JP2018145122A - Activatable型光音響プローブ - Google Patents

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Abstract

【解決課題】新規なActivatable型光音響プローブを提供すること。【解決手段】以下の一般式(I)で表される化合物又はその塩。:【化1】

Description

本発明は、新規なActivatable型光音響プローブに関する。
光音響イメージング法は、観察対象にパルス光を照射し、光を吸収した物質が放出する超音波を検出することで画像を構築するイメージング法である。この手法は、光によって特定の吸収体を選択的に励起できる光イメージングの利点と、超音波で検出を行うことでより生体深部のイメージングを可能にする超音波イメージングの利点の両方を併せ持つことから、近年大きな注目を集めている(非特許文献1)。
光音響イメージングは、ヘモグロビン等の内因性物質を用いたイメージングと、外部から加えた造影剤を用いた外因性物質によるイメージングの2つに大別することができる。内因性物質を用いたイメージングでは、造影剤等を投与することなく観察対象の形態学的及び機能的情報を得ることができる一方で、観察できる生命現象は限られてしまう。他方、造影剤等の外因性物質を用いたイメージングを行うことで、コントラストの向上や、特定の標的分子特異的な光音響イメージングが可能となる(非特許文献2)。特に、標的分子と反応して初めて光音響シグナルが発生するactivatable型光音響プローブは、バックグラウンドシグナルの影響を最小限にする高感度なイメージングや、リアルタイムでの標的分子の可視化を可能にすることから注目を集めているものの、その報告例は少ない(非特許文献3)。
Nat. method, 2016, 13, 627-638. Nat. method, 2016, 13, 639-650 Bioconjug. Chem., 2016, 27, 2808-2823.
本発明は、新規なActivatable型光音響プローブ、より具体的には、既存の蛍光プローブで用いられている蛍光制御原理を応用したactivatable型の光音響プローブを提供することを目的とする。
本発明者等は、Activatable型光音響プローブを開発するにあたり、まず、標的分子として生体内の炎症等に関わる活性酸素種(ROS)の1種である次亜塩素酸(HClO)に着目し、また、光音響シグナルの制御原理としては、activatable型の蛍光プローブとして報告がされている、HySOxの制御原理を応用した。HySOxは、分子内スピロ環化を動作原理とし、HClOと反応することで初めてキサンテン環に由来する可視光領域での吸収及び蛍光が回復する。この制御原理を光音響プローブに応用するにあたり、より効率的に光音響シグナルを放出することのできる色素骨格を検討した結果、Si−ローダミン(SiR)の3、6位のN原子にPh基が結合した構造を有する近赤外光領域に吸収を有するキサンテン環系無蛍光性色素(N−PhSiR類)が最も効率的に光音響シグナルを放出することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
[1]以下の一般式(I):
Figure 2018145122
(式中、
は、水素原子を示すか、又はベンゼン環上に存在する1ないし4個の同一又は異なる置換基を示し:
2a及びR2bは、それぞれ独立に、水素、スルホ基、アルコキシ基、アミノ基、リン酸基、カルボキシ基、ヒドロキシ基又はチオール基から選択され;
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基又はハロゲン原子を示し;
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基又はハロゲン原子を示し;
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6個のアルキル基を示し;
及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6個のアルキル基を示し;
及びRは、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成していてもよく;
及びR10は、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成していてもよく;
xは、酸素原子、Si(R)(R)、C(R)(R)、P(=O)R、SO、Ge(R)(R)、テルル原子又はセレン原子から選択され、
ここで、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6個のアルキル基又は置換されていてもよいアリール基であり、Rは、炭素数1〜6個のアルキル基又は置換されていてもよいフェニル基であり;
yは、酸素原子、硫黄原子、NR、NPh(o−NH)、C=N=N、又はセレン原子から選択され、
ここで、Rは、水素又は有機基を表し、Phはフェニル基を表し;
wは、炭素数1〜3の置換されていてもよいアルキレン基、C=O、SO、又はC=Sから選択され、
ここで、wがC=O、SO又はC=Sの場合は、これらの基のC(炭素原子)又はS(硫黄原子)に、1又は2個の置換されていてもよいメチレン基、あるいは1つの置換されていてもよいエチレン基が結合して6又は7員環を形成してもよい;
で表される化合物又はその塩。
[2]R及びRは、それぞれ独立に、メチル基、エチル基又はプロピル基である、[1]に記載の化合物又はその塩。
[3]R及びRは何れもメチル基である、[1]又は[2]に記載の化合物又はその塩。
[4]R及びRは、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成しており、R及びR10は、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成していている、[1]に記載の化合物又はその塩。
[5]前記ヘテロシクリルがピロリジンである、[4]に記載の化合物又はその塩。
[6]R2a及びR2bは何れもスルホ基である、[1]〜[5]の何れか1項に記載の化合物又はその塩。
[7]xがSi(R)(R)である、[1]〜[6]の何れか1項に記載の化合物又はその塩。
[8]yは硫黄原子であり、wは、炭素数1〜3の置換されていてもよいアルキレン基又はC=Oである、[1]〜[7]の何れか1項に記載の化合物又はその塩。
[9]wはメチレン基である、[8]に記載の化合物又はその塩。
[10][1]〜[9]の何れか1項に記載の化合物又はその塩を含有する光音響プローブ。
[11][8]又は[9]に記載の化合物又はその塩を含有するHClO検出光音響プローブ。
[12][10]に記載の光音響プローブを用いる光音響イメージング方法であって、生体分子にプローブ分子を結合させ、これに光を照射して前記プローブ分子からの光音響シグナルを検出することを含む、前記方法。
を提供するものである。
本発明により、高い光音響シグナル変換効率を有するactivatable型光音響プローブを提供することができる。
また、本発明により、高い感度及び特異性を持ってHClOを検出することが可能なactivatable型HClO検出光音響プローブを提供することができる。
モデル化合物の化学式とλex、λem及びΦfl SiNQ660 Sulfo(左)、SiR650(中央)、Cy5(右)の光音響イメージングを示す。 SiNQ660 Sulfo(左)、SiR650(中央)、Cy5(右)の光音響シグナルの強度 従来報告されたactivatable型HClO検出プローブ(HySOx及びMMSiR)(A)及び、本発明のactivatable型HClO検出光音響プローブ(PA−ROS)(B) HClO(600μM)との反応前(左)と反応後(中央)でのPBS(pH7.4)中のPA ROS(100μM)の光音響イメージング、及びPBSのみの光音響イメージング(右)を示す。 図3Aの光音響イメージングにおいて四角で囲んだ領域の光音響シグナル強度をイメージJで計算した結果を示す。 様々なROSを添加した後の、PBS((pH7.4、共溶媒として1%DMSOを含有)中のPA ROS(100μM)の光音響イメージングを示す。 図4Aの光音響イメージングにおいて四角で囲んだ領域の光音響シグナル強度をイメージJで計算した結果を示す。 (500μM)を添加した場合(左)、添加しない場合(中央)でのミエロペルオキシダーゼ(MPO)(100nM)含有PBS(pH7.4)中のPA ROS(100μM)の光音響イメージング、及び、MPO(100nM)、H(500μM)及びMPO阻害剤(4−アミノ安息香酸ヒドラジド(50μM)の光音響イメージングを示す。 図5Aの光音響イメージングにおいて四角で囲んだ領域の光音響シグナル強度をイメージJで計算した結果を示す。 マウス皮下においてPA ROSを用いたHClO依存的な光音響イメージングの検討結果 マウス皮下においてPA ROSを用いたHClO依存的な光音響イメージングの検討結果
本明細書において、「アルキル基」又はアルキル部分を含む置換基(例えばアルコキシ基など)のアルキル部分は、特に言及しない場合には例えば炭素数1〜6個、好ましくは炭素数1〜4個、更に好ましくは炭素数1〜3個程度の直鎖、分枝鎖、環状、又はそれらの組み合わせからなるアルキル基を意味している。より具体的には、アルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。
本明細書において「ハロゲン原子」という場合には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子のいずれでもよく、好ましくはフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子である。
本発明の1つの実施態様は、以下の一般式(I)で表される化合物又はその塩である(以下「本発明の化合物」とも言う)。
Figure 2018145122
一般式(I)において、Rは、水素原子を示すか、又はベンゼン環上に存在する1ないし4個の同一又は異なる置換基を示す。Rは、同一であっても異なっていてもよい。
が示す一価の置換基の種類は特に限定されないが、例えば、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数1〜6個のアルケニル基、炭素数1〜6個のアルキニル基、炭素数1〜6個のアルコキシ基、水酸基、カルボキシ基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、アルキルアミド基、マレイミド基等からなる群から選ばれることが好ましい。
これらの一価の置換基は更に任意の置換基を1個又は2個以上有していてもよい。例えば、Rが示すアルキル基にはハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基などが1個又は2個以上存在していてもよく、例えばRが示すアルキル基はハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、又はアミノアルキル基などであってもよい。また、例えばRが示すアミノ基には1個又は2個のアルキル基が存在していてもよく、Rが示すアミノ基はモノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基であってもよい。更に、Rが示すアルコキシ基が置換基を有する場合としては、例えば、カルボキシ置換アルコキシ基又はアルコキシカルボニル置換アルコキシ基などが挙げられ、より具体的には4−カルボキシブトキシ基又は4−アセトキシメチルオキシカルボニルブトキシ基などを挙げることができる。
本発明の好ましい側面においては、Rは何れも水素原子である。
また、本発明の好ましい側面においては、Rの少なくとも1つは、炭素数1〜6個のアルキル基、カルボキシ基、アミド基又はアルキルアミド基から選択され、残りは水素原子である。
本発明の一般式(I)で表される化合物は、ローダミン骨格の3、6位のN原子にフェニル基が結合した構造を有することを一つの特徴としている。理論に拘束されることを意図するものではないが、本発明の化合物は、N原子上へフェニル基を導入することにより、無蛍光性にすることによる光音響シグナルの増強を図ることができると考えている。
2a及びR2bは、それぞれ独立に、水素、スルホ基、アルコキシ基、アミノ基、リン酸基、カルボキシ基、ヒドロキシ基又はチオール基から選択される。R2a及びR2bは、同一であっても異なっていてもよい。R2a及びR2bが、スルホ基、リン酸基、カルボキシ基の場合には、水溶性が向上することから好ましい。
本発明の1つの好ましい側面においては、R2a及びR2bは何れもスルホ基である。また、本発明の1つの好ましい側面においては、R2a及びR2bとして、各ベンゼン環のパラ位に1つのスルホ基が結合する。
一般式(I)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基又はハロゲン原子を示す。
又はRがアルキル基を示す場合には、該アルキル基にはハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基などが1個又は2個以上存在していてもよく、例えばR又はRが示すアルキル基はハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基などであってもよい。R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子であることが好ましく、R及びRがともに水素原子である場合、又はR及びRがともにフッ素原子又は塩素原子である場合がより好ましい。
一般式(I)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基又はハロゲン原子を示すが、R及びRについて説明したものと同様である。R及びRが共に水素原子であるか、共に塩素原子であるか、又は共にフッ素原子であることが好ましい。
一般式(I)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6個のアルキル基を示す。
一般式(I)において、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6個のアルキル基を示す。
一般式(I)において、R及びRは、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成していてもよい。更に該ヘテロシクリルは、炭素数1〜6個のアルキル、炭素数2〜6個のアルケニル、又は炭素数2〜6個のアルキニル、炭素数6〜10個のアラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、炭素数6〜10個のアルキル置換アルケニル基で置換されていてもよい。このようにして形成されるヘテロシクリルとしては、例えば、ピロリジン、ピペリジンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
一般式(I)において、R及びR10は、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成していてもよい。更に該ヘテロシクリルは、炭素数1〜6個のアルキル、炭素数2〜6個のアルケニル、又は炭素数2〜6個のアルキニル、炭素数6〜10個のアラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、炭素数6〜10個のアルキル置換アルケニル基で置換されていてもよい。このようにして形成されるヘテロシクリルとしては、例えば、ピロリジン、ピペリジンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の化合物の1つの好ましい側面において、R及びRは何れも炭素数1〜6個のアルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、より好ましくはメチル基)であり、R及びR10は何れも水素原子である。
また、本発明の化合物の別の好ましい側面において、R及びRは、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成しており、R及びR10は、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成している。形成されるヘテロシクリルとしては、何れのヘテロシクリルもピロリジン又はピペリジンが好ましく、ピロリジンが更に好ましい。
及びRが、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成しており、R及びR10が、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成している構造であると、本発明の化合物は、700nmを超える近赤外領域に吸収・蛍光波長を有することが可能であり、このような波長領域の光はヘモグロビンの吸収が少ないため生体内透過性に優れ、生体深部の観察が可能となり好ましい。
一般式(I)において、xは、酸素原子、Si(R)(R)、C(R)(R)、P(=O)R、SO、Ge(R)(R)、テルル原子又はセレン原子から選択される。
本発明の好ましい態様においては、xは、Si(R)(R)である。
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6個のアルキル基又は置換されていてもよいアリール基である。R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜3個のアルキル基であることが好ましく、R及びRがともにメチル基であることがより好ましい。R及びRが示すアルキル基にはハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基などが1個又は2個以上存在していてもよく、例えばR及びRが示すアルキル基はハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基などであってもよい。R及びRがアリール基を示す場合には、アリール基は単環の芳香族基又は縮合芳香族基のいずれであってもよく、アリール環は1個又は2個以上の環構成ヘテロ原子(例えば窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子など)を含んでいてもよい。アリール基としてはフェニル基が好ましい。アリール環上には1個又は2個以上の置換基が存在していてもよい。置換基としては、例えばハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基などが1個又は2個以上存在していてもよい。
は、炭素数1〜6個のアルキル基又は置換されていてもよいフェニル基である。フェニル基の置換基としては、メチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基などが挙げられる。
合成上の導入のし易さの点から、Rは、好ましくはメチル基又はフェニル基である。また、Rがメチル基である方が水溶性は高いため、より好ましい。
一般式(I)において、yは、酸素原子、硫黄原子、NR、NPh(o−NH)、C=N=N、又はセレン原子から選択される。ここで、Rは、水素又は有機基を表し、Phはフェニル基を表す。
一般式(I)において、wは、炭素数1〜3の置換されていてもよいアルキレン基、C=O、SO、又はC=Sから選択される。
ここで、アルキレン基が有することができる置換基としては、炭素数1〜6個のアルキル基が挙げられる。アルキレン基としては、置換されていてもよいメチレン基、エチレン基及びプロピレン基が挙げられ、好ましくはメチレン基である。
また、wがC=O、SO又はC=Sの場合は、これらの基のC(炭素原子)又はS(硫黄原子)に、1又は2個の置換されていてもよいメチレン基、あるいは1つの置換されていてもよいエチレン基が結合して6又は7員環を形成してもよい。
即ち、wがC=Oの場合の実施態様には、(i)C(R)C=O及び(C=O)C(R)(即ち、wとyとが一緒になって6員環を形成する)、(ii)C(R)(C=O)C(R)、C(R)C(R)C=O及び(C=O)C(R)C(R)(即ち、wとyとが一緒になって7員環を形成する)も含まれる。
同様に、wがSOの場合の実施態様には、(i)C(R)SO及び(SO)C(R)(wとyとが一緒になって6員環を形成する)、(ii)C(R)(SO)C(R)、C(R)C(R)SO及び(SO)C(R)C(R)(wとyとが一緒になって7員環を形成する)も含まれる。
wがC=Sの場合の実施態様には、(i)C(R)C=S及び(C=S)C(R)(wとyとが一緒になって6員環を形成する)、(ii)C(R)(C=S)C(R)、C(R)C(R)C=S及び(C=S)C(R)C(R)(wとyとが一緒になって7員環を形成する)も含まれる。
ここで、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6個のアルキル基を表す。
以下の説明においては、特段の定めがない限りは、wがC=O、SO又はC=Sである場合は、これらの基のC(炭素原子)あるいはS(硫黄原子)に1又は2個の置換されていてもよいメチレン基、あるいは1つの置換されていてもよいエチレン基が結合して6又は7員環を形成する場合も含まれる。
一般式(I)で表される化合物又はその塩は、キサンテン骨格とこれに結合しているベンゼン環の間に5〜7員環の閉環構造を有しているが、標的分子と反応することで5〜7員環が開環して、キサンテン環に由来する可視光領域での吸収及び蛍光が回復して光音響シグナルが放出される。従って、標的分子の種類に応じて、標的分子により開環し易い、適切なyとzの組み合わせを選択することができる
本発明の化合物の1つの好ましい側面においては、yは硫黄原子であり、wは炭素数1〜3の置換されていてもよいアルキレン基(好ましくはメチレン基)又はC=Oである。
この実施形態における化合物又はその塩は、HClOとの反応性が高いことから、有効なactivatable型HClO検出光音響プローブを提供することができる。
本発明の化合物の1つの好ましい側面においては、yはNRであり、wはC=Oである。この実施形態における化合物又はその塩は、重金属イオンと反応して5〜7員環が開環することから、有効なactivatable型重金属イオン検出光音響プローブを提供することができる。重金属イオンとしては、例えば、Ag、Cu2+、Pb2+、Fe3+、Al3+等が挙げられる。
ここで、wとy部分(C(=O)NR)が金属イオンを捕捉(キレート)する構造を形成する。C(=O)NRにより形成される金属イオンを捕捉(キレート)する構造については、例えば、Chem. Soc. Rev., 2008, 37, 1465-1472等を参照して選択することができる。具体例として、RがNHの場合、Cu を捕捉することができる。
本発明の化合物の1つの好ましい側面においては、yはNRであり、wはC=Sである。この実施形態における化合物又はその塩は、水銀イオン等の重金属イオンと反応して5〜7員環が開環することから、有効なactivatable型重金属イオン検出光音響プローブを提供することができる。
ここで、例えば、RがNHである場合水銀イオンの検出に有効である。
本発明の化合物の1つの好ましい側面においては、yはNRであり、wは炭素数1〜3の置換されていてもよいアルキレン基である。ここで、アルキレン基は、好ましくはメチレン基である。
この実施形態における化合物又はその塩は、水素イオンと反応して5〜7員環が開環することから、有効なactivatable型プロトン検出光音響プローブを提供することができる。
ここで、例えば、Rは水素又はアルキル基(メチル基等)が好ましい。
本発明の化合物の1つの好ましい側面においては、yは酸素原子であり、wは炭素数1〜3の置換されていてもよいアルキレン基である。ここで、アルキレン基は、好ましくはメチレン基である。
この実施形態における化合物又はその塩は、硫化水素、CNと反応して5〜7員環が開環することから、これら化合物を有効に検出するactivatable型光音響プローブを提供することができる。
本発明の化合物の1つの好ましい側面においては、yはセレン原子であり、wはC=Oである。この実施形態における化合物又はその塩は、水銀イオン、銀イオン等の重金属イオンや一酸化窒素(NO)と反応して5〜7員環が開環することから、これら化合物又は金属イオンを有効に検出するactivatable型光音響プローブを提供することができる。
本発明の化合物の1つの好ましい側面においては、yはNPh(o−NH)であり、wはC=Oである。この実施形態における化合物又はその塩は、一酸化窒素(NO)と反応して5〜7員環が開環することから、有効なactivatable型NO検出光音響プローブを提供することができる。
本発明の化合物の1つの好ましい側面においては、yはC=N=Nであり、wはC=Oである。この実施形態における化合物又はその塩は、光照射でスピロ環が開環することから、有効なactivatable型ケージド光音響プローブを提供することができる。
本発明の化合物の好ましい非限定的な例は以下の通りである。
Figure 2018145122
Figure 2018145122
=H、COOH又はCONHR’(R’はアルキル基)
=H、SOH、OMe、NH2、OH、SH
X=O、SiMe、P(=O)Me、P(=O)Ph、SO、Te、Ge(Me)又はSe
y、z=O、NR(Rは水素又は有機基)、S、C=N=N、Se又はNPh(o−NH
本発明の化合物は、酸付加塩又は塩基付加塩として存在することができる。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、又はメタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩などを挙げることができ、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩などの有機アミン塩などを挙げることができる。これらのほか、グリシンなどのアミノ酸との塩を形成する場合もある。本発明の化合物又はその塩は、水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが、これらの物質も本発明の範囲内である。
本発明の化合物は、置換基の種類により、1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、1個又は2個以上の不斉炭素に基づく光学活性体や2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体などの立体異性体のほか、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などは、いずれも本発明の範囲に包含される。
本発明の化合物の代表的化合物の製造方法を本明細書の実施例に具体的に示した。従って、当業者は、これらの説明をもとにして、反応原料、反応条件、反応試薬などを適宜選択して、必要に応じてこれらの方法に修飾や改変を加えることにより、一般式(I)で表される本発明の化合物を製造することができる。
本発明のもう1つの態様は、一般式(I)の化合物又はその塩を含む光音響プローブである。
また、本発明のもう1つの態様は、一般式(I)において、yが硫黄原子であり、wが炭素数1〜3の置換されていてもよいアルキレン基(好ましくはメチレン基)又はC=Oである化合物又はその塩を含有するHClO検出光音響プローブである。
本発明のもう1つの態様は、本発明の光音響プローブを用いる光音響イメージング方法であって、生体分子にプローブ分子を結合させ、これに光を照射して前記プローブ分子からの光音響シグナルを検出することを含む、前記方法である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
使用機器
(1)光音響顕微鏡
オリンパス製の光音響顕微鏡を使用した。この光音響顕微鏡は、671nmのパルスレーザー(パルス幅:15ns、パルス反復速度:10kHz、パルスエネルギー:1.0μJ又は2.0μJ)を照射し、超音波変換器(中央振動数:5MHz)を備えている。なお、光音響顕微鏡はこれに限らずに同種の機器も使用することができる。
[参考例1]
予備検討:モデル化合物による光音響シグナル変換効率の比較
実施例において、671nmの光で励起を行う光音響顕微鏡を使用することから、この波長付近に吸収のピークトップを持つ3種類の色素SiR650、SiNQ660 Sulfo、Cy5(図1A)を合成し、その光音響シグナル変換効率の比較を行うことで光音響プローブとして最適な色素骨格の検討を行った。このうち、SiNQ660 SulfoはSi−ローダミン(SiR)の3、6位のN原子にPh基が結合した構造をしており、このような構造を有するN−PhSiR類は無蛍光性を示すことが知られている(J. Am. Chem. Soc., 2015, 137, 4759-4765.)。
図1Aに、3種類の色素の化学式と、共溶媒として0.1%DMSOを含有し、0.05%TFAを含有するHO/EtOH=1/1中で各色素のλex、λem及びΦflを示す。ここで、SiR650のΦflを絶対蛍光量子収率として決定し、SiNQ660 Sulfo及びCy5のΦflは、参照として0.05%TFAを含有するHO/EtOH=1/1中のSiR650のΦfl(0.50)を用いて決定した相対蛍光量子収率である。
図1Aに示すように、実際に、SiNQ660 SulfoはΦfl<0.001となり無蛍光性を示した。一般的に、光音響シグナルは光によって励起された物質の無輻射失活によって生じるとされており、蛍光量子収率は低いほうがより効率的に光音響シグナルを放出すると考えられている。このため、本発明者等は、SiNQ660 Sulfoが3種の色素の中で最も効率よく光音響シグナルを放出するのではないかと予想した。
実験は、HO/EtOH=1/1 with 0.05%TFA中に溶解させた色素を内径1mmのシリコンチューブに詰め、671nmの光で励起した際の光音響シグナルを比較することで行った。濃度に関しては、SiR650 は100μMで調整し、SiNQ660 Sulfo及びCy5については、励起波長である671nmでSiR650と同じ吸光度を持つように濃度を調整した。671nmにおいて同じ吸光度を持つように調整した3種の色素について光音響イメージングを行ったところ、SiR類の3、6位のN原子にPh基を結合させたSiNQ660 Sulfoにおいて最も強い光音響シグナルが放出されることが明らかとなった(図1B及び1C)。
光音響イメージングは、671nmのパルスレーザー(パルス幅:15ns、パルス反復速度:10kHz、パルスエネルギー:2.0μJ)及び超音波変換器(中央振動数:5MHz)を用いて行った。
また、図1Bの各々の光音響イメージング中の四角で囲んだ領域の光音響シグナル強度をイメージJで計算した。図1Bの光音響イメージングの外側の四角で囲んだ領域の光音響シグナル強度は、バックグラウンドシグナルとして各光音響シグナルから差し引いた。
N−Ph SiR 骨格を母核としたactivatable型HClO検出光音響プローブの開発に際し、本発明者らは、HClOの検出原理として本発明者等が開発したHySOx(J. Am. Chem. Soc., 2007, 129, 7313-7318.)及びMMSiR(J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 5680-5682.)(図2のA)に用いられている制御原理を用いることとした。HySOx及びMMSiRのベンゼン環部位2位のメチレンチオール基は、HClOによる酸化を受ける前は、キサンテン環9位に求核攻撃し分子内スピロ環化を起こす。その結果、キサンテン環の共役系が分断され、キサンテン環由来の吸収は生じない。しかし、HClOによる酸化を受けることでチオール基はスルホ基となり、求核性が減弱することでスピロ環が開環しキサンテン環由来の吸収および蛍光を回復する。今回光音響プローブを開発するにあたり、近赤外光領域の吸収、およびスルホ基の導入による高い水溶性を示し、参考例1の実験結果から高い光音響シグナル変換効率を有することが示されたSiNQ660 Sulfoの構造を基本骨格としたHClO検出activatable光音響プローブ(図2のB)をデザイン、合成した。
[合成実施例1]
以下のスキーム1により、本発明の化合物である化合物9(PA−ROS)(4,4’−((5’,5’−ジメチル−3H,5’H−スピロ[ベンゾ[c]チオフェン−1,10’−ジベンゾ[b,e]シリン]−3’,7’−ジイル)ビス(メチルアザネジル))ジベンゼンスルホン酸)を合成した。
スキーム1:PA−ROS(化合物9)の合成スキーム
Figure 2018145122
Scheme 1. (a) (i) sec-BuLi / THF, - 78°C (ii) dichlorodimethylsilane, THF, -78°C to r.t. (iii) KMnO4 / CH3CN, 0 °C, y. 28% (b) Pd(PPh3)4, 1,3-dimethylbarbituric acid / CH2Cl2, 35°C, y. 87% (c) NaNO2 / MeOH, H2SO4 aq., 0°C to reflux, y. 59%, (d) N-phenyltrifluoromethanesulfonimide, DIEA / DMF, r.t., y. 80% (e) N-methylaniline, Cs2CO3, Pd2(dba)3, Xantphos / toluene, 100°C, y. 55% (f) (i) chlorosulfuric acid, / CH2Cl2, 0°C (ii) triisopropyl orthoformate / 2-propanol, 55°C, y. 66% (g) (i) sec-BuLi / THF, - 78°C (ii) 7, THF, -78°C to r.t. (iii) 2N HCl, CH3CN, reflux, y. 38%.
(1)化合物1(ビス(2−ブロモ−4−N,N−ジアルキルアミノフェニル)メタンの合成
文献(Chem. Commun., 2011, 47, 4162-4164.)に従って合成した。
(2)化合物2(N,N,N’,N’−テトラアルキルジアミノ−Si−キサンテン)の合成
Figure 2018145122
化合物1(5.33g、10.3mmol)をAr置換下、THF(30mL)に溶解し、−78Cでsec−BuLi(1.0Mヘキサン溶液)(39mL、30.9mmol)を加え、20分間攪拌した。これにSiMeCl(2.66g、20.6mmol)をゆっくり加え、室温下で1時間攪拌した。これに2N塩酸を加え反応を終了させた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え中和した。この溶液をCHClで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水NaSOで有機層を乾燥させ、溶媒を減圧除去した。残渣をアセトニトリル(100mL)に溶解し、0°CでKMnO(4.93g、31.2mmol)を少量ずつ2時間かけて加えた。0°Cでさらに1時間攪拌し、セライトを懸濁させたCHClを加え、その後セライトろ過を行った。溶媒を減圧除去し、残渣を中圧分取(シリカゲル、CHCl)で精製し、化合物2(1.25g、2工程で収率28%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.41 (s, 6H), 4.02 (d, J = 4.4 Hz, 8H), 5.18 (d, J = 2.9 Hz, 4H), 5.18-5.23 (m, 8H), 5.82-5.94 (m, 4H), 6.80-6.84 (m, 4H), 8.34 (d, J = 8.8 Hz, 2H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ-1.2, 52.6, 113.4, 114.7, 116.6, 133.0, 131.6, 133.0, 140.3, 150.1, 185.0 ; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 429.2362; found, 429.2369 (+0.7 mmu).
(3)化合物3(ジアミノ−Si−キサンテン)の合成
Figure 2018145122
化合物2(549mg、1.28mmol)と1,3−ジメチルバルビツール酸(1012mg、6.49mmol)をシュレンク管中でCHCl(10mL)に溶解させ、アルゴン置換した後、Pd(PPh(231mg、0.20mmol)を加え再度アルゴン置換を行い35°Cで26時間攪拌した。反応液を室温に戻し、飽和NaHCOを加えCHClで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥を行った後、溶媒を減圧除去した。残渣を中圧分取(シリカゲル、AcOEt/ヘキサン=50/50 to 71/29、linier gradient)で精製し、化合物3(297mg、収率87%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.39 (s, 6H), 4.20 (s, 4H), 6.76 (dd, J = 8.8 Hz, 2.4Hz, 2H), 6.81 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 8.31 (d, J = 8.8 Hz, 2H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ-1.5, 116.1, 117.5, 131.6, 131.9, 140.9, 149.3, 185.3.; HRMS (ESI+) :Calcd for [M + H]+,269.1110; found, 269.1093 (-1.7 mmu).
(4)化合物4(ジヒドロキシ−Si−キサンテン)の合成
Figure 2018145122
化合物3(297mg、1.11mmol)をMeOH/6N HSOaq.(15mL/30mL)に溶解させ、0°CでHO(5mL)に溶解させたNaNO(490mg、7.10mmol)をゆっくり加え、30分間攪拌した。この反応液を沸騰している1N HSO aq.(54mL)にゆっくり加え、15分間加熱還流した。反応液を0°Cまで冷却しCHClで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧除去した。残渣を中圧分取(シリカゲル、AcOEt/ヘキサン=30/70 to 55:45、linier gradient)で精製し、化合物4(176mg、収率59%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 0.00 (s, 6H), 4.67 (br s, 2H), 6.55 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 2H) , 6.68 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 7.86 (d, J = 8.8 Hz, 2H); 13C NMR (75 MHz, CD3OD): δ -1.6, 118.3, 120.0, 133.3, 133.7, 143.0, 161.9, 187.7.; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 271.0791; found, 271.0792 (+0.1 mmu).
(5)化合物5(3,6−ジ(トリフルオロメタンスルホネート)−Si−キサンテン)の合成
Figure 2018145122
化合物4(176mg、0.65mmol)、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンアミド(943mg、2.64mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(675mg、5.23mmol)をDMF(8mL)に溶解し、アルゴン置換下室温で1.5時間攪拌した。これにHOを加えてCHClで抽出した。有機層をHOで洗浄し無水NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧除去した。残渣を中圧分取(シリカゲル、ヘキサン/CHCl=80:20 to 30:70、linier gradient)で精製し、化合物5(278mg、収率80%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.59 (s, 6H), 7.49 (dd, J = 8.8 Hz, 2.2 Hz, 2H), 7.56 (d, J = 2.9 Hz, 2H), 8.54 (d, J = 8.8 Hz, 2H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3): δ -1.9, 118.7 (q, J = 318.9 Hz) 123.2, 125.4, 133.0, 139.9, 142.0, 152.1, 184.8.; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+,534.9776; found, 534.6760 (-1.6 mmu).
(6)化合物6(3,6−ビス(N−メチルアニリン)−Si−キサンテン)の合成
Figure 2018145122
化合物5(235mg、0.44mmol)、N−メチルアニリン(282mg、2.64mmol)、CsCO(867mg、2.66mmol)をシュレンク管中でトルエン(40mL)に溶解させアルゴン置換した後、Pd(dba)(135mg、0.15mmol)とキサントホス(140mg、0.21mmol)を加え再度アルゴン置換を行い100°Cで14時間攪拌した。反応液を室温に戻し、桐山ろ過を行った後、溶媒を減圧除去した。残渣を中圧分取(シリカゲル、ヘキサン/AcOEt=97:3 to 74:26、linier gradient)で精製し、化合物6(109mg、収率55%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.38 (s, 6H), 3.42 (s, 6H), 6.93 (dd, J = 8.8, 2.9 Hz, 2H), 7.01 (d, J = 2.9 Hz, 2H), 7.19-7.27 (m, 6H), 7.39-7.44 (m, 4H), 8.24 (d, J = 8.8 Hz, 2H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3): δ -1.3, 40.4, 116.9, 118.2, 125.4, 125.8, 130.1, 131.3, 131.8, 140.7, 147.9, 151.1, 185.0.; HRMS (Corona ESI+): Calcd for [M+H]+, 449.2049; found, 449.2061 (+1.2 mmu).
(7)化合物7(3,6−ジ(4−i−プロピルスルホン酸エステル−メチルアニリン)−Si−キサントン)の合成
Figure 2018145122
化合物6(137mg、0.31mmol)をCHCl(15mL)に溶解させ、0°Cで塩化スルホン酸(600μL)をゆっくり加え、4時間攪拌した。HOを加え反応を終了させ、有機溶媒を減圧除去した。残った溶液をSep−Pak(登録商標)(Vac 35cc(10g)C18 Cartridges)を用いてHOで洗浄し、その後MeOHで溶出した。有機溶媒を減圧除去し、残った溶液を凍結乾燥することで溶媒を除去した。凍結乾燥後の残渣を2−プロパノール(13mL)に溶解させ、トリイソプロピルオルトホルメート(6.5mL、29mmol)を加えAr置換下55°Cで5時間攪拌した。反応液を室温に戻した後、溶媒を減圧除去し、HOを加えCHClで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧除去した。残渣を中圧分取(シリカゲル、ヘキサン/AcOEt=73/27 to 52/48、linear gradient)で精製し、化合物7(140mg、収率66%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CD2Cl2): δ0.44 (s, 6H), 1.27 (d, J = 5.9 Hz, 12H), 3.48 (s, 6H), 4.69 (sep, J = 5.9 Hz, 2H), 7.10-7.15 (m, 4H), 7.34 (dd, J = 8.8 Hz, 2.2 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 2.2 Hz, 2H), 7.74-7.78 (m, 4H), 8.40 (d, J = 8.8 Hz, 2H); 13C NMR (75 MHz, CD2Cl2): δ -1.4, 22.9, 40.4, 77.2, 118.3, 124.3, 126.5, 128.4, 129.6, 131.9, 136.4, 141.3, 150.3, 152.4, 185.5.; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 693.2124; found, 693.2135 (+1.1 mmu).
(8)化合物8(2−[2−(e−メチルプロピル)チオメチル]ブロモベンゼン)の合成
文献(J. Org. Chem., 2000, 65 (3), 900-906.)に従って合成した。
(9)化合物9(PA ROS)の合成
Figure 2018145122
化合物8(570mg、2.20mmol)をAr置換下、THF(5mL)に溶解し、−78Cでsec−BuLi(1.0Mヘキサン溶液)(1.65mL、1.65mm)を加え、15分間攪拌した。これに化合物7(38mg、0.05mmol)をTHF(3mL)に溶解したものを加え、室温で1時間攪拌した。これに2N塩酸を加え、反応を終了させた。さらに2N塩酸(15mL)とCHCN(10mL)を加え、115°Cで19時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、溶媒を減圧除去した後、残渣をHPLC(溶離液、A/B=70/30→0/100、40分;A:HO containing 0.1% TFA(v/v)、B:MeCN/HO=80/20 containing 0.1%TFA(v/v))で精製し化合物9(17mg、収率38%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CD3OD): δ0.46 (s, 3H), 0.52 (s, 3H), 3.34 (s, 6H), 4.38 (s, 2H), 6.81 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.91 (d, J = 8.1 Hz, 4H), 6.99 (dd, J = 8.8, 1.5 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.31-7.42 (m, 4H), 7.49 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.8 Hz, 4H).
精製後のHPLCクロマトグラムを以下に示す。(A/B = 70/30→0/100, 40 min; A: H2O containing 0.1% TFA (v/v), B: MeCN/H2O = 80/20 containing 0.1% TFA (v/v). 1.0 mL/min flow rate. Detection at 250 nm).
Figure 2018145122
HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 715.1427; found, 715.1425 (-0.2 mmu).
[実施例1]
合成したPA ROS(化合物9)がHClOとの反応によりHClO依存的に光音響シグナルを放出するかの検討を行った。プローブ(100μM)とHClO(600μM)をPBS(pH7.4)に溶解させた溶液、プローブ(100μM)のみを溶解させた溶液、及びPBS(pH7.4)の3種の溶液を内径1mmのシリコンチューブに注入し、光音響イメージングを行った。
図3Aは、HClO(600μM)との反応前(左)と反応後(中央)でのPBS(pH7.4)中のPA ROS(100μM)の光音響イメージング、及びPBSのみの光音響イメージング(右)を示す。
光音響イメージングは、671nmのパルスレーザー(パルス幅:15ns、パルス反復速度:10kHz、パルスエネルギー:1.0μJ)及び超音波変換器(中央振動数:5MHz)を用いて行った。
図3Bは、図3Aの各々の光音響イメージング中の四角で囲んだ領域の光音響シグナル強度をイメージJで計算した結果を示す。図3Aの光音響イメージングの外側の四角で囲んだ領域の光音響シグナル強度は、バックグラウンドシグナルとして各光音響シグナルから差し引いた。
図3A及び3Bで示されるように、PA ROS(100μM)とHClO(600μM)をPBS(pH7.4)に加えた溶液からは強い光音響シグナルが観察された一方、プローブのみを注入したシリコンチューブからの光音響シグナルはほとんど観察されなかった。よって、開発したプローブは、分子設計通りにHClOとの反応で671nmにおける吸収が回復し、HClO依存的な光音響シグナルの大きな増大を示すことが分かる。
[実施例2]
PA ROSが様々なROSの中でHClOを特異的に検出するかの検討を行った。PBS(pH7.4)中においてPA ROS(100μM)と様々なROS(HClO、HONOO、H、OH・、O 、NO)を反応させ、それぞれの溶液をシリコンチューブに詰めその光音響シグナルの比較を行った。
図4Aは、以下の様々なROSを添加した後の、PBS((pH7.4、共溶媒として1%DMSOを含有)中のPA ROS(100μM)の光音響イメージングを示す。ROS:(a)NaOCl溶液(500μM)、(b)ペルオキシ亜硝酸ナトリウム溶液(500μM)、(c)H(500μM)、(d)H(500μM)及びFe(ClO(500μM)(Fenton反応がヒドロキシラジカルを生成)、(e)KO(500μM)、(f)NOC7(酸化窒素ドナー)(250μM)光音響イメージングは、671nmのパルスレーザー(パルス幅:15ns、パルス反復速度:10kHz、パルスエネルギー:2.0μJ)及び超音波変換器(中央振動数:5MHz)を用いて行った。また、図4Bは、図4Aの各々の光音響イメージング中の四角で囲んだ領域の光音響シグナル強度をイメージJで計算した結果を示す。図4Aの光音響イメージングの外側の四角で囲んだ領域の光音響シグナル強度は、バックグラウンドシグナルとして各光音響シグナルから差し引いた。
図4A及び4Bで示すように、PA ROSはHClOに高い特異性を持って光音響シグナルの増大を示し、様々なROSの中でHClOを特異的に検出することができることが分かった。
[実施例3]
PA ROSが酵素反応によって産生されるHClOを検出できるかどうかの検討を行った。MPOは好中球に多く含まれる酵素であり、H及びClを基質としてHClOを産生することが知られている(Biochemistry, 2006, 45, 8152-8262.)。PA ROS(100μM)を、MPO(100nM)及びH(500μM)を加えたPBS(pH7.4)中に加えたところ強い光音響シグナルが検出された一方、基質であるH非存在下においては光音響シグナルが検出されなかった。また、MPOの特異的阻害剤として知られる4−アミノ安息香酸ヒドラジド(Biochem. J., 1997, 321, 503-508.)(50μM)の存在下では、光音響シグナルが大きく減少した(図5A及び5B)。
光音響イメージングは、671nmのパルスレーザー(パルス幅:15ns、パルス反復速度:10kHz、パルスエネルギー:2.0μJ)及び超音波変換器(中央振動数:5MHz)を用いて行った。また、図5Aの各々の光音響イメージング中の四角で囲んだ領域の光音響シグナル強度をイメージJで計算した(図5B)。図5Aの光音響イメージングの外側の四角で囲んだ領域の光音響シグナル強度は、バックグラウンドシグナルとして各光音響シグナルから差し引いた。
以上の結果から、PA ROSは酵素反応によって生じるHClOを検出することができることが明らかとなった。
[実施例4]
マウス皮下においてPA ROSを用いたHClO依存的な光音響イメージングが可能か検討を行った。イソフルランで麻酔をかけて眠らせたマウスに、20μLの生理食塩水に溶解したPA ROS(final:200μM)をマウスの大腿部に皮下注射し、続いて20μLの生理食塩水に溶解したHClO(final:500μM)を同じ場所に皮下注射した(図6A及び6Bの左側の〇で囲んだ部分)。また、コントロールとして、PA ROSのみ(図6Aの右側の〇で囲んだ部分)、およびHClOのみ(図6Bの右側の〇で囲んだ部分)の皮下注射も行い、生きたマウスの皮下におけるPA ROSの光音響イメージングを行った。
明視野像は注射直後に得られ、光音響イメージは注射後20分して得られた。光音響イメージングは、671nmのパルスレーザー(パルス幅:15ns、パルス反復速度:10kHz、パルスエネルギー:1.0μJ)及び超音波変換器(中央振動数:5MHz)を用いて行った。
実験の結果、PA ROS及びHClOの両方を皮下注射した部位からのみ強い光音響シグナルが検出され、PA ROSのみ、及びHClOのみを皮下注射した部位からは光音響シグナルが検出されなかったことから、実際にPA ROSはマウス皮下においてHClO依存的な光音響イメージングが可能であることが明らかとなった。
以上の実験結果から、今回開発したN−PhSiR類を母核とするHClO検出光音響プローブPA ROSは、高い感度及び特異性を持ってHClOを検出することが可能であり、無蛍光性であるN−PhSiR類が既存の蛍光プローブの蛍光制御原理を光音響プローブへと応用可能な構造であることが示された。

Claims (12)

  1. 以下の一般式(I):
    Figure 2018145122
    (式中、
    は、水素原子を示すか、又はベンゼン環上に存在する1ないし4個の同一又は異なる置換基を示し:
    2a及びR2bは、それぞれ独立に、水素、スルホ基、アルコキシ基、アミノ基、リン酸基、カルボキシ基、ヒドロキシ基又はチオール基から選択され;
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基又はハロゲン原子を示し;
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基又はハロゲン原子を示し;
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6個のアルキル基を示し;
    及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6個のアルキル基を示し;
    及びRは、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成していてもよく;
    及びR10は、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成していてもよく;
    xは、酸素原子、Si(R)(R)、C(R)(R)、P(=O)R、SO、Ge(R)(R)、テルル原子又はセレン原子から選択され、
    ここで、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6個のアルキル基又は置換されていてもよいアリール基であり、Rは、炭素数1〜6個のアルキル基又は置換されていてもよいフェニル基であり;
    yは、酸素原子、硫黄原子、NR、NPh(o−NH)、C=N=N、又はセレン原子から選択され、
    ここで、Rは、水素又は有機基を表し、Phはフェニル基を表し;
    wは、炭素数1〜3の置換されていてもよいアルキレン基、C=O、SO、又はC=Sから選択され、
    ここで、wがC=O、SO又はC=Sの場合は、これらの基のC(炭素原子)又はS(硫黄原子)に、1又は2個の置換されていてもよいメチレン基、あるいは1つの置換されていてもよいエチレン基が結合して6又は7員環を形成してもよい;
    で表される化合物又はその塩。
  2. 及びRは、それぞれ独立に、メチル基、エチル基又はプロピル基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. 及びRは何れもメチル基である、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
  4. 及びRは、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成しており、R及びR10は、一緒になってRが結合している窒素原子を含む4〜7員のヘテロシクリルを形成していている、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  5. 前記ヘテロシクリルがピロリジンである、請求項4に記載の化合物又はその塩。
  6. 2a及びR2bは何れもスルホ基である、請求項1〜5の何れか1項に記載の化合物又はその塩。
  7. xがSi(R)(R)である、請求項1〜6の何れか1項に記載の化合物又はその塩。
  8. yは硫黄原子であり、wは、炭素数1〜3の置換されていてもよいアルキレン基又はC=Oである、請求項1〜7の何れか1項に記載の化合物又はその塩。
  9. wはメチレン基である、請求項8に記載の化合物又はその塩。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の化合物又はその塩を含有する光音響プローブ。
  11. 請求項8又は9に記載の化合物又はその塩を含有するHClO検出光音響プローブ。
  12. 請求項10に記載の光音響プローブを用いる光音響イメージング方法であって、生体分子にプローブ分子を結合させ、これに光を照射して前記プローブ分子からの光音響シグナルを検出することを含む、前記方法。
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