JP2018142925A - 通信装置、基地局装置、端末装置、通信システム、通信方法、およびプログラム - Google Patents

通信装置、基地局装置、端末装置、通信システム、通信方法、およびプログラム Download PDF

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勝利 石倉
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佑介 高木
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英之 中西
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Abstract

【課題】通信システムにおけるビームフォーミング制御の効率を上げる。【解決手段】通信装置は、通信相手との間で信号を送受信するアンテナと、前記アンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、前記通信相手に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、自装置と前記通信相手との間で通信を開始するとき、開始する前記通信のためのビームサーチを行うことなく、前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する制御部と、を具備する。通信装置は、例えば、無線通信システムにおける基地局や端末であってよい。【選択図】図2

Description

本発明は、通信装置、基地局装置、端末装置、通信システム、通信方法、およびプログラムに関する。
「IEEE802.11ad」規格や第5世代として検討されている移動体無線通信システムなどは、ミリ波帯などの高周波数帯を使用して通信するために、ビームフォーミングでの通信が有効である。例えば特許文献1には、ビームフォーミングでの通信確立方法として、基地局が端末との通信接続を確立するために、基地局のビーム方向を変化させながら端末をサーチする技術が開示されている。
特開平7−170227号公報
第5世代(5G)通信システムを構成する設備・機器として、サブネットワーク基地局(中継器)、5G無線ルーター、5G無線機搭載防犯カメラ等の固定5G端末や、低速5G端末などが考えられる。しかしながら、このような準固定端末に、移動端末を前提にしたビームフォーミング制御技術を適用した場合には、無駄なサーチ時間を伴うこととなってしまい、非効率なビームフォーミング制御が行われる可能性がある。
本発明は、上記の課題認識に基づいて行なわれたものであり、ビームフォーミング制御に関する効率を上げることのできる通信装置、基地局装置、端末装置、通信システム、通信方法、およびプログラムを提供するものである。
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様による通信装置は、通信相手との間で信号を送受信するアンテナと、前記アンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、前記通信相手に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、自装置と前記通信相手との間で通信を開始するとき、開始する前記通信のためのビームサーチを行うことなく、前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する制御部と、を具備することを特徴とする。
[2]また、本発明の一態様は、無線通信システムにおいて端末装置との間で信号を送受信する基地局装置であって、前記端末装置との間で信号を送受信するアンテナと、前記アンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、前記端末装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、自装置と前記端末装置との間で通信を開始するとき、開始する前記通信のためのビームサーチを行うことなく、前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する制御部と、を具備することを特徴とする。
[3]また、本発明の一態様は、上記の基地局装置において、前記制御部は、前記アンテナが前記端末装置との間で前記信号を送受信した際の前記アンテナの指向性の方向の情報を、当該端末装置に対応させた前記方向情報として前記方向記憶部に記憶させる、ことを特徴とする。
[4]また、本発明の一態様は、上記の基地局装置において、前記端末装置が少なくとも移動端末であるか固定端末であるかを表す端末タイプ情報を前記端末装置に対応させて記憶する端末タイプ記憶部、をさらに具備し、前記制御部は、自装置と前記端末装置との間で通信を開始するとき、前記端末タイプ記憶部に記憶された前記端末装置の前記端末タイプ情報が固定端末であることを表す場合には、前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する、ことを特徴とする。
[5]また、本発明の一態様は、無線通信システムにおいて端末装置との間で信号を送受信する基地局装置であって、前記端末装置との間で信号を送受信するアンテナと、前記アンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、前記端末装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、前記端末装置が少なくとも移動端末であるか固定端末であるかを表す端末タイプ情報を前記端末装置に対応させて記憶する端末タイプ記憶部と、前記端末タイプ記憶部に記憶された前記端末装置の前記端末タイプ情報が固定端末であることを表す場合には、自装置と前記端末装置との間で通信するとき前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、前記端末装置との通信接続中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する制御部と、を具備することを特徴とする。
[6]また、本発明の一態様は、上記の基地局装置において、端末装置との通信中に、前記端末装置を他の基地局装置にオフロードすることを決定した際、前記他の基地局装置に対して当該端末装置と接続することを指示するとともに、前記端末タイプ情報を前記他の基地局装置に通知する、ことを特徴とする。
[7]また、本発明の一態様は、無線通信システムにおいて基地局装置との間で信号を送受信する端末装置であって、前記基地局装置との間で信号を送受信するアンテナと、前記アンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、前記基地局装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、自装置と前記基地局装置との間で通信を開始するとき、開始する前記通信のためのビームサーチを行うことなく、前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する制御部と、を具備することを特徴とする。
[8]また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、前記制御部は、前記アンテナが前記基地局装置との間で前記信号を送受信した際の前記アンテナの指向性の方向の情報を、当該基地局装置に対応させた前記方向情報として前記方向記憶部に記憶させる、ことを特徴とする。
[9]また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、方位を検出する方位検出部、をさらに具備し、前記制御部は、前記方位検出部によって検出された方位が変化したか否かを判断し、方位が変化した場合には前記方向記憶部に記憶されている前記方向情報を方位の変化分に応じて更新する、ことを特徴とする。
[10]また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、自端末装置が少なくとも移動端末であるか固定端末であるかを表す端末タイプ情報を、前記基地局装置に通知する、ことを特徴とする。
[11]また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、前記タイプ情報を、端末能力情報の中に含める形で前記基地局装置に通知する、ことを特徴とする。
[12]また、本発明の一態様は、無線通信システムにおいて基地局装置との間で信号を送受信する端末装置であって、前記基地局装置との間で信号を送受信するアンテナと、前記アンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、前記基地局装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、自装置が固定端末である場合には、自装置と前記基地局装置との間で通信するとき前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、前記基地局装置との通信中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する制御部と、を具備することを特徴とする。
[13]また、本発明の一態様は、上の[2]から[6]までのいずれかに記載の基地局装置と、上の[7]から[12]までのいずれかに記載の端末装置と、を含む通信システムである。
[14]また、本発明の一態様は、基地局装置と端末装置とを含む通信システムにおける通信方法であって、前記基地局装置は、前記端末装置に対応させて記憶しておいた前記端末装置の方向情報に基づいて、前記端末装置との間で信号を送受信する際のアンテナの指向性の方向を設定し、この方向が設定された状態でビームサーチを行うことなく前記端末装置との間での信号の送受信を開始し、前記端末装置は、前記基地局装置に対応させて記憶しておいた前記基地局装置の方向情報に基づいて、前記基地局装置との間で信号を送受信する際のアンテナの指向性の方向を設定し、この方向が設定された状態でビームサーチを行うことなく前記基地局装置との間での信号の送受信を開始する、ことを特徴とする通信方法である。
[15]また、本発明の一態様は、基地局装置と端末装置とを含む通信システムにおける通信方法であって、前記基地局装置は、前記端末装置に対応する端末タイプ情報が固定端末であることを表す場合には、自装置と前記端末装置との間で通信するとき前記端末装置の方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、前記端末装置との通信接続中におけるビーム追従処理を省略するよう制御し、前記端末装置は、自装置が固定端末である場合には、自装置と前記基地局装置との間で通信するとき前記基地局情報の方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、前記基地局装置との通信中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する、ことを特徴とする通信方法である。
[16]また、本発明の一態様は、無線通信システムにおいて端末装置との間で信号を送受信する基地局装置を制御するプログラムであって、コンピューターを、前記端末装置との間で前記信号を送受信するアンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、前記端末装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、自装置と前記端末装置との間で通信を開始するとき、開始する前記通信のためのビームサーチを行うことなく、前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する制御部と、を具備する基地局装置として機能させるためのプログラムである。
[17]また、本発明の一態様は、無線通信システムにおいて基地局装置との間で信号を送受信する端末装置を制御するプログラムであって、コンピューターを前記基地局装置との間で前記信号を送受信するアンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、前記基地局装置に対応させて前記の方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、自装置と前記基地局装置との間で通信を開始するとき、開始する前記通信のためのビームサーチを行うことなく、前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する制御部と、を具備する端末装置として機能させるためのプログラムである。
[18]また、本発明の一態様は、無線通信システムにおいて端末装置との間で信号を送受信する基地局装置を制御するプログラムであって、コンピューターを、前記端末装置との間で信号を送受信するアンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、前記端末装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、前記端末装置が少なくとも移動端末であるか固定端末であるかを表す端末タイプ情報を前記端末装置に対応させて記憶する端末タイプ記憶部と、前記端末タイプ記憶部に記憶された前記端末装置の前記端末タイプ情報が固定端末であることを表す場合には、自装置と前記端末装置との間で通信するとき前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、前記端末装置との通信接続中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する制御部と、を具備する基地局装置として機能させるためのプログラムである。
[19]また、本発明の一態様は、無線通信システムにおいて基地局装置との間で信号を送受信する端末装置を制御するプログラムであって、コンピューターを前記基地局装置との間で信号を送受信するアンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、前記基地局装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、自装置が固定端末である場合には、自装置と前記基地局装置との間で通信するとき前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、前記基地局装置との通信中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する制御部と、を具備する端末装置として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、ビームサーチ処理を省略したり、ビームサーチ時間を削減したりすることができる。これにより、基地局と端末との間の接続時の、高速化および低消費電力化を図ることができる。つまり、本発明によれば、ビームフォーミング制御に関する効率をあげることができる。
本発明の第1実施形態による通信システムの構成を示す概略図である。 同実施形態による基地局(基地局装置)の概略機能構成を示すブロック図である。 同実施形態による準固定端末(端末)の概略機能構成を示すブロック図である。 同実施形態による通信システムにおいて、端末が基地局に接続するときの通信シーケンスの一例を示す概略図である。 同実施形態による通信システムにおいて、基地局が端末(準固定端末)に接続するときの通信シーケンスの一例を示す概略図である。 同実施形態による準固定端末における位相情報設定の処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態による 基地局(基地局装置)の概略機能構成を示すブロック図である。 同実施形態による準固定端末(端末)の概略機能構成を示すブロック図である。 同実施形態による準固定端末の電源をオンしたとき、およびその後の、準固定端末と基地局との間の通信のシーケンスを示す概略図である。 同実施形態による基地局が端末(準固定端末)に接続するときの通信シーケンスの一例を示す概略図である。 同実施形態による基地局でページングが発生した際の基地局の動作手順をより詳細に示すフローチャートである。 同実施形態により、準固定端末側から基地局側への接続を行うことによってデータ通信を行う場合のシーケンスを示す概略図である。 同実施形態による記憶部の第1態様の構造と、その記憶部に記憶されるデータの例とを示す概略図である。 同実施形態による記憶部の第2態様の構造と、その記憶部に記憶されるデータの例とを示す概略図である。 同実施形態による基地局の、各端末サーチ動作の例(時間帯の割当の方法)を示す概略図である。 本発明の第3実施形態による本実施形態による通信システムの構成を示す概略図である。 同実施形態による特有な通信のシーケンスを示す概略図であって、ある基地局に接続される端末をオフロードするためのシーケンスを示すものである。
以下、本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
まず、本実施形態の概要について説明する。
本実施形態による基地局および端末は、アレーアンテナを用いたビームフォーミング制御を行う。基地局および端末がビームサーチを行う際、記憶されている位相情報に基づく位相を開始位相とする。記憶されている位相情報は、前回に通信したときの位相、あるいはビームパターンである。これにより、基地局は、通信相手である端末が固定局の場合にはビームサーチを行わずに直接ビームを向けることとなる。また、基地局は、通信相手である端末が移動局の場合には、ビームサーチをまず行うこととなる。また、端末は、通信相手である基地局は基本的に固定局であるため、ビームサーチを行わずに直接ビームを向けることとなる。なお、端末の向きは変わるため、端末の初期位相については、端末の向きに応じた初期位相に適宜変更する。端末がビームサーチし、サーチしたことにより得られる情報を基地局になんらかの方法(通信メッセージ)で送信する。これによって、基地局は端末から得たその情報に基づいて、一気に端末にビームを向けることが可能となる。
本実施形態においては、ビームサーチするとき、あるいは接続開始するときには、前回に通信した信号位相を初期位相とする。なお、ビームサーチとは、例えば基地局が送信する各端末サーチ信号送信やページングのビーム送信、あるいは最も受信電力の高い基地局からのビーム参照信号を端末が検出する処理等を含んでいる。
以下、図面を参照しながら、本実施形態における装置等の機能構成や、通信方法について説明する。
図1は、本実施形態による通信システムの構成を示す概略図である。図示するように、通信システム1は、移動体無線通信システムであり、基地局5と、複数の端末(準固定端末7や移動端末9など)と、コアネットワーク10とを含んで構成される。なお、同図では、準固定端末7と移動端末9とをそれぞれ1台ずつ記載しているが、実際には、通信システム1がより多くの端末を収容してよい。基地局5は、準固定端末7との間で、あるいは移動端末9との間で、ミリ波帯などの高周波数帯域を利用して通信を行う。このとき、基地局と端末との間で相互にビームフォーミング制御を行う。
基地局5は、準固定端末7や移動端末9との間で無線通信を行う一方、コアネットワーク10を経由した通信を行う。
準固定端末7は、基地局との間で無線通信を行う端末装置である。準固定端末7は、基本的に宅内やオフィス内や公共の場所等の固定的な場所に設置されるものである。「準固定端末」という語における「準固定」の意味は次の通りである。準固定端末7は、いつでも移動させることができるが、移動の頻度は相対的に低い。したがって、固定局である基地局5との関係において、準固定端末7と基地局5との相対的な位置や方向は変化する頻度が相対的に低い。準固定端末7は、例えば、据置型のサーバーコンピューターや、デスクトップPCや、PC周辺機器(プリンター、スキャナー、複合機、カメラなど)や、各種の家電製品や、主に据え置いて使用されるIoT機器などである。なお、「IoT」は、「Internet of Things」の略である。
移動端末9は、基地局との間で無線通信を行う端末装置である。移動端末9は、可搬型の端末であり、例えば、スマートフォン(スマホ)やノートPC等である。移動端末9は相対的に高い頻度で移動するものであり、基本的には一箇所に長期間留まらない。
次に、基地局の機能構成について説明する。
図2は、基地局(基地局装置)の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、基地局5は、制御部51と、送受信部57と、アレーアンテナ部58とを含んで構成される。ここに示す基地局5の構成は、上りと下りの使用周波数が同じであるTDDシステムの場合における構成である。なお、使用周波数に関して、他の形態であってもよい。なお、「TDD」は、「Time Division Duplex」(時分割二重化)の略である。また、基地局5は、コアネットワーク10を用いて他の装置と通信することができる。
基地局5を構成する各部の機能は、電子回路を用いて実現される。また、基地局内で情報を記憶する機能を有する各部においては、例えば半導体メモリーや磁気ハードディスク装置などといった記憶手段が用いられる。
制御部51は、基地局5の通信に関わる様々な制御を行う。例えば、制御部51は、ビーム位相の制御や、スケジューリング処理や、送受信する無線信号のキャリア周波数制御などといった制御を行う。具体的には例えば、制御部51は、自装置と準固定端末7、あるいは移動端末9との間で通信を開始するとき、位相記憶部53に記憶された位相情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、開始することで、通信相手が準固定端末7である場合には、余計なビームサーチを行うことなく、通信接続が可能となる。つまり、この場合、制御部51は、開始する通信のためのビームサーチの処理を抑止するよう制御する。なお、ここで、「通信を開始するとき」とは、基地局5が準固定端末7あるいは移動端末9との間で初めて通信を行うときには限らない。例えば、様々な理由により通信が休止状態等となった後に再び通信を開始する場合や、一連の通信が一旦終了した後に再び通信を開始する場合等(再開等)もまた、「通信を開始するとき」に含まれる。制御部51については、下でさらに詳細に説明する。
送受信部57は、制御部51内の参照信号処理部54やデータ/制御信号処理部55からの信号を、無線信号としてアレーアンテナ部58に出力する。また、送受信部57は、アレーアンテナ部58から入力された無線信号を、ベースバンド信号として参照信号処理部54やデータ/制御信号処理部55に出力する。また、送受信部57は、内部で各アンテナ素子の信号位相を調整することで、ビーム方向や放射パターンを制御する。つまり、送受信部57は、例えばフェーズドアレーアンテナに相当する機能を有する。あるいは、送受信部57がデジタル信号処理により位相を調整する構成としてもよい。
アレーアンテナ部58は、端末との間での無線信号を送受信するためのアンテナである。アレーアンテナ部58には、複数のアンテナ素子が所定の規則に則って配列されている。アレーアンテナ部58は、送受信部57から渡される各アンテナ素子の無線信号の送信を行い、また受信した各アンテナ素子の無線信号を送受信部57に渡す。なお、アレーアンテナの代わりに他の形態のアンテナを用いるようにしてもよい。
制御部51について、ここでさらに詳細に説明する。図示するように制御部51は、位相設定部52と、位相記憶部53と、参照信号処理部54と、データ/制御信号処理部55とを含んで構成される。
位相設定部52は、位相記憶部53に記憶された位相情報(方向情報)を読み出し、この位相情報に基づいて送受信部内57の信号位相を設定(アンテナの指向性の方向を設定)する。また、位相設定部52は、通信終了時(通信終了後)の送受信部57の信号位相を検出し、位相記憶部53に書き込む。さらに、位相設定部52は、参照信号処理部54から取得する受信情報に基づいて、最適な信号位相を推測し、送受信部57の位相調整を行う。
位相記憶部53は、前回に通信したときの位相情報を端末ごとに個別に記憶する。具体的には、位相記憶部53は、アレーアンテナを制御するための位相情報を記憶している。即ち、位相記憶部53は、ビームパターンを記憶している。なお、位相記憶部53を、基地局5ではなく、コアネットワーク10に設けたり、ネットワークによるアクセスが可能なその他の場所に設けたりしてもよい。この場合には、位相設定部52が適宜、ネットワークを経由して位相記憶部53にアクセスし、位相情報を読み書きする。
参照信号処理部54は、受信したビームに関わる参照信号を復調し、位相やレベルなどの受信情報を位相設定部52に通知する。また、参照信号処理部54は、送信するビームに関わる参照信号を生成し、送受信部57に出力する。
データ/制御信号処理部55は、参照信号処理部54から取得した情報に基づき、送受信部57が受信したデータや制御信号の復調処理を行う。また、データ/制御信号処理部55は、送信データや送信制御信号を生成し、送受信部57に出力する。
なお、本実施形態は上りと下りの使用周波数が同じであるTDDシステムであるため、送受信部57を送信および受信のために共通化できる。また、無線信号の位相設定についても上りと下りとにおいて同じものを使用できる。
上りと下りの使用周波数が異なるFDDシステムとする場合には、上りと下りのそれぞれで最適な位相が異なるため、上りと下りで別々に位相器などをもつ構成としてもよい。その場合は、上りと下りの両方の位相情報を位相記憶部53に記憶しておくようにする。また、下りの伝搬路状態については端末からの下り伝搬路報告を取得して、その伝搬路情報に基づいて下りの信号位相を調整するようにする。さらに、上り伝搬路状態を端末に知らせるため、参照信号処理部54で検出した受信情報に基づき、上り伝搬路状態の情報端末へ向けて通知する。なお、「FDD」は、「Frequency Division Duplex」(周波数分割二重化)の略である。
次に、準固定端末の機能構成について説明する。
図3は、準固定端末(端末、端末装置)の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、準固定端末7は、制御部71と、送受信部77と、アレーアンテナ部78とを含んで構成される。ここに示す準固定端末7の構成は、上りと下りの使用周波数が同じであるTDDシステムの場合における構成である。なお、使用周波数に関して、他の形態であってもよい。
制御部71は、準固定端末7の通信に関わる様々な制御を行う。例えば、制御部71は、ビーム位相の制御や、送受信する無線信号のキャリア周波数制御などといった制御を行う。具体的には、例えば、制御部71は、自装置と基地局5との間で通信を開始するとき、開始する通信のためのビームサーチを行うことなく、位相記憶部73に記憶された位相情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する。つまり、この場合、制御部71は、開始する通信のためのビームサーチの処理を抑止するよう制御する。ここで、「通信を開始するとき」とは、準固定端末7が基地局5との間で初めて通信を行うときには限らない。例えば、様々な理由により通信が休止状態等となった後に再び通信を開始する場合や、一連の通信が一旦終了した後に再び通信を開始する場合等(再開等)もまた、「通信を開始するとき」に含まれる。制御部71については、下でさらに詳細に説明する。
送受信部77およびアレーアンテナ部78は、それぞれ、基地局5における送受信部57およびアレーアンテナ部58と同様の機能を有するものであるため、ここではその説明を省略する。つまり、アレーアンテナ部78は、基地局5との間での信号を送受信するものである。
制御部71について、さらに詳細に説明する。図示するように制御部71は、位相設定部72と、位相記憶部73と、参照信号処理部74と、データ/制御信号処理部75と、方位検出部76とを含んで構成される。
なお、参照信号処理部74、データ/制御信号処理部75の各部の機能は、それぞれ、基地局5における参照信号処理部54、データ/制御信号処理部55のそれと同様であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
位相設定部72は、位相記憶部73に記憶された位相情報(方向情報)を読み出し、この位相情報に基づいて送受信部内77の信号位相を設定(アンテナの指向性の方向を設定)する。また、位相設定部72は、通信終了時(通信終了後)の送受信部77の信号位相を検出し、その位相情報を位相記憶部73に書き込む。また、位相設定部72は、参照信号処理部74から取得する受信情報に基づいて、最適な信号位相を推測し、送受信部77の位相調整を行う。さらに、位相設定部72は、方位検出部76から渡される方位情報に基づき、準固定端末7自身の傾きに対する位相補正を行う。この位相補正の処理の詳細については、後でフローチャートを参照しながら説明する。
位相記憶部73は、基地局5との通信における信号位相の情報を記憶する。複数の基地局5について信号位相の情報を記憶する場合、位相記憶部73は、基地局5それぞれの識別情報と、位相情報とを関連付けて記憶する。
方位検出部76は、準固定端末7の向きを検知し、検知した情報(方位情報)を位相設定部72に出力する。なお、方位検出のためには、既存技術であるジャイロやGPSなどを用いる。なお、「GPS」は、「Global Positioning System」の略である。
次に通信シーケンスについて説明する。
図4は、通信システム1において端末が基地局に接続するときの通信シーケンスの一例を示す概略図である。なお、同図はTDDシステムにおけるシーケンスを示すものであり、縦方向が時間的順序に対応している。以下、このシーケンスに沿って説明する。
ステップS1において、準固定端末7におけるデータ通信要求が発生する。
ステップS2において、準固定端末7は、無線信号の位相を、前回通信時の信号位相に設定する。具体的には、準固定端末7における位相設定部72が、位相記憶部73から前回通信時の信号位相の情報を読み出し、その情報に基づいて、送受信部77の位相を設定する。
ステップS3において、基地局5が、端末サーチ信号を発信する。準固定端末7は、この端末サーチ信号を受信する。
ステップS4において、準固定端末7は、基地局5に対する通信接続要求を送信する。基地局5は、この通信接続要求を受信する。
ステップS5において、基地局5は、通信接続要求を送ってきた端末用の信号位相を設定する。
ステップS6において、基地局5は、要求元の準固定端末7に対して、接続設定通知を送信する。準固定端末7は、この接続設定通知を受信する。
ステップS7において、準固定端末7は、基地局5に対して、接続設定完了を送信する。基地局5は、この接続設定完了を受信する。この段階で、通信接続が確立され、データ通信を行うことができる状態になっている。
ステップS8において、準固定端末7と基地局5とは、相互にデータを送受信する。このデータ通信は、例えば、上位階層のプトロコルに則って行われる。
以上、説明した通信シーケンスによれば、準固定端末7が、前回通信時の信号位相に設定する。準固定端末の場合、前回通信時の信号位相は今回通信においても最適である可能性が高い。これにより、新たなビームサーチが不要となり、準固定端末7は、一気に基地局の方向にビームを向けることが可能となる。
上記のステップS3における各端末サーチ信号は、基地局5が、各端末の通信機会が生じるようにビーム出力しているものである。各端末サーチ信号を受信した端末は、通信機会を得る。なお、このサーチ信号には、例えばビームに関する参照信号が含まれている。さらに、サーチ信号に、同期信号や報知信号等が含まれてもよい。
なお、基地局5は、各端末サーチ信号を送信する代わりに、接続に関する信号に関しては全方位受信可能な受信機で受信するようにしてもよい。この場合には各端末サーチ信号を送信する手順は不要となる。
上記のステップS5において、基地局5は、端末から送られてきた通信接続要求の信号位相を、当該端末用の信号位相として設定する。その端末が固定端末であることが分かっている場合には前回通信時の信号位相に設定する方法も取れるが、本実施形態では、端末が移動端末である場合もあり、その場合には端末が前回通信時から移動している確率が高いためである。
なお、接続要求信号を基地局が受信した際の信号位相は、各端末サーチ信号を送信したときの信号位相と同じである場合もある。そのときには、基地局は、結果的に、同じ信号位相のまま通信することになる。
なお、上記のステップS4の通信接続要求時に、準固定端末7が前回通信時の信号位相情報、あるいはビームパターンをあわせて基地局5に報告し、基地局5は、位相あるいはビームパターンを、そこで報告された信号位相に設定してもよい。
図4は、準固定端末7が基地局5のみと接続し通信を行う場合の例を記載している。さらに準固定端末7は、ミリ波帯を使用していないマクロセル基地局とも同時に接続するような場合には、ステップS4、S6、S7に示すような制御信号を、マクロセル基地局経由で送受信してもよい。この場合には、基地局5と通信するための信号位相あるいはビームパターンを、マクロセル基地局経由で準固定端末7側から基地局5側にフィードバックする。そして、基地局5は、フィードバックされた信号位相あるいはビームパターンを、基地局5の位相記憶部53に準固定端末7の信号位相として設定する。
図5は、通信システム1において基地局が端末(準固定端末)に接続するときの通信シーケンスの一例を示す概略図である。なお、同図もまたTDDシステムにおけるシーケンスを示すものである。また、図示するシーケンス図は、基地局がページング対象の端末の前回通信時の位相信号を保有している場合のシーケンスを示す。以下、このシーケンスに沿って説明する。
ステップS11において、準固定端末7は、前回通信時の信号位相に設定し、待ち受け状態となる。
ステップS12において、基地局5側で、準固定端末7へのページングが発生する。
ステップS13において、基地局5は、通信対象の準固定端末7に関して、前回通信時の信号位相に設定する。
ステップS14において、基地局5はページング信号を準固定端末7に送信する。準固定端末7は、このページング信号を受信する。
ステップS15において、準固定端末7は、基地局5に対する通信接続要求を送信する。基地局5は、この通信接続要求を受信する。
ステップS16において、基地局5は、要求元の準固定端末7に対して、接続設定通知を送信する。準固定端末7は、この接続設定通知を受信する。
ステップS17において、準固定端末7は、基地局5に対して、接続設定完了を送信する。基地局5は、この接続設定完了を受信する。この段階で、通信接続が確立され、データ通信を行うことができる状態になっている。
ステップS18において、準固定端末7と基地局5とは、相互にデータを送受信する。
前述の通り、基地局5はページング対象の端末の位相情報を保有している。この場合には、基地局5は、前回通信時の信号位相から順に位相設定し、ページング信号を送信し、端末サーチを実施する。図示した例では、通信対象の端末が準固定端末であるため、最初の位相設定で、一気に通信が可能となる。つまり、基地局5は、高い可能性で、最適な信号位相を設定することができる。また、これにより、使用するページングリソースの低減化を図ることが可能となる。
なお、基地局5がページング対象の端末の位相情報を保有していない場合には、予め定められた所定の信号位相から順に位相設定しながら、ページング信号を送信する。これによって、基地局5は端末サーチを実施する。
図6は、準固定端末における位相情報設定の処理の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って説明する。
ステップS21において、準固定端末7の方向センサーにより方向を検知する。具体的には、準固定端末7の方位検出部76が方位を検出する。
ステップS22において、準固定端末7は、直近で検知された方位が、前回に検知された方位と同じであるか否かを判定する。前回と同じ方向であれば(ステップS22:YES)、ステップS21に戻る。前回と今回とで方向が異なっていれば(ステップS22:NO)、ステップS23に進む。
ステップS23に進んだ場合、準固定端末7は、前回検出した方向と今回検出した方向との差分に基づいて、位相記憶部73に記憶している位相情報を更新する。具体的には、位相設定部72が、位相記憶部73に記憶された位相情報を読み出す。そして、前回方向と今回方向との差分だけ、ビーム方向を元の方向(基地局5に対する方向)に向けるよう、位相を修正する。そして、位相設定部72は、修正された位相情報を位相記憶部73に書き込む。
本ステップの処理の終了後は、ステップS21に戻る。
以上の処理により、制御部71は、方位検出部76によって検出された方位が前回と比べて変化したか否かを判断し、方位が変化した場合には位相記憶部73に記憶されている位相情報を、方位の変化分に応じて更新する。
準固定端末7は、例えば、家の中に設置して使用される。位置や方向が変わる頻度は比較的少なく、例えば家の中でのみ移動がなされる。しかしながら、基地局に対する方向が大きく変化することもあり得る。
なお、準固定端末7が、ビームに関する参照信号を基地局5から所定の周期ごとに受信し、この参照情報に基づいて、位相記憶部73に記憶されている位相情報を微調整(更新)するようにしてもよい。
また、準固定端末7からみた基地局5の方向の変化だけでなく、位置(準固定端末7)が変化した場合にも、上記手順と同様の方法で、位相情報の調整、更新が可能である。なお、準固定端末7の位置の検出のためには、GPSを用いたり、近距離無線通信による三角測量の方法を用いたりすることができる。
以上、本実施形態によれば、基地局側においても端末側においてもそれぞれ、位相記憶部が通信相手の信号位相の情報を記憶する。そして、基地局側あるいは端末側の位相設定部は、記憶された位相情報を読み出して位相設定する。なお、位相記憶部に記憶される位相情報は、前回の通信の際の位相に基づくものである。したがって、ビームサーチを行うことなく、いきなり相手側との通信を開始することができる。なお、位相記憶部に記憶した位相で相手側と通信を行えない場合には、例えば、基地局あるいは端末は、その位相を開始位相としてビームサーチを行う。
本実施形態は、固定された基地局と準固定端末との間の通信に適用することが可能である。ただし、その形態に限らず、例えば、電車やバスなどの移動手段に設置された基地局と、その乗客が保持している移動端末との間の通信にも適用可能である。電車やバスなどの移動中において、その乗客は車両内のほぼ同じ場所に留まっている確率が高いので、基地局の位置を基準として、乗客が保持する移動端末を準固定端末と見なすことができるためである。これをさらに拡張すると、基地局と端末との相対的な位置関係がほぼ固定されている場合(位置の変更や方向の変更の頻度が低い場合)には、本実施例を適用することができる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。なお、以下では、本実施形態に特有の事項を中心に説明する。そして、既に述べた実施形態と共通の事項については、説明を省略する場合がある。
まず、本実施形態の概要について説明する。本実施形態の特徴は、準固定端末が、自身が準固定端末であるという情報を基地局に通知しておくことである。例えば、端末は、UE Capabilityに、固定端末/移動端末の別を表す情報を含めて基地局に通知する。これにより、固定端末と基地局との間では、相互に固定のビーム位相で通信を開始することができる。
本実施形態の基本的な手順について説明する。ただし、後述するバリエーションにより、手順の詳細が変わる場合もある。
端末が初回に基地局と通信するときの手順は、次の通りである。
ステップ1: 端末の電源をオンする。端末は、ビーム方向を順次変更することにより基地局のセルサーチを実施する。あるいは、端末は、広いビーム幅で基地局のセルサーチを実施する。これらにより、端末は、基地局と接続する。
ステップ2: 端末は、基地局との初回接続時に、自身が固定端末であるか移動端末であるかを表す情報を基地局に通知する。端末は、その通信を行ったときのビーム位相を記憶しておく。
ステップ3: その端末が固定端末である場合、基地局は、その端末が固定端末であることと、その通信時のビーム位相を記憶しておく。
ステップ4: 端末は、記憶したビーム位相で待ち受け状態/CDTX状態になる。なお、端末は、ときどき(例えば、定期的に)セルサーチを実施したり、記憶したビーム位相よりもやや広めの位相での待ち受けを行ったりしてもよい。また、端末は、周期的にビーム位相を通知してもよい。
基地局の通信制御の手順は、次の通りである。
通信したい端末が固定端末である場合には、基地局は、その端末用に記憶しているビーム位相で通信を開始する。
通信したい端末が移動端末である場合には、基地局は、ビーム方向を順次変更することにより、あるいは幅広いビーム位相を用いることにより、その移動端末をサーチして、通信を開始する。
端末の通信制御の手順は、次の通りである。
端末は、記憶しているビーム位相で通信を開始する。ただし、そのビーム位相で基地局との通信を行えない場合には、ビームの方向を順次変更することにより、あるいは幅広いビームを用いることにより、基地局との通信を行う。
なお、上記の手順は、基地局および端末の両方がビームフォーミングをする場合について記載している。その代わりに、基地局のみがビームフォーミングするようにしてもよい。あるいは、端末のみがビームフォーミングするようにしてもよい。
本実施形態による通信システム全体の構成は、前実施形態において図1を参照しながら説明した構成と同様である。よって、ここでは、全体構成の説明を省略する。なお、本実施形態による通信システムは、基地局5に代えて、基地局5Aを含む。また、本実施形態による通信システムは、準固定端末7に代えて、準固定端末7Aを含む。
図7は、本実施形態による基地局(基地局装置)の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、基地局装置5Aは、制御部51Aと、送受信部57と、アレーアンテナ部58とを含んで構成される。ここに示す基地局5の構成は、上りと下りの使用周波数が同じであるTDDシステムの場合における構成である。なお、使用周波数に関して、他の形態であってもよい。
送受信部57とアレーアンテナ部58とは、それぞれ、第1実施形態で述べたものと同様の機能を有するものである。
図示するように、制御部51Aは、位相設定部52と、位相記憶部53と、参照信号処理部54と、データ/制御信号処理部55と、端末タイプ記憶部59とを含んで構成される。本実施形態の特徴は、制御部51Aが、端末タイプ記憶部59を備えている点である。
制御部51Aは、例えば、端末タイプ記憶部59に記憶された端末の端末タイプ情報が固定端末であることを表す場合には、自装置と端末との間で通信するとき位相記憶部53に記憶された位相情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、端末との通信接続中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する。
位相記憶部53と端末タイプ記憶部59とを、まとめて「記憶部」と呼ぶ場合がある。なお、記憶部は、基地局5Aの内部に存在してもよいし、外部の装置に存在してもよい。記憶部が基地局5Aの外部に存在する場合、例えば、コアネットワークやその他のネットワークを介して基地局5Aからアクセスできるようにする。
端末タイプ記憶部59は、各端末に対応して、端末のタイプに関する情報を記憶する。具体的には、端末タイプ記憶部59は、各端末が移動端末であるのか準固定端末であるのかを示す情報を記憶している。端末タイプ記憶部59が記憶する情報の形態は、任意であり適宜設計される。例えば、端末タイプ記憶部59が、準固定端末のみについて、端末を識別する情報のリストを記憶するようにしてもよい。この場合には、そのリストに含まれない端末は、移動端末であると見なされる。
位相設定部52は、適宜、端末タイプ記憶部59を参照し、端末ごとの端末タイプの情報を読み出す。そして、通信対象の端末が準固定端末である場合には、位相設定部52は、位相記憶部53に記憶された位相情報に基づいて送受信部57内の信号位相を設定する。また、位相設定部52は、通信終了時(通信終了後)における送受信部57の信号位相を検出し、それを位相情報として位相記憶部に書き込む。一方、通信対象の端末が準固定端末ではない場合には、位相設定部52が予め定められた信号位相を設定する。つまり、この場合には、位相設定部52は、位相記憶部53に記憶されている端末ごとの位相情報に依存せず、信号位相を設定する。さらに、位相設定部52は、参照信号処理部より取得する受信情報に基づいて、最適な信号位相を推測し、送受信部の位相調整を行う。
参照信号処理部54は、受信するビームに関わる参照信号を復調し、位相、レベルなどの受信情報を位相設定部52に通知する。また、参照信号処理部54は、送信するビームに関わる参照信号を生成し、送受信部へ出力する。
データ/制御信号処理部55は、送受信部57から受信したデータや制御信号の復調処理を行う。また、送信データや送信制御信号を生成し、送受信部57に出力する。
また、データ/制御信号処理部55は、送受信部57から受信した端末タイプ情報を端末タイプ記憶部59に記憶させる処理を行う。
次に、準固定端末の機能構成について説明する。
図8は、準固定端末の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、準固定端末7Aは、制御部71Aと、送受信部77と、アレーアンテナ部78とを含んで構成される。ここに示す準固定端末7Aの構成は、上りと下りの使用周波数が同じであるTDDシステムの場合における構成である。なお、使用周波数に関して、他の形態であってもよい。
送受信部77とアレーアンテナ部78とは、それぞれ、第1実施形態で説明したものと同様である。
制御部71Aは、自装置と基地局5Aとの間で通信するとき位相記憶部73に記憶された位相情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、基地局5Aとの通信中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する。制御部71Aについては、下で、さらに詳細に説明する。
図示するように、制御部71Aは、位相設定部72と、位相記憶部73と、参照信号処理部74と、データ/制御信号処理部75と、方位検出部76と、端末タイプ通知信号生成部79と、を含んで構成される。本実施形態の特徴は、制御部71Aが、端末タイプ通知信号生成部79を備えている点である。
端末タイプ通知信号生成部79は、自端末が移動端末であるか準固定端末であるかを表す情報を基地局側に通知するための信号を生成する。この信号を、端末タイプ通知信号と呼ぶ。端末タイプ通知信号生成部79は、生成した端末タイプ通知信号をデータ/制御信号処理部75に渡す。
データ/制御信号処理部75は、適切な手順に則って、端末タイプ通知信号を基地局5Aに送信する。なお、端末能力情報(UE Capability情報等)の中に端末タイプの情報を含める形態で信号の生成を行ってもよい。
本実施形態における処理手順について説明する。
図9は、準固定端末の電源をオンしたとき、およびその後の、準固定端末と基地局との間の通信のシーケンスを示す概略図である。なお、同図では、本実施形態の構成に比較的深く関わるシーケンスのみ記載しており、通信するために必要なその他の詳細なシーケンスの記載を省略している。以下、このシーケンスに沿って手順を説明する。
ステップS31において、準固定端末7Aの電源がオン状態となる。これにより、準固定端末7Aが起動する。
ステップS32において、基地局5Aは、各端末サーチ信号を送信する。この各端末サーチ信号により、端末は、通信機会を得る。
ステップS33において、準固定端末7Aは、基地局のセルサーチを実施する。なお、準固定端末7Aは、セルサーチ時に順次ビーム方向をスウィープしながら各端末サーチ信号をサーチする。あるいは、ビーム幅を広くしたビームや、無指向性アンテナ等でサーチしてもよい。そして、サーチの結果として、準固定端末7Aは、この各端末サーチ信号を受信する。即ち、準固定端末7Aは、セルを検出し、そのセルの信号を送受信するための最適な信号位相、あるいはビームパターンを推定する。
ステップS34において、準固定端末7Aは、セル検出時の最適な信号位相、あるいはビームパターンを記憶するとともに、その信号位相を送受信用に設定する。
ステップS35において、準固定端末7Aは、基地局5Aに対して、端末能力報告を送信する。この端末能力報告のメッセージ中に、端末タイプ情報が含まれる。なお、準固定端末7Aの端末タイプ通知信号生成部79が、自端末に関する端末タイプ情報の信号を生成する。端末タイプ情報は、その端末が準固定端末(固定端末)であるか移動端末であるかを区別するための情報である。具体的には、準固定端末7Aは、例えばUE Capability情報の中に端末タイプの情報を含めて送信する。
基地局5Aは、準固定端末7Aからの端末能力報告を受信する。
ステップS36において、基地局5Aは、受信した端末能力報告から取り出した端末タイプ情報を記憶する。具体的には、基地局5A内の端末タイプ記憶部59が、端末識別情報と関連付ける形で、端末タイプ情報を記憶する。
ステップS37において、上記ステップS36で記憶した端末タイプ情報が「準固定端末」を表している場合には、基地局5Aは、端末能力報告を受信した際の位相情報を記憶する。具体的には、位相記憶部53が、位相情報を記憶する。
ステップS38において、基地局5Aは、当該端末に関して、端末能力報告を受信した際の信号位相に設定する。具体的には、位相設定部52が、送受信部57における位相設定を行う。
ステップS39において、基地局5Aは、端末能力報告応答を、準固定端末7Aに送信する。この端末能力報告応答は、基地局5Aが端末能力報告を正常に受信して処理できたことを示す肯定的応答である。また、対象の端末が準固定端末である場合には、基地局5A側において、その準固定端末の位相情報を記憶したことを表している。準固定端末7Aは、この端末能力報告応答を受信する。
ステップS40において、準固定端末7Aは、待ち受け状態となる。待ち受け状態において、準固定端末7Aは、ページング信号を待ち受ける。このとき、準固定端末7Aは、記憶したビーム位相で待ち受け状態に入る。
なお、準固定端末7Aは、所定の周期ごとに適宜、セルサーチを実施するようにしてもよい。また、準固定端末7Aは、記憶したビーム位相よりも広めの位相での待ち受けを行う様にしてもよい。また、位相情報が変化することもあり、準固定端末7Aは、所定の周期ごとにビーム位相を基地局5Aに通知するようにしてもよい。
なお、準固定端末7Aがセルサーチ(ステップS33)の結果としてセルを検出した場合、セル検出時の位相情報を、端末能力報告(ステップS35)に含めて報告するようにしてもよい。
端末からの端末能力報告に端末側でのセル検出時の位相情報が含まれていた場合、基地局5Aは、その位相情報に基づいて、その端末用の位相情報を算出し、算出された位相情報を位相記憶部53に記憶するようにしてもよい(ステップS37における処理)。
また、上記のように端末側から報告された位相情報に基づいてその端末用の位相情報を算出した場合、基地局5Aは、その算出された位相情報に設定するようにしてもよい(ステップS38における処理)。
なお、第1実施形態の場合と同様に、基地局5Aが端末能力報告を受信したときの信号位相は、各端末サーチ信号を送信したときの信号位相と同じである場合もある。その場合には、結果として、各端末サーチ信号を送信したときの信号位相のまま通信することとなる。
図9は、準固定端末7Aが基地局5Aのみと接続し通信を行う場合の例を記載している。さらに準固定端末7Aは、ミリ波帯を使用していないマクロセル基地局とも同時に接続されるような場合には、ステップS35、S39におけるような制御信号をマクロセル基地局経由で送受信してもよい。この場合には、基地局5Aと通信するための信号位相あるいはビームパターンを、マクロセル基地局経由で準固定端末7A側から基地局5A側にフィードバックする。そして、基地局5Aは、フィードバックされた信号位相あるいはビームパターンを、基地局5Aの位相記憶部53に準固定端末7Aの信号位相として設定する。
図10は、本実施形態による基地局が端末(準固定端末)に接続するときの通信シーケンスの一例を示す概略図である。なお、本図もまたTDDシステムにおけるシーケンスを示すものである。また、図示するシーケンス図は、基地局がページング対象の端末の前回通信時の位相信号を保有している場合のシーケンスを示す。以下、このシーケンスに沿って説明する。
ステップS51において、準固定端末7は、待ち受け状態となっている。なお、本ステップにおける準固定端末7Aは、記憶しているビーム位相で待ち受け状態となっている。
ステップS52において、基地局5A側で、準固定端末7Aへのページングが発生する。
ステップS53において、基地局5Aは、通信対象の準固定端末7に関して、記憶している位相情報を読み出し、この情報に基づいて信号位相を設定する。基地局5Aは、この設定後の当該準固定端末7との無線通信を、この信号位相で行う。
ステップS54において、基地局5Aはページング信号を準固定端末7Aに送信する。準固定端末7Aは、このページング信号を受信する。
本実施形態では、基地局5Aは、ステップS53で設定された信号位相でページング信号を準固定端末7Aに送信する。つまり、基地局5Aがページング信号を順次スウィープする等の必要が特になく、一気に準固定端末7Aへのページング信号の送信が可能となる。また、これにより、ページングリソースを低減化させることができるという効果も得られる。
ステップS55において、準固定端末7Aは、基地局5Aに対する通信接続要求を送信する。基地局5Aは、この通信接続要求を受信する。
ステップS56において、基地局5Aは、要求元の準固定端末7Aに対して、接続設定通知を送信する。準固定端末7Aは、この接続設定通知を受信する。
ステップS57において、準固定端末7Aは、基地局5Aに対して、接続設定完了を送信する。基地局5Aは、この接続設定完了を受信する。この段階で、通信接続が確立され、基地局5Aと準固定端末7Aとの間でデータ通信を行うことができる状態になっている。
ステップS58において、基地局5Aと準固定端末7Aとは、相互にデータを送受信する。
図11は、ページングが発生(図10のステップS52)した際の基地局の動作手順をより詳細に示すフローチャートである。このフローチャートは、ページング発生から、端末との通信接続がなされるまでの手順を示すものである。以下、このフローチャートに沿って説明する。
ステップS61において、基地局5Aでのページングが発生する。
ステップS62において、基地局5Aの位相設定部52は、そのページングが準固定端末宛のページングであるか否かを判定する。この位相設定部52による判定は、当該端末に関して端末タイプ記憶部59に記憶されている端末タイプの情報を参照することにより行うことができる。そのページングの対象である端末が準固定端末である場合(ステップS62:YES)には、次のステップS63に進む。そのページング対象の端末が準固定端末ではない場合(ステップS62:NO)には、ステップS64に進む。
準固定端末宛のページングである場合、ステップS63において、位相設定部52は、位相記憶部53から記憶されている位相情報を読み出す。そして、位相設定部52は、読み出した位相情報に基づいて信号位相を設定する。本ステップの処理が終了すると、ステップS66に移る。
準固定端末宛のページングではない場合、ステップS64において、基地局装置5Aは、端末サーチを行う。このとき、基地局装置5Aは、ある定められた信号位相から順次ビーム方向をスウィープしながら端末サーチを行う。あるいは、基地局装置5Aが、広めのビーム幅を用いて適宜端末サーチするようにしてもよい。あるいは、基地局装置5Aが、無指向性アンテナにより端末サーチするようにしてもよい。
そしてステップS65において、基地局装置5Aの位相設定部52は、ステップS64での端末サーチに対応して検出できた端末の信号位相に設定する。本ステップの処理が終了すると、ステップS66に移る。
ステップS66へは、ステップS63またはS65のいずれかから遷移する。いずれから遷移してきた場合にも、この時点で信号位相が適切に設定されている。
そしてステップS66において、基地局装置5Aは、端末との通信接続を行う。
以上説明した処理手順により、準固定端末宛へのページングを行う場合には、端末サーチ時間が不要となり、通信接続のための時間が短縮される。
なお、図11では、基地局5A側からのページング発生の際の処理手順を説明した。ただし、端末側から通信接続要求を受けたときにも、図11で説明したのと同様に、端末タイプに応じた(準固定端末であるか否かに応じた)信号位相の設定を行うようにしてもよい。
本実施形態における、基地局5Aと準固定端末7Aのそれぞれの通信接続中の動作を説明する。
通信対象の端末が移動端末である場合には、基地局5Aは、その移動端末からのビームに関する参照信号を受信し、信号位相を調整する。これにより、基地局5Aは、ビームを移動端末の移動に追従させる。
FDDシステムに本実施形態を適用する場合には、基地局5Aは、端末に対して、通信接続の際に(例えば、接続設定通知を送信する際に)下りビーム位相情報を報告するよう要求する。そして端末は、通信接続の際に、受信した下りビームの位相情報を報告する。また、基地局5Aは、端末からの信号を受信した際に、上りビームの位相情報を検知するとともに、上りビームの位相情報を端末に通知する。このように、FDDシステムにおいては、基地局と端末とが相互に、自局が送信するビームの位相情報を相手局から得る。そして、基地局と端末はそれぞれ、相手局から得た位相情報に基づいて、自局の位相設定を行う。
通信対象の端末が準固定端末である場合には、通信中に特に上述した動作を行う必要がない。また、FDDシステムの場合においても、通信接続時の下りビーム位相情報の報告を、準固定端末に要求する必要はない。つまり、これらの場合、基地局5Aは、下りビーム位相情報についての端末からの報告を求めない。また、基地局5Aは、上りビーム位相情報を端末に通知しない。また、基地局5Aは、ビームに関する参照信号を復調しない。そのため、基地局5Aは、端末が準固定端末であるかどうかを表す情報(端末タイプ情報)を予め端末より入手して記憶している。
つまり、基地局5Aにおいて、位相設定部52は、端末タイプ記憶部59に記憶された端末の端末タイプ情報を参照する。そして、端末が準固定端末であることを表す場合には、位相設定部52は、自装置と端末との間で通信するとき、位相記憶部53に記憶された位相情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、端末装置との通信接続中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する。
なお、基地局5Aは、通信初期においてビームに関する参照信号を受信し、参照信号に基づいてビームの微調整を行うようにしてもよい。
以上述べたように、本実施形態の基地局5Aは、通信相手である端末の端末タイプ情報を知ることにより、通信相手が準固定端末の場合にビーム追従処理を省略することが可能となる。
また、準固定端末7Aは、通信中にビーム追従のためのビームに関する参照信号の受信などを行う必要はない。
FDDシステムに本実施形態を適用する場合においても、準固定端末7Aは、通信接続時に、基地局5Aから下りビーム位相情報の報告を求められない。よって、準固定端末7Aは、下りビームの位相情報を基地局5Aに報告する必要がない。
つまり、これらの場合、準固定端末7Aは、下りビーム位相情報を基地局装置5Aに対して報告しない。また、準固定端末7Aは、ビームに関する参照信号を復調しない。その前提として、準固定端末7Aは、自装置が準固定端末であるかどうかの情報(端末タイプ情報)を、予め、基地局5Aに報告しておくようにする。
つまり、準固定端末7Aは、自装置が固定端末であるという情報に基づき、自装置と基地局装置5Aとの間で通信するとき位相記憶部73に記憶された位相情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、基地局5Aとの通信中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する。
以上述べたように、本実施形態の準固定端末7Aは、ビーム追従に関する処理を省略でき、端末処理の負荷や消費電流を低減することが可能となる。
図12は、準固定端末側から基地局側への接続を行うことによってデータ通信を行う場合のシーケンスを示す概略図である。なお、このシーケンスは、準固定端末の電源オンの際に、端末タイプ情報(当該端末が準固定端末であることを示す情報)を基地局に対して報告しない場合を前提とする。以下、このシーケンスに沿って説明する。
ステップS71において、準固定端末7A側で、データ通信要求が発生する。
ステップS72において、準固定端末7Aの位相設定部72は、位相記憶部73に記憶されている位相情報を読み出し、その位相情報に基づいて信号位相の設定を行う。
ステップS73において、基地局5Aは、各端末サーチ信号を送信する。つまり、本ステップで、基地局5Aは、端末をサーチする。ステップS72において信号位相の設定を行っていた準固定端末7Aは、各端末サーチ信号を適宜受信する。
ステップS74において、準固定端末7Aは、通信接続要求を送信する。このとき、準固定端末7Aは、通信接続要求内に端末タイプ情報を含めるようにする。端末タイプ情報は、その端末が準固定端末であるか否かを表す情報である。具体的には、準固定端末7A内の端末タイプ通知信号生成部79が、端末タイプの情報を基地局5A側に送信するための信号を生成する。基地局5Aは、上記の通信接続要求を受信する。
ステップS75において、基地局5Aは、通信接続要求を送ってきた端末の端末タイプを記憶する。この端末タイプは、基地局5Aが受信した通信接続要求から取り出されるものである。具体的には、データ/制御信号処理部55が、端末タイプ記憶部59に端末タイプ情報を書き込む。このとき、端末タイプ記憶部59は、端末識別情報と、上記の端末タイプ情報とを関連付けて記憶する。
ステップS76において、通信接続要求を送ってきた端末が準固定端末である場合には、位相設定部52は、その要求を受信した際の位相情報を位相記憶部53に書き込む。
ステップS77において、位相設定部52は、通信接続要求を送ってきた端末の信号位相を設定する。なお、位相設定部52は、通信接続要求の信号を受信した際の信号位相を、設定する。
ステップS78において、基地局5Aは、要求元の準固定端末7Aに対して、接続設定通知を送信する。準固定端末7Aは、この接続設定通知を受信する。
ステップS79において、準固定端末7Aは、基地局5Aに対して、接続設定完了を送信する。基地局5Aは、この接続設定完了を受信する。この段階で、通信接続が確立され、基地局5Aと準固定端末7Aとの間でデータ通信を行うことができる状態になっている。
ステップS80において、基地局5Aと準固定端末7Aとは、相互にデータを送受信する。
図9で示した手順では、電源オンの際に端末が端末タイプ情報を基地局側に報告したのに対して、図12に示した手順では、通信接続要求の際に端末タイプ情報を端末が基地局に報告する。
また、通信接続要求に端末タイプ情報を含める代わりに、端末が、端末タイプ情報を他のタイミングで基地局に送信するようにしてもよい。例えば、通信接続要求の後に、端末が、端末タイプ情報のみを基地局に送信するようにしてもよい。
このように、本実施形態では、端末タイプ情報を端末側から基地局側に送信する。これにより、基地局は、各端末の端末タイプを知ることができる。つまり、基地局は、端末が準固定端末であるか移動端末であるかといった情報を知ることができる。これにより、基地局は、端末が準固定端末である場合などに、予め記憶している位相情報を用いて、信号位相を設定することが可能となる。
また、端末タイプが準固定端末である場合に、準固定端末および基地局は、ビーム追従処理を行うことが不要となる。なお、図10に示したデータ通信においても同様に、準固定端末および基地局は、ビーム追従処理を行うことが不要となる。
また、端末から基地局に対して、合わせて、下りビームの位相情報を報告するようにしてもよい。基地局は、報告された下りビーム位相情報に基づいて、その端末と通信するために基地局側で設定する位相を算出することができる。そして、基地局は、その位相情報を記憶したり、その位相情報に基づいて位相設定したりすることが可能となる。
なお、第1実施形態の場合と同様に、基地局が端末から要求を受信したときの信号位相は、各端末サーチ信号を送信した際の信号位相と同じである場合もある。その場合には、結果的に、各端末サーチ信号を送信した際の信号位相と同じ信号位相のまま通信することとなる。
ここで、本実施形態における記憶部の構成について説明する。
図13および図14は、それぞれ、本実施形態における記憶部の構造と、記憶部に記憶されるデータの例とを示す概略図である。図13および図14は、同じ用途で用いられる記憶手段であるが、その具体的な態様が互いに異なる。
図13は、本実施形態の記憶部の第1態様における構成を示す概略図である。図示するように記憶部は、2次元の表の形式で表現され得る。この表は、端末識別番号(端末識別情報)と、端末タイプと、位相情報の各項目を有する。そして、表の各行が、各端末に対応する。
記憶部のうち、端末識別情報に関連付けて端末タイプの情報を記憶する部分が、端末タイプ記憶部59にあたる。また、端末識別情報に関連付けて位相情報を記憶する部分が、位相記憶部53にあたる。
なお、本実施形態の特徴の一つは、端末タイプ記憶部59が存在することである。第1実施形態の基地局においては、端末タイプ記憶部59が存在せず、位相記憶部53のみが存在していた。
図13に戻り、端末識別番号は、各端末を一意に識別するための情報である。本図に示す例では、端末識別番号として、1から6までの整数がそれぞれの端末に付与されている。
端末タイプは、端末のタイプを表す情報である。より具体的には、端末タイプは、準固定端末であるか移動端末であるかを表す情報である。本図に示す例では、端末番号1,4,5に対応する端末タイプが「準固定端末」であり、端末番号2,3,6に対応する端末タイプが「移動端末」である。
位相情報は、端末ごとの信号位相に関する情報を記憶する。具体的には、位相情報は、アレーアンテナ部58が有する各アンテナ素子に供給する電力の位相の情報である。そして、各アンテナ素子の位相によって、アレーアンテナ全体としての指向性パターンが定まる。
本図に示す例では、端末識別番号1に対応して、アンテナ1からアンテナnまでの位相情報が保持されている。アンテナ1の位相はφ1_1、アンテナ2の位相はφ1_2、・・・、アンテナnの位相はφ1_nである。
また、端末識別番号4に対応して、アンテナ1からアンテナnまでの位相情報が保持されている。アンテナ1の位相はφ4_1、アンテナ2の位相はφ4_2、・・・、アンテナnの位相はφ4_nである。
また、端末識別番号5に対応して、アンテナ1からアンテナnまでの位相情報が保持されている。アンテナ1の位相はφ5_1、アンテナ2の位相はφ5_2、・・・、アンテナnの位相はφ5_nである。
図14は、本実施形態の記憶部の第2態様における構成を示す概略図である。図示するように記憶部は、2次元の表の形式で表現され得る。この表は、端末識別番号(端末識別情報)と、端末タイプと、位相情報の各項目を有する。
本図に示すこの第2態様の特徴は、表が、端末タイプが「準固定端末」である行のみを保持し、端末タイプが「移動端末」である行を保持していない点である。つまり、本テーブルに書き込まれていない端末は、移動端末と見なされる。さらに、この第2態様の記憶部の変形例として、「端末タイプ」の列を省略してもよい。本実施形態において、端末タイプが「移動端末」または「準固定端末」の2通りの値しかとり得ないため、すべての行が「準固定端末」にあたる第2態様において、「端末タイプ」の列を省略しても、情報としては充分である。
ここでは、端末タイプが取り得る値は「準固定端末」または「移動端末」の2種類のみである。また、端末タイプが「移動端末」である端末に関して記憶部は位相情報を記憶しない。したがって、記憶部の第2態様が持つ情報には、記憶部の第1態様が持つ情報と比べても情報の欠落はない。
なお、図13、図14に示した記憶部において、位相情報の代わりにビームパターンの情報を格納するようにしてもよい。例えば、端末識別番号1の位相情報はビームパターンA、端末識別番号4の位相情報はビームパターンB等としてもよい。ビームパターンA、B等は基地局が出力するビームパターンの識別子である。
次に、基地局による各端末サーチ動作の例について説明する。
図15は、基地局による各端末サーチ動作の例を示す概略図である。同図において横軸は時間(時刻)である。同図は、時間を適宜区切り、区切られた時間帯のそれぞれに、個々の準固定端末を割り当てる。
ここでは、基地局5Aの通信相手である端末のうち、F_UE1(端末識別番号:1)と、F_UE4(端末識別番号:4)と、F_UE5(端末識別番号:5)とが準固定端末であることを想定する。基地局5Aは、準固定端末(F_UE1,F_UE4,F_UE5)についてまず端末サーチを行い、それら準固定端末のサーチが完了した後に、その他端末(UEs)のサーチを行う。このために、基地局5Aは、ビーム方向を順次スウィープしながらサーチする。準固定端末の位相情報を基地局5Aは既に保持しており、各々の準固定端末に割り当てた時間帯に、基地局5Aは、その準固定端末の位相情報を用いた位相設定を行う。つまり、ビームサーチは不要であり、各々の端末に対応した信号位相でサーチを行うことができる。
なお、その他端末(UEs)のサーチを行う際に、準固定端末のサーチ時にサーチしたエリア(方向)のサーチを省略してもよい。
このような各端末サーチを行うことにより、基地局5Aは、確実に端末のいるエリアから順にサーチを行うことができる。したがって、通信システム全体としては、少しでも早く通信接続できる端末数が増加する確率が高くなる。
なお、基地局5Aは、各端末サーチ時間帯を、各端末との間でデータ通信を行う時間帯とは別の時間帯としてもよい。各端末サーチ時間帯は連続している必要はなく、各端末とのデータ通信の時間に割り込むように配置されてもよい。また、各端末サーチと各端末とのデータ通信とを、周波数で分割してもかまわない。あるいは、各端末サーチと各端末とのデータ通信とを、無線リソースで分割してもかまわない。無線リソースで分割する場合、例えば各端末サーチ信号の無線リソースやデータ通信用の無線リソースが、時間領域および周波数領域の2次元のマトリックスとして区切られる各領域に、適宜配置される。
また、基地局5Aは、マルチビームによる送受信を行ってもよい。そして、例えば、基地局5Aは、マルチビームの中の1つのビームを、各端末サーチ時間帯用に占有させてもよい。
また、基地局5Aは、データ通信用のアレーアンテナとは別に、各端末サーチのための専用のアレーアンテナを設けて使用するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態における基地局5Aは端末タイプ情報を保持する。
基地局5Aは、通信対象端末が準固定端末であることを知ることにより、ビームサーチや通信中のビーム追従の処理を省略することができる。つまり、時間や電力を節約することが可能となる。
また、基地局5Aは、通信対象端末が準固定端末であることを知ることにより、ハンドオーバーに関わる処理を不要とすることができる。つまり、基地局5Aは、端末が準固定端末であることを知った場合、その端末に対しては、ハンドオーバーに関わるイベント報告の要求をしない。これにより、準固定端末は、イベント報告が不要となり、端末での処理負荷や消費電力を低減させることが可能となる。
さらに、準固定端末はハンドオーバー機能を実装する必要もなく、実装の簡単化を図ることが可能となる。
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。なお、以下では、本実施形態に特有の事項を中心に説明する。そして、既に述べた実施形態と共通の事項については、説明を省略する場合がある。
本実施形態は、準固定端末の周辺に複数の接続可能な基地局が存在する場合の構成および手順に特徴を有する。
図16は、本実施形態による通信システムの構成を示す概略図である。図示するように、通信システム3は、移動体無線通信システムであり、複数の基地局5Bと、少なくとも1台の準固定端末7Bと、コアネットワーク10とを含んで構成される。なお、同図では、3個の基地局5Bを記載しているが、通信システム3は、2個以上の任意の個数の基地局5Bを含んでいてよい。また、同図では、1台の準固定端末7Bを記載しているが、他の端末(準固定端末または移動端末)が通信システム3に含まれていてよい。基地局5は、端末との間で、ミリ波帯などの高周波数帯域を利用して通信を行う。このとき、基地局と端末との間で相互にビームフォーミング制御を行う。
なお、図示する通信システム3の例では、準固定端末7Bは、3個の基地局5Bのいずれとも通信することが可能な位置に準固定されている。準固定端末7Bは、基地局5Bのいずれともそれぞれ相互にビーム制御しながら通信することが可能である。
図17は、本実施形態に特有な通信のシーケンスを示す概略図である。本図に記載されたシーケンスでは、ある基地局と通信中の準固定端末が、別の基地局へオフロードされる手順が示される。以下、このシーケンスに沿って説明する。
ステップS101において、第1基地局(基地局5B)と準固定端末7Bとの間で既にデータ通信が行われている。本ステップ以前に、既に、第1基地局と準固定端末7Bとの間で接続を確立するための手順が実行されている。
ステップS102において、第1基地局の通信負荷が過大になってきたという事象が発生した。第1基地局は、通信負荷が所定の閾値を超えた段階で、通信中の固定端末の一部をオフロードするための処理を開始させる。
ステップS103において、第1基地局は、準固定端末7Bに対して、周辺セル情報を要求する。周辺セル情報とは、準固定端末7Bから接続できる可能性のある他の基地局のセルに関する情報である。準固定端末7Bは、周辺セル情報要求を受信する。
ステップS104において、準固定端末7Bは、周辺セル情報報告を第1基地局に返す。第1基地局は、この周辺セル情報報告を受信する。
ステップS105において、第1基地局は、各端末から返送されてきた周辺セル情報報告に基づいて、一部の端末をオフロードするかどうかを検討する処理を行い、適宜、決定を行う。周辺セル情報報告には、その端末から接続することが可能である基地局の識別情報や、各基地局の信号強度に関する情報などが含まれる。なお、本シーケンスにおいては、第1基地局は、準固定端末7Bをオフロードして第2基地局に引き継がせることを決定する。
ステップS106において、第1基地局は、準固定端末7Bとの接続に関する情報を消去する。なお、本ステップにおいて、第1基地局は、当該準固定端末7Bが接続中の端末であることを表す情報を消去すれば充分である。第1基地局は、現在接続中であることを示す情報以外の、準固定端末7Bに関する情報を保持したままとしてもよい。第1基地局が準固定端末7Bに関する情報(端末タイプ情報や、位相情報など)を保持し続けておくことにより、第1基地局が次に準固定端末7Bの接続先基地局となるときに、素早く接続を確立することが可能となる。
ステップS107において、第1基地局は、コアネットワーク10、あるいは図示していないが基地局と基地局間を直接接続するX2インターフェース等を経由した通信等により、準固定端末接続指示を第2基地局(基地局5B)宛に送信する。ここで送られる準固定端末接続指示は、その準固定端末の識別情報や、端末タイプ情報や、位相情報、伝搬路品質情報など、本実施形態における接続に必要な情報を含む。第2基地局は、この準固定端末接続指示を受信する。
ステップS108において、第2基地局は、受信した準固定端末接続指示に含まれていた準固定端末情報を自身の記憶部に記憶する。ここで、準固定端末情報は、準固定端末7Bの端末識別情報や、端末タイプ情報や、位相情報を含む。
ステップS109において、第2基地局は、受け取った位相情報や伝搬路品質情報等に基づいて、当該準固定端末7Bとの通信のための信号位相を設定する。具体的には、第2基地局は、第1基地局から受け取った準固定端末7Bの位相情報に基づき、第2基地局における準固定端末7Bの位相情報を算出するようにする。例えば、第1基地局と第2基地局と準固定端末7Bとの位置関係に基づいて、第2基地局が準固定端末7Bに接続するための位相情報を算出する。より具体的には、第2基地局は、第1基地局の位置を予め知っている。また、準固定端末7Bのおよその位置(準固定端末7Bと第1基地局間の距離)は、準固定端末7Bと第1基地局間の無線伝搬路の品質(信号受信レベル等)や利用周波数等から算出できる。そして、第1基地局から受け取った準固定端末7Bの位相情報に基づき、第1基地局を基準としたときの準固定端末7Bの方向を求める。そして、第2基地局は、これらの情報に基づき、第2基地局を基準としたときの準固定端末7Bの方向を推定する。あるいは、第2基地局を基準としたときの準固定端末7Bのだいたいの方向を求める。そして、第2基地局を基準としたときの準固定端末7Bの方向に基づき、位相情報を算出する。
一方、第1基地局は、第2基地局への指示と並行して、オフロード対象である準固定端末7Bにも、指示を行う。即ち、次の通りである。
ステップS110において、第1基地局は、第2基地局へのハンドオーバー(HO)指示を、準固定端末7Bに送信する。準固定端末7Bは、このハンドオーバー指示を受信する。
ステップS111において、準固定端末7Bは、第2基地局との通信のために、第2基地局の信号位相に設定する。なお、準固定端末7Bは、各基地局の位相情報を予め記憶している。
ここまでの手順により、第2基地局も準固定端末7Bも、相互に信号位相の設定を完了している。このように設定された信号位相に基づき、以下のシーケンスにおいては、第2基地局と準固定端末7Bとの間での通信が行われる。
ステップS112において、準固定端末7Bは、通信接続要求を、第2基地局に送信する。第2基地局は、この通信接続要求を受信する。
ステップS113において、第2基地局は、通信設定通知を、準固定端末7Bに送信する。準固定端末7Bは、この通信設定通知を受信する。
ステップS114において、準固定端末7Bは、接続設定完了を、第2基地局に送信する。第2基地局は、この接続設定完了を受信する。
ここまでの手順により、第2基地局と準固定端末7Bとの間でのデータ通信が可能な状態となった。つまり、準固定端末7Bが、第1基地局から第2基地局にハンドオーバーされた。
ステップS115において、第2基地局と準固定端末7Bとは、相互にデータを送受信する。
なお、上記の手順においては、第1基地局からの周辺セル情報要求に応じて、準固定端末7Bは、周辺セルの情報を第1基地局に報告した。その代わりに、準固定端末7Bと第1基地局との接続時(例えば、電源オンによる接続)に、準固定端末7Bが、自身の端末タイプ情報を第1基地局に報告するタイミングに合わせて、周辺セル情報をも報告しておくようにしてもよい。この場合、第1基地局は、準固定端末7Bから受信した周辺セル情報を、記憶部内に記憶しておくようにする。さらに、周辺セルを送受信するためのビーム方向もあわせて記憶しておいてもよい。そして、第1基地局は、オフロード処理の際に必要に応じて、記憶された周辺セル情報を参照するようにする。このような手順をとる場合には、周辺セル情報要求(ステップS103)および周辺セル情報報告(ステップS104)のシーケンスは不要であり、省略することができる。
また、上記のステップS107において、第1基地局は、オフロード対象である準固定端末7Bから取得した周辺セル情報を、準固定端末接続指示のメッセージに含めて第2基地局に送るようにしてもよい。このようにすることにより、第2基地局は、ハンドオーバーされる準固定端末7Bの周辺セル情報を把握することができる。
第2基地局は、準固定端末7Bから通信接続要求を受信した際に、その信号の方向に基づいて、再度、準固定端末7Bの位相設定を微調整してもよい。また、この微調整により導出された準固定端末7Bの位相情報を、第2基地局の位相記憶部に記憶しておいてもよい。これにより、ハンドオーバーされた側である第2基地局は、準固定端末7Bの位相情報をより正確に保持し、また設定することができる。
また、上記のステップS111の説明において、準固定端末7Bは各基地局(例えば、ハンドオーバー先である第2基地局)の位相情報を予め記憶している、と述べたが、これは必須ではない。第2基地局へのHO指示(ステップS110)を受信してから、準固定端末7Bが第2基地局をビームサーチしてもよい。だだし、準固定端末7Bが第2基地局の位相情報を予め記憶しておくことにより、ビームサーチを行わずに、すぐに第2基地局への通信接続要求を送信することが可能となる。
あるいは、第1基地局が、第2基地局の位相情報を推定し、第2基地局へのHO指示(ステップS110)に第2基地局の位相情報を含めて、準固定端末7Bに通知するようにしてもよい。これにより、準固定端末7Bは、ビームサーチを行わずに、すぐに第2基地局への通信接続要求を送信することが可能となる。
図17に示したシーケンスは、基地局と準固定端末との間のデータ通信中に、基地局が準固定端末を別の基地局へオフロードさせる例であった。一方で、準固定端末が基地局からのアクセスを待ち受けしているとき(ページングの待ち受け中など)に、別の基地局にビームを切り替えて待ち受けするようにしてもよい。その場合、図17に示したシーケンスと同様に、基地局を切り替える。つまり、準固定端末が第1基地局を待ち受けしているときに、第1基地局が、当該準固定端末を第2基地局に切り替えることを決定する。そして、第1基地局が、第2基地局に準固定端末接続指示を送る(図17のステップS107に相当)。それとともに、第1基地局が、準固定端末に、第2基地局へのHO指示(待ち受け対象のハンドオーバーの指示)を送る。
また、準固定端末側からのトリガーにより待ち受け対象の基地局の切り替えを行ってもよい。その場合、準固定端末は、自己の判断等に基づき、第1基地局に切り替え報告を送信する。この切替報告を受信した第1基地局は、切り替え先である第2基地局に、準固定端末情報(端末識別情報や、端末タイプ情報や、位相情報など)を通知する。そして、切り替え先である第2基地局は、その端末情報を記憶する。第2基地局は、当該準固定端末との間で信号の送受信を行う際には、記憶した位相情報に基づく位相設定を行う。また、準固定端末もまた、切り替え先の第2基地局のビーム方向を記憶する。準固定端末は、第2基地局と信号の送受信を行う際には、そのビーム方向の情報に基づいて、信号位相を設定する。
これらの手順を用いることにより、本実施形態による通信システムは、データ通信中だけでなく、待ち受け中にも基地局の切り替えを実行することが可能となる。
[変形例]
以上、第1実施形態から第3実施形態までを説明した。次に、複数の変形例について説明する。なお、組み合わせ可能な場合において、下で説明する複数の変形例を組み合わせて実施するようにしてもよい。
[第1変形例]
第1実施形態から第3実施形態までにおいては、端末(準固定端末等)側もビームの方向を制御することができる構成としていた。それに対して、本変形例では、端末は、アレーアンテナ等によるビーム方向の制御を行わず、全方位(360度、無指向性)に信号を送受信する構成とする。あるいは、端末は、半方位に信号を送受信する構成とする。ここで、半方位とは、ほぼ180度の範囲内において、均等なパワーで信号を送受信することを意味する。そして、その逆側のほぼ180度においては、信号の送受信を不可能とする。つまり、基地局はビーム制御するものの、端末はビーム制御をしない。
[第2変形例]
第1実施形態から第3実施形態までにおいては、基地局は、同期チャネルや報知チャネルも含めて全チャネルについてビーム制御する構成としていた。それに対して、本変形例では、基地局は、同期チャネルや、報知チャネルや、端末で共通な制御チャネルについては、全方位で信号の送受信を行う。そして、基地局は、端末ごとに個別の制御チャネルやデータチャネルにおいてのみ、第1実施形態から第3実施形態を適用したビーム制御を行うようにする。
[第3変形例]
第1実施形態から第3実施形態までにおいては、基地局や端末が、アンテナ素子ごとの位相情報を記憶し、信号位相を設定できるようにしていた。本変形例は、位相情報だけでなく、振幅情報をも通信相手ごとに記憶する構成とする。ここで、振幅情報は、送信電力情報および受信電力情報である。
基地局や端末が、送信電力情報(振幅情報)を記憶しておくことにより、記憶された送信電力を用いて、すばやく相手側との通信を開始することができるという効果が得られる。つまり、送信電力を適応的に調整する必要がない。これは、基地局と準固定端末との間の電波伝搬環境(距離等)がほぼ不変である可能性が高いという事実を利用するものである。
また、基地局や端末が、受信電力情報(振幅情報)を記憶しておくことにより、記憶された受信電力を用いて、すばやく相手側との通信を開始することができるという効果が得られる。つまり、受信電力情報に応じた受信AGC(auto gain control)の設定を予め行っておくことができる。つまり、適応的にAGCのゲインレベルの調整を行う必要がない。これは、基地局と準固定端末との間の電波伝搬環境(距離等)がほぼ不変である可能性が高いという事実を利用するものである。
[第4変形例]
第1実施形態から第3実施形態までにおいては、基地局や端末は、アレーアンテナにより、送受信のビームの方向を制御していた。本変形例では、アレーアンテナを用いず、他の方式のアンテナによって、送受信のビームの方向を制御する。アレーアンテナを用いずにビームの方向を制御する方法は様々であるが、一例としては、アンテナローテーターを用いた機械的手段によって、アンテナの指向性ビームの方向を変化させる方法を用いることができる。
つまり、第1実施形態から第3実施形態まで(変形例を含む)において説明した「位相情報」は、アンテナの指向性の方向を表す「方向情報」の一種である。同様に、「位相記憶部」は、送受信の方向を表す「方向情報」を記憶する「方向記憶部」の一種である。
また、第1実施形態から第3実施形態まで(変形例を含む)において説明した「位相設定」は、アンテナの指向性の方向を設定する「方向設定」の一種である。同様に、「位相設定部」は、「方向設定部」の一種である。
方向情報は、通信相手の方向を表す情報である。方向情報は、例えば、2次元平面または3次元空間において特定の方向を表す角度の値(スカラーまたはベクトル)で表される。あるいは、方向情報は、2次元平面または3次元空間における方向別の信号の強さ(電力等)を表す値で表される。あるいは、方向情報は、アレーアンテナにおいて各アンテナ素子に供給される電力(電流)の位相の値で表される。あるいは、方向情報は、アレーアンテナにおいて各アンテナ素子に供給される電力(電流)の位相および振幅の値で表される。また、アンテナの指向性の方向を表す方向情報を、その他の表現方法で表現するようにしてもよい。
[第5変形例]
第1実施形態から第3実施形態までにおいて説明した基地局および準固定端末のそれぞれにおける位相設定部は、送受信部が信号を送受信する際にアンテナの指向性の方向を設定する方向設定部として機能する。各実施形態において、方向設定部は、過去に通信した相手方に対応する方向情報を読み出してアンテナの指向性の方向を設定した。また、方向設定部は、外部から通知された方向情報を記憶しておき、その方向情報を読み出してアンテナの指向性の方向を設定する場合もあった。さらに、本変形例では、方向設定部は、上記の各形態に限らず、何らかの方法で指定(一例としては、基地局や端末等の機器の識別情報を指定)された方向情報を適宜読み出して、アンテナの指向性の方向を設定する。
[その他]
第1実施形態から第3実施形態まで(変形例を含む)において説明した「準固定端末」は、「固定端末」の一種である。また、「基地局」や「端末」は、総称して「通信装置」である。
第1実施形態から第3実施形態までにおいて説明した基地局や端末の特徴を、ここに列挙する。
通信装置(基地局装置や端末装置)において、方向設定部(位相設定部)は、前記信号を送受信する際にアンテナの指向性の方向を設定する。また、方向記憶部(位相記憶部)は、通信相手に対応させてその方向を表す方向情報を記憶する。また、方向設定部は、前記通信相手に対応した前記方向情報を前記方向記憶部から読み出し、読み出した前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する。
また、方向設定部は、送受信部が通信相手との間で信号を送受信した際の通信相手の方向の情報を、当該通信相手に対応させた方向情報として方向記憶部に書き込むようにしてよい。また、方向設定部は、通信相手が自装置との間で信号を送受信した際の自装置の方向情報を取得し、この自装置の方向情報に基づいて求められる通信相手の方向情報を、当該通信相手に対応させた方向情報として方向記憶部に書き込むこととしてもよい。
また、通信装置は、通信相手との間で信号を送受信した際の通信相手の方向情報を、当該通信相手に対して通知することとしてもよい。
また、基地局装置は、端末装置が移動端末であるか固定端末であるかを表す端末タイプ情報を端末装置に対応させて記憶する端末タイプ記憶部を具備しても良い。このとき、方向設定部は、端末装置との間で通信を開始するための端末サーチ信号を送受信部が送信する際に、端末タイプ記憶部から端末タイプ情報を読み出し、当該端末装置が固定端末である場合には、方向記憶部から読み出した方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定することとする。
また、基地局装置は、端末装置との通信中に、他の基地局装置にオフロードする端末装置を決定し、オフロードすることを決定した前記端末装置に前記他の基地局装置にハンドオーバーすることを指示するとともに、前記他の基地局装置に対して当該端末装置と接続することを指示する基地局装置であってもよい。この場合、基地局装置は、他の基地局装置に対して当該端末装置と接続することを指示する際に、当該端末装置の方向情報を前記他の基地局装置に通知する(図17の第1基地局)。
また、基地局装置は、他の基地局装置がオフロードすることを決定した端末装置に関して、前記他の基地局装置から当該端末装置への接続指示を受信し、前記接続指示から当該端末装置の方向情報を取得し、取得した前記方向情報に基づいて、前記方向設定部が、当該端末装置との間で信号の送受信をする際のアンテナの指向性の方向を設定することとしてもよい(図17の第2基地局)。
また、端末装置は、自端末装置が移動端末であるか固定端末であるかを表す端末タイプ情報を、前記基地局装置に通知する、こととしてもよい(例えば、図12)。
また、端末装置は、基地局装置との通信中に、前記基地局装置から他の基地局装置へのハンドオーバーの指示を受けたとき、前記方向設定部は、前記ハンドオーバーの指示に含まれる前記他の基地局装置の方向情報または前記方向記憶部から読み出した前記他の基地局の方向情報に基づいて、前記他の基地局との間で信号を送受信する際のアンテナの指向性の方向を設定することとしてもよい(図17の準固定端末)。
なお、上述した実施形態およびその変形例における基地局や端末の機能の少なくとも一部を、コンピューターで実現するようにしても良い。特に、通信手順の制御や、送受信の方向の制御や、その他の機能について、コンピューターで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM、DVD−ROM、USBメモリー等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態およびその変形例、について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明は、通信システムや、それを構成する通信機器等において、利用することができる。
1 通信システム
5,5A,5B 基地局(基地局装置)
7,7A,7B 準固定端末(端末装置)
9 移動端末
10 コアネットワーク
51,51A 制御部
52 位相設定部(方向設定部)
53 位相記憶部(方向記憶部)
54 参照信号処理部
55 データ/制御信号処理部
57 送受信部
58 アレーアンテナ部
59 端末タイプ記憶部
71 制御部
72 位相設定部(方向設定部)
73 位相記憶部(方向記憶部)
74 参照信号処理部
75 データ/制御信号処理部
76 方位検出部
77 送受信部
78 アレーアンテナ部

Claims (19)

  1. 通信相手との間で信号を送受信するアンテナと、
    前記アンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、
    前記通信相手に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、
    自装置と前記通信相手との間で通信を開始するとき、開始する前記通信のためのビームサーチを行うことなく、前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する制御部と、
    を具備することを特徴とする通信装置。
  2. 無線通信システムにおいて端末装置との間で信号を送受信する基地局装置であって、
    前記端末装置との間で信号を送受信するアンテナと、
    前記アンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、
    前記端末装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、
    自装置と前記端末装置との間で通信を開始するとき、開始する前記通信のためのビームサーチを行うことなく、前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する制御部と、
    を具備することを特徴とする基地局装置。
  3. 前記制御部は、前記アンテナが前記端末装置との間で前記信号を送受信した際の前記アンテナの指向性の方向の情報を、当該端末装置に対応させた前記方向情報として前記方向記憶部に記憶させる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
  4. 前記端末装置が少なくとも移動端末であるか固定端末であるかを表す端末タイプ情報を前記端末装置に対応させて記憶する端末タイプ記憶部、
    をさらに具備し、
    前記制御部は、自装置と前記端末装置との間で通信を開始するとき、前記端末タイプ記憶部に記憶された前記端末装置の前記端末タイプ情報が固定端末であることを表す場合には、前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の基地局装置。
  5. 無線通信システムにおいて端末装置との間で信号を送受信する基地局装置であって、
    前記端末装置との間で信号を送受信するアンテナと、
    前記アンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、
    前記端末装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、
    前記端末装置が少なくとも移動端末であるか固定端末であるかを表す端末タイプ情報を前記端末装置に対応させて記憶する端末タイプ記憶部と、
    前記端末タイプ記憶部に記憶された前記端末装置の前記端末タイプ情報が固定端末であることを表す場合には、自装置と前記端末装置との間で通信するとき前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、前記端末装置との通信接続中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する制御部と、
    を具備することを特徴とする基地局装置。
  6. 端末装置との通信中に、前記端末装置を他の基地局装置にオフロードすることを決定した際、前記他の基地局装置に対して当該端末装置と接続することを指示するとともに、前記端末タイプ情報を前記他の基地局装置に通知する、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の基地局装置。
  7. 無線通信システムにおいて基地局装置との間で信号を送受信する端末装置であって、
    前記基地局装置との間で信号を送受信するアンテナと、
    前記アンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、
    前記基地局装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、
    自装置と前記基地局装置との間で通信を開始するとき、開始する前記通信のためのビームサーチを行うことなく、前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する制御部と、
    を具備することを特徴とする端末装置。
  8. 前記制御部は、前記アンテナが前記基地局装置との間で前記信号を送受信した際の前記アンテナの指向性の方向の情報を、当該基地局装置に対応させた前記方向情報として前記方向記憶部に記憶させる、
    ことを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
  9. 方位を検出する方位検出部、
    をさらに具備し、
    前記制御部は、前記方位検出部によって検出された方位が変化したか否かを判断し、方位が変化した場合には前記方向記憶部に記憶されている前記方向情報を方位の変化分に応じて更新する、
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の端末装置。
  10. 自端末装置が少なくとも移動端末であるか固定端末であるかを表す端末タイプ情報を、前記基地局装置に通知する、
    ことを特徴とする請求項7から9までのいずれか一項に記載の端末装置。
  11. 前記タイプ情報を、端末能力情報の中に含める形で前記基地局装置に通知する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の端末装置。
  12. 無線通信システムにおいて基地局装置との間で信号を送受信する端末装置であって、
    前記基地局装置との間で信号を送受信するアンテナと、
    前記アンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、
    前記基地局装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、
    自装置が固定端末である場合には、自装置と前記基地局装置との間で通信するとき前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、前記基地局装置との通信中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する制御部と、
    を具備することを特徴とする端末装置。
  13. 請求項2から6までのいずれか一項に記載の基地局装置と、
    請求項7から12までのいずれか一項に記載の端末装置と、
    を含む通信システム。
  14. 基地局装置と端末装置とを含む通信システムにおける通信方法であって、
    前記基地局装置は、前記端末装置に対応させて記憶しておいた前記端末装置の方向情報に基づいて、前記端末装置との間で信号を送受信する際のアンテナの指向性の方向を設定し、この方向が設定された状態でビームサーチを行うことなく前記端末装置との間での信号の送受信を開始し、
    前記端末装置は、前記基地局装置に対応させて記憶しておいた前記基地局装置の方向情報に基づいて、前記基地局装置との間で信号を送受信する際のアンテナの指向性の方向を設定し、この方向が設定された状態でビームサーチを行うことなく前記基地局装置との間での信号の送受信を開始する、
    ことを特徴とする通信方法。
  15. 基地局装置と端末装置とを含む通信システムにおける通信方法であって、
    前記基地局装置は、前記端末装置に対応する端末タイプ情報が固定端末であることを表す場合には、自装置と前記端末装置との間で通信するとき前記端末装置の方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、前記端末装置との通信接続中におけるビーム追従処理を省略するよう制御し、
    前記端末装置は、自装置が固定端末である場合には、自装置と前記基地局装置との間で通信するとき前記基地局情報の方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、前記基地局装置との通信中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する、
    ことを特徴とする通信方法。
  16. 無線通信システムにおいて端末装置との間で信号を送受信する基地局装置を制御するプログラムであって、
    コンピューターを、
    前記端末装置との間で前記信号を送受信するアンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、
    前記端末装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、
    自装置と前記端末装置との間で通信を開始するとき、開始する前記通信のためのビームサーチを行うことなく、前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する制御部と、
    を具備する基地局装置として機能させるためのプログラム。
  17. 無線通信システムにおいて基地局装置との間で信号を送受信する端末装置を制御するプログラムであって、
    コンピューターを
    前記基地局装置との間で前記信号を送受信するアンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、
    前記基地局装置に対応させて前記の方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、
    自装置と前記基地局装置との間で通信を開始するとき、開始する前記通信のためのビームサーチを行うことなく、前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定する制御部と、
    を具備する端末装置として機能させるためのプログラム。
  18. 無線通信システムにおいて端末装置との間で信号を送受信する基地局装置を制御するプログラムであって、
    コンピューターを、
    前記端末装置との間で信号を送受信するアンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、
    前記端末装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、
    前記端末装置が少なくとも移動端末であるか固定端末であるかを表す端末タイプ情報を前記端末装置に対応させて記憶する端末タイプ記憶部と、
    前記端末タイプ記憶部に記憶された前記端末装置の前記端末タイプ情報が固定端末であることを表す場合には、自装置と前記端末装置との間で通信するとき前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、前記端末装置との通信接続中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する制御部と、
    を具備する基地局装置として機能させるためのプログラム。
  19. 無線通信システムにおいて基地局装置との間で信号を送受信する端末装置を制御するプログラムであって、
    コンピューターを
    前記基地局装置との間で信号を送受信するアンテナの指向性の方向を設定する方向設定部と、
    前記基地局装置に対応させて前記方向を表す方向情報を記憶する方向記憶部と、
    自装置が固定端末である場合には、自装置と前記基地局装置との間で通信するとき前記方向記憶部に記憶された前記方向情報に基づいてアンテナの指向性の方向を設定し、前記基地局装置との通信中におけるビーム追従処理を省略するよう制御する制御部と、
    を具備する端末装置として機能させるためのプログラム。
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