1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、当該パチンコ遊技機1の外郭を構成する遊技機枠50と、遊技機枠50の内部に取付けられた遊技盤2(図7参照)と、を備えている。遊技機枠50は、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠51は、遊技機枠50の外郭を構成する縦長方形状の枠体である。内枠52は、外枠51の内側に配置されていて、遊技盤2を取付ける縦長方形状の枠体である。前枠53は、内枠52の前方側に配置されていて、遊技盤2を保護する縦長方形状のものである。なお外枠51の下端の前面側には、左右方向に長い長方形状の幕板51aが配されている。本形態では、外枠51及び内枠52が遊技機枠50の「基枠部」に相当し、前枠53が遊技機枠50の「前枠部」に相当する。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えている。図2に示すように、ヒンジ部54により、前枠53は外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。前枠53の中央には窓枠開口部分53aが形成されていて、この窓枠開口部分53aに透明のガラス板55が取付けられる。これにより遊技者は、ガラス板55を通して、後述する遊技領域3を視認できるようになっている。そして、前枠53は、内枠52に対して閉じられた閉状態において、遊技盤2を外部の空間から区画することができる。一方、前枠53は、閉状態から、内枠52に対して開いた開状態へと回転されることで、少なくとも遊技盤2の遊技盤面2aを外部の空間に開放することができる。
前枠53は、図2に示すように、後方側にベース枠56を備えている。また、本形態のパチンコ遊技機1について、図3に正面図が示され、図4に右側面図が示され、図5に平面図が示されている。前枠53は、図3に示すように、前方側に上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とを備えている。ベース枠56は、前面側で上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とを着脱可能に取付ける枠体である。ベース枠56の上側の左右にはスピーカ67(図19参照)が設けられていて、ベース枠56のうち下側の左方には遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61が設けられている。またベース枠56の下端の内部には遊技球を後述する遊技領域3へ打ち出すための打球発射機構57が設けられている。
上側装飾部(上部装飾部)200は、遊技機枠50(前枠53)の上部を装飾するものである。上側装飾部200は、図3に示すように、左右方向の中央に可動体ユニット201を備え、左右両側に発光ユニット202L,202Rを備えている。可動体ユニット201は、所定の動作が可能な枠可動体205(図19参照)を有するユニットであり、前後方向に長いものである。発光ユニット202L,202Rは、内部にて回転発光体(図示省略)を回転可能に組付けるユニットであり、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態でベース枠56に取付けられている(図2参照)。
この上側装飾部200(可動体ユニット201)は、図4に示すように、ベース枠56に取付けられている他のどの部分(左側装飾部210,右側装飾部220,操作機構部230)よりも、前方に突出している。例えば、上側装飾部200の前面から外枠51の幕板51aの前面までの距離L1(P1からP2までの水平方向における距離)は操作機構部230の前面から外枠51の幕板51aの前面までの距離L2(P3からP2までの水平方向における距離)の2倍以上である。これにより、上側装飾部200による前方への突出が非常に強調されていて、従来の遊技機枠に比べて大きなインパクトを与えることが可能である。
左側装飾部210は、遊技機枠50(前枠53)の右部を装飾するものである。右側装飾部220は、遊技機枠50の左部を装飾するものであり、剣役物ユニット221を備えている。剣役物ユニット221には、剣の形を模した剣役物222が押込操作可能に設けられている。これにより遊技の進行に伴って実行される演出時に、遊技者に対して剣役物222への押込操作が促されるようになっている。
操作機構部230は、遊技や演出を進行するための操作機構を備えるものである。操作機構部230は、図1に示すように、右側の下部に回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60を備え、上側の後部に遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61を備え、ハンドル60よりも左方に打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62を備えている。また操作機構部230のうち上皿61よりも前方には、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が操作し得る演出ボタン63や十字キー68が設けられている。
また、図3及び図4に示すように、遊技場の島設備において鉛直方向に起立した垂直壁面SHのうちパチンコ遊技機1の上方には、データカウンタ160が配されている。データカウンタ160は、垂直壁面SHに固定されている固定部材161と、この固定部材161に対して前傾姿勢になるように傾動可能に取付けられているデータ表示装置162とを備えている。
データ表示装置162は、後述する大当たり遊技状態の発生回数や高確率状態の発生回数等を表示する略直方体形状のものである。またデータ表示装置162は、遊技者がホールの従業員を呼ぶための呼び出しボタン等を有している。このデータカウンタ160では、垂直壁面SHに対するデータ表示装置162の前傾角度θを15度から25度まで可変できるようになっている。なお、図4では、データ表示装置162の前傾角度θが最大の25度になっている状態が示されている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、図6に示すように、遊技機枠50のうち上側装飾部200の後方の下側に、左右一対の左側スピーカ67L及び右側スピーカ67Rが設けられている。左側スピーカ67Lの軸中心ZLは遊技者の左耳に、右側スピーカ67Rの軸中心ZRは遊技者の右耳に向かうようになっている。また上側装飾部200、左側装飾部210、右側装飾部220、及び操作機構部230には、様々な発光色で発光可能な枠ランプ66(図19参照)が多数設けられている。
次に、図7を参照して遊技盤2について説明する。遊技盤2は、板状の部材であり(このため遊技板ともいう)、その後方に配されている裏ユニット(各種制御基板、第1画像表示装置6、第2画像表示装置7、盤可動体15、ハーネス等を取付けるユニット)と一体化され、これらとともに遊技盤ユニット2Uを構成している。遊技盤ユニット2Uには、様々な発光色で発光可能な盤ランプ5(図19参照)が多数設けられている。
また、遊技盤2の前面側には、鉛直方向に起立した遊技盤面2aが形成されている。遊技盤2の遊技盤面2aには、遊技球を誘導する複数の遊技釘(図示省略)が突設されている。さらに、遊技盤2には、遊技盤面2aの前方に、レール部4が設けられている。図7には、レール部4により形成されているレール410を示している。レール410は、遊技盤面2aに対して略垂直に突出して設けられている部分であり、遊技盤面2aに略垂直をなす面を有している。
また、レール410は、遊技領域3の外周縁を構成する外縁レール420と、打球発射機構57から発射された遊技球を遊技領域3へと誘導する誘導通路3Iを構成する誘導レール430とを有している。誘導レール430は、遊技領域3側の内誘導レール431と、内誘導レール431と対向する外誘導レール432とにより構成されている。遊技盤2の下方には、発射位置57Hより、重力に逆らう向きである矢印Hの向きに遊技球を発射する打球発射機構57が配されている。そして、ハンドル60の操作によって打球発射機構57から矢印Hの向きに発射された遊技球は、誘導通路3Iを通過後、遊技領域3へと進入し、遊技領域3を流下するようになっている。
第1画像表示装置(第1表示手段)6および第2画像表示装置(第2表示手段)7はともに、液晶表示装置である。図7に示すように、第2画像表示装置7は、第1画像表示装置よりも上方に設けられている。そして、本形態では、上下に並んで設けられた第1画像表示装置6の表示画面(表示部)6aと、第2画像表示装置7の表示画面(表示部)7aとを用い、広い範囲で演出画像を表示することが可能となっている。このため、本形態では、遊技領域3に加え、その遊技領域3よりも上側にはみ出している第2画像表示装置7の表示画面7aについても、窓枠開口部分53aの内側に位置している。よって、遊技者は、第1画像表示装置6の表示画面6aと、第2画像表示装置7の表示画面7aとをともに、ガラス板55を通して視認できるようになっている。なお、遊技盤2、第1画像表示装置6、第2画像表示装置7等の構成については、後に詳述する。
第1画像表示装置6の表示画面6aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した装飾図柄(演出図柄の一例)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う装飾図柄表示領域がある。なお、装飾図柄8L,8C,8Rを表示する演出を装飾図柄変動演出という。装飾図柄変動演出を「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。また、装飾図柄表示領域は、第2画像表示装置7の表示画面7aに設けられていてもよい。さらに、装飾図柄表示領域は、第1画像表示装置6の表示画面6aと、第2画像表示装置7の表示画面7aとにまたいで設けられていてもよい。
装飾図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。装飾図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。第1画像表示装置6は、左、中、右の装飾図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図9参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で装飾図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「263」などのバラケ目で装飾図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、第1画像表示装置6にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、装飾図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような装飾図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
第1画像表示装置6は、上記のような装飾図柄を用いた装飾図柄変動演出(「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面6aに表示する。なお装飾図柄変動演出では、数字等の装飾図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの装飾図柄以外の演出画像も表示される。
また第1画像表示装置6の表示画面6aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリア9aと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリア9bとがある。演出保留画像9A,9Bの表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図9参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43b(図9参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって第1画像表示装置6の下部付近の前方には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またステージ部11の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。
遊技領域3における第1画像表示装置6の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口や、第1始動入賞口、固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や固定入球手段ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な入賞口である。なお本形態の第2始動口21は、上下方向且つ前後方向に延びる平面で形成される開口部分である。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選の契機となっている。
電チュー22は、前後方向に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図18参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が前方に進出しているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。つまり、可動部材23が前方に進出しているときには、流下する遊技球が可動部材23の上側に当接すると、左方へ誘導される。これにより、遊技球が第2始動口21に入球可能となる。
一方、第2始動口21は、後方に退避しているとき(つまり閉状態であるとき)には遊技球が入球不可能となる。つまり、可動部材23が後方に退避しているときには、流下する遊技球が可動部材23に当接しない。これにより、遊技球は第2始動口21に入球することなく、後述するアウト口16へ向かう。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときには開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態であるときに完全に入球不可能となるものでなくても良い。
また第1始動口20の右斜め上方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図18参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また第1大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また、ゲート28の右斜め上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図18参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図8(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。振分部材71は、左右方向に進退するものであり、左方に進出した進出状態(第2の状態)又は右方に退避した退避状態(第1の状態)をとる。
図8(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図8(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1の状態にある。振分部材71が第1の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図8(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図8(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2の状態にある。振分部材71が第2の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図7に戻り、遊技領域3の左下部や右下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下し得る流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、普通入賞口27と、第1始動口20と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は左打ちをすることで、第1始動口20への入賞を狙う。なお、第1流路R1を流下した遊技球が第2始動口21へ入賞することは、ほとんどないように構成されている。
一方、第2流路R2上には、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、普通入賞口27と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は右打ちをすることで、第2大入賞口35への入賞(特定領域39への通過)、ゲート28への通過、又は第1大入賞口30への入賞を狙う。
また図7に示すように、遊技盤2の左下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図9に示すように、第1特別図柄(第1識別図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2識別図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入賞情報に相当)は、特図保留記憶部85(図18参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図18参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図18参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており(図9参照)、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図9参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図18参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており(図9参照)、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技盤ユニットの構成
次に、遊技盤ユニット2Uの構成について説明する。図10は、遊技盤ユニット2Uにおける遊技盤2、第1画像表示装置6、第2画像表示装置7の断面図である。図10に示すように、第1画像表示装置6は、遊技盤ユニット2Uにおける遊技盤面2aよりも後方側に配置されている。そして、第1画像表示装置6は、表示画面6aが鉛直方向に起立した状態で設けられている。すなわち、第1画像表示装置6は、表示画面6aが、遊技盤2の遊技盤面2aと平行な面に沿った状態で固定されている。
図11に、第1画像表示装置6および第2画像表示装置7の正面図を示す。なお、図11には、遊技盤2の外形とレール410とを二点鎖線により示している。第1画像表示装置6は、表示画面6aが、外縁レール420(遊技領域3の外周縁)よりも内側の領域である外縁内側領域の後方に重なる位置に設けられている。また、本形態の遊技盤2は、略中央に、表裏を貫通する開口2Hが形成されている。さらに、遊技盤2は、可視光を透過可能な樹脂を主な成分として構成されている。このような光透過性樹脂としては、例えばアクリル樹脂等を用いることができる。このため、遊技者は、第1画像表示装置6の表示画面6aや第2画像表示装置7の表示画面7aを視認可能である。なお、遊技盤2は、必ずしも、第1画像表示装置6の表示画面6aや第2画像表示装置7の表示画面7aの前方に位置するすべての領域が光透過性樹脂によって構成されている必要はない。つまり、第1画像表示装置6の表示画面6aや第2画像表示装置7の表示画面7aの少なくとも一部が視認可能であるように、一部のみが光透過性樹脂により構成されているものであってもよい。
第2画像表示装置7は、図10に示すように、第1画像表示装置6とは異なり、表示画面7aが鉛直面に対して傾斜した状態で設けられている。すなわち、第2画像表示装置7は、表示画面7aが、遊技盤2の遊技盤面2aに対して交差する面に沿った状態で固定されている。本形態の第2画像表示装置7の表示画面7aは、鉛直面に対して傾斜していることで、鉛直面に平行な場合よりも、面積の広いものとなっている。また、図10には、傾斜している第2画像表示装置7の、前方側の部分である前方部分7Fと、後方側の後方部分7Bとを示している。そして、第2画像表示装置7は、前方部分7Fが上方に、後方部分7Bが下方に位置している。
第2画像表示装置7は、その後方部分7Bが、遊技盤2よりも後方であって、第1画像表示装置6の表示画面6aよりも前方に位置している。第2画像表示装置7の後方部分7Bは、前後方向について、第1画像表示装置6の表示画面6aと重なっている。このため、第1画像表示装置6と第2画像表示装置7とは、上下方向については隙間なく設けられている。これにより、第1画像表示装置6の表示画面6aと第2画像表示装置7の表示画面7aとにまたがる画像を表示したとしても、遊技者には、その画像を違和感のない(つまり表示画面6aと表示画面7aとの境目で切れていないように感じさせる)一体的な画像として視認させることが可能となっている。
また、第2画像表示装置7の前方部分7Fについては、遊技盤2の遊技盤面2aよりも前方に位置している。このため、第2画像表示装置7は、表示画面7aが、遊技盤2の遊技盤面2aの同一平面に対して交差している。そして、第2画像表示装置7の前方部分7Fが遊技盤2の遊技盤面2aよりも前方に飛び出ていることで、遊技者には、より近い位置で表示画面7aの前方部分7Fを見せることができる。つまり、第2画像表示装置7により、遊技者に、迫力のある演出画像を見せることが可能である。
また、図11に示すように、第2画像表示装置7は、外縁レール420(遊技領域3の外周縁)よりも外側の外縁外側領域と重なる外側領域7Oを有している。具体的には、第2画像表示装置7は、その上部が外側領域7Oとなっている。なお、本形態の第2画像表示装置7において、外側領域7Oには、表示画面7aの一部も含まれている。また、第2画像表示装置7の前方部分7Fは、外側領域7Oのうちの一部分である。そして、第2画像表示装置7が外側領域7Oを有していることで、遊技者には、遊技領域3の外側までおよぶ、広範囲で迫力のある演出画像を見せることが可能である。
また、本形態の遊技盤ユニット2Uは、図10に示すように、遊技盤2の後方であって、第1画像表示装置6の表示画面6a前方の空間に、盤可動体15を有している。盤可動体15は、これらを用いた演出が行われる際には、第1画像表示装置6や第2画像表示装置7の前方へと進出した進出状態をとり、それ以外の通常時には、第1画像表示装置6や第2画像表示装置7の前方から左右方向または上下方向に退いた退避位置をとる。
また、本形態の盤可動体15は、前方に位置する第1盤可動体15Aと、後方に位置する第3盤可動体15Cと、これらの間に位置する第2盤可動体15Bとにより構成されている。つまり、遊技盤ユニット2Uでは、遊技盤2から第1画像表示装置6までの空間に、前後方向について、3層よりなる盤可動体15が設けられている。そのため、本形態の遊技盤ユニット2Uでは、遊技盤2から第1画像表示装置6までの空間が広くとられている。
このような遊技盤2から第1画像表示装置6までの空間が広くとられている場合、遊技者は、第1画像表示装置6の表示画面6aを遠くに感じがちである。このため、第1画像表示装置6の表示画面6aだけでは、遊技者に、迫力のある演出画像を見せることができないおそれがある。しかし、本形態では、第1画像表示装置6の表示画面6aの上方に、表示画面6aと交差する面に沿った表示画面7aを有する第2画像表示装置7を設けている。そして、互いに交差する面に沿って設けられている第1画像表示装置6の表示画面6aと第2画像表示装置7の表示画面7aとを併せて用いていることで、遊技者には、演出画像に奥行きを感じさせることが可能である。つまり、遊技者に、奥行きのある、十分な迫力の演出画像を見せることが可能となっている。
また、第2画像表示装置7は、そのすべてが、外縁レール420(遊技領域3の外周縁)よりも外側の外縁外側領域に位置しているわけではない。つまり、第2画像表示装置7は、外側領域7Oの下方に、外縁レール420よりも内側の外縁内側領域と前後方向について重なる内側領域7Iを有している。つまり、内側領域71は、遊技領域3の後方に重なる領域である。このため、第2画像表示装置7の表示画面7aは、外縁レール420の後方を横切っている。なお、本形態の第2画像表示装置7において、内側領域7Iには、表示画面7aの一部も含まれている。また、第2画像表示装置7の後方部分7Bは、内側領域7Iのうちの一部分である。
ここで、遊技者は、遊技球が流下する遊技領域3を注視しがちである。つまり、遊技者は、自然と、遊技領域3の外側よりも、遊技領域3の内側の遊技領域3に視線を向ける傾向にある。よって、第2画像表示装置7に内側領域7Iを設けておくことで、遊技領域3を注視しがちな遊技者にも、第2画像表示装置7を用いた迫力のある演出画像を、無理なく自然に見せることが可能である。
また、図12には、遊技盤ユニット2Uの斜視図を示している。図12に示すように、遊技盤ユニット2Uは、遊技盤2の後方に、第1画像表示装置6等の裏ユニットを覆う後方カバー2BCを有している。なお、後方カバー2BCの前方の開口は、遊技盤2によってほとんど塞がれている。そして、第2画像表示装置7は、その後方部分7Bについては、後方カバー2BCと、その前方の開口をほとんど塞いでいる遊技盤2とで囲われた空間内に位置している。しかし、前述したように、第2画像表示装置7の前方部分7Fについては、遊技盤2よりも前方へと突出している。
そのため、図13の遊技盤2とレール部4との分解斜視図に示すように、遊技盤2には、切欠き部2Cが形成されている。また、切欠き部2Cが形成されていることにより、遊技盤2には、図13に示すように2つの対向部2Fが設けられている。図7、図11、図12に示すように、遊技盤2の切欠き部2Cは、第2画像表示装置7の外側領域7Oに対応した箇所に形成されている。そして、第2画像表示装置7の前方部分7Fは、その切欠き部2Cの内側を通って、遊技盤2の遊技盤面2aの前方へと突き出ている。これにより、遊技盤2の対向部2Fを、遊技盤ユニット2Uにおいて、第2画像表示装置7を保護する保護部として機能させることができる。
すなわち、液晶表示装置である第2画像表示装置7は、必ずしも外部からの衝撃等に対して強いものではない。また、本形態とは異なり、遊技盤2に対向部2Fが無かった場合には、第2画像表示装置7の側面は、一部、遊技盤ユニット2Uにおいて露出してしまうこととなる。つまり、遊技盤ユニット2Uにおいて第2画像表示装置7の側面が露出していた場合、例えば、遊技機枠50への組付けや取り外しの際などに、第2画像表示装置7が外部から衝撃を受け、損傷してしまうおそれがある。このような問題に対し、本形態では、遊技盤2に、第2画像表示装置7の側面と対向する対向部2Fが設けられていることにより、第2画像表示装置7の側面が、外部から直接、衝撃等を受けることなどがないようにされている。よって、本形態では、第2画像表示装置7の損傷が抑制されている。
また、本形態の遊技盤ユニット2Uは、図10に示すように、遊技盤2よりも前方に、前方カバー面441を有する前方カバー440を有している。前方カバー440は、遊技盤2に固定されている。また、前方カバー440の前方カバー面441は、図7に示すように、第2画像表示装置7よりも幅広である。これにより、前方カバー面441は、第2画像表示装置7の外側領域7Oにおける、少なくとも表示画面7aを、その前方から覆っている。そして、この前方カバー440についても、遊技盤ユニット2Uにおいて、第2画像表示装置7を保護する保護部として機能させることができ、第2画像表示装置7の損傷をより抑制することができる。なお、本形態の前方カバー面441は、少なくとも、第2画像表示装置7の前方部分7Fにおける表示画面7aを覆うものであることが好ましい。第2画像表示装置7では、表示画面7aが、最も衝撃等によって損傷しやすい箇所だからである。
また、前方カバー440は、可視光を透過可能な光透過性樹脂により構成されている。よって、遊技者には、第2画像表示装置7の表示画面7aを、前方カバー440の前方カバー面441を通して違和感なく視認させることが可能である。なお、前方カバー440は、後方の第2画像表示装置7の表示画面7aの少なくとも一部が視認可能であるように、一部のみが光透過性樹脂により構成されているものであってもよい。
次に、図13の分解斜視図により、レール部4の構成について説明する。図13に示すように、レール部4は、遊技盤2の遊技盤面2aに配設される前方カバー440、右側補助部材450、左側補助部材460、内レール部材470、金属レール部材480を有している。前方カバー440、右側補助部材450、左側補助部材460、内レール部材470は、遊技盤2に固定される。また、金属レール部材480は、前方カバー440と左側補助部材460とに固定される。そして、遊技盤ユニット2Uにおいては、これらレール部4の各部材が遊技盤2の遊技盤面2aに設けられていることにより、前述したように、遊技領域3および誘導通路3Iが形成されている。また、本形態では、前方カバー440、右側補助部材450、左側補助部材460、内レール部材470については、可視光を透過可能な樹脂により構成されている。一方、金属レール部材480については、ステンレス等の金属材料により構成されている。
前方カバー440は、前方カバー面441、前方カバー配設面442、前方カバーレール443、金属レール固定部444を有している。前方カバー440の前方カバーレール443は、遊技領域3の外周縁である外縁レール420の一部を構成している。また、前方カバー配設面442は、前方カバーレール443よりも凹んだ面であり、金属レール部材480が配設される面である。また、金属レール固定部444は、金属レール部材480を固定する固定部をなすものである。
右側補助部材450は、遊技領域3の右方に設けられ、その右側レール451により、外縁レール420の一部を構成するものである。内レール部材470は、遊技領域3の左方に設けられ、その遊技領域3側の内遊技レール471により、外縁レール420の一部を構成するものである。また、内レール部材470は、前述したように内誘導レール431についても有している。本形態において、内レール部材470の内誘導レール431と内遊技レール471とは同じ部分であり、その形成対象が、誘導通路3Iと遊技領域3とで異なるものである。
左側補助部材460は、左側配設面461、金属レール固定部462を有している。左側配設面461は、金属レール部材480が配設される面である。また、金属レール固定部462は、金属レール部材480を固定する固定部である。
金属レール部材480は、帯状の金属により構成された部材であり、湾曲形状に形成された金属レール部481を有している。この金属レール部481により、金属レール482を構成している。金属レール482は、誘導通路3Iに係る外誘導レール432と、遊技領域3に係る外縁レール420の一部となるものである。そして、金属レール部材480は、湾曲形状における凸側の面が、前方カバー440の前方カバー配設面442および左側補助部材460の左側配設面461に沿って配設される。
また、金属レール部材480は、金属レール部481の一方の端部である第1金属レール端部483に第1金属レール取付部485を有しており、第1金属レール取付部485にて左側補助部材460の金属レール固定部462に固定される。さらに、金属レール部材480は、金属レール部481の他方の端部である第2金属レール端部484に第2金属レール取付部486を有しており、第2金属レール取付部486にて前方カバー440の金属レール固定部444に固定される。なお、金属レール部材480の第2金属レール取付部486の、前方カバー440の金属レール固定部444への固定には、固定部材490が用いられる。この固定部材490を用いた金属レール部材480の固定については、後に詳述する。
図14には、遊技盤2とレール部4との組付け状態を示している。図14に示すように、本形態の外縁レール420は、上側に位置する上レール420U、右側に位置する右レール420R、左側に位置する左レール420L、下側に位置する下レール420Dにより構成されている。また、本形態のレール部4は、上レール420Uと右レール420Rとの間、すなわち遊技領域3の上部の右側に、緩衝部425を有している。緩衝部425は、ゴム材等からなり、衝突した遊技球の勢いを弱めつつ跳ね返すことのできるものである。この緩衝部425に衝突した遊技球は、その後、右遊技領域3Bへと流下することとなる。
また、上レール420Uと左レール420Lとは、間隔を設けて配置されており、上レール420Uと左レール420Lとの間には、打球発射機構57により発射された遊技球を遊技領域3まで誘導する誘導通路3Iが接続されている。つまり、その接続箇所である誘導口3Mは、遊技領域3の上部の左側に設けられている。そして、打球発射機構57により発射位置57Hから発射された遊技球は、誘導通路3Iを通過し、誘導通路3Iの遊技球の進行方向における終端である誘導口3Mより遊技領域3へと進入する。
本形態のパチンコ遊技機1では、内レール部材470の誘導口3Mの箇所に、戻り防止部475が設けられている。戻り防止部475は、一旦、遊技領域3内へと進入した遊技球が、再度、誘導通路3Iへと進入することを抑制することのできるものである。また、誘導口3Mにおいて、遊技領域3と誘導通路3Iとを区画しているものである。
また、誘導通路3Iに係る外誘導レール432と、遊技領域3に係る上レール420Uとは、誘導口3Mの箇所でつながっている。そして、外誘導レール432と上レール420Uとにより形成されているレールを、本形態では外レール415とする。つまり、外レール415は、発射位置57H側の第1外レール端416から、緩衝部425側の第2外レール端417まで延びているものである。
また、外レール415は、金属により構成されている金属区間415Mと、樹脂により構成されている樹脂区間415Pとを有している。具体的に、金属区間415Mは、金属レール部材480によって構成されている区間であり、第1外レール端416から、第1外レール端416と第2外レール端417との間の境界位置418まで延びている。樹脂区間415Pは、前方カバー440の前方カバーレール443によって構成されている区間であり、境界位置418から第2外レール端417まで延びている。このような外レール415において、金属区間415Mは可視光を透過できない区間であり、樹脂区間415Pは可視光を透過可能な区間である。つまり、金属区間415Mは、樹脂区間415Pよりも遮光性が高い区間である。
そして、本形態において、境界位置418は、左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する左打ちの際の遊技球の挙動に基づいて定められた、上レール420U上の位置となっている。すなわち、左打ちの際には、遊技球が、図14に示す弱経路KL1と限界左経路KL3との間の打ち出し経路を辿る速度で打ち出される。弱経路KL1は、遊技球が誘導口3Mを超えて遊技領域3内へと進入することができる、最も遅い速度(弱い力)で発射された場合の経路である。限界左経路KL3は、遊技球が左遊技領域3Aへと流下する、最も早い速度(強い力)で発射された場合の経路である。
また、図14には、弱経路KL1から限界左経路KL3までの間の経路の1つである、左打ち通常経路KL2を示している。左打ち通常経路KL2は、左打ちにおける第1始動口20への入賞頻度が一般的に高い打ち出し経路であり、いわゆるブッコミ狙いの打ちだし経路である。このため、通常、遊技者は、遊技球が左打ち通常経路KL2を辿るように、遊技球の発射速度を調整する。
また、本形態の境界位置418は、外レール415に沿って発射され、左打ち通常経路KL2を辿って移動する遊技球が、外レール415から離間する位置よりも、誘導口3Mからわずかに遠い位置に定められている。このため、境界位置418は、上レール420Uのうち、外レール415に沿って発射されて限界左経路KL3を辿って移動する遊技球が離間する位置よりも誘導口3M側の位置となっている。そして、本形態において、左打ち通常経路KL2を辿る速度で発射された遊技球は、外レール415のうち、金属区間415Mにのみ接触するようにされている。これにより、本形態では、外レール415の損傷が抑制されている。
すなわち、左打ち通常経路KL2に沿って左打ちが行われた場合、発射された遊技球は、金属区間415Mのみと接触する。また、弱経路KL1に沿って発射されたような、左打ち通常経路KL2を辿る速度よりも遅い速度で遊技球が発射された場合にも、発射された遊技球は、金属区間415Mのみと接触する。このため、左打ちが行われる期間のほとんどにおいて、遊技球を、樹脂区間415Pよりも強度の高い金属区間415Mのみと接触させることができる。よって、樹脂区間415Pが遊技球との接触によって擦り減ってしまうこと等による、外レール415の損傷や劣化が抑制されている。
さらに、限界左経路KL3や右打ちの際等、遊技球が左打ち通常経路KL2を辿る速度よりも早い速度で発射された場合であっても、発射された遊技球は、まず、金属区間415Mと接触する。外レール415に沿って発射された遊技球の移動方向について、金属区間415Mは、樹脂区間415Pよりも上流側に位置しているからである。また、金属区間415Mと接触しつつ移動した遊技球は、ある程度、減速する。このため、本形態では、遊技球が左打ち通常経路KL2を辿る速度よりも早い速度で発射された場合であっても、速度が減速した後の遊技球を、樹脂区間415Pへと接触させることができる。よって、本形態では、樹脂区間415Pについても、速度の速い遊技球との接触が抑制されていることにより、損傷や劣化が抑制されている。
また、外レール415は、図14に示すように、装飾区間415Dを示している。装飾区間415Dは、外レール415のうち、後方に第2画像表示装置7が重なる区間である。そして、本形態では、装飾区間415Dのほとんどが樹脂区間415Pとなっている。具体的には、装飾区間415Dの左側の一部分のみが金属区間415Mとなっており、その右側の装飾区間415Dのほとんどが樹脂区間415Pとなっている。また、樹脂区間415Pは、前述したように、可視光を透過可能な区間である。よって、本形態では、遊技者に、外レール415の後方側の第2画像表示装置7の表示画面7aを、外レール415によってほぼ遮ることなく、適切に視認させることができる。
また、図13において前述したように、金属レール部材480は、第1金属レール端部483に設けられた第1金属レール取付部485が左側補助部材460の金属レール固定部462に、第2金属レール端部484に設けられた第2金属レール取付部486が前方カバー440の金属レール固定部444に固定されている。
第1金属レール取付部485は、金属レール部材480の第1金属レール端部483の部分が、外レール415から外側、すなわち遊技領域3や誘導通路3Iから遠ざかる向きに折り曲がることで形成されている。このため、第1金属レール取付部485には、外レール415から誘導通路3Iの内側へと出っ張っている部分が存在していない。よって、第1金属レール取付部485が、外レール415に沿って発射された遊技球の移動を阻害することのないようになされている。なお、第1金属レール取付部485は、左側補助部材460の金属レール固定部462に、ネジ等によって固定されている。
第2金属レール取付部486は、金属レール部材480の第2金属レール端部484の部分が、外レール415から外側、すなわち遊技領域3から遠ざかる向きに折り曲がることで形成されている。このため、第2金属レール取付部486についても、外レール415から遊技領域3の内側へと出っ張っている部分が存在していない。よって、第2金属レール取付部486についても、外レール415に沿って発射された遊技球の移動を阻害することのないようになされている。
さらに、第2金属レール取付部486は、遊技領域3の縁の付近に設けられている縁取付部である。このため、第2金属レール取付部486が遊技領域3の内側へと出っ張っている場合、遊技者の視界に入りやすく、美観を損ねてしまうおそれがある。このような問題に対し、本形態では、第2金属レール取付部486が遊技領域3の外側に位置していることにより、美観を損なわずに金属レール部材480が固定されている。
また、図15には、第2金属レール取付部486の詳細を示している。図15に示すように、第2金属レール取付部486は、第1ターン部487と第2ターン部488とを有している。具体的に、第1ターン部487は、金属レール部材480が、第2金属レール端部484にて、遊技領域3から遠ざかる向きに折れ曲ることで形成されている。なお、第1ターン部487の折れ曲がりの角度は、湾曲形状の金属レール部481の第2金属レール端部484における接線に対して略直角をなす角度である。
また、第2ターン部488は、金属レール部材480が、第1ターン部487の遊技領域3から遠い端部にて、金属レール部481に沿った経路における第1金属レール取付部485の側に折れ曲ることで形成されている。なお、第2ターン部488の折れ曲がりの角度についても、第1ターン部487に対して略直角をなす角度である。このため、第2金属レール取付部486は、第1ターン部487および第2ターン部488により、全体として、金属レール部481に沿った経路における第1金属レール取付部485の側へと折り返された引っかけ部のように形成されている。
また、前方カバー440の金属レール固定部444は、前方カバー面441より凹んだ凹部であり、金属レール部材480の第2金属レール取付部486の形状に対応したL字形状をしている。そして、第2金属レール取付部486は、凹部である金属レール固定部444に嵌り込んでおり、金属レール固定部444の前方には、凹部である金属レール固定部444を塞ぐように固定部材490が固定されている。固定部材490は、前方カバー440にネジによって固定されている。これにより、金属レール部材480の第2金属レール取付部486は、前方カバー440に固定されている。すなわち、金属レール部材480の第2金属レール取付部486を固定する固定部は、前方カバー440の金属レール固定部444と、固定部材490とにより構成されている。
ここで、固定部材490は、図16に示すように、蓋部491と、蓋部491から突出して設けられた第1凸部492および第2凸部493を有している。図16は、固定部材490、金属レール部材480、前方カバー440を背面側から見たときの分解斜視図である。そして、固定部材490の第1凸部492は、図15に示す第2金属レール取付部486を固定した状態において、第2金属レール取付部486の第1ターン部487の、金属レール部481に沿った経路における第1金属レール取付部485に近づく向きへの移動を規制している。また、固定部材490の第2凸部493は、第2金属レール取付部486を固定した状態において、第2金属レール取付部486の第2ターン部488の、遊技領域3から遠ざかる向きへの移動を規制している。
また、本形態の固定部材490は、第2金属レール取付部486を固定した状態において、少なくとも、第1凸部492が第1ターン部487に接触している。このため、第2金属レール取付部486は、金属レール固定部444および固定部材490により、金属レール部481に沿った経路における第1金属レール取付部485から遠ざかる向き(換言すれば前方カバーレール443により構成される樹脂区間415Pへ近づく向き)の付勢力が付与された状態で固定されている。そして、このように固定された金属レール部材480では、金属レール部481における弛みが抑制されている。
金属レール部481に弛みが生じていた場合には、金属レール482に遊技球が接触した際に、金属レール部481が波打つように振動してしまう。このような金属レール部481の振動が生じた場合、当然、金属レール482に接触した遊技球のその後の挙動に影響してしまう。このため、金属レール部481に弛みが生じていた場合には、遊技者が、ハンドル60の操作によって、遊技領域3における狙い通りの位置に遊技球を打ち出すことができないおそれがある。このような問題に対し、本形態の金属レール部材480では、金属レール部481における弛みが抑制されていることにより、遊技者が、ハンドル60の操作によって、遊技領域3における狙い通りの位置に正確に遊技球を打ち出すことが可能となっている。そして、遊技球を正確にコントロールできないという遊技者のストレスが低減されるため、興趣性が高いものとなっている。
また、例えば、特開2003−180980号公報に記載のように、帯状の金属レール部材に、その幅方向に折り曲げて形成した取付部を設けた場合、遊技盤の遊技盤面と平行な面における面積が大きなものとなってしまう。そして、可視光を透過不可能な部分の面積が大きくなることにより、その部分が目立ってしまうため、美観を損ねてしまうおそれがある。また、金属レール部材の取付部の後方に装飾部が存在している場合には、遊技盤の遊技盤面と平行な面における面積が大きく、可視光を透過不可能な取付部により、装飾部の視認性を妨げてしまうおそれがある。よって、興趣性を低下させてしまうおそれもある。
これに対し、本形態の金属レール部材480の第2金属レール取付部486は、図15に示すように、長手方向に折り曲げて形成されていることで、遊技盤2の遊技盤面2aと平行な面における面積が小さくできている。このため、本形態では、金属レール部材480の第2金属レール取付部486により、美観が損なわれてしまうことが抑制されている。さらには、本形態では、金属レール部材480の第2金属レール取付部486の、遊技盤2の遊技盤面2aと平行な面における面積が小さいことにより、その後方の第2画像表示装置7を、遊技者に適切に視認させることができる。よって、興趣性が高く保たれている。
また、境界位置418においては、図15に示すように、金属レール部材480の金属レール482の方が、前方カバー440の前方カバーレール443よりも遊技領域3側に出っ張っている。これにより、境界位置418では、段差が形成されている。また、その段差は、発射後、外レール415に沿って移動する遊技球の移動方向について、上流側の金属レール482が凸、下流側の前方カバーレール443が凹となる段差である。これにより、本形態では、遊技球が境界位置418の段差に引っ掛かる等によって弾かれることがないようにされている。よって、遊技者は、遊技球を、遊技領域3における狙い通りの位置に遊技球を打ち出すことが可能である。
さらに、本形態とは異なり、境界位置418において、金属レール482よりも強度の低い前方カバーレール443が出っ張っていた場合、その出っ張った前方カバーレール443の端部は、遊技球の衝突によって損傷してしまうおそれがある。これに対し、強度の高い金属レール482の第2金属レール端部484は、遊技球の衝突によって損傷しにくい。よって、強度の高い金属レール482を前方カバーレール443よりも出っ張らせておくことで、前方カバーレール443の損傷を抑制することが可能である。
また、図17に示すように、遊技盤ユニット2Uは、遊技領域3よりも外側に、遊技領域3を囲うように設けられた進入阻止部材411を有している。進入阻止部材411は、図12に示すように、レール部4の前方に設けられており、遊技機枠50の前枠53が閉じられた閉状態において、その前枠53に固定されたガラス板55の後方側の面と接触するようになっている。
よって、前枠53の閉状態において、ピアノ線等の不正器具がパチンコ遊技機1の内部へと挿入されたときにも、その挿入された不正器具が、進入阻止部材411の位置よりも内側、すなわち遊技領域3へと進入することがないようになっている。なお、進入阻止部材411は、ガラス板55との密着性を高めるため、弾性を有するゴム材等により構成することが好ましい。
また、進入阻止部材411は、レール410に沿って設けられている沿線区間411Aと、レール410から離間して設けられた離間区間411Bとを有している。離間区間411Bは、前方カバー440の前方カバー面441の前方に設けられている。そして、離間区間411Bでは、沿線区間411Aよりも、遊技領域3の外周縁からの距離が遠いものとなっている。
前述したように、本形態のパチンコ遊技機1では、前方カバー面441の後方に、第2画像表示装置7が設けられている。このため、進入阻止部材411が前方カバー面441においてもレール410に沿って設けられていた場合、第2画像表示装置7の表示画面7aの前方を横切ってしまうこととなる。また、進入阻止部材411に一般的に使用されるゴム材は、可視光をある程度透過可能であったとしても、一般的なアクリル樹脂等の可視光を透過する樹脂材ほど、可視光透過率の高いものではない。このため、進入阻止部材411が前方カバー面441の箇所においてもレール410に沿って設けられていた場合には、第2画像表示装置7の表示画面7aを用いた演出の視認性を低下させてしまい、興趣性を低下させてしまうおそれがある。
これに対し、進入阻止部材411の前方カバー面441の箇所に離間区間411Bを設けておくことで、進入阻止部材411を、第2画像表示装置7の表示画面7aの中央から遠ざけることができる。これにより、第2画像表示装置7の表示画面7aを用いた演出の興趣性の低下が抑制されている。
さらに、本形態の進入阻止部材411の離間区間411Bは、第2画像表示装置7の表示画面7aの前方を横切るレール410に対して、第2画像表示装置7の表示画面7aの箇所を迂回するように設けられている。具体的には、遊戯中に第2画像表示装置7の表示画面7aをやや下方から見る遊技者にとって、第2画像表示装置7の表示画面7aの外側を迂回するように設けられている。このように、離間区間411Bが、遊技者からみて第2画像表示装置7の表示画面7aの外側を迂回する迂回区間であることにより、遊技者に、第2画像表示装置7の表示画面7aを、進入阻止部材411によって妨げることなく視認させることができる。これにより、進入阻止部材411が、第2画像表示装置7の表示画面7aを用いた演出の妨げになってしまうことがないようにされている。
3.遊技機の電気的構成
次に、図18および図19に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図18および図19に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、音声制御基板106およびサブ駆動基板107とともにサブ制御部DKを構成する。なお、サブ制御部DKは、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(第1画像表示装置6や第2画像表示装置7、盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、遊技盤ユニット2Uの盤可動体15、可動体ユニット201の枠可動体205等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150には、電源回路(電源手段)151およびバックアップ電源回路152が設けられている。電源回路151は、主制御基板80、サブ制御基板90および払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。バックアップ電源回路152は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図18に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)が設けられている。第1特図保留記憶部85aは、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また、第2特図保留記憶部85bは記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、および、変動パターン乱数を記憶する領域である。
また主制御基板80には、図18に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70aおよび普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられており、ゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、打球発射機構57やハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図19に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、図19に示すように、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107および枠中継基板99が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に第1画像表示装置6や第2画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、第1画像表示装置6や第2画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67(左側スピーカ67L,右側スピーカ67R)から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107を介して盤可動体15(第1盤可動体15A、第2盤可動体15B、第3盤可動体15C)の各駆動部の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15の各駆動部(例えばステッピングモータ)の駆動制御を行う。なお、発光パターンデータや動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠中継基板99に接続された枠可動体205の駆動部(図19参照)を動作させる。演出制御用マイコン91は、枠可動体205の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って枠可動体205の駆動部(例えばステッピングモータ)の駆動制御を行う。この枠可動体205の駆動部の駆動制御に係る動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
また、枠中継基板99には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63aおよび十字キー検出スイッチ68aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、十字キー検出スイッチ68a(図1参照)は、十字キー68が操作されたことを検出するものである。十字キー68をなす各種ボタン(「上ボタン」,「下ボタン」,「右ボタン」,「左ボタン」)が操作されると、その操作に応じた検知信号が、十字キー検出スイッチ68aからサブ制御基板90に対して出力される。
なお、サブ駆動基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動体の各駆動部の駆動制御を実行させてもよい。また、サブ駆動基板107に枠可動体205を接続して、サブ駆動基板107に枠可動体205の動作制御をさせてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
4.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図20に示す通りである。図20に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32および開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32および開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである(図21参照)。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。この14Rおよび16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである(図21参照)。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14Rおよび16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2の状態(図8(B)参照)から第1の状態(図8(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図20に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図22(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面6a内や表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図22(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
5.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図23(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図24参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図23(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図23(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図25参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図25参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および、電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を「特定遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図7参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図7参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
6.パチンコ遊技機1の動作
次に、図26に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明し、図27〜図28に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン81の動作について説明する。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン81は、図26に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、装飾図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a等(図18参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の所定の記憶領域にセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ20aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(図22(A)参照)を取得する。また、第2始動口センサ21aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(図22(A)参照)を取得する。また、ゲートセンサ28aによる通過検知があれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図22(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドをRAM84の所定の記憶領域にセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図21参照)に従って第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の実行に際しては、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドをRAM84の所定の記憶領域にセットする。なお特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン91に客待ち演出を実行させるための客待ち待機コマンドをセットする。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図25参照)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90等に出力する出力処理(S106)を行う。
以上の遊技制御用マイコン81における処理と並行して、演出制御用マイコン91は図27〜図28に示す処理を行う。演出制御用マイコン91の動作について、以下に説明する。
[サブ側タイマ割り込み処理]演出制御用マイコン91は、図27に示すようなサブ側タイマ割り込み処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割り込み処理ではまず、受信コマンド解析処理(S1001)を行う。
[受信コマンド解析処理]図28に示すように、受信コマンド解析処理(S1001)では演出制御用マイコン91はまず、遊技制御用マイコン81から変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S1101)。受信していなければ、ステップS1104に進むが、受信していれば、変動演出パターン選択処理(S1102)を行う。
変動演出パターン選択処理(S1102)では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動開始コマンドの解析結果等に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。なお、選択した変動演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この変動演出パターンの選択により、盤ランプ5を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、枠ランプ66を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、盤可動体15を動作させる演出の実行の有無やそのタイミング、枠可動体205を動作させる演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1102で選択した変動演出パターンで変動演出を開始させるための変動演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1103)。そしてステップS1104に進む。
ステップS1104では演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS1107に進むが、受信していれば、大当たり演出パターン選択処理(S1105)を行う。
大当たり演出パターン選択処理(S1105)では、オープニングコマンドの解析結果に基づいて、大当たり遊技中に実行する大当たり演出の演出パターン(大当たり演出パターン)を選択する。なお、ここで選択した大当たり演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この大当たり演出パターンの選択により、大当たり遊技中における盤ランプ5や枠ランプ66の発光演出の実行の有無やそのタイミング、盤可動体15や枠可動体205の駆動演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1105で選択した大当たり演出パターンで大当たり演出を開始させるための大当たり演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1106)。その後、その他の処理として他の受信コマンドに基づく処理を行って(S1107)、受信コマンド解析処理を終える。
図27に戻り、演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S1001)に続いてコマンド送信処理(S1002)を行う。コマンド送信処理(S1002)では、受信コマンド解析処理でセットした各種コマンドを画像制御基板100に送信する。コマンド送信処理が実行されると、コマンドを受信した画像制御基板100は、第1画像表示装置6や第2画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や大当たり演出、客待ち演出など)を実行する。例えば、ステップS1103でセットされた変動演出開始コマンドを受信した画像制御基板100は、変動演出開始コマンドに指定された内容の変動演出を実行する。
続いて演出制御用マイコン91は、音声処理(S1003)を行う。音声処理(S1003)では、受信コマンド解析処理で選択した演出パターンの演出に合うタイミングでスピーカ67から音声等を出力させるべく、音データ(スピーカ67からの音声等の出力を制御するデータ)を作成したり、音声制御基板106に出力したりする。次に演出制御用マイコン91は、ランプ処理(S1004)および可動体処理(S1005)を行う。
ランプ処理(S1004)では、RAM94にセットされた変動演出開始コマンド等に盤ランプ5や枠ランプ66を発光させる発光演出がある場合には、その発光演出を実行する。すなわち、盤ランプ5や枠ランプ66を、所定のタイミング、所定の発光態様で発光させる。また、可動体処理(S1005)では、RAM94にセットされた変動演出開始コマンド等に盤可動体15や枠可動体205を動作させる駆動演出がある場合には、その駆動演出を実行する。すなわち、盤可動体15や枠可動体205を、所定のタイミング、所定の駆動態様で動作させる。
7.本形態の効果等
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1は、レール410を構成する金属レール部材480を有する。金属レール部材480は、遊技領域3に係る上レール420Uの位置に、遊技盤2に固定するための第2金属レール取付部486を有している。そして、第2金属レール取付部486は、遊技領域3の外側に位置している。よって、金属レール部材480の第2金属レール取付部486によって美観を損なうことがない、興趣性の高いパチンコ遊技機1が実現されている。
また、金属レール部材480は、第2金属レール取付部486とは別の位置に、第1金属レール取付部485を有している。そして、第2金属レール取付部486は、金属レール部材480に沿った経路における第1金属レール取付部485から遠ざかる向きの付勢力が付与されつつ、固定されている。これにより、金属レール部材480の金属レール部481における弛みが抑制可能である。金属レール部481に弛みが生じていた場合には、金属レール部481に接触した後の遊技球の挙動が安定せず、遊技者は、遊技球を思い通りにコントロールできないというストレスを感じてしまうおそれがある。しかし、金属レール部481における弛みを抑制することで、このようなストレスを解消することが可能である。
また、金属レール部材480は、レール410のうち、外レール415に設けられている。このため、発射され、外レール415に沿って移動する遊技球の挙動を安定させることが可能である。すなわち、発射された遊技球の挙動を制御できないという遊技者のストレスが低減されているため、興趣性が高く維持可能である。
また、金属レール部材480は、外レール415の外誘導レール432の位置に第1金属レール取付部485を、上レール420Uの位置に第2金属レール取付部486を有している。これにより、外レール415の外誘導レール432から上レール420Uまでの間において、接触した遊技球の挙動を安定させることが可能であり、遊技者は、遊技領域3における狙い通りの位置に正確に遊技球をコントロールすることが可能である。
また、金属レール部材480の第2金属レール取付部486は、第1ターン部487と第2ターン部488とを有している。第1ターン部487は、第2金属レール端部484にて、金属レール部材480が遊技領域3から遠ざかる向きに折れ曲ることで形成されている。第2ターン部488は、第1ターン部487の遊技領域3から遠い端部にて、金属レール部材480がさらに折れ曲ることで形成されている。その第2ターン部488の第1ターン部487からの折れ曲がりの向きは、金属レール部481に沿った経路における第1金属レール取付部485の側である。また、金属レール部材480の第2金属レール取付部486を固定する固定部材490は、第1凸部492と第2凸部493とを有している。第1凸部492は、第1ターン部487の、金属レール部481に沿った経路における第1金属レール取付部485に近づく向きへの移動を規制している。第2凸部493は、第2金属レール取付部486の第2ターン部488の、遊技領域3から遠ざかる向きへの移動を規制している。そして、このような取付構造により、金属レール部481に弛みが生じてしまうことが適切に抑制されている。さらに、このような取付構造では、可視光を透過不可能な金属レール部481の第2金属レール取付部486の、遊技盤2の遊技盤面2aと平行な面における面積が小さくされている。従って、金属レール部481の第2金属レール取付部486によって美観が損なわれてしまうことが抑制可能である。
また、外レール415は、金属レール部材480によって構成されている金属区間415Mと、可視光を透過可能な樹脂により構成された前方カバー440の前方カバーレール443よりなる樹脂区間415Pとを有している。これら金属区間415Mと樹脂区間415Pとは、境界位置418にて隣接している。そして、樹脂区間415Pにおける前方カバーレール443は、可視光を透過可能であることにより目立ちにくいものであるため、美観の向上が可能である。なお、目立ちにくい樹脂区間415Pを設けたとしても、境界位置418が目立ってしまうことは美観の観点から好ましくない。しかし、境界位置418における金属レール部材480の第2金属レール取付部486についても目立ちにくいものとなっている。
また、樹脂区間415Pの後方には、装飾部である第2画像表示装置7が設けられている。よって、樹脂区間415Pを通して第2画像表示装置7を適切に視認可能である。これにより。第2画像表示装置7の表示画面7aに表示される演出画像を用いた演出により、興趣性の向上を十分に図ることが可能である。なお、装飾部としては、第2画像表示装置7のような画像を表示するものに限らず、モチーフやロゴ、あるいはこれらの可動物等を用いることも可能である。
8.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。
例えば、上記形態では、金属区間415Mと樹脂区間415Pとの境界位置418を、遊技領域3の上レール420U上の位置としている。しかし、境界位置418は、誘導通路3Iに係る外誘導レール432上の位置としてもよい。ただし、遊技球との接触による損傷を適切に抑制する観点から、少なくとも外誘導レール432については、金属区間415Mとすることが好ましい。
また例えば、上記形態では、固定部材490を用いた取り付け構造を、金属レール部材480の一方の端部(第2金属レール端部484)に設けられた第2金属レール取付部486にのみ採用した例について説明している。しかし、例えば、金属レール部材480の他方の端部(第1金属レール端部483)に、固定部材490を用いた取り付け構造を採用してもよい。また例えば、金属レール部材480の両方の端部に、固定部材490を用いた取り付け構造を採用することも可能である。
また例えば、固定部材490の第1凸部492は、その蓋部491側の根本ほど、太くなっているクサビのような形状としてもよい。このような形状としておくことで、固定部材490の第1凸部492を金属レール固定部444へと挿入して、金属レール部材480の第2金属レール取付部486を固定する際に、金属レール固定部444に、より強い付勢力を付与することが可能である。すなわち、根本ほど太い第1凸部492は、金属レール固定部444の奥へと挿入されるほど、第2金属レール取付部486の第1ターン部487を強く押圧することとなる。このため、第2金属レール取付部486の固定状態において、金属レール部材480の金属レール部481が弛むことを、より抑制することが可能だからである。
また例えば、上記の形態では、第1画像表示装置6は、表示画面6aが、遊技盤面2aと平行な面、すなわち鉛直方向に起立した状態で設けられている。しかし、第1画像表示装置6についても、表示画面6aが鉛直方向に対して傾斜した状態で設けられていても良い。そのような例として、例えば、第1画像表示装置6を、その下方ほど前方に位置するように傾斜させることが考えられる。
また例えば、金属区間415Mや樹脂区間415Pは、上記形態で説明した位置とは異なるレール410の位置に設けてもよい。また例えば、第2画像表示装置7は、その少なくとも一部が、内レール部材470の内誘導レール431(内レール)の後方に位置するものであってもよい。
また例えば、金属区間415Mとしている箇所は、樹脂区間415Pよりも遮光性の高い材質により構成された区間であってもよい。樹脂区間415Pでは、その遮光性の高い材質により構成された区間よりも、後方に重なる第2画像表示装置7の視認性を高めることが可能だからである。
また例えば、上記の形態では、第2画像表示装置7が、第1画像表示装置6の上方に設けられている。しかし、第2画像表示装置7は、第1画像表示装置6の左方や右方、あるいは下方に設けられていても良い。また例えば、第2画像表示装置7は固定でなく、表示画面7aの角度を調整することが可能な可動物であってもよい。この場合、少なくとも可動範囲の一部に、本形態のような傾斜状態、すなわち、表示画面7aが、遊技盤面2aや第1画像表示装置6の表示画面6aに対して傾斜している状態があればよい。
また例えば、第1画像表示装置6をなくすとともに、なくした第1画像表示装置6の下端位置まで、第2画像表示装置7の下端を延長させたような構成であってもよい。あるいは、画像表示装置の数は、3つ以上あってもよい。また例えば、複数の画像表示装置を設け、そのいずれもが、遊技盤2の遊技盤面2aに対して傾斜するようにしてもよい。また例えば、複数の画像表示装置がいずれも、鉛直面に対して傾斜するようにしてもよい。
また例えば、第2画像表示装置7の外側領域7Oにおける側面と対向している対向部2Fは、遊技盤2の一部でなくてもよい。すなわち、遊技盤ユニット2Uを構成する部品であればよく、遊技盤2とは別部品であってもよい。このため、例えば、前方カバー440に、前方カバー面441から遊技盤面2aまで、前方カバー面441と略垂直方向に延び、第2画像表示装置7の外側領域7O(前方部分7F)における側面と対向する側面カバー部分を設けておいてもよい。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、いわゆるV確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記形態では、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定用情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。また、所謂1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
9.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈手段A〉
手段A1に係る発明は、
遊技盤(遊技盤2)の遊技盤面(遊技盤面2a)に突設されたレール(レール410)により囲われて形成される遊技領域(遊技領域3)を備え、
少なくとも一部が前記レールの後方に位置する装飾部(第2画像表示装置7)を有することを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2006−141793号公報においては、演出表示装置や装飾部材がいずれも、遊技領域内の一部にのみ設けられている。つまり、従来においては、遊技盤の後方側に演出に活用可能な空間が存在しているにも関わらず、その空間を十分に活用した演出が行われているとはいえなかった。これに対し、本構成の遊技機によれば、遊技領域の縁までおよぶ装飾部を有することで、遊技盤の後方の空間を有効に活用した装飾、あるいは演出が可能である。すなわち、遊技盤の後方側の空間が十分に活用した演出が行われていないという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。これにより、興趣性を高くすることが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
前記装飾部は、前記レールの後方に位置している部分が前記遊技盤の後方に位置しており、
前記遊技盤は、前記遊技盤面を透過して前記装飾部の少なくとも一部を視認可能とする透過領域を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者に、遊技盤の透過領域を透過して、装飾部を適切に視認させることが可能である。よって、装飾部による興趣性の向上効果が発揮可能である。遊技盤の透過領域は、装飾部の少なくとも一部が視認可能であればよく、当然、すべてを視認可能とするものであってもよい。そのため、例えば、遊技盤の全体を、可視光を透過可能な材質を主な構成材料として構成してもよい。
手段A3に係る発明は、
手段A1または手段A2に記載の遊技機であって、
前記レールは、
可視光を透過可能な透過可能区間(樹脂区間415P)と、
前記透過可能区間よりも遮光性が高い遮光可能区間(金属区間415M)と、を有するとともに、
前記透過可能区間の少なくとも一部に、後方に前記装飾部が重なる透過可能装飾区間(樹脂区間415Pと装飾区間415Dとが重なる区間)を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、レールの透過可能装飾区間において、遊技者に、装飾部を適切に視認させることが可能である。よって、装飾部による興趣性の向上効果が発揮可能である。なお、本構成の遊技機には、当然、遮光可能区間が全く可視光を透過しないものも含まれる。
手段A4に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機であって、
前記透過可能装飾区間は、少なくとも一部が前記透過領域に重なっていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技盤の透過領域とレールの透過可能装飾区間とが重なっている箇所では、遊技者に、装飾部をより適切に視認させることが可能である。よって、装飾部による興趣性の向上効果が十分に発揮可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A3または手段4に記載の遊技機であって、
前記レールは、外レール(外レール415)と、前記外レールよりも内側に配置されている内レール(内誘導レール431)と、を有し、
前記外レールは、
前記遮光可能区間と、前記透過可能装飾区間と、を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、内レールよりも外側に位置する外レールにまでおよぶ装飾部を適切に視認させることが可能である。つまり、遊技盤の後方側の空間をより活用した装飾部により、さらなる興趣性の向上が可能である。
手段A6に係る発明は、
手段A5に記載の遊技機であって、
前記遮光可能区間は、金属により構成されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技球との接触頻度が高くなりがちな外レールに、損傷しにくい金属により構成されている遮光可能区間が設けられていることで、外レールの損傷等を抑制可能である。
手段A7に係る発明は、
手段A6に記載の遊技機であって、
前記外レールは、
前記内レールと対向する部分であり、前記内レールとともに、発射された遊技球を前記遊技領域の上部に設けられた誘導口(誘導口3M)まで誘導する誘導通路(誘導通路3I)を形成する誘導レール部と、
前記遊技領域の上面をなす上レール部(上レール420U)と、を有し、
前記透過可能装飾区間は、前記上レール部に位置する区間であり、
前記遮光可能区間は、前記誘導レール部に位置する第1の端(第1外レール端416)から、前記上レール部に位置する第2の端(境界位置418)まで延びる区間であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、外レールにおける、遊技球との接触頻度が高くなりがちであり、接触する遊技球の速度も速い傾向にある区間が金属により構成された遮光可能区間となっているため、外レールの損傷等をより適切に抑制可能である。また、遮光可能区間よりも遊技球との接触頻度が低くなりがちであり、接触する遊技球の速度も遅い傾向にある区間、すなわち、強度が低くても損傷等の生じにくい区間を透過可能区間とすることが可能である。つまり、外レールの損傷等を適切に抑制可能な構成としつつ、透過可能区間の透過可能装飾区間では、遊技者に装飾部を適切に視認させることが可能であり、装飾部による興趣性の向上効果が発揮可能である。
手段A8に係る発明は、
手段A7に記載の遊技機であって、
前記第2の端は、前記上レール部のうち、前記遊技領域における中央位置よりも前記誘導口側の位置であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、装飾部の一般的な配置、すなわち、左右方向について、装飾部の中央を遊技領域の中央付近に合わせた配置において、装飾部の視認性を十分に確保することが可能である。
手段A9に係る発明は、
手段A7に記載の遊技機であって、
前記遊技領域は、
前記誘導通路側の第1の遊技領域(左遊技領域3A)と、
前記第1の遊技領域よりも前記誘導通路から遠い第2の遊技領域(右遊技領域3B)と、を有し、
前記第2の端は、前記上レール部のうち、前記第1の遊技領域に流下する遊技球が離間する位置よりも、前記誘導口から遠い位置であることを特徴とする遊技機である。
このような構成は、特に、遊技球を第1の遊技領域へと進入させる頻度が高くなりがちな遊技機(例えば、電源投入後の遊技状態が、遊技球を第1の遊技領域へと進入させた方が、第2の遊技領域に進入させるよりも有利に遊技を進行できる遊技状態であるもの等)において、外レールの損傷等を適切に抑制可能である。遊技球との接触頻度が高くなりがちであり、接触する遊技球の速度も速い傾向にある区間が金属により構成された遮光可能区間となっているからである。さらに、遊技球との接触頻度も低くなりがちであり、遊技球が減速した後に接触する傾向のある損傷等の生じにくい区間については、後方の視認性の高い透過可能区間とすることで、装飾部を遊技者に適切に視認させることが可能である。
手段A10に係る発明は、
手段A6から手段A9までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記遮光可能区間と前記透過可能区間との端部同士が合わさる境界部(境界位置418)では、前記遮光可能区間の端部の方が、前記透過可能区間の端部よりも前記遊技領域側へ出っ張ることで、段差が形成されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、境界部における、金属により構成された遮光可能区間よりも強度の低い透過可能区間の端部への遊技球の衝突を抑制することが可能である。これにより、透過可能区間の損傷を抑制可能である。よって、レールの破損による遊技機の美観の低下等を長期に渡って抑制可能である。
手段A11に係る発明は、
手段A3から手段A10までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記透過可能装飾区間は、前記遮光可能区間が後方の前記装飾部と重なる遮光可能装飾区間(金属区間415Mと装飾区間415Dとが重なる区間)よりも長いことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、装飾部と重なる遮光可能区間が短く、装飾部と重なる透過可能装飾区間が長いことで、装飾部の視認性を高く保つことが可能である。なお、本構成の遊技機には、当然、遮光可能区間が全く装飾部に重ならない場合も含まれる。
手段A12に係る発明は、
遊技盤(遊技盤2)の遊技盤面(遊技盤面2a)に突設されたレール(レール410)により囲われて形成される遊技領域(遊技領域3)を備え、
前記レールが、外レール(外レール415)と、前記外レールよりも内側に配置されている内レール(内誘導レール431)と、を有する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
少なくとも一部が前記外レールの後方に位置する装飾部(第2画像表示装置7)を有し、
前記外レールは、
金属により構成されている金属区間(金属区間415M)と、
発射後に前記外レールに沿って移動する遊技球の進行方向について前記金属区間の下流に位置し、可視光を透過可能な樹脂により構成されている樹脂区間(樹脂区間415P)と、を有するとともに、
前記樹脂区間の少なくとも一部に、後方に前記装飾部が重なるものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、外レール、すなわち遊技領域の縁までおよぶ装飾部を有することで、遊技盤の後方の空間を有効に活用した装飾、あるいは演出が可能である。このため、興趣性を高くすることが可能である。また、内レールよりも、遊技球との接触頻度が高くなりがちであり、接触する遊技球の速度も速い傾向にある外レールに金属区間を設けることで、外レールの損傷等を抑制可能である。さらに、外レールのうち、遊技球との接触頻度が高くなりがちであり、接触する遊技球の速度も速い傾向にある区間に金属区間を設けることで、外レールの損傷等を適切に抑制可能である。また、外レールの樹脂区間では、遊技者に装飾部を適切に視認させることが可能であり、装飾部による興趣性の向上効果が適切に発揮可能である。
〈手段B〉
手段B1に係る発明は、
遊技盤(遊技盤2)の遊技盤面(遊技盤面2a)に突設されたレール(レール410)により囲われて形成される遊技領域(遊技領域3)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記レールは、金属よりなる帯状のレール部材(金属レール部材480)を有し、
前記レール部材は、前記遊技領域の縁を構成している箇所(第2金属レール端部484)に、前記遊技盤に固定するための縁取付部(第2金属レール取付部486)を有し、
前記縁取付部は、前記遊技領域の外側に位置していることを特徴とする遊技機である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2003−180980号公報においては、遊技領域の縁に位置するレール部材の取付部は、遊技領域の内側に向けて折り曲げられることで形成されている。このため、従来においては、遊技領域の縁に位置するレール部材の取付部が、遊技者の目に付きやすく、美観を損ねてしまっていた。これに対し、本構成の遊技機によれば、レール部材の縁取付部を、遊技者が注視しがちな遊技領域を避け、遊技領域の外側に設けている。このため、レール部材の縁取付部により美観が損なわれることがない。そして、当然、パチンコ遊技機の美観は、その興趣性を大きく左右するものである。このため、本構成の遊技機によれば、美観が損なわれてしまっていたという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能であり、従来よりも興趣性を高めることが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記レール部材は、前記縁取付部とは別の位置(第1金属レール端部483)に、前記遊技盤に固定するための別取付部(第1金属レール取付部485)を有し、
前記縁取付部および前記別取付部の少なくとも一方は、
前記レール部材に沿った経路における他方から遠ざかる向きの付勢力が付与されつつ、固定されている被付勢取付部であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、レール部材の弛みを抑制可能である。例えば、レール部材に弛みが生じていた場合には、接触した遊技球のその後の挙動が安定せず、遊技者による遊技球のコントロールを阻害してしまうおそれがある。つまり、レール部材に弛みが生じていた場合には、興趣性が低下してしまう。これに対し、レール部材に弛みがない場合には、接触した遊技球のその後の挙動を安定させることができ、遊技者は、遊技球を正確にコントロールすることが可能である。よって、遊技者が遊技球をコントロールできないことによるストレスを低減し、興趣性を高く維持することが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機であって、
前記レールは、外レール(外レール415)と、前記外レールよりも内側に配置されている内レール(内誘導レール431)と、を有し、
前記レール部材は、前記外レールを構成しているものであることを特徴とする遊技機である。
遊技球は、一般的に、外レールに沿って発射される。よって、この構成の遊技機によれば、外レールの弛みを抑制可能であることで、発射された遊技球の挙動を安定させることが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B3に記載の遊技機であって、
前記外レールは、
前記内レールと対向する部分であり、前記内レールとともに、発射された遊技球を前記遊技領域の上部に設けられた誘導口(誘導口3M)まで誘導する誘導通路(誘導通路3I)を形成する誘導レール部(外誘導レール432)と、
前記遊技領域の上部の縁を構成している上レール部(上レール420U)と、を有し、
前記レール部材は、前記誘導レール部に対応する箇所に前記別取付部を、前記上レール部に対応する箇所に前記縁取付部を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、外レールの誘導レール部から上レール部までの間において、接触した遊技球の挙動を安定させることが可能であることで、遊技者は、遊技領域における狙い通りの位置に正確に遊技球をコントロールすることが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B3または 手段B4に記載の遊技機であって、
前記被付勢取付部は、前記レール部材の端部(第2金属レール端部484)に設けられており、
前記遊技領域から遠ざかる向きに折れ曲がることで形成された第1のターン部(第1ターン部487)と、
前記第1のターン部の前記遊技領域から遠い端より、前記レール部材に沿った経路における前記他方の側に折れ曲がることで形成された第2のターン部(第2ターン部488)と、を有し、
前記被付勢取付部を固定する固定部(固定部材490)は、
前記第1のターン部の、前記レール部材に沿った経路における前記他方に近づく向きの移動を規制する第1の規制部(第1凸部492)と、
前記第2のターン部の、前記遊技領域から遠ざかる向きの移動を規制する第2の規制部(第2凸部493)と、を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、被付勢取付部に適切な付勢力を発生させつつ、被付勢取付部を固定可能である。つまり、レール部の弛みを適切に抑制可能である。さらに、被付勢取付部の遊技盤面と平行な面における面積を小さくすることが可能であり、被付勢取付部を目立ちにくくすることが可能である。つまり、美観を損なわれてしまうことを抑制可能であるため、興趣性の低下を抑制可能である。
手段B6に係る発明は、
手段B5に記載の遊技機であって、
前記縁取付部は、前記被付勢取付部であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技領域に近い縁取付部を目立ちにくくすることで、美観が損なわれてしまうことを適切に抑制可能である。よって、興趣性の低下を抑制可能である。
手段B7に係る発明は、
手段B6に記載の遊技機であって、
前記外レールは、
前記レール部材の前記縁取付部に隣接し、可視光を透過可能な材質により構成されている透過可能レール部(前方カバーレール443)を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、透過可能レール部により、外レールに、レール部材よりも目立たない区間を設け、美観の向上を図ることが可能である。ただし、目立ちにくい透過可能レール部を設けたとしても、レール部材と透過可能レール部との境目が目立ってしまうことは、美観向上の観点から好ましくない。これに対し、縁取付部が目立ちにくい構成であることで、レール部材と透過可能レール部との境目が目立ってしまうことを抑制可能であり、美観の向上を図ることが十分に可能である。
手段B8に係る発明は、
手段B7に記載の遊技機であって、
少なくとも一部が前記遊技盤の後方に設けられた装飾部(第2画像表示装置7)を有し、
前記装飾部は、前記遊技盤の後方に位置する少なくとも一部が前記透過可能レール部の後方に位置することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、透過可能レール部の箇所を透過して、その後方の装飾部を視認可能であるため、装飾部による美観の向上に伴う興趣性の向上、または、装飾部を用いた演出による興趣性の向上を図ることが可能である。
手段B9に係る発明は、
遊技盤(遊技盤2)の遊技盤面(遊技盤面2a)に突設されたレール(レール410)により囲われて形成される遊技領域(遊技領域3)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記レールは、
金属よりなる帯状のレール部材(金属レール部材480)により構成された金属区間(金属区間415M)と、
前記レール部材の一方の端(第2金属レール端部484)に隣接して設けられ、可視光を透過可能な樹脂により構成された樹脂区間(樹脂区間415P)と、を有するとともに、
前記金属区間と前記樹脂区間との境界位置(境界位置418)が、前記遊技領域の縁(上レール420U)に位置しており、
前記レール部材は、前記遊技盤に固定するための取付部として、
前記一方の端に設けられ、前記遊技領域の外側に位置する縁取付部(第2金属レール取付部486)と、
前記一方の端とは反対の他方の端(第1金属レール端部483)に設けられた他方取付部(第1金属レール取付部485)と、を有し、
前記縁取付部は、前記樹脂区間へ向かう向きの付勢力が付与されつつ、固定されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、レール部材の縁取付部を、遊技者が注視しがちな遊技領域を避け、遊技領域の外側に設けている。このため、レール部材の縁取付部により美観が損なわれることがない。よって、興趣性の高いものとすることが可能である。さらには、レール部の弛みを抑制可能である。例えば、レール部に弛みが生じていた場合には、接触した遊技球のその後の挙動が安定せず、遊技者による遊技球のコントロールを阻害してしまうおそれがある。つまり、レール部に弛みが生じていた場合には、興趣性が低下してしまう。これに対し、レール部に弛みがない場合には、接触した遊技球のその後の挙動を安定させることができ、遊技者は、遊技球を正確にコントロールすることが可能である。よって、遊技者が遊技球をコントロールできないことによるストレスを低減し、興趣性を高く維持することが可能である。加えて樹脂区間により、レールに、レール部材よりも目立たない区間を設け、美観の向上を図ることが可能である。
〈手段C〉
手段C1に係る発明は、
遊技盤(遊技盤2)の遊技盤面(遊技盤面2a)に突設されたレール(レール410)により囲われて形成される遊技領域(遊技領域3)を備え、
所定の画像を表示画面(表示画面7a)に表示可能な画像表示装置(第2画像表示装置7)を有する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記画像表示装置は、前記遊技領域の外側の領域と重なる外側領域(外側領域7O)を有するものであることを特徴とする遊技機である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2006−141793号公報においては、画像表示装置が、遊技領域内に収まる程度で設けられている。このため、従来においては、画像表示装置の表示画面による演出が迫力に欠けるなど、画像表示装置の表示画面を用いた演出に限界があった。これに対し、本構成の遊技機によれば、遊技領域の外側に演出画像を表示することで、迫力のある演出画像を用いた演出が可能である。すなわち、画像表示装置の表示画面による演出が迫力に欠けるなど、画像表示装置の表示画面を用いた演出に限界があったという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。これにより、興趣性の向上を図ることが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機であって、
前記画像表示装置は、
前記表示画面が前記遊技盤面に対して交差する面に沿って設けられているとともに、
前記外側領域に、前記遊技盤面よりも前方に位置する前方部分(前方部分7F)を有するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、画像表示装置の前方部分によって、遊技者に近い位置で演出画像を表示可能である。つまり、迫力のある、興趣性の高い演出が可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機であって、
前記画像表示装置は、前記遊技領域と重なる内側領域(内側領域7I)を有するものであることを特徴とする遊技機である。
遊技者は、演出を楽しみつつも、遊技球が流下する遊技領域を注視しがちである。このため、遊技領域から離れすぎている画像表示装置では、遊技者の視線を十分に引き付けることができないおそれがある。これに対し、本構成の遊技機によれば、遊技領域を注視しがちな遊技者も、無理なく自然に画像表示装置を用いた演出画像を楽しむことが可能である。
手段C4に係る発明は、
手段C2または手段C3に記載の遊技機であって、
前記遊技盤は、前記遊技盤面を透過して前記画像表示装置の少なくとも一部を視認可能とする透過領域を有することを特徴とする遊技機遊技機である。
この構成の遊技機によれば、画像形成装置に遊技盤の後方と重なる部分があるときにも、遊技者に画像形成装置を適切に視認させることが可能である。よって、画像表示装置による興趣性の向上効果が十分に発揮可能である。遊技盤の透過領域は、画像表示装置の少なくとも一部が視認可能であればよく、当然、すべてを視認可能とするものであってもよい。そのため、例えば、遊技盤の全体を、可視光を透過可能な材質を主な構成材料として構成してもよい。
手段C5に係る発明は、
手段C2から手段C4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技盤、前記画像表示装置を含む遊技盤ユニット(遊技盤ユニット2U)を備え、
前記遊技盤ユニットは、
前記前方部分の前方にカバー面(前方カバー面441)を備えるカバー部(前方カバー440)を有し、
前記カバー部は、前記カバー面を透過して前記画像表示装置の少なくとも一部を視認可能とする透過カバー領域を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技盤ユニットにおいて、カバー面を画像表示装置の保護部材として機能させることが可能である。つまり、カバー面によって画像表示装置の破損を抑制可能である。さらに、遊技者には、カバー面越しに、違和感なく画像表示装置を視認させることが可能である。よって、興趣性を高く維持可能である。また、カバー部の透過カバー領域は、画像表示装置の少なくとも一部が視認可能であればよく、当然、すべてを視認可能とするものであってもよい。そのため、例えば、カバー面の全体、あるいはカバー部の全体を、可視光を透過可能な材質を主な構成材料として構成してもよい。
手段C6に係る発明は、
手段C5に記載の遊技機であって、
前記遊技盤ユニットが取り付けられる基枠部(外枠51及び内枠52)と、
前記基枠部の前方側に前記基枠部に対して回転可能に設けられていることで、前記遊技盤ユニットを外部の空間から区画する閉状態および前記遊技盤ユニットの少なくとも一部を外部に開放する開状態をとることが可能な前枠部(前枠53)と、を備え、
前記遊技盤ユニットは、
前記遊技領域を囲うように設けられ、前記閉状態の前記前枠部の後方側の面に接触することで、その位置で不正器具の進入を阻止する進入阻止部材(進入阻止部材411)を有し、
前記進入阻止部材は、
前記カバー面の箇所に設けられ、前記遊技領域から離間している離間区間(離間区間411B)と、
前記カバー面以外の箇所に設けられ、前記離間区間よりも前記遊技領域との距離が近い近接区間(沿線区間411A)とを有するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、進入阻止部材により、不正を抑制可能である。また、カバー面の箇所の進入阻止部材に離間区間が設けられていることで進入阻止部材によって画像表示装置の外側領域の視認性が妨げられてしまうことを抑制可能である。よって、画像表示装置による演出の興趣性が低下してしまうことを抑制可能である。
手段C7に係る発明は、
手段C6に記載の遊技機であって、
前記近接区間は、前記レールに沿って設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技領域を囲うレールに沿って設けられた近接区間において、不正器具の遊技領域への進入を確実に抑制可能である。
手段C8に係る発明は、
手段C6または手段C7に記載の遊技機であって、
前記離間区間は、前記カバー面上にて、前記画像表示装置の前記表示画面を迂回するように設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、画像表示装置の表示画面を迂回している離間区間により、画像表示装置の表示画面の視認性の低下を確実に抑制可能である。
手段C9に係る発明は、
手段C5から手段C8までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技盤ユニットは、前記画像表示装置の前記外側領域における側面と対向して設けられた対向部を有するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技盤ユニットにおいて、対向部を画像表示装置の保護部材として機能させることが可能である。つまり、対向部によって画像表示装置の破損を抑制可能である。
手段C10に係る発明は、
手段C5から手段C9までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技盤ユニットは、
前記画像表示装置を第1の画像表示装置とし、
前記第1の画像表示装置の他にも、前記遊技盤の後方に設けられた第2の画像表示装置(第1画像表示装置6)を有し、
前記第2の画像表示装置は、
所定の画像を表示する表示画面(表示画面6a)が、前記第1の画像表示装置の前記表示画面と交差する面に沿って設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、表示画面が互いに交差する面に沿って設けられた第1の画像表示装置および第2の画像表示装置により、奥行きのある演出画像を表示可能である。つまり、迫力のある演出画像を用いた興趣性の高い演出が可能である。
手段C9に係る発明は、
遊技盤(遊技盤2)の遊技盤面(遊技盤面2a)に突設されたレール(レール410)により囲われて形成される遊技領域(遊技領域3)を備え、
所定の画像を表示画面(表示画面7a)に表示可能な画像表示装置(第2画像表示装置7)を有する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記画像表示装置は、
前記遊技領域の外側の領域と重なる外側領域(外側領域7O)を有し、
前記表示画面の前記遊技領域から遠い部分ほど前方に位置するように鉛直面に対して傾斜して設けられているとともに、
前記遊技盤面よりも前方に位置する前方部分(前方部分7F)を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、表示画面が鉛直面に対して傾斜している画像表示装置によって鉛直面に対して傾斜した演出画像を表示することで、新たな興趣を提供可能である。また、画像表示装置の外側領域によって、遊技領域の縁よりも外側にまでおよぶとともに、より遊技者に近い位置までおよぶ演出画像を表示可能である。従って、画像表示装置により、迫力のある演出画像を表示可能である。