JP2018143070A - 電源装置 - Google Patents

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康敏 相原
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康敏 相原
恭英 高▲瀬▼
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恭英 高▲瀬▼
伸介 池内
Shinsuke Ikeuchi
伸介 池内
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Abstract

【課題】電力効率および昇圧比が向上した電源装置を提供する。【解決手段】電圧発生回路20と、圧電トランス730と、電圧帰還回路40によって、発振回路が構成される。電圧発生回路20は、電圧制御信号SVに応じて第1電圧V1を発生する。圧電トランス730は、1次側で電気エネルギーが機械的振動に変換され、2次側でこの機械的振動が電気エネルギーに再変換されるように構成される。この原理によって、圧電トランス730は、第1電圧V1を第2電圧V21および第3電圧V22に変換する。DC出力部70は、第2電圧V21および第3電圧V22を受け直流電圧である出力電圧Voを出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、電源装置に関し、特に圧電トランスを備える電源装置に関する。
特開平9−65649号公報(特許文献1)には、圧電トランスを用いた電源装置が開示されている。この電源装置は、トランジスタと、スイッチ素子と、帰還回路とを備える。トランジスタは、第1の電極が圧電トランスの入力電極の一方に接続され、第2の電極が接地される。スイッチ素子は、トランジスタの制御電極に動作制御信号を供給する。帰還回路は、圧電トランスの出力電極とトランジスタの制御電極との間にインピ−ダンス回路を介して接続される。帰還回路は、トランジスタの制御電極にオン動作制御信号を一回与えるだけで、トランジスタがターンオン/オフとなる動作を繰返すことによって動作制御信号の変化に追従した周期で発振動作を行なうように構成される。このような構成によって、発振用IC及び周辺回路が不要となる。
特開平9−65649号公報
近年、IoT(Internet of Things)技術に伴い、その電源として周りの環境から微小なエネルギーを収穫(ハーベスト)して、電力に変換するエネルギーハーベスティング技術が注目されている。このような用途における昇圧回路は、入力電圧が数10mV〜1Vと低くても昇圧比や電力効率を向上させることが必要である。圧電トランスも、このような用途の昇圧回路の選択肢の一つである。
しかしながら、上記特開平9−65649号公報に開示された電源装置は、OA機器で用いられ、入力電圧が1V〜100V程度の高電圧用途である。この電源装置の構成だけでは、入力電圧が低下した場合、電力効率の低下によって所望の電圧(昇圧比)が得られず、最小入力電圧が下げられないといった課題が明らかになった。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、電力効率および昇圧比が向上した電源装置を提供することである。
本開示の電源装置は、電圧発生回路と、圧電トランスと、電圧帰還回路と、出力部とを備える。電圧発生回路は、電圧制御信号に応じて第1電圧を発生する。圧電トランスは、第1電圧を第2電圧および第3電圧に変換する。電圧帰還回路は、第2電圧を受けて電圧制御信号を出力する。出力部は、第2電圧および第3電圧を受け、直流電圧を出力する。第2電圧および第3電圧は交流電圧であり、出力部は、第2電圧を直流電圧に変換する第1交流直流変換回路と、第3電圧を直流電圧に変換する第2交流直流変換回路とを含む。
好ましくは、圧電トランスは、第2電圧の位相と第3電圧の位相がずれるように構成される。第1交流直流変換回路と、第2交流直流変換回路とは、並列接続され、負荷回路に出力電圧が供給される。
好ましくは、第1交流直流変換回路と、第2交流直流変換回路とは、縦続接続され、負荷回路に昇圧された出力電圧が供給される。
好ましくは、電圧発生回路は、電圧源と、電圧源の電圧出力ノードと接地ノードとの間に直列に接続されたコイルおよびスイッチング素子と、コイルと並列に設けられた並列容量とを含む。コイルとスイッチング素子との接続ノードからは、第1電圧が出力される。
本開示の電源装置によれば、電力効率が向上し、入力電圧が低下した場合でも所望の電圧が得られるようになる。
実施の形態1の電源装置の構成を示す回路図である。 圧電トランス730の主要部の構成を示す模式断面図である。 実施の形態2の電源装置の構成を示す回路図である。 実施の形態3に係る電源装置の構成を示すブロック図である。 電圧帰還回路740およびバイアス電圧供給部780の構成の一例を示した回路図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の電源装置の構成を示す回路図である。図1を参照して、電源装置100は、電圧発生回路20と、圧電トランス730と、電圧帰還回路40と、DC出力部70と、電圧出力端子92とを備える。電圧発生回路20と、圧電トランス730と、電圧帰還回路40によって、発振回路が構成される。
電圧発生回路20は、電圧制御信号SVに応じて第1電圧V1を発生する。圧電トランス730は、1次側で電気エネルギーが機械的振動に変換され、2次側でこの機械的振動が電気エネルギーに再変換されるように構成される。この原理によって、圧電トランス730は、第1電圧V1を第2電圧V21および第3電圧V22に変換する。第2電圧V21および第3電圧V22は交流電圧である。電圧帰還回路40は、第2電圧V21を受けて電圧制御信号SVを出力する。DC出力部70は、第2電圧V21および第3電圧V22を受け直流電圧である出力電圧Voを出力する。
電圧発生回路20は、電圧源G1と、コイルLxと、スイッチング素子M1とを含む。スイッチング素子M1としては、例えばMOSトランジスタを使用することができる。コイルLxおよびスイッチング素子M1は、電圧源G1の電圧出力ノードと接地ノードとの間に直列に接続される。コイルLxとスイッチング素子M1との接続ノードからは、第1電圧V1が出力される。
電圧帰還回路40は、コンデンサ60と、抵抗素子62とを含む。コンデンサ60は、第2電圧V21に一方端が結合され、スイッチング素子M1の制御電極に他方端が接続される。抵抗素子62は、コンデンサ60の他方端(スイッチング素子M1の制御電極)に一方端が接続され、接地ノードに他方端が接続される。
DC出力部70は、第2電圧V21を直流電圧に変換する第1交流直流変換回路81と、第3電圧V22を直流電圧に変換する第2交流直流変換回路82とを含む。
第1交流直流変換回路81は、電圧V21が一方端に結合されるコンデンサ71と、接地ノードとコンデンサ71の他方端との間に接続されるダイオード72と、コンデンサ71の他方端と電圧出力端子92との間に接続されるダイオード73とを含む。ダイオード72の順方向は、接地ノードからコンデンサ71の他方端に向かう向きである。ダイオード73の順方向は、コンデンサ71の他方端から電圧出力端子92に向かう向きである。
第2交流直流変換回路82は、電圧V22が一方端に結合されるコンデンサ76と、接地ノードとコンデンサ76の他方端との間に接続されるダイオード77と、コンデンサ76の他方端と電圧出力端子92との間に接続されるダイオード78とを含む。ダイオード77の順方向は、接地ノードからコンデンサ76の他方端に向かう向きである。ダイオード78の順方向は、コンデンサ76の他方端から電圧出力端子92に向かう向きである。
さらに、電圧帰還回路40のコンデンサ60と抵抗素子62の等価な回路として直列接続されたコンデンサ160および抵抗素子162が電圧V22の出力ノードと接地ノードとの間に接続されている。
実施の形態1では、圧電トランス730が、2つの出力電圧V21,V22を出力する点が特徴の一つである。図2は、圧電トランス730の主要部の構成を示す模式断面図である。
図2を参照して、圧電トランス730は、基材によって支持された上部層731のうち基材に重ならない部分である振動部集合部739を含む。振動部集合部739は、厚み方向に互いに離隔して厚み方向に順に並ぶように配置された出力電極732と、中間電極734と、入力電極736とを含む。
nを2以上の整数としたとき、振動部集合部739は、1つの方向に並ぶn個の振動部739a〜739dを含む。ここでは、説明の便宜のため、n=4であるものとして以下の説明を続けるが、これはあくまで一例であって、nは4以外であってもよい。
上部層731は、第1圧電体層733と、第2圧電体層735とを含む。第1圧電体層733は、少なくともn個の振動部739a〜739dの各々において出力電極732および中間電極734によって挟み込まれる部分を含むように配置される。第2圧電体層735は、第1圧電体層733に重なるように配置されつつ少なくともn個の振動部739a〜739dの各々において中間電極734および入力電極736によって挟み込まれる部分を含むように配置される。
入力電極736は、n個の振動部739a〜739dのうち少なくとも一部に対応するように分割されて配列された1個以上n個以下の入力電極片736a〜736dを含む。出力電極732は、n個の振動部739a〜739dのうち少なくとも一部に対応するように分割されて配列された1個以上n個以下の出力電極片732a〜732dを含む。
第1圧電体層733は、n個の振動部739a〜739dにわたって一定の向きに分極されている。
図2に示すように、第2圧電体層735は、n個の振動部739a〜739dのうち少なくとも一部に対応するように1個以上n個以下の分極領域を有している。これらの1個以上n個以下の分極領域においては、奇数番目の振動部に対応する分極領域のうち1つ以上が属する集合である第1分極領域群と、偶数番目の振動部に対応する分極領域のうち1つ以上が属する集合である第2分極領域群とで、互いに逆向きとなるようにそれぞれ分極されている。この分極の向きが図2中に矢印で示されている。
入力電極片736a〜736dにおいては、中間電極734の電位を基準として同位相の電圧を、それぞれ印加可能なように配線されている。本実施の形態では、図2に示すように、中間電極734を基準電位として、入力電極片736a〜736dの全てを交流電源の入力端子としてのパッド電極741に接続した。パッド電極745は配線によって中間電極734に接続されている。
出力電極片732a〜732dにおいては、奇数番目の振動部739a,739cに対応する出力電極片732a,732cのうち1つ以上が属する集合である第1出力電極片群と、偶数番目の振動部739b,739dに対応する出力電極片732b,732dのうち1つ以上が属する集合である第2出力電極片群とで、それぞれ別々の電圧V21,V22を取り出すことが可能なように配線されている。本実施の形態では、図2に示すように、中間電極734を基準電位として、出力端子743において、出力電圧V21が取り出され、出力端子747において出力電圧V22が取り出される。
圧電トランス730では、第2圧電体層735の1個以上n個以下の分極領域は図2に単純矢印で示すように隣り合うもの同士が逆向きとなるようにそれぞれ分極されているので、たとえ電界の向きが同じであってもそれぞれ逆向きに変形を引き起こす。こうして、振動部739a〜739dは共振振動となる。
この共振振動によって出力側の第1圧電体層733で電荷が発生し、発生した電荷が出力電圧V21,V22として取り出される。
実施の形態1の電源装置100では、DC出力部70が、圧電トランス730の複数の出力端子からの電圧V21,V22を各々が2つのダイオードからなる半波倍電圧整流器(交流直流変換回路81,82)で整流し、合流させる構成となっている。
圧電トランス730の出力が、例えば2端子の場合は、出力される交流電圧は180度位相のずれた逆相である。これに対してDC出力部70を用いると、2出力の半波倍電圧整流器の出力が合成され、全波整流と同じ頻度での整流化作用が働くため、1端子出力の圧電トランスを使うよりも電力効率が向上するとともにリップルの低減効果がある。また、2端子よりもさらに多数の出力(たとえば3出力4出力など)を有する圧電トランスを使用しても良い。出力される交流電圧の位相が少しずつずれていれば、各々の出力に半波倍電圧整流器を設けてこれを合成することによって同様な効果が得られる。
また、ブリッジダイオードのような全波整流器ではダイオードが直列2段になり、ダイオードでの電圧降下があるため、昇圧比が低下していたが、半波倍電圧整流器ではダイオード1段のため、昇圧比の低下が抑制できる。
[実施の形態2]
実施の形態2では、実施の形態1よりも高い出力電圧が必要となる場合に有効であるようにDC出力部を変更したものである。
図3は、実施の形態2の電源装置の構成を示す回路図である。図3を参照して、電源装置100Aは、電圧発生回路20と、圧電トランス730と、電圧帰還回路40と、DC出力部70Aと、電圧出力端子92とを備える。電圧発生回路20と、圧電トランス730と、電圧帰還回路40によって、発振回路が構成される。電圧発生回路20と、圧電トランス730と、電圧帰還回路40の構成は、実施の形態1で説明した構成と同様であるので、ここでは説明は繰り返さない。
DC出力部70Aは、第2電圧V21を直流電圧に変換する第1交流直流変換回路81Aと、第3電圧を直流電圧に変換する第2交流直流変換回路82Aとを含む。第1交流直流変換回路81Aと、第2交流直流変換回路82Aとは、縦続接続され、電圧出力端子92には昇圧された出力電圧が供給される。
第1交流直流変換回路81Aは、電圧V21が一方端に結合されるコンデンサ71と、ダイオード78Aのカソードとコンデンサ71の他方端との間に接続されるダイオード72Aと、コンデンサ71の他方端と電圧出力端子92との間に接続されるダイオード73とを含む。ダイオード72の順方向は、ダイオード78Aのカソードからコンデンサ71の他方端に向かう向きである。ダイオード73の順方向は、コンデンサ71の他方端から電圧出力端子92に向かう向きである。
第2交流直流変換回路82Aは、電圧V22が一方端に結合されるコンデンサ76と、接地ノードとコンデンサ76の他方端との間に接続されるダイオード77と、コンデンサ76の他方端とダイオード72Aのアノードとの間に接続されるダイオード78Aとを含む。ダイオード77の順方向は、接地ノードからコンデンサ76の他方端に向かう向きである。ダイオード78Aの順方向は、コンデンサ76の他方端から電圧出力端子92に向かう向きである。
要するに、DC出力部70Aは、実施の形態1のDC出力部70の構成において、ダイオード78のカソードを接地電位から切り離してダイオード72のアノードに接続するように変更したものである。第1交流直流変換回路81Aと第2交流直流変換回路82Aとの間の接続ノードと、接地ノードとの間には、電圧安定化のためのコンデンサ779が接続されている。なお、第1交流直流変換回路81Aと第2交流直流変換回路82Aの接続構成は、上下逆であっても良い。
このような構成とすれば、図1に示したDC出力部70と比較して、圧電トランスの出力が例えば2出力の場合は出力電圧が2倍になり、更に昇圧比が上昇する。
[実施の形態3]
図4は、実施の形態3に係る電源装置の構成を示すブロック図である。図4を参照して、電源装置701は、電圧発生回路720と、圧電トランス730と、電圧帰還回路740と、バイアス電圧供給部780と、DC出力部770と、電圧出力端子792とを備える。電圧発生回路720と、圧電トランス730と、電圧帰還回路740によって、発振回路が構成される。圧電トランス730の構成は、図2に示した構成と同様である。また、DC出力部770は、実施の形態1のDC出力部70、実施の形態2のDC出力部70Aのいずれであっても良い。
電圧発生回路720は、電圧源G1と、コイルLxと、スイッチング素子M1と、コンデンサC1とを含む。スイッチング素子M1としては、例えばMOSトランジスタを使用することができる。コイルLxおよびスイッチング素子M1は、電圧源G1の電圧出力ノードと接地ノードとの間に直列に接続される。そして、コイルLxと並列にコンデンサC1が接続される。コイルLxとスイッチング素子M1との接続ノードからは、第1電圧V1が出力される。なお、コンデンサC1を設け、さらにスイッチング素子M1に並列にコンデンサを設けた構成であっても良い。
スイッチング素子M1に並列に容量を追加することにより、圧電トランス1次側を共振させることが知られている。コイルLxに並列容量(C1)を設けることは、小信号回路ではスイッチング素子M1に並列な容量と等価である。
圧電トランスの起動時、入力電圧Viが0Vから微小電圧にステップ応答で上昇する際、コイルLxと並列にコンデンサC1が存在すると高周波側のインピーダンスが小さく短絡とみなすことができ、入力電圧Viが圧電トランスに伝達されやすくなる。そのため、実施の形態3では、入力電圧Viが低くても電源装置の圧電トランスが発振しやすくなる。
電圧帰還回路740は、後述するように圧電トランス730の起動時に使用する第1帰還部と定常時使用する第2帰還部とを含む。
バイアス電圧供給部780は、スイッチング素子M1のしきい値電圧に応じたバイアス電圧をスイッチング素子M1の制御電極に供給する。これにより、スイッチング素子M1でのしきい値電圧の製造ばらつきによる電力効率の低下が防止できる。
図5は、電圧帰還回路740およびバイアス電圧供給部780の構成の一例を示した回路図である。図5を参照して、電圧帰還回路740は、第1帰還部P1と、第2帰還部P2とを含む。第1帰還部P1は、圧電トランス730の起動時に第2電圧V21の変化をスイッチング素子M1の制御電極に伝達する。第2帰還部P2は、圧電トランス730の起動後に第2電圧V2の変化をスイッチング素子M1の制御電極に伝達する。
第1帰還部P1は、電圧V2をそのまま伝達する配線によって構成される。第2帰還部P2は、バイアス回路750と、移相回路752とを含む。移相回路752は、コンデンサ748を介して、圧電トランス730の出力を受ける。移相回路752は、たとえば、直列接続された複数のインバータを含んで構成される。バイアス回路750は、移相回路752の動作点電圧を設定するために設けられる。
第2帰還部P2が出力する電圧振幅は、第1帰還部P1が出力する電圧振幅よりも大きい。このため、スイッチング素子M1の制御電極の電圧変化が急峻となり、起動後の定常状態において第2帰還部P2が使用されることによって、定常状態におけるスイッチング素子M1における損失が低減される。このために、第1帰還部P1を定常時に使用し続けるよりも、第1帰還部P1で圧電トランス730を起動しその後第2帰還部P2に帰還経路を切替えるほうが、電源装置701の電力効率が向上する。
電圧帰還回路740は、圧電トランス730の起動時に第1帰還部P1の出力を選択し、圧電トランス730の起動後に第2帰還部P2の出力を選択する選択部744と、コンデンサ760と、抵抗素子762とをさらに含む。コンデンサ760は、選択部744によって選択された第1帰還部P1、第2帰還部P2のいずれか一方の出力を一方端に受け他方端からスイッチング素子M1の制御電極に電圧制御信号SVを出力する。抵抗素子762は、コンデンサ760の他方端と端子782との間に接続される。コンデンサ760と抵抗素子762によってフィルタ回路が構成される。
選択部744は、端子764から入力される切替信号SUに応じて第1帰還部P1と第2帰還部P2の出力の一方を選択し、コンデンサ760に伝達する。切替信号SUは、圧電トランス730の起動時にロー(L)レベルに設定され、圧電トランス730の起動後はハイ(H)レベルに設定される。選択部744は、切替信号SUがLレベルの場合に導通するスイッチ754と、切替信号SUがHレベルの場合に導通するスイッチ756と、切替信号SUを反転してスイッチ754の制御端子に与える反転回路758とを含む。
コンデンサ760と、抵抗素子762によって、ハイパスフィルタ回路が形成される。コンデンサ760は、選択部744の出力とスイッチング素子M1の制御電極との間に接続される。抵抗素子762は、スイッチング素子M1の制御電極と電圧入力端子782との間に接続される。
電源装置701は、圧電トランス730の起動時には、配線のみを構成要素とする第1帰還部P1およびコンデンサ760経由での帰還経路を選択する。しかし、この経路をずっと使用すると、スイッチング素子M1のゲート波形がなまるため、スイッチング素子M1のON、OFF切り替わりのスイッチング特性が悪くなり、電力損失が大きくなる。
そこで、本実施の形態では、定常時になると電力効率の良い第2帰還部P2で帰還をかけることにより、スイッチング素子M1での電力損失を抑制する。第2帰還部P2では、移相回路752に含まれているインバータにより波形の立ち上がり立ち下がりを急峻にすることで電圧制御信号SVの波形を整形し、スイッチング素子M1のスイッチング特性を改善する。また、移相回路752の移相シフト量(時間遅延量)は、複数のインバータの直列段数を適切な数に設定することにより、第1帰還部P1を経由した場合と同等となるように調整される。
定常時の電力効率が向上するため、電圧源G1の電圧が低い場合でも、圧電トランスで安定して昇圧することが可能となり、電源装置701の動作範囲が拡大する。
バイアス電圧供給部780は、端子782と、可変抵抗素子783,784とを含む。可変抵抗素子783,784は、出力電圧Voが供給されるノードと接地ノードとの間に直列に接続され、その接続ノードからはバイアス電圧が出力される。端子782は、バイアス電圧をスイッチング素子M1の制御電極に与えるために設けられる。これにより、電圧制御信号SVの振幅中心はバイアス電圧となる。なお、フィルタ回路を構成する抵抗素子762とは別に、他の抵抗素子を介してバイアス電圧をスイッチング素子M1の制御電極に与えるようにバイアス電圧供給部780を構成しても良い。
なお、端子782が設けられている場合には、可変抵抗素子783,784は、電源装置701の外部に配置しても良い。また、抵抗素子762と可変抵抗素子783,784とを同一基板に配置する場合には、必ずしも端子782は設けなくても良い。
このように、スイッチング素子M1の制御電極に外部または内部で発生したバイアス電圧を印加する。帰還部のスイッチング素子M1(MOSトランジスタ)のしきい値電圧には、製造ばらつきがある。しきい値電圧は、MOSトランジスタのスイッチング特性を決める。電力損失の少ないZVS(ゼロボルトスイッチング)をさせるためには、しきい値電圧の製造ばらつきをキャンセルし、ゼロにする必要がある。キャンセルする方法として、MOSトランジスタ基板電圧もしくはゲート電圧にしきい値電圧分のオフセットを印加する方法が考えられる。前者はトランジスタの基板分離により実現できるがコスト増となる。このため、本実施の形態では、フィルタ回路の抵抗の端部にしきい値電圧分のバイアス電圧を印加することによって、製造ばらつきをキャンセルすることが実現できる。
図5のようにすれば、圧電トランスから得られるDC出力電圧Voを使用するので、外部電源電圧が不要である。なお、図5の電圧入力端子782に直接外部から電圧を与えても良いが、図5において、出力電圧Voの代わりに外部から電圧を与えても良い。
これにより、スイッチング素子M1のしきい値電圧ばらつき制御、電力効率改善、調整ができる。
以上説明したように、実施の形態3の電源装置701は、実施の形態1または2に示した電源装置の奏する効果に加えて、スイッチング素子M1のしきい値電圧のばらつきの影響を低減できるとともに、定常時におけるスイッチング素子M1の損失を低減できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
20,720 電圧発生回路、40,740 電圧帰還回路、754,756 スイッチ、60,71,76,748,160,760,779,C1 コンデンサ、62,162 抵抗素子、70,70A,770 出力部、72,72A,73,77,78,78A ダイオード、81,81A,82,82A 交流直流変換回路、92,792 電圧出力端子、100,100A,701 電源装置、730 圧電トランス、731 上部層、732 出力電極、732a〜732d 出力電極片、733,735 圧電体層、734 中間電極、736 入力電極、736a〜736d 入力電極片、739 振動部集合部、739a〜739d 振動部、741,745 パッド電極、743,747 出力端子、744 選択部、750 バイアス回路、752 移相回路、758 反転回路、764 端子、780 バイアス電圧供給部、782 電圧入力端子、783,784 可変抵抗素子、G1 電圧源、Lx コイル、M1 スイッチング素子、P1,P2 帰還部。

Claims (4)

  1. 電圧制御信号に応じて第1電圧を発生する電圧発生回路と、
    前記第1電圧を第2電圧および第3電圧に変換する圧電トランスと、
    前記第2電圧を受けて前記電圧制御信号を出力する電圧帰還回路と、
    前記第2電圧および前記第3電圧を受け、直流電圧を出力する出力部とを備え、
    前記第2電圧および前記第3電圧は交流電圧であり、
    前記出力部は、
    前記第2電圧を直流電圧に変換する第1交流直流変換回路と、
    前記第3電圧を直流電圧に変換する第2交流直流変換回路とを含む、電源装置。
  2. 前記圧電トランスは、前記第2電圧の位相と前記第3電圧の位相がずれるように構成され、
    前記第1交流直流変換回路と、前記第2交流直流変換回路とは、並列接続され、出力端子に出力電圧が供給される、請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記第1交流直流変換回路と、前記第2交流直流変換回路とは、縦続接続され、出力端子に昇圧された出力電圧が供給される、請求項1に記載の電源装置。
  4. 前記電圧発生回路は、
    電圧源と、
    前記電圧源の電圧出力ノードと接地ノードとの間に直列に接続されたコイルおよびスイッチング素子と、
    前記コイルと並列に設けられた並列容量とを含み、
    前記コイルと前記スイッチング素子との接続ノードからは、前記第1電圧が出力される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電源装置。
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