JP2018143182A - ウナギ飼育方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】飼育環境下でウナギの雌化を促進することができるウナギ飼育方法を提供する。【解決手段】ウナギ飼育方法は、内部に進入したウナギの全身を覆い隠す中空の収容部材2が配置された水槽1内で、性分化前のウナギを飼育する飼育工程を含む。飼育工程では、飼育区画あたりのウナギの収容尾数を、ウナギの成長に応じて増加させる、こととしてもよい。飼育工程では、飼育区画あたりのウナギの収容尾数を2〜4尾として飼育を開始し、すべてのウナギの体長が20cm以上になってから飼育区画あたりのウナギの収容尾数を5尾以上に増加させる、こととしてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、ウナギ飼育方法に関する。
ニホンウナギ(Anguilla japonica)の養殖では、天然海域から捕獲した稚魚のシラスウナギを養殖用種苗として使用している。近年、シラスウナギの捕獲量が減少しているため、養殖ウナギの生産量も減少している。養殖ウナギの生産量の減少は、ウナギ価格の高騰を招いている。シラスウナギの捕獲量の減少は続くことが予想されており、ウナギの養殖の存続が危ぶまれている。
現在、水産教育機関及び水産研究機構が中心となってウナギの完全養殖の研究が進められている。この一連の研究により、完全養殖が実現しているが、完全養殖に係る技術は、実用的な水準には到達していない。完全養殖の実用化が困難な要因としては、種苗生産時におけるウナギ仔魚の斃死が多いことが挙げられる。
斃死の原因として、餌の問題の他に、生残できる活性の高い仔魚を生産できないこと、及び親魚養成時における受精卵の質の低下が挙げられる。親魚養成時には、エストロゲンを混ぜた餌を、性分化時期(体長200mm程度)に経口投与して雌化を促進する方法が採用されている。さらに性成熟促進を目的として、雌にも雄にもホルモンが投与される。こうした薬剤の投与が受精卵の卵質を低下させると考えられている。
特許文献1には、ホルモンを投与することなく雌ウナギの卵巣を成熟させるために、海水の温度等を所定の時間サイクルに従って周期的に変動させることを含む、ウナギの催熟方法が提案されている。特許文献2には、性成熟していない雄ウナギ又は雌ウナギの性成熟を誘導するために、飼育水の溶存酸素の濃度を調整する手段を備えるウナギ用飼育装置が開示されている。
特開2008−154459号公報 特開2013−236598号公報
性分化前のシラスウナギは、飼育環境下では、そのほとんどが雄になることが知られている。上記特許文献1に提案されたウナギの催熟方法及び上記特許文献2に開示されたウナギ用飼育装置は、性分化後のウナギの性成熟を目的とするものであって、ウナギの雌化を促進することはできない。飼育環境下でのウナギの雌化促進技術が求められている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、飼育環境下でウナギの雌化を促進することができるウナギ飼育方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係るウナギ飼育方法は、
内部に進入したウナギの全身を覆い隠す中空の収容部材が配置された水槽内で、性分化前のウナギを飼育する飼育工程を含む。
この場合、前記飼育工程では、
飼育区画あたりの前記ウナギの収容尾数を、前記ウナギの成長に応じて増加させる、
こととしてもよい。
また、前記飼育工程では、
飼育区画あたりの前記ウナギの収容尾数を2〜4尾として飼育を開始し、すべての前記ウナギの体長が20cm以上になってから飼育区画あたりの前記ウナギの収容尾数を5尾以上に増加させる、
こととしてもよい。
また、前記ウナギの飼育開始時の体長は、
14〜16cmである、
こととしてもよい。
また、前記収容部材は、
両端が開口した管である、
こととしてもよい。
また、前記管の開口した一端から他端までの長さは、
20〜25cmであって、
前記管の内径は、
10〜15mmである、
こととしてもよい。
また、前記収容部材の個数は、
前記ウナギの収容尾数以上である、
こととしてもよい。
また、前記ウナギは、
ニホンウナギ(Anguilla japonica)である、
こととしてもよい。
本発明によれば、飼育環境下でウナギの雌化を促進することができる。
本実施の形態に係るウナギ飼育装置の構成を示す概略図である。 パイプを設置しなかった試験区におけるウナギの体重の経時変化を示す図である。 パイプを設置した試験区におけるウナギの体重の経時変化を示す図である。 性分化後のウナギの生殖腺組織を示す図である。(A)は、雄のウナギの生殖腺組織を示す。(B)は雌のウナギの生殖腺組織を示す図である。 試験区1で飼育したウナギの生殖腺組織を示す図である。 試験区2で飼育したウナギの生殖腺組織を示す図である。 試験区4で飼育したウナギの生殖腺組織を示す図である。 試験区5で飼育したウナギの生殖腺組織を示す図である。(A)は雄に分化すると考えられる個体の生殖腺組織を示す図である。(B)は、雌雄が不明の個体の生殖腺組織を示す図である。 試験区6で飼育したウナギの生殖腺組織を示す図である。(A)は雄に分化すると考えられる個体の生殖腺組織を示す図である。(B)は、性未分化の個体の生殖腺組織を示す図である。
本発明に係る実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の実施の形態及び図面によって限定されるものではない。
(実施の形態)
図1は、本実施の形態に係るウナギ飼育方法に好適なウナギ飼育装置100の構成を示す図である。ウナギ飼育装置100は、水槽1と、収容部材2と、暗室3と、エアストーン4と、排水装置5と、を備える。本実施の形態に係るウナギ飼育方法では、収容部材2が配置された水槽1内で、性分化前のウナギを飼育する飼育工程を含む。
水槽1は、ガラス製の水槽である。水槽1は、暗幕で覆った暗室3の内側に配置されている。これにより、水槽1は、遮光された空間に設置される。水槽1内には、送気のためのエアストーン4が設置される。エアストーン4は、チューブを介して送気装置と接続している。エアストーン4は、チューブを介して送られる空気を、水槽1内で放出する。エアストーン4が放出する空気によって、水槽1内の水の酸素量が適切に維持される。
水槽1内には、収容部材2が配置される。収容部材2は、中空で、ウナギが内部に進入できる構造である。収容部材2は、進入したウナギの全身を覆い隠す大きさに形成される。好ましくは、収容部材2は、光を透過しない材料で形成され、内部が遮光されている。例えば、収容部材2は両端が開口したパイプ等の管である。収容部材2として両端が開口した管を用いた場合、当該管の開口した一端から他端までの長さは、ウナギの体長以上、例えば20〜30cm、20〜28cm、好ましくは20〜25cmである。当該管の内径は、10〜20mm、10〜18mm又は10〜15mmである。より具体的には、収容部材2は、一端から他端までの長さが25cmで、内径13mmの塩化ビニル製のパイプである。
収容部材2の個数は特に限定されないが、好ましくは、ウナギの収容尾数以上である。例えば、水槽1におけるウナギの収容尾数を2尾とした場合、収容部材2の個数は2個以上、好ましくは、収容尾数に一致させて2個である。
水槽1内には、排水装置5が配設される。排水装置5は、サイフォン式で水槽1内の水を水槽1の外部に排出する。排水装置5によって、水槽1内の水位が所定の高さに維持される。
水槽1には、外部に設置された水槽6から水が供給される。水槽6には、ヒーター7と、ポンプ8が配置される。水槽6には塩素を除去した水道水が貯められる。水槽6内の水は、ヒーター7によって28℃に維持される。水槽6内の水は、ポンプ8によってチューブを介して水槽1に送られる。このようにして、水槽1には、ウナギの飼育に最適な温度の水が供給される。
水槽1に収容されるウナギは、性分化前のウナギであれば特に限定されない。性分化前のウナギは、例えば、シラスウナギ又は体長15cm程度の「クロコ」と呼ばれるウナギ稚魚である。ウナギが性分化しているか否かは、例えば、ヘマトキシリン・エオシン染色したウナギの生殖腺組織の標本を顕微鏡で観察すればよい。ウナギ個体の生殖腺組織において、樹状に密集した精原細胞又は精原細胞より大きい卵母細胞が確認された場合、その個体は既に性分化している。生殖腺組織において、樹状に密集した精原細胞が観察された個体は雄である。一方、卵母細胞が観察された個体は雌である。
より簡便には、体長で性分化前のウナギを特定することができる。ウナギの性分化は、ウナギの体長が14〜17cmの間に開始され、ウナギの体長が22〜25cmの間で完了する。したがって、体長が約15cmのウナギを、性分化前のウナギとして用いてもよい。例えば、水槽1に収容されるウナギの飼育開始時の体長は、22cm以下、好ましくは6〜20cm、8〜18cm、10〜16cm、12〜16cm又は14〜16cmである。
ウナギの種類は特に限定されず、ウナギ属ウナギ科に分類されるものであればよい。水槽1に収容されるウナギは、例えば、ニホンウナギ、ヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)、オオウナギ(Anguilla marmorata)、及びアメリカウナギ(Anguilla rostrata)等である。水槽1に収容されるウナギは、好ましくは、ニホンウナギである。
本実施の形態に係るウナギ飼育方法では、ウナギの飼育区画あたりの収容尾数は少ない方が好ましい。飼育区画とは、ウナギが他の区域との間で往来できない飼育用の区域をいう。例えば、水槽1内をウナギが往来できない2つの区域に区切った場合、飼育区画は2区画となる。本実施の形態のように水槽1内を区切らず、水槽1を1つの飼育区画としている場合、水槽1あたりの収容尾数は、例えば、2〜4尾、好ましくは2尾である。
好ましくは、飼育区画あたりのウナギの収容尾数は、ウナギの成長に応じて増加させてもよい。例えば、飼育区画あたりのウナギの収容尾数は、性分化前は少なくし、性分化後に増加させてもよい。具体的には、飼育区画あたりのウナギの収容尾数を2〜4尾として飼育を開始し、すべてのウナギの体長が20cm以上(体重約5g以上)になってから飼育区画あたりのウナギの収容尾数を5尾以上に増加させる。ウナギの体長が20cm以上になってからの飼育区画あたりの収容尾数は、例えば8尾である。
本実施の形態に係るウナギ飼育方法によれば、性分化前のウナギを収容部材2が配置された水槽1で飼育するため、下記実施例に示すように、ウナギに隠れる場所を提供できる。これにより、飼育環境下のストレスを軽減することができる。この結果、ホルモンを投与せずにウナギの雌化を促すことができる。また、上記実施の形態では、収容部材2として両端が開口した管を用いてもよいこととした。収容部材2の両端が開口していることで、ウナギが収容部材2の内部により進入し易い。
上記ウナギ飼育方法では、収容部材2の個数は、ウナギの収容尾数以上であってもよいこととした。こうすることで、収容尾数が2尾以上の場合でも、個々のウナギに対応する収容部材2が配置されているため、ウナギにかかるストレスをより確実に軽減することができる。
また、下記実施例に示すように、飼育区画あたりのウナギの収容尾数を2尾として飼育を開始することで、ウナギの雌化が促進される。一方、飼育区画あたりのウナギの収容尾数が少ないと、ウナギの収容尾数が多い場合と比較して摂餌量が低下し、体重が増加しない傾向がある。そこで、本実施の形態に係るウナギ飼育方法では、飼育区画あたりのウナギの収容尾数を、ウナギの成長に応じて増加させてもよいこととした。こうすることで、ウナギの雌化を促し、さらに摂餌が促進されることで雌化した個体の生残率を向上させることができる。
なお、暗室3内には光源を設置してもよい。光源としては、暗室3内で青色光のみを発光する青色発光ダイオード等の光源が好ましい。青色光のみを発光する光源があれば、暗黒下よりも管理者又は作業者が作業し易いうえ、ウナギの摂餌量の低下を防止することができる。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
本実施例では、魚体重が4〜9g、魚体長が15〜19cmのニホンウナギ(Anguilla japonica、鹿児島鰻社製)を飼育した。飼育には、ガラス製15L水槽を用いた。1水槽あたりの収容尾数が1尾、2尾及び8尾となる水槽を各2個ずつ設けた。収容尾数が同じ水槽の一方に、中空構造で内部に進入したウナギの全身を覆い隠す、両端が開口したパイプ(収容部材)を、収容尾数と同数入れた。パイプは塩化ビニル製で、開口した両端間の長さが25cmで、内径が13mmとした。収容尾数及びパイプの本数に応じて表1に示す試験区を設定した。
飼育では、各水槽を暗幕(遮光率95%、ワイドスクリーンBK2012、日本ワイドクロス社製)で覆った。各試験区で10日間の馴致期間の後、ウナギを49日間飼育した。室温20℃に設定した室内で飼育したため、水温は22〜23℃となった。1日あたりの給餌量は、水槽ごとの全魚体重の3.5%とした。給餌は毎日1回行った。
魚体重の測定時には、水槽から5Lビーカーにウナギを移した。魚体重の測定対象であるウナギの水気を紙タオルで拭き取った後、ウナギをプラスチック製バットに移し、体重を測定した。ウナギの体重は、1週間ごとに計測した。該プラスチック製バットには、長さ15cmの金属製の金尺を、ウナギの体長と比較できるように配置した。体重測定の際に、静止したウナギと金尺とをカメラで撮影した。画像解析ソフトのImagej(National Institute of Mental health)を用いて、撮影した画像において金尺とウナギとを比較してウナギの体長を計測した。
飼育終了後、次のようにして生殖腺組織の切片を作製した。生残した全個体をDavidson液で固定し、80%エタノールで保存した。Davidson液の組成は、体積比で、95%エタノールが33%、ホルマリンが22%、酢酸が11.5%、及び蒸留水が33.5%である。固定したウナギの魚体において、背鰭の先端から総排出口に向けて1cmほど組織片を切り取り、プラスチック製の包埋カセット容器(VEC−500OR、AS ONE社製)に入れた。
続いて、組織片を次に示す順で試薬に浸透し、脱水した。
90%エタノール 1時間
100%エタノール 1時間
100%エタノール 1時間
キシレン 1時間
キシレン 1時間
キシレン 1時間
脱水後、組織片をアルミ製の包埋皿に移した。パラフィン包埋装置(EG1150、Leica社製)で溶かしたパラフィン(Paraplast(商標) High Melt)を、組織片を入れた包埋皿に流し込み、組織片にパラフィンを2回(各1時間)浸透させた。上記の工程が終わった後、包埋皿にパラフィンを流し込み、冷却して固めた。冷却した後、包埋皿から取り出したパラフィンを木製の台木に接着させた。
ミクロトーム(RM2125 RT、Leica社製)を用いて、6μmの組織切片を作成した。切り出した組織切片をスライドガラスにのせ、パラフィン進展用ウォーターバス(smart water bath、AS ONE社製)中の45℃のお湯に数秒間浸した。パラフィンが伸展した後、スライドガラスをパラフィン伸展器(F−1、ERMA社製)上に乗せ、35〜40℃で乾燥するまで放置した。
次に、組織切片について、脱パラフィン及びヘマトキシリン・エオシン染色を以下のように行った。組織切片を入れたスライドガラスを専用の容器に入れ、多目的自動染色装置(STAINMATE MAX10、ファルマ社製)に装着し、次に示す順で各試薬に浸透した。
キシレン 10分
キシレン 10分
キシレン 10分
100%エタノール 5分
100%エタノール 5分
70%エタノール 5分
水洗(流水)1分
ヘマトキシリン 12分
水洗(流水) 30分
エオシン 20分
70%アルコール 5分
90%アルコール 5分
100%アルコール 5分
100%アルコール 5分
100%アルコール 5分
キシレン 10分
キシレン 10分
キシレン 10分
なお、上記ヘマトキシリン(Gillのヘマトキシリン液No.1)の組成は、蒸留水 730mL、エチレングリコール 250mL、ヘマトキシリン 2.0g、ヨウ素酸ナトリウム0.2g、硫酸ナトリウム(18水塩)17.6g及び氷酢酸 20mLである。エオシン(1%エオシン酸)は、1.0gのエオシンY(G)と100mLの蒸留水とをビーカーに入れ、マグネットスターラーで攪拌して調製した。
上記工程で得られた組織切片に、エンテランニュー液(HX60075961、Merck KGaA社製)を数滴垂らし、上からカバーグラスを乗せた。カバーグラス下の空気を押し出してから乾燥させることで組織切片を封入した標本を得た。標本を生物顕微鏡(BX41N−32−B、オリンパス社製)で観察し、顕微鏡用デジタルカメラ(DP73、オリンパス社製)で撮影した。
(結果:体重変動)
図2は、パイプを設置しなかった試験区1、3、5におけるウナギの体重の経時変化を示す。収容尾数が8尾の試験区5のみで体重増加がみられた。一方、パイプを設置した試験区2、4、6におけるウナギの体重の経時変化を図3に示す。パイプを設置した場合でも、収容尾数が8尾の試験区5のみで体重増加がみられた。以上のことから、高密度で飼育した場合に体重が増加することが示された。
(結果:性分化)
まず、体重約600gの性分化後の雄及び雌のウナギの生殖腺組織を図4に示す。図4(A)は、雄のウナギの生殖腺組織を示す。雄の生殖腺組織では、精原細胞が樹状に密集している。一方、図4(B)に示す雌のウナギの生殖腺組織では、精原細胞より大きい卵母細胞が観察される。
図5は、試験区1のウナギの生殖腺組織を示す。楕円状の始原生殖細胞が見られた。性分化の途中であるが、細胞の形状から雄に分化すると考えられる。図6は、試験区2のウナギの生殖腺組織を示す。試験区2のウナギの生殖腺組織では、始原生殖細胞が見られず、性分化が始まっていなかった。
図7は、試験区4のウナギの生殖腺組織を示す。比較的大きな周辺仁期の卵母細胞が確認され、雌に分化していた。
図8(A)及び(B)は、試験区5のウナギ2尾の生殖腺組織をそれぞれ示す。図8(A)では始原生殖細胞が確認でき、雄に分化すると考えられる。図8(B)のウナギの雌雄は、判断ができず不明であった。図9(A)及び(B)は、試験区6のウナギ2尾の生殖腺組織をそれぞれ示す。図9(A)のウナギは、始原生殖細胞が確認でき、雄に分化すると考えられる。図9(B)の生殖腺組織では、始原生殖細胞が見られず、性分化が始まっていない未分化の個体であった。
生殖腺組織の観察による各試験区のウナギの性分化の結果を表2に示す。当該結果から、飼育区画あたりの収容尾数が多いと雄に分化する個体が増加していた。一方、飼育区画あたりの収容尾数が少なく、さらにウナギが進入して隠れることが可能なパイプがあると、雌に分化する個体が出現した。
上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、ウナギの養殖、特にウナギの親魚の養成に好適である。
1、6 水槽
2 収容部材
3 暗室
4 エアストーン
5 排水装置
7 ヒーター
8 ポンプ
100 ウナギ飼育装置

Claims (8)

  1. 内部に進入したウナギの全身を覆い隠す中空の収容部材が配置された水槽内で、性分化前のウナギを飼育する飼育工程を含む、
    ウナギ飼育方法。
  2. 前記飼育工程では、
    飼育区画あたりの前記ウナギの収容尾数を、前記ウナギの成長に応じて増加させる、
    請求項1に記載のウナギ飼育方法。
  3. 前記飼育工程では、
    飼育区画あたりの前記ウナギの収容尾数を2〜4尾として飼育を開始し、すべての前記ウナギの体長が20cm以上になってから飼育区画あたりの前記ウナギの収容尾数を5尾以上に増加させる、
    請求項1又は2に記載のウナギ飼育方法。
  4. 前記ウナギの飼育開始時の体長は、
    14〜16cmである、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のウナギ飼育方法。
  5. 前記収容部材は、
    両端が開口した管である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のウナギ飼育方法。
  6. 前記管の開口した一端から他端までの長さは、
    20〜25cmであって、
    前記管の内径は、
    10〜15mmである、
    請求項5に記載のウナギ飼育方法。
  7. 前記収容部材の個数は、
    前記ウナギの収容尾数以上である、
    請求項1から6のいずれか一項に記載のウナギ飼育方法。
  8. 前記ウナギは、
    ニホンウナギ(Anguilla japonica)である、
    請求項1から7のいずれか一項に記載のウナギ飼育方法。
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