JP2018146874A - 撮像装置、撮像装置の制御方法、撮像装置の制御プログラム及び撮像ユニット - Google Patents

撮像装置、撮像装置の制御方法、撮像装置の制御プログラム及び撮像ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】画面周縁部に位置する被写体像を拡大しても、その被写体像を確実に撮像することができると共に、高い画質が確保された撮像装置、撮像装置の制御方法、撮像装置の制御プログラム及び撮像ユニットを提供する。【解決手段】光軸方向の動作によって焦点距離が変化するズーム光学系と、ズーム光学系を通過した被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、ズーム光学系の光軸方向の動作を指示する信号の入力を受け付ける入力部と、入力部が動作を指示する信号の入力を受け付けた場合、撮像素子が生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置に応じてズーム光学系の光軸と撮像素子の受光面との位置関係を変更する変更機構と、を備え、ズーム光学系は、位置関係の変更によって生じた歪曲収差の非対称性を補正する方向に移動する補正レンズ群を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、被写体を撮像して該被写体の画像データを生成する撮像装置、撮像装置の制御方法、撮像装置の制御プログラム及び撮像ユニットに関する。
従来、被写体を撮像して該被写体の画像データを生成する撮像装置において、電動ズームおよび電動フォーカスの機能を有するものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2012−208475号公報
上述した従来技術では、ユーザが注目する被写体像が拡大前に画面周縁部に位置している場合、その被写体像を拡大して撮像するために電動ズームによりズームアップすると、その被写体像が画面から外れて撮像できなくなってしまうことがあった。
拡大前の被写体像が画面中央部と画面周縁部の中間に位置している場合、ズームアップしても、画面から外れないように被写体像を拡大することができる。しかながら、この場合、拡大した被写体像では歪曲収差が非対称になる。そのため、高い画質を確保することが難しくなる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画面周縁部に位置する被写体像を拡大しても、その被写体像を確実に撮像することができると共に、高い画質が確保された撮像装置、撮像装置の制御方法、撮像装置の制御プログラム及び撮像ユニットを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、光軸方向の動作によって焦点距離が変化するズーム光学系と、ズーム光学系を通過した被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、ズーム光学系の光軸方向の動作を指示する信号の入力を受け付ける入力部と、入力部が動作を指示する信号の入力を受け付けた場合、撮像素子が生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置に応じてズーム光学系の光軸と撮像素子の受光面との位置関係を変更する変更機構と、を備え、位置関係の変更では、特定の被写体像が受光面内に含まれるように、光軸と交差する面内でズーム光学系と受光面の相対位置が変化し、ズーム光学系は、光軸と交差する方向に移動する補正レンズ群を有し、補正レンズ群は、相対位置の変化によって生じた歪曲収差の非対称性を補正する方向に移動することを特徴とする。
本発明に係る撮像装置の制御方法は、光軸方向の動作によって焦点距離が変化するズーム光学系の光軸方向の動作を指示する信号の入力に応じてズーム光学系を光軸方向に沿って動作させる動作ステップと、ズーム光学系を通過した被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子が生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置に応じてズーム光学系の光軸と撮像素子の受光面との位置関係を変更する変更ステップと、ズーム光学系内に配置された補正レンズ群を、光軸と交差する方向に移動させる移動ステップと、を有し、変更ステップでは、特定の被写体像が受光面内に含まれるように、光軸と交差する面内でズーム光学系と受光面の相対位置が変化し、移動ステップでは、相対位置の変化によって生じた歪曲収差の非対称性が補正される方向に、補正レンズ群が移動することを特徴とする。
本発明に係る撮像装置の制御プログラムは、光軸方向の動作によって焦点距離が変化するズーム光学系の光軸方向の動作を指示する信号の入力に応じてズーム光学系を光軸方向に沿って動作させる動作ステップと、ズーム光学系を通過した被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子が生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置に応じてズーム光学系の光軸と撮像素子の受光面との位置関係を変更する変更ステップと、ズーム光学系内に配置された補正レンズ群を、光軸と交差する方向に移動させる移動ステップと、を有し、変更ステップでは、特定の被写体像が受光面内に含まれるように、光軸と交差する面内でズーム光学系と受光面の相対位置が変化し、移動ステップでは、相対位置の変化によって生じた歪曲収差の非対称性が補正される方向に、補正レンズ群が移動するように、動作ステップ、変更ステップ及び移動ステップを撮像装置に実行させることを特徴とする。
本発明に係る撮像ユニットは、ズーム光学系と、ズーム光学系の像位置に配置された撮像素子と、被写体追尾を行うための移動機構と、を備え、ズーム光学系は、軸上光束を制限する明るさ絞りと、補正レンズ群と、を有し、被写体追尾は、撮像素子の移動と補正レンズ群の移動とによって行われ、補正レンズ群と撮像素子は、移動機構によってズーム光学系の光軸と交差する方向に移動し、補正レンズ群は、撮像素子の移動によって生じた歪曲収差の非対称性を補正する方向に移動し、望遠端状態にて、以下の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とする。
0≦|(1−MGSL)×MGr|<1.3 (1)
0.4<|fSL/dASSL|<1.7 (2)
ただし、
MGSLは、無限遠物体合焦時の前記補正レンズ群の横倍率、
MGrは、無限遠物体合焦時の所定のレンズ系の横倍率、
fSL は、前記補正レンズ群の焦点距離、
dASSLは、無限遠物体合焦時の前記明るさ絞りと前記補正レンズ群との間の軸上距離、
前記所定のレンズ系は、前記補正レンズ群よりも像側に位置する全てのレンズで構成されたレンズ系、である。
本発明によれば、画面周縁部に位置する被写体像を拡大しても、その被写体像を確実に撮像することができると共に、高い画質が確保された撮像ができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置を含む撮像システムの構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置が備える撮像素子駆動部の構成を模式的に示す図である。 図3は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置の一利用シーンを模式的に示す図である。 図4は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置が行う特定の被写体像の判定例(その1)を模式的に示す図である。 図5は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置が行う特定の被写体像の判定例(その2)を模式的に示す図である。 図6は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置が行う撮像素子の移動処理の概要を示す図である。 図7は、図6をズームレンズの光軸を通過する平面で見たときの図である。 図8は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置の表示部が表示する鳥の像のズームアップ前後の表示態様を模式的に示す図である。 図9は、従来の撮像装置の表示部が表示する鳥の像のズームアップ前後の表示態様を模式的に示す図である。 図10は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。 図11は、特定の被写体像判定処理の概要を示すフローチャートである。 図12は、第1初期状態での歪曲収差と第1移動状態での歪曲収差を示す図である。 図13は、第2初期状態での歪曲収差と第2移動状態での歪曲収差を示す図である。 図14は、第1移動状態での歪曲収差と第2移動状態での歪曲収差を示す図である。 図15は、第1初期状態での歪曲収差と補正後の歪曲収差を示す図である。 図16は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートの一部である。 図17は、ズーム光学系のレンズ断面図である。 図18は、ズーム光学系の収差図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。以下の説明では、まず、画面周縁部に位置する被写体像を拡大しても、その被写体像を確実に撮像する装置や方法について説明する。その後に、撮像した被写体像において高い画質を確保する装置や方法について説明する。
本発明の一実施の形態に係る撮像装置は、ズーム光学系と撮像素子を備え、ズームアップを行う場合に、ズーム光学系および撮像素子の少なくとも一方を移動させることにより、画面の中心から外れて画面の周縁部に位置するユーザが注目する被写体像(以下、特定の被写体像ともいう)を拡大する場合であっても特定の被写体像を的確にとらえたまま拡大することを特徴とする。
以下の説明においては、撮像素子を移動させることによって拡大後の特定の被写体像を的確に撮像する場合を主として説明するが、ズーム光学系の光軸を移動させることによって拡大後の特定の被写体像を的確に撮像することも可能である。また、ズーム光学系および撮像素子をともに移動させることによって拡大後の特定の被写体像を的確に撮像することも可能である。
図1は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置を含む撮像システムの構成を示すブロック図である。同図に示す撮像システム100は、撮像装置1と、撮像装置1と通信可能な通信端末4とを備える。
撮像装置1は、本体部2と、ズーム機能を有し、本体部2に着脱自在なレンズ部3とを備える。本実施の形態では、撮像装置1は本体部2とレンズ部3が別体であるとして説明するが、本体部2とレンズ部3を一体とすることも可能である。この場合、例えば撮像装置1が円筒形状を有するレンズ型のカメラであってもよい。また、パーソナルコンピュータ内蔵のカメラ、監視カメラ、ウェアラブル端末、および携帯端末等を撮像装置1として機能させることも可能である。
本体部2は、撮像部201、撮像素子駆動部202、信号処理部203、入力部204、音声入力部205、タイマー206、位置情報取得部207、表示部208、音声出力部209、第1通信部210、第2通信部211、制御部212、および記憶部213を有する。
撮像部201は、レンズ部3が集光した光を受光して電気的な画像信号に変換する撮像素子201aを有する。撮像素子201aは、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを用いて構成される。撮像部201は、撮像素子201aが生成したアナログの画像信号を信号処理部203に出力する。撮像部201は、入力部204が入力を受け付けたレリーズ信号に応じて撮像素子201aを駆動させるドライバを含む。なお、撮像部と記載された部分は、撮像入力部、画像信号入力部または画像入力部と書き直してもよい。
図2は、撮像素子駆動部202の構成を模式的に示す図である。撮像素子駆動部202は、撮像素子201aを駆動することにより、後述するズームレンズ301aの光軸が撮像素子201aの受光面と交わる位置を変更する。撮像素子駆動部202は、基台部501と、基台部501に対して移動可能に支持される可動部502と、可動部502に対して基台部501と反対側に位置するとともに、基台部501に固定されている磁石支持部503と、を有する。図2において、基台部501、可動部502および磁石支持部503の主面(図2の紙面と平行な面)における紙面横方向をX方向、紙面縦方向をY方向とする。また、基台部501、可動部502および磁石支持部503が重なっている方向をZ方向とする。
基台部501の主面であって可動部502と対向する主面は正方形状をなし、その主面の直交する2辺の端部には、3つの磁石部511〜513が全体としてL字状をなして固定されている。磁石部511〜513は、互いに略等しい直方体形状をなしており、最も面積が大きい表面が基台部501の主面に接着されている。磁石部511および512は、図面でY方向に沿って並んでおり、L字の縦線部分に相当している。磁石部513は、磁石部512に対して表面を90°回転した態様で固定されており、L字の横線部分に相当している。なお、図2では、基台部501の主面以外の構成を省略しているが、基台部501は主面の各辺から可動部502側へ延びる側壁を有しており、この側壁に磁石支持部503が固定される。
磁石部511〜513は、基台部501の外周のうち最も近い辺と直交する方向に沿って2極に着磁している。例えば、磁石部511および512の可動部502に対向する側は、図2において基台部501の主面の左辺と直交する方向(X方向)に沿って、左辺に近い側がN極、遠い側がS極にそれぞれ着磁している。一方、磁石部511および512の可動部502に対向しない側(図2の紙面奥側)は、可動部502に対向する側の磁極と逆の磁極に着磁している。また、磁石部513の可動部502に対向する側は、図2において基台部501の主面の下辺と直交する方向(Y方向)に沿って、下辺に遠い側がN極、近い側がS極にそれぞれ着磁している。一方、磁石部513の可動部502に対向しない側(図2の紙面奥側)は、可動部502に対向する側の磁極と逆の磁極に着磁している。磁石部511〜513は、それぞれ2つの磁石を並べて構成することも可能である。
基台部501の主面には、可動部502の主面に固定される3つのホール素子(後述)とそれぞれ対向する位置に3つの磁石部514〜516が固定されている。磁石部514および516は、図2において基台部501の主面の右辺に沿って並んでおり、磁石部515は、図2において基台部501の主面の略中央下部に位置している。磁石部514〜516は、基台部501の主面と直交する方向に沿って異なる磁極にそれぞれ着磁している。
可動部502は、磁石支持部503と対向する側の表面において、その表面の略中央部に位置する撮像素子201aと、撮像素子201aの受光面と平行な平面に投影したとき基台部501の磁石部511〜513とそれぞれ重なる位置に固定された3つのコイル521〜523と、を有する。また、可動部502は、基台部501と対応する側の表面において、3つの磁石部514〜516とそれぞれ対向する位置に位置する3つのホール素子524〜526を有する。コイル521〜523は、導線が略楕円状に巻回されてなり、上述した投影面内で一対の長辺が磁石部511〜513の異なる磁極とそれぞれ重なるように配置されている。ホール素子524〜526は、それぞれ対向する磁石部514〜516とともに位置検出センサとしての機能を有している。撮像素子駆動部202は、3つの位置検出センサにより、図2のXY平面内における可動部502の並進および回転を検出する。
磁石支持部503の可動部502と対向する側の表面には、3つのコイル521〜523とそれぞれ対向する位置に3つの磁石部531〜533が配設されている。磁石部531〜533は、撮像素子201aの受光面と平行な平面に投影したときコイル521〜523とそれぞれ重なるとともに、磁石部511〜513とそれぞれ重なる。磁石部531〜533は、磁石部511〜513と略等しい直方体状をなす。磁石部531〜533において、コイル521〜523とそれぞれ対向する側の磁極(図2に記載した磁極)は、磁石部511〜513の可動部502と対向する側の磁極とそれぞれ逆である。
以上の構成を有する撮像素子駆動部202は、コイルとそのコイルを挟んで対向する2つの磁石部とによって1つのボイスコイルモータを構成しており、全体として3つのボイスコイルモータを有する。撮像素子駆動部202は、駆動制御部222の制御のもとでコイル521〜523に流れる電流が制御され、その電流に加わる電磁気力によって可動部502が並進および/または回転を行う。このような構成を有する撮像素子駆動部202は、例えば後述するズームレンズ301aの光軸が撮像素子201aの受光面と交わる位置を変更することが可能である。なお、撮像素子駆動部202はここで説明した方式に限る必要はなく、例えば各種モーターなどを利用してもよい。
信号処理部203は、撮像部201が出力したアナログの画像信号に増幅等の信号処理を施した後、A/D変換を行うことによってデジタルの画像データを生成した後、その画像データにオプティカルブラック減算処理、ホワイトバランス調整処理、カラーマトリクス演算処理、γ補正処理、色再現処理およびエッジ強調処理等を含む画像処理を施す。信号処理部203は、CPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサまたはASIC(Application Specific Integrated Circuit)もしくはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の特定の機能を実行する専用の集積回路等を用いて構成される。
入力部204は、本体部2の表面に設けられ、静止画撮影を指示するレリーズ信号の入力を受け付けるレリーズスイッチや動画撮影の開始および終了の指示入力を受け付ける動画スイッチを含む各種スイッチ、電源のオン/オフの指示信号の入力を受け付ける電源ボタンを含む各種ボタン、および表示部208の画面表示領域に積層して設けられ、外部からの物体の接触位置に応じた信号の入力を受け付けるタッチパネル等のユーザーインターフェースを用いて構成される。
音声入力部205は、外部の音を集音して音声データを生成するマイクロフォン等を用いて構成される。
タイマー206は、計時機能や撮影日時の判定機能を有する。タイマー206は、撮像された画像データに対して付加する日時データを制御部212に出力する。
位置情報取得部207は、地上の物体の位置を測定するGPS(Global Positioning System)を構成する複数のGPS衛星から送信されてくる情報を受信し、この受信した情報に基づいて本体部2の現在位置(撮影位置)を示す緯度および経度の情報(以下、撮影位置情報という)を取得する。なお、撮影位置情報の取得方法はこの技術に限定されるものではなく、例えば各種衛星を使った位置測定方法を利用してもよいし、無線基地局等からの情報を用いた位置測定方法を利用してもよい。また、位置情報取得部207が取得する撮影位置情報は、加速度センサや地磁気センサや地図情報等に基づいて、特定の位置からの移動を検出して得られる相対的な位置情報であってもよい。また、撮像システム100を顕微鏡に応用する場合には、標本を載置するステージの移動に基づいて撮影位置情報を取得してもよい。また、撮像システム100が医療用内視鏡である場合には、磁界を発生させて撮影位置情報を取得してもよいし、内視鏡の臓器内での移動距離等を用いて撮影位置情報を取得してもよい。さらには、撮影画像の履歴から、観察部位の変化を分析して位置判定してもよい。
表示部208は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルを用いて構成される。表示部208は、入力部204が入力を受け付けたレリーズ信号に応じた画像データを所定時間(例えば3秒間)表示するレックビュー表示、記憶部213が記憶する画像データを再生する再生表示、および信号処理部203が連続的に生成する画像データに対応する画像を順次表示するスルー画表示等を行う機能を有する。また、表示部208は、本体部2の操作情報および撮像動作に関する情報を表示する機能を有する。
音声出力部209は、音声を出力するスピーカ等を用いて構成され、音声入力部205が生成した音声データに対応する音声や、撮像装置1の各種操作に応じて定められる音を出力する機能を有する。
第1通信部210は、本体部2に装着されたレンズ部3との通信を行うための通信インターフェースである。第2通信部211は、本体部2と通信端末4との通信を行うための通信インターフェースである。第1通信部210および第2通信部211は、レンズ部3および通信端末4との間で通信に必要な信号を含む各種データの無線通信を所定のプロトコルに従ってそれぞれ行う。第1通信部210および第2通信部211が行う無線通信は、例えばWi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等である。なお、第1通信部210は、レンズ部3との間で有線により通信を行う構成としてもよい。
制御部212は、光学制御部221、駆動制御部222、撮像制御部223、表示制御部224、判定部225、および演算部226を有する。制御部212は、入力部204が入力を受け付けた指示信号に基づいて制御を行う。なお、制御部212は、音声入力部205が入力を受け付けた音声データを用いて指示信号を解釈し、解釈した指示信号に基づいて制御を行うことも可能である。制御部212は、専用の回路やプログラムが連携して特定のシーケンス制御で各種制御を行う回路部であり、必要に応じて、人工知能の回路部も含み、機械学習の結果を利用した制御を行ってもよい。以下、専用の回路やプログラムが連携して特定のシーケンス制御で各種制御を行う回路部で、必要に応じて、人工知能の回路部も含み、機械学習の結果を利用した制御を行う制御部の一部の構成や回路などを、機能別で分けた形で分類している。
光学制御部221は、レンズ部3が有する光学系301の動作を制御する。光学制御部221は、撮像部201が撮像して信号処理部203が生成した画像データやレンズ部3が有するレンズ位置検出部303および絞り値検出部305の検出結果をもとに、レンズ部3が有するレンズ駆動部302および絞り駆動部304をそれぞれ制御する。
駆動制御部222は、撮像素子駆動部202の動作を制御する。駆動制御部222は、撮像素子駆動部202が有するホール素子524〜526による変位の検出結果に基づいて、撮像素子駆動部202をフィードバック制御する。
撮像制御部223は、撮像部201の撮像動作を制御する。撮像制御部223は、入力部204が静止画撮影の開始指示信号の入力を受け付けた場合、撮像部201に静止画撮影を開始させる。また、撮像制御部223は、動画撮影の開始または終了指示信号の入力を受け付けた場合、撮像部201に動画撮影を開始または終了させる制御を行う。撮像制御部223は、静止画撮影または動画撮影を行う際の露出条件の設定、および撮像装置1の焦点の自動調整を行う。
表示制御部224は、表示部208における画像やその他の各種情報の表示を制御する。また、表示制御部224は、通信端末4における画像やその他の各種情報の表示も制御する。
判定部225は、信号処理部203が出力した画像データに対応する画像に含まれる像のうちユーザが注目する特定の被写体像を判定する。判定部225は、画面内の像のうち時間的に連続して生成された複数の画像データに共通して存在する像を特定の被写体像と判定する。具体的には、判定部225は、例えば所定時間画面の中央に位置する被写体像のうちで色や形状に特徴がある部分を特定の被写体像と判定する。また、判定部225は、所定時間経過していない場合には、同一撮影条件下で所定数のフレーム間で共通する部分を特定の被写体像と判定する。判定部225は、専用の回路やプログラムが連携して特定のシーケンス制御で各種制御を行う回路部であり、必要に応じて、人工知能の回路部も含むことによって、機械学習の結果を利用した判定してもよい。なお、ユーザの画面上のタッチ指定や、音声指定などを参考にして判定をしてもよい。このような場合、特定の被写体像とすべき被写体像の指定入力した、ということもできる。ここでは、判定した結果は、像データの一部となるが、像データそのものを判定した結果としてデータとして記録したり、色分布や輪郭や大きさなどをデータ化してもよく、画像の特徴量を記録したりしてもよい。また、こうした特徴から、機械学習を行い、ユーザが撮りたい対象物情報を人工知能が類推できるようなシステムであってもよい。これにより、よく撮影される画像を教師画像とした学習を行うことが可能となる。
判定部225が行う処理について、図3に示す撮像装置1の一利用シーンを用いて説明する。図3において、ユーザ101は、木に止まっている鳥102を、撮像装置1を用いて撮影しようとしている。撮像装置1の表示部208には、鳥102の像103が表示されている。この状態で判定部225は、画像データ中に含まれる被写体像の動きにより、花ではなく、鳥102の像103を特定の被写体像と判定する。図4および図5は、判定部225による特定の被写体像の具体的な判定例を示す図である。図4および図5では、鳥102に対する相対的な画面位置の変化を破線で模式的に示す図である。図4は、鳥102の像103が所定時間内(中央部にあればなおよい)画面中央部に位置していることにより、判定部225が花ではなく、鳥の像103を特定の被写体像と判定する場合を示している。これに対して、図5は、鳥102の像103が所定数のフレーム間で共通に存在することにより、判定部225が花ではなく、鳥の像103を特定の被写体像と判定する場合を示している。花は画面の周辺でああったり、画面から消失するので、特定の被写体とはならない。
演算部226は、入力部204がレンズ部3におけるズームアップの指示信号の入力を受け付けた場合、入力部204がその指示信号の入力を受け付ける前の最新の画像データに含まれる特定の被写体像が画面の周縁部に位置しているとき、ズームアップ後に生成される画像データに含まれる特定の被写体像が画面の中央部に位置するための撮像素子201aの移動量を算出する。例えば、演算部226は、撮像素子201aの受光面における特定の被写体像の代表点の結像位置をその受光面の中心とするための撮像素子201aの移動量を算出する。特定の被写体像の代表点は、例えば特定の被写体像の重心である。なお、後述する光学系301が有するズームレンズ301aを移動させて光軸方向を変更することによって特定の被写体像を撮像素子201aの受光面の中央部に移動させる場合、演算部226は、ズームレンズ301aの光軸の移動量を算出する。また、撮像素子201aとズームレンズ301aの両方を移動させて特定の被写体像を撮像素子201aの受光面の中央部に移動させる場合、演算部226は、撮像素子201aおよびズームレンズ301aの移動量の組み合わせを算出する。
以上の機能構成を有する制御部212は、CPU等の汎用プロセッサまたはASICもしくはFPGA等の特定の機能を実行する専用の集積回路等を用いて構成される。なお、制御部212と信号処理部203とを共通の汎用プロセッサまたは専用の集積回路等を用いて構成してもよい。
記憶部213は、撮像素子201aの移動情報を記憶する移動情報記憶部231と、各種画像のデータを記憶する画像データ記憶部232と、撮像装置1の動作を制御するための各種プログラムを記憶するプログラム記憶部233と、を有する。移動情報記憶部231は、撮像素子201aの移動量をズームレンズ301aの焦点距離とともに記憶する。記憶部213は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリおよびROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリを用いて構成される。このうち、RAMは、信号処理部203から入力される処理済みの画像データや制御部212が処理中の情報を一時的に記憶する一時記憶部としての機能を有する。なお、外部から装着可能なメモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いて記憶部213を構成してもよい。
以上説明した撮像装置1において、撮像素子駆動部202、駆動制御部222、撮像制御部223、判定部225および演算部226は、入力部204がレンズ部3が有するズーム光学系の動作を指示する信号(ズーム操作信号)の入力を受け付けた場合、撮像素子201aが生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置に応じてレンズ部3が有するズーム光学系と撮像素子201aの受光面との位置関係を変更する変更機構を構成する。ここでいう位置関係とは、例えばズームレンズ301aの光軸が撮像素子201aの受光面と交わる位置のことである。
次に、レンズ部3の構成を説明する。レンズ部3は、光学系301、レンズ駆動部302、レンズ位置検出部303、絞り駆動部304、絞り値検出部305、レンズ操作部306、レンズ記憶部307、レンズ通信部308、およびレンズ制御部309を備える。
光学系301は、一または複数のレンズを含む光学素子を用いて構成される。光学系301は、所定の視野領域から光を集光し、この集光した光を撮像部201に結像する。光学系301は、焦点距離が変化することによって画角および拡大倍率が変化するズーム光学系であるズームレンズ301aと、ズームレンズ301aが集光した光の入射量を制限することにより露出の調整を行う絞り301bと、を有する。
レンズ駆動部302は、ステッピングモータやDCモータ等を用いて構成される。レンズ駆動部302は、光学制御部221から送られてくる制御信号に基づいて、レンズ制御部309の制御のもとでズームレンズ301aを光軸上に沿って移動させることにより、ズームレンズ301aの焦点距離を変化させる。なお、特定の被写体像の画面位置を調整するためにズームレンズ301aの光軸方向を変化させる構成とする場合、レンズ駆動部302は、ズームレンズ301aの光軸方向を変化させるようにズームレンズ301aを駆動する。
レンズ位置検出部303は、例えばフォトインタラプタ等を用いて構成され、ズームレンズ301aの位置を検出する。レンズ位置検出部303の検出結果は、レンズ通信部308を介して本体部2へ送信される。
絞り駆動部304は、ステッピングモータ等を用いて構成される。絞り駆動部304は、光学制御部221から送られてくる制御信号に基づいて、レンズ制御部309の制御のもとで絞り301bを駆動することにより、撮像部201に入射する光の光量を調整する。
絞り値検出部305は、例えばリニアエンコーダまたはポテンショメータ等を用いて構成され、絞り301bの絞り値を検出する。絞り値検出部305の検出結果は、レンズ通信部308を介して本体部2へ送信される。
レンズ操作部306は、レンズ部3のレンズ鏡筒の周囲に設けられるズームリングやピントリングであり、光学系301内のレンズを操作する信号が入力される。なお、レンズ操作部306は、プッシュ式のスイッチ等であってもよい。
レンズ記憶部307は、光学系301のズームレンズ301a等の位置や動きを決定するための制御用プログラムを記憶する。レンズ記憶部307は、ズームレンズ301aの倍率、焦点距離、収差、およびF値(明るさの指標)等の情報を記憶する。
レンズ通信部308は、レンズ部3が本体部2に装着されたときに、本体部2の第1通信部210と通信を行うための通信インターフェースである。
レンズ制御部309は、CPU等の汎用プロセッサまたはASICもしくはFPGA等の特定の機能を実行する専用の集積回路等を用いて構成される。レンズ制御部309は、レンズ通信部308を介して本体部2から受信した指示信号に応じてレンズ部3の動作を制御する。
以上の構成を有するレンズ部3には、ズームレンズ301aのズーム倍率、焦点距離、収差、F値などが互いに異なる複数の種類があり、それらのいずれか一つのレンズ部3が本体部2に対して選択的に装着される。なお、レンズ部3がズームレンズ301aを有しない光学系を備える場合には、本体部2に電子ズームを行う機能を具備させればよい。
次に、通信端末4の構成を説明する。通信端末4は、情報の入力を受け付ける入力部401と、本体部2との間で通信を行う通信部402と、画像等の情報を表示する表示部403と、通信端末4の動作を制御する制御部404と、各種情報を記憶する記憶部405とを備える。
入力部401は、本体部2およびレンズ部3の動作を指示する指示信号の入力を受け付ける機能を有する。
通信部402は、本体部2から画像データ等の情報を受信する一方、入力部401が入力を受け付けた本体部2およびレンズ部3の指示信号を本体部2へ送信する。通信端末4と本体部2との通信は、無線であっても有線であってもよい。
制御部404は、CPU等の汎用プロセッサまたはASICもしくはFPGA等の特定の機能を実行する専用の集積回路等を用いて構成される。
記憶部405は、RAM等の揮発性メモリおよびROM等の不揮発性メモリを用いて構成され、通信端末4の動作を制御する各種プログラムを含む情報を記憶する。
以上の構成を有する通信端末4は、例えばスマートフォン等の携帯機器である。なお、通信端末4は、本体部2に装着可能なアクセサリであってもよい。このようなアクセサリとして、例えばユーザが接眼することによって本体部2が撮像した画像をライブビュー表示する電子ビューファインダ(EVF)、エレクトロニックフラッシュ、およびマイク等を挙げることができる。また、通信端末4はウェアラブル表示装置でもよい。さらに、通信端末4が音声を出力する音声出力部を備えてもよいし、本体部2に対して音声によって指示信号を入力するための音声入力部を備えてもよい。
以上の構成を有する撮像装置1が行う撮像素子201aの移動処理の概要を、図6および図7を参照して説明する。なお、図7は、図6をズームレンズ301aの光軸Oを通過する平面で見たときの平面図であって、図6に示す撮像素子201aの横方向(X方向)を縦方向として見たときの平面図である。図6の(a)および図7の(a)は、撮像素子201aが所定の初期位置にあり、ズームレンズ301aがワイド端に位置している状態を示している。図7の(a)に示すように、この状態におけるズームレンズ301aの焦点距離はFwである。図6の(a)および図7の(a)に示す状態は、図3に示す状況に対応している。すなわち、鳥102の像103は撮像素子201aの周縁部に結像しており、像103は表示部208の画面周縁部に位置している。この状態からユーザが入力部204を介してズームアップ信号を入力すると、ズームレンズ301aはテレ側に移動する。
図6の(b)および図7の(b)に示すズームアップ後の状態(距離ΔLだけテレ側へ移動した後の状態)で、演算部226は、画像データをもとに撮像素子201aの受光面における鳥102の像103の代表点と撮像素子201aの中心との距離X0を取得するとともに、レンズ部3からのズームレンズ301aの移動情報をもとに焦点距離Ftを取得する。その後、演算部226は、撮像素子201aのX方向の移動量ΔX=X0と算出する。図示はしていないが、演算部226は、Y方向の移動量ΔYについても同様に算出する。なお、X方向の移動量ΔXは必ずしもX0に等しくなくてもよく、X0の関数として表され、鳥102の全体像が撮像できる量であればよい。図6の(c)および図7の(c)は、演算部226が算出した移動量ΔS={(ΔX)2+(ΔY)2}1/2 に応じて撮像素子駆動部202が撮像素子201aを駆動した後の状態を示している。このように、ズームで焦点距離が少しずつ変化するごとに、きめ細かく、画面中心を判定して制御していくことが重要である。これによって、見栄えもよくなるし、制御も正確になる。いきなり、焦点距離が変わる場合は、変わった後の焦点距離を考慮して撮像素子201aの位置を微調整する必要がある。図7の(a)で光軸と鳥102がなす角度は、図7の(c)で焦点距離が変わった後で光軸と鳥102がなす角度とは異なるので、調整する必要がある。
そこで変更機構は、光学系301の焦点距離に対応する情報と、撮像素子201aが生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置との関係に応じてズームレンズ301aの光軸と撮像素子201aの受光面との位置関係を決定してもよい。
図8は、以上の動作により撮像装置1の表示部208が表示する像103のズームアップ前後の表示態様を模式的に示す図である。図9は、比較のために、従来の撮像装置1Aを用いて同じ状況下で同様にズームアップ操作を行った場合において、撮像装置1Aの表示部208Aが表示する像103のズームアップ前後の表示態様を模式的に示す図である。図8および図9からも明らかなように、本実施の形態に係る撮像装置1では、ズームアップ後の像103の全体が表示部208に表示されるのに対し、従来の撮像装置1Aでは、ズームアップ後の像103の一部のみが表示部208Aに表示される。このように、本実施の形態では、ズームアップ動作に合わせて撮像素子201aを適切に移動させることにより、ズームアップ前に画面周縁部に位置する特定の被写体像をズームアップ後も確実に撮像して表示することができる。
次に、図10に示すフローチャートを参照して、撮像装置1が行う処理の概要を説明する。まず、撮像装置1が撮影モードに設定されている場合(ステップS101:Yes)を説明する。この場合、制御部212はレンズ部3から送られてくるレンズデータを取得する(ステップS102)。レンズデータは、ズームレンズ301aのレンズ位置や絞り301bの絞り値に関するデータを含む。
続いて、制御部212は信号処理部203が出力した画像データを取得する(ステップS103)。この後、表示制御部224は、取得した画像データをもとにスルー画を生成して表示部208に表示させる(ステップS104)。
ステップS104の後、まだズーム操作が行われていない(ズーム操作前である)場合、またはズーム位置がワイド端である場合(ステップS105:Yes)、撮像制御部223は撮像素子201aの位置をリセットして初期位置に移動させる制御を行う(ステップS106)。ここでいう初期位置とは、撮像素子201aの中心を光学系301の光軸中心が通過するとともに、本体部2の縦横と撮像素子201aの縦横が一致する位置である。なお、ステップS105においてズーム操作が行われており、かつズーム位置がワイド端でない場合(ステップS105:No)、撮像装置1は後述するステップS107へ移行する。
ステップS106の後、入力部204が撮影パラメータの設定入力を受け付けた場合(ステップS107:Yes)、撮像制御部223は入力に応じて撮影パラメータを設定する(ステップS108)。入力部204が撮影パラメータの設定入力を受け付けない場合(ステップS107:No)、撮像装置1はステップS109へ移行する。
ステップS108の後、判定部225は、画像中における特定の被写体像の判定を行う(ステップS109)。図11は、判定部225が行う特定の被写体像判定処理の概要を示すフローチャートである。まず、判定部225は、取得済の画像データの有無を判定する(ステップS201)。取得済の画像データがある場合(ステップS201:Yes)、判定部225は画面内の像を判定する(ステップS202)。この画像判定は、像の形、輪郭、色分布などを判定して行う。特徴量を判定するようにしてもよい。この判定処理は、例えば取得済の画像データのうち1つ前のフレームの画像との間の代表点の動きベクトルを用いて行われるが、その他の方法でもよい。なお、取得済の画像がない場合(ステップS201:No)、撮像装置1はステップS203へ移行する。
ステップS203において、特定の被写体像判定処理を開始してから所定時間経過した場合(ステップS203:Yes)、判定部225は、画面中央部に位置する被写体像を抽出する(ステップS204)。この状況は、例えば、図4を参照して説明した状況に対応しており、ユーザが注目している被写体(図4では鳥102)の像(図4では像103)を略中央に位置させたまま視野の設定を試みている状況に対応している。
続いて、判定部225は、画面中央部において色と形状に特徴がある部分を特定の被写体像と判定する(ステップS205)。このステップS205では、例えば色と形状の特徴がある被写体像の候補を予め記憶部213に記憶させておき、パターンマッチング等の手法によって判定部225が特定の被写体像を判定するようにしてもよい。判定部225は、空のように色および形状の一方のみに特徴があるような部分を特定の被写体像とは判定しない。これにより、例えば空のように、色は青で特徴がある一方、空の形状には特徴がない部分を特定の被写体像と判定しないで済む。ステップS205の後、撮像装置1は特定の被写体像判定処理を終了する。
ステップS203において、特定の被写体像判定処理を開始してから所定時間経過していない場合(ステップS203:No)、判定部225は、同一撮影条件下で前フレームと共通する部分の有無を判定する(ステップS206)。判定の結果、同一撮影条件下で前フレームと共通する部分がある場合(ステップS206:Yes)、その部分が所定フレーム数連続して存在しているとき(ステップS207:Yes)、判定部225は、その共通する部分を特定の被写体像と判定する(ステップS208)。この状況は、例えば、図5を参照して説明した状況に対応しており、ユーザが注目している被写体(図5では鳥102)の像(図5では像103)を視野内に入れながらその周囲を含めて視野の設定を試みている状況に対応している。ステップS208の後、判定部225は、特定の被写体像判定処理を終了する。
ステップS206において、同一撮影条件下で前フレームと共通する部分がない場合(ステップS206:No)、およびステップS207において、その共通する部分が所定フレーム数連続して存在していないとき(ステップS207:No)、判定部225はステップS209へ移行する。
ステップS209において、入力部204が特定の被写体像とすべき被写体像の指定入力を受け付けた場合(ステップS209:Yes)、判定部225は指定された被写体像を特定の被写体像と判定する(ステップS210)。被写体像の指定入力は、例えば表示部208に積層して設けられるタッチパネルを介してユーザが注目する被写体像を指でタッチすることにより実行される。ステップS210の後、判定部225は、特定の被写体像判定処理を終了する。
ステップS209において、入力部204が特定の被写体像とすべき被写体像の指定入力を受け付けない場合(ステップS209:No)、判定部225は、特定の被写体像がないと判定する(ステップS211)。この後、判定部225は、特定の被写体像判定処理を終了する。
引き続き、図10を参照して、ステップS110以降の撮像装置1の処理の概要を説明する。ステップS110において入力部204がズーム操作の入力を受け付けた場合(ステップS110:Yes)、そのズーム操作がズームアップ操作であれば(ステップS111:Yes)、撮像装置1はステップS112へ移行する。ステップS110において入力部204がズーム操作の入力を受け付けない場合(ステップS110:No)、撮像装置1は後述するステップS119へ移行する。
ステップS112において、判定部225は、画面の周縁部における特定の被写体像の有無を判定する(ステップS112)。画面の周縁部に特定の被写体像が存在する場合(ステップS112:Yes)、光学制御部221は、ズーム操作の操作量に応じたズームアップ信号をレンズ部3へ送信する(ステップS113)。
この後、制御部212は、第1通信部210を介して、レンズ部3からレンズ位置検出部303が検出したレンズ位置信号を受信する(ステップS114)。続いて、制御部212は、受信したレンズ位置信号に基づいてズームレンズ301aの焦点距離を判定する(ステップS115)。このように、ズームで焦点距離が少しずつ変化するごとに、きめ細かく、画面中心を判定して制御していくことが重要である。これによって、見栄えもよくなるし、制御も正確になる。いきなり、焦点距離が変わる場合は、変わった後の焦点距離を考慮して撮像素子位置を微調整する必要がある。
演算部226は、撮像素子201aの移動量を算出する(ステップS116)。ここで演算部226は、ズームアップ後の特定の被写体像の撮像素子201aの受光面における結像位置を受光面の中央部にするための撮像素子201aの移動量を算出する。例えば、図6および図7に示す場合、この移動量はΔX、ΔYである。
続いて、駆動制御部222は、算出した移動量だけ撮像素子201aを駆動させるように撮像素子駆動部202を制御する(ステップS117)。この駆動制御時に複数回の画像取り込みを行い、得られた画像を合成して得られた合成画像によって、いわゆるハイダイナミックレンジや超解像など、画像の情報量を向上させる画像処理を行ってもよい。その後、制御部212は、撮像素子201aの移動量を焦点距離と対応づけて移動情報記憶部231に書き込んで記憶させる(ステップS118)。この移動駆動とズームアップは、被写体の動きやズームレンズの動きによる焦点位置の変化も考慮して、常に、対象物が真ん中に来るように、ステップS111からのステップを繰り返してフィードバックする形で行うようにしてもよい。すなわち、撮像の変更機構の位置は、その撮像が行われているときのズームレンズ301aの焦点距離(焦点距離そのものである必要はない)情報、データと、撮像素子201aが生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置が光学系301の光軸の位置からどれだけずれているかという情報、データの関係で決定される。
この後、入力部204が撮影指示信号の入力を受け付けた場合(ステップS119:Yes)、制御部212はAE処理およびAF処理を行う(ステップS120)。具体的には、撮像制御部223が、信号処理部203から画像データを取得して露出条件の設定および焦点の自動調整を行い、光学制御部221が撮像制御部223の処理結果に応じてズームレンズ301aおよび絞り301bを駆動させる制御信号を出力する。この制御信号は、第1通信部210を介してレンズ部3へ送信される。なお、ステップS119において入力部204が撮影指示信号の入力を受け付けない場合(ステップS119:No)、撮像装置1は、後述するステップS123へ移行する。
続いて、撮像制御部223は、撮像部201に画像の撮影を行わせる(ステップS121)。ここで、本来は、撮像素子の中心に撮影光学系の光軸交わる設計からはずれるので、収差等の影響が出ないように、画像の一部を切り取って記録したり、補正して記録してもよい。
その後、駆動制御部222は、撮像素子201aの位置を初期位置へリセットするように撮像素子駆動部202を制御する(ステップS122)。
この後、入力部204の電源スイッチが押されて電源をオフする信号の入力を受け付けた場合(ステップS123:Yes)、制御部212は電源をオフする制御を行い(ステップS124)、一連の処理を終了する。一方、入力部204の電源スイッチが押されない場合(ステップS123:No)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
ステップS112において、画面の周縁部に特定の被写体像が存在しない場合(ステップS112:No)、光学制御部221はズームアップ信号をレンズ部3へ送信する(ステップS125)。
この後、撮像素子201aが初期位置から移動している場合(ステップS126:Yes)、撮像素子201aを初期位置へ戻すための初期化条件を満足しているとき(ステップS127:Yes)、駆動制御部222は、移動情報記憶部231を参照して撮像素子201aの位置をリセットして初期位置へ戻すように撮像素子駆動部202を制御する(ステップS128)。ここでいう初期化条件としては、例えば「手ぶれがなく、かつ撮像装置1自身の動きがない」という条件を挙げることができる。このような条件を課すことにより、手ぶれや撮像装置1自身の動きに起因して被写体像が拡大後に画面中央部に位置しなくなった場合には撮像素子201aの位置をリセットしないようにすることができる。ステップS128の後、撮像装置1はステップS119へ移行する。
ステップS126において撮像素子201aが初期位置から移動していない場合(ステップS126:No)、またはステップS127において撮像素子201aの初期化条件を満足していない場合(ステップS127:No)、撮像装置1はステップS119へ移行する。
ステップS111において、ズーム操作がズームアップ操作ではない場合(ステップS111:No)、すなわちズーム操作がズームダウン操作である場合、光学制御部221は操作量に応じたズームダウン信号をレンズ部3に送信する(ステップS129)。その後、撮像装置1はステップS126へ移行する。
ステップS101において、撮像装置1が撮影モードに設定されていない場合(ステップS101:No)、撮像装置1はその他のモードに設定されている。この場合には、設定された動作モードに応じた処理を行う。このような動作モードとして、例えば画像を再生する再生モード、外部機器とデータの送受信を行う通信モードなどを挙げることができる。
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、ズーム光学系の焦点距離を変化させてズームアップさせる際、画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置に応じて撮像素子を移動させるため、画面周縁部に位置する被写体像を拡大しても、その被写体像を確実に撮像することができる。
また、本実施の形態によれば、画面内の像のうち時間的に連続して生成された複数の画像データに共通して存在する像をユーザが注目する特定の被写体像と判定するため、特定の被写体像を的確に判定し、ズーム倍率を変化させてもその被写体像を確実に撮像することができる。
また、本実施の形態によれば、ズームアップする際に、特定の被写体像が画面の周縁部に位置しているとき、ズームアップ後に生成される画像データに含まれる特定の被写体像が画面の中央部に位置するためのズーム光学系および撮像素子の少なくとも一方の移動量を算出するため、ズームアップした後も被写体像の全体を撮像して表示することができる。
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した一実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。例えば、撮像システムは、観察用装置、検査用装置、または診断用装置として機能させることもできる。より具体的には、撮像装置を、医療用および工業用の内視鏡ならびに顕微鏡のように、撮像機能を備えた装置全般に適用することが可能である。撮像システムを内視鏡システムとして機能させる場合には、内視鏡用のプロセッサを通信端末として構成すればよい。
本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「この後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、上述した実施の形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。すなわち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
また、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理のアルゴリズムは、プログラムとして記述することが可能である。このようなプログラムは、コンピュータ内部の記憶部が記憶してもよいし、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録してもよい。プログラムの記憶部の記憶または記録媒体への記録は、コンピュータまたは記録媒体を製品として出荷する際に行ってもよいし、通信ネットワークを介したダウンロードにより行ってもよい。
撮像した特定の被写体像の画像において高い画質を確保する装置や方法について説明する。上述のように、ズーム光学系の光軸と撮像素子の受光面との位置関係を変更することで、画面周縁部に位置する被写体像を拡大しても、その被写体像を確実に撮像することができる。
ただし、ズーム光学系の光軸と撮像素子の受光面との位置関係を変更することで、撮像した特定の被写体像における収差が変化する。撮像した特定の被写体像において高い画質を確保するためには、特定の被写体像における収差の変化を最小にしなくてはならない。
本発明の一実施の形態に係る撮像装置は、光軸方向の動作によって焦点距離が変化するズーム光学系と、ズーム光学系を通過した被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、ズーム光学系の光軸方向の動作を指示する信号の入力を受け付ける入力部と、入力部が動作を指示する信号の入力を受け付けた場合、撮像素子が生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置に応じてズーム光学系の光軸と撮像素子の受光面との位置関係を変更する変更機構と、を備え、位置関係の変更では、特定の被写体像が受光面内に含まれるように、光軸と交差する面内でズーム光学系と受光面の相対位置が変化し、ズーム光学系は、光軸と交差する方向に移動する補正レンズ群を有し、補正レンズ群は、相対位置の変化によって生じた歪曲収差の非対称性を補正する方向に移動することを特徴とする。
上述のように、変更機構によって、ズーム光学系の光軸と撮像素子の受光面との位置関係が変更される。位置関係の変更では、特定の被写体像が受光面内に含まれるように、ズーム光学系の光軸と交差する面内でズーム光学系と受光面の相対位置が変化する。この相対位置の変化によって、諸収差が変化する。ここでは、歪曲収差について説明する。
また、以下の説明における「ズーム光学系と受光面の相対位置の変化」は、ズーム光学系の光軸と交差する面内で生じているものとする。
図12は、第1初期状態での歪曲収差と第1移動状態での歪曲収差を示す図である。図12において、横軸は像高比、縦軸は収差量を示している。実線で示す曲線は、第1初期状態における歪曲収差を表し、点線で示す曲線は、第1移動状態における歪曲収差を表している。また、第1初期状態や第1移動状態では、ズーム光学系を構成する各レンズは1つの光軸上に位置している。
ズーム光学系を構成する各レンズが1つの光軸上に位置している場合、ズーム光学系で発生した歪曲収差の量は光軸上でゼロになる。光軸上では、像高比の値がゼロである。図12に示すように、第1初期状態における歪曲収差の量は、像高比の値が0.00の点でゼロになっている。よって、像高比の値が0.00の点は、ズーム光学系の光軸の位置を表している。
第1初期状態では、撮像素子の受光面の中心は、ズーム光学系の光軸と一致している。よって、像高比の値が0.00の点は、受光面の中心を表している。そうすると、第1初期状態では、歪曲収差は、受光面の中心を含む直線に対して対称になる。
これに対して、第1移動状態では、撮像素子とズーム光学系の少なくとも一方が、第1初期状態の位置から移動している。よって、第1移動状態では、受光面の中心は、ズーム光学系の光軸と一致していない。ここでは、撮像素子が移動し、ズーム光学系は固定されているとする。
撮像素子の移動によって、受光面の中心が、例えば、像高比の値が0.00の点から像高比の値が0.20の点に移動したとする。また、理解を容易にするために、ここでは、受光面の範囲を、第1初期状態における像高比の値が−0.60から0.60までの範囲とする。
そうすると、第1移動状態では、受光面の中心が、像高比の値が0.20の点に移動しているので、第1移動状態における受光面の範囲は、像高比の値が−0.40から0.80までの範囲になる。
像高比の値が−0.40から0.80までの範囲では、実線で示す曲線は、像高比の値が0.20の点の右側と左側とで対称になっていない。すなわち、第1移動状態では、歪曲収差は、受光面の中心を含む直線に対して非対称になる。
以上、第1移動状態における受光面の中心が第1初期状態における受光面の中心と異なる状態で、歪曲収差の対称性を比較した。しかしながら、第1移動状態における受光面の中心と第1初期状態における受光面の中心とを一致させた状態で、歪曲収差の対称性を比較することもできる。
上述の例では、第1移動状態における受光面の中心は、像高比の値が0.20の点である。一方、第1初期状態における受光面の中心は、像高比の値が0.00の点である。そこで、第1移動状態における受光面の中心を、像高比の値が0.00の点まで移動させる。これにより、第1移動状態における受光面の中心が、第1初期状態における受光面の中心と一致する。
この移動によって、実線で示す曲線が左側に移動する。その結果、第1移動状態に対応する新たな曲線が得られる。新たな曲線は、例えば、図12において点線で示されている。点線で示す曲線は、実線で示す曲線を左側に移動させたものである。
点線で示す歪曲収差に対する受光面の範囲は、像高比の値が−0.60から0.60までの範囲になる。この範囲では、点線で示す歪曲収差は、像高比の値が0.00の点の右側と左側とで対称になっていない。すなわち、第1移動状態では、歪曲収差は、受光面の中心を含む直線に対して非対称になる。
このように、ズーム光学系と受光面の相対位置が変化することで、対称な歪曲収差が、非対称な歪曲収差に変化する。この変化は、高い画質の確保の妨げになる。よって、この変化を最小にすることが望ましい。
光学系では、例えば、レンズを光軸と交差する方向に移動させることで、光学系の収差が変化する。この点について説明する。以下の説明では、ズーム光学系は、補正レンズ群と固定レンズ群とで構成されているとする。
図13は、第2初期状態での歪曲収差と第2移動状態での歪曲収差を示す図である。図13において、横軸は像高比、縦軸は収差量を示している。実線で示す曲線は、第2初期状態での歪曲収差を表し、一点鎖線で示す曲線は、第2移動状態での歪曲収差を表している。
第2初期状態は第1初期状態と同一である。すなわち、ズーム光学系を構成する各レンズは1つの光軸上に位置すると共に、撮像素子の受光面の中心は、ズーム光学系の光軸と一致している。よって、第2初期状態での歪曲収差を示す曲線は、第1初期状態での歪曲収差を示す曲線と同一になる。その結果、第2初期状態では、歪曲収差は、受光面の中心を含む直線に対して対称になる。
これに対して、第2移動状態では、補正レンズ群が、第2初期状態の位置から移動している。移動方向は、固定レンズ群の光軸と交差する方向である。よって、第2移動状態では、補正レンズの光軸は、固定レンズ群の光軸と一致していない。
補正レンズ群の移動によって、実線で示す曲線が右側に移動する。その結果、第2移動状態に対応する新たな曲線が得られる。新たな曲線は、図13において一点鎖線で示されている。一点鎖線で示す曲線は、実線で示す曲線を右側に移動させたものである。
一点鎖線で示す歪曲収差に対する受光面の範囲は、像高比の値が−1.00から1.00までの範囲になる。この範囲では、一点鎖線で示す歪曲収差は、像高比の値が0.00の点の右側と左側とで対称になっていない。すなわち、第2移動状態では、歪曲収差は、受光面の中心を含む直線に対して非対称になる。
このように、補正レンズ群を光軸と交差する方向に移動させることで、対称な歪曲収差を、非対称な歪曲収差に変化させることができる。
図14は、第1移動状態での歪曲収差と第2移動状態での歪曲収差を示す図である。点線で示す曲線は、第1移動状態での歪曲収差を表し、一点鎖線で示す曲線は、第2移動状態での歪曲収差を表している。
図14から分かるように、第1移動状態における歪曲収差の非対称性と、第2移動状態における歪曲収差の非対称性とは、逆の関係になっている。
第1移動状態における歪曲収差の非対称性は、ズーム光学系と受光面の相対位置が変化することによって生じる。第2移動状態における歪曲収差の非対称性は、補正レンズ群をズーム光学系の光軸と交差する方向に移動させることによって生じる。
そこで、ズーム光学系と受光面の相対位置の変化に応じて、補正レンズ群をズーム光学系の光軸と交差する方向に移動させる。この移動では、補正レンズ群は、相対位置の変化によって生じた歪曲収差の非対称性を補正する方向に移動する。
このようにすることで、ズーム光学系と受光面の相対位置の変化によって歪曲収差に非対称性が生じたとしても、その非対称性を補正することができる。
図15は、第1初期状態での歪曲収差と補正後の歪曲収差を示す図である。実線で示す曲線は、第1初期状態での歪曲収差を表し、破線で示す曲線は、補正後の歪曲収差を表している。
図15から分かるように、補正後の歪曲収差は、第1初期状態での歪曲収差と同じように、受光面の中心を含む直線に対して対称になる。すなわち、ズーム光学系と受光面の相対位置の変化によって歪曲収差に非対称性が生じたとしても、その非対称性を補正することができる。
ズーム光学系と受光面の相対位置を変化させることで、被写体の追尾を行うことができるが、被写体の追尾はレンズの移動のみによっても行える。ただし、レンズの移動のみで被写体を追尾すると、ズーム光学系自体の歪曲収差が大きく変化する。特に、非対称性が大きくなる。
本発明の一実施の形態に係る撮像装置では、被写体の追尾は、主に撮像素子の移動によって行っている。よって、被写体の追尾を行っても、ズーム光学系自体の歪曲収差は大きく変化しない。そのため、被写体の追尾に伴う歪曲収差の変化を小さく抑えることができる。
その結果、本発明の一実施の形態に係る撮像装置では、画面周縁部に位置する被写体像を拡大しても、その被写体像を確実に撮像することができると共に、高い画質が確保された画像を取得することができる。
上述のように、レンズ駆動部302は、変倍用に、ステッピングモータやDCモータ等を備えている。変倍時のレンズ群の移動方向は光軸に沿う方向であるのに対して、補正レンズ群の移動方向は光軸と交差する方向である。よって、変倍用のステッピングモータやDCモータ等は使用できない。
そこで、レンズ駆動部302に、変倍用とは別のステッピングモータやDCモータ等を新たに配置する。新たに配置したステッピングモータやDCモータ等で、補正レンズ群の移動を行えば良い。
第1初期状態、第1移動状態、第2移動状態及び補正後の各々について、歪曲収差量の数値例を表1に示す。
Figure 2018146874
本発明の一実施の形態に係る撮像装置では、ズーム光学系は、軸上光束を制限する明るさ絞りを有し、ズーム光学系が望遠端状態にて、以下の条件式(1)、(2)を満足することが好ましい。
0≦|(1−MGSL)×MGr|<1.3 (1)
0.4<|fSL/dASSL|<1.7 (2)
ただし、
MGSLは、無限遠物体合焦時の補正レンズ群の横倍率、
MGrは、無限遠物体合焦時の所定のレンズ系の横倍率、
fSL は、補正レンズ群の焦点距離、
dASSLは、無限遠物体合焦時の明るさ絞りと補正レンズ群との間の軸上距離、
所定のレンズ系は、補正レンズ群よりも像側に位置する全てのレンズで構成されたレンズ系、
である。
上述のように、本発明の一実施の形態に係る撮像装置では、被写体の追尾は、主に撮像素子の移動によって行っている。そのため、受光面の中心と光学系の光軸とが一致しない状態が生じる。
上述のように、受光面の中心とズーム光学系の光軸とが一致しないと、歪曲収差は、受光面の中心を含む直線に対して非対称になる。そこで、条件式(1)、(2)を満たすことが好ましい。
条件式(1)は、補正レンズ群の移動量に対する像の移動量、すなわち、偏心感度に関する条件式である。条件式(2)は、補正レンズ群の焦点距離と補正レンズ群の位置の好ましい関係を特定している。
条件式(1)、(2)を満たす補正レンズ群をズーム光学系の光軸と交差する方向に移動させることで、歪曲収差の増大を抑えながら、受光面の中心を含む直線に対する歪曲収差の非対称性を緩和できる。
条件式(1)の上限値を上回らないようにすることで、偏心感度が小さくなるように、ズーム光学系の光学系を構成することができる。これにより、補正レンズ群を移動させても、諸収差の非対称性が増大することを抑制することが容易になる。
条件式(2)の上限値を上回らないようにすることで、補正レンズ群を明るさ絞りから遠ざけると共に、適度に屈折力を確保することができる。このようにすることは、歪曲収差以外の収差への影響を抑えつつ、歪曲収差の非対称性を補正することに有利となる。
条件式(2)の下限値を下回らないようにすることで、補正レンズ群の屈折力の増大を抑えることができる。このようにすることは、補正レンズ群の移動による歪曲収差量の変化の抑制に有利となる。
各条件式について、以下のように下限値、または上限値を変更できる。
条件式(1)については、以下の通りである。
上限値は、1.2、更には1.15とすることがより好ましい。
下限値は、理想的には0が好ましい。ただし、ズーム光学系の設計の容易性を考慮して、下限値は、0.5、更には0.8とすることができる。
条件式(2)については、以下の通りである。
下限値は、1.0、更には1.3とすることがより好ましい。
上限値は、1.6、更には1.5とすることがより好ましい。
本発明の一実施の形態に係る撮像装置では、変更機構は、ズーム光学系の焦点距離に対応する情報と、撮像素子が生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置との関係に応じて、補正レンズ群の移動量を決定することが好ましい。
このようにすることで、受光面の中心を含む直線に対する歪曲収差の非対称性を、より小さくすることができる。
本発明の一実施の形態に係る撮像装置では、変更機構は、移動量にしたがってズーム光学系および撮像素子の少なくとも一方を移動させることによって位置関係の変更を行うと共に、補正レンズ群の移動を行うことが好ましい。
このようにすることで、受光面の中心を含む直線に対する歪曲収差の非対称性を、より小さくすることができる。
本発明の一実施の形態に係る撮像ユニットは、ズーム光学系と、ズーム光学系の像位置に配置された撮像素子と、被写体追尾を行うための移動機構と、を備え、ズーム光学系は、軸上光束を制限する明るさ絞りと、補正レンズ群と、を有し、被写体追尾は、撮像素子の移動と補正レンズ群の移動とによって行われ、補正レンズ群と撮像素子は、移動機構によってズーム光学系の光軸と交差する方向に移動し、補正レンズ群は、撮像素子の移動によって生じた歪曲収差の非対称性を補正する方向に移動し、望遠端状態にて、上記の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とする。
本実施形態の撮像ユニットの構成に関する技術的意義と条件式に関する技術的意義は、上述の通りである。
本実施形態に係る撮像ユニットは、図1におけるレンズ部3に撮像素子を配置したものである。この場合、図1における本体部2には、撮像素子は設けられていない。本実施形態に係る撮像ユニットを、撮像装置1の本体部2に装着することで、撮像装置1を使用可能な状態にすることができる。
上述のように、レンズ駆動部302は、変倍用に、ステッピングモータやDCモータ等を備えている。変倍時のレンズ群の移動方向は光軸に沿う方向であるのに対して、補正レンズ群の移動方向は光軸と交差する方向である。よって、変倍用のステッピングモータやDCモータ等は使用できない。
そこで、レンズ駆動部302に、変倍用とは別のステッピングモータやDCモータ等を新たに配置する。新たに配置したステッピングモータやDCモータ等で、撮像素子の移動と補正レンズ群の移動を行えば良い。
補正レンズ群の移動によって、像が移動する。よって、補正レンズ群の移動は、被写体追尾に寄与している。ただし、寄与の割合は非常に小さい。よって、本実施形態の撮像ユニットでは、被写体追尾は、主に、撮像素子の移動によって行われている。
本発明の一実施の形態に係る撮像ユニットは、撮像装置の本体部に対して着脱するための着脱部と、本体部に設けられた撮像素子上に被写体の像を形成するズーム光学系と、被写体追尾を行うための移動機構と、を備え、ズーム光学系は、軸上光束を制限する明るさ絞りと、補正レンズ群と、を有し、被写体追尾は、撮像素子の移動と補正レンズ群の移動とによって行われ、撮像素子と補正レンズ群は、移動機構によってズーム光学系の光軸と交差する方向に移動し、補正レンズ群は、撮像素子の移動によって生じた歪曲収差の非対称性を補正する方向に移動し、望遠端状態にて、上記の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とする。
本発明の一実施の形態に係る撮像ユニットは、図1におけるレンズ部3である。本実施形態の撮像ユニットを、撮像装置1の本体部2に装着することで、撮像装置1を使用可能な状態にすることができる。撮像素子は撮像装置1の本体部2に設けられているので、本実施形態の撮像ユニットは撮像素子を備えていない。
上述のように、ズーム光学系と受光面の相対位置を変化させることで、被写体の追尾を行うことができる。ズーム光学系と受光面の相対位置の変化は、ズーム光学系の移動と撮像素子の移動のどちらか一方、又は、両方で行えば良い。本実施形態の撮像ユニットでは、本体部2に設けた撮像素子の移動で追尾が行われる。
補正レンズ群の移動によって、像が移動する。よって、補正レンズ群の移動は、被写体追尾に寄与している。ただし、寄与の割合は非常に小さい。よって、本実施形態の撮像ユニットでは、被写体追尾は、主に、撮像素子の移動によって行われている。
本発明の一実施の形態に係る撮像ユニットは、撮像装置の本体部に対して着脱するための着脱部と、本体部に設けられた撮像素子上に被写体の像を形成するズーム光学系と、被写体追尾を行うための移動機構と、を備え、ズーム光学系は、軸上光束を制限する明るさ絞りと、補正レンズ群と、を有し、被写体追尾は、ズーム光学系全体の移動と補正レンズ群の移動とによって行われ、ズーム光学系全体と補正レンズ群は、移動機構によってズーム光学系の光軸と交差する方向に移動し、補正レンズ群は、ズーム光学系全体の移動によって生じた歪曲収差の非対称性を補正する方向に移動し、上記の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とする。
本発明の一実施の形態に係る撮像ユニットは、図1におけるレンズ部3である。本実施形態の撮像ユニットを、撮像装置1の本体部2に装着することで、撮像装置1を使用可能な状態にすることができる。撮像素子は撮像装置1の本体部2に設けられているので、本実施形態の撮像ユニットは撮像素子を備えていない。
上述のように、ズーム光学系と受光面の相対位置を変化させることで、被写体の追尾を行うことができる。ズーム光学系と受光面の相対位置の変化は、ズーム光学系全体の移動と撮像素子の移動のどちらか一方、又は、両方で行えば良い。本実施形態の撮像ユニットでは、ズーム光学系全体の移動で追尾が行われる。
補正レンズ群の移動によって、像が移動する。よって、補正レンズ群の移動は、被写体追尾に寄与している。ただし、寄与の割合は非常に小さい。よって、本実施形態の撮像ユニットでは、被写体追尾は、主に、ズーム光学系全体の移動によって行われている。
上述のように、本発明の一実施の形態に係る撮像装置では、ズーム光学系と受光面の相対位置の変化に応じて、補正レンズ群を光軸と交差する方向に移動させている。このような処理を行う制御方法について、説明する。
本発明の一実施の形態に係る撮像装置の制御方法は、光軸方向の動作によって焦点距離が変化するズーム光学系の光軸方向の動作を指示する信号の入力に応じてズーム光学系を光軸方向に沿って動作させる動作ステップと、ズーム光学系を通過した被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子が生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置に応じてズーム光学系の光軸と撮像素子の受光面との位置関係を変更する変更ステップと、ズーム光学系内に配置された補正レンズ群を、光軸と交差する方向に移動させる移動ステップと、を有し、変更ステップでは、特定の被写体像が受光面内に含まれるように、光軸と交差する面内でズーム光学系と受光面の相対位置が変化し、移動ステップでは、相対位置の変化によって生じた歪曲収差の非対称性が補正される方向に、補正レンズ群が移動することを特徴とする。
図16は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートの一部である。図16に示すフローチャートは、図10に示すフローチャートの一部を抜粋したものである。図10に示すフローチャートと同じ処理については、説明を省略する。
本発明の一実施の形態に係る撮像装置の制御方法では、動作ステップと、変更ステップと、移動ステップと、が行われる。
動作ステップと変更ステップには、ステップS113からステップS117までが対応し、移動ステップには、ステップ300が対応する。
ズーム光学系は、複数のレンズ群で構成されている。ズーム光学系では、少なくとも1つのレンズ群を光軸方向に沿って移動させることで、焦点距離が変化する。動作ステップは、レンズ群の移動を指示する信号の入力によって実行される。
ズーム光学系によって、像位置に被写体像が形成される。像位置には、撮像素子の受光面が位置している。被写体像は、撮像素子によって撮像される。この撮像によって、被写体像の画像データが生成される。画像データには、特定の被写体像が含まれている。変更ステップでは、特定の被写体像の画面内の位置に応じて、ズーム光学系の光軸と撮像素子の受光面との位置関係を変更する。
変更ステップでは、特定の被写体像が受光面内に含まれるように、ズーム光学系と受光面の相対位置が変化する。
移動ステップでは、ズーム光学系内に配置された補正レンズ群が、光軸と交差する方向に移動する。移動ステップでは、相対位置の変化によって生じた歪曲収差の非対称性が補正される方向に、補正レンズ群が移動する。
その結果、本発明の一実施の形態に係る撮像装置の制御方法では、画面周縁部に位置する被写体像を拡大しても、その被写体像を確実に撮像することができると共に、高い画質が確保された画像を取得することができる。
ステップS118では、焦点距離と移動量の記憶が行われている。ステップS118における移動量の記憶には、撮像素子の移動量の記憶だけでなく、補正レンズ群の移動量の記憶も行われる。
本発明の一実施の形態に係る撮像装置の制御プログラムは、光軸方向の動作によって焦点距離が変化するズーム光学系の光軸方向の動作を指示する信号の入力に応じてズーム光学系を光軸方向に沿って動作させる動作ステップと、ズーム光学系を通過した被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子が生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置に応じてズーム光学系の光軸と撮像素子の受光面との位置関係を変更する変更ステップと、ズーム光学系内に配置された補正レンズ群を、光軸と交差する方向に移動させる移動ステップと、を有し、変更ステップでは、特定の被写体像が受光面内に含まれるように、光軸と交差する面内でズーム光学系と受光面の相対位置が変化し、移動ステップでは、相対位置の変化によって生じた歪曲収差の非対称性が補正される方向に、補正レンズ群が移動するように、動作ステップ、変更ステップ及び移動ステップを撮像装置に実行させることを特徴とする。
本発明の一実施の形態に係る撮像装置の制御プログラムの技術的意義は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置の制御方法で説明したとおりである。
以下に、ズーム光学系の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
実施例のレンズ断面図について説明する。(a)は広角端におけるレンズ断面図、(b)は中間焦点距離状態におけるレンズ断面図、(c)は望遠端におけるレンズ断面図を示している。
実施例の収差図について説明する。(a)は広角端における球面収差(SA)、(b)は広角端における非点収差(AS)、(c)は広角端における歪曲収差(DT)、(d)は広角端における倍率色収差(CC)を示している。
また、(e)は中間焦点距離状態における球面収差(SA)、(f)は中間焦点距離状態における非点収差(AS)、(g)は中間焦点距離状態における歪曲収差(DT)、(h)は中間焦点距離状態における倍率色収差(CC)を示している。
また、(i)は望遠端における球面収差(SA)、(j)は望遠端における非点収差(AS)、(k)は望遠端における歪曲収差(DT)、(l)は望遠端における倍率色収差(CC)を示している。
レンズ断面図と収差図は、共に、無限遠物体合焦時の図である。
実施例1のズーム光学系は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、で構成されている。明るさ絞りSは、第2レンズ群G2に配置されている。
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凹負レンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3と、で構成されている。
第2レンズ群G2は、両凸正レンズL4と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL5と、両凸正レンズL6と、で構成されている。ここで、負メニスカスレンズL5と両凸正レンズL6とが接合されている。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL7で構成されている。第3レンズ群G3は、補正レンズ群である。
第4レンズ群G4は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL8で構成されている。
変倍時、第1レンズ群G1は像側に移動した後、物体側に移動し、第2レンズ群G2は物体側に移動し、第3レンズ群G3は物体側に移動し、第4レンズ群G4は固定である。明るさ絞りSは、第2レンズ群G2と共に、物体側に移動する。
補正レンズ群は、第3レンズ群G3である。被写体の追尾時、第3レンズ群G3は、光軸と交差する方向に移動する。第3レンズ群G3は、光軸と直交する方向に移動することが好ましい。
非球面は、両凹負レンズL2の両側面と、両凸正レンズL4の両側面と、負メニスカスレンズL7の両側面と、の合計6面に設けられている。
以下に、実施例の数値データを示す。面データにおいて、rは各レンズ面の曲率半径、dは各レンズ面間の間隔、ndは各レンズのd線の屈折率、νdは各レンズのアッベ数、*印は非球面である。
また、ズームデータにおいて、fはズーム光学系の焦点距離、FNO.はFナンバー、ωは半画角、IHは像高、LTLは光学系の全長、である。全長は、最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの距離にバックフォーカスを加えたものである。WEは広角端、STは中間焦点距離状態、TEは望遠端である。
また、各群焦点距離において、f1、f2…は各レンズ群の焦点距離である。
また、非球面形状は、光軸方向をz、光軸に直交する方向をyにとり、円錐係数をk、非球面係数をA4、A6、A8、A10、A12…としたとき、次の式で表される。
z=(y2/r)/[1+{1−(1+k)(y/r)21/2
+A4y4+A6y6+A8y8+A10y10+A12y12+…
また、非球面係数において、「e−n」(nは整数)は、「10−n」を示している。なお、これら諸元値の記号は後述の実施例の数値データにおいても共通である。
数値実施例
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
物体面 ∞ 10.00
1 45.030 0.814 1.773 49.600
2 10.079 4.144
3* -40.059 0.753 1.531 55.690
4* 38.409 0.185
5 17.833 1.981 2.001 25.460
6 37.562 可変
7* 12.146 2.730 1.742 49.210
8* -62.431 0.976
9(絞り) ∞ 1.120
10 135.843 0.501 1.750 35.330
11 6.963 4.229 1.497 81.540
12 -15.606 可変
13* 47.149 0.590 1.531 55.690
14* 10.353 可変
15 -100.690 2.676 1.835 42.730
16 -26.829 14.400
撮像面 ∞

非球面データ
第3面
k=0.0000,A4=6.6752E-05,A6=-8.8398E-07,A8=-1.0496E-09
第4面
k=0.0000,A4=5.6775E-05,A6=-1.1574E-06,A8=-1.5695E-11,A10-3.0456E-21
第7面
k=0.0000,A4=-2.9848E-05,A6=5.3216E-07,A8=-3.1144E-08
第8面
k=0.0000,A4=8.4474E-05,A6=1.9859E-07,A8=-2.9955E-08
第13面
k=0.0000,A4=-4.2808E-04,A6=8.9975E-06,A8=2.6640E-08
第14面
k=0.0000,A4=-4.7992E-04,A6=9.9258E-06,A8=-5.6689E-08,A10-4.8870E-17

ズームデータ
WE ST TE
f 14.226 24.175 41.150
FNO. 3.627 4.686 5.697
2ω 84.048 49.590 29.518
IH 11.150 11.150 11.150
LTL 50.070 46.670 51.493

d6 17.997 7.188 0.700
d12 1.457 5.324 11.284
d14 9.916 13.458 18.810

各群焦点距離
f1=-18.0629 f2=14.6465 f3=-25.1363 f4=43.102
次に、実施例における条件式の値とパラメータの値を以下に掲げる。
WE ST TE
(1)|(1-MGSL)×MGr| 0.873 0.967 1.107
(2)|fSL/dASSL| 3.440 2.249 1.467
MGSL 2.293 2.429 2.625
MGr 0.675 0.677 0.681
fSL -25.136 -25.136 -25.136
dASSL 7.307 11.174 17.134
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態を含みうるものであり、特許請求の範囲によって特定される技術的思想の範囲内で種々の設計変更等を行うことが可能である。
本発明は、画面周縁部に位置する被写体像を拡大しても、その被写体像を確実に撮像することができると共に、高い画質が確保された撮像装置、撮像装置の制御方法、撮像装置の制御プログラム及び撮像ユニットに適している。
1、1A・・・撮像装置;2・・・本体部;3・・・レンズ部;4・・・通信端末;100・・・撮像システム;201・・・撮像部;201a・・・撮像素子;202・・・撮像素子駆動部;203・・・信号処理部;204、401・・・入力部;205・・・音声入力部;206・・・タイマー;207・・・位置情報取得部;208、208A、403・・・表示部;209・・・音声出力部;210・・・第1通信部;211・・・第2通信部;212、404・・・制御部;213、405・・・記憶部;221・・・光学制御部;222・・・駆動制御部;223・・・撮像制御部;224・・・表示制御部;225・・・判定部;226・・・演算部;231・・・移動情報記憶部;232・・・画像データ記憶部;233・・・プログラム記憶部;301・・・光学系;301a・・・ズームレンズ;302・・・レンズ駆動部;303・・・レンズ位置検出部;304・・・絞り駆動部;305・・・絞り値検出部;306・・・レンズ操作部;307・・・レンズ記憶部;308・・・レンズ通信部;309・・・レンズ制御部;402・・・通信部;501・・・基台部;502・・・可動部;503・・・磁石支持部;511〜516、531〜533・・・磁石部;521〜523・・・コイル;524〜526・・・ホール素子

Claims (12)

  1. 光軸方向の動作によって焦点距離が変化するズーム光学系と、
    前記ズーム光学系を通過した被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、
    前記ズーム光学系の前記光軸方向の動作を指示する信号の入力を受け付ける入力部と、
    前記入力部が前記動作を指示する信号の入力を受け付けた場合、前記撮像素子が生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置に応じて前記ズーム光学系の光軸と前記撮像素子の受光面との位置関係を変更する変更機構と、を備え、
    前記位置関係の変更では、前記特定の被写体像が前記受光面内に含まれるように、前記光軸と交差する面内で前記ズーム光学系と前記受光面の相対位置が変化し、
    前記ズーム光学系は、前記光軸と交差する方向に移動する補正レンズ群を有し、
    前記補正レンズ群は、前記相対位置の変化によって生じた歪曲収差の非対称性を補正する方向に移動することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記ズーム光学系は、軸上光束を制限する明るさ絞りを有し、
    前記ズーム光学系が望遠端状態にて、以下の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
    0≦|(1−MGSL)×MGr|<1.3 (1)
    0.4<|fSL/dASSL|<1.7 (2)
    ただし、
    MGSLは、無限遠物体合焦時の前記補正レンズ群の横倍率、
    MGrは、無限遠物体合焦時の所定のレンズ系の横倍率、
    fSL は、前記補正レンズ群の焦点距離、
    dASSLは、無限遠物体合焦時の前記明るさ絞りと前記補正レンズ群との間の軸上距離、
    前記所定のレンズ系は、前記補正レンズ群よりも像側に位置する全てのレンズで構成されたレンズ系、
    である。
  3. 前記変更機構は、
    前記ズーム光学系の焦点距離に対応する情報と、前記撮像素子が生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置との関係に応じて、前記補正レンズ群の移動量を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 画面内の像のうち時間的に連続して生成された複数の画像データに共通して存在する像を前記特定の被写体像と判定する判定部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像装置。
  5. 前記判定部は、
    所定時間だけ画面中央部に位置するとともに色および形状の少なくともいずれか一方に特徴がある像を前記特定の被写体像と判定する、または前記所定時間よりも短い時間連続して生成された複数の画像データに共通して存在する像を前記特定の被写体像と判定する、ことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記入力部が前記ズーム光学系の焦点距離を大きくする指示信号の入力を受け付けた場合、前記入力部が前記指示信号の入力を受け付ける前の最新の画像データに含まれる前記特定の被写体像が画面の周縁部に位置しているとき、前記ズーム光学系の焦点距離を大きくした後に生成される画像データに含まれる前記特定の被写体像が画面の中央部に位置するための前記ズーム光学系および前記撮像素子の少なくとも一方の移動量を算出する演算部をさらに備え、
    前記変更機構は、
    前記移動量にしたがって前記ズーム光学系および前記撮像素子の少なくとも一方を移動させることによって前記位置関係の変更を行うと共に、前記補正レンズ群の移動を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  7. 前記変更機構は、
    前記入力部が前記ズーム光学系の焦点距離を大きくする指示信号の入力を受け付けた場合、前記入力部が前記指示信号の入力を受け付ける前の最新の画像データに含まれる前記特定の被写体像が画面の周縁部に位置していないとき、前記ズーム光学系の光軸と前記撮像素子の受光面との位置関係が初期状態から変化し、かつ所定の初期化条件を満たせば、前記ズーム光学系および前記撮像素子の位置関係と、前記ズーム光学系に対する前記補正レンズ群の位置を前記初期状態にリセットすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記変更機構は、
    前記撮像素子を駆動する撮像素子駆動部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の撮像装置。
  9. 前記変更機構は、
    前記ズーム光学系を駆動して前記ズーム光学系の光軸を変更する光学系駆動部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の撮像装置。
  10. 光軸方向の動作によって焦点距離が変化するズーム光学系の前記光軸方向の動作を指示する信号の入力に応じて前記ズーム光学系を前記光軸方向に沿って動作させる動作ステップと、
    前記ズーム光学系を通過した被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子が生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置に応じて前記ズーム光学系の光軸と前記撮像素子の受光面との位置関係を変更する変更ステップと、
    前記ズーム光学系内に配置された補正レンズ群を、前記光軸と交差する方向に移動させる移動ステップと、を有し、
    前記変更ステップでは、前記特定の被写体像が前記受光面内に含まれるように、前記光軸と交差する面内で前記ズーム光学系と前記受光面の相対位置が変化し、
    前記移動ステップでは、前記相対位置の変化によって生じた歪曲収差の非対称性が補正される方向に、前記補正レンズ群が移動することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  11. 光軸方向の動作によって焦点距離が変化するズーム光学系の前記光軸方向の動作を指示する信号の入力に応じて前記ズーム光学系を前記光軸方向に沿って動作させる動作ステップと、
    前記ズーム光学系を通過した被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子が生成した画像データに含まれる特定の被写体像の画面内の位置に応じて前記ズーム光学系の光軸と前記撮像素子の受光面との位置関係を変更する変更ステップと、
    前記ズーム光学系内に配置された補正レンズ群を、前記光軸と交差する方向に移動させる移動ステップと、を有し、
    前記変更ステップでは、前記特定の被写体像が前記受光面内に含まれるように、前記光軸と交差する面内で前記ズーム光学系と前記受光面の相対位置が変化し、
    前記移動ステップでは、前記相対位置の変化によって生じた歪曲収差の非対称性が補正される方向に、前記補正レンズ群が移動するように、
    前記動作ステップ、変更ステップ及び移動ステップを撮像装置に実行させることを特徴とする撮像装置の制御プログラム。
  12. ズーム光学系と、
    前記ズーム光学系の像位置に配置された撮像素子と、
    被写体追尾を行うための移動機構と、を備え、
    前記ズーム光学系は、軸上光束を制限する明るさ絞りと、補正レンズ群と、を有し、
    前記被写体追尾は、前記撮像素子の移動と前記補正レンズ群の移動とによって行われ、
    前記補正レンズ群と前記撮像素子は、前記移動機構によって前記ズーム光学系の光軸と交差する方向に移動し、
    前記補正レンズ群は、前記撮像素子の移動によって生じた歪曲収差の非対称性を補正する方向に移動し、
    望遠端状態にて、以下の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とする撮像ユニット。
    0≦|(1−MGSL)×MGr|<1.3 (1)
    0.4<|fSL/dASSL|<1.7 (2)
    ただし、
    MGSLは、無限遠物体合焦時の前記補正レンズ群の横倍率、
    MGrは、無限遠物体合焦時の所定のレンズ系の横倍率、
    fSL は、前記補正レンズ群の焦点距離、
    dASSLは、無限遠物体合焦時の前記明るさ絞りと前記補正レンズ群との間の軸上距離、
    前記所定のレンズ系は、前記補正レンズ群よりも像側に位置する全てのレンズで構成されたレンズ系、
    である。
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