JP2018145143A - 爪用化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】アセトンを主体とするエナメルリムーバー以外のもので除去が可能であり、且つ、日常生活の中でも化粧膜を維持できる爪用化粧料を提供すること。【解決手段】成分(A)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル及び成分(B)皮膜形成剤を含有し、前記成分(A)と前記成分(B)の含有質量比が、A:B=20:80〜99:1である爪用化粧料を提供するものである。【選択図】なし

Description

本発明は、爪用化粧料に関する。
従来より、爪用化粧料には、皮膜形成剤としてニトロセルロースが多く用いられているが、ニトロセルロースを含有する爪用化粧料を除去する際には、アセトンを主体とするエナメルリムーバーを使用する必要がある。しかしながら、アセトンを主体とするエナメルリムーバーは、使用時に引火の危険性があったり、連続使用することにより、爪が欠けたり、二枚爪になる等、爪そのものに悪影響を与える場合があるなどの問題があった。
そこで、アセトンを主体とするエナメルリムーバー以外でも除去が可能な爪用化粧料が提案されてきている。例えば、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体を用いることで、水で除去することを可能にしたマニキュア(特許文献1参照)や、特定のトリグリセライドを用いることでリムーバーを使用しなくとも塗布膜をはがすことができる水系美爪料(特許文献2参照)等が提案されている。
特開平9-95423号公報 特開2001−31527号公報
しかしながら、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体を用いる特許文献1の技術では、水で除去することが可能であることから、手洗い等の日常生活で落ちてしまう可能性が高く、満足のいく化粧持ちが得られていなかった。一方、特定のトリグリセライドを用いる特許文献2の技術では、爪を硬いものにぶつけたり引っかけたりした際に化粧膜が剥離してしまう可能性が高く、満足のいく化粧持ちが得られていなかった。
したがって、従来の技術では、アセトンを主体とするエナメルリムーバー以外のもので除去が可能であり、且つ、日常生活の中でも化粧膜を維持できる爪用化粧料を具現化することは困難であった。
本発明者は、上記実情に鑑み、鋭意研究を行った結果、皮膜形成剤の総量に対し、特定の構造を有するデキストリン脂肪酸エステルを20質量%以上含有することで、アセトンを主体とするエナメルリムーバー以外のものでも除去することが可能で、化粧持ちに優れた爪用化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、成分(A)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル及び(B)皮膜形成剤を含有し、前記成分(A)と前記成分(B)の含有質量比が、A:B=20:80〜99:1である爪用化粧料を提供するものである。
前記成分(A)と前記成分(B)の含有質量比が、A:B=60:40〜1:99である前記記載の爪用化粧料を提供するものである。
前記成分(A)及び(B)の含有量が10〜50質量%である前記記載の爪用化粧料を提供するものである。
前記爪用化粧料が溶剤系である前記記載の爪用化粧料を提供するものである。
前記爪用化粧料がエタノールで除去することができることを特徴とする前記記載の爪用化粧料を提供するものである。
本発明の爪用化粧料は、アセトンを主体とするエナメルリムーバー以外のものでも除去が可能であり、化粧持ちに優れるものである。
本発明の詳細について以下に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明に使用される成分(A)デキストリン脂肪酸エステルは、デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が全脂肪酸に対して炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸を50mol%より多く含有するグルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0である新規な物質で、塗布した際に皮膜を形成することができるものである。(以下、単に「デキストリン脂肪酸エステル」ということもある。)
本発明に使用される成分(A)デキストリン脂肪酸エステルは、次の特性を有する。
(1)デキストリン脂肪酸エステルを不揮発性液状油に混合したとき液状油がゲル化しない。
「液状油がゲル化しない」とは、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm2/sである流動パラフィンを液状油とする場合、デキストリン脂肪酸エステルを5質量%(以下単に「%」で示す。)含有する該流動パラフィンを100℃で溶解し、24時間後25℃で粘度を測定したとき、粘度が、Yamco DIGITAL VISCOMATE粘度計VM−100A(振動式)(山一電機社製)の検出限界以下であることを意味する。なお、ゲル化する場合には、粘度が検出されることで確認できる。
(2)デキストリン脂肪酸エステルが形成する皮膜が特定範囲の付着力(タック性)を有する。
「タック性」を、支持体に該デキストリン脂肪酸エステルを塗布し、もうひとつの支持体を相互に離れた状態から面接触させた後に、後退させて別離させ、後退を開始してから完全に別離するまでの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)で表す場合、該デキストリン脂肪酸エステルを40%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザー、たとえば、テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、100gの荷重をかけ10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの荷重変化、すなわちタック性が30〜1,000gである。
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルに用いられるデキストリンは、グルコース平均重合度3〜150、特に10〜100のデキストリンが好ましい。グルコース平均重合度が2以下では、得られたデキストリン脂肪酸エステルがワックス様となって油剤への溶解性が低下する。また、グルコース平均重合度が150を超えると、デキストリン脂肪酸エステルの油剤への溶解温度が高くなる、又は溶解性が悪くなる等の問題を生ずることがある。デキストリンの糖鎖は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸は、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を必須とし、さらに炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸、及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これら炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸以外の脂肪酸をまとめて表すときは「その他の脂肪酸」という)を含有してもよいものである。
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸の組成割合は、全脂肪酸に対して、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上が50mol%より多く100mol%以下、好ましくは55mol%以上100mol%以下であり、その他の脂肪酸は、0mol%以上50mol%未満、好ましくは、0mol%以上45mol%以下である。
該炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸としては、例えば、イソ酪酸、イソ吉草酸、2−エチル酪酸、エチルメチル酢酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコサン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択又は組み合わせて使用することができる。これらのうち、炭素数12〜22のものが好ましく、特にイソステアリン酸が好ましく、構造の違い等の限定は特にない。
本発明において、イソステアリン酸とは、分岐したステアリン酸の1種、又は2種以上の混合物を意味する。例えば5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−オクタン酸は、イソブチレン2量体のオキソ反応により炭素数9の分岐アルデヒドとし、次いでこのアルデヒドのアルドール縮合により炭素数18の分岐不飽和アルデヒドとし、次いで水素添加、酸化することにより製造することができ(以下、「アルドール縮合型」と略す)、これは例えば日産化学工業社より市販されている。2−ヘプチルウンデカン酸はノニルアルコールをガーベット反応(Guerbet反応、ゲルベ反応ともいう)により二量化し、酸化することにより製造することができ、これは例えば三菱化学社より市販されており、分岐位置の若干異なる類似混合物として、日産化学工業社より市販され、さらに出発アルコールが直鎖飽和ではない2箇所メチル分岐したタイプも同様に日産化学工業社より市販されている(以下総じて「ガーベット反応型」と略す)。また、メチル分岐イソステアリン酸は、例えばオレイン酸のダイマー製造時の副産物として得られるもので〔例えばJ.Amer.Oil Chem.Soc.51,522(1974)に記載〕、例えば米国エメリー社などから市販されていたものがあげられる(以下「エメリー型」と略す)。エメリー型イソステアリン酸の出発物質であるダイマー酸のさらに出発物質は、オレイン酸だけでなく、リノール酸、リノレン酸等も含まれる場合がある。本発明においては特にアルドール型がより好ましい。
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸のうち炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸としては、例えば、酢酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜、選択又は組み合わせて使用することができる。これらの中でも、炭素数8〜22のものが好ましく、特に炭素数12〜22のものが好ましい。
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸のうち炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸としては、例えば、モノエン不飽和脂肪酸としては、シス−4−デセン(オブツシル)酸、9−デセン(カプロレイン)酸、シス−4−ドデセン(リンデル)酸、シス−4−テトラデセン(ツズ)酸、シス−5−テトラデセン(フィセテリン)酸、シス−9−テトラデセン(ミリストレイン)酸、シス−6−ヘキサデセン酸、シス−9−ヘキサデセン(パルミトレイン)酸、シス−9−オクタデセン(オレイン)酸、トランス−9−オクタデセン酸(エライジン酸)、シス−11−オクタデセン(アスクレピン)酸、シス−11−エイコセン(ゴンドレイン)酸、シス−17−ヘキサコセン(キシメン)酸、シス−21−トリアコンテン(ルメクエン)酸等が挙げられ、ポリエン不飽和脂肪酸としては、ソルビン酸、リノール酸、ヒラゴ酸、プニカ酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸、ニシン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸等が挙げられる。
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸のうち炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸は、環状構造を基本骨格の少なくとも一部に有する炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂肪酸を意味し、例えば9,10−メチレン−9−オクタデセン酸;アレプリル酸、アレプリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸、α−シクロヘキシルメチル酸、ω−シクロヘキシル酸、5(6)−カルボキシ−4−ヘキシル−2−シクロヘキセン−1−オクタン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルピン酸、ショールムーグリン酸などが挙げられる。
本発明において、新規なデキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸として分岐飽和脂肪酸単独の場合のデキストリン脂肪酸エステルとしては、例えば以下のもの等が挙げられる。
デキストリンイソ酪酸エステル
デキストリンエチルメチル酢酸エステル
デキストリンイソヘプタン酸エステル
デキストリン2−エチルヘキサン酸エステル
デキストリンイソノナン酸エステル
デキストリンイソデカン酸エステル
デキストリンイソパルミチン酸エステル
デキストリンイソステアリン酸エステル
デキストリンイソアラキン酸エステル
デキストリンイソヘキサコサン酸エステル
デキストリン(イソ吉草酸/イソステアリン酸)エステル
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸として分岐飽和脂肪酸とその他の脂肪酸との混合脂肪酸を用いた場合のデキストリン脂肪酸エステルとしては、例えば以下のもの等が挙げられる。
デキストリン(イソ酪酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(エチルメチル酢酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(イソヘプタン酸/ラウリン酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(イソヘキサコサン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/イソ吉草酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/パルミチン酸/カプロン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソデカン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチル酪酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/アラキドン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ステアリン酸/オレイン酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/パルミチン酸/ショールムーグリン酸)エステル
デキストリン脂肪酸エステルのデキストリンへの脂肪酸の置換度は、グルコース単位当たり1.0〜3.0であり、好ましくは1.2〜2.8である。この置換度が1.0未満であると液状油等への溶解温度が100℃以上と高くなり、着色や特異な臭いが生じ、好ましくない。
(デキストリン脂肪酸エステルの製造方法)
次に、本発明に使用される成分(A)のデキストリン脂肪酸エステルの製造方法について説明する。
製造方法としては、特に限定されず、公知の製法を採用することができるが、たとえば以下のようにして製造することができる。
(1)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を全脂肪酸誘導体に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸誘導体、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸誘導体及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これらの脂肪酸誘導体をまとめて表すときは「その他の脂肪酸誘導体」という)を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満を含有する脂肪酸誘導体とを反応させる。
(2)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上とを反応させ、次いで、その生成物とその他の脂肪酸誘導体とを反応させる。
その場合、全脂肪酸誘導体に対して炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を50mol%より多く100mol%以下、及び、その他の脂肪酸誘導体を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満使用する。
本発明において、上記デキストリンとのエステル化反応に使用される脂肪酸誘導体としては、例えば、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等が用いられる。
(1)及び(2)のいずれの場合も、まず、デキストリンを反応溶媒に分散し、必要に応じて触媒を添加する。これに、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等を添加して反応させる。(1)の製造法の場合は、これらの酸を混合して同時に添加反応させ、(2)の製造法の場合は、まず反応性の低い分岐飽和脂肪酸誘導体を反応させた後、次いでその他の脂肪酸誘導体を添加反応させる。
製造にあたり、これらのうちの好ましい方法を採用することができる。反応溶媒にはジメチルホルムアミド、ホルムアミド等のホルムアミド系;アセトアミド系;ケトン系;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物系;ジオキサン等の溶剤を適宜使用することができる。反応触媒としてはピリジン、ピコリン等の3級アミノ化合物などを用いることができる。反応温度は原料脂肪酸等により適宜選択されるが、0℃〜100℃の温度が好ましい。成分(A)の市販品としては、例えば、ユニフィルマHVY(千葉製粉社製)等が挙げられる。
本発明における成分(A)の含有量は、特に限定されないが、落としやすさと化粧持ちにより優れる等の観点から、10〜50%であることが好ましく、10〜30%であることがより好ましい。
本発明における成分(B)皮膜形成剤とは、有機溶剤に可溶なものであり、化粧料に一般的に用いられるものであれば特に限定されない。本発明において、皮膜形成剤とは、特に限定されないが、可溶な有機溶剤に40%溶解した溶液を、ガラス板に400μm厚のアプリケーターで塗布し、室温24時間乾燥後に皮膜が形成されるものである。なお、形成される皮膜は、膜の一部又は全体にヒビやハガレがあってもよく、一枚の膜又は薄片状となっていてもよい。
本発明における成分(B)皮膜形成剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ニトロセルロース、(トシルアミド/エポキシ)樹脂、アクリレーツコポリマー、(スチレン/アクリレーツ)コポリマー、(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマー、(無水フタル酸/安息香酸/グリセリン)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル)コポリマー、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー、トリメチルシロキシケイ酸、ポリメチルシルセスキオキサン等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。これらの中でも、化粧持ちにより優れる等の観点から、ニトロセルロースを含有していることがより好ましい。
本発明における成分(B)皮膜形成剤の含有量は、特に限定されないが、落としやすさ、化粧持ちにより優れる等の観点から、10〜50%であることが好ましく、10〜30%であることがより好ましい。
本発明における成分(A)と成分(B)の含有質量比は、A:B=20:80〜99:1であることが好ましく、さらに好ましくは、A:B=40:60〜99:1である。成分(A)と成分(B)の含有質量比が、A:B=0:100〜19:81の場合は、満足のいく落としやすさが得られない場合がある。
本発明における成分(A)と成分(B)の合計含有量は、特に限定されないが、化粧持ちに優れ、且つ落としやすさに優れる等の観点から、爪用化粧料全量に対して、好ましくは10〜50%であり、より好ましくは20〜30%である。
本発明の爪用化粧料には、上記必須成分の他に、通常爪用化粧料に用いられる成分として、例えば、有機溶剤、粉体、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、香料、防腐剤、多価アルコール、低級アルコール、美容成分等を本発明の効果を損なわない範囲で、含有することができる。
有機溶剤としては、爪用化粧料に一般的に用いられるものであれば、非極性溶剤、極性溶剤のいずれでも良く、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロパノール、エタノール、ノルマルヘプタン、イソドデカン、水添イソポリブテン、ジメチコン、シクロメチコン等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
粉体としては、球状、板状、針状等の形状、、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造、等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、酸化チタン被覆ガラス末、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリスチレンパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。しかも、目的に応じて、例えば金属酸化物、金属水酸化物、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等で表面処理して用いることも可能である。
本発明品の製造方法は、特に限定されず、常法により調製される。例えば、上記成分(A)、(B)、さらに必要に応じて任意成分を加え、これを混合することにより調製する方法が挙げられる。
本発明品の形態は、特に限定されず、液状、半固形状等のいずれでもよいが、塗布のしやすさの点で液状が好ましい。また、本発明の剤型は、水系、可溶化系、水中油型系、油中水型系、溶剤系等のいずれでも良く、特に限定されないが、成分(A)の溶解性の点から、有機溶剤を溶媒に用いる溶剤系が好ましい。
本発明の爪用化粧料としては、マニキュア、トップコート、ベースコート、ネイルトリートメント、ネイルクリーム等が例示できる。
以下に製造例と実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
《デキストリン脂肪酸エステルの参考製造例》
以下に本発明に用いるデキストリン脂肪酸エステルの参考製造例を示す。また、下記方法で置換度、構成脂肪酸のmol%、粘度、タック性を測定した。
(置換度、構成脂肪酸のmol%の測定方法)
各試料(下記参考製造例のデキストリン脂肪酸エステル)のIRスペクトルを測定し、アルカリ分解後の脂肪酸量とガスクロマトグラフィーから、置換度と、構成脂肪酸のmol%を求めた。
(粘度の測定方法)
各試料(参考下記製造例のデキストリン脂肪酸エステル)を5質量%含有する流動パラフィンを100℃で溶解し、室温(25℃)まで冷却する。25℃の恒温槽で24時間保温し、以下の測定機器を用いて粘度を測定した。
尚、流動パラフィンはASTM D445測定方法による40℃の動粘度が8mm2/sのものを使用した。
[測定機器]Yamco DIGITAL VISCOMATE MODEL VM−100A(山一電機社製)
(タック性の測定方法)
各試料(製造例のデキストリン脂肪酸エステル)をIPクリーンLX(軽質流動イソパラフィン)に40%溶解した溶液を、ガラス板に400μm厚のアプリケーターで塗布し、その皮膜を室温24時間乾燥後、70℃で12時間保存した後、室温25℃におけるタック性を、以下に示す機器および条件で評価した。
[測定機器]テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)
[プローブ]1/2 Cyl.Delrin(ポリアセタール樹脂(POM))P/0.5)、直径12.5mm円柱状
[測定条件]Test Speed:0.5mm/sec, Applied Force:100g, Contact Time:10sec
[参考製造例1:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステル]
平均グルコース重合度30のデキストリン21.41g(0.132mol)をジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62g(0.666mol)とからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)120g(0.396mol)を30分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質107gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
尚、エメリー型の出発原料はコグニス社製のEMARSOL873を用いた。本原料の脂肪酸組成は分岐飽和脂肪酸が60mol%、その他の脂肪酸が40mol%(パルミチン酸10mol%を含む)のものを用いた。(以下同様)
置換度は2.2、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は161gであった。
[参考製造例2〜4:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステル]
参考製造例2記載の原料・方法に準じ、 参考製造例3は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.172mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度1.0、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は35gであった。
参考製造例4は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.224mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度1.4、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は45gであった。
参考製造例5は平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.502mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度2.6、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は750gであった。
[参考製造例5:デキストリンイソステアリン酸エステル]
イソステアリン酸クロライド(エメリー型)の代わりにイソステアリン酸クロライド(ガーベット反応型)を用いた以外は参考製造例2と同様に作成し、淡黄色の樹脂状物質80gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
尚、ガーベット反応型の出発原料は日産化学工業社製のファインオキソコール イソステアリン酸−Nを用いた。
置換度は1.8、イソステアリン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は173gであった。
[参考製造例6:デキストリンイソステアリン酸エステル]
イソステアリン酸クロライド(エメリー型)の代わりにイソステアリン酸クロライド(アルドール縮合型)を用いた以外は参考製造例2と同様に作成し、淡黄色の樹脂状物質60gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
尚、アルドール縮合型の出発原料は日産化学工業社製のファインオキソコール イソステアリン酸を用いた。
置換度は1.2、イソステアリン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は61gであった。
[参考製造例7:デキストリンイソアラキン酸/パルミチン酸エステル]
平均グルコース重合度150のデキストリン51.28gをジメチルホルムアミド150g、ピリジン60gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソアラキン酸クロライド132gとパルミチン酸クロライド12gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質145gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸90mol%)
置換度は1.1、イソアラキン酸85mol%、パルミチン酸15mol%、粘度は0mPa・s、タック性は45gであった。
[参考製造例8:デキストリンイソ酪酸/カプリン酸エステル]
平均グルコース重合度5のデキストリン34.19gを3−メチルピリジン215gに70℃で分散させ、イソ酪酸クロライド50g及びカプリン酸クロライド60gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をエタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質98gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度は2.9、イソ酪酸63mol%、カプリン酸37mol%、粘度は0mPa・s、タック性は255gであった。
[参考製造例9:デキストリンイソパルミチン酸エステル]
平均グルコース重合度100のデキストリン23.62gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソパルミチン酸クロライド100gを30分間滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質90gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
置換度は2.0、イソパルミチン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は204gであった。
[参考製造例10:デキストリンイソノナン酸/ステアリン酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン36.34gをジメチルホルムアミド120g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソノナン酸クロライド41g及びステアリン酸クロライド58gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質95gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸55mol%)
置換度は1.6、イソノナン酸51mol%、ステアリン酸49mol%、粘度は0mPa・s、タック性は64gであった。
[参考製造例11:デキストリン2−エチルヘキサン酸/ベヘン酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン54.56gをジメチルホルムアミド150g、3−メチルピリジン130gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、2−エチルヘキサン酸クロライド147g、次いでベヘン酸クロライド36gを計30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質95gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸90mol%)
置換度は2.3、2−エチルヘキサン酸95mol%、ベヘン酸5mol%、粘度は0mPa・s、タック性は138gであった。
[参考製造例12:デキストリンイソパルミチン酸/酢酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン22.56gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン70gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソパルミチン酸クロライド110g及び無水酢酸10gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質96gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸80mol%)
置換度は2.8、イソパルミチン酸79mol%、酢酸21mol%、粘度は0mPa・s、タック性は430gであった。
[参考製造例13:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)/オレイン酸エステル]
平均グルコース重合度40のデキストリン19.99gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)108gとオレイン酸クロライド12gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質88gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸54mol%)
置換度は2.2、分岐飽和脂肪酸54mol%、その他の脂肪酸46mol%(内オレイン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は350gであった。
実施例1〜9、比較例1、2:溶剤系マニキュア
下記表1に示す処方のマニキュアを調製し、イ.落としやすさ、ロ.化粧持ちについて下記の評価方法により判定した。その結果も併せて表1に示す。
(製造方法)
A.成分(1)〜(4)を成分(5)、(6)に加え、室温にて均一溶解する。
B.Aに成分(7)〜(12)を加え分散混合する。
C.Bを室温にて容器に充填し、溶剤系マニキュアを得た。
〔評価方法1〕
イ.落としやすさ
ガラス板の上にドクターブレードを用いて各試料を200μmの厚さで塗布し、温度:25℃,湿度:65%RHの環境下で10分間乾燥させた後、オイルクレンジング、エタノール、アセトンの各除去剤をそれぞれ染み込ませたコットンを塗布膜に押し当てながら30往復させ、各除去剤で各塗布膜の除去が可能かを評価した。使用したオイルクレンジングは、トリエチルヘキサンノイン(45%)、エチルヘキサン酸セチル(28%)、ミネラルオイル(27%)を混合したものであり、エタノールは一般アルコール95度合成 無変性(日本アルコール社製)、アセトンはアセトン(三井石油化学社製)を用いた。
<絶対評価基準>
(判定):(評価)
◎ :オイルクレンジング、エタノール、アセトンの全てで除去が可能
○ :エタノール、及びアセトンで除去が可能
× :アセトンでのみ除去が可能
〔評価方法2〕
ロ.化粧持ち
各試料を専門パネル5名の手の爪(10か所)全面(素の爪が見えなくなるよう)に塗布し、日常生活をおくってもらい、24時間経過後に、各パネルの手の爪(10か所)をデジタルカメラで撮影し、画像解析ソフト用いて塗布膜の残存率を算出し、下記絶対評価基準を用いて評点を付けた。そして、各試料ごとの評点の合計から平均値を算出し、下記判定基準を用いて判定した。ここで塗布膜の残存率とは、塗布部(爪)面積を100%としたときの、24時間経過後の各試料の塗布膜の面積の比率である。
<絶対評価基準>
(評点):(10か所の爪の塗布膜の残存率の平均値)
5点:90%以上100%以下
4点:80%以上90%未満
3点:70%以上80%未満
2点:60%以上70%未満
1点:60%未満
<判定基準>
(判定):(評点(N=5)の平均点)
◎:4.0点を超える
○:3.0点を超えて4.0点以下
△:2.0点を超えて3.0点以下
×:2.0点以下
表1の結果より明らかな様に、実施例1〜9は比較例に比べ、全ての評価項目において良好な結果が得られた。一方、成分(A)と成分(B)の含有質量比が、A:B=15:85である比較例1と、A:B=0:100である比較例2の場合は、満足のいく落としやすさが得られなかった。
実施例10:マニキュア
成分 (%)
1.イソステアリン酸デキストリン ※2 20
2.ニトロセルロース 10
3.クエン酸アセチルトリブチル 5
4.酢酸エチル 15
5.酢酸ブチル 残量
6.n−ヘプタン 1
7.dl−カンフル 3
8.赤色220号 0.1
9.酸化チタン 0.5
10.雲母チタン ※1 5
11.オキシベンゾン 0.5
12.有機変性ベントナイト ※3 2
13.無水ケイ酸 ※4 0.5
※2:ユニフィルマ HVY(千葉製粉株式会社製)
※3:BENTONE 38V BC(Elementis社製)
※4:アエロジル300(日本アエロジル社製)
[製造方法]
A.成分(1)〜(13)を分散混合する。
B.Aを室温にて充填し、マニキュアを得た。
得られたマニキュアは、落としやすさ、化粧持ちのすべて点で満足のいくものであった。
実施例11:ベースコート
成分 (%)
1.イソステアリン酸デキストリン ※2 20
2.ニトロセルロース 10
3.クエン酸アセチルトリブチル 5
4.酢酸エチル 15
5.酢酸ブチル 残量
6.アセトン 5
7.n−ヘプタン 1
8.有機変性ベントナイト ※3 4
9.オキシベンゾン 0.2
10.dl−カンフル 1
11.無水ケイ酸 ※4 2
12.酸化チタン 2
13.酸化鉄 2
14.レーヨン 0.1
[製造方法]
A.成分(1)〜(14)を分散混合する。
B.Aを室温にて充填し、ベースコートを得た。
得られたベースコートは、落としやすさ、化粧持ちのすべて点で満足のいくものであった。
実施例12:トップコート
成分 (%)
1.イソステアリン酸デキストリン ※2 10
2.ニトロセルロース 5
3.安息香酸ショ糖エステル 5
4.クエン酸アセチルトリブチル 5
5.酢酸エチル 25
6.酢酸ブチル 残量
7.n−ヘプタン 1
8.イソプロパノール 5
9.無水ケイ酸 ※4 1
10.オキシベンゾン 0.2
[製造方法]
A.成分(1)〜(10)を分散混合する。
B.Aを室温にて充填し、トップコートを得た。
得られたトップコートは、落としやすさ、化粧持ちのすべて点で満足のいくものであった。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)及び(B);
    (A)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
    (B)皮膜形成剤
    を含有し、前記成分(A)と前記成分(B)の含有質量比が、A:B=20:80〜99:1である爪用化粧料。
  2. 前記成分(A)と前記成分(B)の含有質量比が、A:B=40:60〜99:1である請求項1に記載の爪用化粧料。
  3. 前記成分(A)及び(B)の含有量が10〜50質量%である請求項1〜2のいずれかに記載の爪用化粧料。
  4. 前記爪用化粧料が溶剤系である請求項1〜3のいずれかに記載の爪用化粧料。
  5. 前記爪用化粧料がエタノールで除去することができることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の爪用化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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