JP2018145973A - シームレス機構用の駆動装置、および変速機 - Google Patents

シームレス機構用の駆動装置、および変速機 Download PDF

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Abstract

【課題】目的の変速段への変更を適切に行えるようにする。【解決手段】複数のシフトロッド71、72、73を、変速段の順番で軸線X1、X2、X3方向に往復変位させるシームレス機構用の駆動装置15であって、1つのモータMが出力した回転駆動力を、シフトロッド71、72、73を軸線方向に往復変位させる操作力に変換するカム駆動機構16と、を有し、カム駆動機構16は、モータMの回転駆動力で回動する回動部材18を、回転軸Y方向への変位を許容しつつ所定位置で保持するスプリングSpと、回動部材18と一体に回転軸Y方向に変位可能なカム部材17A、17B、17Cと、シフトロッド71、72、73の各々に固定されたブラケット19A、19B、19Cと、を有しており、ブラケット19A、19B、19Cと、カム部材17A、17B、17Cのカムアーム173と、を回転軸Y方向の相対変位により係脱させる構成とした。【選択図】図3

Description

本発明は、シームレス機構用の駆動装置、および変速機に関する。
特許文献1には、シームレスシフト機構を備える変速機が開示されている。
特開2012−127471号公報
図8は、従来例にかかる変速機100のシームレス機構に関わる部分を説明する図である。
シームレス機構を備える変速機100は、駆動源の出力回転が入力される入力軸2を有している。
この入力軸2では、変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)が、回転軸Xa方向に間隔をあけて設けられており、これらギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)に隣接する位置には、入力軸2と一体に回転するカムリング41、42、43が設けられている。
カムリング41、42、43には、スリーブ51、52、53が外挿されており、スリーブ51、52、53の各々は、カムリング41、42、43と一体回転可能、かつ入力軸2の軸方向(以下、回転軸Xaとも標記する)に変位可能に設けられている。
変速機100では、スリーブ51、52、53の回転軸Xa方向への変位により、ギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)とスリーブ51、52、53の互いの対向部に設けた歯部(ドグ)26、56同士を係脱させる。
そして、歯部同士を互いに係合させたスリーブ51、52、53とギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)との組み合わせを変更することで、変速段が変更される。
スリーブ51、52、53の外周には、シフトロッド71、72、73に連結されたシフトフォーク61、62、63が係合しており、スリーブ51、52、53の回転軸Xa方向への変位は、シフトロッド71、72、73を軸線X1、X2、X3方向に変位させることで実施される。
変速機100では、これらシフトロッド71、72、73の変位を、カム溝121、122、123を有するカム駆動機構120を用いることで、1つのモータMの出力回転で制御している。
しかし、このシームレス機構を備える変速機100は、変速段を一段ずつ順番に変更する仕様となっており、例えば、3速から1速というような、いわゆる飛ばし段の変速ができないようになっている。
そのため、例えば、変速段が3速の状態で車両が停車したために、車両の発進に備えて変速段を1速に変更する場合には、3速→2速→1速の順番で変更する必要がある。
しかし、車両が停車している状態では、各ギヤの回転が規制されている。そのため、変速段を1段ずつ順番に切り替えてゆく過程で、ギヤとスリーブの互いの対向部に設けた歯部(ドグ)同士の係脱が行えないことがある。
そうすると、シームレス機構を備える変速機は、変速段を1段ずつ順番に変更してゆかないと目的の変速段に到達できないため、目的の変速段への変更の途中で、変速段の変更が行えなくなる。
そこで、変速段を一段ずつ順番に変更する仕様のシームレス機構を備える変速機において、目的の変速段への変更を、車両が停車している場合であっても適切に行えるようにすることが求められている。
本発明は、
変速機の変速段を一段ずつ順番に変更するシームレス機構が備える複数のシフトロッドを、変速段の順番で軸線方向に往復変位させるシームレス機構用の駆動装置であって、
1つのモータと、
前記1つのモータが出力した回転駆動力を、互いに平行に配置された前記複数のシフトロッドを前記軸線方向に往復変位させる操作力に変換するカム駆動機構と、を有し、
前記カム駆動機構は、
前記1つのモータが出力した回転駆動力で、前記軸線に直交する回転軸回りに回動する回動部材と、
前記回動部材の前記回転軸方向への変位を許容しつつ、前記回転軸方向の所定位置で保持する弾性保持部材と、
前記複数のシフトロッドの各々に固定されたブラケットと、
前記複数のシフトロッドに一対一で対応すると共に、前記回動部材の前記回転軸方向への変位に連動して前記回転軸方向に変位可能な複数のカム部材と、を有しており、
前記カム部材は、
前記ブラケットに係合させた先端部が、前記回動部材の回動に連動して前記軸線方向に変位するカムアームを有しており、
前記ブラケットと前記カムアームの先端部は、前記回転軸方向の相対変位により係脱するように構成した。
本発明によれば、回動部材が回転軸方向に変位することで、カムアームの先端部とブラケットとの係合を解除できる。
よって、目的の変速段に変更する途中の変速段で、車両が停止しているために実現できない途中の変速段がある場合であっても、カムアームの先端部とブラケットとの係合を解除することで、実現できない途中の変速段を飛ばすことができる。これにより、目的の変速段への変更を、車両が停車している場合であっても適切に行える。
シームレス機構を備える変速機の構成を説明する図である。 シームレス機構のカムリングとスリーブを説明する図である。 カム駆動機構を説明する図である。 カム駆動機構の要部を説明する分解斜視図である。 カム駆動機構の要部を説明する図である。 シフトロッドの進退移動を説明する図である。 変速段を変更する際の係合部と係止片の相対変位を説明する図である。 従来例にかかる変速機のシームレス機構に関わる部分を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を、シームレス機構を備える変速機10の場合を例に挙げて説明する。
図1は、シームレス機構を備える変速機10の構成を説明図である。図1の(a)は、変速機10全体の構成を説明する模式図であり、図1の(b)は、位置決め機構70を説明する図である。
図2は、シームレス機構のカムリング41とスリーブ51を説明する図である。図2の(a)は、入力軸2と一体に回転するカムリング41にスリーブ51を組み付けた状態を示す斜視図であり、図2の(b)は、カムリング41とスリーブ51を入力軸2の軸方向で離間して示した分解斜視図である。
なお、図2の(a)においては、入力軸2で支持された変速用のギヤ(1速ギヤ21)を仮想線で示している。
図1に示すように、変速機10は、駆動源11の出力回転が、メインクラッチ12を介して入力される入力軸2を有している。
入力軸2では、複数の変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)が、入力軸2の軸方向に間隔をあけて並んでおり、変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)の各々は、入力軸2で回転可能に支持されている。
入力軸2では、変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)に隣接する位置に、入力軸2と一体に回転するカムリング41、42、43(図2参照)が設けられている。
カムリング41、42、43の外周には、当該カムリング41、42、43の外周を回転軸Xa方向(入力軸2の軸方向)に延びるカム溝45(図2参照)が設けられている。
カムリング41、42、43の外周においてカム溝45は、回転軸Xa周りの周方向に所定間隔で複数設けられている。
カムリング41、42、43の外周には、回転軸Xa方向から見てリング状を成すスリーブ51、52、53(図2参照)が外挿されている。
スリーブ51、52、53の各々は、カムリング41、42、43のカム溝45に係合する係合突起55(図2参照)を、カム溝45と同数有している。
スリーブ51、52、53の各々は、カム溝45に係合させた係合突起55により、カムリング41、42、43の外周で、入力軸2の軸方向(回転軸Xa方向)に移動可能、かつカムリング41、42、43と一体回転可能に設けられている。
図1に示すように、スリーブ51、52、53の外周には、シフトフォーク61、62、63の一端部61a、62a、63aが係合している。
シフトフォーク61、62、63の他端部61b、62b、63bは、入力軸2に対して平行に配置されたシフトロッド71、72、73に連結されている。
シフトロッド71、72、73は、軸線X1、X2、X3方向に変位可能となっており、シフトフォーク61、62、63は、シフトロッド71、72、73の軸線X1、X2、X3方向の変位に連動して、入力軸2の軸方向に変位する。
よって、シフトフォーク61、62、63が外周に係合したスリーブ51、52、53もまた、シフトロッド71、72、73の軸線X1、X2、X3方向の変位に連動して、入力軸2の軸方向に変位する。
前記したように、入力軸2では、カムリング41、42、43に隣接して、変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)が設けられている。
カムリング41、42、43に外挿されたスリーブ51、52、53は、入力軸2の軸方向で、変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)に対向している。
スリーブ51、52、53と、変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)の互いの対向部には、歯部(ドグ)56、26が設けられている。これら歯部56、26は、入力軸2周りの周方向に所定間隔で複数設けられている。
実施の形態にかかる変速機10では、シフトフォーク61、62、63により、スリーブ51、52、53を入力軸2の軸方向に変位させて、変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)と、スリーブ51、52、53の互いの対向部に設けた歯部56、26同士を係脱することで、入力軸2と変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)との間での回転の伝達/非伝達が切り替えられるようになっている。
変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)の各々は、対応する伝達用のギヤ(第1伝達ギヤ31、第2伝達ギヤ32、第3伝達ギヤ33)に、それぞれ噛合している。
伝達用のギヤ(第1伝達ギヤ31、第2伝達ギヤ32、第3伝達ギヤ33)は、出力軸3で相対回転不能に設けられている。
実施の形態にかかる変速機10では、例えば1速ギヤ21の歯部26と、スリーブ51の歯部56とを係合させて、1速ギヤ21と入力軸2とを一体回転可能に連結すると、入力軸2に入力された回転が、第1伝達ギヤ31を介して出力軸3に伝達される。
これにより、入力軸2に入力された回転が、1速ギヤ21のギヤ比で変速されて、出力軸3に伝達されたのち、ファイナルギヤ35と、差動装置36を介して、駆動輪37に伝達される。
そのため、変速機10では、歯部26、56同士(ドグ同士)を係合させた変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)と、スリーブ51、52、53との組み合わせを変更することで、複数の変速段を実現するようになっている
変速機10は、変速段の切り替え時に、スリーブ51、52、53を入力軸2の軸方向に変位させる駆動装置15を有している。
駆動装置15は、前記したシフトフォーク61、62、63と、シフトロッド71、72、73の他に、カム駆動機構16と、モータMと、を有している。
図3は、カム駆動機構16を説明する図である。図3の(a)は、カム駆動機構16を構成するカム部材17Cを例に挙げて説明する図である。図3の(b)は、(a)におけるA−A線に沿ってカム駆動機構16の要部を切断した断面図である。
図4は、カム駆動機構16を説明する図である。図4の(a)は、カム駆動機構16の分解斜視図であり、(b)は、カム駆動機構16の要部の分解斜視図である。
図5は、カム駆動機構16の要部を説明する図である。図5の(a)は、図3の(b)におけるB−B断面図であって、各カム部材17A、17B、17Cの係合部174と、各シフトロッド71、72、73に固定されたブラケット19A、19B、19Cの係止片191との係合状態を説明する図である。図5の(b)は、カム部材17Cの基部171とカムアーム173を説明する図である。
なお、図5の(a)では、係止片191を有するブラケット19A、19B、19Cが固定されたシフトロッド71、72、73をそれぞれ仮想線で示している。
図6は、カム部材17Cによるシフトロッド73の進退移動を説明する図である。図6の(a)は、シフトロッド73が中立位置に配置されている場合を説明する図であり、図6の(b)は、(a)におけるA−A断面図である。図6の(c)は、カムリング43を3速ギヤ23と一体回転可能に連結する位置まで変位したシフトロッド73と、この際のカム部材17Cの配置を説明する図であり、図6の(d)は、(c)におけるB−B断面図である。
図3の(b)に示すように、カム駆動機構16は、シフトロッド71、72、73と同数のカム部材17A、17B、17Cと、これらカム部材17A、17B、17Cを共通の回転軸Y上で連結する回動部材18と、シフトロッド71、72、73と同数のブラケット19A、19B、19Cと、カム部材17A、17B、17Cを回動可能に支持するホルダ160と、を有している。
カム部材17A、17B、17Cは、ホルダ160の基部161とカバー部162の間で、モータMの回転軸Y方向に並んでおり、基部161側から、カム部材17A、カム部材17B、カム部材17Cの順番で設けられている。
ここで、カム部材17A、17B、17Cの基本構成は、同一である。
以下においては、シフトロッド73を軸線X3方向に進退移動させるカム部材17Cの場合を例に挙げて、カム部材17(17A、17B、17C)の基本構成を代表して説明する。
図3の(b)に示すように、カム部材17Cは、カムアーム173を有する板状の基部171を有しており、この基部171の一方の面171aと他方の面171bに、回動部材18と一体に回転するカム部175、176が当接している。
図5の(b)に示すように、回転軸Y方向から見て基部171の一側部には、基部171を回動可能に支持する支持ピンP1の挿通孔171cが設けられている。カムアーム173は、基部171の一側部から挿通孔171cの径方向に直線状に延出しており、このカムアーム173の先端部には、ブラケット19Cとの係合部174が設けられている。
図3の(b)に示すように、支持ピンP1は、長手方向の一端と他端が、ホルダ160の基部161とカバー部162で支持されており、基部171は支持ピンP1の軸線Y2(中心軸)回りに回転可能に設けられている。そのため、基部171から延びるカムアーム173の係合部174は、支持ピンP1の軸線Y2(中心軸)周りの周方向に変位可能となっている。
さらに、図5の(b)に示すように、基部171には、回動部材18を挿通させる挿通孔171dが、基部171を厚み方向に貫通して設けられている。回転軸Y方向から見て挿通孔171dは、支持ピンP1の軸線Y2の径方向外側で、軸線Y2を所定間隔で囲む仮想線Lnに沿って弧状に形成されている。
図4の(b)に示すように基部171の上面と下面には、カム部175、176の外周面(カム面)に接触するカムフォロア177、178がそれぞれ設けられている。カムフォロア177、178は、回転軸Yに平行な軸線回りに回転可能に設けられている。
カム部175、176は、回転軸Yに直交する向きで配置された板状部材であり、回動部材18の挿通孔175a、176aが中央部に形成されている。
回転軸Y方向から見て挿通孔175a、176aは、回動部材18の連結部181の外形に整合する多角形形状(実施の形態では、六角形形状)を成している。
カム部175、176は、回動部材18の連結部181に外挿されて固定されており、この状態で、回動部材18との相対回転が規制されている。
カム部材17Cは、回動部材18が図中時計回り方向(矢印CW)方向に回動すると、基部171に設けたカムフォロア177が、カム部175の外周(カム面)で押されるようになっている。これにより、基部171から延びるカムアーム173が、支持ピンP1の軸線Y2周りの周方向(図3の(a)における右方向)に変位する。
また、カム部材17Cは、回動部材18が図中反時計回り方向(矢印CCW)方向に回動すると、基部171に設けたカムフォロア178が、カム部176の外周(カム面)で押されるようになっている。これにより、基部171から延びるカムアーム173が、支持ピンP1の軸線Y2周りの周方向(図3の(a)における左方向)に変位する。
回動部材18では、回転軸Y方向で隣接するカム部材17A、17B、17Cの間に、板状のスペーサ179が設けられている。スペーサ179もまた、回動部材18との相対回転が規制された状態で、回動部材18に外挿されている。
カムアーム173は、回転軸Yに直交する方向に延びており、このカムアーム173の先端部には、ブラケット19Cとの係合部174が設けられている。
そのため、カムアーム173が支持ピンP1の軸線Y2周りの周方向に変位すると、係合部174もまた、軸線Y2周りの周方向に変位するようになっている。
図3の(a)に示すように、カムアーム173の係合部174は、回転軸Yと軸線Y2の径方向外側に位置しており、係合部174は、回転軸Yと軸線Y2の径方向外側で、ブラケット19Cの凹溝192に係合している。
ブラケット19Cは、シフトロッド73に固定されており、凹溝192が形成された係止片191を有している。係止片191は、回転軸Yに直交する向きで設けられており、シフトロッド73の長手方向に所定の幅W1を有している。
図3の(a)および図5の(a)に示すように、係止片191の幅方向の中央部には、係止片191を厚み方向(回転軸Y方向)に貫通して凹溝192が設けられている。
係止片191では、シフトロッド73の軸線X3方向における凹溝192の両側が、カムアーム173からの操作力が作用する作用部193、193となっている。
実施の形態では、図6の(a)、(c)に示すように、カム部材17Cの基部171が支持ピンP1の軸線Y2回りに回動すると、カムアーム173は先端側の係合部174の位置が、軸線Y2周りの周方向に変位する。
そのため、カム部材17Cの基部171が軸線Y2回りに回動すると、カムアーム173の係合部174と、係止片191の凹溝192との係合点の位置が、シフトロッド73の長手方向(軸線X3方向)に変位するようになっている。
よって、シフトロッド73に固定されたブラケット19Cの係止片191には、カムアーム173の係合部174から、シフトロッド73を、回転軸Yに直交する軸線X3方向に変位させる方向の操作力が入力される。
実施の形態では、3速ギヤ23とスリーブ53とを係合させて、3速の変速段を実現する際に、シフトロッド73が、図6の(a)に示す位置から、図6の(c)に示す位置まで軸線X3方向に変位する。そして、3速から他の変速段への変更が開始されると、シフトロッド73が、図6の(c)に示す位置から、図6の(a)に示す位置まで軸線X3方向に変位する。
すなわち、シフトロッド73は、3速の変速段を実現する際に、軸線X3方向で往復変位する。
そして、このシフトロッド73を軸線X3方向に変位させるための操作力は、係止片191の凹溝192を挟んで一方側(図6の(b)における左側)に位置する作用部193と他方側(図6の(b)における右側)に位置する作用部193とに、カムアーム173の係合部174から入力される。
図6の(a)、(b)に示すように、モータM側から見て凹溝192は、軸線X方向に所定の幅W2で形成されており、凹溝192の両側の作用部193、193は、それぞれ幅W3、W3で形成されている。
作用部193、193では、モータMとは反対側(図6の(b)における下側)の面に、傾斜面193a、193aが設けられている。
傾斜面193a、193aは、モータMから離れるにつれて、凹溝192の幅W2が広くなる方向に傾斜している。
凹溝192内に配置されたカムアーム173の係合部174には、モータM側(図6の(b)における上側)の面に、傾斜面174a、174aが設けられている。
傾斜面174a、174aは、モータMから離れるにつれて、係合部174の幅が広くなる方向に傾斜している。
係止片191では、幅方向の中心線Lmを挟んで一方側(図6の(b)において左側)に位置する傾斜面193aおよび傾斜面174aは、互い平行となっている。さらに、中心線Lmを挟んで他方側(図6の(b)において右側)に位置する傾斜面193aおよび傾斜面174aも、互いに平行となっている。
そのため、軸線X3方向へのシフトロッド73の変位に支障が生じた場合には、作用部193の傾斜面193aを、係合部174の傾斜面174aが摺動して、係合部174の位置が、回転軸Y方向(軸線Y2方向)に変位しながら軸線X3方向に変位する。
これにより、シフトロッド73の軸線X3方向への変位に支障が生じた場合には、係合部174と凹溝192との係合が解消される。その結果、カムアーム173の係合部174の位置のみを、シフトロッド73の軸線X3方向に変位させることができる。
すなわち、シフトロッド73の軸線X3方向への変位に支障が生じた場合であっても、カムアーム173の係合部174を軸線X3方向に変位させることができるので、カム部材17Cの基部171の回転軸Y回りの回転が阻害されることがない。
図3の(b)に示すように、カム部材17A、17B、17Cのカム部175、176と一体に回転する回動部材18は、回転軸Yに沿って配置された柱形状のシャフトであり、回動部材18は、ホルダ160の基部161とカバー部162で回動可能に支持されている。
基部161とカバー部162は、回転軸Yに沿う向きで配置された3本の支柱163(図4の(a)参照)で互いに連結されており、基部161とカバー部162は、支柱163を回転軸Y方向に貫通させたネジN1で連結されている。
回動部材18は、カム部材17A、17B、17Cとの連結部181と、モータM側との係合部182とが、回転軸Y方向に直列に連なって形成されている。
連結部181は、多角形形状(実施の形態では、6角形形状)の断面を持つ中実の部材であり、ホルダ160の基部161側の基端18bは、基部161の円形断面を持つ収容穴161aに挿入されている(図3の(b)参照)。
なお、連結部181は、少なくとも収容穴161aに挿入される部分が円形の断面を持つ形状に形成されていても良い。
連結部181におけるカバー部162の近傍には、回動部材18のホルダ160からの脱落を防止するためのストッパ184(図4の(b)参照)が設けられている。
回動部材18の係合部182は、カバー部162の外側に位置している。係合部182は、多角形形状(実施の形態では、6角形形状)の断面を持つ柱状の部材である。係合部182は、カバー部162の円形断面の挿通孔162aを貫通しており、係合部182の先端18aは、モータMの近傍に位置している。なお、係合部182は、少なくとも挿通孔162aの部分が円形の断面を持つ形状に形成されていても良い。
係合部182には、モータMの出力軸Rが係合する係合孔185が設けられており、この係合孔185は、係合部182の先端18aから連結部181側に向けて、回転軸Yに沿って直線状に延びている。係合孔185は、回動部材18の長手方向の途中位置まで及んで設けられている。
この係合孔185は、モータMの出力軸Rの外径と整合する多角形形状(実施の形態では、六角形形状)の断面を有している。
この状態においてモータMの出力軸Rと、回動部材18は、回転軸Y方向での相対変位が許容された状態で、一体回転可能に連結されている。
実施の形態では、モータMが固定側部材(図示せず)で固定されている。そのため、回動部材18と、この回動部材18に連結されたカム部材17A、17B、17Cとが、回転軸Y方向(図3の(b)における上下方向)に一体的に変位できるようになっている。
よって、各カム部材17A、17B、17Cのカムアーム173と係合部174もまた、回転軸Y方向に変位できるようになっている。
そして、各カム部材17A、17B、17Cの係合部174の回転軸Y方向に変位により、前記した凹溝192と係合部174との係合の解消が可能となっている。
図3の(b)に示すように、回動部材18では、係合孔185の内部にスプリングSpが設けられており、このスプリングSpは、モータMの出力軸Rと回動部材18とを連結している。
実施の形態では、スプリングSpのバネ力を、出力軸Rと回動部材18とを回転軸Y方向で近づける方向に作用させている。
そのため、各カム部材17A、17B、17Cの係合部174と、各ブラケット19A、19B、19Cの凹溝192との係合が解消されたのちに、係合部174と凹溝192とを、スプリングSpのバネ力で再び係合させることができるようになっている。
実施の形態にかかる変速機10では、歯部(ドグ)56、26同士を互いに係合させたスリーブ51、52、53とギヤ21、22、23との組み合わせを変更することで、変速段が変更される。
そして、カム駆動機構16が、変速段に対応するシフトロッド71、72、73の軸線X1、X2、X3方向での往復変位を、変速段の順番で実施することで、変速段の変更を行っている。
実施の形態では、カム駆動機構16は、各カム部材17A、17B、17Cの係合部174の軸線X1、X2、X3方向での往復変位が、回動部材18の回転軸Y周りの角度位置に応じて、異なるタイミングで実施されるように、各カム部材17A、17B、17Cにおけるカム部175、176の外周(カム面)の形状、位置等が設定されている。カムフォロア177、178の形状、位置なども同様である。
実施の形態では、カム部材17A、17B、17Cが、それぞれ1速、2速、3速の変速段に対応している。
よって、例えばカム部材17Aのカムアーム173の係合部174が、シフトロッド71の軸線X1方向に変位すると、この係合部174から入力される操作力により、シフトロッド71とシフトフォーク61とが入力軸2の軸方向に変位する。
これにより、シフトフォーク61が外周に係合したスリーブ51が、入力軸2の軸方向に変位する。そして、スリーブ51の移動方向に応じて、1速ギヤ21とスリーブ51とが、互いの対向部に設けた歯部56、26同士を係脱させて、入力軸2と1速ギヤ21との間での回転の伝達/非伝達が切り替えられる。
変速機10では、シフトロッド71、72、73の各々に、位置決め機構70が設けられている。この位置決め機構70は、合計3つの凹部70a、70b、70cが、軸線X1、X2、X3方向で直列に連なって形成されている(図1の(b)参照)。
実施の形態では、合計3つの凹部70a、70b、70cのうちの何れかひとつに、スプリングSpで付勢されたボールBが弾発的に係合している。
シフトロッド73の位置決め機構70の場合を例に挙げて説明すると、シフトロッド73が、ボールBを凹部70aに係合させた位置で保持されると、スリーブ53は、当該スリーブ53の歯部56と3速ギヤ23の歯部26とを係合させた位置に保持される。すなわち、入力軸2に入力された回転が3速ギヤ23のギヤ比で変速されて出力軸3に伝達される位置で、スリーブ53が保持される。
また、シフトロッド73が、ボールBを凹部70bに係合させた位置で保持されると、スリーブ53は、当該スリーブ53の歯部56と3速ギヤ23の歯部26とを離間させた位置に保持される。すなわち、入力軸2に入力された回転が3速ギヤ23を介して、出力軸3に伝達されない位置で、スリーブ53が保持される。
なお、実施の形態では、スリーブ53の一方側にのみ変速用のギヤが配置されているが、他の変速用のギヤが、他方側に配置されている構成としても良い。
この場合には、シフトロッド73を、ボールBを凹部70cに係合させた位置で保持することで、スリーブ53の歯部56を、他の変速用のギヤの歯部に係合させた位置で保持することができるようになっている。
以下、変速段が3速の状態で車両が停車したために、車両の発進に備えて変速段を1速に変更する場合を例に挙げて、実施の形態にかかるシームレス機構用の駆動装置の作用を説明する。
図7は、変速段を変更する際の係合部174と係止片191の変位を説明する図であって、2速の変速段の実現に関与する係合部174と係止片191との相対的な変位を説明する図である。
図7の(a)は、係合部174が中立位置に配置されている状態を示した図である。
図7の(b)は、係合部174が中立位置から、2速の変速段を実現する位置(2速位置)に向けて変位している状態を示した図である。
図7の(c)は、係合部174が、凹溝192との係合を解除して2速の変速段を実現する位置(2速位置)に達した状態を示した図である。
図7の(d)は、係合部174が、2速の変速段を実現する位置(2速位置)から、中立位置に向けて変位している状態を示した図である。
図7の(e)は、係合部174と作用部193に傾斜面174a、193aが設けられていない比較例を示した図である。
シームレス機構を備える変速機10は、変速段を一段ずつ順番に変更する仕様となっており、変速段が3速の状態で車両が停車した場合には、車両の発進に備えて変速段を3速→2速→1速の順番で変更する。
3速の変速段では、シフトロッド73が、スリーブ53の歯部56と3速ギヤ23の歯部26とを係合させる位置(係合位置:図6の(c)参照)に配置されている。
そして、シフトロッド72が、スリーブ52の歯部56と2速ギヤ22の歯部26とを係合させていない位置(中立位置:図3の(a)参照)に配置されている。
そのため、この状態では、カム部材17Bが備えるカムアーム173の係合部174は、シフトロッド72の係止片191の作用部193、193の何れにも接触していない位置(中立位置)に配置されている(図7の(a)参照)。
3速から2速への変速が開始されると、カム部材17Bの係合部174は、シフトロッド72の操作方向側(図7の(b)における左側)に向けて変位して、傾斜面174aを、操作方向側に位置する作用部193の傾斜面193aに接触させたのち、作用部193を操作方向側に押圧する。
そうすると、シフトロッド72には、当該シフトロッド72を、スリーブ52の歯部56と2速ギヤ22の歯部26とを係合させる位置(係合位置)に向けて変位させる操作力が作用する。
ここで、スリーブ52の歯部56と2速ギヤ22の歯部26とが、互いの係合を阻害しない位置に配置されている場合には、スリーブ52の歯部56と2速ギヤ22の歯部26とが係合して、2速の変速段が実現する。
しかし、スリーブ52の歯部56と2速ギヤ22の歯部26とが、互いに衝突する位置に配置されていて、スリーブ52の歯部56と2速ギヤ22の歯部26とが係合できないことがある。
この場合に車両が停車していると、スリーブ52の歯部56と2速ギヤ22の歯部26とを、回転軸Xa(図1参照)周りに相対的に回転させて、歯部26、56の衝突を回避することができない。
そのため、シフトロッド72は、スリーブ52の歯部56と2速ギヤ22の歯部26とを係合させる位置に変位できない状態となる。
そうすると、カム部材17Bの係合部174で、シフトロッド72に固定されたブラケット19Bの作用部193を押圧しても、作用部193を介してシフトロッド72を変位させることができない状態となる。
ここで、作用部193と係合部174には、互いに平行な傾斜面193a、174aが設けられており、この傾斜面193a、174aにより、作用部193と係合部174とが、回転軸Y方向で相対変位できるようになっている。
そのため、軸線X2方向へのシフトロッド72の変位に支障が生じた場合には、作用部193の傾斜面193aを、係合部174の傾斜面174aが摺動して、係合部174の位置が回転軸Y方向に変位する(図7の(c)参照)。
そうすると、係合部174と凹溝192との係合が解消されて、カムアーム173の係合部174の位置のみが、シフトロッド72の軸線X2方向に変位できるようになる。
これにより、カムアーム173の係合部174の位置のみを、スリーブ52の歯部56と2速ギヤ22の歯部26とを係合させる位置(係合位置)まで到達させることができる(図7の(c)参照)。
これにより、カム部材17Bが連結された回動部材18の回転軸Y回りの回転が阻害されないので、引き続いて、カム部材17Cは、2速から1速への変速段の変更を行うために、係合部174の位置を、係合位置から中立位置に向けて変位させる。
前記したようにカム部材17Bが連結された回動部材18は、スプリングSpのバネ力により、回転軸Y方向で出力軸Rに近づける方向に付勢されている。そのため、係合部174が、軸線X2方向で凹溝192と重なる位置に到達した時点で、スプリングSpのバネ力で引き寄せられた係合部174が、作用部193の傾斜面193aを摺動しながら、中立位置に向けて変位することになる。
そして、カム部材17Bの係合部174が中立位置に達した時点で、1速の変速段を実現するために、カム部材17Aの係合部174が、係合位置に向けて変位することになる。
なお、係合部174と作用部193に傾斜面174a、193aが設けられていない従来例の場合には、係合部174と作用部193とが回転軸Y方向で相対変位できないようになっている(図7の(e)参照)。
そのため、2速を実現できない時点で、カム部材17が回転軸Y回りに回動できない状態になる。そのため、2速を経た1速への変更ができない状態で、変速が中断することになる。
このように、変速段が3速の状態で車両が停車したために、車両の発進に備えて変速段を1速に変更する途中で、例えば2速に対応するシフトロッド72の軸線X2方向の変位に支障が生じた場合であっても、2速の変速段を飛ばして、1速の変速段を実現できる。
よって、目的の変速段に変更する途中の変速段で、車両が停止しているために実現できない途中の変速段がある場合であっても、実現できない途中の変速段を飛ばすことができるので、目的の変速段への変更を車両が停車している場合であっても適切に行える。
以上の通り、実施の形態では
(1)変速機10の変速段を一段ずつ順番に変更するシームレス機構が備える複数のシフトロッド71、72、73を、変速段の順番で軸線X1、X2、X3方向に往復変位させるシームレス機構用の駆動装置15であって、
1つのモータMと、
1つのモータMが出力した回転駆動力を、互いに平行に配置された複数のシフトロッド71、72、73を軸線X1、X2、X3方向に往復変位させる操作力に変換するカム駆動機構16と、を有し、
カム駆動機構16は、
1つのモータMが出力した回転駆動力で、軸線X1、X2、X3に直交する回転軸Y回りに回動する回動部材18と、
回動部材18の回転軸Y方向への変位を許容しつつ、回転軸Y方向における所定位置で保持するスプリングSp(弾性保持部材)と、
シフトロッド71、72、73の各々に固定されたブラケット19A、19B、19Cと、
複数のシフトロッド71、72、73と一対一で対応すると共に、回動部材18の回転軸Y方向の変位に連動して回転軸Y方向に変位可能な複数のカム部材17A、17B、17Cと、を有しており、
カム部材17A、17B、17Cは、
ブラケット19A、19B、19Cの凹溝192に係合させた先端部(係合部174)が、回動部材18の回動に連動して、軸線X1、X2、X3に変位するカムアーム173を有しており、
ブラケット19A、19B、19Cの凹溝192と、カム部材17A、17B、17Cの基部171から回転軸Yの径方向に延びるカムアーム173の先端部(係合部174)は、回転軸Y方向の相対変位により係脱するように構成されており、
回転軸Y方向の所定位置は、カムアーム173の係合部174が、ブラケット19A、19B、19Cの凹溝192に係合する位置である構成とした。
このように構成すると、回動部材18が回転軸Y方向に変位することで、カムアーム173の先端の係合部174とブラケット19との係合を解除できる。
よって、目的の変速段に変更する途中の変速段で、車両が停止しているために実現できない途中の変速段がある場合であっても、カムアーム173の係合部174とブラケット19との係合を解除することで、実現できない途中の変速段を飛ばすことができるので、目的の変速段への変更を、車両が停車している場合であっても適切に行える。
(2)ブラケット19(19A、19B、19C)では、回転軸Y方向に所定の厚みを有する係止片191に、カムアーム173の係合部174が係合する凹溝192(凹部)が設けられており、
凹溝192は、係止片191を回転軸Y方向に貫通して設けられており、
係止片191では、シフトロッド71、72、73の軸線X1、X2、X3方向における凹溝192の両側が、カムアーム173の係合部174から操作力が入力される作用部193、193(入力部)となっており、
作用部193、193と、カムアーム173の係合部174に、作用部193、193と係合部174とを、回転軸Y方向で相対変位させる傾斜面193a、193aと、傾斜面174aを設けた構成とした。
このように構成すると、シフトロッド71、72、73を軸線X1、X2、X3方向に変位させることに支障がある場合には、係合部174を、軸線X1、X2、X3方向に変位させつつ、回転軸Y方向にも変位させて、ブラケット19(19A、19B、19C)の凹溝192と、カム部材17(17A、17B、17C)のカムアーム173の係合部174との係合を解除することができる。
これにより、カムアーム173の係合部174の軸線X1、X2、X3方向の変位が妨げられてないので、カム部材17(17A、17B、17C)の回転軸Y回りの回動を継続できる。
よって、目的の変速段への変更の途中の変速段の実現に支障が生じている場合には、支障が生じている変速段を飛ばして、次の変速段を実現することができる。
これにより、目的の変速段への変更を、車両が停車している場合であっても適切に行える。
(3)回動部材18は、1つのモータMの出力軸Rが、回転軸Y方向から挿入される係合孔185を有しており、
出力軸Rと回動部材18は、回転軸Y回りの相対回転が規制された状態で、回転軸方向で相対変位可能に連結されており、
弾性保持部材は、出力軸Rと回動部材18とを連結するスプリングSpである構成とした。
このように構成すると、各カム部材17A、17B、17Cの係合部174と、各ブラケット19A、19B、19Cの凹溝192との係合を解消したのちに、係合部174と凹溝192とを、スプリングSpのバネ力で再び係合させることができる。
よって、飛ばした変速段の次の変速段に対応するシフトロッドを、軸線方向に確実に変位させることができるので、飛ばした変速段の次の変速段を確実に実現できる。
(4)出力軸Rと回動部材18は、係合孔185内に配置されたスプリングSpで連結されている構成とした。
このように構成すると、スプリングSpのバネ力を、出力軸Rと回動部材18とを回転軸Y方向で近づける方向に作用させることで、係合部174と凹溝192とを、再び係合させることができる。
そして、スプリングSpが露出している場合には、他の部品などのスプリングSpとの干渉により、係合部174と凹溝192との再係合に支障が生じる場合があるが、スプリングSpを係合孔185内に配置することで、かかる事態の発生を好適に防止できる。
(5)カムアーム173は、回転軸Yに平行な軸線Y2(回動軸)で回動可能に支持された板状の基部171を有しており、
基部171には、回動部材18の挿通孔171dが、軸線Y2周りの周方向に沿って所定長さで形成されており、
回転軸Y方向における基部171の両側には、回動部材18と一体に回転軸Y回りに回転すると共に、回転軸Yの径方向の外周がカム面とされたカム部175、176が設けられており、
回転軸Y方向における基部171の一方側の面と、他方側の面には、カム面との当接部となるカムフォロア177、178が設けられており、
カムアーム173の基部171は、回動部材18が回転軸Y回りに回転すると、カム面に当接したカムフォロア177、178の位置が回転軸Y周りの周方向に変位することで、軸線Y2周りに回動する構成とした。
このように構成すると、回動部材18の回転軸Y回りの回転を、カムアーム173の係合部174の軸線Y2周りの周方向への変位に変換できる。これにより、係合部174が係合したブラケット19A、19B、19Cと、このブラケット19A、19B、19Cが固定されたシフトロッド71、72、73を軸線X1、X2、X3方向に変位させることができる。
(6)入力軸2(回転伝達軸)で軸線方向(回転軸Xa方向)に間隔をあけて複数設けられたカムリング41、42、43と、
カムリング41、42、43の各々に外挿されていると共に、カムリング41、42、43と一体回転可能、かつ軸線方向に変位可能に設けられたスリーブ51、52、53と、
入力軸2で回転可能に支持されていると共に、軸線方向におけるカムリング41、42、43の一方側に設けられた変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)と、
スリーブ51、52、53を軸線方向に変位させて、スリーブ51、52、53と変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)との対向部に設けた歯部56、26同士を係脱させる係脱手段と、を備え、
歯部56、26同士を係合させたスリーブ51、52、53と変速用のギヤ(1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23)の組み合わせを変更することで、複数の変速段を実現する変速機10であって、
係脱手段は、
複数のシフトロッド71、72、73と、
シフトロッド71、72、73とスリーブ51、52、53とを一対一で連結するシフトフォーク61、62、63と、
1つのモータMが出力した回転駆動力を、互いに平行に配置された複数のシフトロッド71、72、73を軸線X1、X2、X3方向に往復変位させる操作力に変換するカム駆動機構と16、を有し、
カム駆動機構16は、
1つのモータMが出力した回転駆動力で、軸線X1、X2、X3に直交する回転軸Y回りに回動する回動部材18と、
回動部材18の回転軸Y方向への変位を許容しつつ、回転軸Y方向における所定位置で保持するスプリングSp(弾性保持部材)と、
シフトロッド71、72、73の各々に固定されたブラケット19A、19B、19Cと、
複数のシフトロッド71、72、73と一対一で対応すると共に、回動部材18の回転軸Y方向の変位に連動して回転軸Y方向に変位可能な複数のカム部材17A、17B、17Cと、を有しており、
カム部材17A、17B、17Cは、
ブラケット19A、19B、19Cの凹溝192に係合させた先端部(係合部174)が、回動部材18の回動に連動して、軸線X1、X2、X3方向に変位するカムアーム173を有しており、
ブラケット19A、19B、19Cの凹溝192と、カム部材17A、17B、17Cの基部171から回転軸Yの径方向に延びるカムアーム173の先端部(係合部174)は、回転軸Y方向の相対変位により係脱するように構成されており、
回転軸Y方向の所定位置は、カムアーム173の係合部174が、ブラケット19A、19B、19Cの凹溝192に係合する位置である構成とした。
このように構成すると、変速段を1段ずつ順番に変更する仕様のシームレス機構を備える変速機10において、目的の変速段に変更する途中の変速段で、車両が停止しているために実現できない変速段がある場合であっても、カムアーム173の係合部174とブラケット19との係合を解除することで、実現できない途中の変速段を飛ばすことができる。これにより、目的の変速段への変更を、車両が停車している場合であっても適切に行うことができ、目的の変速段への変更が行えなくなる事態の発生を好適に防止できる。
前記した実施の形態では、作用部193、193と、カムアーム173の係合部174に、作用部193、193と係合部174とを、回転軸Y方向で相対変位させる傾斜面193a、193aと、傾斜面174aを設けた場合を例示した。
しかし、これら傾斜面193a、174aの回転軸Yに対する傾斜角度は、作用部193、193と係合部174とを、回転軸Y方向で相対変位させることができる範囲内で、適宜変更可能である。
また、作用部193と係合部174との各々に、傾斜面193a、174aを設けた場合を例示したが、傾斜面193a、174aは、作用部193と係合部174のうちの少なくとも一方に設けられていれば良い。一方のみに傾斜面が設けられている場合であっても、作用部193、193と係合部174とを、回転軸Y方向で相対変位させることができる。
前記した実施の形態では、回動部材18の係合孔185と、モータMの出力軸Rが、それぞれ断面視において六角形形状を有している場合を例示したが、本願発明は、この態様に限定されるものではない。
モータMの出力軸Rと回動部材18を、回転軸Y方向での相対変位を許容した状態で、一体回転可能に連結できれば良い。
よって、出力軸Rと回動部材18とをスプライン嵌合して、回転軸Y方向での相対変位を許容した状態で、一体回転可能に連結しても良い。
また、出力軸Rと回動部材18の断面形状を、六角形形状以外の多角形形状、例えば四角形、三角形としても良い。
さらに、実施の形態では、引っ張りバネ(スプリングSp)を用いて、各カム部材17A、17B、17Cの係合部174と、各ブラケット19A、19B、19Cの凹溝192とを再び係合させる場合を例示した。
本願発明は、この態様に限定されるものではない。例えば、ホルダ160をモータM側に付勢する押しバネを用いて、係合部174と凹溝192とを再係合させるようにしても良い。
2 入力軸(回転伝達軸)
3 出力軸
10 変速機
11 駆動源
12 メインクラッチ
15 駆動装置
16 カム駆動機構
160 ホルダ
161 基部
162 カバー部
163 支柱
17(17A、17B、17C) カム部材
171 基部
171c 挿通孔
171d 挿通孔
173 カムアーム
174 係合部
174a 傾斜面
175、176 カム部
177、178 カムフォロア
179 スペーサ
18 回動部材
181 連結部
182 係合部
184 ストッパ
185 係合孔
19(19A、19B、19C) ブラケット
191 係止片(係合片)
192 凹溝(凹部)
193 作用部(入力部)
193a 傾斜面
21 1速ギヤ
22 2速ギヤ
23 3速ギヤ
26 歯部
31 第1伝達ギヤ
32 第2伝達ギヤ
33 第3伝達ギヤ
35 ファイナルギヤ
36 差動装置
37 駆動輪
41、42、43 カムリング
45 カム溝
51、52、53 スリーブ
55 係合突起
56 歯部
61、62、63 シフトフォーク
70 位置決め機構
70a、70b、70c 凹部
71、72、73 シフトロッド
B ボール
Lm 中心線
M モータ
P1 支持ピン
R 出力軸
Sp スプリング(弾性保持部材)
W1、W2、W3 幅
X1、X2、X3 軸線
Xa 回転軸
Y 回転軸

Claims (6)

  1. 変速機の変速段を一段ずつ順番に変更するシームレス機構が備える複数のシフトロッドを、変速段の順番で軸線方向に往復変位させるシームレス機構用の駆動装置であって、
    1つのモータと、
    前記1つのモータが出力した回転駆動力を、互いに平行に配置された前記複数のシフトロッドを前記軸線方向に往復変位させる操作力に変換するカム駆動機構と、を有し、
    前記カム駆動機構は、
    前記1つのモータが出力した回転駆動力で、前記軸線に直交する回転軸回りに回動する回動部材と、
    前記回動部材の前記回転軸方向への変位を許容しつつ、前記回転軸方向の所定位置で保持する弾性保持部材と、
    前記複数のシフトロッドの各々に固定されたブラケットと、
    前記複数のシフトロッドに一対一で対応すると共に、前記回動部材の前記回転軸方向への変位に連動して前記回転軸方向に変位可能な複数のカム部材と、を有しており、
    前記カム部材は、
    前記ブラケットに係合させた先端部が、前記回動部材の回動に連動して前記軸線方向に変位するカムアームを有しており、
    前記ブラケットと前記カムアームの先端部は、前記回転軸方向の相対変位により係脱するように構成されていることを特徴とするシームレス機構用の駆動装置。
  2. 前記ブラケットでは、前記回転軸方向に所定の厚みを有する係合片に、前記カムアームの先端部が係合する凹部が設けられており、
    前記凹部は、前記係合片を前記回転軸方向に貫通して設けられており、
    前記係合片では、前記軸線方向における前記凹部の両側が、前記カムアームから前記操作力が入力される入力部となっており、
    前記入力部と、前記カムアームの先端部のうちの少なくとも一方に、前記入力部と前記カムアームの先端部とを、前記回転軸方向で相対変位させる傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシームレス機構用の駆動装置。
  3. 前記回動部材は、前記1つのモータの出力軸が、前記回転軸方向から挿入される挿入孔を有しており、
    前記出力軸と前記回動部材は、前記回転軸回りの相対回転が規制された状態で、前記回転軸方向で相対変位可能に連結されており、
    前記弾性保持部材は、前記出力軸と前記回動部材とを連結するスプリングであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシームレス機構用の駆動装置。
  4. 前記出力軸と前記回動部材は、前記挿入孔内に配置された前記スプリングで連結されていることを特徴とする請求項3に記載のシームレス機構用の駆動装置。
  5. 前記カムアームは、前記回転軸に平行な回動軸で回動可能に支持された基部を有しており、
    前記基部には、前記回動部材の挿通孔が、前記回動軸周りの周方向に沿って所定長さで形成されており、
    前記回転軸方向における前記基部の両側には、前記回動部材と一体に前記回転軸回りに回転すると共に、前記回転軸の径方向の外周がカム面とされたカムが設けられており、
    前記回転軸方向における前記基部の一方側の面と、他方側の面には、前記カム面との当接部が設けられており、
    前記カムアームの基部は、前記回動部材が前記回転軸回りに回転すると、前記カム面に当接した前記当接部の位置が、前記回動軸周りの周方向に変位することで、前記回動軸周りに回動することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載のシームレス機構用の駆動装置。
  6. 回転伝達軸で軸線方向に間隔をあけて複数設けられたカムリングと、
    前記カムリングの各々に外挿されていると共に、前記カムリングと一体回転可能、かつ前記軸線方向に変位可能に設けられたスリーブと、
    前記回転伝達軸で回転可能に支持されていると共に、前記軸線方向における前記カムリングの少なくとも一方側に設けられたギヤと、
    前記スリーブを前記軸線方向に変位させて、前記スリーブと前記ギヤとの対向部に設けた歯部同士を係脱させる係脱手段と、を備え、
    前記歯部同士を係合させたスリーブとギヤの組み合わせを変更することで、複数の変速段を実現する変速機であって、
    前記係脱手段は、
    複数のシフトロッドと、
    前記シフトロッドと前記スリーブとを一対一で連結するシフトフォークと、
    1つのモータが出力した回転駆動力を、互いに平行に配置された前記複数のシフトロッドを前記軸線方向に往復変位させる操作力に変換するカム駆動機構と、を有し、
    前記カム駆動機構は、
    前記1つのモータが出力した回転駆動力で、前記軸線に直交する回転軸回りに回動する回動部材と、
    前記回動部材の前記回転軸方向への変位を許容しつつ、前記回転軸方向の所定位置で保持する弾性保持部材と、
    前記複数のシフトロッドの各々に固定されたブラケットと、
    前記複数のシフトロッドに一対一で対応すると共に、前記回動部材の前記回転軸方向への変位に連動して前記回転軸方向に変位可能な複数のカム部材と、を有しており、
    前記カム部材は、
    前記ブラケットに係合させた先端部が、前記回動部材の回動に連動して前記軸線方向に変位するカムアームを有しており、
    前記ブラケットと前記カムアームの先端部は、前記回転軸方向の相対変位により係脱するように構成されていることを特徴とする変速機。
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