1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、当該パチンコ遊技機1の外郭を構成する遊技機枠50と、遊技機枠50の内部に取付けられた遊技盤2(図7参照)と、を備えている。遊技機枠50は、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠51は、遊技機枠50の外郭を構成する縦長方形状の枠体である。内枠52は、外枠51の内側に配置されていて、遊技盤2を取付ける縦長方形状の枠体である。前枠53は、内枠52の前方側に配置されていて、遊技盤2を保護する縦長方形状のものである。なお外枠51の下端の前面側には、左右方向に長い長方形状の幕板51aが配されている。本形態では、外枠51及び内枠52が遊技機枠50の「基枠部」に相当し、前枠53が遊技機枠50の「前枠部」に相当する。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えている。図2に示すように、ヒンジ部54により、前枠53は外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。前枠53の中央には窓枠開口部53a(窓部)が形成されていて、この窓枠開口部53aに透明のガラス板55が取付けられる。これにより遊技者は、ガラス板55を通して、後述する遊技領域3を視認できるようになっている。そして、前枠53は、内枠52に対して閉じられた閉状態において、遊技盤2を外部の空間から区画することができる。一方、前枠53は、閉状態から、内枠52に対して開いた開状態へと回転されることで、少なくとも遊技盤2の遊技盤面2aを外部の空間に開放することができる。
前枠53は、図2に示すように、後方側にベース枠56を備えている。また、本形態のパチンコ遊技機1について、図3に正面図が示され、図4に右側面図が示され、図5に平面図が示されている。前枠53は、図3に示すように、前方側に上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とを備えている。ベース枠56は、前面側で上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とを着脱可能に取付ける枠体である。ベース枠56の上側の左右にはスピーカ67(図16参照)が設けられていて、ベース枠56のうち下側の左方には、遊技媒体である遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61が設けられている。またベース枠56の下端の内部には遊技球を後述する遊技領域3へ打ち出すための打球発射機構57が設けられている。
上側装飾部(上部装飾部)200は、遊技機枠50(前枠53)の上部を装飾するものである。上側装飾部200は、図3に示すように、左右方向の中央に可動体ユニット201を備え、左右両側に発光ユニット202L,202Rを備えている。可動体ユニット201は、所定の動作が可能な枠可動体205(図16参照)を有するユニットであり、前後方向に長いものである。発光ユニット202L,202Rは、内部にて回転発光体(図示省略)を回転可能に組付けるユニットであり、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態でベース枠56に取付けられている(図2参照)。
この上側装飾部200(可動体ユニット201)は、図4に示すように、ベース枠56に取付けられている他のどの部分(左側装飾部210,右側装飾部220,操作機構部230)よりも、前方に突出している。例えば、上側装飾部200の前面から外枠51の幕板51aの前面までの距離L1(P1からP2までの水平方向における距離)は操作機構部230の前面から外枠51の幕板51aの前面までの距離L2(P3からP2までの水平方向における距離)の2倍以上である。これにより、上側装飾部200による前方への突出が非常に強調されていて、従来の遊技機枠に比べて大きなインパクトを与えることが可能である。
左側装飾部210は、遊技機枠50(前枠53)の左部を装飾するものである。本形態の左側装飾部210は、図3に示すように、左側第1装飾部211、左側第2装飾部212、左側第3装飾部213を有している。右側装飾部220は、遊技機枠50の右部を装飾するものである。左側装飾部210および右側装飾部220は、パチンコ遊技機1の前面側に位置するとともに、それぞれ窓枠開口部53aの左右方向における外側に位置している前面側部である。そして、左側装飾部210は窓枠開口部53aの左辺に沿って、右側装飾部220は窓枠開口部53aの右辺に沿って、それぞれ上下方向に延びている。なお、左側装飾部210および右側装飾部220はともに、ガラス板55の前面よりも前方へと突出している。
右側装飾部220は、剣役物ユニット221を備えている。剣役物ユニット221には、剣の形を模した剣役物222が押込操作可能に設けられている。これにより遊技の進行に伴って実行される演出時に、遊技者に対して剣役物222への押込操作が促されるようになっている。
操作機構部230は、遊技や演出を進行するための操作機構を備えるものであり、パチンコ遊技機1の前面側に設けられている。操作機構部230は、図1に示すように、右側の下部に回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60を備えている。また、上方に開口し、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61を備えている。さらに、ハンドル60よりも左方に打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62を備えている。また操作機構部230のうち打球供給皿61よりもさらに前方には、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が操作し得る演出ボタン63や十字キー68が設けられている。
また、図3及び図4に示すように、遊技場の島設備において鉛直方向に起立した垂直壁面SHのうちパチンコ遊技機1の上方には、データカウンタ160が配されている。データカウンタ160は、垂直壁面SHに固定されている固定部材161と、この固定部材161に対して前傾姿勢になるように傾動可能に取付けられているデータ表示装置162とを備えている。
データ表示装置162は、後述する大当たり遊技状態の発生回数や高確率状態の発生回数等を表示する略直方体形状のものである。またデータ表示装置162は、遊技者がホールの従業員を呼ぶための呼び出しボタン等を有している。このデータカウンタ160では、垂直壁面SHに対するデータ表示装置162の前傾角度θを15度から25度まで可変できるようになっている。なお、図4では、データ表示装置162の前傾角度θが最大の25度になっている状態が示されている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、図6に示すように、遊技機枠50のうち上側装飾部200の後方の下側に、左右一対の左側スピーカ67L及び右側スピーカ67Rが設けられている。左側スピーカ67Lの軸中心ZLは遊技者の左耳に、右側スピーカ67Rの軸中心ZRは遊技者の右耳に向かうようになっている。また上側装飾部200、左側装飾部210、右側装飾部220、及び操作機構部230には、様々な発光色で発光可能な枠ランプ66(図16参照)が多数設けられている。
次に、図7を参照して遊技盤2について説明する。遊技盤2は、板状の部材であり、その後方に配されている裏ユニット(各種制御基板、第1画像表示装置6、第2画像表示装置7、盤可動体15等)と一体化され、これらとともに遊技盤ユニット2Uを構成している。遊技盤ユニット2Uには、様々な発光色で発光可能な盤ランプ5(図16参照)が多数設けられている。また、遊技盤2は、可視光を透過可能な材料を主な構成材料として構成されたものである。このような遊技盤2の構成材料として、例えば、アクリル等の光透過性樹脂が挙げられる。
また、図7に示すように、遊技盤2の前面側には、鉛直方向に起立した遊技盤面2aが形成されている。この遊技盤面2aの前方に、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。
遊技盤2の遊技盤面2aには、遊技球を誘導する複数の遊技釘(図示省略)が突設されている。また遊技盤2よりも後方には、液晶表示装置である第1画像表示装置(第1表示手段,第1表示装置)6が配されている。第1画像表示装置6は、鉛直方向に起立した状態で固定されている。
第1画像表示装置6の表示画面6aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した装飾図柄(演出図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う装飾図柄表示領域がある。装飾図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。装飾図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。第1画像表示装置6は、左、中、右の装飾図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図10参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で装飾図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「263」などのバラケ目で装飾図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、第1画像表示装置6にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、装飾図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような装飾図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
第1画像表示装置6は、上記のような装飾図柄を用いた装飾図柄変動演出(「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面6aに表示する。なお装飾図柄変動演出では、数字等の装飾図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの装飾図柄以外の演出画像も表示される。
また第1画像表示装置6の表示画面6aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリア9aと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリア9bとがある。演出保留画像9A,9Bの表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図10参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43b(図10参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1には、図7に示すように、第1画像表示装置6よりも上方に第2画像表示装置(第2表示手段,第2表示装置)7が設けられている。第2画像表示装置7の表示画面7aでは、第1画像表示装置6の表示画面6aで実行される装飾図柄変動演出、大当たり演出、客待ち用のデモ演出などに合わせて、背景画像やキャラクタ画像など様々な演出画像が表示されるようになっている。
この第2画像表示装置7は、図8の断面図に示すように、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態で固定されている。そして、第2画像表示装置7の表示画面7aの上部7bは、遊技盤2の遊技盤面2aよりも前方に飛び出ている。これにより遊技者には、より近い位置で表示画面7aの上部7bを見せることが可能である。更に、第2画像表示装置7の表示画面7aの上部7bは、図7に示すように、遊技領域3の上端よりも上方に飛び出ている。これにより遊技者には、遊技領域3の外側でも表示画面7aの上部7bを見せることが可能である。こうして本形態では、第1画像表示装置6の表示画面6aと第2画像表示装置7の表示画面7aとにより、斬新な表示画面が形成されていて、遊技者には広範囲且つ近い距離で演出画像を見せることが可能である。その結果、表示画面6a,7aで表示される演出画像のインパクトを高めることが可能である。
また、遊技盤ユニット2Uは、図8に示すように、遊技盤2の後方であって、第1画像表示装置6の表示画面6aの前方の空間に、盤可動体15を有している。盤可動体15は、これらを用いた演出が行われる際には、第1画像表示装置6や第2画像表示装置7の前方へと進出した進出状態をとり、それ以外の通常時には、第1画像表示装置6や第2画像表示装置7の前方から左右方向または上下方向に退いた退避状態をとる。つまり、盤可動体15は、前方からほとんど視認不可能な原点位置から、第1画像表示装置6の表示画面6aの中央の前方に現われる駆動位置に移動可能である。
また、本形態の盤可動体15は、前方に位置する第1盤可動体15Aと、後方に位置する第3盤可動体15Cと、これらの間に位置する第2盤可動体15Bとにより構成されている。つまり、遊技盤ユニット2Uでは、遊技盤2から第1画像表示装置6までの空間に、前後方向について、3層よりなる盤可動体15が設けられている。これら第1盤可動体15A、第2盤可動体15B、第3盤可動体15Cは、これらを駆動するための駆動モータによって駆動される。なお、駆動モータとして複数のものを用い、第1盤可動体15A、第2盤可動体15B、第3盤可動体15Cをそれぞれ独立したタイミングで駆動可能な構成であってもよい。
さらに、遊技盤ユニット2Uは、3層構造の盤可動体15に第1画像表示装置6を合わせると、前後方向について4層もの装飾部材を、遊技盤2の後方に有している。なお、本形態では、4層もの装飾部材が、前後方向について互いに重なり合うことが可能な状態で配置されている。よって、本形態のパチンコ遊技機1では、遊技盤ユニット2Uの装飾部である盤可動体15、第1画像表示装置6、第2画像表示装置7を用い、従来よりも多種多様な演出を行うことが可能である。
図7に示すように、遊技領域3の中央付近であって第1画像表示装置6の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左下方には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。
遊技領域3における第1画像表示装置6の下方には、第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20は、遊技球の入球し易さが常に変わらない入賞口である。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な入賞口である。なお本形態の第2始動口21は、上下方向且つ前後方向に延びる平面で形成される開口部分である。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選の契機となっている。
電チュー22は、前後方向に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図15参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が前方に進出しているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。つまり、可動部材23が前方に進出しているときには、流下する遊技球が可動部材23の上側に当接すると、左方へ誘導される。これにより、遊技球が第2始動口21に入球可能となる。
一方、第2始動口21は、後方に退避しているとき(つまり閉状態であるとき)には遊技球が入球不可能となる。つまり、可動部材23が後方に退避しているときには、流下する遊技球が可動部材23に当接しない。これにより、遊技球は第2始動口21に入球することなく、後述するアウト口16へ向かう。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときには開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態であるときに完全に入球不可能となるものでなくても良い。
また第1始動口20の右斜め上方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図15参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また第1大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また、ゲート28の右斜め上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図15参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図9(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。振分部材71は、左右方向に進退するものであり、右方に退避した退避状態(第1の状態)又は左方に進出した進出状態(第2の状態)をとる。
図9(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図9(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1の状態にある。振分部材71が第1の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図9(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図9(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2の状態にある。振分部材71が第2の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図7に戻り、遊技領域3の左下部や右下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下し得る流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、普通入賞口27と、第1始動口20と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は左打ちをすることで、第1始動口20への入賞を狙う。なお、第1流路R1を流下した遊技球が第2始動口21へ入賞することは、ほとんどないように構成されている。
一方、第2流路R2上には、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、普通入賞口27と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は右打ちをすることで、第2大入賞口35への入賞(特定領域39への通過)、ゲート28への通過、又は第1大入賞口30への入賞を狙う。
また図7に示すように、遊技盤2の左下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図10に示すように、第1特別図柄(第1識別図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2識別図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入賞情報に相当)は、特図保留記憶部85(図15参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図15参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図15参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており(図10参照)、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図10参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図15参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており(図10参照)、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
また、図11には、パチンコ遊技機1の左右方向における中央位置での断面図を示している。図11には、遊技機枠50および遊技盤ユニット2Uを示している。また、図11は、遊技機枠50の全てが閉じられた状態を示している。つまり、内枠52および前枠53は閉鎖状態であり、遊技盤2の遊技盤面2aは、パチンコ遊技機1の外部の空間から隔てられている。そして、前枠53の閉鎖状態においては、前枠53に取り付けられているガラス板55の後面55cと、遊技盤2の遊技盤面2aとの間に、遊技空間3Sが形成されている。遊技空間3Sは、遊技領域3に対応する空間であり、遊技球が流下することが可能な空間である。
そして、パチンコ遊技機1では、図11に示すように、前後方向について、ガラス板55の前面55bが、幕板51aの前面よりも前方に位置している。従来においては、ガラス板55は、その前面55bが幕板51aよりも後方に位置しており、遊技空間3Sが遊技者から遠くなっていた。これに対し、本形態のパチンコ遊技機1では、ガラス板55が、その前面55bが幕板51aの前面よりも前方に位置するほど、前方の位置に設けられていることで、従来よりも遊技者に近い位置に遊技空間3Sが配されている。このため、本形態のパチンコ遊技機1では、遊技者に、従来よりも近い位置で、遊技球の流下を視認させることが可能である。これにより、本形態では、遊技空間3Sを流下する遊技球の動きを、従来よりもダイナミックに感じさせることが可能となっている。なお、本形態では、ガラス板55を、従来よりも13mmだけ、前方へと移動させている。これにより、遊技空間3Sを、従来よりも13mmだけ、前方へと移動させている。
また、図11には、幕板51aの前面位置P2から、ガラス板55の前面55bまでの距離L3を示している。この距離L3については、5mm以上であることが好ましい。すなわち、幕板51aの前面位置P2よりもガラス板55の前面55bが5mm以上、前方に位置している場合には、遊技者に、流下する遊技球の動きを、十分にダイナミックに感じさせることが可能だからである。そして、本形態では、距離L3が、5mm以上の10mm程度となっている。よって、遊技者には、流下する遊技球の動きを十分にダイナミックに感じさせ、これによる興趣性の向上が図られている。
また、パチンコ遊技機1では、遊技空間3Sが前方に位置していることで、遊技盤2が従来のものよりも前方に配されている。ただし、遊技盤2の遊技盤面2aについては、前後方向について、幕板51aの前面よりも後方に位置している。遊技空間3Sが前方に位置するほど、遊技者に遊技球の動きをダイナミックに感じさせることができる一方、遊技盤2の遊技盤面2aが遊技者に近づくほど、遊技者は圧迫感を感じやすくなってしまう傾向にある。そこで、本形態では、遊技盤2の遊技盤面2aを、遊技者に近すぎてしまうことがないように、幕板51aよりも後方に位置するようにしている。これにより、遊技者が感じる圧迫感が軽減されるようになっている。なお、図11には、幕板51aの前面位置P2から、遊技盤2の遊技盤面2aまでの距離L4を示している。本形態において、距離L4は、28mm程度となっている。よって、遊技者が感じる圧迫感を、十分に低減できるようにされている。
さらに、遊技盤2は、前述したように、可視光を透過可能な材料を主な構成材料として構成されたものである。よって、遊技者には、遊技盤2が従来よりも近い位置にあるにも関わらず、それほど圧迫感を感じさせないようになっている。
また上記のように、本形態のパチンコ遊技機1では、遊技盤2が従来のものよりも前方に配されている。これにより、パチンコ遊技機1では、遊技盤2の後方に、従来よりも広い空間が確保されている。そして、本形態では、遊技盤2の後方に従来よりも広い十分な空間が確保されていることで、その空間に、互いに前後方向について重なり合うことが可能な4層もの装飾部材(第1盤可動体15A、第2盤可動体15B、第3盤可動体15C、第1画像表示装置6)を設けることが可能となっている。
また、本形態では、ガラス板55、遊技盤2が従来よりも前方に位置していることで、ガラス板55の前面55bや遊技盤面2aから、第1画像表示装置6の表示画面6aまでの距離が、従来よりも長いものとなっている。このような場合、遊技者は、第1画像表示装置6の表示画面6aを遠くに感じてしまいがちである。このため、第1画像表示装置6の表示画面6aだけでは、遊技者に、迫力のある演出画像を見せることができないおそれがある。
しかし、本形態では、第1画像表示装置6の表示画面6aの上方に、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態の第2画像表示装置7を設けている。これにより、第1画像表示装置6の表示画面6aと第2画像表示装置7の表示画面7aとが互いに、平行な面ではなく、交差する面に沿って設けられている。そして、互いに交差する面に沿って設けられている第1画像表示装置6の表示画面6aと第2画像表示装置7の表示画面7aとを併せて用いていることで、遊技者には、演出画像に奥行きを感じさせることが可能である。よって、遊技者に、奥行きのある、十分な迫力の演出画像を見せることが可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技場においては、図12に示す玉処理ユニット1000と合わせて使用することが可能なものである。玉処理ユニット1000は、パチンコ遊技機1への遊技球の供給、パチンコ遊技機1から排出された遊技球の回収、回収した遊技球の計数等の処理を行うことができるものであり、カードユニット135(図15参照)を内蔵している。
図12において、玉処理ユニット1000は、パチンコ遊技機1の左方の、遊技機枠50の左縁50Lに面して配されている。玉処理ユニット1000は、本体部分に、紙幣投入口1003、操作部1004、カード挿入排出口1005を備えている。また、玉処理ユニット1000は、本体部分から右側へと延びる供給ノズル1001、回収計数部1002を備えている。
紙幣投入口1003は、遊技者が、遊技球の貸し出しを受けるための紙幣を投入する箇所である。なお、紙幣に限らず、硬貨を投入するものであってもよく、紙幣および硬貨のどちらともを投入可能なものであってもよい。カード挿入排出口1005は、所定の情報が記録されているカードの挿入や排出が可能なものである。カードに記録されている情報は、例えば、遊技者が貸し出しを受けている遊技球の数や、紙幣投入口1003へと投入した金額のうち、まだ遊技球の貸し出しに使用していない残金などと対応する情報である。操作部1004は、例えば、遊技者が操作可能なボタンやタッチパネルにより構成されている。遊技者は、操作部1004の操作によって、遊技球の払い出し操作や、カードの暗証番号の入力等を行うことが可能である。
供給ノズル1001は、玉処理ユニット1000の本体部分より、パチンコ遊技機1の前方側に設けられている打球供給皿61の上方まで延びている。具体的に、供給ノズル1001は、図12に示すように、パチンコ遊技機1の左方に位置する本体部分より、パチンコ遊技機1の左側の前方部分を横切って、打球供給皿61の上方まで延びている。そして、供給ノズル1001は、例えば、遊技者が遊技球の払い出し操作を行った場合には、所定数の遊技球を、パチンコ遊技機1の打球供給皿61へと供給可能なものである。
回収計数部1002は、玉処理ユニット1000の本体部分より、パチンコ遊技機1の余剰球受皿62の下方まで延びている。また、回収計数部1002は、余剰球受皿62の下部に設けられた排出口62aに対応する箇所が開口しており、余剰球受皿62から排出口62aを通じて排出される遊技球を回収しつつ、その回収した遊技球の数を計数可能なものである。なお、回収計数部1002によって回収された遊技球は、玉処理ユニット1000の本体部分へと移動され、その後、供給ノズル1001よりパチンコ遊技機1の打球供給皿61へと供給可能になっている。
そして、本形態のパチンコ遊技機1は、前述したように、遊技空間3Sが従来よりも前方に位置しているにもかかわらず、玉処理ユニット1000を問題なく使用可能なものである。すなわち、遊技空間3Sを従来よりも前方に位置させた場合には、その遊技空間3Sを従来よりも前方へと移動させた距離だけ、遊技機枠50の前方部分の全てが前方へと延びるように構成されることが通常である。しかし、本形態では、遊技空間3Sを従来よりも前方に位置させているにも関わらず、幕板51aについては、従来通りの位置、または、遊技空間3Sを従来よりも前方へと移動させた距離よりも少ない距離だけしか移動させていない。
このように構成されていることで、パチンコ遊技機1では、その幕板51aの前方に、玉処理ユニット1000の回収計数部1002を設置可能な空間が十分に確保されている。よって、パチンコ遊技機1は、図11に二点鎖線で示すように、玉処理ユニット1000の回収計数部1002が、幕板51aに干渉することなく、適切に設置可能なものとなっている。さらに、回収計数部1002がないような場合で、パチンコ遊技機1の余剰球受皿62の排出口62aから排出される遊技球を玉箱により受けるような場合であっても、玉箱を適切に配置可能である。これにより、余剰球受皿62の排出口62aから排出される遊技球がこぼれてしまわないようにされている。
また、パチンコ遊技機1は、玉処理ユニット1000が配されている側に位置する、前枠53の左側装飾部210が、前述したように、左側第1装飾部211、左側第2装飾部212、左側第3装飾部213により構成されている。左側第1装飾部211は左側装飾部210における上方に、左側第2装飾部212は左側装飾部210における下方に位置している。また、左側第3装飾部213は、左側装飾部210における、左側第1装飾部211と左側第2装飾部212との間に位置している。つまり、左側装飾部210は、上方から下方に向けて、左側第1装飾部211、左側第3装飾部213、左側第2装飾部212がこの順で設けられることで構成されている。そして、本形態では、玉処理ユニット1000の供給ノズル1001に対応する高さには、図12に示すように、左側第3装飾部213が配されている。
ここで、本形態では、前述したように、遊技空間3Sを従来よりも前方に位置させたことにより、その分、遊技機枠50の前枠53が、従来よりも前方側に位置している。このため、前枠53に設けられている左側装飾部210についても、遊技空間3Sを従来よりも前方に位置させた分、従来よりも前方側に位置している。また、前述したように、供給ノズル1001は、パチンコ遊技機1の左方に位置する本体部分より、パチンコ遊技機1の左側の前方部分を横切って、打球供給皿61の上方まで延びている。このため、左側装飾部210を従来と同じように構成した場合、供給ノズル1001が、左側装飾部210に接触してしまうおそれがある。
しかし、本形態では、供給ノズル1001に対応する高さに位置する左側装飾部210の左側第3装飾部213は、図11に示すように、左側第1装飾部211、左側第2装飾部212よりも後方側に凹むように構成されている。つまり、左側装飾部210は、その左側第3装飾部213の前面213aが、左側第1装飾部211の前面211a、左側第2装飾部212の前面212aよりも凹んだ凹面となっている。
このように左側装飾部210が構成されていることで、パチンコ遊技機1では、左側装飾部210における左側第3装飾部213の前方に、玉処理ユニット1000の供給ノズル1001を配置可能な空間が十分に確保されている。よって、パチンコ遊技機1は、図11に二点鎖線で示すように、玉処理ユニット1000の供給ノズル1001が、左側装飾部210に干渉することなく、適切に配置可能なものとなっている。
なお、本形態では、左側第1装飾部211、左側第2装飾部212に対する左側第3装飾部213の凹み量を、遊技空間3Sを従来よりも前方に移動させた分としている。すなわち、本形態の左側装飾部210には、その左側第3装飾部213の位置に、13mm程度の凹みが形成されている。なお、本形態では、幕板51aの前面位置P2から左側第3装飾部213の前面213aまでの距離L5は、25mm程度となっている。一方、幕板51aの前面位置P2から左側第1装飾部211の前面211aまでの距離は、38mm以上となっている。また、幕板51aの前面位置P2から左側第2装飾部212の前面212aまでの距離についても、38mm以上となっている。
なお、供給ノズル1001が適切に配置可能になるように左側装飾部210を構成するためには、一般的な供給ノズル1001の配置に基づいて、左側第3装飾部213の高さを定めておくことが好ましい。具体的に、左側第3装飾部213の配置は、図12に示すように、左側装飾部210において、上下方向における中央位置よりも下側であるとよい。さらに、より具体的には、図12に示す、パチンコ遊技機1の下縁50Dから、左側第3装飾部213の下端までの距離L6は、319mm以下であることが好ましい。さらには、パチンコ遊技機1の下縁50Dから、左側第3装飾部213の上端までの距離L7は、379mm以上であることが好ましい。
また、本形態の左側第3装飾部213は、前後方向について位置を変えることが可能な可変部材となっている。このことについて図13および図14により説明する。図13は、図11における左側第3装飾部213の箇所の拡大図である。図14は、左側第3装飾部213を水平面に沿って切断したときの断面図である。
図14に示すように、左側第3装飾部213は、左側装飾部210のベース部材210aの前方に配されている。左側装飾部210のベース部材210aは、断面がコの字形状のものであり、開放部分を前方に向けた状態で前枠53に固定されている。また、ベース部材210aの内部には、発光部210bを有する発光ユニット210cが設けられている。発光部210bは、枠ランプ66(図16)の一つであり、本形態では、LEDである。なお、発光部210bとしては、LED以外の発光装置を採用してもよい。
なお、このような発光ユニット210cは、左側第3装飾部213以外の左側第1装飾部211、左側第2装飾部212の内部にも設けられている。また、本形態では、左側第1装飾部211、左側第2装飾部212、左側第3装飾部213はいずれも、発光ユニット210cから発せられた光を透過可能な樹脂素材によって構成されている。よって、左側装飾部210では、発光ユニット210cの発光態様により、遊技の進行に合わせた演出を行うことが可能である。これにより、興趣性の向上を図ることが可能となっている。
また、左側第3装飾部213は、図14に示すように、断面がコの字形状のものであり、開放部分を後方に向けた状態(すなわちベース部材210aに向けた状態)で、ベース部材210aの前方に配されている。よって、発光部210bは、左側第3装飾部213に向けて光を照射可能であり、発光部210bの発光態様による演出等が可能である。また、左側第3装飾部213は、その内幅が、ベース部材210aの外幅よりも大きなものである。また、ベース部材210aの前方側の部分は、左側第3装飾部213の後方側の部分に嵌り込んでいる。
そして、左側第3装飾部213は、図14に矢印で示す前後方向について、固定のベース部材210aに対して移動可能となっている。これにより、本形態の左側第3装飾部213は、前方に位置する第1の状態(図14に実線で示す状態)と、第1の状態よりも後方側に移動した第2の状態((図14に二点鎖線で示す状態))とをとることが可能である。すなわち、左側第3装飾部213は、第2の状態では、前面213aが、第1の状態よりも引っ込んだ状態となる。
本形態の左側第3装飾部213は、人が操作することで、第1の状態と第2の状態との間で状態の切り替えが可能なものである。より具体的に、左側第3装飾部213は、操作スイッチの動作でいうところのオルタネイト動作が可能なものである。すなわち、左側第3装飾部213は、前面213aが後方側に向けて押される度に、第1の状態と第2の状態とで状態が切り替わるものである。
また、左側第3装飾部213について、図13(A)には第1の状態を、図13(B)には第2の状態を示している。図13(A)に示すように、本形態では、左側第3装飾部213が第1の状態であるとき、その前面213aは、左側第1装飾部211の前面211aおよび左側第2装飾部212の前面212aと揃っている。このため、左側第3装飾部213が第1の状態であるとき、前面211a、212a、213aはいずれも、同一面上に位置している。一方、図13(B)に示すように、左側第3装飾部213が第2の状態であるとき、その前面213aは、左側第1装飾部211の前面211aおよび左側第2装飾部212の前面212aよりも後方側に位置する(すなわち凹んだ)面上に位置している。
そして、前述した供給ノズル1001を備える玉処理ユニット1000が併設されているとき、左側第3装飾部213は、第2の状態とされている。これにより、前述した通り、供給ノズル1001が、左側装飾部210に接触してしまうことが適切に回避されている。なお、供給ノズル1001が左側装飾部210に干渉してしまった場合、打球供給皿61に適切に遊技球を供給できないおそれがある。しかし、本形態では、供給ノズル1001が左側装飾部210に干渉してしまうことを抑制可能であることで、供給ノズル1001により、打球供給皿61に適切に遊技球を供給することが可能となっている。
一方、玉処理ユニット1000が併設されていない場合や、供給ノズルを備えていない玉処理ユニットが併設された場合、左側第3装飾部213が第2の状態とされていることによる凹みは、不要である。また、前面に位置する左側第3装飾部213は遊技者が視認可能なものであることから、パチンコ遊技機1の美観の観点からは、左側第3装飾部213が第2の状態とされていることによる凹みはない方がよい場合もある。
よって、このような場合、本形態のパチンコ遊技機1では、左側第3装飾部213を第1の状態とすることができる。このため、左側装飾部210の前面を揃え、左側装飾部210として外形に凹みのない、滑らかな外面をもつ意匠を形成することが可能である。これにより、パチンコ遊技機1では、左側第3装飾部213の箇所に干渉物等がない場合には、左側第3装飾部213を第1の状態とすることで、美観を向上することが可能となっている。
なお、本形態では、左側装飾部210のうち、左側第3装飾部213のみが、第1の状態と第1の状態よりも引っ込んだ第2の状態とで変位可能な可変部材である。これに対し、本形態とは異なり、左側装飾部210の全部を、本形態の左側第3装飾部213のように、第1の状態と第1の状態よりも引っ込んだ第2の状態とで変位可能な可変部材とすることも可能である。
しかし、本形態のパチンコ遊技機1は、左側装飾部210を含めて、パチンコ遊技機1の全体の意匠が構成されている。よって、左側装飾部210の全部が引っ込んだ場合、パチンコ遊技機1の外観のバランスが崩れたり、左側装飾部210による装飾性が低下してしまうおそれがある。すなわち、パチンコ遊技機1の美観が低下してしまうおそれがある。
しかし、本形態では、図12等に示すように、左側装飾部210に占める左側第3装飾部213の割合は、左側装飾部210に占める左側第3装飾部213以外の部分の割合よりも低いものとされている。具体的には、可変部材である左側第3装飾部213は、固定である左側第1装飾部211よりも小さく構成されている。よって、左側第3装飾部213を、引っ込んだ第2の状態としても、それほどパチンコ遊技機1の外観のバランスが崩れることがなく、装飾性の低下も最小限に抑えられている。すなわち、美観の低下が抑制されている。
また、パチンコ遊技機1の美観の観点上、左側装飾部210は、少なくとも前方から視認可能な装飾が施されていることが好ましいことがある。本形態では、左側装飾部210の左側第1装飾部211および左側第2装飾部212は、左右方向について3分割された領域にそれぞれ色彩が付されている。このため、左側第1装飾部211と左側第2装飾部212との間の左側第3装飾部213の前面213aにも同様の3分割となる色彩が付されているとよい。これにより、左側装飾部210を、これら左側第1装飾部211、左側第2装飾部212、左側第3装飾部213においていずれも、統一性のある装飾が施されたものとすることが可能だからである。そして、パチンコ遊技機1は、例えば、供給ノズルを備えていない玉処理ユニットが併設された場合や、玉処理ユニット1000と併設されていない場合であっても、左側装飾部210に全体として統一性のある装飾が施されていることで、より高い美観をもつものとすることが可能となる。
2.遊技機の電気的構成
次に、図15および図16に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図15および図16に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、音声制御基板106およびサブ駆動基板107とともにサブ制御部DKを構成する。なお、サブ制御部DKは、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(第1画像表示装置6や第2画像表示装置7、盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、遊技盤ユニット2Uの盤可動体15、可動体ユニット201の枠可動体205等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150には、電源回路(電源手段)151およびバックアップ電源回路152が設けられている。電源回路151は、主制御基板80、サブ制御基板90および払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。バックアップ電源回路152は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図15に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)が設けられている。第1特図保留記憶部85aは、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また、第2特図保留記憶部85bは記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、および、変動パターン乱数を記憶する領域である。
また主制御基板80には、図15に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70aおよび普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられており、ゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、打球発射機構57やハンドル60(図3参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図16に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、図16に示すように、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107および枠中継基板99が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に第1画像表示装置6や第2画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、第1画像表示装置6や第2画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67(左側スピーカ67L,右側スピーカ67R)から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107を介して盤可動体15(第1盤可動体15A、第2盤可動体15B、第3盤可動体15C)の各駆動部の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15の各駆動部(例えばステッピングモータ)の駆動制御を行う。なお、発光パターンデータや動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠中継基板99に接続された枠可動体205の駆動部を動作させる。演出制御用マイコン91は、枠可動体205の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って枠可動体205の駆動部(例えばステッピングモータ)の駆動制御を行う。この枠可動体205の駆動部の駆動制御に係る動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
また、枠中継基板99には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63aおよび十字キー検出スイッチ68aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、十字キー検出スイッチ68aは、十字キー68(図1参照)が操作されたことを検出するものである。十字キー68をなす各種ボタン(「上ボタン」,「下ボタン」,「右ボタン」,「左ボタン」)が操作されると、その操作に応じた検知信号が、十字キー検出スイッチ68aからサブ制御基板90に対して出力される。
なお、サブ駆動基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動体の各駆動部の駆動制御を実行させてもよい。また、サブ駆動基板107に枠可動体205を接続して、サブ駆動基板107に枠可動体205の動作制御をさせてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図17に示す通りである。図17に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32および開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32および開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである(図18参照)。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。この14Rおよび16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである(図18参照)。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14Rおよび16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2の状態(図9(B)参照)から第1の状態(図9(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図17に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図19(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面6a内や表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図19(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図20(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図21参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図20(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図20(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図22参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図22参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および、電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を「特定遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図7参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図7参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.パチンコ遊技機1の動作
次に、図23に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明し、図24〜図25に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン81の動作について説明する。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン81は、図23に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、装飾図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a等(図15参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の所定の記憶領域にセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ20aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(図19(A)参照)を取得する。また、第2始動口センサ21aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(図19(A)参照)を取得する。また、ゲートセンサ28aによる通過検知があれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図19(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドをRAM84の所定の記憶領域にセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図18参照)に従って第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の実行に際しては、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドをRAM84の所定の記憶領域にセットする。なお特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン91に客待ち演出を実行させるための客待ち待機コマンドをセットする。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図22参照)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90等に出力する出力処理(S106)を行う。
以上の遊技制御用マイコン81における処理と並行して、演出制御用マイコン91は図24〜図25に示す処理を行う。演出制御用マイコン91の動作について、以下に説明する。
[サブ側タイマ割り込み処理]演出制御用マイコン91は、図24に示すようなサブ側タイマ割り込み処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割り込み処理ではまず、受信コマンド解析処理(S1001)を行う。
[受信コマンド解析処理]図25に示すように、受信コマンド解析処理(S1001)では演出制御用マイコン91はまず、遊技制御用マイコン81から変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S1101)。受信していなければ、ステップS1104に進むが、受信していれば、変動演出パターン選択処理(S1102)を行う。
変動演出パターン選択処理(S1102)では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動開始コマンドの解析結果等に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。なお、選択した変動演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この変動演出パターンの選択により、盤ランプ5を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、枠ランプ66を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、盤可動体15を動作させる演出の実行の有無やそのタイミング、枠可動体205を動作させる演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1102で選択した変動演出パターンで変動演出を開始させるための変動演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1103)。そしてステップS1104に進む。
ステップS1104では演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS1107に進むが、受信していれば、大当たり演出パターン選択処理(S1105)を行う。
大当たり演出パターン選択処理(S1105)では、オープニングコマンドの解析結果に基づいて、大当たり遊技中に実行する大当たり演出の演出パターン(大当たり演出パターン)を選択する。なお、ここで選択した大当たり演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この大当たり演出パターンの選択により、大当たり遊技中における盤ランプ5や枠ランプ66の発光演出の実行の有無やそのタイミング、盤可動体15や枠可動体205の駆動演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1105で選択した大当たり演出パターンで大当たり演出を開始させるための大当たり演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1106)。その後、その他の処理として他の受信コマンドに基づく処理を行って(S1107)、受信コマンド解析処理を終える。
図24に戻り、演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S1001)に続いてコマンド送信処理(S1002)を行う。コマンド送信処理(S1002)では、受信コマンド解析処理でセットした各種コマンドを画像制御基板100に送信する。コマンド送信処理が実行されると、コマンドを受信した画像制御基板100は、第1画像表示装置6や第2画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や大当たり演出、客待ち演出など)を実行する。例えば、ステップS1103でセットされた変動演出開始コマンドを受信した画像制御基板100は、変動演出開始コマンドに指定された内容の変動演出を実行する。
続いて演出制御用マイコン91は、音声処理(S1003)を行う。音声処理(S1003)では、受信コマンド解析処理で選択した演出パターンの演出に合うタイミングでスピーカ67から音声等を出力させるべく、音データ(スピーカ67からの音声等の出力を制御するデータ)を作成したり、音声制御基板106に出力したりする。次に演出制御用マイコン91は、ランプ処理(S1004)および可動体処理(S1005)を行う。
ランプ処理(S1004)では、RAM94にセットされた変動演出開始コマンド等に盤ランプ5や枠ランプ66を発光させる発光演出がある場合には、その発光演出を実行する。すなわち、盤ランプ5や枠ランプ66を、所定のタイミング、所定の発光態様で発光させる。また、可動体処理(S1005)では、RAM94にセットされた変動演出開始コマンド等に盤可動体15や枠可動体205を動作させる駆動演出がある場合には、その駆動演出を実行する。すなわち、盤可動体15や枠可動体205を、所定のタイミング、所定の駆動態様で動作させる。
6.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50によって外面が構成されている。遊技機枠50の前枠53には、左側装飾部210が設けられている。さらに、左側装飾部210の一部分を構成する左側第3装飾部213は、第1の状態と、第1の状態よりも引っ込んだ第2の状態との間で変位可能である。すなわち、左側第3装飾部213により、可変箇所が構成されている。そして、パチンコ遊技機1は、その設置個所にて供給ノズル1001を有する玉処理ユニット1000が併設される場合には、左側第3装飾部213を第2の状態とすることで、供給ノズル1001との接触を回避可能である。よって、供給ノズル1001によるパチンコ遊技機1の打球供給皿61への遊技球の供給を問題なく行うことができるようにすることが可能である。これにより、設置自由度の向上が図られている。
また、左側第3装飾部213は、パチンコ遊技機1の前面に設けられている。よって、左側第3装飾部213を第2の状態とすることで、パチンコ遊技機1の前面を横切って設けられた供給ノズル1001との接触を適切に回避可能である。また、遊技者が視認可能であるパチンコ遊技機1の前面に位置する左側第3装飾部213は、第1の状態をとることで、左側装飾部210に凹凸のない滑らかな意匠を形成し、パチンコ遊技機1の美観の向上を図ることが可能である。
また、左側第3装飾部213は、打球供給皿61よりも上側に設けられている。一般的な供給ノズル1001は、重力の作用である落下によって遊技球を打球供給皿61へと供給する。よって、打球供給皿61よりも上側に設けられている左側第3装飾部213を第2の状態とすることで、供給ノズル1001との接触を適切に回避することが可能である。
また、左側第3装飾部213は、窓枠開口部53aの左右方向における外側に位置し、窓枠開口部53aの左側の縁に沿って上下方向に延びている左側装飾部210に設けられている。一般的な玉処理ユニット1000の本体部分は、前述したように、パチンコ遊技機1の側面側に設けられる。さらに、供給ノズル1001は、その玉処理ユニット1000の本体部分から打球供給皿61の上方まで延びていることが一般的である。よって、一般的な供給ノズル1001の配置において、その供給ノズル1001との接触を適切に回避することが可能である。
また、左側第3装飾部213は、左側装飾部210の上下方向における中央位置よりも下側に設けられている。一般的な供給ノズル1001は、打球供給皿61に対してそれほど高い位置に設けられているわけではなく、左側装飾部210の上下方向における中央位置よりも下側の前方付近を横切る位置に設けられている傾向にある。よって、一般的な供給ノズル1001の配置において、その供給ノズル1001との接触を適切に回避することが可能である。
また、左側第3装飾部213の前面213aは、第1の状態では、隣接する左側第1装飾部211の前面211a、左側第2装飾部212の前面212aと同一面上に位置している。一方、左側第3装飾部213の前面213aは、第2の状態では、隣接する左側第1装飾部211の前面211a、左側第2装飾部212の前面212aよりも凹んだ面となっている。すなわち、左側第3装飾部213の前面213aは、第1の状態では、第2の状態よりも、隣接する左側第1装飾部211の前面211a、左側第2装飾部212の前面212aとの距離が近いものである。これにより、左側第3装飾部213を第1の状態とすることで、左側装飾部210の前面を揃え、左側装飾部210として外形に凹みのない、あるいは凹みの小さい、滑らかな外面をもつ意匠を形成することが可能である。これにより、パチンコ遊技機1では、左側第3装飾部213の箇所に干渉物等がない場合には、左側第3装飾部213を第1の状態とすることで、美観を向上することが可能である。
また、左側装飾部210には、左側第3装飾部213に向けて光を照射可能な発光ユニット210cが設けられている。よって、本形態のパチンコ遊技機1では、可変部材である左側第3装飾部213を用いた発光演出を行うことが可能である。
7.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。
<第1変更例>
上記形態では、図13により、左側装飾部210の前面がおおむねフラットなものとして説明した。しかし、図26に示す第1変更例に係る左側装飾部310のように、その前面が湾曲していてもよい。図26(A)には第1の状態の左側装飾部310を、図26(B)には可変箇所が第1の状態よりも引っ込んだ第2の状態の左側装飾部310を示している。図26の例では、左側第1装飾部311および左側第2装飾部312が固定であり、左側第3装飾部313が、第1の状態と第2の状態とで変位可能な可変部材である。
また、図26(A)に示すように、左側第3装飾部313が第1の状態のとき、左側装飾部310の前面は、前面311a、前面312a、前面313aが連続して連なることで、全体として、上下方向の両端が突出するように湾曲した形状をしている。つまり、滑らかに湾曲しているものの、部分的に引っ込んだ凹面は存在していない。
一方、図26(B)に示すように、左側第3装飾部313は、第2の状態では、後方側に引っ込んでいる。これにより、左側第3装飾部313の前面313aは、左側第1装飾部311の前面311aと左側第2装飾部312の前面312aとの間に、これらよりも引っ込んだ凹面を形成している。つまり、第1変更例においても、左側第3装飾部313の前面313aは、第1の状態では、第2の状態よりも、隣接する左側第1装飾部311の前面311aおよび左側第2装飾部312の前面312aとの距離が近いものとなっている。
そして、第1変更例に係る左側装飾部310においても、図26(B)に示すように、左側第3装飾部313を第2の状態とすることで、供給ノズル1001との接触を回避することが可能である。よって、設置自由度の向上が可能なものとなっている。
一方、供給ノズル1001がないような場合には、左側第3装飾部313を第1の状態とすることで、左側装飾部310の前面を、滑らかな湾曲面とすることが可能である。これにより、左側第3装飾部313の第1の状態では、第2の状態よりも、左側装飾部310の美観を向上することが可能となっている。
<第2変更例>
上記形態では、可変箇所を、前後方向に移動する左側第3装飾部213により構成したものとして説明した。しかし、図27に示す第2変更例に係る左側装飾部410のように、上下方向に移動する左側第3装飾部413により、可変箇所を構成してもよい。図27(A)には第1の状態における左側装飾部410を、図27(B)には可変箇所が第1の状態よりも引っ込んだ第2の状態における左側装飾部410を示している。
図27に示すように、左側第1装飾部411と左側第2装飾部412との間には、これらよりも後方側に凹んだ凹部が形成されている。また、左側第3装飾部413は、水平面における断面がコの字形状をしており、左側第1装飾部411と左側第2装飾部412との間の凹部を覆い隠すことが可能な形状をしている。
そして、図27(A)に示すように、第1の状態における左側第3装飾部413は、左側第1装飾部411と左側第2装飾部412との間の凹部を覆い隠すように、左側第1装飾部411と左側第2装飾部412との両方に、上下の両端がそれぞれ重なる位置に配置されている。この第1の状態のとき、左側第1装飾部411の前面411a、左側第2装飾部412の前面412a、左側第3装飾部413の前面413aにより、左側装飾部410の前面が構成されている。このため、第1の状態のとき、左側装飾部410の前面は、左側第3装飾部413の位置でやや突出しているものの、部分的に引っ込んだ凹面は存在していない。
一方、図27(B)に示すように、左側第3装飾部413は、第2の状態において、第1の状態よりも上方へと移動している。具体的は、第2の状態における左側第3装飾部413は、左側第1装飾部411上に位置している。このため、第2の状態のとき、第1の状態においては隠れていた左側第1装飾部411と左側第2装飾部412との間の凹部が外部に露出している。よって、第2の状態のとき、露出した凹部の底面である、左側装飾部410のベース部材410aの前面410bが露出している。よって、第2の状態のとき、左側第1装飾部411の前面411a(一部は左側第3装飾部413の前面413a)、左側第2装飾部412の前面412a、ベース部材410aの前面410bにより、左側装飾部410の前面が構成されている。
つまり、左側装飾部410の可変箇所において、第1の状態における前面は左側第3装飾部413の前面413aであり、第2の状態における前面はベース部材410aの前面410bとなる。よって、第2変更例に係る左側装飾部410においても、可変箇所は、第2の状態では、第1の状態よりも引っ込んだ状態となっている。さらに、第2変更例に係る左側装飾部410の可変箇所においても、第1の状態では、第2の状態よりも、前面が、可変箇所に隣接する左側第1装飾部411の前面411aおよび左側第2装飾部412の前面412aとの距離が近いものとなっている。
よって、第2変更例に係る左側装飾部410においても、第2の状態では、供給ノズル1001との接触を回避することが可能である。よって、設置自由度の向上が可能なものとなっている。一方、供給ノズル1001がないような場合には、第1の状態とすることで、左側装飾部410の前面を、凹凸の少ない面とすることが可能である。これにより、第1の状態では、第2の状態よりも、左側装飾部410の美観を向上することが可能となっている。
なお、左側第3装飾部413は、自重や、軽い振動等によって落下しない構成であることが好ましい。供給ノズル1001を回避可能な第2の状態を維持できるからである。そのため、左側第3装飾部413は、例えば、上方で保持可能な機構や、下方へのスライド移動に対する抵抗の大きな構成としておくことが好ましい。具体的には、例えば、左側第3装飾部413は、その移動方向について操作される力を受けることで、第1の状態と第2の状態との間で変位可能なものであることが好ましい。より具体的には、例えば、左側第3装飾部413は、第1の状態のときには、上向きへ押し上げる操作の力を受けて第2の状態へと変位し、第2の状態のときには、下向きへ押し下げる操作の力を受けて第1の状態へと変位するものとしてもよい。また、左側第3装飾部413は、第2の状態では、第1の状態よりも上方位置をとるものとして説明している。しかし、例えば、左側第3装飾部413は、第2の状態では、第1の状態よりも下方位置をとり、左側第2装飾部412上に位置するものとしてもよい。また例えば、左側第3装飾部413は、第2の状態では、第1の状態よりも左上や右下等の位置をとるようなものであってもよい。すなわち、左側第3装飾部413は、第1の状態では可変箇所に位置し、第2の状態では、第1の状態のときの位置よりも、前後方向と交差する方向について可変箇所から遠ざかる向きに移動した位置をとるものであればよい。
<第3変更例>
また、図28に示す第3変更例に係る左側装飾部510のように、上下方向に移動する左側第3装飾部513により、可変箇所を構成してもよい。図28(A)には第1の状態における左側装飾部510を、図28(B)には可変箇所が第1の状態よりも引っ込んだ第2の状態における左側装飾部510を示している。
図28に示すように、第3変更例に係る左側第1装飾部511と左側第2装飾部512との間にも、第2変更例と同様、後方側に凹んだ凹部が形成されている。そして、第3変更例に係る左側第3装飾部513は、左側第1装飾部511と左側第2装飾部512との間の凹部内の空間を充填することが可能な形状をしている。
そして、図28(A)に示すように、第1の状態における左側第3装飾部513は、下方に移動することで、左側第1装飾部511と左側第2装飾部512との間の凹部の内部に突出し、凹部内の空間を充填している。この第1の状態のとき、左側第1装飾部511の前面511a、左側第2装飾部512の前面512a、左側第3装飾部513の前面513aにより、左側装飾部510の前面が構成されている。このため、第1の状態のとき、左側装飾部510の前面は、左側第3装飾部513の位置でわずかに凹んでいるものの、それほど大きく引っ込んだ凹面は存在していない。
一方、図28(B)に示すように、左側第3装飾部513は、第2の状態において、第1の状態よりも上方へと移動している。具体的は、第2の状態における左側第3装飾部513は、左側第1装飾部511の内部へと引っ込んでいる。このため、第2の状態のとき、第1の状態においてはほとんど充填されていた左側第1装飾部511と左側第2装飾部512との間の凹部が外部に露出している。よって、第2の状態のとき、露出した凹部の底面である、左側装飾部510のベース部材510aの前面510bが露出している。よって、第2の状態のとき、左側第1装飾部511の前面511a、左側第2装飾部512の前面512a、ベース部材510aの前面510bにより、左側装飾部510の前面が構成されている。
つまり、左側装飾部510の可変箇所において、第1の状態における前面は左側第3装飾部513の前面513aであり、第2の状態における前面はベース部材510aの前面510bとなる。よって、第3変更例に係る左側装飾部510においても、可変箇所は、第2の状態では、第1の状態よりも引っ込んだ状態となっている。さらに、第3変更例に係る左側装飾部510の可変箇所においても、第1の状態では、第2の状態よりも、前面が、可変箇所に隣接する左側第1装飾部511の前面511aおよび左側第2装飾部512の前面512aとの距離が近いものとなっている。
よって、第3変更例に係る左側装飾部510においても、第2の状態では、供給ノズル1001との接触を回避することが可能である。よって、設置自由度の向上が可能なものとなっている。一方、供給ノズル1001がないような場合には、第1の状態とすることで、左側装飾部510の前面を、凹凸の少ない面とすることが可能である。これにより、第1の状態では、第2の状態よりも、左側装飾部510の美観を向上することが可能となっている。
なお、左側第3装飾部513についても、自重や、軽い振動等によって落下しない構成であることが好ましい。そのため、左側第3装飾部513についても、上方で保持可能な機構や、下方へのスライド移動に対する抵抗の大きな構成としておくことが好ましい。具体的には、例えば、左側第3装飾部513は、その移動方向について操作される力を受けることで、第1の状態と第2の状態との間で変位可能なものであることが好ましい。より具体的には、例えば、左側第3装飾部513は、第1の状態のときには、上向きへ押し上げる操作の力を受けて第2の状態へと変位し、第2の状態のときには、さらに上向きに押圧される操作の力を受けて第1の状態へと変位するものとしてもよい。また、左側第3装飾部513は、第2の状態では、第1の状態よりも上方位置をとるものとして説明している。しかし、例えば、左側第3装飾部513は、第2の状態では、第1の状態よりも下方位置をとり、左側第2装飾部512の内部に位置するものとしてもよい。また例えば、左側第3装飾部513は、第2の状態では、第1の状態よりも左上や右下等の位置をとるようなものであってもよい。すなわち、左側第3装飾部513は、第1の状態では可変箇所に位置し、第2の状態では、第1の状態のときの位置よりも、前後方向と交差する方向について可変箇所から遠ざかる向きに移動した位置をとるものであればよい。
<第4変更例>
上記形態では、可変箇所を構成する左側第3装飾部213が、操作スイッチの動作でいうところのオルタネイト動作が可能なものであるとして説明した。しかし、可変箇所を構成する部材は、操作スイッチの動作でいうところのモーメンタリ動作が可能なものであってもよい。つまり、所定以上の押圧力を受けたときにのみ、引っ込むような構成であってもよい。
図29には、上記形態の左側第3装飾部213に替えて採用可能な第4変更例に係る左側第3装飾部613の、水平面に沿って切断したときの断面図を示している。また、図29には、供給ノズル1001を示している。図29に係る供給ノズル1001は、左側に設けられた中心軸について、水平面内で回転移動することが可能なものである。
第4変更例に係る左側第3装飾部613は、前方に向かって所定の押圧力を受けつつ設けられている。この押圧力は、例えば、バネなどの付勢部材を設けておくことで発生させることが可能である。そして、左側第3装飾部613は、付勢部材により受けている押圧力よりも大きな押圧力を、後方に向けて受けたときには、引っ込むことが可能なように構成されている。そして、図29に二点鎖線で示すように、供給ノズル1001が左側第3装飾部613から離間しているとき、左側第3装飾部613は第1の状態をとることが可能である。
一方、図29に実線で示すように、供給ノズル1001が接近し、左側第3装飾部613の前面613aに、所定以上の押圧力をかけつつ接触したとき、左側第3装飾部613は、第1の状態よりも引っ込んだ第2の状態をとることが可能である。
よって、第4変更例に係る左側装飾部610においても、第2の状態では、供給ノズル1001との実質的な干渉を回避可能である。すなわち、供給ノズル1001に影響を与えてしまうことがなく、設置自由度の向上が可能なものとなっている。なお、左側第3装飾部613に設けられた付勢部材が、左側第3装飾部613を前方に向かって押圧する押圧力は、供給ノズル1001を左側第3装飾部613から離間させる向きに動作させるのに必要な力よりも弱くしておくとよい。供給ノズル1001によって打球供給皿61への遊技球の補給が行われているときに、供給ノズル1001が打球供給皿61の上方からずれてしまうような事態を抑制可能だからである。
<第5変更例>
また、変更箇所の部材は、弾性体によって構成してもよい。図30には、第5変更例に係る左側第3装飾部713を示している。そして、左側第3装飾部713は、弾性体(例えばゴム材料)によって形成されており、圧迫力を受けていない自由状態では、図30に二点鎖線で示すような形状をとる。一方、弾性体によって形成された左側第3装飾部713は、供給ノズル1001の回転によって前面713aが圧迫されたとき、その圧迫力によって後方側へと引っ込むことが可能である。なお、左側第3装飾部713は、供給ノズル1001が離間したときには、復元力によって二点鎖線で示す形状へと復元することが可能である。
よって、第5変更例に係る左側装飾部710においても、第2の状態では、供給ノズル1001に影響を与えてしまうことがなく、設置自由度の向上が可能なものとなっている。なお、左側第3装飾部713の復元力は、供給ノズル1001を左側第3装飾部713から離間させる向きに動作させるのに必要な力よりも弱くしておくとよい。供給ノズル1001によって打球供給皿61への遊技球の補給が行われているときに、供給ノズル1001が打球供給皿61の上方からずれてしまうような事態を抑制可能だからである。
<その他の変更例>
また上記形態では、左側第3装飾部213の前面213aの後方に発光ユニット210cを設けた構成としている。しかし、発光ユニット210cは必ずしもなくてもよい。また例えば、上記の形態で採用している、左側第3装飾部213の前面213aの後方に発光ユニット210cを設ける構成とは異なり、前面213aのサイドにLEDを配置するエッジ型の配置を採用して発光演出を行ってもよい。また、このようなエッジ型の配置を採用することにより、左側装飾部210の左側第3装飾部213の部分の厚みを、より薄く構成することも可能である。
また上記形態では、可変箇所をパチンコ遊技機1の前面に位置する左側装飾部210に設けた構成について説明している。しかし、可変箇所は、その他の箇所に設けることとしてもよい。可変箇所を設けておくことで、遊技機の設置個所に設けられる設置物を回避可能となるため、遊技機の設置自由度を向上可能であることに変わりはないからである。
また上記形態では、可変箇所に設けられた可変部材を、手動によって、第1の状態と第2の状態とで切り替えることができるものとして説明した。しかし、可変部材は、モータやソレノイド等の駆動部によって、第1の状態と第2の状態とで切り替えることが可能なものであってもよい。また、モータやソレノイドによる可変部材の駆動は、作業者等の入力によって行うこととしてもよい。あるいは、可変箇所に設置物が存在することを検知可能な検知部を設けておき、その検知部の検知結果に基づいて、可変部材の駆動が制御される構成としてもよい。この場合、具体的に、例えば、可変箇所が第1の状態のときに接触するものの存在が検知された場合には可変箇所を第2の状態とし、可変箇所が第1の状態のときに接触するものの存在が検知されない場合には可変箇所を第1の状態とすることとすればよい。また、この場合、可変部材を駆動する駆動部、可変箇所における設置物の検知を行う検知部の制御は、サブ制御部DKにより行うことが可能である。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、いわゆるV確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記形態では、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定用情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。また、所謂1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また上記形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、遊技媒体としてメダルが使用されるスロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
8.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈手段A〉
手段A1に係る発明は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
外面のうちの所定箇所(左側第3装飾部213が設けられている箇所)が、第1の状態と、前記第1の状態よりも引っ込んだ第2の状態との間で変位可能な可変箇所となっていることを特徴とする遊技機である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2005−52414号公報には、前方に設けられた遊技盤扉を有する遊技機が記載されている。また、この文献における遊技盤扉は、全体的に回動可能であるとともに、その一部についても、回動可能に設けられている。これにより、遊技盤扉の回動方向に設置物が存在するような場合に、その設置物と遊技盤扉との干渉を回避することが可能となることもある。しかし、遊技盤扉に複数の回動機構を設けることで遊技盤扉が大きなものとなってしまい、新たに干渉箇所が発生する等、設置物に影響をおよぼしてしまうようなおそれもある。つまり、遊技機の設置個所に存在する設置物を取り外すか、遊技機の設置を断念する必要があり、設置自由度が低下してしまうおそれもあった。これに対し、本構成の遊技機によれば、可変箇所を第2の状態とすることで、遊技機の設置個所に存在する設置物を取り外さずに、遊技機を設置することが可能となる。つまり、設置自由度が低いという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
前記可変箇所は、前面に設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技機の設置個所側に備えられている設置物が、遊技機の前面側に存在する場合、可変箇所を第1の状態としたときには影響したとしても、可変箇所を第2の状態とすることで影響のない状態とすることが可能となる。また、遊技機の前面は、遊技者が視認可能である。また、第2の状態よりも第1の状態の方が、遊技機の美観を向上できることもある。よって、可変箇所に設置物がないときには、第1の状態とすることで、遊技機の美観を向上することが可能である。すなわち、遊技機の設置自由度を向上させつつ、遊技機の美観についても向上させることが可能となる。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機であって、
前面側に遊技媒体(遊技球)を貯留可能な遊技媒体貯留部(打球供給皿61)を備え、
前記可変箇所は、前記遊技媒体貯留部よりも上側に設けられていることを特徴とする遊技機である。
前面側に遊技媒体貯留部を有する遊技機の設置個所には、遊技媒体貯留部へ遊技媒体を供給するための設置物が存在することがある。このような設置物は、一般的に、遊技媒体貯留部の上方に位置している。よって、本構成の遊技機によれば、遊技媒体貯留部へ遊技媒体を供給するための設置物が存在し、可変箇所を第1の状態としたときには設置物に影響するような場合であっても、可変箇所を第2の状態とすることで、設置物への影響を回避可能である。従って、遊技機の設置自由度を向上可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機であって、
前面における前記遊技媒体貯留部の上方に位置し、内部の所定の領域(遊技領域3の少なくとも一部を含む領域)を視認可能とする窓部(窓枠開口部53a)と、
前記窓部の左右方向における外側に位置し、上下方向に延びる前面側部(左側装飾部210)と、を有し、
前記可変箇所は、前記前面側部に設けられていることを特徴とする遊技機である。
前面側部を有する遊技機では、遊技媒体貯留部へ遊技媒体を供給するための設置物が、前面側部を横切る場合があり得る。このような場合、前面側部に設けられている可変箇所を第2の状態とすることで、前面側部が設置物に影響してしまうことを回避可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A4に記載の遊技機であって、
前記可変箇所は、前記前面側部の上下方向における中央位置よりも下側に設けられていることを特徴とする遊技機である。
遊技媒体貯留部へ遊技媒体を供給するための設置物は、遊技機の前面側部の上下方向における中央位置よりも下側を横切る傾向にある。このような場合、可変箇所は、設置物の横切る箇所に合わせて、前面側部の上下方向の中央位置よりも下側に設けられていることで、前面側部が設置物に影響してしまうような事態を適切に回避可能である。
手段A6に係る発明は、
手段A4または手段A5に記載の遊技機であって、
前記前面側部に占める前記可変箇所の割合は、前記前面側部に占める前記可変箇所以外(左側第1装飾部211、左側第2装飾部212)の割合よりも低いものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、前面側部に占める可変箇所の割合を低いものとすることができる。よって、例えば、第1の状態を基準として全体意匠が構成されている遊技機において、可変箇所を第2の状態とした場合にも、遊技機の全体意匠の変化を小さいものとすることが可能である。つまり、可変箇所を第2の状態とすることで、第1の状態よりも美観が低下し得るような遊技機であっても、可変箇所を第2の状態とした場合の美観の低下を抑制することが可能となる。すなわち、可変箇所が第1の状態であっても第2の状態であっても、高い美観を有する遊技機とすることが可能である。
手段A7に係る発明は、
手段A2から手段A6までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記可変箇所における前面(左側第3装飾部213の前面213a)は、
前記第1の状態では、前記第2の状態よりも、隣接する部分の前面(左側第1装飾部211の前面211a、左側第2装飾部212の前面212a)との距離が近いものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1の状態の可変箇所により、第2の状態よりも、隣接する部分と揃った面を構成することが可能となる。よって、第1の状態の可変箇所を含む部分により、装飾性が高く、高い美観をもつ遊技機を構成することが可能となる。
手段A8に係る発明は、
手段A1から手段A7までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記可変箇所を、前記第1の状態と前記第2の状態との間で変位させることが可能な可変部材(左側第3装飾部213、313、413、513、613、713)を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、可変部材により、可変箇所を、第1の状態と第2の状態との間で変位させることが可能である。
手段A9に係る発明は、
手段A8に記載の遊技機であって、
前記可変部材(左側第3装飾部213、313、613、713)は、その前面が、前記第2の状態では、前記第1の状態よりも後方側に移動した位置をとるものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、可変部材の前面が前後方向に移動することで、可変箇所を、第1の状態と第2の状態との間で変位させることが可能である。
手段A10に係る発明は、
手段A8に記載の遊技機であって、
前記可変部材(左側第3装飾部413、513)は、前記第2の状態では、前記第1の状態のときよりも、前後方向と交差する方向について可変箇所から遠ざかる向きに移動した位置をとるものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、可変部材が、前後方向と交差する方向について移動することで、可変箇所を、第1の状態と第2の状態との間で変位させることが可能である。
手段A11に係る発明は、
手段A9に記載の遊技機であって、
前記可変部材(左側第3装飾部613、713)は、後方向きの力を受けていないときには前記第1の状態となり、後方向きの力を受けた状態では前記第2の状態となるものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、可変部材が、後方向きの力を受けているかいないかにより、可変箇所を、第1の状態と第2の状態との間で変位させることが可能である。
手段A12に係る発明は、
手段A9または手段A10に記載の遊技機であって、
前記可変部材(左側第3装飾部213、313、413、513、613)は、前記第1の状態および前記第2の状態の一方で保持されているときに、所定の操作力が付与されることで、前記一方とは異なる他方へと変位可能なものであることを特徴とする遊技機である。
手段A13に係る発明は、
手段A8から手段A12までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記可変部材に光を照射可能な発光部を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、可変箇所においても、発光演出等を行うことが可能となる。よって、例えば、遊技機の興趣性の向上を図ることが可能となる。