JP2018145203A - 収斂用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、収斂剤を含有する収斂用組成物において、収斂剤の収斂作用を増強させる製剤技術を提供することである。【解決手段】(A)収斂剤と共に、(B)アセンヤクエキス及び/又はカキタンニンを併用した収斂用組成物は、収斂剤の収斂作用が相乗的に増強して発揮される。【選択図】なし

Description

本発明は、収斂用組成物に関する。より詳細には、本発明は、収斂剤の収斂作用を増強して発揮できる収斂用組成物に関する。
収斂剤には、皮膚や粘膜のタンパク質を一時的に変性、凝集させたり、浸透圧による脱水作用を発揮させたりすることにより、組織を引き締めて外界からの物理的又は化学的刺激に対する保護機能を高める作用があり、抗炎症、止血、制汗等の目的で口腔用組成物や皮膚外用組成物に配合されている。従来、収斂作用を有する成分について精力的に検討されており、収斂剤として利用可能な成分が種々報告されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
一方、近年、消費者が訴求する薬理効果が多様化しており、より強い収斂作用を好む人がいる反面、緩やかな収斂作用を好む人もおり、収斂剤によって発揮される収斂作用に対する要望も多様化している。このような多様化する要望に追従するためにも、収斂剤の収斂作用を増強させる製剤技術の開発が求められている。
通常、収斂剤によって発揮される収斂作用を増強させるには、収斂剤の配合量を増加させることによって実現し得るが、収斂剤の配合量の増加は、白濁や沈殿等を生じさせ製剤性状を不安定化させたり、また収斂剤自体が有する苦み、渋み、塩味等によって使用感が損なわれたりすることがある。特に、口腔用組成物の場合には、収斂剤の配合量の増加によってもたらされる呈味の低下は、使用感の著しい悪化を伴ってしまう。そのため、収斂剤の配合量を増加せずとも、収斂作用を増強して発揮可能な製剤技術の開発が望まれている。
しかしながら、従来、収斂剤の収斂作用の増強という観点からは、十分な検討がなされていないのが現状である。
特開2007−302620号公報 特開2006−104074号公報
本発明は、収斂剤を含有する収斂用組成物において、収斂剤の収斂作用を増強させる製剤技術を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、(A)収斂剤と共に、(B)アセンヤクエキス及び/又はカキタンニンを併用した収斂用組成物は、収斂剤の収斂作用が相乗的に増強して発揮されることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)収斂剤、並びに(B)アセンヤクエキス及びカキタンニンよりなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする、収斂用組成物。
項2. 前記(A)成分が、アラントイン誘導体、ウラジロガシエキス、シラカバエキス、
及び乳酸アルミニウムよりなる群から選択される少なくとも1種である、項1に記載の収斂用組成物。
項3. 前記(A)成分の総量1重量部当たり、前記(B)成分が総量で0.0001〜170重量部含まれる、項1又は2に記載の収斂用組成物。
項4. 口腔用組成物である、項1〜3のいずれかに記載の収斂用組成物。
項5. アセンヤクエキス及びカキタンニンよりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする、収斂作用増強剤。
項6. 収斂剤を含有する収斂用組成物に、アセンヤクエキス及びカキタンニンよりなる群から選択される少なくとも1種を配合する工程を含む、収斂作用の増強方法。
本発明の収斂用組成物によれば、収斂剤によって発揮させる収斂作用を相乗的に増強できるので、口腔内や皮膚等の組織に対して優れた収斂効果を付与し、これらの組織の保護機能を格段に向上させることができる。また、本発明の収斂用組成物によれば、収斂剤の配合量を増大させずに収斂作用を増強できるので、収斂剤の配合量の増大によってもたらされる呈味低下を回避でき、口腔用組成物として使用しても、良好な使用感を得ることができる。
1.収斂用組成物
本発明の収斂用組成物は、収斂剤(以下、単に(A)成分と表記することもある)、並びに、アセンヤクエキス及びカキタンニンよりなる群から選択される少なくとも1種(以下、単に(B)成分と表記することもある)を含有することを特徴とする。以下、本発明の収斂用組成物について詳述する。
(A)成分
本発明の収斂用組成物は、収斂作用を発揮する成分として収斂剤を含有する。
本発明で使用される収斂剤については、収斂作用を発揮でき、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、後述する(B)成分による収斂作用の増強をより効果的に実現するという観点から、皮膚や粘膜のタンパク質を一時的に変性、凝集させる作用を発揮する収斂剤が好適に使用される。
このような収斂剤としては、具体的には、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム等のアラントイン誘導体;シラカバエキス、ウラジロガシエキス等の植物エキス;乳酸アルミニウム、ミョウバン、塩化アルミニウム等のアルミニウム塩;塩化亜鉛、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛等の亜鉛塩;塩化ナトリウム等のナトリウム塩等が挙げられる。これらの収斂剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
収斂剤として使用される植物エキスについては、その抽出方法等については、日本薬局方外医薬品規格、医薬部外品原料規格等に示されており公知である。
例えば、シラカバエキスは、医薬部外品原料規格に記載されており、公知である。具体的には、シラカバエキスは、ヨーロッパシラカバ(Betula alba linne(Betulaceae))の
葉及び/又は樹液に対して抽出溶媒を用いて抽出処理することにより得ることができる。シラカバエキスの抽出処理に使用される抽出溶媒としては、例えば、水;エタノール、プロパノール等の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール;これらの混合液等の極性溶媒が挙げられる。これらの抽出溶媒の中でも、好ましくはエタノール、又は水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒である。
また、例えば、ウラジロガシエキスは、日本薬局方外医薬品規格に記載されており、公知である。具体的には、ウラジロガシエキスは、ウラジロガシ(Quercus salicina Blume(Fagaceae))の乾燥した小枝付葉を粗切し、水を加えて浸出することにより得ることができる。
これらの収斂剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの収斂剤の中でも、収斂作用をより効果的に増強させるという観点から、好ましくはアラントイン誘導体、シラカバエキス、ウラジロカシエキス、乳酸アルミニウム、更に好ましくはアラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、シラカバエキス、ウラジロガシエキス、乳酸アルミニウムが挙げられる。
本発明の収斂用組成物における(A)成分の含有量については、特に制限されないが、例
えば0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.01〜2重量%が挙げられる。良好な呈味を付与しつつ、収斂作用をより効果的に増強させるという観点から、(A)成分の種類毎の含有量としては、以下の範囲が挙げられる。
(A)成分がアラントイン誘導体の場合:好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.01〜0.5重量%、更に好ましくは0.01〜0.3重量%。
(A)成分がシラカバエキスの場合:好ましくは0.01〜2重量%、より好ましくは0.2〜2重量%、更に好ましくは1〜2重量%。
(A)成分がウラジロガシエキスの場合:好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.01〜0.3重量%。
(A)成分が乳酸アルミニウムの場合:好ましくは0.01〜2重量%、より好ましくは0.2〜2重量%。
なお、本明細書において、シラカバエキスの含有量については、試料10mlを蒸発皿に精密に量り、水浴上で蒸発乾固し、さらに残留物を105℃で3時間乾燥し、デシケーター中等で放冷した際にその質量が0.08g(蒸発残留物)になる液状物の場合を基準とした値である。本発明の収斂用組成物を製造するに当たり、使用するシラカバエキスの濃縮の程度等を踏まえた上で、実質的に含有されるシラカバエキスの成分量が前記基準の場合と同様になるように適宜設定すればよい。
また、本明細書において、ウラジロガシエキスの含有量については、試料約1.0gを精密に量り105℃で3時間乾燥した際に、その減量が3重量%(乾燥減量)である固形物の場合を基準とした値であり、本発明の収斂用組成物を製造するに当たり、使用するウラジロガシエキスの濃縮の程度等を踏まえた上で、実質的に含有されるウラジロガシエキスの成分量が前記基準の場合と同様になるように適宜設定すればよい。
(B)成分
本発明の収斂用組成物は、収斂剤の収斂作用を増強させる成分として、アセンヤクエキス及びカキタンニンよりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。このような特定の(B)成分を収斂剤と併用することによって、収斂剤の収斂作用を相乗的に増強して発
揮させることが可能になる。
本発明において(B)成分として使用されるアセンヤクエキスは、医薬部外品原料規格等に示されており公知である。具体的には、アセンヤクエキスは、ガンビノールノキ(Uncaria gambur Roxburg(Rubbiaceae))の葉及び/又は若枝に対して抽出溶媒を用いて抽出処理することにより得ることができる。シャクヤクエキスの抽出処理に使用される抽出溶媒としては、例えば、水;エタノール、プロパノール等の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール;これらの混合液等の極性溶媒が挙げられる。より具体的には、アセンヤクエキスは、ガンビノールノキの葉及び若枝に対して水を用いて抽出処理を行った後に乾燥させ、更に低級アルコール、多価アルコール、又はこれらの混合溶媒(好ましくはエタノール、1,3−ブチレングリコール、又はこれらの混合溶媒)を用いて抽出処理することによって得ることができる。
カキタンニンとは、渋柿(ディオスピロス カキ スンベルグ(エベナシア)(Diospyros kaki Thunberg(Ebenaceae))の果実の搾汁より得られるタンニンである。カキタンニンの製造方法についても公知である。具体的には、カキタンニンは、渋柿の果実を圧搾機にかけて搾汁液を得て減圧乾燥する方法、渋柿の搾汁液に酵素を用いて密閉保存した後に糖分を除去し、減圧下にて脱水する方法等によって得ることができる。
本発明の収斂用組成物において、(B)成分として、アセンヤクエキス及びカキタンニンの中から1種を単独で使用してもよく、またこれらを組み合わせて使用してもよい。
本発明の収斂用組成物における(B)成分の含有量については、使用する(A)成分の種類や含有量、使用する(B)成分の種類、増強させる収斂作用の程度等に応じて適宜設定されるが、例えば0.0001〜3重量%、好ましくは0.0005〜2.5重量%が挙げられる。良好な呈味を付与しつつ、収斂剤の収斂作用をより効果的に増強させるという観点から、(B)成分の種類毎の含有量としては、以下の範囲が挙げられる。
(B)成分がアセンヤクエキスの場合:好ましくは0.005〜2重量%、より好ましくは0.01〜2重量%、更に好ましくは0.01〜1重量%。
(B)成分がカキタンニンの場合:好ましくは0.0005〜0.5重量%、より好ましくは0.0005〜0.01重量%。
なお、本明細書において、アセンヤクエキスの含有量については、試料10mlを蒸発皿に精密に量り、水浴上で蒸発乾固し、さらに残留物を105℃で6時間乾燥し、デシケータ中等で放冷した際にその質量が0.35g(蒸発残留物)になる液状物の場合を基準とした値である。本発明の収斂用組成物を製造するに当たり、使用するアセンヤクエキスの濃縮の程度等を踏まえた上で、実質的に含有されるアセンヤクエキスの成分量が前記基準の場合と同様になるように適宜設定すればよい。
また、本発明の収斂用組成物において、(A)成分に対する(B)成分の比率としては、使用する(A)成分と(B)成分の種類等に応じて適宜設定すればよいが、収斂剤の収斂作用を効果的に増強させるという観点から、(A)成分1重量部に対して、(B)成分が0.0001〜170重量部、好ましくは0.001〜170重量部が挙げられる。特に、良好な呈味を付与しつつ、前記(A)成分の収斂作用をより効果的に増強させるという観点から、(A)成分の種類に応じた(A)成分と(B)成分の比率については以下の範囲が好適である。
(A)成分がアラントイン誘導体の場合:(A)成分の総量1重量部に対して、(B)成分が好ま
しくは0.02〜170重量部、より好ましくは0.06〜70重量部、更に好ましくは0.06〜20重量部、特に好ましくは0.06〜7重量部。
(A)成分がシラカバエキスの場合:(A)成分の総量1重重量部に対して、(B)成分が好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.001〜0.1重量部。
(A)成分がウラジロガシエキスの場合:(A)成分の総量1重量部に対して、(B)成分が好ましくは0.02〜170重量部、より好ましくは0.02〜70重量部、更に好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは1〜10重量部。
(A)成分が乳酸アルミニウムの場合:(A)成分の総量1重重量部に対して、(B)成分が好ましくは0.005〜1.5重量部、より好ましくは0.008〜1重量部、更に好ましくは0.008〜0.5重量部、特に好ましくは0.008〜0.1重量部。
製剤形態
本発明の収斂用組成物の形状については特に制限されず、液状、固形状、半固形状(ゲル状、軟膏状、ペースト状)等のいずれであってもよい。
本発明の収斂用組成物は、口腔用組成物、皮膚外用組成物等として使用され、口腔粘膜や皮膚等の組織に適用して当該組織を収斂させる目的で使用される。特に、本発明の収斂用組成物は、収斂剤の配合量を増大させずに収斂作用を増強でき、収斂剤の配合量の増大によってもたらされる呈味低下を回避できている。このような本発明の効果に鑑みれば、本発明の収斂用組成物は、呈味が重視される製剤形態である口腔用組成物として好適に使用することができる。
本発明の収斂用組成物を口腔用組成物として使用する場合、本発明の収斂用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、口腔用組成物の製剤形態に応じて、当該技術分野で通常使用される添加成分を含有していてもよい。このような添加成分としては、例えば、研磨剤、防腐剤、殺菌剤、抗菌剤、消炎剤、グルコシルトランスフェラーゼ(GTase)阻害剤、プラーク抑制剤、知覚過敏抑制剤、歯石予防剤、粘着剤、粘稠剤、賦形剤、滑沢剤、香料、甘味剤、清涼化剤、色素、消臭剤、界面活性剤、pH調整剤、基剤、溶剤、安定化剤等が挙げられる。
本発明の収斂用組成物を口腔用組成物として使用する場合、当該口腔用組成物は、口腔内に適用されて口腔内で一定時間滞留し得るものである限り、可食性、非可食性の別を問わない。当該口腔用組成物は、例えば、口腔衛生剤、食品(機能性食品、健康保健用食品、病者用食品等を含む)、医薬品(医薬部外品を含む)、化粧品等のいずれの形態であってもよい。口腔用組成物の製剤形態として、具体的には、液体歯磨剤、練歯磨剤、潤製歯磨剤、粉歯磨剤、洗口剤(マウスウォッシュ)、マウスリンス、含嗽剤、口中清涼剤(マウススプレー等)、口腔用パスタ剤、歯肉マッサージクリーム、口腔咽候薬(トローチ剤等)等の口腔衛生剤;可食性フィルム、チューインガム、キャンディ、グミキャンディ、タブレット、顆粒、細粒、粉末、カプセル等の可食性口腔用剤等が挙げられる。これらの中でも、口腔衛生剤は、口腔粘膜に対して収斂作用を付与し易く、好適な製剤形態である。
また、本発明の収斂用組成物を皮膚外用組成物として使用する場合、本発明の収斂用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、皮膚外用組成物の製剤形態に応じて、当該技術分野で通常使用される添加成分を含有していてもよい。このような添加成分としては、例えば、無機顔料、紫外線吸収剤、美白剤、界面活性剤、細胞賦活剤、消炎剤、抗菌剤、保湿剤、清涼化剤、香料、着色剤、消臭剤、界面活性剤、粘着剤、粘稠剤、pH調整剤、基剤、溶剤、安定化剤等が挙げられる。
本発明の収斂用組成物を皮膚外用組成物として使用する場合、当該皮膚外用組成物は、皮膚に適用されるものである限り、化粧料、医薬品、皮膚洗浄料等のいずれの形態であってもよい。当該皮膚外用組成物の製剤形態として、具体的には、軟膏、クリーム、乳液、化粧水、ローション、パック、ゲル等の化粧料;液剤、貼付剤、エアゾール剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤等の皮膚外用医薬品;ボディーシャンプー、ヘアシャンプー、リンス等の皮膚洗浄料等が挙げられる。
製造方法
本発明の収斂用組成物は、前述する(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて配合される添加成分を配合して、その製剤形態に応じた所定の形状に調製することによって製造される。本発明の収斂用組成物には、その製剤形態に応じて、可食性の担体又は薬学的に許容される担体等を含むことができる。
2.収斂作用増強剤
前述するように、アセンヤクエキス及びカキタンニンよりなる群から選択される少なくとも1種には、収斂剤の収斂作用を増強させる作用がある。従って、本発明は、更に、アセンヤクエキス及びカキタンニンよりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする収斂作用増強剤を提供する。
本発明の収斂作用増強剤は、収斂剤を含む口腔内組成物や皮膚外用組成物等に添加して、当該収斂剤の収斂作用を増強させる目的で使用される。本発明の収斂作用増強剤において、有効成分として使用されるアセンヤクエキス及びカキタンニンの種類や使用量、収斂作用の増強対象となる収斂剤の種類や使用量、適用可能な口腔内組成物や皮膚外用組成物等については、前記「1.収斂用組成物」の欄に記載の通りである。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、シラカバエキスは、製品名「シラカバ抽出液」(丸善製薬株式会社製)(試料10mlを蒸発皿に精密に量り、水浴上で蒸発乾固し、さらに残留物を105℃で3時間乾燥し、デシケーター中等で放冷した際にその質量が0.08g(蒸発残留物)になる液状物)、ウラジロガシエキスは、(日本新薬株式会社製)(試料約1.0gを精密に量り105℃で3時間乾燥した際に、その減量が3重量%(乾燥減量)である固形物)、アセンヤクエキスは、製品名「アセンヤク抽出液BG」(丸善製薬株式会社製)(試料10mlを蒸発皿に精密に量り、水浴上で蒸発乾固し、さらに残留物を105℃で6時間乾燥し、デシケータ中等で放冷した際にその質量が0.35g(蒸発残留物)になる液状物)を使用した。
試験例1
表1〜5に示す組成の試験液を調製し、その収斂作用を評価するために、以下に示すアルブミン凝集性試験を行った。
<アルブミン凝集性試験>
先ず、アルブミン含有水溶液(アルブミン含有量0.3重量%、クエン酸含有量1.5重量%、pH4.0)を準備した。各試験液とアルブミン含有水溶液を1:2の容量比で混合し、37℃で30分間インキュベートした。次いで、インキュベート後の混合液について、650nmにおける濁度を測定した。なお、本試験において、濁度の値が高い程、タンパク質変性効果が強く、収斂作用が大きいと判定される。前記で測定された濁度を用いて、下記式に従って収斂作用の増強率(%)を算出した。
収斂作用の増強率(%)=[{(各試験液を使用した場合の濁度)−(対応するコントロールの試験液を使用した場合の濁度)}/(対応するコントロールの試験液を使用した場合の濁度)]×100 得られた結果を表1〜5に示す。参考例1〜3から明らかなように、アセンヤクエキス及びカキタンニンは、単独では、収斂作用が見られなかった。一方、収斂剤(アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、シラカバエキス、ウラジロガシエキス、又は乳酸アルミニウム)と、アセンヤクエキス又はカキタンニンを組み合わせると、収斂作用の増強効果が認められた。一方、グリチルレチン酸、メントール、ケイヒアルデヒド、チョウジ油では、収斂剤の収斂作用の増強は認められず、寧ろ収斂作用を減弱させていた。以上の結果から、収斂剤の収斂作用の増強効果は、特定の成分(アセンヤクエキス及び/又はカキタンニン)を選択して収斂剤と共存させることによって認められる特有の効果であることが明らかとなった。特に、実施例1−1及び1−3と、実施例1−5との比較から分かるように、アセンヤクとカキタンニンの両方を含む場合、収斂作用の増強効果に特に優れることが明らかとなった。
Figure 2018145203
Figure 2018145203
Figure 2018145203
Figure 2018145203
Figure 2018145203
試験例2
表6〜9に示す組成の試験液を調製し、口腔内に適用した場合の使用感について評価した。具体的には、3名のパネラーによって、各試験液10mlを口に含ませて下記判定基準に従って呈味を評点化した。
(呈味の判定基準)
評点
5:口腔内組成物として相応しい呈味であり、使用感が良好である。
4:口腔内組成物としてやや相応しい呈味であり、使用感がやや良好である。
3:口腔内組成物として普通の呈味であり、使用感も普通である。
2:口腔内組成物としてあまり相応しくない呈味であり、使用感がやや悪い。
1:口腔内組成物として相応しくない呈味であり、使用感が悪い。
次いで、各パネラーが判定した評点を合計し、下記の分類基準に従って、使用感を評価した。
(使用感の分類基準)
++++:評点の合計が12点以上
+++ :評点の合計が9点以上11点以下
++ :評点の合計が6点以上8点以下
+ :評点の合計が5点以下
得られた結果を表6〜9に示す。この結果から、収斂剤と共に、アセンヤクエキス、又はカキタンニンを併用すると、口腔内に適用された際の呈味が良好になることが確認された。また、表6〜9に示すいずれの試験液においても、(A)成分又は(B)成分をそれぞれ単独で含有する場合に比べて、(A)成分及び(B)成分の両方を含有する場合の方が、収斂効果は高まっていた。即ち、本試験結果から、収斂剤と、シャクヤクエキス、トウキエキス、又はムクロジエキスとを併用した収斂用組成物は、口腔用組成物として使用しても、収斂効果が高まり、且つ呈味の点でも良好であり、優れた使用感が得られることが明らかとなった。
Figure 2018145203
Figure 2018145203
Figure 2018145203
Figure 2018145203
製造例1
表10〜13に示す組成の練歯磨剤を製造した。いずれの練歯磨剤においても、(B)
成分を含有しない場合に比べて、収斂剤の収斂作用の相乗的な増強効果が認められ、味も良好であった。
Figure 2018145203
Figure 2018145203
Figure 2018145203
Figure 2018145203
製造例2
表14に示す組成の液体歯磨剤を製造した。当該液体歯磨剤においても、(B)成分を
含有しない場合に比べて、収斂剤の収斂作用の相乗的な増強効果が認められ、味も良好であった。
Figure 2018145203
製造例3
表15に示す組成の口腔咽喉薬(トローチ剤:ドロップ)を製造した。当該口腔咽喉薬においても、(B)成分を含有しない場合に比べて、収斂剤の収斂作用の相乗的な増強効果が認められ、味も良好であった。
Figure 2018145203

Claims (6)

  1. (A)収斂剤、並びに(B)アセンヤクエキス及びカキタンニンよりなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする、収斂用組成物。
  2. 前記(A)成分が、アラントイン誘導体、ウラジロガシエキス、シラカバエキス、及び乳酸アルミニウムよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の収斂用組成物。
  3. 前記(A)成分の総量1重量部当たり、前記(B)成分が総量で0.0001〜170重量部含まれる、請求項1又は2に記載の収斂用組成物。
  4. 口腔用組成物である、請求項1〜3のいずれかに記載の収斂用組成物。
  5. アセンヤクエキス及びカキタンニンよりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする、収斂作用増強剤。
  6. 収斂剤を含有する収斂用組成物に、アセンヤクエキス及びカキタンニンよりなる群から選択される少なくとも1種を配合する工程を含む、収斂作用の増強方法。
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