流と同様に三角波状であり、この三角波状の電圧信号に適当な大きさの直流電圧値を加算して得られる三角波状信号を第3の三角波状信号x3とする。なお、第3の電流検出手段22で検出する電流は、スイッチング素子S5、スイッチング素子S6又はこれら両方のであってもよい。また、スイッチング素子S3〜S6を順方向に通して流れる電流には、スイッチ素子Q3〜Q6の他、並列に接続されたコンデンサC3〜C6、Ca〜Cdを充電する方向に流れる電流が含まれてもよいし、含まれないようにしてもよい。ここでは、スイッチング素子S3〜S6を順方向に流れる電流としたが、逆方向に流れる電流を含んでもよい。
次に、図2〜図5における第1回路1の一方のスイッチ素子Q1、Q2用の第1の三角波状信号x1の形成について述べる。関連形態で述べたように、区間(3)のときは、スイッチ素子Q1、Q2の駆動信号はパルス幅制御信号となる。第1回路1及び第2回路2を流れる電流は極めて少ないので、スイッチ素子Q1又はQ2を流れる電流を用いずに、関連形態の図2〜図5で示した第1の三角波状信号x1と同様に予め決めた三角波状信号を形成し、これを用いた電圧モード制御を行う。
第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、差動増幅信号x0、第1〜第3の三角波状信号x1、x2、x3についての条件(4)を満たすようにする。制御回路3は、差動増幅信号x0と第1〜第3の三角波状信号x1、x2、x3とを比較し、第1の実施形態と同様の動作を行う。ここでは、第3の実施形態において、上述の第1の実施形態とは異なる動作部分について主に説明する。
第3の実施形態において、誤差増幅信号x0が第3の三角波状信号x3と交わる区間(1)では、第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6は位相シフト制御を行う。第3の三角波状信号x3と誤差増幅信号x0とが交わる時点で、スイッチ素子Q5、Q6の駆動信号がオフするタイミングを決定する。スイッチ素子Q5、Q6がオフすると、第3の三角波状信号x3として用いるスイッチ素子Q5、Q6の電流はこのオフした時点で最大値となるので、第3の三角波状信号x3の最大値で誤差増幅信号x0と交わる。なお、関連形態や第1の実施形態の場合とは異なり、最大位相シフト、最小位相シフトを決定する値は、第3の三角波状信号x3を形成するスイッチ素子Q5、Q6の電流値以外の方法で定める。
第3の実施形態において、誤差増幅信号x0が第2の三角波状信号x2と交わる区間(2)では、第1回路1の組となる他方のスイッチ素子Q3、Q4はパルス幅制御を行う。
第2の三角波状信号x2と誤差増幅信号x0とが交わる時点で、スイッチ素子Q3、Q4の駆動信号がオフするタイミングが決定する。スイッチ素子Q3、Q4がオフすると、第2の三角波状信号x2として用いるスイッチ素子Q3、Q4の電流はこのオフした時点で最大値となるので、第2の三角波状信号x2の最大値で誤差増幅信号x0と交わる。なお、関連形態や第1の実施形態の場合とは異なり、最大パルス幅を決定する値は、第2の三角波状信号23を形成する組となる他方のスイッチ素子Q3、Q4の電流値以外の方法で定める。
第3の実施形態において、誤差増幅信号x0が第1の三角波状信号x1と交わる区間(3)では、関連形態と同様である。
第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に双方向に動作させることができる。この場合、第3の実施形態の第1回路1及び第2回路2は、図7と同様の回路構成とする。また、第2の実施形態と同様に、逆方向供給の場合の制御対象を検出する第2の検出手段を備える。上述のように、第3の実施形態のコンバータは、第1、第2の実施形態のコンバータと同様に、信号レベルの異なる第1〜第3の三角波状信号x1〜x3と誤差増幅信号x0とを比較することにより、簡潔な回路構成で、スイッチ素子に与える駆動信号を形成して各スイッチ素子の動作を切替えることで、広範囲な入出力の電圧、電流、電力を実現できる。双方向のコンバータについても同様に実現できる。
以上の説明では、制御対象が第3端子T3、第4端子T4間の電圧若しくは電流又は第1端子T1、第2端子T2間の電圧若しくは電流としたが、これらに限定されず、出力電圧、電流もしくは電力又は入力電圧、電流、もしくは電力のいずれかを用いることができる。
制御対象を、第3端子T3、第4端子T4間又は第1端子T1、第2端子T2間の電力とする場合には、第3端子T3、第4端子T4間の電圧の検出電圧信号と電流検出信号とを乗算し、又は第1端子T1、第2端子T2間の電圧の検出信号と電流の検出信号とを乗算して、第3端子T3、第4端子T4間又は第1端子T1、第2端子T2間の電力検出信号を求めることができる。制御回路3は、それぞれの電力検出信号と電力基準値とを比較して誤差増幅信号を求め、この誤差増幅信号と前述したような三角波状信号とを比較する。上述の区間(1)〜(3)の制御を切替えることにより、第3端子T3、第4端子T4間又は第1端子T1、第2端子T2間の電力を目標値に近づけることができる。よって、本発明のコンバータは広範囲の出力電力又は入力電力に対応できる。なお、双方向に動作させる場合についても同様に、制御対象は、順方向供給又は逆方向供給において、出力電圧、電流もしくは電力又は入力電圧、電流、もしくは電力のいずれかを採用でき、順方向、逆方向において同じ制御対象、例えば出力電圧同士、出力電流同士を用いなくてもよい。
以上の説明において、一例として、関連形態、第1の実施形態、及び第2の実施形態では、電圧モード制御を用いる場合、第3の実施形態では、電圧モード制御及び電流モード制御を用いる場合についてそれぞれ説明したが、これらに限定させるものではなく、電圧モード制御又は電流モード制御をそれぞれの場合において選択することができる。例えば、第3の実施形態のコンバータにおいて、出力電圧を検出して電流モード制御を行うことも可能である。一般的に、電圧モード制御はスイッチ素子等の電流を検出する必要がないため、電流モード制御に比べて制御回路を簡素化できる。他方、電流モード制御は、電圧モード制御に比べて制御が安定し易く、制御の応答をより高速にできる。
第1から第3の実施形態に係るコンバータにおいて、スイッチ素子Q1〜Q8に並列に接続されたダイオードD1〜D6、D10、D11及びコンデンサC1〜C8は、それぞれスイッチング素子S1〜S8の内蔵ダイオード、寄生容量としているが、外付けさせる部品であっても、これらを組み合わせたものであってもよい。また、スイッチング素子S1からS8は、例えばMOSFETなどの半導体素子を用いる。一方向性素子D7、D8としてスイッチング素子を用いる場合についても同様である。なお、この発明の基本的動作においては、コンデンサC1〜C8は必ずしも必要としない。
第1から第3の実施形態に係るコンバータにおいて、スイッチ素子に並列に接続しているコンデンサCa〜Cdは、本発明の必須の構成要素ではないが、これらに並列に接続されたスイッチング素子のターンオフ時におけるスイッチング損失の低減を図るのに有効である。コンデンサCa、Cbを組となるスイッチ素子のうち後からオフさせる他方のスイッチ素子Q3、Q4に並列に接続することにより、ターンオフ時におけるスイッチ素子Q3、Q4の両端電圧の上昇を緩やかにしてスイッチング損失を低減できる。同様にコンデンサCc、Cdを第2回路2のスイッチ素子Q5、Q6にそれぞれ並列することにより、スイッチング素子S5、S6のターンオフ時の損失を低減できる。これらのコンデンサCa〜Cdは、第2及び第3の実施形態に係るコンバータを双方向に動作させた場合にも用いることができる。
上述の実施形態において、駆動信号としては、スイッチング素子として用いる半導体素子の種類によって、オン信号、オフ信号を与えるものでもよい。また、オン時点からオフ時点まで継続してずっと信号を与えなくてもよく、例えば、トリガーとして短い時間の信号を与えるものであってもよく、特に限定されるものではない。
本発明の電気回路において、接続点とは電気的に接続されて同電位にある部位を言い、物理的に接続された点を言うものではない。また、本発明のコンバータ及び双方向コンバータにおける各部の構成、構造、数、配置、形状、材質などに関しては、上述の具体例に限定されず、当業者が適宜選択的に採用したものも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に包含される。
より具体的には、例えば、半導体素子として記号により例示したものなどは、これら特定の電気素子には限定されず、同様の機能または作用を有する単一の電気素子あるいは複数の電気素子を含む電気回路として構成することができ、これらすべての変形は、本発明の範囲に包含される。同様に、ダイオード、コンデンサ、スイッチング素子をはじめとする各回路素子の数や配置関係などについても、当業者が適宜設計変更したものは本発明の範囲に包含される。
本発明は、信号レベルの異なる三角波状信号と誤差増幅信号とを比較することにより、スイッチング素子を電圧モード制御又は電流モード制御し、前述した区間(1)〜(3)の動作を自動的に切り替えているので、簡潔な回路構成で、広範囲な入出力の電圧、電流、電力に対応できる。さらに、本発明は、第2の三角波状信号の上部と第3の三角波状信号の下部とを重複させ、第1回路のスイッチ素子の駆動信号のパルス幅と第2回路のスイッチ素子の駆動信号の位相を同時に変化させる区間があるため、区間(1)の制御と区間(2)の制御とが連続して行われ、出力を所定の値へと調整する際の応答速度の低下を防止できる。
T1〜T4・・・第1〜第4端子、 1・・・第1回路、 2・・・第2回路、3・・・制御回路、 11・・・トランス、 12〜15・・・第1〜第4レグ、16、17・・・コンデンサ、18、19・・・電圧検出手段、20、21、22・・・電流検出手段、S1〜S8・・・スイッチング素子、Q1〜Q8・・・スイッチ素子、D1〜D6、D10、D11・・・ダイオード(一方向性素子)、D7、D8・・・ダイオード(一方向性素子)、C1〜C8・・・コンデンサ、Ca〜Cd・・・第1〜第4コンデンサ、L・・・インダクタンス手段

Claims (8)

  1. スイッチ素子を上下アームとする第1レグと第2レグとが並列に接続され、前記第1レグの上アーム又は下アームのスイッチ素子と前記第2レグの下アーム又は上アームのスイッチ素子とをそれぞれ組として動作する第1回路と、
    一方向性素子を上下アームとする第3レグと第4レグとが並列に接続され、前記第3レグもしくは前記第4レグの上下アーム又は前記第3レグ、前記第4レグの上アーム同士もしくは下アーム同士を構成する前記一方向性素子にそれぞれ並列にスイッチ素子が接続される第2回路と、
    1次巻線側に前記第1回路が接続され、2次巻線側に前記第2回路が接続されるトランスと、
    前記1次巻線側又は前記2次巻線側に接続されるインダクタンス手段と、
    制御対象を検出する制御対象検出手段と、
    前記スイッチ素子に与える駆動信号を形成する制御回路と、を備えたコンバータであって、
    前記制御回路は、前記制御対象検出手段によって検出した前記コンバータの制御対象検出値と予め定めた基準値との差に対応する誤差増幅信号を求め、前記第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの一方のスイッチ素子用の第1の三角波状信号、前記第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの他方のスイッチ素子用の第2の三角波状信号、及び前記第2回路のスイッチ素子用の第3の三角波状信号を、前記第2の三角波状信号の平均信号レベルが前記第1の三角波状信号の平均信号レベルよりも大きく、前記第3の三角波状信号の平均信号レベルが第2の三角波状信号の平均信号レベルよりも大きく、前記第2の三角波状信号の最大信号レベルが前記第3の三角波状信号の最小信号レベルよりも大きくなるように、且つ前記誤差増幅信号が変動する範囲に前記第1、第2及び第3の三角波状信号が存在するように形成し、前記誤差増幅信号と前記第1、第2又は第3の三角波状信号とを比較し、
    前記誤差増幅信号が前記第1の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第1の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第1回路の組となる一方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させ、
    前記誤差増幅信号が前記第2の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第2の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第1回路の組となる他方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させ、
    前記誤差増幅信号が前記第3の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第3の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第2回路のスイッチ素子用のパルス状の駆動信号を位相変調させることを特徴とするコンバータ。
  2. 前記制御回路は、
    前記第1の三角波状信号の最大値から次の最大値までの幅を前記組となる一方のスイッチ素子の半周期とし、
    前記第2の三角波状信号は、前記第2の三角波状信号と前記誤差増幅信号又は前記第2の三角波状信号の制限値とに対応して定まる前記第1回路の他方のスイッチ素子用の駆動信号を前記第1の三角波状信号と前記第1の三角波状信号の制限値とに対応して定まる前記第1回路の一方のスイッチ素子用の駆動信号よりも先にオフさせる波形とし、
    前記第3の三角波状信号は、前記第3の三角波状信号と前記誤差増幅信号又は前記第3の三角波状信号の制限値とに対応して定まる前記第2回路のスイッチ素子をオン状態とする駆動信号を、前記第1の三角波状信号及び前記第2の三角波状信号によって定まる前記第1回路の一方及び他方のスイッチ素子用の駆動信号がオン状態となる駆動信号のときに与えるとともに、前記第2の三角波状信号によって定まる前記第1回路の他方のスイッチ素子用の駆動信号をオフするタイミング以降に前記第2回路のスイッチ素子をオフさせる波形とすることを特徴とする請求項1に記載のコンバータ。
  3. 前記制御回路は、
    前記誤差増幅信号が前記第1の三角波状信号と交わるときは前記誤差増幅信号と前記第1の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第1回路の組となる一方のスイッチ素子について少なくともオン又はオフするタイミングを決定し、
    前記誤差増幅信号が前記第2の三角波状信号と交わるときは前記誤差増幅信号と前記第2の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第1回路の組となる他方のスイッチ素子がオフするタイミングを決定し、
    前記誤差増幅信号が前記第3の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第3の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第2回路のスイッチ素子用の駆動信号がオフするタイミングを決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンバータ。
  4. 前記制御回路は、
    前記誤差増幅信号が前記第2の三角波状信号の最大値と交わるときに前記第2回路のスイッチ素子をオフするタイミングが前記第1回路の一方のスイッチ素子用の駆動信号をオフするタイミングと同時又は以降となるように、前記第2の三角波状信号の最大信号レベルが前記第3の三角波状信号の最小信号レベルよりも大きく設定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコンバータ。
  5. 前記制御回路は、
    前記第2の三角波状信号を少なくとも前記第1回路の組となる他方のスイッチ素子に流れる電流の検出値によって得られる波形とし、
    前記第3の三角波状信号を少なくとも前記第2回路のスイッチ素子に流れる電流の検出値によって得られる波形とすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のコンバータ。
  6. 前記制御回路は、
    前記コンバータの制御対象を出力電圧、電流もしくは電力又は入力電圧、電流、もしくは電力とすることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のコンバータ。
  7. 前記第2回路側から入力される電力を前記第1回路側に供給する場合は、前記第2回路は、前記第3レグ及び第4レグの上下アームを少なくともスイッチ素子で構成し、前記第3レグの上アーム又は下アームのスイッチ素子と前記第4レグの下アーム又は上アームのスイッチ素子とがそれぞれ前記第2回路の組として動作し、
    前記制御回路は、
    前記第1の三角波状信号を前記第2回路の組となるスイッチ素子のうちの一方のスイッチ素子用、前記第2の三角波状信号を前記第2回路の組となるスイッチ素子のうちの他方のスイッチ素子用、及び、前記第3の三角波状信号を前記第1レグもしく前記第2レグの上下アーム又は前記第1レグ、前記第2レグの上アーム同士もしくは下アーム同士のスイッチ素子用として、前記第1、第2又は第3の三角波状信号と前記誤差増幅信号とを比較し、
    前記誤差増幅信号が前記第1の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第1の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第2回路の組となる一方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させ、
    前記誤差増幅信号が前記第2の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第2の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第2回路の組となる他方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させ、
    前記誤差増幅信号が前記第3の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第3の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第1回路のスイッチ素子用の駆動信号をパルス幅変調させることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のコンバータ。
  8. スイッチ素子を上下アームとする第1レグと第2レグとが並列に接続された第1回路は前記第1レグの上アーム又は下アームのスイッチ素子と前記第2レグの下アーム又は上アームのスイッチ素子とをそれぞれ組として動作し、
    一方向性素子を上下アームとする第3レグと第4レグとが並列に接続される第2回路は前記第3レグもしくは前記第4レグの上下アーム又は前記第3レグ、前記第4レグの上アーム同士もしくは下アーム同士を構成する前記一方向性素子にそれぞれ並列にスイッチ素子が接続され、
    前記第1回路に接続されたトランスの1次巻線側に又は前記第2回路に接続された前記トランスの2次巻線側にインダクタンス手段が接続され、
    制御対象を検出し、
    検出した前記制御対象の検出値と予め定めた基準値との差に対応する誤差増幅信号を求め、前記第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの一方のスイッチ素子用の第1の三角波状信号、前記第1回路のそれぞれ組となるスイッチ素子のうちの他方のスイッチ素子用の第2の三角波状信号、及び前記第2回路のスイッチ素子用の第3の三角波状信号を、前記第2の三角波状信号の平均信号レベルが前記第1の三角波状信号の平均信号レベルよりも大きく、前記第3の三角波状信号の平均信号レベルが第2の三角波状信号の平均信号レベルよりも大きく、前記第2の三角波状信号の最大信号レベルが前記第3の三角波状信号の最小信号レベルよりも大きくなるように、且つ前記誤差増幅信号が変動する範囲に前記第1、第2及び第3の三角波状信号が存在するように形成し、前記誤差増幅信号と前記第1、第2又は第3の三角波状信号とを比較し、
    前記誤差増幅信号が前記第1の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第1の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第1回路の組となる一方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させ、
    前記誤差増幅信号が前記第2の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第2の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第1回路の組となる他方のスイッチ素子の駆動信号をパルス幅変調させ、
    前記誤差増幅信号が前記第3の三角波状信号と交わるときは、前記誤差増幅信号と前記第3の三角波状信号とが交わる時点に対応して前記第2回路のスイッチ素子用のパルス状の駆動信号を位相変調させることを特徴とするコンバータの制御方法。
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