JP2018143429A - 断層画像撮影装置、および断層画像撮影プログラム - Google Patents
断層画像撮影装置、および断層画像撮影プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 被検体の断層画像を効率的に取得する。【解決手段】 断層画像撮影装置であって、被検体内に挿入されるプローブ外筒と、光ファイバと、開口部を有する遮光部材と、遮光部材の開口部を介して被検体上で光ファイバからの測定光を偏向する偏向部と、を有するプローブを装着するプローブ装着部と、光源から出射された光を分割手段によって測定光と参照光とに分割し、プローブを介して測定光を被検体の組織に導き、参照光を参照光学系に導いた後、被検体の組織で反射した測定光と参照光との干渉状態を検出器によって検出する干渉光学系と、検出器からの信号に基づいて断層画像を生成する画像生成手段と、断層画像生成手段によって生成される断層画像を処理する画像処理手段と、を備え、画像処理手段は、テンプレートマッチング処理によって断層画像から遮光部材の開口部を検出することを特徴とする。【選択図】図4
Description
本発明は、被検体の組織の断層画像を撮影する断層画像撮影装置、および断層画像撮影プログラムに関する。
従来、被検体の所定部位における断層画像を撮影することができる装置として、光断層干渉計(Optical Coherence Tomography:OCT)を用いた装置が知られている。OCTを用いた光断層像撮影装置は、光源から出射された光を測定光と参照光に分割し、分割した測定光を被検体の組織に照射する。組織によって反射された測定光を参照光と合成し、合成した光の干渉信号から、組織の深さ方向の情報を取得する。光断層像撮影装置は、取得した深さ方向の情報を用いて断層画像を生成することができる。
被検体内に挿入可能なプローブの先端から測定光を照射することで、組織の断層画像を被検体内から撮影する断層画像撮影装置も提案されている。このような断層画像撮影装置では、プローブ内の光ファイバが回転することによって、測定光が被検体上を走査され、設定された走査角度ごとに検出器によって画像データが取得される(例えば、特許文献1)
ところで、プローブを用いて断層画像を撮影する場合、例えば、光ファイバの回転によって360°ほぼ全ての方向の断層画像が取得される。しかしながら、撮影対象となる被検体の組織は、光ファイバが1回転するうちの一部の領域において撮影されることが多く、被検体の断層画像を効率的に取得できているとは言えなかった。
本開示は、上記問題点を鑑み、被検体の断層画像を効率的に取得する断層画像撮影装置、および断層画像撮影プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 被検体の断層画像を撮影する断層画像撮影装置であって、前記被検体内に挿入されるプローブ外筒と、前記プローブ外筒の内部において前記プローブ外筒の長手方向に配置される光ファイバと、開口部を有し前記光ファイバの周囲に配置される遮光部材と、前記光ファイバの先端から出射される測定光を偏向し、前記遮光部材の開口部を介して前記被検体上で測定光を走査する偏向部と、を有するプローブを装着するプローブ装着部と、光源から出射された光を分割手段によって測定光と参照光とに分割し、前記プローブ装着部に装着される前記プローブを介して測定光を被検体の組織に導き、参照光を参照光学系に導いた後、被検体の組織で反射した測定光と参照光との干渉状態を検出器によって検出する干渉光学系と、前記検出器からの信号に基づいて断層画像を生成する画像生成手段と、前記断層画像生成手段によって生成される前記断層画像を処理する画像処理手段と、を備え、前記画像処理手段は、テンプレートマッチング処理によって前記断層画像から前記遮光部材の開口部を検出することを特徴とする。
(2) 被検体の断層画像を撮影する断層画像撮影装置において実行される断層画像撮影プログラムであって、前記断層画像撮影装置のプロセッサによって実行されることで、プローブ内に設けられた遮光部材の開口部を介して前記被検体上で走査された測定光と、前記測定光に対応する参照光との干渉状態に基づいて断層画像を生成する断層画像生成ステップと、前記断層画像生成ステップにおいて生成された前記断層画像に対してテンプレートマッチング処理を行うことによって、前記遮光部材の開口部を検出する画像処理ステップと、を前記断層画像撮影装置に実行させることを特徴とする。
(2) 被検体の断層画像を撮影する断層画像撮影装置において実行される断層画像撮影プログラムであって、前記断層画像撮影装置のプロセッサによって実行されることで、プローブ内に設けられた遮光部材の開口部を介して前記被検体上で走査された測定光と、前記測定光に対応する参照光との干渉状態に基づいて断層画像を生成する断層画像生成ステップと、前記断層画像生成ステップにおいて生成された前記断層画像に対してテンプレートマッチング処理を行うことによって、前記遮光部材の開口部を検出する画像処理ステップと、を前記断層画像撮影装置に実行させることを特徴とする。
<実施例>
以下、本発明の一実施例について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本実施例に係る光断層像撮影装置1の概略構成について説明する。本実施例の光断層像撮影装置(光コヒーレンストモグラフィーデバイス)1は、被検体内の組織の断層画像を、被検体内に挿入されるプローブ2を利用して撮影する。本実施例では、被検眼Eの内部組織(例えば、網膜)の断層画像を撮影する眼科撮影装置を例示して説明を行う。しかし、本発明は、眼以外の被検体(例えば、内臓、耳等)の断層画像を撮影する装置にも適用できる。光断層像撮影装置1は、測定部10と制御部20を備える。
以下、本発明の一実施例について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本実施例に係る光断層像撮影装置1の概略構成について説明する。本実施例の光断層像撮影装置(光コヒーレンストモグラフィーデバイス)1は、被検体内の組織の断層画像を、被検体内に挿入されるプローブ2を利用して撮影する。本実施例では、被検眼Eの内部組織(例えば、網膜)の断層画像を撮影する眼科撮影装置を例示して説明を行う。しかし、本発明は、眼以外の被検体(例えば、内臓、耳等)の断層画像を撮影する装置にも適用できる。光断層像撮影装置1は、測定部10と制御部20を備える。
測定部10は、光断層干渉計(OCT:Optical Coherence Tomography)の構成を備える。本実施例の測定部10は、測定光源11、エイミング光源12、カップラー13、カップラー14、参照光学系15、装着部16、ファイバ回転モータ17、および検出器(受光素子)18を備える。
測定光源11は、断層画像を取得するための光を出射する。一例として、本実施例の光断層像撮影装置1は、出射するレーザ光の波長を高速で変化させることが可能な測定光源11を備えることで、Swept−source OCT(SS−OCT)計測によって断層画像を取得する。本実施例の測定光源11は、レーザ媒体、共振器、および波長選択フィルタ等によって構成される。波長選択フィルタとして、例えば、回折格子とポリゴンミラーの組み合わせ、または、ファブリー・ペローエタロンを用いたフィルタ等を採用できる。
エイミング光源12は、測定光の照射位置(つまり、深さ方向の情報の取得位置。断層画像を撮影する場合には、断層画像の撮影位置。)を示すための可視光であるエイミング光を出射する。本実施例のエイミング光源12は、緑色から赤色までの間でエイミング光の色(波長)を変化させることができる。また、エイミング光源12は、エイミング光の点滅と常時点灯とを切り替えることができ、点滅の周期を変化させることもできる。
カップラー13は、測定光源11から出射された光と、エイミング光源12から出射されたエイミング光とを合波し、2つの光の光軸を一致させる。カップラー14は、カップラー13から入射された光を、測定光(試料光)と参照光に分割する。測定光は、装着部16に装着されたプローブ2に導波される。参照光は、参照光学系15に導波される。また、カップラー14は、被検眼Eによって反射された測定光(反射測定光)と、参照光学系15によって生成された参照光とを合成して干渉光を生成する。カップラー14は、生成した干渉光を検出器18に受光させる。
参照光学系15は、カップラー14から導波された参照光を再びカップラー14に戻す。参照光学系15は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであってもよい。本実施例では、参照光学系15は、参照ミラー等を備えた反射光学系によって、カップラー14から導かれた参照光を反射させて、カップラー14に再び戻す。例えば、参照ミラー等が図示なき駆動部によって光軸方向に移動されることによって干渉光学系の光路長が調整される。前述したように、カップラー14に戻された参照光は、被検眼Eによる反射測定光と合成される。なお、参照光学系15の構成は変更できる。例えば、参照光学系15は、カップラー14から導かれた参照光を反射させずに、光ファイバ等の透過光学系によって検出器18へ透過させてもよい。
装着部(例えばコネクタ)16には、プローブ2におけるファイバ4の後端部(基端部)が着脱可能に装着される。本実施例のプローブ2は、ファイバ4、ハンドピース5、および挿入部6(例えば、ニードル)6を備える。ファイバ4は、測定部10のカップラー14から導かれた測定光とエイミング光を、挿入部6の先端部まで導波する。ファイバ4はトルクコイル(図示せず)によって被覆されており、ハンドピース5に対して回転自在である。ハンドピース5は、作業者(例えば、検者、術者等)によって把持される略筒状の部材である。挿入部6は、ハンドピース5の先端に設けられており、ハンドピース5の外径よりも小さい外径を有する。挿入部6の先端部は、被検体(例えば、被検眼E)の内部に挿入される。ファイバ4は、ハンドピース5の後端部に接続し、挿入部6の先端部まで延びている。プローブ2は、ファイバ4によって導波された測定光およびエイミング光を走査させながら、先端部から出射することができる。プローブ2における先端部の構造の詳細については、図2を参照して後述する。
ファイバ回転モータ17は、プローブ2のファイバ4が装着された装着部16を、ファイバ4の軸を中心として回転させることができる。つまり、ファイバ回転モータ17は、装着部16を回転させることでファイバ4を回転させて、測定光およびエイミング光を走査させる。
検出器18は、反射測定光と参照光の干渉状態を検出する。換言すると、検出器18は、カップラー14によって生成された干渉光の干渉信号を検出する。より詳細には、フーリエドメインOCTの場合には、干渉光のスペクトル強度が検出器18によって検出され、スペクトル強度データに対するフーリエ変換によって、所定範囲における深さプロファイル(Aスキャン信号)が取得される。前述したように、本実施例の光断層像撮影装置1には、SS−OCTが採用されている。しかし、光断層像撮影装置1には、種々のOCTを採用できる。例えば、Spectral−domain OCT(SD−OCT)、Time−domain OCT(TD−OCT)等のいずれを光断層像撮影装置1に採用してもよい。SS−OCTを採用する場合、複数の受光素子を有する平衡検出器を検出器18として採用するのが望ましい。平衡検出器を用いる場合、光断層像撮影装置1は、複数の受光素子からの干渉信号の差分を得て、干渉信号に含まれる不要なノイズを削減することができる。その結果、断層画像の品質が向上する。
なお、測定部10は、測定光と参照光の光路長差を変更する構成を有する。本実施例の測定部10は、参照光学系15が備える光学部材(例えば、参照ミラー)を光軸方向に移動させることで、光路長差を変更する。ただし、光路長差を変更するための構成は、測定光の光路中に配置されてもよい。また、光断層像撮影装置1は、測定光のフォーカス調整を行うための光学系等の種々の構成をさらに備えるが、これらの詳細な説明は省略する。
制御部20は、CPU(プロセッサ)21、RAM22、ROM23、および不揮発性メモリ24等を備える。CPU21は、光断層像撮影装置1、および周辺機器の制御を司る。RAM22は、各種情報を一時的に記憶する。ROM23には、各種プログラム、初期値等が記憶されている。不揮発性メモリ24は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、および、光断層像撮影装置1に着脱可能に装着されるUSBメモリ等を、不揮発性メモリ24として使用することができる。不揮発性メモリ24には、CPU21によって実行される処理を制御するための撮影制御プログラムが記憶されている。また、不揮発性メモリ24には、撮影された断層画像、プローブ2の先端部と組織との距離等の各種情報が記憶される。なお、本実施例の制御部20は、画像生成手段および画像処理手段等として機能する。
本実施例では、測定部10に接続されたパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)が制御部20として用いられる。しかし、PCを用いずに、測定部10と制御部20を1つのデバイスに一体化させてもよい。また、制御部20は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。例えば、PCに設けられた第一制御部と、測定部10内に設けられた第二制御部とによって、光断層像撮影装置1の制御部20が構成されてもよい。この場合、例えば、PCの第一制御部は、PCに接続された操作部の操作に基づいて、撮影の開始および終了等を第二制御部に対して指示すればよい。第二制御部は、第一制御部からの指示に従って、測定光源11、エイミング光源12、ファイバ回転モータ17等の動作を制御すればよい。また、干渉信号に基づく画像の生成処理等は、第一制御部および第二制御部のいずれで行ってもよい。
制御部20には、表示部31、操作部32、スピーカ33、振動部34、フットスイッチ35、および手術顕微鏡36等の周辺機器が電気的に接続される。表示部31には、不図示の作業用画面等が表示される。表示部31は、PCのディスプレイであってもよいし、光断層像撮影装置1専用のディスプレイであってもよい。複数のディスプレイが併用されてもよい。操作部32は、作業者による各種操作指示を認識するためのデバイスである。操作部32には、例えば、マウス、ジョイスティック、キーボード、タッチパネル等の少なくともいずれかを用いればよい。スピーカ33は音声を発生させる。振動部34は、作業者に感知される振動を発生させることができる。
フットスイッチ35は、作業者の足元に配置される。作業者は、プローブ2等を注視しながらフットスイッチ35を操作することができる。手術顕微鏡36は、被検体(本実例では被検眼E)の内部を、手術中、診断中、またはこれらの訓練中に拡大表示(本実施例では撮影して拡大表示)する。作業者は、手術顕微鏡36を覗き込みながら手術、診断、またはこれらの訓練(本実施例では、これらをまとめて「作業」という。)を行う。また、本実施例では、制御部20は、手術顕微鏡36によって撮影された画像を取得し、表示部31に表示させることができる。作業中には、作業者の補助者等は、表示部31に表示された画像を確認することで、作業状況等を確認することができる。なお、手術顕微鏡36を用いなくてもよい。例えば、被検体の内部の画像を撮影するための観察光学系を、測定部10に設けてもよい。この場合、作業者は、観察光学系によって撮影された画像を確認しながら作業を行うことができる。また、作業者が肉眼でプローブ2の先端部近傍を注視してもよい。
図2を参照して、プローブ2のニードル6における先端部の構造について詳細に説明する。ニードル6の先端部には、遮光部材61、外筒66、保持部68、および偏向部71等が設けられている。
遮光部材61は、ファイバ4の先端側の周囲(特に、保持部68および偏向部71の周囲)を囲む。本実施例では、遮光部材61の形状は、略筒状である。遮光部材61は、測定光およびエイミング光を遮光する材質によって形成されている。遮光部材61のうち、軸線方向において偏向部71が位置する部位の近傍には、測定光およびエイミング光の走査方向(軸周りの方向)に所定の幅を有する開口部62(又は、切欠き)が形成されている。偏向部71から照射された光は、開口部62の内側の領域63(以下、「透過領域63」という。)では外部に透過されるが、開口部62が形成されていない領域64(以下、「遮光領域64」という。)では遮光部材61によって遮光される。
本実施例では、遮光部材61の内側の面には粗面加工が施されている。つまり、遮光部材61の内側の面には、微細な多数の凹凸が形成されている。この場合、遮光領域64では、遮光部材61の内側の面に照射された光が散乱する。従って、遮光部材61の内側が光を散乱させにくい場合(例えば、内側の面に鏡面加工が施されている場合)に比べて、遮光領域64で反射された反射光が偏向部71に戻らない可能性が低下する。つまり、鏡面加工等が施されている場合には、偏向部71とは異なる方向に光が反射すると、偏向部71には反射光は入射しない。反射光が散乱すると、反射光は偏向部71に戻りやすい。よって、光断層像撮影装置1は、測定光が遮光領域64に照射されていることを検出する場合に、遮光領域64で反射された反射光を用いてより確実な検出を行うことができる。
なお、本実施例の透過領域63の形状は略矩形であるが、透過領域63の大きさ、形状、数等を変更できることは言うまでもない。また、透過領域63と遮光領域64を形成するための具体的な方法も変更できる。例えば、測定光およびエイミング光を透過する材質と、遮光する材質とを組み合わせて遮光部材61を製造することで、透過領域63と遮光領域64を形成してもよい。
外筒66は、測定光およびエイミング光を透過する材質によって形成されており、遮光部材61の外側を閉塞する。従って、外筒66は、血液、硝子体の組織等が内側に侵入することを防止しつつ、透過領域63の内側と外側との間における光の透過を許容する。なお、外筒66は遮光部材61の内側に位置してもよい。
保持部68は、外形略円柱状の部材であり、遮光部材61に対して固定されている。保持部68の軸心部分には、ファイバ4を回転可能な状態で挿通する挿通孔69が形成されている。保持部68は、遮光部材61に対するファイバ4の軸の位置を一定にした状態で、ファイバ4を回転可能に保持する。
偏向部71は、ファイバ4の先端部に設けられている。偏向部71は、ファイバ4の先端部から出射された光を偏向させる。偏向部71によって偏向された光は、透過領域63を通過したときに被検体の組織に照射される。なお、本実施例において、偏向部71によって偏向された光は、所定の距離で集光される。偏向部71は、例えば、ボールレンズであってもよいし、プリズムであってもよい。また、偏向部71は、組織で反射された反射測定光を受光し、ファイバ4に入射させる。本実施例の偏向部71は、ファイバ4の軸方向に対して約70度の角度で光を偏向させるが、偏向の角度は適宜変更できる。なお、ファイバ4のうち、保持部68よりも後端側の部分の外周には、ファイバ4のねじれ等を抑制するためのシャフト73が設けられている。
図3は、遮光部材61の構造と断層画像の撮影領域の関係を示している。図3(a)は、プローブ2を長手方向から見たときの様子を示す。図3(a)に示す方向に、光ファイバ4が1回転され、領域Rに測定光が走査されることによって、図3(b)のような断層画像70が取得される。光ファイバ4が1回転されることによって、測定光の走査位置が最初の位置に戻るため、断層画像70の左右は繋がっている。なお、図を分かりやすくするため、断層画像70の背景を白、遮光部材61を黒で示しているが、背景が黒で遮光部材61が白い画像あってもよいし、カラー画像であってもよい。画像の色は、適宜設定される。
<装置の操作および制御動作>
続いて、装置の操作方法および装置の制御動作を図4に基づいて説明する。まず、検者は、プローブ2を装着部16に装着する。CPU21は、図示なきセンサ等によってプローブの装着を検知すると(ステップS1)、光路長調整を行う(ステップS2)。例えば、CPU21は、測定光を走査させて断層画像70を取得し、断層画像70に写った遮光部材の位置が所定位置に移動するように光路長を調整する。例えば、通常の撮影モードにおいて、遮光部材61の位置が断層画像70の上部にある場合、CPU71は、遮光部材61が断層画像70の上部に配置されるように光路長を調整する。
続いて、装置の操作方法および装置の制御動作を図4に基づいて説明する。まず、検者は、プローブ2を装着部16に装着する。CPU21は、図示なきセンサ等によってプローブの装着を検知すると(ステップS1)、光路長調整を行う(ステップS2)。例えば、CPU21は、測定光を走査させて断層画像70を取得し、断層画像70に写った遮光部材の位置が所定位置に移動するように光路長を調整する。例えば、通常の撮影モードにおいて、遮光部材61の位置が断層画像70の上部にある場合、CPU71は、遮光部材61が断層画像70の上部に配置されるように光路長を調整する。
例えば、図5(a)に示すように、断層画像70に写った遮光部材61aの位置が画像の中央にきている場合、CPU21は、遮光部材61aが上部にくるように光路長を調整し(図5(b)参照)、このときの参照光学系15の状態(例えば、参照ミラーの位置など)をメモリ24等に記憶させる。
光路長調整が完了すると、CPU21は、開口部62(および透過領域63)を検出するためのテンプレートマッチング処理に用いるテンプレートを作成する(ステップS3)。テンプレートマッチング処理は、例えば、テンプレートと呼ばれる一部の画像領域と同じパターンが画像全体の中に存在するかどうか調べる処理である。例えば、CPU21は、テンプレートを画像の中で順番に移動させながら、テンプレートとテンプレートに重なる部分の画像の類似度等を算出し、類似度が高い位置を検出する。なお、本実施例の場合、テンプレートは、実際に測定部10によって撮影された遮光部材61の断層画像70から作成される。このように、実際の断層画像70に基づいてテンプレートを作成することで、プローブ2の種類が異なる場合であっても、装着されたプローブ2に適したテンプレートを作成することができる。
テンプレートの作成について具体的に説明する。まず、CPU21は、図6に示すような開口端テンプレート74でテンプレートマッチングを行い、遮光部材61の開口部62を検出する。開口端テンプレート74は、例えば、あらかじめ用意したモデル画像が用いられる。プローブ2によって開口部62の幅が若干異なるため、開口端テンプレート74は、図6に示すように、左テンプレート71と、右テンプレート72の左右2種類のモデル画像を用意する。CPU21は、開口端テンプレート74と断層画像70のマッチング処理を行うと、図7(a)のように遮光部材61の開口部62を検出し、テンプレートを切り出す。例えば、図7において、枠71pが左テンプレート71の検出位置、枠72pが右テンプレート72の検出位置、枠73pが開口部62のテンプレート73として切り出される範囲である。このとき、CPU21は、左テンプレート71と右テンプレート72の間の幅を開口部62の幅Dとし、中心x座標を開口部62の中心座標とする。図7(b)は、枠73pの範囲において実際の断層画像70から切り出されたテンプレート73を示す。このように、本実施例では、テンプレート73として断層画像70の少なくとも一部が用いられる。また、図7(b)のように、テンプレート73として開口部62の少なくとも一部を含む断層画像が用いられる。
なお、図9(a)のように、開口部62がテンプレート72の左右にまたがっている場合は、例えば、いわゆるトリガーディレイ機能を用いて測定光を走査するタイミングをずらしてもよい。これによって、CPU21は、開口部62の位置を図5(b)のように中央部に移動させ、再度開口部62を検出することで適切な遮光部材61のテンプレートを取得することができる。
なお、撮影モードに応じて断層画像上の遮光部材61aが異なる位置に切り換わる場合は、遮光部材61aの位置に応じて複数のテンプレート73を作成してもよい。例えば、遮光部材61aの位置が断層画像70の上部(例えば、ワーキングディスタンス1mm位置)にある場合と、下部(例えば、ワーキングディスタンス3mm位置)にある場合とで切り換え可能な場合、それぞれの位置で光路長を調整し、テンプレートを作成してもよい。例えば、CPU21は、作成するテンプレートの数だけステップS2とステップS3を繰り返す。
例えば、CPU21は、遮光部材61が上部に写る実際の断層画像70に基づいてテンプレートを作成した後、遮光部材61aが断層画像70の下部にくるように光路長を調整し(図5(c))、下部の遮光部材61のテンプレートを作成する。このように、遮光部材61が上部にあるときと下部にあるときの2種類のテンプレートを取得することによって、上部と下部とで遮光部材61の写り方や画像の明るさなどが若干異なっても、それぞれの場合に適したテンプレートで精度良くマッチング処理を行える。なお、上部と下部のテンプレートに分けずに、例えば、遮光部材61が断層画像70の中央部にあるときの画像をテンプレートとして使用してもよい。この場合、テンプレートは1種類でよいため、マッチング処理の高速化が図れる。
テンプレートの作成が完了すると、検者は、プローブ2を被検眼に挿入し、被検眼の撮影を開始する(ステップS4)。例えば、検者は、フットスイッチ35を操作する。フットスイッチ35は、CPU21に操作信号を出力する。CPU21は、フットスイッチ35からの操作信号を受け付けると、撮影を開始する。CPU21は、測定光源から測定光を出射させ、また、ファイバ4を回転させる。ファイバ4を通過した測定光は、透過領域63から被検眼の内部に照射され、眼底で反射する。眼底で反射された測定光は、再び透過領域63から挿入部6内部に入り、ファイバ4を通る。ファイバ4を通って測定部に戻った測定光は、カップラー14にて、参照光学系からの参照光と合成されて干渉光となり、検出器18に検出され、断層画像70が生成される(ステップS5)。
次に、CPU21は、生成された断層画像70に対してテンプレートマッチングを行い(ステップS6)、開口部62を検出する。例えば、図8(a)のような断層画像70の入力に対して開口部62の検出を行う場合、まず、CPU21は、図8(b)のように入力画像を光ファイバ4の回転方向に2枚並べた探索画像70W(合成画像)を作成する。入力画像を2枚並べることによって、開口部62の中心が画像のどこにあっても安定して開口部62を検出できる。つまり、テンプレート73の作成に用いた断層画像70と入力画像とで開口部62の位置が左右にずれている場合であっても、CPU21は、入力画像を2枚並べた探索画像70Wに対してテンプレート73に類似する位置を見つけることができる。
CPU21は、探索画像70Wに対してテンプレート73を用いたマッチング処理を行い、開口部62を検出する。例えば、テンプレートマッチングを行うことによって、図8(b)の枠73aのようにテンプレート73に類似する位置を検出することができる。
また、図9に示すように、開口部62が画像の左右にまたがってしまった場合であっても、図8の場合と同様に、入力画像を2枚並べた探索画像70Wを用いることによって、開口部62を安定して検出することができる。
なお、複数のテンプレート(上部テンプレートと下部テンプレートなど)73でテンプレートマッチングを行う場合、複数のテンプレートのうち、より高い類似度の検出結果を採用するとよい。
開口部62を検出すると、CPU21は、開口部62の位置を基準に画像を切り出す(ステップS7)。例えば、テンプレート73において開口部62の中心x座標が既知であるため、図8(b)に示すように、CPU21は、そのx座標をもとに画像の切り出し範囲75を設定する。例えば、CPU21は、開口部62が画像中央に位置するように、切り出し範囲75を設定し、画像を切り出す。これによって、図8(c),図9(c)のように、常に開口部62が中心に位置する画像を得ることができる。
CPU21は、例えば、毎フレームごとに開口部62を検出し、開口部62が画像の中央部に写るように表示領域(切り出し範囲75)を設定し、切り出された画像を表示部31に出力する(ステップS8)。検者は、例えば、フットスイッチ35を操作し、リアルタイムで撮影されている画像をキャプチャする。CPUは、フットスイッチ35から操作信号を受信すると、リアルタイム画像を静止画として不揮発性メモリ24に保存(記憶)する。
以上のように、本実施例の断層画像撮影装置1は、テンプレートマッチングを用いることで安定して遮光部材61の開口部62を検出することができる。例えば、断層画像70において網膜像80が開口部62の付近(例えば、同じ高さ)に写る場合など、輝度プロファイルの解析等で開口部62を検出することが難しい場合であっても、テンプレートマッチングを用いることで開口部62を安定して検出することができる。
また、本実施例の断層画像撮影装置1は、検出された開口部62の位置を利用して、効率的に断層画像の撮影を行うことができる。例えば、撮影対象となる網膜像80は、図8に示すように、開口部付近の領域にしか現れないため、画像の加算平均、またはオートコントラスト調整などの各種画像処理を行うときの領域(処理領域)を、開口部付近の領域のみに設定することで、処理時間を短縮させることができる。また、上記のように、開口部62を任意の位置(例えば、画像中央)に表示させることによって、プローブの回転速度の非等速性によって網膜像80の表示位置が左右に揺れることを防ぐことができる(ブレ補正)。
なお、本実施例のように、CPU21は、光路長調整時にテンプレート73を取得することによって、プローブ2ごとに最適なテンプレートを取得することができる。これによって、遮光部材61の厚さ、開口部62の幅等の異なるプローブ2であっても、精度良く開口部62を検出することができる。しかしながら、テンプレート73は、光路長調整時に限らず、他のタイミングで取得されてもよいし、予め用意されていてもよい。
なお、以上の実施例において、テンプレート73の作成時、開口端テンプレート74を用いたテンプレートマッチングによって開口部62を検出したが、テンプレート作成時における開口部62の検出方法はテンプレートマッチングに限らず、種々の画像処理手法を用いてもよい。例えば、断層画像70の輝度プロファイルに基づいて開口部62を検出し、検出された開口部62を含む領域の画像を切り出すことでテンプレート73を作成してもよい。
なお、以上の説明において、探索画像70Wは、入力画像(断層画像70)を2枚並べた画像であるとしたが、2枚以上並べた場合も同様に、開口部62の位置に関わらず安定して開口部62を検出できる。
なお、不揮発性メモリ24等に、図4に示すような制御ステップを断層画像撮影装置1に実行させるためのプログラムが記憶され、CPU21によって実行されてもよい。
1 光断層像撮影装置
2 プローブ
11 測定光源
12 エイミング光源
14 カップラー
15 参照光学系
16 装着部
18 検出器
20 制御部
21 CPU
24 不揮発性メモリ
2 プローブ
11 測定光源
12 エイミング光源
14 カップラー
15 参照光学系
16 装着部
18 検出器
20 制御部
21 CPU
24 不揮発性メモリ
Claims (10)
- 被検体の断層画像を撮影する断層画像撮影装置であって、
前記被検体内に挿入されるプローブ外筒と、前記プローブ外筒の内部において前記プローブ外筒の長手方向に配置される光ファイバと、開口部を有し前記光ファイバの周囲に配置される遮光部材と、前記光ファイバの先端から出射される測定光を偏向し、前記遮光部材の開口部を介して前記被検体上で測定光を走査する偏向部と、を有するプローブを装着するプローブ装着部と、
光源から出射された光を分割手段によって測定光と参照光とに分割し、前記プローブ装着部に装着される前記プローブを介して測定光を被検体の組織に導き、参照光を参照光学系に導いた後、被検体の組織で反射した測定光と参照光との干渉状態を検出器によって検出する干渉光学系と、
前記検出器からの信号に基づいて断層画像を生成する画像生成手段と、
前記断層画像生成手段によって生成される前記断層画像を処理する画像処理手段と、を備え、
前記画像処理手段は、テンプレートマッチング処理によって前記断層画像から前記遮光部材の開口部を検出することを特徴とする断層画像撮影装置。 - 前記画像処理手段は、前記テンプレートマッチング処理に用いるテンプレートとして、前記画像生成手段によって生成された前記断層画像の少なくとも一部を用いることを特徴とする請求項1の断層画像撮影装置。
- 前記画像処理手段は、前記テンプレートマッチング処理に用いるテンプレートとして、前記開口部の少なくとも一部を含む前記断層画像を用いることを特徴とする請求項2の断層画像撮影装置。
- 前記画像処理手段は、前記断層画像に基づいて前記テンプレートを作成する場合、前記断層画像から前記開口部を検出し、前記開口部の検出結果に基づいて、前記断層画像から前記テンプレートを作成することを特徴とする請求項3の断層画像撮影装置。
- 前記画像処理手段は、前記開口部の左端を検出するための左テンプレートと、前記開口部の右端を検出するための右テンプレートとを用いたテンプレートマッチング処理を行うことによって前記断層画像から前記開口部を検出することを特徴とする請求項4の断層画像撮影装置。
- 前記画像処理手段は、前記開口部の中心座標、および前記開口部の幅の少なくともいずれかを検出することを特徴とする請求項4または5の断層画像撮影装置。
- 前記画像処理手段は、前記断層画像を2枚並べた探索画像を対象として前記テンプレートマッチング処理を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかの断層画像撮影装置。
- 前記画像処理手段は、前記開口部の検出結果に基づいて、前記断層画像を処理するときの処理領域を設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの断層画像撮影装置。
- 前記画像処理手段は、前記開口部の検出結果に基づいて、前記断層画像を表示手段に表示させるときの表示領域を設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの断層画像処理装置。
- 被検体の断層画像を撮影する断層画像撮影装置において実行される断層画像撮影プログラムであって、前記断層画像撮影装置のプロセッサによって実行されることで、
プローブ内に設けられた遮光部材の開口部を介して前記被検体上で走査された測定光と、前記測定光に対応する参照光との干渉状態に基づいて断層画像を生成する断層画像生成ステップと、
前記断層画像生成ステップにおいて生成された前記断層画像に対してテンプレートマッチング処理を行うことによって、前記遮光部材の開口部を検出する画像処理ステップと、
を前記断層画像撮影装置に実行させることを特徴とする断層画像撮影プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017040675A JP2018143429A (ja) | 2017-03-03 | 2017-03-03 | 断層画像撮影装置、および断層画像撮影プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017040675A JP2018143429A (ja) | 2017-03-03 | 2017-03-03 | 断層画像撮影装置、および断層画像撮影プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018143429A true JP2018143429A (ja) | 2018-09-20 |
Family
ID=63590259
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017040675A Pending JP2018143429A (ja) | 2017-03-03 | 2017-03-03 | 断層画像撮影装置、および断層画像撮影プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018143429A (ja) |
-
2017
- 2017-03-03 JP JP2017040675A patent/JP2018143429A/ja active Pending
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