JP2018144003A - 光触媒組成物、光触媒塗膜及び光触媒塗装製品 - Google Patents

光触媒組成物、光触媒塗膜及び光触媒塗装製品 Download PDF

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Abstract

【課題】防藻性の優れた長期持続性と耐候性、光触媒直下塗膜に対する低損傷性とを同時に満たす光触媒組成物、光触媒塗膜及び光触媒塗装製品の提供。【解決手段】非抗菌性無機化合物(AA)が、光触媒不活性無機化合物(A2)と、光触媒活性無機化合物(B)とを含み、抗菌性金属化合物(A1)の光触媒不活性無機化合物(A2)に対する質量比(A1/A2)が、0.001〜0.25であり、光触媒活性無機化合物(B)が、以下の(i)、若しくは以下の(i)、(ii)両方の条件を満たす光触媒組成物。(i)前記光触媒活性無機化合物(B)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生する過酸化水素量が、80μM以下である(ii)前記光触媒活性無機化合物(B)を含む懸濁液に、同紫外光を60秒間照射した際に発生するヒドロキシラジカル量[・OH]が、1.0μM以下である:【選択図】なし

Description

本発明は、光触媒組成物、光触媒塗膜及び光触媒塗装製品に関する。
近年、住宅及びビルなどの建築外壁に防汚性能を付与するために、光触媒塗料が実用化され、その光触媒塗料を建築外壁に塗布して光触媒塗膜を形成している。この光触媒塗料には、光触媒活性を発揮すべく光触媒活性を有する無機化合物材料が配合されている。そのような無機化合物材料のうち最もよく使われるのは二酸化チタン(TiO2)である。この二酸化チタンに光(紫外線)が当たると、励起電子と正孔が生成し、生成した励起電子と正孔により、触媒表面での酸素と水分の存在下で、・O2-及び・OH(「・」は不対電子を示し、これを付した化学種がラジカル種であることを意味する。)等の活性酸素種を生成する。正孔や生成した活性酸素種は、汚れ分解機能及び窒素酸化物除去機能等の重要な光触媒活性を発現している。また、光が当たることにより表面超親水性を発揮し、外壁に付着した汚れを洗い流すことも知られている。
一方、建築外壁には様々な汚れが存在し、カビや藻等の生物汚染による汚れも例外ではなく、光触媒活性による分解でカビや藻等の生物汚染を防ぐことが提案されている。しかし、光触媒による分解反応がカビや藻等の生長に追いつかないことも考えられ、光触媒塗膜材料に有機系防藻防カビ剤を配合することが提案されている(特許文献1及び2参照)。また、防汚塗料としての無機系化合物を含む塗膜も提案されている(特許文献3及び4参照)。
前述のように、活性酸素種は、光触媒塗料を塗布する基材(基体)上に形成された塗膜(以下、「光触媒塗膜直下塗膜」又は「下地塗膜」ともいう。)が有機塗膜の場合、この有機塗膜に損傷を与えることがある。そこで、光触媒塗膜直下塗膜と光触媒塗膜との間に、シリコーン樹脂に代表される保護層を設ける2層コートタイプの光触媒塗料が提案されている。
特許第4092434号 特開2016−808号公報 特許第4011705号 特許第5361513号
特許文献1(特許第4092434号)には、基材と、該基材上に設けられる中間層と、該中間層上に設けられる光触媒層とを備えた光触媒塗装体であって、中間層が、シリコーン変性樹脂と有機防カビ剤とを含んでなり、光触媒層が、光触媒粒子と、無機酸化物粒子と、加水分解性シリコーンとを所定の割合で含む光触媒塗装体が開示されている。特許文献2(特開2016−808号公報)の実施例29〜31では、所定の重合体の水分散体と、水分散コロイダルシリカと、光触媒活性を有する無機酸化物と、フルオロカーボン界面活性剤と、退色性色素と、防藻剤(防カビ剤)とを含有する水系コーティング剤を用いて形成された塗装体が開示されている。特許文献3(特許4011705号)には、基材と、表面層とを少なくとも有してなる、前記表面層が親水性でかつ自己浄化能を備えてなる、表面に時折雨が降り注ぐ環境において大気中の窒素酸化物、アンモニア、および/ または二酸化硫黄を削減するために用いられる複合材であって、前記表面層が、成分(i)光の照射を受けると触媒として機能する光触媒と、成分(ii)A123、ZnO、SrO、BaO、MgO、CaO、Rb2O、Na2O、およびK2Oからなる群から選択される少なくとも一の金属酸化物と成分(iii)SiO2、ZrO2、GeO2、およびThO2からなる群から選択される少なくとも一の金属酸化物と、成分(iv)AgおよびCuからなる群から選択される少なくとも一の抗菌性を発揮する金属とを含んでなり、前記成分(iv)が前記(i)の光触媒に担持されてなり、前記成分(iv)の重量をc、前記(i)の光触媒の重量をbと表したとき、c/bが0.00001〜0.05である、複合材が開示されている。特許文献4(特許5361513号)には、基材と、該基材上に設けられる中間層と、該中間層上に設けられた光触媒層とを備えた光触媒塗装体であって、前記光触媒層には、紫外線で励起される金属酸化物からなる光触媒粒子とイオン状態の銅元素とが含まれており、前記中間層には、耐候性樹脂と、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物とが含まれていることを特徴とする光触媒塗装体が開示されている。
しかし、いずれの引用文献の実施例においても、長期的に防藻性及び防カビ性を持続できることについては実証されていない。また、特許文献4では、中間層を基材と、光触媒層との間に形成しないと、基材(光触媒直下塗膜)にダメージ(損傷)を与える虞がある。
そこで、本発明においては、塗膜とする際、防藻性(防カビ性)の優れた長期持続性と、優れた耐候性と、光触媒直下塗膜(下地塗膜)に対する優れた低損傷性とを同時に満たすことが可能な光触媒組成物、光触媒塗膜、及び光触媒塗装製品を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、抗菌性金属化合物と非抗菌性の光触媒不活性無機化合物とを所定の割合で含み、かつ過酸化水素の発生量を所定値以下に抑えることができる光触媒活性無機化合物を含めると、上記課題を解決できることを見出し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
抗菌性金属化合物(A1)と、抗菌性を有しない非抗菌性無機化合物(AA)とを含む光触媒組成物であって、
前記非抗菌性無機化合物(AA)が、光触媒活性を有しない光触媒不活性無機化合物(A2)と、光触媒活性を有する光触媒活性無機化合物(B)とを含み、
前記抗菌性金属化合物(A1)の前記光触媒不活性無機化合物(A2)に対する質量比(A1/A2)が、0.001以上0.25以下であり、
前記光触媒活性無機化合物(B)が、以下の(i)の条件を満たすか、以下の(i)及び以下の(ii)両方の条件を満たす、光触媒組成物。

(i)前記光触媒活性無機化合物(B)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生する過酸化水素量([H22])が、80μM以下である;
(ii)前記光触媒活性無機化合物(B)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生するヒドロキシラジカル量[・OH]が、1.0μM以下である:

[2]
前記抗菌性金属化合物(A1)に含まれる金属が、銅、銀、金、白金、及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種である、前項[1]に記載の光触媒組成物。
[3]
前記光触媒不活性無機化合物(A2)が、二酸化ケイ素である、前項[1]又は[2]に記載の光触媒組成物。
[4]
前記光触媒活性無機化合物(B)が、酸化チタンである、前項[1]〜[3]のいずれかに記載の光触媒組成物。
[5]
前記光触媒活性無機化合物(B)の粒子表面が、金属酸化物(C)により、修飾処理されている、前項[1]〜[4]のいずれかに記載の光触媒組成物。
[6]
前記金属酸化物(C)が、二酸化ケイ素である、前項[5]記載の光触媒組成物。
[7]
前記光触媒不活性無機化合物(A2)の含有量が、前記抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物の固形分全体に対し、40質量%以上99質量%以下であり、
前記光触媒活性無機化合物(B)の含有量が、前記抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物の固形分全体に対し、1質量%以上20質量%以下である、前項[1]〜[6]のいずれかに記載の光触媒組成物。
[8]
重合体粒子(D)をさらに含む、前項[1]〜[7]のいずれかに記載の光触媒組成物。
[9]
前記重合体粒子(D)の含有量が、前記抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物全体に対し、40質量%以下である、前項[8]記載の光触媒組成物。
[10]
フルオロカーボン界面活性剤(E)をさらに含む、前項[1]〜[9]のいずれかに記載の光触媒組成物。
[11]
退色性色素(F)をさらに含む、前項[1]〜[10]のいずれかに記載の光触媒組成物。
[12]
前項[1]〜[11]のいずれかに記載の光触媒組成物から形成された、光触媒塗膜。
[13]
前項[12]に記載の光触媒塗膜を備える、光触媒塗装製品。
本発明は、塗膜とする際、防藻性(防カビ性)の優れた長期持続性と、優れた耐候性と、光触媒直下塗膜(下地塗膜)に対する優れた低損傷性とを同時に満たすことが可能な光触媒組成物、光触媒塗膜、及び光触媒塗装製品を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。すなわち、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
本明細書において、「防藻剤(防カビ剤)」とは、防藻剤及び防カビ剤の少なくとも一方をいい、「防藻性(防カビ性)」とは、防藻性及び防カビ性の少なくとも一方をいう。また、本明細書において、「長期持続性」、「耐候性」、及び「低損傷性」は、例えば、本実施形態の光触媒組成物から形成された塗膜の長期持続性、耐候性、及び低損傷性をいう。
[光触媒組成物(コーティング剤)]
本実施形態の光触媒組成物(コーティング剤)は、抗菌性無機化合物(A1)と、抗菌性を有しない非抗菌性無機化合物(AA)とを含む光触媒組成物であって、前記非抗菌性無機化合物(AA)が、光触媒活性を有しない光触媒不活性無機化合物(A2)と、光触媒活性を有する光触媒活性無機化合物(B)とを含み、前記抗菌性無機化合物(A1)の前記光触媒不活性無機化合物(A2)に対する質量比(A1/A2)が、0.001以上0.25以下であり、前記光触媒活性無機化合物(B)が、以下の(i)の条件を満たすか、以下の(i)及び以下の(ii)両方の条件を満たす。

(i)前記光触媒活性無機化合物(B)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生する過酸化水素量([H22])が、80μM以下である;
(ii)前記光触媒活性無機化合物(B)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生するヒドロキシラジカル量[・OH]が、1.0μM以下である:
本実施形態の光触媒組成物は、抗菌性金属化合物(A1)と、非抗菌性金属化合物の光触媒不活性無機化合物(A2)とを上記の質量比で含むことにより、防藻性(防カビ性)の長期持続性が優れる。また、本実施形態の光触媒組成物は、以下の(i)の測定条件における過酸化水素の発生量を下記上限値以下である光触媒活性無機化合物(B)を含むことにより、光触媒直下塗膜(下地塗膜)に対する低損傷性が優れる。さらに、本実施形態の光触媒組成物は、抗菌性金属化合物(A1)と、非抗菌性金属化合物の光触媒不活性無機化合物(A2)とを上記の質量比で含む光触媒不活性無機化合物(A)と、少なくとも以下の(i)の測定条件における過酸化水素発生量を下記上限値以下である光触媒活性無機化合物(B)とを組み合わせることにより、耐候性が優れる。
[抗菌性金属化合物(A1)]
本実施形態の光触媒組成物は、抗菌性を有する抗菌性金属化合物(A1)を含む。本明細書にいう「抗菌性を有する」)とは、例えば、大腸菌細胞に対して、菌の増殖を阻止するために、金属化合物の金属イオンを薬剤として投入した際、必要な最小濃度(最小発育阻止濃度(MIC))が20mM以下のものをいう。
本実施形態の抗菌性金属化合物(A1)に含まれる金属は、例えば、水銀、銀、金、パラジウム、白金、カドミウム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、タリウム、鉛、マンガンなどの重金属が挙げられる。これらの金属は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの金属の中でも、安全性及び実用性が優れる観点から銅、銀、金、白金、及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、銅、銀、及び金からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
本実施形態の抗菌性金属化合物(A1)は、金属酸化物の形態であることが好ましい本実施形態の抗菌性金属化合物(A1)が、金属酸化物の形態であることにより、水に対する溶解度が小さく、光触媒組成物から形成される塗膜(光触媒塗膜)中に持続的に又は長期的に存在する可能性があり、耐生物汚染性(例えば、防藻性、防カビ性など)の長期持続性がより一層優れる傾向にある。
金属酸化物としては、特に限定されないが、例えば、酸化銅、酸化銀、酸化亜鉛などが挙げられる。これらの金属酸化物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、長期持続性がより一層優れる観点から、酸化銅、酸化銀、及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、酸化銅であることがより好ましい。
[非抗菌性無機化合物(AA)]
本実施形態の光触媒組成物は、非抗菌性無機化合物(AA)を含み、非抗菌性無機化合物(AA)は、光触媒活性を有しない光触媒不活性無機化合物(A2)と、光触媒活性を有する光触媒活性無機化合物(B)とを含む。本明細書にいう「光触媒活性を有しない」とは、光照射により、酸化反応及び還元反応のいずれもが起こらないことをいう。
[光触媒不活性無機化合物(A2)]
本実施形態の非抗菌性の光触媒不活性無機化合物(A2)としては、特に限定されず、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム及びこれらの複合酸化物等の無機酸化物が挙げられる。これらの中でも、表面水酸基が多い観点から、二酸化ケイ珪素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、及びこれらの複合酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の無機酸化物であることが好ましく、二酸化ケイ素であることがより好ましい。
本実施形態の非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2)として用いられる無機化合物は、水和物等のコロイド粒子として存在していることが好ましい。すなわち、無機化合物(好ましくは無機酸化物)コロイド粒子であることにより、後述する光触媒活性無機化合物(B)及び重合体粒子(D)などの他の成分とのさらなる複合化が可能となり、本実施形態の光触媒組成物を水系コーティング剤として用いた際の安定性がより一層向上する。
二酸化ケイ素は、コロイダルシリカであることが好ましい。コロイダルシリカとしては、二酸化ケイ素を基本単位とするシリカの水又は水溶性溶媒の分散体であるコロイダルシリカ等が挙げられる。
コロイダルシリカの製造方法は、特に限定されず、例えば、ゾル−ゲル法で調製できる。ゾル−ゲル法で調製する場合には、Werner Stober et al.; Journal of Colloid And Interface Science, vol. 26, pp. 62−69 (1968)や、Rickey D.Badley et al.; Langmuir 6, 792−801 (1990)や、「色材協会誌」、61[9]488−493(1988)等を参照できる。
コロイダルシリカは、例えば、水性分散液に分散された状態で、酸性のコロイダルシリカであってもよく、塩基性のコロイダルシリカであってもよい。水を分散媒体とする酸性のコロイダルシリカとしては、市販品を用いることもでき、市販品としては、例えば、日産化学工業社製品「スノーテックス(商標)−OXS」、「スノーテックス−OS」、「スノーテックス−O」、「スノーテックス−O−40」、「スノーテックス−OL」及び「スノーテックス−OYL」、旭電化工業社製品「アデライト(商標)AT−20Q」、クラリアントジャパン社製品「クレボゾール(商標)20H12」及び「クレボゾール30CAL25」等が挙げられる。
塩基性のコロイダルシリカとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミン等の添加により安定化されたコロイダルシリカが挙げられる。これらは市販品を用いることもでき、市販品としては、例えば、日産化学工業社製品「スノーテックス−XS」、「スノーテックス−S」、「スノーテックス−30」、「スノーテックス−50」、「スノーテックス−20L」、「スノーテックス−XL」、「スノーテックス−YL」、「スノーテックス−ZL」、「スノーテックス−NXS」、「スノーテックス−NS」、「スノーテックス−N」、「スノーテックス−N40」、「スノーテックス−CXS」、「スノーテックス−C」、「スノーテックス−CM」、「スノーテックス−PS−S」及び「スノーテックスPS−M」;旭電化工業社製品「アデライトAT−20」、「アデライトAT−30」、「アデライトAT−20N」、「アデライトAT−30N」、「アデライトAT−20A」、「アデライトAT−30A」、「アデライトAT−40」及び「アデライトAT−50」;クラリアントジャパン社製品「クレボゾール30R9」、「クレボゾール30R50」、「クレボゾール50R50」、デュポン社製品「ルドックス(商標)HS−40」、「ルドックスHS−30」、「ルドックスLS」及び「ルドックスSM−30」等が挙げられる。
水溶性溶媒を分散媒体とするコロイダルシリカとしては、市販品を用いることもでき、市販品としては、例えば、日産化学工業社製品「MA−ST−M(粒子径20〜25nmのメタノール分散タイプ)」、「IPAST(粒子径10〜15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)」、「EG−ST(粒子径10〜15nmのエチレングリコール分散タイプ)」、「EG−ST−ZL(粒子径70〜100nmのエチレングリコール分散タイプ)」、「NPC−ST(粒子径10〜15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテル分散タイプ)」等が挙げられる。
これらのコロイダルシリカは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのコロイダルシリカは、さらに、コロイダルシリカは、アルミナやアルミン酸ナトリウム等を少量含んでもよい。また、コロイダルシリカは、安定剤として、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等)や有機塩基(例えば、テトラメチルアンモニウム等)を含んでもよい。
本実施形態の非抗菌性無機化合物(A2)の数平均粒子径は、好ましくは1.0〜400nmであり、より好ましくは1.0〜100nmであり、さらに好ましくは1.0〜30nmである。非抗菌性無機化合物(A2)の数平均粒子径が、1nm以上であることにより、光触媒組成物(水系コーティング剤)の貯蔵安定性がより一層向上する傾向にあり、数平均粒子径が、400nm以下であることにより、得られる塗膜の透明性がより一層向上する傾向にある。なお、数平均粒子径は、湿式粒度分析計を用いて測定することができる。
非抗菌性の光触媒不活性無機化合物(A2)の含有量は、抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物の固形分全体(又は、塗膜とする際の抗菌性金属化合物を除く塗膜全体)(100質量%)に対し、10質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、40質量%以上99質量%以下であることがより好ましく、45質量%以上85質量%以下であることがさらに好ましい。含有量が、10質量%以上であることにより、塗膜とする際の耐生物汚染性(例えば、防藻性、防カビ性)がより一層向上する傾向にあり、99.9質量%以下であることにより、塗膜とする際の耐候性がより一層向上する傾向にある。
本実施形態の光触媒組成物中の抗菌性金属化合物(A1)の光触媒不活性無機化合物(A2)に対する質量比(A1)/(A2)は、0.001以上0.25以下であることが好ましく、0.004以上0.15以下であることがより好ましく、0.005以上0.05以下であることがさらに好ましい。質量比が、0.001以上であることにより、耐生物汚染性(防カビ性、防藻性)がより一層優れる傾向にあり、0.25以下であることにより、着色、白化等による塗膜外観不良が抑制され、優れた外観を維持できる傾向にある。
[光触媒活性無機化合物(B)]
本実施形態の光触媒組成物は、光触媒活性を有する光触媒活性無機化合物(B)を含む。これにより、本実施形態の光触媒組成物から形成される塗膜は、光触媒活性を有することができ、光が照射されることにより、塗膜に光触媒活性、親水性を発現できる。
本実施形態の光触媒活性無機化合物(B)は、以下の(i)の条件を満たすか、以下の(i)及び以下の(ii)両方の条件を満たす。本実施形態の光触媒活性無機化合物(B)は、以下の(i)の条件を満たすことにより、光触媒直下塗膜(下地塗膜)に対する低損傷性が優れ、以下の(i)の条件及び以下の(ii)両方の条件を満たすことにより、より一層低損傷性が優れる傾向にある。

(i)前記光触媒活性無機化合物(B)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生する過酸化水素量([H22])が、80μM以下である;
(ii)前記光触媒活性無機化合物(B)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生するヒドロキシラジカル量[・OH]が、1.0μM以下である:
本明細書にいう「懸濁液」は、例えば、実施例に記載の条件により調製した懸濁液をいう。
本実施形態の光触媒活性無機化合物(B)は、特定紫外光を60秒間照射した際に発生する活性酸素種量の内、過酸化水素量[H22]が、80μM以下であり、好ましくは20μM以下、より好ましくは10μM以下である。過酸化水素量[H22]が80μM以下であることにより、光触媒直下塗膜(下地塗膜)の損傷を抑制することができる。なお、本明細書にいう「特定紫外光」とは380nm以下の波長領域であり、5mW/cm2の強度を有する紫外光のことをいい、「μM」は、マイクロモーラーを表し、1μM=10-6M=10-6mol/Lである。
活性酸素種のうち、過酸化水素(H22)は、ヒドロキシラジカル(・OH)のようなラジカル種に比べて、安定な物質であり、ラジカル種の寿命(1秒以下)に比べて長寿命であり、遠距離まで移動して光触媒塗膜直下塗膜に損傷を与えるようである。これに対し、本実施形態の光触媒活性無機化合物(B)は、過酸化水素量(過酸化水素発生量)[H22]を80μM以下と比較的小さくできるため、光触媒塗膜直下塗膜の損傷を抑制できる。
本実施形態の光触媒活性無機化合物(B)は、前記特定紫外光を60秒間照射した際に発生する活性酸素種量の内、ヒドロキシラジカル量[・OH]が、1.0μM以下であることが好ましく、1.0μM未満であることがより好ましく、0.5μM未満(又は以下)であることがさらに好ましい。ヒドロキシラジカル(・OH)は、下地塗膜に損傷を与える作用を有する。これに対し、ヒドロキシラジカル量(ヒドロキシラジカル発生量)[・OH]が1.0μM以下とすることにより、光触媒直下塗膜の損傷をより一層抑制できる傾向にある。
本実施形態の光触媒活性無機化合物(B)は、本発明の作用効果(特に耐候性及び下地塗膜に対する低損傷性)をより有効かつ確実に奏する観点から、前記(i)の条件及び(ii)の条件の両方を満たすことが好ましい。
上述した各活性酸素種量([H22]及び[・OH])を上記特定値以下(又は未満)に調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する光触媒活性無機化合物(B)の粒子表面に修飾処理を施す方法などが挙げられる。光触媒活性無機化合物(B)の粒子表面に修飾処理することにより、各活性酸素種量を上記特定値以下にできる要因は、表面修飾処理された光触媒活性無機化合物により、活性酸素種を失活したり、トラップしたりすることができると考えられる。但し、この要因により本発明は何ら限定されるものではい。
本実施形態の光触媒活性無機化合物(B)としては、例えば、酸化チタン(TiO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、リン化ガリウム(GaP)、リン化インジウム(InP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、チタン酸バリウム(BaTiO3、BaTiO4、BaTi49)、ニオブ酸カリウム(K2NbO3)、ニオブ酸(Nb25)、酸化鉄(Fe23)、五酸化タンタル(Ta25)、K3Ta3Si23、酸化タングステン(WO3)、酸化スズ(SnO2)、酸化ビスマス(Bi23)、バナジン酸ビスマス(BiVO4)、炭化ケイ素(SiC)、二硫化モリブデン(MoS2)、鉛化インジウム(InPb)、二酸化ルテニウム(RuO2)、及び二酸化セシウム(CeO2)、Nb、Ta、及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を有する層状酸化物(例えば、特開昭62−074452号公報、特開平02−172535号公報、特開平07−024329号公報、特開平08−089799号公報、特開平08−089800号公報、特開平08−089804号公報、特開平09−248465号公報、特開平10−099694号公報、特開平10−244165号公報等)が挙げられる。
これらの光触媒活性無機化合物(B)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、光触媒活性を有する無機酸化物(光触媒無機酸化物(B))であることが好ましく、安全性及びコストが優れる観点から、酸化チタンであることがより好ましい。酸化チタンの結晶構造としては、例えば、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型が挙げられ、これらの中でもルチル型であることが好ましい。
い。
本実施形態の光触媒活性無機酸化物(B)の粒子表面は、金属酸化物(又は修飾剤)(C)により、修飾処理されていることが好ましい。粒子表面が修飾剤により修飾処理されていることにより、H22や・OH等の活性酸素種の発生量をより一層低減でき、下地塗膜の損傷をより一層抑制できる傾向にある。金属酸化物(修飾剤)としては、例えば、二酸化ケイ素、アルミ、銅酸化物、鉄酸化物等の金属酸化物が挙げられる。
これらの金属酸化物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、二酸化ケイ素であることが好ましい。金属酸化物として二酸化ケイ素を用いることにより、光触媒活性無機化合物(B)を含む水分散体や水系ゾルのような組成物でのpHを中性に保てることができ、光触媒活性無機化合物(B)粒子が凝集しにくく、微粒子の形態を安定に維持できることに起因して塗膜の外観特性(例えば、低白濁性など)がより一層向上できる傾向にある。
二酸化ケイ素を修飾する方法としては、例えば、酸化チタンを光触媒活性無機化合物(A)として用いる場合、酸化チタンのスラリーにケイ素化合物を添加し、中和処理等してケイ素の含水酸化物を析出させる方法が挙げられる。ケイ素化合物としては、ケイ酸ナトリウム等の水溶性ケイ酸アルカリ金属塩が挙げられ、無色であり、酸化チタンゾルが着色しない観点から、ケイ酸ナトリウムであることが好ましい。ケイ素の含水酸化物の処理量は、酸化チタンに対して酸化物基準で3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。処理量が3質量%未満であると、活性酸素種量が多くなり光触媒塗膜直下塗膜(下地塗膜)に損傷を与える虞がある。また、処理量が25質量%を超えると、酸化チタンが凝集し、ゾルの粘度が上昇しやすく、分散性が悪化し、透明性が不十分になる虞がある。
前記金属酸化物(C)は、抗菌性金属が担持されている形態であってもよい。このような形態である金属酸化物(C)で光触媒活性無機化合物(B)を表面修飾処理すると、光触媒活性無機化合物(B)に、抗菌性金属が担持され、耐生物汚染性(防藻性、防カビ性など)がより一層優れる傾向にある。抗菌性金属としては、例えば、水銀、銀、金、パラジウム、白金、カドミウム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、タリウム、鉛、マンガンなどの重金属が挙げられる。これらの抗菌性金属は、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、安全性、実用性が優れる観点から銅、銀、金、白金、及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、銅、銀、及び金からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
本実施形態の光触媒活性無機酸化物(B)は、光触媒性能をより一層向上したり、塗膜透明性特に塗膜の白濁度をより一層低下させたり、分散性をより一層向上したりする観点から、その一次平均粒子径(相加平均)で1〜400nmの範囲にあることが好ましく、1〜100nmの範囲にあることがより好ましい。さらに好ましくは、40〜70nmの範囲にあることが好ましい。なお、光触媒活性無機酸化物(B)の粒子形状がロッド形状等の長径と短径とを有する場合、その長径及び短径の相加平均が上記範囲内にあることが好ましい。光触媒活性無機酸化物(B)の一次平均粒子径は、例えば、任意に選択された50個の粒子を電子顕微鏡観察により測定し、それらの相加平均として導出してもよい。
光触媒活性無機化合物(B)の含有量は、抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物の固形分全体(又は塗膜とする際の抗菌性金属化合物(A1)を除く塗膜全体)(100質量%)に対し、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上15質量%以下であることがさらに好ましい。光触媒活性無機化合物(B)の含有量を上記範囲内とすることにより、耐生物汚染性(防藻性、防カビ性)や透明性がより一層優れる傾向にある。
本実施形態において、非抗菌性の光触媒不活性無機化合物(A2)の含有量は、前記抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物の固形分全体に対し、40質量%以上99質量%以下であること好ましく、前記光触媒活性無機化合物(B)の含有量は、前記抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物の固形分全体に対し、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。前記非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2)の含有量及び光触媒活性無機化合物(B)の含有量が上記範囲内を同時に満たすことにより、耐候性、耐生物汚染性(防藻性、防カビ性)、及び透明性をより一層バランスよく同時に満たすことができる。
<重合体粒子(D)>
本実施形態の光触媒組成物は、耐候性がより一層優れる観点から、さらに重合体粒子(D)を含むことが好ましい。
重合体粒子(D)としては、特に限定されず、例えば、合成樹脂及び天然樹脂からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。重合体粒子(D)の形態としては、特に限定されず、ペレットの形態であっても、溶媒に溶解又は分散した形態であってもよいが、コーティング用としての樹脂塗料の形態であることが好ましい。
樹脂塗料の例としては、油性塗料、ラッカー、溶剤系合成樹脂塗料(アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、フッ素樹脂系、シリコーン樹脂系、シリコーン−アクリル樹脂系、アルキド樹脂系、アミノアルキド樹脂系、ビニル樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、塩化ゴム系等の塗料)、水系合成樹脂塗料(エマルジョン系、水性樹脂系等の塗料)、無溶剤合成樹脂塗料(粉体塗料等)、無機質塗料、及び電気絶縁塗料からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
これらの樹脂塗料の中でも、光触媒に対し難分解性であるシリコーン樹脂系塗料及び/又はフッ素樹脂系塗料であることが好ましく、シリコーン樹脂系塗料及びフッ素樹脂系塗料の併用系の樹脂塗料であることがより好ましい。
樹脂塗料に含まれるシリコーン系樹脂としては、例えば、アルコキシシラン及び/又はオルガノアルコキシシラン由来の構造単位を含む共重合体、アルコキシシラン及び/又はオルガノアルコキシシランの加水分解生成物(ポリシロキサン)、及びこれらの樹脂とコロイダルシリカとの混合物、さらにはシリコーン含有量が1〜80質量%である、アクリル−シリコーン樹脂、エポキシ−シリコーン樹脂、ウレタン−シリコーン樹脂、アルコキシシラン及び/又はオルガノアルコキシシラン由来の構造単位を含む共重合体、又はアルコキシシラン及び/又はオルガノアルコキシシランの加水分解生成物(ポリシロキサン)、及びこれらの樹脂とコロイダルシリカとの混合物が挙げられる。これらのシリコーン系樹脂は、溶剤に溶けたタイプ、分散タイプ、粉体タイプのいずれであっても良く、また架橋剤、触媒等の添加剤が含まれていてもよい。
重合体粒子(D)の含有量は、前記抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物の固形分全体(又は塗膜とする際の抗菌性金属化合物(A1)を除く塗膜全体)(100質量%)に対し、0質量%を超え、40質量%以下であることが好ましく、0質量%を超え、30質量%以下であることがより好ましく、0質量%を超え、20質量%以下であることがさらに好ましい。重合体粒子(D)の含有量が、上記範囲内にあることにより、防生物汚染性(防藻性、防カビ性)がより一層優れる傾向にある。
<フルオロカーボン界面活性剤(E)>
本実施形態の光触媒組成物は、さらにフルオロカーボン界面活性剤(E)を含むことが好ましい。本実施形態の光触媒組成物は、フルオロカーボン界面活性剤(E)を含むことにより、水系コーティング剤又は水系コーティング剤を含む水系塗料として用いて塗装する際、基材(例えば、有機基材)等に対する濡れ性がより一層向上し、はじき等による外観上の問題をより一層抑制できる傾向にあり、塗膜の均一性がより一層向上する傾向にある。この要因は、フルオロカーボン界面活性剤(E)を含むことにより、水系コーティング剤の表面張力を低下できることに起因すると考えられるが、本発明は、この要因に何ら限定されるものではない。
フルオロカーボン界面活性剤(E)としては、特に限定されないが、例えば、両性界面活性剤などが挙げられ、少ない添加量で塗膜の均一性を向上できる観点から、両性界面活性剤であることが好ましい。両性界面活性剤としては、例えば、非イオン性両性界面活性剤、陰イオン性両性界面活性剤、陽イオン性両性界面活性剤等が挙げられる。これらの両性界面活性剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に入手容易性の観点から、炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を有する両性界面活性剤であることが好ましい。
炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を有する両性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩(例えば、AGCセイミケミカル社製品「サーフロンS−211」など)、パーフルオロアルキルアミンオキシド(例えば、AGCセイミケミカル社製品「サーフロンS−241」など)、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、及び陰イオン性基と陽イオン性基とを有するパーフルオロアルキル化合物等が挙げられる。これらの両性界面活性剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、光触媒組成物(塗料)の表面張力がより一層低下する観点から、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、陰イオン性基と陽イオン性基とを有するパーフルオロアルキル化合物であることが好ましい。
パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物としては、特に限定されず、例えば、市販品を用いることもでき、市販品としては、例えば、DIC社製品「メガファックF−444」、AGCセイミケミカル社製品「サーフロンS−242」等が挙げられる。これらの市販品は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
陰イオン性基と陽イオン性基とを有するパーフルオロアルキル化合物としては、特に限定されず、例えば、市販品を用いることもでき、市販品としては、AGCセイミケミカル社製品「サーフロンS−231」、「サーフロンS−232」、「サーフロンS−233」等が挙げられる。これらの市販品は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
フルオロカーボン界面活性剤(E)の含有量は、抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物の固形分全体(又は塗膜とする際の抗菌性金属化合物(A1)を除く塗膜全体)(100質量%)に対し、1質量%以上6質量%以下であることが好ましく、2質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上4質量%であることがさらに好ましい。フルオロカーボン界面活性剤(E)の含有量が、1質量%以上であることにより、得られる塗膜の均一性がより一層向上する傾向にあり、フルオロカーボン界面活性剤(E)の含有量が、6質量%以下であることにより、得られる塗膜の耐候性がより一層向上する傾向にある。
<退色性色素(F)>
本実施形態の光触媒組成物は、さらに退色性色素(F)含むことが好ましい。本実施形態の光触媒組成物は、退色性色素(F)を含むことにより、塗装忘れ、重複塗装、塗装むら等の問題を防ぐことができる。
退色性色素(F)としては、特に限定されないが、例えば、太陽光の照射により失色し、基材又は下地塗膜の意匠性を損なうことがない色素が挙げられる。退色性色素(F)が失色するまでの時間は、季節や照射方角等により異なるが、通常、目視で失色が確認されるまでの期間が、20日以下であることが好ましく、より好ましくは10日以下であり、さらに好ましくは3日以下である。
代表的な退色性色素(F)としては、メチレンブルー、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ブリリアントブルーFCF、エリスロシン、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシッドレッド、及びファーストグリーンFCFからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、発色性が良く、失色速度が速い観点から、メチレンブルーであることが好ましい。これらの退色性色素(F)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
退色性色素(F)の含有量は、前記抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物の固形分全体(又は塗膜とする際の抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物)(100質量%)に対し、0.01質量%以上0.5質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上0.2質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上0.2質量%以下であることがさらに好ましい。退色性色素(F)の含有量が、0.01質量%以上であることにより、塗膜とする際の発色性がより一層向上する傾向にあり、含有量が、0.5質量%以下であることにより、塗膜とする際の退色性がより一層向上する傾向にある。本明細書にいう「発色性」とは、塗装面と未塗装面との色の違いから、目視で区別される程度まで発色する性質をいい、本明細書にいう「退色性」とは、基材又は下地塗膜の意匠性を損なわない色の程度まで退色する性質をいう。
本実施形態の光触媒組成物は、さらに有機系防藻剤(防カビ剤)を含んでもよい。防藻剤(防カビ剤)としては、例えば、有機ヨウ素系化合物、アルコール系化合物、ニトリル化合物、ジスルフィド系化合物、チオカーバメート系化合物、尿素系化合物及び含窒素環化合物からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、尿素系化合物及び/又は含窒素環化合物であることが好ましい。含窒素環化合物としては、チアゾリン系化合物、イソチアゾリン系化合物、トリアジン系化合物、及びイミダゾール系化合物からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。これらの中でもイソチアゾリン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、イソチアゾリン系化合物、及びトリアジン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。特に防藻性が優れる観点から、トリアジン系化合物が好ましく、防カビ性が優れる観点から、チアゾリン系化合物、イソチアゾリン系化合物、及びイミダゾール系化合物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。防藻性及び防カビ性が優れる観点から、分子中に塩素原子を含むイソチアゾリン系化合物であることがより好ましい。これらの防藻剤(防カビ剤)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
チアゾリン系化合物としては、市販品を用いることもでき、市販品としては、例えば、日本曹達社製品「ミルカット−180」、「バイオカット−LC3」、大和化学工業社製品「アモルデンALK」等が挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、市販品を用いることもでき、市販品としては、例えば、日本曹達社製品「バイオカット−TR120」、アーチケミカルズ社製品「PROXEL GXL」、「PROXEL BDN」、ダウケミカル社製品「KLARIX 4000」、「ROZONE 2000」、「ROCIMA 252」、「ROCIMA 200」、「ROCIMA 345」、「ROCIMA 350」、「ROCIMA 553」、「BIOBAN 551S」、「スケーンM−8」等が挙げられる。
トリアジン系化合物としては、市販品を用いることもでき、市販品としては、例えば、日本曹達社製品「バイオカット−N35」、「DP−2159」、「DP−2615」。「DP−2619」、「DP−2623」、大和化学工業社製品「アモルデンNBP−8」、「アモルデンNBPconc」、三協化成社製品「サンアルガ1907」等が挙げられる。
イミダゾール系化合物としては、市販品を用いることもでき、市販品としては、例えば、日本曹達社製品「バイオカット−N35」、「バイオカット−AF40」、「DX−2」、ダウケミカル社製の「ROCIMA 363」等が挙げられる。
本実施形態の光触媒組成物は、各成分を構成する粒子の分散性を安定にする観点から、分散安定剤を含んでもよい。分散安定剤としては、例えば、ポリカルボン酸及びスルホン酸塩からなる群から選ばれる各種の水溶性オリゴマー類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、及びアクリル樹脂などの合成又は天然の各種の高分子物質が挙げられる。分散安定剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の光触媒組成物は、その用途及び使用方法などに応じて、通常の塗料や成形用樹脂に添加配合される成分、例えば、溶剤、増粘剤、レベリング剤、チクソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、成膜助剤、防錆剤、染料、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は帯電調製剤等を含んでもよい。
[光触媒塗膜]
本実施形態の光触媒塗膜は、本実施形態の光触媒組成物から形成されている。
本実施形態の光触媒塗膜の膜厚は、特に限定されない。膜厚は、0.05μm以上50μm以下であることが好ましく、0.1μm以上10μm以下であることがより好ましく、0.2μm以上2.0μm以下であることがさらに好ましい。膜厚が、0.05μm以上であることにより、防藻性、防カビ性を含む防汚染性、光触媒活性をより有効に発現できる傾向にあり、膜厚が50μm以下であることにより、透明性がより一層良好なものとすることができる。
[光触媒直下塗膜(下地塗膜)]
本実施形態の光触媒塗膜は、本発明の作用効果をより有効に奏する観点から、基体(基材)上に形成された下地塗膜(光触媒直下塗膜)に形成することが好ましい。下地塗膜は、例えば、シリコーン塗料、アクリル−シリコーン塗料、シリコーン−アルキド塗料、アクリル塗料、フッ素系塗料、ウレタン塗料、アクリルウレタン塗料、エポキシ塗料、塩化ビニル塗料、酢酸ビニル塗料、フタル酸塗料、アルキド塗料などの樹脂塗料から形成される。これらの中でも、耐候性がより一層優れる観点から、シリコーン塗料、アクリル−シリコーン塗料、及びフッ素系塗料からなる群より選択される少なくとも一種から形成されることが好ましい。
[光触媒塗膜の製造方法]
本実施形態の光触媒塗膜は、例えば、下地塗膜上に、光触媒組成物(光触媒コーティング剤)を塗布形成し、固形化し膜を形成することにより得られる。塗布方法としては、例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法が挙げられる。塗布形成後、乾燥して揮発分を除去することにより、固形化した膜が得られる。この際、例えば、20℃〜80℃の低温で乾燥した後、所望により、好ましくは20℃〜500℃、より好ましくは40℃〜250℃の熱処理を行ってもよく、紫外線照射等を行ってもよい。
[光触媒塗装製品]
本実施形態の光触媒塗装製品(塗装体)は、光触媒塗膜を備えていればよい。塗装体は、例えば、基体(基材)と、この基体(基材)上に配置(形成)された下地塗膜と、この下地塗膜上に配置(形成)された本実施形態の光触媒塗膜とで構成されてもよい。本実施形態の光触媒塗装製品の具体例としては、例えば、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、住宅等建築設備、車両用照明灯のカバー、窓ガラス、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、表示機器、そのカバー、交通標識、各種表示装置、広告塔等の表示物、道路用、鉄道用等の遮音壁、橋梁、ガードレールの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー等の外部で用いられる電子、電気機器の外装部、特に透明部材、ビニールハウス、温室等の外装が挙げられる。この光触媒塗装製品の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、基体(基材)の表面に、下地塗膜を形成するための組成物(コーティング剤)及び光触媒組成物を前記順序で塗布した後に乾燥して、前記基体(基材)上に複層塗膜を形成することが挙げられる。基体(基材)及び下地塗膜と光触媒塗膜とを同時に成形してもよく、一体成形してもよい。
また、本実施形態の光触媒塗膜をある基体上に成形した後、その光触媒塗膜をその基体から剥離させた又はその基体と密着させた状態で、別の基体に接着、融着等により密着させてもよい。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
以下の実施例、参考例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。各種の物性は以下に示す方法で測定した。
1.[H22]の定量
[H22]の定量は、ルシゲニン化学発光法を用いて行った。
まず、暗箱内のマグネティックスターラ上に設置した石英セル(光路(長さ)1cm×幅1cm)に、3.5mLの0.01M NaOH水溶液を添加し、pH9に調整し、そこにさらに15mgのゾルを乾燥して得られた光触媒活性無機化合物(B)の粉末を投入し、懸濁させて懸濁液を得た。
次に、LED(Hamamatsu Photonics(浜松ホトニクス)社製、型番「LC−L2」、波長:365nm、強度5mW/cm2)を光源として、懸濁液が入った上記セルに60秒間の紫外光照射を行った。照射後、0.7mMのルシゲニン溶液を50μL添加し、H22によって生じた化学発光をバンドパスフィルターに通した後、電子冷却光電子増倍管で検出した。化学発光の検出量から、[H22]を導出した。
2.[・OH]の定量
[・OH]の測定は、クマリン蛍光プローブ法を用いて行った。
まず、0.1mMのクマリン水溶液を調製し、上記石英セル中に15mgのゾルを乾燥して得られた光触媒活性無機化合物(B)粉末とクマリン水溶液35mLとを懸濁させて懸濁液を得た。この懸濁液に波長365nm、強度5mW/cm2のLED光を60秒照射した。次に、懸濁液からTiO2などの金属化合物(光触媒)粉末を分離するために、照射終了後の懸濁液にKClを0.5g添加し、24時間暗所に静置した。その後、上澄み液をとりサンプルとし、Fluorescence spectrophotometer(850型、HITACHI社製)で蛍光の測定をした(この時、KCl添加による蛍光測定時の光散乱は影響しないことを確認した。)。既知濃度のクマリンの蛍光強度を、上記サンプルの蛍光強度と比較することで[・OH]を定量した。
3.表面修飾物の定量
蛍光X線分析装置を用いて、理論と基礎定数Fundamental Parameter(FP)により定量分析を行なうFP法にて定量を行った。
4.数平均粒子径
試料中の固形分含有量が1〜20質量%となるよう適宜溶媒を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日本国日機装製マイクロトラックUPA−9230)を用いて測定した。
5.塗膜の膜厚
塗膜の膜厚を、ハロゲン光源装置(MORITEX社製、商品名「MHF−G100LR」)を装着した膜厚測定装置(SPECTRA・COOP社製、商品名「HanGyLambGa II THICKNESS」)を用いて測定した。
6.塗装性
試験板を走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、NeoScope JCM-5000)にて塗膜表面状態を観察、撮影し、光触媒塗膜率を算出した。評価基準は、以下の通りである。

○:塗装率が80%以上
△:塗装率が50%以上80%未満
×:塗装率が50%未満
7.透明性(塗膜の白濁度)
ガラス板((株)テストピース製 並板ガラス;60mm×60mm×2mm)の下に黒紙を敷いた状態での色差を測定した。その後、ディップコーター(アイデン社製 DC4200、昇降速度:下降時 10mm/秒、上昇時 10mm/秒)にて光触媒組成物を塗布し、塗布後2日間乾燥した。その後、照度5000Lxに調整した蛍光灯下で10日間放置し着色剤を脱色させた試験体の色彩色差を測定した。塗布前後での色差(明度差ΔL)を評価した。評価基準は以下の通りである。

◎:色差ΔL=0.8未満
○:色差ΔL=0.8以上1.6未満
△:色差ΔL=1.6以上〜3.0未満
×:色差ΔL=3.0以上
8.光触媒活性(色素分解活性)
JIS R1703-2に準拠して分解活性指数を求めた.試験片浄化条件は照度1mW/cm2で24時間照射、メチレンブルー吸着条件は吸着液濃度0.02mMで吸着時間24時間、メチレンブルーの分解測定条件は照度1mW/cm2、試験液濃度0.01mM、注入量35mL、照射後に採取した試験液の吸光スペクトルを分光光度計で測定した。吸光度測定波長は664nmとした。評価基準は、以下の通りである。

◎ :分解活性指数が10nM/min以上
○ :分解活性指数が5nM/min以上10nM/min未満
× :分解活性指数が5nM/min未満
9.光触媒塗膜直下塗膜(下地塗膜)の劣化観察
試料をエポキシ樹脂(商品名、Quetol812)に包埋後、独国Reichert社製品「ULTRACUT−N型ミクロトーム(商品名)」により50〜60nmの厚さの超薄切片を作成し、支持膜を張ったメッシュに積載した後、カーボン蒸着を行い、検鏡用試料とし、TEM(日立製HF2000型、加速電圧:125kV)により塗膜断面の観察を行い、下地塗膜の劣化状態を評価した。評価基準は以下の通りである。

◎:下地塗膜の劣化が観察されなかった
○:下地塗膜の劣化が極僅かに観察されたが、全体的には問題なかった
△:下地塗膜の劣化が一部観察された
×:下地塗膜の劣化が全体的に観察された
10.防藻性、防カビ性(短期)
藻類が存在しているシャーレー中に各試験板を入れた後、試験板を入れたシャーレを一定温度に保った恒温槽中に入れ、試験を実施した。判定は試験開始後4週間目で判定した。評価基準は、以下の通りである。

○:藻の生育が見られなかった
△:わずかな藻の生育が見られたが、全体的には問題なかった
×:藻の生育が明らかに見られた

また、防カビ性はJIS Z2911:2010に準拠してカビ抵抗性試験を実施した。判定は試験開始後2週間目で判定した。評価基準は、以下の通りである。

○:カビの生育が見られなかった
△:わずかなカビの生育が見られたが、全体的には問題なかった
×:カビの生育が明らかに見られた
11.防藻性、防カビ性(長期)
千葉県銚子市の近隣に森林があり、芝生の生えている土地に各試験板を北面90°にて屋外曝露試験を実施した。判定は曝露後6年で判定した。評価基準は、以下の通りである。

○:目視観察及び顕微鏡観察(40倍)のいずれも藻、カビの生育は見られなかった
△:目視観察で藻、カビの生育はみられないが、顕微鏡観察(40倍)では生育が見られた
×:目視観察で藻、カビの生育が見られた
12.耐候性(SWOM5000時間曝露後の色差)
スガ試験機社製品「サンシャインウエザーメーター」を用いて曝露試験(ブラックパネル温度63℃、降雨18分/2時間)を行い、試験板の曝露前と曝露開始5000時間後との間での色差を、カラーガイド(BYK GarDner社製品)を用いる標準板からの色差を求める方法で測定し、曝露前の色差を標準とし、曝露前後の状態変化をΔEとして評価した。評価基準は、以下の通りである。

○ :ΔE*が3未満
× :ΔE*が3以上。
[参考例1]シリカ修飾ルチル型酸化チタン(B−1)
TiO2として200g/Lの濃度の四塩化チタン水溶液700mLと、Na2Oとして100g/Lの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を、系のpHを5〜9に維持するように水中に並行添加した。その後、系のpHを7に調整した後、濾過し、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し、固形分濃度28.3質量%の酸化チタン湿ケーキ1を得た。この酸化チタン微粒子はルチル型構造を有し、その平均粒径は8nmであった。
得られたルチル型酸化チタン湿ケーキ1を純水で希釈して、1モル/Lのスラリーを調製した。このスラリー1Lを3Lのフラスコに仕込み、さらに、1規定の硝酸を酸化チタン/硝酸のモル比が1/Lとなるよう1L添加し、95℃の温度に加熱し、この温度で2時間保持して、酸加熱処理を行った。次いで、酸加熱処理後のスラリーを室温まで冷却し、28%アンモニア水を用いて中和(pH= 6.7)して、濾過した後、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し固形分濃度25質量%の酸化チタン湿ケーキ2を得た。
得られた酸化チタン湿ケーキ2に、10%の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、リパルプし、その後、超音波洗浄機で3時間分散して、pH=10.5、固形分濃度10質量%のアルカリ性酸化チタンゾルを得た。このアルカリ性酸化チタンゾル2Lを3Lのフラスコに仕込み、70℃の温度に昇温し、SiO2 として432g/Lの濃度のケイ酸ナトリウム水溶液69.4mlを添加し、その後90 ℃ に昇温して1時間熟成した後、10%の硫酸を添加してpHを6に調整して、酸化チタンの表面をケイ素の含水酸化物で表面処理した。
得られた酸化チタンゾルを室温まで冷却し、5.4Lの純水を添加し、脱塩濃縮装置を用いて、不純物の除去及び濃縮を行ない、pH=7.3、固形分濃度29質量%、導電率1.18mS/cmの中性ルチル型酸化チタンゾルを得た。TiO2に対してSiO2基準で15質量%のケイ素の含水酸化物を含有していた。このゾル中の酸化チタンの平均粒径は60nmであった。
[参考例2]シリカ修飾アナタース型酸化チタン(B−2)の調製
チタン鉱石を硫酸とを反応させ、得られた硫酸チタン溶液を加熱加水分解して生成させた凝集メタチタン酸をTiO2換算30質量%の水性スラリーとし、このスラリーをアンモニア水でpH7に中和し、その後濾過洗浄して硫酸根を除去した。得られた脱水ケーキに硝酸を加えて解膠処理して、アナタース型結晶構造を含む酸化チタン微粒子(一次粒子径7nm)からなるpH1.5の酸性酸化チタンゾルを得た。得られた酸性酸化チタンゾルを純水で希釈して、TiO2換算200 g/Lの酸化チタンゾル600mlとした後、70℃に昇温し、次いで、SiO2換算濃度432g/Lのケイ酸ナトリウム水溶液20.8mlを20%硫酸と同時に添加し、その後、30分間熟成した。次いで、10% 水酸化ナトリウム水溶液でpH を8に調整した後、2%硫酸水溶液でpHを6に調整し、濾過・洗浄を行い、湿ケーキを得た。この湿ケーキを純水中にリパルプした後、超音波分散して、中性域で安定な酸化チタンゾル( 固形分濃度20質量%。pH=7.5)を得た。この試料には、酸化チタン微粒子の表面に凝集シリカが多孔質の状態で被着しており、その含有量は、TiO2100質量部に対してSiO2換算で7質量部であった。
[参考例3]銀担持シリカ修飾ルチル型酸化チタン(B−3)の調製
[参考例1]で得られた酸化チタン水分散体(固形分=2%)400gを500mLフラスコに仕込み、80℃に加温し、この温度に達したとき、硝酸銀水溶液(濃度=5%)を担持量に応じて1.26g〜5.04g添加し、その直後クエン酸三ナトリウム水溶液(濃度=10%)を0.85g〜3.4gとタンニン酸水溶液(濃度=1%)を3.18g〜12.72gを添加した。添加後、1時間撹拌し、撹拌後室温まで冷却したものを合成物とした。得られた合成物中の酸化チタンの平均粒子径は約80nm前後であった。
参考例1、参考例2、参考例3、市販品1(石原産業(株)製、アナターゼ型酸化チタンST−01)、及び市販品2(テイカ(株)製、ルチル型酸化チタンMT150A)の[H22]、[・OH]を表1に示す。なお、[参考例3]は[参考例1]で得られた酸化チタンを使用しており、[H22]、[・OH]は[参考例1]と同じである。
[参考例4]重合体エマルジョン粒子(C−1)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水830g、10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液40g、水20gを投入した後、撹拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン90.7g、メチルトリメトキシシラン83.5gからなる混合液と水10gとを反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。その際、ジメチルジメトキシシラン及びメチルトリメトキシシランからなる混合液を滴下後1時間経過した時点で10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液2gを投入した。ジメチルジメトキシシラン及びメチルトリメトキシシランからなる混合液を全量滴下後、反応器中の温度を80℃に維持して約30分撹拌を続けた後、10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液14.8gを投入し、反応器中の温度を80℃に維持して2.5時間撹拌を続けた。次に過硫酸アンモニウムの0.5重量%水溶液26.4gを投入し、アクリル酸n−ブチル0.1g、フェニルトリメトキシシラン36.7g、テトラエトキシシラン27.8g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液及び水10gとジエチルアクリルアミド0.1g、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25%水溶液)4.5g、反応性乳化剤(商品名「アクアロンKH−1025」、第一工業製薬(株)製、固形分25%水溶液)2.3g、過硫酸アンモニウムの0.5重量%水溶液120g、及びイオン交換水256.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに、反応器中の温度を80℃に維持して約2時間撹拌を続けた後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した。イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、重合体粒子として数平均粒子径20nmの重合体エマルジョン粒子(BB)の水分散体を得た。
[参考例5]重合体エマルジョン粒子(C−2)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水850g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液10.0gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン140.0g、フェニルトリメトキシシラン20.0g、メチルトリメトキシシラン5.0gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。次に、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液16.8gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して2時間攪拌を続けた。そこに、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液6.6gを投入した後、フェニルトリメトキシシラン26.8g、テトラエトキシシラン28.6g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(AGEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)2.3g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)2.3g、過硫酸アンモニウムの2.0質量%水溶液30g、イオン交換水170.0gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに、反応器中の温度を80℃に維持して約1時間攪拌を続けた後、室温まで冷却し、25%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8に調整した後、100メッシュの金網で濾過した。イオン交換水で固形分量を10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径119nmの重合体(E2)の水分散体を得た。
[参考例6]重合体エマルジョン粒子(C−3)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水850g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液5.6gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン110.0g、フェニルトリメトキシシラン73.0g、メチルトリメトキシシラン29.4gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。次に、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液5.6gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して2時間攪拌を続けた。そこに、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液6.6gを投入した後、メタクリル酸メチル22.5g、アクリル酸n−ブチル11.2g、フェニルトリメトキシシラン12.3g、テトラエトキシシラン28.6g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)1.2g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)1.2g、過硫酸アンモニウムの2.0質量%水溶液30g、イオン交換水286.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに、反応器中の温度を80℃に維持して約1時間攪拌を続けた後、室温まで冷却し、25%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8に調整した後、100メッシュの金網で濾過した。イオン交換水で固形分量を10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径155nmの重合体(E3)の水分散体を得た。
[実施例1]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1)0.37gと、参考例1で作成したシリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=5.5%)(光触媒活性無機化合物(B−1))59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−1))120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.54gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−1)を得た。
[実施例2]
抗菌性金属化合物(A1−1)の添加量を0.37gとすることに代えて、0.93gとすること以外は、実施例1と同様にして光触媒組成物(F−2)を得た。
[実施例3]
抗菌性金属化合物(A1−1)の添加量を0.37gとすることに代えて、1.86gとすること以外は、実施例1と同様にして光触媒組成物(F−3)を得た。
[実施例4]
抗菌性金属化合物(A1−1)の添加量を0.37gとすることに代えて、3.73gとすること以外は、実施例1と同様にして光触媒組成物(F−4)を得た。
[実施例5]
抗菌性金属化合物(A1−1)の添加量を0.37gとすることに代えて、5.59gとすること以外は、実施例1と同様にして光触媒組成物(F−5)を得た。
[実施例6]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))0.47gと、参考例1で作成したシリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=5.5%)(光触媒活性無機化合物(B−1))59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−1))104.0gと、参考例4に示す重合体エマルジョン粒子(C−1)水分散体(固形分8.5重量%)38.7gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水634.44gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−6)を得た。
[実施例7]
抗菌性金属化合物(A1−1)の添加量を0.47gとすることに代えて、0.93gとすること以外は、実施例6と同様にして光触媒組成物(F−7)を得た。
[実施例8]
抗菌性金属化合物(A1−1)の添加量を0.47gとすることに代えて、1.86gとすること以外は、実施例6と同様にして光触媒組成物(F−8)を得た。
[実施例9]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))1.86gと、参考例1で作成したシリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−1))59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−1))90.4gと、参考例4に示す重合体エマルジョン粒子(C−1)水分散体(固形分8.5重量%)70.9gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水614.44gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−9)を得た。
[実施例10]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))1.86gと、参考例1で作成したシリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−1))59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−1))65.7gと、参考例4に示す重合体エマルジョン粒子(C−1)水分散体(固形分8.5重量%)128.71gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水585.05gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−10)を得た。
[実施例11]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))0.93gと、参考例2で作成したシリカ修飾アナターゼ型酸化チタン(固形分=5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−2))59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−1))120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.54gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−11)を得た。
[実施例12]
抗菌性金属化合物(A1−1)の添加量を0.93gとすることに代えて、1.86gとすること以外は、実施例11と同様にして光触媒組成物(F−12)を得た。
[実施例13]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))0.93gと、参考例3で作成した銀担持(担持量1%)シリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=2%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−3))163.82gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−1))120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水552.28gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−13)を得た。
[実施例14]
抗菌性金属化合物(A1−1)の添加量を0.93gとすることに代えて、1.86gとすること以外は実施例13と同様にして光触媒組成物(F−14)を得た。
[実施例15]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))1.86gと、参考例3で作成した銀担持(担持量1%)シリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=2%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−3))163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−1))104.0gと、参考例4に示す重合体エマルジョン粒子(C−1)水分散体(固形分8.5重量%)38.7gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水530.2gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−15)を得た。
[実施例16]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))1.86gと、参考例1で作成したシリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−1))59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−2))120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.54gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−16)を得た。
[実施例17]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))1.86gと、参考例1で作成したシリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−1))59.56gと、数平均粒子径25nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO−40」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−3))120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.54gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−17)を得た。
[実施例18]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))1.86gと、参考例3で作成した銀担持(担持量1%)シリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=2%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−3))163.82gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−2))120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水552.28gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−18)を得た。
[実施例19]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))1.86gと、参考例3で作成した銀担持(担持量1%)シリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=2%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−3))163.82gと、数平均粒子径25nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO−40」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−3))120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水552.28gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−19)を作成した。
[実施例20]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))1.86gと、参考例1で作成したシリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−1))59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−1))104.0gと、参考例5に示す重合体エマルジョン粒子(C−2)水分散体(固形分10.0重量%)32.9gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水640.24gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−20)を得た。
[実施例21]
参考例5に示す重合体エマルジョン粒子(C−2)水分散体に代えて、参考例6に示す重合体エマルジョン粒子(C−3)水分散体(固形分10.0重量%)32.9gを混合する以外は、実施例20と同様にして光触媒組成物(F−21)を得た。
を準備した。
[実施例22]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))1.86gと、参考例1で作成したシリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−1))59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性無機化合物(A2−1))120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−2)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.54gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−22)を得た。
[実施例23]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))1.86gと、参考例1で作成したシリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−1))59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−1))104.0gと、参考例4に示す重合体エマルジョン粒子(C−1)水分散体(固形分8.5重量%)38.7gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−2)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水634.44gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−23)を得た。
[実施例24]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))0.93gと、参考例3で作成した銀担持(担持量1%)シリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=2%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−3))163.82gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒無機化合物(A2−1))120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−2)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水552.28gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−24)を得た。
[実施例25]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))1.86gと、参考例3で作成した銀担持(担持量1%)シリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=2%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−3))163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性無機化合物(A2−1))104.0gと、参考例4に示す重合体エマルジョン粒子(C−1)水分散体(固形分8.5重量%)38.7gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−2)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水530.2gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−25)を作成した。
[実施例26]
酸化亜鉛(CIKナノテック(株)製、固形分30.2%)(抗菌性金属化合物(A1−2))1.86gと、参考例1で作成したシリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−1))59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性無機化合物(A2−1))120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.54gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−26)を得た。
[実施例27]
抗菌性金属化合物(A1−2)を1.86gとすることに代えて、3.73gとすること以外は、実施例26と同様にして光触媒組成物(F−27)を得た。
[実施例28]
酸化亜鉛(CIKナノテック(株)製、固形分30.2%)(抗菌性金属化合物(A1−2))1.86gと、参考例1で作成したシリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−1))59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性無機化合物(A2−1))104.0gと、参考例4に示す重合体エマルジョン粒子(C−1)水分散体(固形分8.5重量%)38.7gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水634.44gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−28)を得た。
[実施例29]
酸化亜鉛(CIKナノテック(株)製、固形分30.2%)(抗菌性金属化合物(A1−2))1.86gと、参考例3で作成した銀担持(担持量1%)シリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=2%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−3))163.82gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒無機化合物(A2−1))120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水552.28gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−29)を得た。
[実施例30]
酸化亜鉛(CIKナノテック(株)製、固形分30.2%)(抗菌性金属化合物(A1−2))1.86gと、参考例3で作成した銀担持(担持量1%)シリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=2%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−3))163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性無機化合物(A2−1))104.0gと、参考例4に示す重合体エマルジョン粒子(C−1)水分散体(固形分8.5重量%)38.7gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水530.2gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−30)を作成した。
[比較例1]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))0.09gと、参考例1で作成したシリカ修飾ルチル型酸化チタン(固形分=5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−1))59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性無機化合物(A2−1))120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.54gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−31)を得た。
[比較例2]
抗菌性金属化合物(A1−1)0.09gとすることに代えて、41gとすること以外は、比較例1と同様にして光触媒組成物(F−32)を得た。
[比較例3]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))1.86gと、市販品の酸化チタン(石原産業(株)製アナターゼ型酸化チタンST−01、固形分5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−4))59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)(非抗菌性の光触媒不活性金属化合物(A2−1))120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(D−1)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.54gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−33)を得た。
[比較例4]
比較例3の市販品の酸化チタンに代えて、市販品の酸化チタン(テイカ(株)製ルチル型酸化チタンMT150A、固形分5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−5))59.56gとすること以外は、比較例3と同様にして光触媒組成物(F−34)を得た。
[比較例5]
酸化銅(CIKナノテック(株)製、固形分15.3%)(抗菌性金属化合物(A1−1))0.1gと、市販品の酸化チタン(石原産業(株)製「STS−11」;固形分=5.5%)(非抗菌性の光触媒活性無機化合物(B−6))77.7gと、数平均粒子径30nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックス50」、日産化学工業(株)製、固形分48質量%)(非抗菌性の光触媒不活性無機化合物(A2−4))50.5gと、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤(D”)(商品名「KF−643」、信越化学工業製)1.7gと、水850.1gとを混合攪拌することにより光触媒組成物(F−35)を得た。
[光触媒塗膜の製造]
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に各光触媒組成物(F−1〜F−35)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した各光触媒組成物(F−1〜F−35)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(G−1〜G−35)を得た。
各試験板(G−1〜G−35)の各種評価結果を表2及び表3に示す。
本実施形態の光触媒組成物は、塗装の際、防藻性(防カビ性)の長期持続性、耐候性、及び下地塗膜に対する低損傷性に優れるため、光触媒塗膜直下塗膜(下地塗膜)上に、保護層を不要とせず、形成することができるため、セルフクリーニング性に優れ、建築外装、内装材、外装表示用途、自動車、ディスプレイ等に適用できる。

Claims (13)

  1. 抗菌性金属化合物(A1)と、抗菌性を有しない非抗菌性無機化合物(AA)とを含む光触媒組成物であって、
    前記非抗菌性無機化合物(AA)が、光触媒活性を有しない光触媒不活性無機化合物(A2)と、光触媒活性を有する光触媒活性無機化合物(B)とを含み、
    前記抗菌性金属化合物(A1)の前記光触媒不活性無機化合物(A2)に対する質量比(A1/A2)が、0.001以上0.25以下であり、
    前記光触媒活性無機化合物(B)が、以下の(i)の条件を満たすか、以下の(i)及び以下の(ii)両方の条件を満たす、光触媒組成物。

    (i)前記光触媒活性無機化合物(B)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生する過酸化水素量([H22])が、80μM以下である;
    (ii)前記光触媒活性無機化合物(B)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生するヒドロキシラジカル量[・OH]が、1.0μM以下である:
  2. 前記抗菌性金属化合物(A1)に含まれる金属が、銅、銀、金、白金、及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の光触媒組成物。
  3. 前記光触媒不活性無機化合物(A2)が、二酸化ケイ素である、請求項1又は2に記載の光触媒組成物。
  4. 前記光触媒活性無機化合物(B)が、酸化チタンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光触媒組成物。
  5. 前記光触媒活性無機化合物(B)の粒子表面が、金属酸化物(C)により、修飾処理されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光触媒組成物。
  6. 前記金属酸化物(C)が、二酸化ケイ素である、請求項5記載の光触媒組成物。
  7. 前記光触媒不活性無機化合物(A2)の含有量が、前記抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物の固形分全体に対し、40質量%以上99質量%以下であり、
    前記光触媒活性無機化合物(B)の含有量が、前記抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物の固形分全体に対し、1質量%以上20質量%以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光触媒組成物。
  8. 重合体粒子(D)をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光触媒組成物。
  9. 前記重合体粒子(D)の含有量が、前記抗菌性金属化合物(A1)を除く前記光触媒組成物全体に対し、40質量%以下である、請求項8記載の光触媒組成物。
  10. フルオロカーボン界面活性剤(E)をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光触媒組成物。
  11. 退色性色素(F)をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光触媒組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の光触媒組成物から形成された、光触媒塗膜。
  13. 請求項12に記載の光触媒塗膜を備える、光触媒塗装製品。
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