JP2018147993A - レーザー駆動回路、レーザー光源およびレーザー加工機 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る一実施形態のレーザー駆動回路は、半導体基板上において互いに近い位置に形成される2つの面発光レーザーについて、定電流源からの電流を、スイッチ素子を切り替えて一方がオンの場合に他方がオフとなるようにオン/オフ制御(排他制御)できるように構成する。これにより、2つの面発光レーザーに交互に通電し、短パルス幅(数ピコ秒など)で安定したオン/オフ制御を可能とする。
以下、図面を参照して一実施形態のレーザー駆動回路を説明する。各実施形態では、面発光レーザーの一例としてVCSELを用いて説明する。
図1に、実施形態1のレーザー駆動回路の構成を示す。
レーザー駆動回路100は、VCSEL101、102、スイッチ素子103、104、差動論理IC(Integrated Circuit)105、定電流源106、インダクタ107、108、抵抗器109、110、および定電圧源111を備える。
VCSEL101、102は、スイッチ素子103またはスイッチ素子104に直列に接続される。
スイッチ素子103とスイッチ素子104とは、定電流源106からインダクタ107を経由して並列に接続され、差動論理IC105によって、どちらか一方がオン状態になるように制御される。
定電流源106からの電流は、インダクタ107を経由して、スイッチ素子103またはスイッチ素子104に通電され、VCSEL101またはVCSEL102のどちらか一方に通電されて、インダクタ108を経由して、定電圧源108からGNDに至る。
図中には示していないが、配線パターンやスイッチ素子103、104およびVCSEL101、102には容量成分がある。このため、2つのスイッチ素子103、104のうち、オフ状態であるスイッチ素子に接続するVCSELに対して、抵抗器109または抵抗器110によってバイアス電流を通電して、2つのVCSEL101、102のオン/オフ切り替え時の電位差を小さくする。これにより、容量成分による遅延を少なくし、より高速な動作を可能とする。このような理由により、抵抗器109、110を配置することが好ましい。
熱的な特性が似通っている半導体基板上または同一チップ上において、互いに近い位置に形成される2つのVCSELを用いることにより、安定的な動作が実現できる。特に、2つのVCSELを隣接する2素子とすることにより,2つのVCSELの温度や電気特性を概等しくすることができるため、定電流源からみた負荷の状態を一定に近づけることが可能になる。
また、2つのVCSEL101、102の特性を概等しくすることにより、スイッチ素子103、104のオン/オフ切り替え時のインピーダンス変動を抑えて過渡的な発振などを抑制することができる。
従って、本実施形態のレーザー駆動回路によれば、VCSELのオン/オフ状態いずれにおいても定電流源からみた負荷インピーダンスを一定に近づけることができること、および、スイッチ素子のオン/オフ切り替え時の不安定な状態を低減できることにより、より短い幅のパルス出力が可能になる。
本実施形態のレーザー駆動回路100は、レーザー光源に適用することができる。また、レーザー光源は、金属を加工するパルスレーザー加工機や、レーザーメスなどの医療用機器に用いることができる。さらに、レーザー光源は、分光装置、分析装置、センシング装置、レーザーライダー等、種々の装置への応用が可能である。
以下に、本実施形態のレーザー駆動回路の適用例として、MOPAファイバーレーザーおよびレーザー加工機について説明する。
図3を参照して、MOPAファイバーレーザーの構成例を説明する。
MOPAファイバーレーザー300は、シード光源301がMaster Oscillatorであり、数ピコ秒〜数ナノ秒幅の光パルスを出力する。この光パルスをPump LD311およびYbファイバー312によるPreAmp310と、Pump LD321a〜321dおよびYbファイバー322によるMainAmp320の2段アンプで光増幅して出力するPower Amplifierである。
従って、本実施形態のレーザー駆動回路を備えるレーザー光源を用いることにより、数ピコ秒の光パルス幅を繰り返し安定して出力できるMOPAファイバーレーザーを提供することが可能となる。
レーザー加工機400は、制御部9、レーザー出力部10、レーザー走査部11、ワーク搬送部12、複数の反射ミラー16、17、18、およびfθレンズ28を有している。
複数の反射ミラー16、17、18は、レーザー出力部10から出射されたレーザー光束L’の光路を形成する。
fθレンズ28は、レーザー光束L’を照射位置Qへ向けて収束させるための集光レンズである。
レーザー出力部10は、レーザー装置200と、レーザー装置200から出射されたレーザー光束L’のビーム径を変化させるビームエキスパンダ14とを有している。レーザー装置200は、レーザー光源(光源部)2を備え、レーザー光を出力する。
制御部9は、シードレーザーL1〜Lnを互いに独立したパルス発振となるようにレーザー光源2を制御する。また、図1のレーザー駆動回路100を用いる場合には、制御部9は、差動論理IC105を制御することにより、発振するパルスの振幅を調整することができる。
実施形態1のレーザー駆動回路100は、レーザー光源の設計条件などに応じて変形することができる。
図5は、実施形態2のレーザー駆動回路の構成例を説明する図である。
レーザー駆動回路500は、図1に示したレーザー駆動回路100から、インダクタ107、108および抵抗器109、110を除いた構成である。
レーザー駆動回路500は、VCSEL101がスイッチ素子103と、VCSEL102がスイッチ素子104と直列に接続され、オン/オフ状態が排他制御されることにより、定電流源106からみた負荷インピーダンスを一定に近づけることができる。これにより、スイッチ素子103、104のオン/オフ切り替え時の不安定な状態を低減できるので、より幅の短いパルス出力が可能になる。
加えて、実施形態1のレーザー駆動回路100と同様に、レーザー駆動回路500において、2つのVCSEL101、102は、半導体基板上または1つのチップ内において、互いに近い位置、特に隣接する2素子として形成されることが好ましい。これにより、VCSELの温度や電気特性をほぼ等しくすることが可能になり、定電流源からみた負荷の状態を、より一定に近づけるという効果を奏する。
さらに、レーザー駆動回路500に、実施形態1で説明した抵抗器109、110を追加する構成も可能である。これにより、実施形態1と同様に、2つのVCSELのオン/オフ切り替え時の電位差を小さくして容量成分による遅延を、より少なくする効果を奏することができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
101、102 VCSEL
103、104 スイッチ素子
105 差動論理IC
106 定電流源
107、108 インダクタ
109、110 抵抗器
111 定電圧源
200 MOPAファイバーレーザー
400 レーザー加工機
Claims (8)
- 定電流源と、
前記定電流源からの電流の通電を切り替える二つのスイッチ素子と、
各スイッチ素子に直列に接続された2つの面発光レーザーと、を備え、
前記二つのスイッチ素子は、一方がオン状態の場合に他方がオフ状態となるように排他制御されるレーザー駆動回路。 - 前記2つの面発光レーザーは、同一のチップ上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザー駆動回路。
- 前記2つの面発光レーザーは、半導体基板上で隣接して配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー駆動回路。
- 前記2つの面発光レーザーは、前記チップ上で隣接して配置されることを特徴とする請求項2に記載のレーザー駆動回路。
- 前記定電流源と前記二つのスイッチ素子との間にインダクタを接続することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレーザー駆動回路。
- 前記2つのスイッチ素子のそれぞれの入出力間に抵抗器を接続して、スイッチ素子がオフ側の半導体レーザーにもバイアス電流が流れるようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のレーザー駆動回路。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のレーザー駆動回路を備えるレーザー光源。
- 請求項7に記載のレーザー光源を備えるレーザー加工機。
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2017
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