JP2018144202A - 穿孔ローラおよび穿孔装置ならびに吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】外周にピンが設けられた穿孔ローラと対向ローラによる不織布への穿孔性を高める穿孔ローラを提供する。【解決手段】穿孔ローラは、不織布に突き刺して刺孔を徐々に拡げて拡孔を穿孔する先端部81を備えた穿孔部材80を外周部に備え、所定の回転方向に回転する。穿孔部材80の先端部81は、徐々に拡げられる刺孔のそれぞれと交差する断面それぞれの中心が突き刺し方向に向かうほど穿孔ローラの回転方向の下流側に位置する。【選択図】図4

Description

本件は、不織布に孔を穿つ穿孔ローラおよび穿孔装置ならびに吸収性物品に関する。
従来、紙おむつや尿パッドなどの吸収性物品には、不織布や吸収体といった種々の部材が積層されている。そのため、吸収性物品が着用者に装着されているときの通気性が低下するおそれがある。
そこで、吸収性物品の不織布に通気孔を穿孔することが提案されている。
たとえば特許文献1(特許第4074854号公報)には、回転する二つのローラにおいて、一方の外周部に設けられたピン状の穿孔部材によって、他方の外周部に巻回され搬送される不織布を穿孔する技術が開発されている。詳細には、下記の手順1および2で不織布に穿孔することが検討されている。
手順1:回転体形状の穿孔部材を不織布に突き刺す
手順2:手順1で突き刺されて穿たれた刺孔を徐々に拡げる
手順1では、一方のローラで周方向に移動する穿孔部材と他方のローラで周方向に搬送される不織布とが交差するように相対的に変位することで、不織布に穿孔部材が突き刺されて刺孔が穿たれる。このとき、穿孔部材およびこれに突き刺される不織布は、二つのローラが最も近接する箇所よりも回転方向上流側に位置する。
手順2では、二つのローラが更に回転することで、不織布に対して穿孔部材が侵入するようにして突き刺しが進行し、二つのローラが最も近接する箇所で刺孔が最も拡げられる。このように刺孔が最も拡げられた拡孔が穿たれると、不織布への穿孔が完了する。
特許第4074854号公報
しかしながら、上述したように回転体形状の穿孔部材を不織布の穿孔に用いた場合には、徐々に拡げられる刺孔と拡孔とが偏心することから、不織布における拡孔がいびつな形状となるおそれがあり、不織布の引き裂きを招くおそれもある。すなわち、拡孔の中心に対してズレた箇所が突き刺されることにより、不織布への穿孔性が低下するおそれがある。よって、不織布への穿孔性を高めるうえで改善の余地がある。
本件は、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、不織布への穿孔性を高めることを目的の一つとする。なお、ここでいう目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示する穿孔ローラは、不織布を突き刺して刺孔を徐々に拡げて拡孔を穿孔する先端部を備えた穿孔部材を外周部に備え、所定の回転方向に回転する。前記先端部は、徐々に拡げられる前記刺孔のそれぞれと交差する断面のそれぞれの中心が突き刺し方向に向かうほど前記回転方向の下流側に位置する。
(2)ここで開示する穿孔装置は、上記した穿孔ローラを備える。
(3)また、ここで開示する吸収性物品は、上記した穿孔装置によって穿孔された不織布を備える。
本件によれば、不織布への穿孔性を高めることができる。
一実施形態に関する紙おむつ(吸収性物品)の展開図である。 図1のA−A矢視断面図である。なお、図2では、各構成を把握しやすくするため、各シート類の厚みを誇張して示す。 穿孔装置の要部を示す模式図である。 ピン(穿孔部材)の側面図である。この図の側面は、穿孔装置に設けられた穿孔ローラの軸方向から視たときのプロファイルを示す。 ピンと不織布との相対的な位置関係を示す図である。 ピンによって穿孔される不織布の要部を拡大して示す平面図である。この平面図には、穿孔中に徐々に拡げられる三つの刺孔と穿孔が完了した拡孔(最も拡げられた状態の刺孔)との関係が仮想的に示される。 第一変形例に関するピンを示す側面図である。この図の側面は、図4と同様に、穿孔装置に設けられた穿孔ローラの軸方向から視たときのプロファイルを示す。 第二変形例に関するピンを示す側面図である。この図の断面は、図4と同様に、穿孔装置に設けられた穿孔ローラの軸方向から視たときのプロファイルを示す。 従来のピンによって穿孔される不織布の要部を拡大して示す平面図である。
以下、本件を実施するための形態を説明する。下記の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
実施形態では、穿孔部材,穿孔ローラおよび穿孔装置を説明する。穿孔部材は、不織布を突き刺して孔を穿つ部材である。この穿孔部材は、所定の方向に回転する穿孔ローラの外周部に設けられ、穿孔ローラの一部分をなす。この穿孔ローラは、穿孔装置に装備され、穿孔装置の一部をなす。本実施形態では、穿孔ローラに対向して対向ローラが配置された穿孔装置を例示する。
上記の穿孔装置によって穿孔された不織布は、通気性を高めるため、吸収性物品に用いられる。この吸収性物品は、着用者に装着され、着用者から排泄される尿や経血といった液体の水分を吸収し保持する衛生用品である。この吸収性物品には、テープ型やパンツ型の紙おむつ(いわゆる「使い捨ておむつ」)といった吸収体を備えた吸収性物品のほか、尿パッド,生理用ナプキン,パンティーライナーといった吸収体のみを備えた吸収性物品なども含まれる。以下の実施形態では、吸収性物品としてパンツ型の紙おむつを例示する。
本実施形態では、穿孔ローラや対向ローラの軸心を基準に周方向および径方向を定め、これらローラの回転方向や不織布の搬送方向を基準に上流および下流を定める。さらに、穿孔部材の突き刺し方向を基準に先端および基端を定める。
また、紙おむつについて、着用者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向とする。これらの前身頃と後身頃との間(長手方向の中央)には、着用者の股下に配置(股間に対向して配置)される股下部が位置する。また、紙おむつが着用者に装着された状態(以下「装着状態」と略称する)において、着用者の肌に向かう側(内側)を肌面側とし、肌面側の反対側(外側)を非肌面側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、長手方向と厚み方向の何れにも直交する方向を幅方向とする。そのほか、厚み方向から視ることを平面視とする。
紙おむつにおける各構成要素の向きについては、たとえば長手方向に沿うと表現する場合に、長手方向と平行なことだけでなく、ほぼ長手方向と平行なことも含むものとする。具体的には、長手方向に対する傾斜角度が45°未満で延在することを長手方向に沿うものとする。同様に、幅方向や厚み方向といった各方向に沿うと表現する場合についても、各方向に対する傾斜角度が45°未満で延在することを意味する。
[I.一実施形態]
[1.構成]
以下、本件の構成について、紙おむつを説明し、その後に穿孔装置を説明する。
[1−1.紙おむつ]
まず、図1および図2を参照して、紙おむつ1の構成を説明する。
ここでは、幅方向の中心線Cを基準として対称に紙おむつ1が形成されている。この紙おむつ1は、長手方向に沿って前身頃1A、股下部1Bおよび後身頃1Cの三つの領域に大別される。
〈シート類〉
はじめに、紙おむつ1のシート類について述べる。
図1に示すように、紙おむつ1には、前身頃1A、股下部1Bおよび後身頃1Cに亘って長手方向に延びる吸収体10(太破線で示す)が内蔵されている。
ここでは、前身頃1Aおよび後身頃1Cよりも股下部1Bのほうが幅方向寸法の小さい砂時計形状の吸収体10を例示する。ただし、吸収体10の平面視形状は、上記したような砂時計形状に限らず、平面視で矩形(すなわち幅方向寸法が一定)であってもよいし、それぞれ円形の前身頃1Aおよび後身頃1Cを結ぶダンベル形状であってもよい。
吸収体10は、着用者から排泄される尿や経血といった液体の水分(以下「排泄水分」という)を吸収して保持する吸水性をもつマット状(あるいはパッド状)の部材である。
この吸収体10では、粉砕あるいは解繊されたパルプ(いわゆる「フラッフパルプ」)に高吸水性樹脂(いわゆる「SAP〈Superabsorbent polymer〉」,「高吸水性高分子」あるいは「高吸水性ポリマー」とも称される)が混合されたコアがラップシートで被包(ラップ)されている。
上記した吸収体10に対して肌面側および非肌面側には、図2に示すように、以下に述べる種々のシート11,12,13,14が設けられている。
吸収体10に対して、肌面側にはセンターシート11が積層され、非肌面側にはバックシート12が積層されている。これらのシート11,12の幅方向側方にはサイドシート13が配置されている。
このサイドシート13は、センターシート11の幅方向側部において肌面側に積層されるとともに、バックシート12の幅方向側部において非肌面側に積層される。
バックシート12の非肌面側には、カバーシート14が積層される。ここでは、バックシート12の幅方向側部において、サイドシート13を介してカバーシート14が重ねられる。
これらのシート11,12,13,14のうち、シート11,13,14には不織布が用いられている。ここでは、熱可塑性樹脂を含む不織布がシート11,13,14に用いられる。
センターシート11は、排泄水分を透過させて吸収体10に吸収させるため、透水性をもつ。ここでは、装着状態での蒸れを抑えるため、通気性を併せもつセンターシート11が用いられる。このようなセンターシート11としては、いわゆるエアスルー不織布を用いることができる。
また、センターシート11は、紙おむつ1において最も肌面側に配置される(このことから「トップシート」とも称される)。このセンターシート11は、吸収体10よりも幅方向寸法が大きく、肌面側から吸収体10を被覆する。
バックシート12は、吸収体10からの液漏れを防ぐため、非透水性をもつ。ここでは、装着状態での蒸れを抑えるため、透湿性を併せもつバックシート12が用いられる。このようなバックシート12としては、透湿性ポリエチレン(PE〈Poly-Ethylene〉)フィルムを用いることができる。ただし、ポリプロピレン(PP〈Poly-Propylene〉)フィルムをバックシート12に用いてもよい。
サイドシート13は、幅方向側方への液漏れを防ぐため、非透水性をもつ。このサイドシート13としては、スパンボンド不織布を用いることができる。
また、サイドシート13の一部は、紙おむつ1において最も肌面側に配置される(このことからセンターシート11と同様に「トップシート」とも称される)。このように着用者に対して接触しうるサイドシート13としては、SMS(Spunbound Meltblown Spunbound)不織布やSMMS(Spunbound Meltblown Meltblown Spunbound)不織布のようにメルトブローン層を含ませることにより、柔軟性を高めたスパンボンド不織布を用いることが好ましい。あるいは、スパンボンド不織布をなす繊維の繊度や目付量が抑えられることにより、柔軟性を向上させたスパンボンド不織布を用いることが好ましい。
なお、「繊度」とは、繊維の繊維径(太さ)や断面積に対応するパラメータであり、所定の長さあたりの重量で表される。たとえば、一本の繊維について9000mあたりのグラム数[デニール]が「繊度」として用いられる。
また、「目付量」とは、シートの厚みあるいは積層度合いに対応するパラメータであり、単位面積あたりの重量で表される。たとえば、一平米あたりのグラム数が「目付量」として用いられる。
カバーシート14は、上記した吸収体10およびシート11,12,13を非肌面側から被覆する。ここでは、カバーシート14として、肌面側から非肌面側に向けて第一カバーシート141,第二カバーシート142,第三カバーシート143の三つがこの順に積層されている。
第一カバーシート141は、バックシート12を介して吸収体10を非肌面側から被覆する(このことから「パッドカバーシート」とも称される)。
第二カバーシート142および第三カバーシート143は、前身頃1Aおよび後身頃1C(図1参照)で第一カバーシート141よりも幅方向寸法が大きく設定され、装着状態で着用者の臀部や腰,腹などのまわりに配置される。第三カバーシート143は、紙おむつ1において最も非肌面側に配置される(このことから、第三カバーシート143は「アウターカバーシート」とも称され、第二カバーシート142は「インナーカバーシート」とも称される)。
これらのカバーシート141,142,143としては、スパンボンド不織布を用いることができる。更に言えば、第一カバーシート141としては、紙おむつ1の内部で柔軟に変形させてフィット性を確保するため、サイドシート13と同様に、柔軟性の高いスパンボンド不織布を用いることが好ましい。また、第三カバーシート143としては、触感(手触り)を確保するため、サイドシート13と同様に、柔軟性の高いスパンボンド不織布を用いることが好ましい。
図1に示すように、前身頃1Aにおけるカバーシート14と後身頃1Cにおけるカバーシート14とは、それぞれの幅方向端縁部14aどうしが互いに貼り付けられる(いわゆる「サイドシール」)。このようにして、前身頃1Aおよび後身頃1Cの各カバーシート14が連設され、パンツ型の紙おむつ1が形成される。
そのほか、上述したバックシート12およびカバーシート14には、シート12,14に対して肌面側のものが透視可能な程度の半透明性材料が用いられている。
さらに、カバーシート14には、通気孔H(前身頃1Aおよび後身頃1Cのそれぞれで一箇所のみに符号を付す)の設けられた不織布が用いられている。ここでは、装着状態において着用者の腰部や腹部まわりの通気性を高めるために、紙おむつ1の前身頃1Aや後身頃1Cにおけるカバーシート14の少なくともに一部に穿孔加工が施されている。たとえば、最も肌面側に積層されるカバーシート14(第一カバーシート141)に用いられる不織布のうち着用状態で上方となる領域が穿孔されている。このとき、他のカバーシート142,143に用いられる不織布には穿孔されていない不織布を用いてもよい。
〈ギャザー〉
つぎに、図1および図2を参照して、紙おむつ1のギャザー15について述べる。
ギャザー15は、ゴムやポリウレタン,伸縮フィルムといった伸縮性をもつ部材(伸縮性部材)によって伸縮性をもたせたシート複合体から構成される。ここでは、伸縮性部材として糸状のゴム部材(以下「糸ゴム」と略称する)20を例示する。
この紙おむつ1には、糸ゴム20で形成されるギャザー15として、二種の糸ゴム21,22で伸縮性が付与された二種のギャザー16,17を例示する。一つは、サイドシート13の肌面側端縁部が第一糸ゴム21で皺寄せられた立体ギャザー16(「サイドギャザー」とも称される)である。もう一つは、第二カバーシート142および第三カバーシート143(図2参照)が第二糸ゴム22(一箇所のみに符号を付す)で皺寄せられたタミーギャザー17である。
立体ギャザー16は、排泄箇所の周縁で着用者に対する追従性を高めることにより、排泄物の幅方向側方への漏れを防ぐために設けられる。
詳細に言えば、図2に示すように、立体ギャザー16では、サイドシート13の肌面側における幅方向内側の端縁部に位置するシート部13a,13bが折り曲げられて重ねられる。これらのシート部13a,13bによって、長手方向に延在する第一糸ゴム21が囲まれている。
なお、図1および図2には、二本の第一糸ゴム21が設けられた立体ギャザー16を例示する。ただし、立体ギャザー16における第一糸ゴム21の本数は、一本であってもよいし、三本以上であってもよい。
タミーギャザー17は、着用者の臀部や下腹部に対する追従性を高めるために設けられる。詳細に言えば、タミーギャザー17では、平織物における縦糸または経糸のように、幅方向に延びる複数の第二糸ゴム22が、第二カバーシート142および第三カバーシート143(図2参照)の間に介装されている。
このようにカバーシート142,143の間に第二糸ゴム22が内蔵されることで、臀部や下腹部まわりに沿う伸縮性をもつタミーギャザー17が形成される。
そのほか、上述したギャザー16,17に加えてまたは替えて、着用者に対する追従を高めるためのレッグギャザーやサポートギャザーを設けてもよい。
〈インジケータ〉
さらに、紙おむつ1には、排尿(排泄)の有無を外部に示すインジケータ19(このことから「お知らせサイン」とも称される)が設けられている。
インジケータ19は、紙おむつ1の外部から視認可能(外観可能)に吸収体10に対して付設されている。また、インジケータ19は、濡れると変色する層状の部位である。ここでは、吸収体10とバックシート12との間にインジケータ19が介装されている。
このインジケータ19は、水感応型の材料がバックシート12の肌面側に塗布されることで設けられる。たとえば、インジケータ19は、水分と感応する前(濡れる前)には黄色や橙色をなし、水分と感応した後(濡れた後)には青色や黄緑に色が変化する。
バックシート12およびカバーシート14が上述したような半透明性をもつことから、排泄水分によってインジケータ19が変色すると、変色したインジケータ19を紙おむつ1の外部から視認可能であり、外部から排泄の有無を認識することができる。
なお、図1には、幅方向中央で長手方向に延びる二本のインジケータ19を例示する。ただし、インジケータ19の本数は、一本であってもよいし三本以上であってもよい。また、インジケータ19の延在方向は、長手方向に限られない。
〈圧搾部〉
つぎに、長手方向および幅方向の双方に交差して圧搾された溝状の圧搾部40(凹部,圧搾溝)を説明する。具体的には、少なくとも吸収体10において、長手方向および幅方向の双方に交差する領域が圧搾されて形成された溝状の圧搾部40を述べる。
この圧搾部40は、吸収体10とこの吸収体10の肌面側に積層されるセンターシート11とがプレス成形されて設けられる。具体的には、積層された吸収体10およびセンターシート11を所定の形状(パターン)の凸型で肌面側からプレス(圧縮)することで、吸収体10あるいはセンターシート11のプレス箇所における含有空気が圧搾され、圧搾部40が成形される。
すなわち、圧搾部40は、厚み方向に凹設された凹部である。この圧搾部40は、長手方向および幅方向の双方に対して交差するように線状に延設された溝状の部位である。なお、圧搾部40は、吸収体10のうち幅方向の端縁(端部領域)を除いて延在している。
ここでの圧搾部40には、長手方向に対して、幅方向一方に傾斜して交差する複数の第一傾斜部41(図1には一箇所だけ符号を付す)と、幅方向他方に傾斜して交差する複数の第二傾斜部42(図1には一箇所だけ符号を付す)とが設けられている。すなわち、これらの傾斜部41,42は、平面視で格子形状(格子状,グリッドパターン)をなす。
この圧搾部40の延在領域を長手方向に向けて仮想的に延長した領域には、上述した通気孔Hが設けられている。
[1−2.穿孔装置]
上述した紙おむつ1のうちカバーシート14に用いられる不織布100には、つぎに説明する穿孔装置50によって通気孔Hとなる孔が穿たれる。
以下、図3〜図7を参照して、穿孔装置50の構成を説明する。
なお、穿孔装置50は、紙おむつ1を製造する装置の一部であってもよし、この製造装置とは別に設けられてもよい。
図3に示すように、穿孔装置50においては、張力が印加された状態で不織布100が搬送される。具体的には、下記のローラ51,52,53,70やこれらの間で不織布100が張架されつつ搬送される。
この穿孔装置50には、穿孔ローラ60が設けられる。この穿孔ローラ60の外周部61には、不織布100を穿孔するピン(穿孔部材,一箇所のみに符号を付す)80が設けられる。また、穿孔ローラ60に対向するローラ(以下「対向ローラ」という)70が設けられる。
これらのローラ60,70は、互いに軸心が平行に設けられており、所定の方向に向けて回転する(図3には、穿孔ローラ60が反時計まわりの回転方向であり、対向ローラ70が時計まわりの回転方向のものを例示する)。また、不織布100の搬送速度とピン80の周方向に沿う変位速度とが等しくなるように、各ローラ60,70の回転速度が設定される。
この穿孔装置50では、対向ローラ70の外周部71に不織布100が巻き回されて搬送される。このように搬送される不織布100に対して穿孔ローラ60のピン80が突き刺され、不織布100が穿孔される。
上記した穿孔箇所を基準とした穿孔装置50は、不織布100の搬送方向上流側の第一搬送部50Aと、同搬送方向下流側の第二搬送部50Bとに大別される。すなわち、第一搬送部50Aでは穿孔ローラ60に向けて不織布100が搬入(搬送)され、第二搬送部50Bでは穿孔ローラ60から不織布100が搬出(搬送)される。
第一搬送部50Aには、穿孔前の不織布100が繰り出される繰出ローラ53が設けられている。この第一搬送部50Aには、繰出ローラ53から繰り出された不織布100を搬送する第一搬送ローラ51も設けられている。
第二搬送部50Bには、穿孔後の不織布100を搬送する第二搬送ローラ52が設けられている。なお、第二搬送ローラ52よりも不織布100の搬送方向下流側に設けられる装置としては、穿孔された不織布100を巻き取る巻取ローラ(図示省略)や、穿孔された不織布100の貼合や積層といった工程をインラインで実施する他の装置(図示省略)などが挙げられる。
つづいて、穿孔ローラ60およびピン80ならびに対向ローラ70について詳述する。
穿孔ローラ60の外周部61には、周方向に沿って複数のピン80が並んで設けられている。このようにピン80が並設されることにより、不織布100に対して搬送方向に並ぶ孔を穿つことができる。
図示省略するが、穿孔ローラ60の軸方向にもピン80が並んで設けられている。詳細には、穿孔ローラ60の軸方向視でピン80の位置(ピン80の周方向位置)が互いに相異して配置される。
このような千鳥状配置のピン80によって、不織布100の搬送方向に並ぶ孔に加え、不織布100の幅方向に並ぶ孔を穿つことができる。ここでいう「幅方向」とは、不織布100の搬送方向に直交するとともに不織布100の厚み方向に直交する方向(穿孔ローラ60の軸方向と平行)である。
これらのピン80は、何れも同様の形状に設けられている。そこで、下記の説明では一つのピン80に着目して説明する。
図4に示すように、ピン80は、先端から基端へ向けて、先端部81,中間部82および土台部83の三部位に大別される。
先端部81および中間部82は、軸方向視で穿孔時に不織布100と交差する部位である。ピン80では、先端部81および中間部82を不織布100に突き刺して穿孔する。
土台部83は、穿孔時に不織布100と交差せず、先端部81および中間部82の土台となる部位である。
先端部81は、不織布100の突き刺し方向に向かうほど細くなるテーパー形状をなす。具体的に言えば、先端部81は、突き刺し方向の先端に点状の端部(尖端)をもつ。これに対し、中間部82は、先端部81よりもテーパー度合いが小さく、ほぼ寸胴形である。なお、土台部83は、不織布100を直接的に穿孔する部位ではないことから、寸胴形やテーパー形状といった所望の形状とすることができる。
そのほか、ピン80における各部位81,82,83のテーパー度合いは任意に設定してもよい。たとえば、中間部82よりもテーパー度合いの小さい先端部81を用いてもよい。あるいは、中間部82のほか土台部83も不織布100に突き刺してもよい。このように穿孔機能をもつ土台部83は、中間部82と同様に穿孔機能をもつことから、中間部82に兼用された構成と言える。反対に、不織布100を穿孔する部位ではないものとして土台部83を捉えれば、この土台部83を省略した構成とも言える。
つづいて、図5および図6を参照して、ピン80による不織布100の穿孔を述べる。
図5には、ピン80と不織布100との相対的な位置を示す。
この図5には、右側から左側へ向けて、不織布100に対するピン80の穿孔が進行し、さらに、不織布100からピン80が抜き出される様子を示す。
具体的に言えば、図5のうち、位相aにはピン80が不織布100を突き刺しはじめた様子を示し、位相b,c,d,eの順に、不織布100へのピン80の突き刺しが徐々に進行する様子を示す。図5の位相eには、不織布100のへピン80の突き刺しが最も進行した状態(突き刺しが完了した状態)を示す。また、図5の位相e,f,g,hの順に、不織布100からのピン80の抜き出しが徐々に進行する様子を示す。
すなわち、ローラ60,70の周面どうしが最も接近する箇所に位置するピン80(図3では穿孔ローラ60の真上に位置するピン80)の位相を「0°」とし、ローラ60,70の回転方向を正(プラス)の位相とした場合の各位相が図5に示される(位相を示す「a」,「b」,「c」,「d」,「e」,「f」,「g」および「h」は、不等式「a>b>c>d>e」および不等式「e<f<g<h」を満たす。なお、「a」,「b」,「c」,「d」,「e」,「f」,「g」および「h」は、何れも正である。)。
なお、位相が「0°」のピン80は、ローラ60,70の軸心線どうしを結ぶ平面に交差する。
位相a〜dでは、不織布100に対するピン80の突き刺しが進行しつつ孔が穿たれる。このように穿孔が進行中の孔を「刺孔HP」と称する。この刺孔HPは、ピン80の突き刺し途中で穿たれる孔であり、ピン80の突き刺しが進行するにつれて拡げられる。さらに、位相eでは、ピン80の突き刺しが完了する。このように拡大が完了した刺孔HPを「拡孔HR」と称する。
なお、位相f〜hでは、不織布100に穿たれた拡孔HRからピン80が抜き出され、拡孔HRの大きさに変化はない。
〈ピンの断面〉
図6に示すように、不織布100の穿孔時に刺孔HPと交差する先端部81あるいは中間部82の断面Sは、拡孔HRと同心の相似形(ここでは真円形を例示する)に設けられている。すなわち、断面Sの中心と拡孔HRの中心とが一致するようにピン80の形状が設計されている。
なお、図6には、位相bに対応する刺孔HPを符号「HP1」で示し、この刺孔HP1に対応する断面Sを符号「S1」で示す。同様に、位相cに対応する刺孔HPを符号「HP2」で示すとともに刺孔HP2に対応する断面Sを符号「S2」で示し、位相dに対応する刺孔HPを符号「HP3」で示すとともに刺孔HP3に対応する断面Sを符号「S3」で示す。そのほか、位相eに対応する拡孔HRをそのまま符合「HR」で示すとともに拡孔HRに対応する断面Sを符号「S4」で示す。
上述したようにピン80の各断面Sの形状が設計されることから、図4に示すように、不織布100に対するピン80の突き刺し方向に断面Sの中心を結ぶ線(以下「中心線」と略称する)LCは幾何学的に定まる。具体的に言えば、ピン80の先端部81における中心線LCは、ローラ60,70の径方向断面においてサイクロイド曲線をなす。詳細には、ローラ60,70の径方向寸法に応じた外サイクロイド曲線を中心線LCが描く。
言い換えれば、断面Sの各中心は、上記したサイクロイド曲線上に配置され、ピン80の突き出し方向に向かうほど穿孔ローラ60の回転方向下流側に位置する。これは、穿孔ローラ60の径方向に対して穿孔ローラ60の回転方向下流側に向けて中心線LCの先端側が傾斜していると換言することもできる。
ここでは、図6に示すように、円形の拡孔HRが設定されており、円形の断面Sを例示する。断面Sが円形の場合の先端部81は、穿孔ローラ60の径方向に延びる軸を中心とした回転体形状の円錐でなく、この円錐の先端部を回転方向下流側に傾斜させた形状をなしている。ただし、拡孔HRは、真円形に限らず、楕円や長円といった他の円形に設定されてもよいし、多角形に設定されてもよい。この場合には、刺孔HPやこれに対応する断面Sも多角形となり、ピン80の形状も歪んだ角錐状をなす。
〈熱印加部〉
さらに、刺孔HPや拡孔HRの形状安定性を高めるため、ピン80には熱印加部90が内蔵されている。すなわち、熱印加部90は、孔HP,HRの形状安定部としての機能をもつ。この熱印加部90は、先端部81および中間部82の少なくとも一方に熱を伝導して印加する。
ここでは、ピン80のうち主に先端部81で刺孔HPを穿ち、主に中間部82で拡孔HRあるいは刺孔HPの形状を安定させるため、熱印加部90からの熱は中間部82だけに印加される。ただし、熱印加部90からの熱は、先端部81だけに印加されてもよいし、先端部81および中間部82の双方に印加されてもよい。
そのほか、熱印加部90は、先端部81および中間部82の少なくとも一方に限らず、土台部83に熱を印加してもよい。たとえば、熱印加部90は、ピン80の全体に熱を印加してもよい。このようにピン80を全体的に加熱する熱印加部90としては、複数のピン80の突設された伝熱部材(たとえばリング状の部材)を用いることができる。
さらに、熱印加部90に熱を発生させるエネルギーを供給する供給部91が設けられる。この供給部91は、穿孔ローラ60の内部に設けられてもよいし、穿孔ローラ60の外部に設けられてもよい。
熱印加部90としては、セラミックヒータやPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータといった公知の電熱ヒータを用いることができる。この場合の供給部91には、電気エネルギー(電力)を供給するものが用いられる。ただし、熱印加部90として銅材やアルミニウム材といった公知の伝熱材を用いてもよい。この場合の供給部91には、熱エネルギーを供給する伝熱部材が用いられる。
〈間隔保持部〉
図5に示される位相f〜hでは、不織布100からピン80の先端部81が抜き出される。この抜出時に、先端部81のうち特に穿孔ローラ60の回転方向下流側(図5では左側)の部位は、不織布100に近接し、構造的な対策が施されていなければ不織布100に引っ掛かる(干渉する)おそれがある。
そこで、本実施形態のピン80には、図4に示すように、先端部81のうち穿孔ローラ60の回転方向下流側の部位に、不織布100に対して間隔をあけて位置する間隔保持部81aを構造的に設けている。この間隔保持部81aは、先端部81のうち穿孔ローラ60の回転方向下流側の部位が同回転方向下流側からえぐり取られた形状(すなわち鉤爪形状)をなす。
詳細に言えば、ピン80のうち、回転方向上流側の部位が上流側に向けて膨出した形状であるのに対し、回転方向下流側の部位が上流側に向けて凹んだ形状に設けられ、このような形状のピン80においても、上述した各断面Sは、拡孔HRと同心の相似形をなしている。
仮に、上述した各断面が拡孔と同心の相似形をなすピンであっても、回転方向下流側の部位が膨出した形状のピンも存在する。このようなピンと比較して、本実施形態のピン80は、回転方向下流側が凹んでおり、中心線LCがやや回転方向上流側にシフトして配置されている。
〈係合部〉
そのほか、ピン80を不織布100に突き刺すことから、対向ローラ70の外周部71には、不織布100に対して対向ローラ70の内径側に突き出たピン80を許容する構造が設けられている。
ここでは、ピン80に対して係合するようにしてピン80の突き出しを許容する係合部(許容部)710が設けられている。
係合部710は、ピン80のそれぞれに対応して対向ローラ70の外周部71に設けられる。この係合部710は、不織布100から対向ローラ70の内径側に突き出たピン80を囲むように凹設されている。なお、係合部710の凹設された空間には、ピン80の抜き差しが可能であって不織布100を対向ローラ70の内径側から支持する部材(たとえばスポンジやゲル)が充填されていてもよい。
〈ピンの変形例〉
上述したピン80のほか、下記に例示するピン80′,80″を用いてもよい。
たとえば、図7に示すように、上述したピン80の先端部81よりもテーパー度合い(突き刺し方向に向けて細くなる度合い)の大きい先端部81′をもつピン80′を用いてもよい。このピン80′では、中間部82′(あるいは先端部81′の基端側)のテーパー度合いが抑えられる。
そのため、穿孔がほぼ完了した刺孔HPや拡孔HR(図6参照)の輪郭をなす不織布100に対して接触(摺動)するピン80′の寸法(突き出し方向の長さ)が確保される。このことから、ピン80′には、上述したように供給部91が接続された熱印加部90が内蔵されることが特に好ましい。
そのほか、図8に示すように、上述したピン80の先端部81よりもテーパー度合いの小さい先端部81″をもつピン80″を用いてもよい。この場合には、上述した先端部81あるいは中間部82よりも尖った先端部81″あるいは中間部82″がピン80″に設けられる。このことから、先端部81″や中間部82″が更に突き刺さりやすくなり、穿孔性が向上する。
[2.作用および効果]
上述したように紙おむつ1および穿孔装置50が構成されるため、下記のような作用および効果を得ることができる。
以下、穿孔装置50に関する作用および効果を述べてから、紙おむつ1に関する作用および効果を述べる。
[2−1.穿孔装置]
(1)仮に、穿孔ローラ60の径方向に延びる軸を中心とした回転体形状のピンを用いた場合には、図9に示すように、刺孔HPP1,HPP2,HPP3の中心CP1,CP2,CP3と拡孔HRの中心CRとが偏心する。そのため、刺孔HPをその径方向に向けて均等に拡径することができず、拡孔HRがいびつな形状となるおそれがあり、不織布の引き裂きを招くおそれもある。よって、穿孔性の低下を招くおそれがある。
これに対して本ピン80では、不織布100の穿孔時に刺孔HPと交差する先端部81あるいは中間部82の断面Sが拡孔HRと同心の相似形に設けられている。そのため、刺孔HPをその径方向に向けて均等に拡径(拡大)することができる。したがって、形状の整った拡孔HRを穿つことができ、不織布100の引き裂きを抑えることもできる。よって、不織布100への穿孔性を高めることができる。
上述したような断面Sをもつ先端部81は、穿孔ローラ60の周方向にピン80が変位するとともに対向ローラ70の周方向に不織布100が搬送される場合には、中心線LCがサイクロイド曲線上に配置されることになる。また、ピン80の突き出し方向に向かうほど穿孔ローラ60の回転方向下流側に断面Sの各中心が位置することにもなる。
逆に言えば、中心線LCがサイクロイド曲線上に配置された先端部81によれば、穿孔ローラ60の周方向にピン80が変位するとともに対向ローラ70の周方向に不織布100が搬送される場合に、断面Sが拡孔HRと同心の相似形となる。そのため、刺孔HPをその径方向に向けて均等に拡径(拡大)することができる。
(2)仮に、穿孔ローラ60の回転方向に刃先を向けたカッタ状の部位をもつピンを用いた場合には、このピンで突き刺された不織布100が切り込まれることにより、不織布100に印加された張力が低下する。不織布100の張力が維持されたとしても、この張力によって切れ込みが拡大するおそれがある。よって、不織布100への穿孔性が低下する。
これに対して本ピン80の先端部81は、不織布100の突き刺し方向に向かうほど細くなるテーパー形状をなす。そのため、搬送される不織布100の張力低下を抑えつつ、不織布100を突き刺して穿孔することができる。この点からも、不織布100への穿孔性を高めることができる。
(3)さらに、熱印加部90とこの熱印加部90に熱を発生させるエネルギーを供給する供給部91とが設けられる。このことから、刺孔HPや拡孔HRの輪郭に対応する部分の不織布100を熱溶融させることで熱可塑性樹脂の交絡状態を固定することができ、刺孔HPや拡孔HRの輪郭形状の乱れやほつれを抑えることができる。
そのうえ、熱印加部90は、先端部81および中間部82の少なくとも一方に熱を印加することから、エネルギー効率の低下を抑えることができる。不織布100に対して伝達される熱エネルギーの制御性を向上させることにも寄与する。
そのほか、ピン80を全体的に加熱する熱印加部90を用いた場合には、ピン80に対して接触する全ての箇所で確実に不織布100を熱溶融させることができる。
これらの点からも、不織布100への穿孔性を高めることができる。
(4)また、先端部81よりも中間部82のテーパー度合いが小さいことから、拡孔HR(あるいは穿孔がほぼ完了した刺孔HP)の輪郭をなす不織布100に対する摺動寸法を確保することができ、この輪郭に対して熱を印加する時間を確保することができる。よって、刺孔HPや拡孔HRの輪郭形状の乱れやほつれを確実に抑えることに寄与する。
あるいは、中間部82よりもテーパー度合いの小さい先端部81を用いた場合には、これとテーパー度合いの大小が反対の構造と比較して先端部81が太いことから、先端部81の強度を向上させることができ、ピン80の耐久性を高めることができる。
(5)そのほか、先端部81のうち穿孔ローラ60の回転方向下流側の部位に、不織布100に対して間隔をあけて位置する鉤爪形状の間隔保持部81aが構造的に設けられる。このことから、不織布100のうち拡孔HRの輪郭やその周辺をなす部位へのピン80の接触を抑えることができる。そのため、拡孔HRの形状のみだれや拡孔HRまわりにおける不織布100の引き裂きを抑えることができる。
この点からも、不織布100への穿孔性を高めることができる。
(6)なお、穿孔装置50には、穿孔ローラ60に対して不織布100を搬出入する搬送部50A,50Bが設けられることから、穿孔対象の不織布100を自動的に搬送することができる。そのため、不織布100に対する穿孔効率を向上させることができる。
(7)また、不織布100に対して対向ローラ70の内径側に突き出たピン80を係合部710によって構造的に許容することができ、このような許容構造のもとで不織布100をピン80によって穿孔することができる。
[2−2.紙おむつ]
つぎに、紙おむつ1に関する作用および効果を述べる。
(1)紙おむつ1には、上述した穿孔装置50によって通気孔Hが穿孔された不織布100がカバーシート14として用いられるため、装着状態における通気性を向上させることができる。
(2)また、圧搾部40の延在箇所において、吸収体10やこれに加えてセンターシート11、延いては紙おむつ1が折り曲がりやすくなり、着用者に対する紙おむつ1のフィット性を高めることができる。
吸収体10およびセンターシート11のうち溝状の圧搾部40が成形された部分を着用者の肌面に対して非接触とすることもできる。そのため、装着状態における通気性を高め、紙おむつ1内部の蒸れを抑えることができる。着用者の肌面に対してセンターシート11の一部を圧搾部40によって非接触とすることで、肌触り(触感)を高めることもできる。
この圧搾部40は、長手方向および幅方向の双方に交差して延在することから、たとえば毛細管現象によって排泄された液体を圧搾部40に沿って拡散させることができる。したがって、長手方向および幅方向の双方へ排泄された液体の拡散性を向上させることができ、吸収体10の吸水箇所を分散させることができる。よって、吸収体10の吸水性を確保することができる。
さらに、圧搾部40において互いに異なる方向に傾斜する傾斜部41,42によれば、圧搾部40が二方向に沿う格子形状をなす。このことから、着用者に対するフィット性,紙おむつ1内部で二方向に通気させることで装着状態における通気性,排泄された液体の拡散性を更に向上させることができる。
そのうえ、圧搾部40の延在領域を長手方向に向けて仮想的に延長した領域には、通気孔Hが設けられることから、圧搾部40を通った蒸れた空気を通気孔Hから円滑に排出することができる。すなわち、圧搾部40および通気孔Hが協働することで、紙おむつ1内部の蒸れを効率よく抑えることができる。
[II.その他]
最後に、その他の変形例について述べる。
以下、穿孔装置に関する変形を述べ、その後に紙おむつに関する変形例を述べる。
〈穿孔装置の変形例〉
たとえば、不織布またはピンが周方向に変位するもとで、不織布にピンが突き刺されて穿孔されてもよい。この場合であっても、上述した断面のそれぞれの中心がピンの突き出し方向に向かうほど穿孔ローラの回転方向下流側に位置していれば、穿つ孔をその径方向に向けて均等に拡げることができ、不織布への穿孔性を高めることができる。
また、間隔保持部は、ピンの抜出時に不織布に対して間隔をあけて位置する形状であれば、鉤爪形状のほかに種々の形状を採用することができる。
そのほか、先端部および中間部のテーパー度合いが同程度であってもよい。この場合には、ピンの製造コストを抑えることができる。
〈紙おむつの変形例〉
圧搾部は、上述した通気孔Hと協働して蒸れを効率よく抑えることから、紙おむつに設けられることが好ましいものの、必須の構成ではない。この圧搾部は、少なくとも吸収体に設けられていればよく、センターシートに設けられていなくてもよい。この場合には、センターシートが積層される前に吸収体の一部が肌面側から圧搾されて、圧搾部が成形される。
あるいは、吸収体の非肌面側に圧搾部が成形されてもよい。この場合には、非肌面側から少なくとも吸収体が圧搾されて、圧搾部が成形される。たとえば、非肌面側からバックシートとともに吸収体をプレスして圧搾部が成形される。
また、圧搾部の平面視形状としては、格子形状に限らず、さまざまな形状を採用することができる。具体例を挙げれば、第一傾斜部または第二傾斜部は、少なくとも一方が単数であってもよいし、少なくとも一方を省略してもよい。更に言えば、第一傾斜部または第二傾斜部は、直線状のほか、曲線状であってもよいし、三角波状や矩形波状であってもよい。このように他の平面視形状をなす圧搾部によっても、フィット性,通気性および吸水性を確保して、着用者の快適性を向上させることに寄与する。あるいは、圧搾部は、延在するものに限らず、点状に設けられてもよい。この場合であっても、フィット性などの向上に寄与しうる。
そのほか、通気孔は、上述したカバーシートや穿孔領域に限らず、他のシートや領域に穿孔してもよい。この場合にも、装着状態での通気性を高めることができる。
1 紙おむつ(吸収性物品)
10 吸収体
11 センターシート
12 バックシート
13 サイドシート
14 カバーシート
141 第一カバーシート
142 第二カバーシート
143 第三カバーシート
15 ギャザー
19 インジケータ
20 糸ゴム(伸縮性部材)
40 圧搾部(凹部)
41 第一傾斜部
42 第二傾斜部
50 穿孔装置
50A 第一搬送部
50B 第二搬送部
51 第一搬送ローラ
52 第二搬送ローラ
53 繰出ローラ
60 穿孔ローラ
61 外周部
70 対向ローラ
71 外周部
710 係合部
80 ピン(穿孔部材)
81 先端部
81a 間隔保持部
82 中間部
83 土台部
90 熱印加部
91 供給部
100 不織布
R 拡孔HRの中心
P,HP1,HP2,HP3 刺孔
R 拡孔
C ピン80の中心線
S,S1,S2,S3,S4 断面

Claims (9)

  1. 不織布を突き刺して刺孔を徐々に拡げて拡孔を穿孔する先端部を備えた穿孔部材を外周部に備え、所定の回転方向に回転する穿孔ローラであって、
    前記先端部は、徐々に拡げられる前記刺孔のそれぞれと交差する断面それぞれの中心が突き刺し方向に向かうほど前記回転方向の下流側に位置する
    穿孔ローラ。
  2. 前記先端部は、前記断面が前記拡孔と同心の相似形に設けられ、前記断面それぞれの中心がサイクロイド曲線上に配置された
    請求項1に記載された穿孔ローラ。
  3. 前記先端部は、突き刺し方向に向かうほど細くなるテーパー形状をなす
    請求項1または2に記載された穿孔ローラ。
  4. 前記先端部に対して基端側に配置された中間部を備え、
    前記中間部は、前記先端部よりもテーパー度合いが小さい
    請求項3に記載された穿孔ローラ。
  5. 前記先端部に対して基端側に配置された中間部を備え、
    前記中間部は、前記先端部よりもテーパー度合いが大きい
    請求項3に記載された穿孔ローラ。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載された穿孔ローラを備えた穿孔装置であって、
    前記穿孔ローラに前記不織布を搬送する第一搬送部と、
    前記穿孔ローラから前記不織布を搬送する第二搬送部と
    を備えた穿孔装置。
  7. 前記穿孔ローラと対向する対向ローラを備え、
    前記対向ローラは、前記不織布に対して突き刺された前記穿孔部材の突き出しを許容する許容部を有する
    請求項6に記載された穿孔装置。
  8. 請求項6または7に記載された穿孔装置によって穿孔された前記不織布を備えた
    吸収性物品。
  9. 吸水性をもつマット状の吸収体が厚み方向に凹設され、前記厚み方向から視て格子状をなす凹部を備えた
    請求項8に記載された吸収性物品。
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