以下、実施の形態について図面を用いて説明する。
まず本実施形態を発案するに至る概要について説明する。図1は、映像フォーマットの進化の方向性を示した図である。進化の方向性は、解像度の進化と表現範囲の進化との大きく2つに分かれる。解像度の進化は、さらに2次元解像度(平面)の進化、3次元解像度(諧調)の進化および4次元解像度(フレームレート)の進化の3つの進化の方向性がある。もう1つの進化の方向性である表現範囲の進化には、色の表現範囲の進化と輝度の表現範囲の進化の2つの方向性がある。
昨今の映像フォーマットの進化の方向性は、解像度の進化が先行していたが、表現範囲の進化にも重点が置かれるようになってきている。
更に、コンテンツ(番組とも呼ぶ)の作成現場では2K放送用コンテンツの作成が主流であるが、2K放送向けコンテンツにおけるSDR(Standard Dynamic Range)の輝度の表現範囲を持つコンテンツ(以降SDRコンテンツと呼ぶ)とHDRの輝度の表現範囲を持つコンテンツ(以降HDRコンテンツと呼ぶ)を同時に作成することも容易になってきている。
HDRを実現する方式は、HLG(Hybrid Log-Gamma)方式とPQ(Perceptual Quantization)方式の2つの方式があり、HLG方式は4K放送/8K放送において採用されている方式である。HLG方式は、後方互換を持つことを特徴とするが、SDRコンテンツのみに対応したディスプレイでHDRコンテンツ(HLG方式)を表示する場合、期待される表示に対して全く影響がないわけではない。
従って2K放送においてHDR(HLG方式)コンテンツを導入する場合、既存の2K放送専用の受信機に影響を与えることなく、かつ4K放送に対応した受信機においても、2K放送用のHDR(HLG方式)コンテンツが正しく認識されることが望まれる。
そこで本実施形態は、送信側および受信側の放送波に対する処理を拡張することで、2K放送におけるHDRコンテンツの放送を実現するものである。
図2は、本実施形態が適用されたデジタル放送のシステム全体の構成例を示す図である。
放送局200は、放送局サーバ201、第1のセキュリティー機能202、第1の基本機能203を備える。第1の基本機能203は、放送局200の基本的な機能であり、放送する番組の映像信号や音声信号等をエンコードして多重化し、放送信号(この放送信号は、BS放送、CS放送、地上デジタルテレビジョン放送などいずれの放送波によるものであってもよい)として送出する機能を持つ。また放送局200は、デジタル放送信号、アプリケーション制御情報、コンテンツの表示に関する制御情報である伝送制御信号等も放送信号として送出することができる。
放送局サーバ201は、番組タイトル、番組ID、番組概要、出演者、放送日時、その他のデータ等のメタデータを、放送信号により受信機に送出するために、予め保存しておくエリアである。
第1のセキュリティー機能202は、放送局が送出する放送波に含まれるコンテンツ(番組)の保護に関する設定を行うことができる。
受信機210は、デジタル放送の受信機能(第2の基本機能211)、第2のセキュリティー機能212、API213、アプリケーション管理機能214を備え、放送信号を受信して各種放送番組および各種サービス情報を受信することができる。
第2の基本機能211は、受信機の基本的な機能であり、放送局200から送られてくる放送波を受信し、放送波に含まれる放送信号である映像信号(映像ストリームとも呼ぶ)、音声信号(音声ストリームとも呼ぶ)および付随する伝送制御信号等の制御信号を分離し、映像信号および音声信号をデコードしたり伝送制御信号等の制御信号を解析したりする機能を持つ。
また、第2の基本機能211は、受信機210に接続されている周辺機器、例えば表示器220、表示器220にバインドされているHDD(HradDiskDrive)230、リムーバルメディア240、スマートフォン250との接続やデータの送受信の管理も行う。
第2のセキュリティー機能212は、第2の基本機能211で解析された伝送制御信号を読み込み、その中に含まれる放送局200の第1のセキュリティー機能202で設定された番組の保護に関する情報の解析を行う。
API213は、第2の基本機能211と、アプリケーション管理機能214およびアプリケーション215が連携して動作するためのI/Fである。
アプリケーション管理機能214は、アプリケーション215を管理する機能をもち、第2の基本機能211とAPI213を介してアプリケーション215と連携して動作する。アプリケーション管理機能214は、ユーザインターフェースの機能も含み、例えば表示器220に表示する画面の制御を行う機能を有している。
アプリケーション215は、第2の基本機能211およびアプリケーション管理機能214と連携して動作するアプリケーションであり、ユーザあるいは受信機210が逐次ネットワーク(図示しない)を経由してダウンロード/更新することが可能である。これらの更新により受信機210を使用するユーザの使い勝手を向上させることが出来る。
表示器220は、スピーカー221を内蔵しており、第2の基本機能211においてデコードされた映像信号を表示領域に表示したり音声信号をスピーカー221に出力したりする。なお、表示器220に内蔵されているスピーカー221は、USB等のI/Fにより接続した外部のスピーカーであってもよい。
図3は、放送局300(図2の200に対応)の主な構成を概略的に示している。放送局300は、映像エンコーダ301、音声エンコーダ302、字幕エンコーダ303、その他伝送制御信号等の制御データやサービスデータ、受信機210で動作するアプリケーション215を制御するアプリケーション制御情報などを生成する付属データ生成部304を備える。また放送局300は、放送局サーバ311(図2の201に対応)、第1のセキュリティー機能312(図2の202に対応)および送受信部313が連携している。映像エンコーダ301、音声エンコーダ302、字幕エンコーダ303、付属データ生成部304、多重化部305、送信機306、送受信部313を合わせて第1の基本機能310(図2の203に対応)と呼ぶ。
付属データ生成部304が生成する伝送制御信号には、例えば非特許文献1で規定されている番組特定情報(PSI:Program Specific Information)や番組配列情報(SI:Service Information)と呼ばれる、番組選択のために規定されている各種情報や番組選択の利便性向上のために規定された各種制御情報を含む。
本実施形態は、この番組特定情報や番組配列情報を拡張することで2K放送におけるHDRコンテンツの放送を実現するものである。
映像エンコーダ301、オーディオエンコーダ302、字幕エンコーダ303、付属データ生成部304の各出力はストリーム化されており、これらのストリームは、多重化部305において多重化される。多重化されたストリーム(放送信号)は、トランスポートストリームとして送信機306に送出され、放送電波によりアンテナから送信される。
なお、映像エンコーダ301のコーデック種別は、MPEG−2、H.264(AVC:Advance Video Coding)、H.265(HEVC:High Efficiency Video Coding)のいずれでもよいものとする。また映像エンコーダ301のコーデック種別は、この限りではない。
図4は、放送波伝送路400において、映像ストリーム(映像信号)、音声ストリーム(音声信号)、データ放送ストリーム(データ放送信号)、アプリケーション制御情報/サービスデータ/制御データが多重化されて伝送される様子を示している。
図5は、本実施形態が適用される受信機500(図2の210に対応)の主な構成を概略的に示している。受信機500は、放送波を受信する受信機能(第2の基本機能510(図2の211に対応))を有する。
第2の基本機能510は、放送チューナ501、デスクランブラ502、CASモジュール503、デマルチプレクサ504、データ放送受信処理505、映像デコーダ506、音声デコーダ507、字幕デコーダ508、データ放送エンジン509からなる。
放送チューナ501は、放送波で送られてきたストリーム(放送信号)を復調する。復調されたストリーム(放送信号)は、デスクランブラ502に入力される。デスクランブラ502は、入力されたストリームをCAS(Conditional Access System)モジュール503からの鍵を用いてデスクランブルする。デスクランブラ502によりデスクランブルされたストリームは、デマルチプレクサ504に入力される。デマルチプレクサ504は、多重化されてきた映像ストリーム(映像信号)、音声ストリーム(音声信号)、データ放送ストリーム(データ放送信号)、アプリケーション制御情報/サービスデータ/制御データに分離し、分離したストリームを対応するデコーダに入力する。デマルチプレクサ504で分離された映像ストリームは、映像デコーダ506でデコードされ、音声ストリームは、音声デコーダ507でデコードされ、アプリケーション制御情報/サービスデータ/制御データに含まれる字幕ストリームは、字幕デコーダ508でデコードされる。デコードされた映像信号および字幕信号は、合成器526で合成されて表示器527(図2の220に対応)に出力することができる。また音声デコーダ507でデコードされた音声データは、スピーカー528(図2の221に対応)に出力することができる。
また、デマルチプレクサ504で分離されたデータ放送ストリームは、データ放送受信処理部505で受信され、データ放送エンジン509に入力される。データ放送エンジン509は、データ放送により送られてきた表示用信号を解析し、その解析内容を合成器526を介して表示器527に出力することができる。
さらに受信機500は、全体的な動作を制御する手段として統合制御器521を有する。統合制御器521は、第2のセキュリティー機能522(図2の212に対応)、API523(図2の213に対応)、アプリケーション管理機能524(図2の214に対応)から構成される。
第2のセキュリティー機能522は、放送波に含まれる伝送制御信号の中からコンテンツの保護に関する情報を読み出し、表示器527あるいはスピーカー528に出力する際や、接続されている周辺機器(図示しない)に出力する際にコンテンツ保護の処理を行う。
API523は、第2の基本機能510と、アプリケーション管理機能524およびアプリケーション525が連携して動作するためのI/Fである。
アプリケーション管理機能524は、放送波で送られてきたアプリケーション制御情報に含まれる各種制御情報に基づいて、受信機500の各ブロックを制御する。またアプリケーション管理機能524は、API523を介して第2の基本機能510と連携して、アプリケーション525の管理を行う。
また、アプリケーション管理機能524は、放送波で送られてきたサービスデータ/制御データに含まれる番組配列情報等の伝送制御信号の解析も行い、解析結果に基づいて受信機500の各ブロックを制御する。
なお、映像デコーダ506のコーデック種別は、MPEG−2、H.264(AVC:Advance Video Coding)、H.265(HEVC:High Efficiency Video Coding)のいずれでもよいものとする。また映像デコーダ506のコーデック種別は、この限りではない。
図6Aは、非特許文献1等で規定されている、放送局から受信機に送る伝送制御信号の中の番組配列情報を送る際に使用するテーブルの種類を示した一覧である。「テーブル名」の列に記載されたテーブルは、「機能の概要」の列に記載された内容の情報を送る際に用いるテーブルであることを示している。
図6Bは、非特許文献1等に記載されているNIT(Network Information Table)を例にして、テーブルのフォーマットの例を示した図である。
伝送制御信号は、非特許文献1等で規定されているようにテーブルと呼ばれるフォーマットに従ってマッピングされて送られる。テーブルは、1バイトからなるテーブル識別子601を持ち、このテーブル識別子601がテーブルの種類を表している。テーブルの中は、さらに細かくフィールドに分割されており、その中には記述子と呼ばれる情報フィールド602、603が配置されている。記述子の中は、さらに細かなフィールドに分割されており、それぞれフィールドにおいて情報要素が規定されている。各テーブルに配置される記述子は、非特許文献1に規定されている。例えば、サービスリスト記述子(Service list descriptor)はNITに配置される。ビデオデコードコントロール記述子(Video decode control descriptor)はPMT(Program Map Table)に配置される。
受信機500は、例えば上記NITを解析することで、伝送路の情報と放送サービスを関連付ける情報を把握することができる。
<第1の実施形態>
次に、2K放送におけるHDRコンテンツ放送を実現するための第1の実施形態について説明する。
第1の実施形態は、サービス単位で2K放送におけるHDRコンテンツ放送を実現するものである。ここでサービスとは、編成チャンネルのことである。
そこで第1の実施形態では、コンテンツのダイナミックレンジを指定する情報として、サービス形式種別(service_type)を用いる。
以下、図7Aから図7Dを用いて、非特許文献1から非特許文献3に規定されている現行のサービスリスト記述子(Service list descriptor)およびその中に配置されているサービス形式種別について説明する。
図7Aは、非特許文献1に記載されているサービスリスト記述子の全体構成を示している。この記述子の中には、サービス形式種別701が配置されている。
図7Bは、非特許文献1に記載されているサービス形式種別701のビットアサインを示している。例えばビットアサインが0x01の場合、このサービス形式種別はデジタルTVサービスであることを意味している。このサービス形式種別のビットアサインには、未定義のビットアサイン(702、703)も存在する。
図7Cは、上記図7Bに示したサービス形式種別のビットアサインのうち、非特許文献2に記載されている、地上デジタルテレビジョン放送で運用されているビットアサインを示している。図中の「地上デジタルテレビジョン放送での運用」の列に○がついているサービス形式種別が、地上デジタルテレビジョン放送で運用されているビットアサインである。
図7Dは、上記図7Bに示したサービス形式種別のビットアサインのうち、非特許文献3に記載されている、BS/広帯域CSデジタル放送で運用されているビットアサインを示している。
なお、表中のメディアタイプは、複数のサービス形式種別をまとめたものである。
そこで第1の実施形態では、2K放送におけるHDRコンテンツ放送をサービス単位で実現するために、上記に記載したサービスリスト記述子を拡張して利用する。以下その拡張例を説明する。
図8Aは、上記図7Bに示したサービス形式種別のビットアサインに対して拡張した例を示している。801は、拡張したビットアサイン0x03と、その値の意味であるHDR対応2K専用サービスを表している。つまりサービスリスト記述子のサービス形式種別=0x03の場合、当該編成チャンネルはHDR対応2K専用サービスを行っていることを意味する。
この拡張により図7Bに示す未定義の領域702は、図8Aに示す未定義の領域802のように変わる。この拡張の例は、図7Bに示す未定義702の中から、拡張するビットアサインを割り当てた例であるが、他の未定義領域から拡張するビットアサインを割り当ててもよく、例えば未定義(標準化機関定義領域)703の中から、拡張するビットアサインを割り当ててもよい。
図8Bは、上記図8Aの拡張をもとに、地上デジタルテレビジョン放送の運用における拡張の内容の例を示している。この場合は、メディアタイプ=テレビ型において803で示すように、0x03が拡張してアサインされている。
図8Cは、上記図8Aの拡張をもとに、BS/広帯域CSデジタル放送で運用における拡張の内容の例を示している。この場合は、メディアタイプ=テレビ型において804で示すように、0x03が拡張してアサインされている。
上記例では、記述子としてサービスリスト記述子(Service list descriptor)を例に説明したが、サービス形式種別を含む他の記述子、例えばサービス記述子(Service descriptor)も同様に拡張される。
図9Aは、第1の実施形態における送信側の処理フローの例を示したものである。この処理の内容は、送信側(例えば図3の放送局300)の意向により決定できる。
送信側、例えば放送局300は、サービス単位で2K放送におけるHDRコンテンツ放送を行う場合、以下のようにサービスリスト記述子の各フィールドの値の設定を行う。
送信局300は、サービスリスト記述子の各フィールドの値の設定処理を開始すると(S900)、当該編成チャンネルがHDRコンテンツ放送のサービスかどうかの判断を行う(S901)。当該編成チャンネルがHDRコンテンツ放送のサービスの場合は、サービスリスト記述子のサービス形式種別に「HDR対応2K専用サービス=0x03」を設定する(S902)。当該編成チャンネルがHDRコンテンツ放送のサービスでない場合は、サービスリスト記述子のサービス形式種別に「デジタルTVサービス=0x01」など他のサービスタイプを設定(S903)する。
送信局300は、続いてサービスリスト記述子の他のフィールドであるサービス識別等に、必要な情報を設定する(S904)。送信局200は、サービスリスト記述子の全てのフィールドに必要な値を設定したら、サービスリスト記述子を含むNIT(Network Information Table)の全てのフィールドに必要な値を設定して、NITを生成する(S905)。
放送局300は、予め決められたタイミングにおいて、生成したNITを図3に示した多重化部305で多重化し、送信機306を介して放送波として送出する。
図9Bは、第1の実施形態における受信側の処理フローの例を示したものである。ここで受信機500は、2K放送におけるHDRコンテンツ放送のサービスを受けることが可能なテレビジョン、つまりサービス形式種別にビットアサインされている「HDR対応2K専用サービス」を認識出来るテレビジョンとする。
受信機500は、放送波を受信すると、多重化されたストリーム(放送信号)を放送チューナ501により復調し、デマルチプレクサ504によりストリームごとに分離する。この分離したストリームの中から、図4に示すサービスデータ/制御データを抽出し、統合制御器521において伝送制御信号の解析処理を行う(S910)。
統合制御器521は、伝送制御信号の中からNITを抽出する(S911)と、さらにその中からサービスリスト記述子の抽出を行う(S912)。統合制御器521は、サービスリスト記述子の抽出を行うと、さらにサービス形式種別の抽出を行う(S913)。統合制御器521は、サービス形式種別の抽出を行うと、その値の判定を行う(S914)。
判定の結果、サービス形式種別の値が「デジタルTVサービス=0x01」の場合(S914)、統合制御器521は、当該編成チャンネルを選局対象に設定する(S915)とともに、当該編成チャンネルの「サービス形式種別=デジタルTVサービス」として各種設定(S916)を行い、処理を終了する(S921)。
また判定の結果、サービス形式種別の値が「臨時映像サービス=0xA1」の場合(S914)、統合制御器521は、当該編成チャンネルを選局対象に設定する(S915)とともに、当該編成チャンネルの「サービス形式種別=臨時映像サービス」として各種設定(S916)を行い、処理を終了する(S921)。
判定の結果、サービス形式種別の値が「HDR対応2K専用サービス=0x03」の場合(S917)、統合制御器521は、当該編成チャンネルを選局対象に設定する(S918)とともに、当該編成チャンネルの「サービス形式種別=HDR対応2K専用サービス」として各種設定(S919)を行い、処理を終了する(S921)。
判定の結果、サービス形式種別の値が「デジタルTVサービス=0x01」「HDR対応2K専用サービス=0x03」「臨時映像サービス0xA1」のいずれでもない場合、当該編成チャンネルを選局非対象に設定(S920)して処理を終了する(S921)。
図9Cは、受信機500が2K放送におけるHDRコンテンツ放送のサービスを受けることが不可能なテレビジョン、つまりサービス形式種別にビットアサインされている「HDR対応2K専用サービス」を認識出来ないテレビジョンの場合の処理フローの例である。
受信機500は、放送波を受信すると、多重化されたストリーム(放送信号)を放送チューナ501で復調し、デマルチプレクサ504によりストリームごとに分離する。この分離したストリームの中から、図4に示す制御データ/サービスデータを抽出し、統合制御器521において伝送制御信号の解析処理を行う(S930)。
統合制御器521は、伝送制御信号の中からNITを抽出する(S931)と、さらにその中からサービスリスト記述子の抽出を行う(S932)。統合制御器521は、サービスリスト記述子の抽出を行うと、さらにサービス形式種別の抽出を行う(S933)。統合制御器521は、サービス形式種別の抽出を行うと、その値の判定を行う(S934)。
判定の結果、サービス形式種別の値が「デジタルTVサービス=0x01」の場合(S934)、当該編成チャンネルを選局対象に設定する(S935)とともに、当該編成チャンネルのサービス形式種別=「デジタルTVサービス」として受信機の設定(S936)を行い、処理を終了する(S938)。
また判定の結果、サービス形式種別の値が「臨時映像サービス=0xA1」の場合(S934)、当該編成チャンネルを選局対象に設定する(S935)とともに、当該編成チャンネルのサービス形式種別=「臨時映像サービス」として受信機の設定(S936)を行い、処理を終了する(S938)。
判定の結果、サービス形式種別の値が「デジタルTVサービス=0x01」「臨時映像サービス=0xA1」の以外の場合、当該編成チャンネルを選局非対象に設定(S937)して処理を終了する(S938)。
以上のように第1の実施形態によれば受信機500は、受信する編成チャンネル情報を作成する段階でHDRコンテンツ放送のサービス(チャンネル)かどうかを判断することが可能となり、この判断に基づいて受信機500が受信する編成チャンネルのチャンネル情報を作成することができる。
また、HDRコンテンツ放送のサービス(チャンネル)に対応していない受信機は、処理を追加することなくHDRコンテンツ放送のサービス(チャンネル)を無視することが可能である。これにより2K放送におけるHDRコンテンツ放送のサービス(チャンネル)を提供する送信側も、受信機が2K放送におけるHDRコンテンツ放送のサービスに対応しているか否かを意識することなく、HDRコンテンツ放送の提供が可能となるため、送信側/受信側、および受信機を利用するユーザの利便性が高まる。
<第2の実施形態>
次に、2K放送におけるHDRコンテンツ放送を実現するための第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、番組単位でHDRコンテンツ放送を実現するものである。ここで番組とは、同一サービスに属している開始および終了時刻が定められた放送データストリーム構成要素の集合体であり、例えばニュース、ドラマ等の1つの番組のことである。番組は、イベント(event)とも呼ぶこともできる。
そこで第2の実施形態では、コンテンツのダイナミックレンジを指定する情報として、伝達特性(transfer characteristics)を用いることができる。
以下、図10Aから図10Dを用いて、非特許文献1から非特許文献3に記載されている現行のビデオデコードコントロール記述子(Video decode control descriptor)およびその中に配置されている伝達特性について説明する。
図10Aは、非特許文献1に記載されているビデオデコードコントロール記述子の全体構成を示している。この記述子の中には、伝達特性1001が配置されている。
図10Bは、伝達特性1001のビットアサインを示している。例えばビットアサインが0x10の場合、この伝達特性はVUIのtransfer_characteristics=18であることを意味している。ここでVUI(Video Usability Info)は、映像符号化の中の制御情報である。つまり伝達特性は、映像符号化のVUIの中にも定義されている。VUIの中に定義されている伝達特性については、図12を用いて説明する。
図10Cは、非特許文献2(地上デジタルテレビジョン放送関連)に記載されているビデオデコードコントロール記述子の全体構造を示している。図10Cに記載されているビデオデコードコントロール記述子では、上記図10Aに記載されている伝達特性のフィールドはreserved_future_use1002と定義されている。
さらに図10Dは、非特許文献3(BS/広帯域CSデジタル放送関連)に記載されているビデオデコードコントロール記述子の全体構造を示している。図10Dに記載されているビデオデコードコントロール記述子では、上記図10Aに記載されている伝達特性のフィールドはreserved_future_use1003と定義されている。
そこで第2の実施形態では、2K放送におけるHDRコンテンツ放送を、番組単位で実現するために、上記図10Cで示す地上デジタルテレビジョン放送において運用されているビデオデコードコントロール記述子および上記図10Dで示すBS/広帯域CSデジタル放送において運用されているビデオデコードコントロール記述子を拡張して利用する。以下その拡張例を説明する。
図11Aは、図10Cの非特許文献2(地上デジタルテレビジョン放送関連)に記載のビデオデコードコントロール記述子を拡張した場合の全体構成の例を示している。図11Aに記載されているビデオデコードコントロール記述子では、伝達特性1101が配置されている。
図11Bは、追加された伝達特性1101のビットアサインの例を示している。
図11Cは、図10Dの非特許文献3(BS/広帯域CSデジタル放送関連)に記載のビデオデコードコントロール記述子を拡張した場合の全体構成の例を示している。図11Cに記載されているビデオデコードコントロール記述子では、伝達特性1102が配置されている。
図11Dは、追加された伝達特性1102のビットアサインの例を示している。
さらに、この伝達特性は映像符号化のVUI(Video Usability Info)の中にも規定されている。
図12は、非特許文献5で規定されている映像符号化のVUIの中に規定されている伝達特性(transfer_characteristics)のビットアサインを示す図である。例えば、1201がHDR(PQ方式)、1202がHDR(HLG方式)のビットアサインであることを示している。
第2の実施形態においては、コンテンツのダイナミックレンジを指定する情報にビデオデコードコントロール記述子の伝達特性を用いるだけでなく、映像符号化のVUIのtransfer_characteristicsを用いることも可能である。あるいは、いずれか一方の伝達特性を用いてもよい。
図13Aは、第2の実施形態における送信側の処理フローの例を示したものである。この処理の内容は、送信側(例えば図1の放送局300)の意向により決定することができる。
送信側、例えば放送局300は、番組単位で2K放送におけるHDRコンテンツ放送を行う場合、以下のようにビデオデコードコントロール記述子の各フィールドの値の設定を行う。
送信局300は、ビデオデコードコントロール記述子の各フィールドの値の設定処理を開始すると(S1300)、当該番組がHDRコンテンツ放送の番組かどうかの判断を行う(S1301)。当該番組がHDRコンテンツ放送の番組の場合、ビデオデコードコントロール記述子の伝達特性に「10(=HDR)」を設定する(S1302)。当該番組がHDRコンテンツ放送の番組でない場合、ビデオデコードコントロール記述子の伝達特性に「00(=SDR)」を設定(S1303)する。
送信局300は、続いてビデオデコードコントロール記述子の他のフィールドであるビデオエンコードフォーマット等に、必要な情報を設定する(S1304)。
設定する必要な情報としては、記述子の長さ(descriptor_length)、ビデオエンコードフォーマット(video_encode_format)などである。
送信局300は、ビデオデコードコントロール記述子の全てのフィールドに必要な値を設定したら、ビデオデコードコントロール記述子を含むPMTの全てのフィールドに必要な値を設定して、PMTを生成する(S1305)。
放送局300は、予め決められたタイミングにおいて、生成したPMTを多重化部305で多重化し、送信機306を介して放送波として送出する。
図13Bは、第2の実施形態における受信側の処理フローの例を示したものである。ここで受信機500は、2K放送におけるHDRコンテンツ放送の番組を受けることが可能なテレビジョン、つまりに伝達特性にビットアサインされている「10(VUIのtransfer_characteristics=18)」を認識出来るテレビジョンとする。
受信機500は、放送波を受信すると、多重化されたストリーム(放送信号)を放送チューナ501により復調し、デマルチプレクサ504によりストリームごとに分離する。この分離したストリームの中から、図4に示すサービスデータ/制御データを抽出し、統合制御器521において伝送制御信号の解析処理を行う(S1310)。
統合制御器521は、伝送制御信号の中からPMTを抽出する(S1311)と、さらにその中からビデオデコードコントロール記述子の抽出を行う(S1312)。統合制御器521は、ビデオデコードコントロール記述子の抽出を行うと、さらにビデオデコードコントロール記述子の中から伝達特性の抽出を行う(S1313)。統合制御器521は、伝達特性の抽出を行うと、その値の判定を行う(S1314)。
判定の結果、伝達特性の値が「00」の場合(S1314)、統合制御器521は、当該番組をSDRコンテンツであると認識し、当該番組の設定を「伝達特性=SDR」として各種設定(S1315)を行い、処理を終了する(S1319)。
判定の結果、伝達特性の値が「10」の場合(S1316)の場合、統合制御器521は、当該番組をHDR(HLG方式)コンテンツである認識し、当該番組の設定を「伝達特性=HDR(HLG方式)」として各種設定(S1317)を行い、処理を終了する(S1319)。
判定の結果、伝達特性の値が「00」「10」のいずれでもない場合、統合制御器521は、当該番組を表示不可能と設定(S1318)して処理を終了する(S1319)。
図13Cは、第2の実施形態における受信側の処理フローの他の例を示したものである。図13Bの場合と同様に受信機500は、2K放送におけるHDRコンテンツ放送の番組を受けることが可能なテレビジョン、つまりに伝達特性にビットアサインされている「10(VUIのtransfer_characteristics=18)」を認識出来るテレビジョンとする。ただし図13Cの処理フローは、受信した番組がHDRコンテンツであると判定された場合、そのコンテンツを例えば表示器527に表示する際に、HDRコンテンツとして表示するかSDRコンテンツに変換してから表示するか、をユーザに問い合わせる処理を行う点で図13Bの処理フローと異なる。
受信機500は、放送波を受信すると、多重化されたストリーム(放送信号)を放送チューナ501により復調し、デマルチプレクサ504によりストリームごとに分離する。この分離したストリームの中から、図4に示すサービスデータ/制御データを抽出し、統合制御器521において伝送制御信号の解析処理を行う(S1320)。
統合制御器521は、伝送制御信号の中からPMTを抽出する(S1321)と、さらにその中からビデオデコードコントロール記述子の抽出を行う(S1322)。統合制御器521は、ビデオデコードコントロール記述子の抽出を行うと、さらにビデオデコードコントロール記述子の中から伝達特性の抽出を行う(S1323)。統合制御器521は、伝達特性の抽出を行うと、その値の判定を行う(S1324)。
判定の結果、伝達特性の値が「00」の場合(S1324)、統合制御器521は、当該番組をSDRコンテンツであると認識し、当該番組の設定を「伝達特性=SDR」として各種設定(S1325)を行い、処理を終了する(S1331)。
判定の結果、伝達特性の値が「10」の場合(S1326)の場合、統合制御器521は、GUI520を経由して、当該番組がHDRコンテンツである旨を表示器527に表示し、受信機500のユーザに対してHDRコンテンツとして当該番組を視聴するかどうかの選択を促す(S1327)。
ユーザが、当該番組をHDRとして視聴することを選択した場合(S1328)、統合制御器521は、当該番組の設定を「伝達特性=HDR(HLG方式)」として各種設定(S1329)を行い、処理を終了する(S1331)。
ユーザが、当該番組をHDRとして視聴することを選択しない場合(S1328)、統合制御器521は、当該番組を、「伝達特性=SDR」として各種設定(S1329)を行い処理を終了する(S1331)。
判定の結果、サービス形式種別の値が「00」「10」のいずれでもない場合、統合制御器521は、当該番組を表示不可能として各種設定(S1330)を行い処理を終了する(S1331)。
図13Dは、受信機500が2K放送におけるHDRコンテンツ放送の番組を受けることが不可能なテレビジョン、つまり伝達特性にビットアサインされている「10(VUIのtransfer_characteristics=18)」を認識出来ないテレビジョンの場合の処理フローの例である。
受信機500は、放送波を受信すると、多重化されたストリーム(放送信号)を放送チューナ501で復号し、デマルチプレクサ504によりストリームごとに分離する。この分離したストリームの中から、図4に示す制御データ/サービスデータを抽出し、統合制御器521において伝送制御信号の解析処理を行う(S1340)。
統合制御器521は、伝送制御信号の中からPMTを抽出する(S1341)と、さらにその中からビデオデコードコントロール記述子の抽出を行う(S1342)。統合制御器521は、ビデオデコードコントロール記述子の抽出を行うと、さらに伝達特性の抽出を行う(S1343)。伝達特性の抽出を行うと、その値の判定を行う(S1344)。
判定の結果、伝達特性の値が「00」の場合(S1344)、統合制御器521は、当該番組をSDRコンテンツであると認識し、当該番組の設定を「伝達特性=SDR」として各種設定(S1345)を行い処理を終了する(S1347)。
判定の結果、伝達特性の値が「00」でないの場合(S1344)、統合制御器521は、当該番組を表示不可能として各種設定(S1346)を行い処理を終了する(S1347)。
上記図13Aから13Dの処理フローは、コンテンツのダイナミックレンジを指定する情報として、ビデオデコードコントロール記述子に含まれる伝達特性を用いた場合の処理フローであるが、図12に示す映像符号化のVUIの中の伝達特性(transfer_characteristics)を用いてコンテンツのダイナミックレンジを指定してもよい。この場合送信側は、映像符号化のシンタックスに基づいてVUIの中の伝達特性に、HDRコンテンツであることを示す値を設定し、受信側は映像符号化のシンタックスに基づいてVUIの中の伝達特性を解析して、HDRコンテンツであることを示す値を抽出すればよい。
図13Eは、第2の実施形態における送信側の映像符号化処理において、VUI(Video Usability Information)設定の処理フローを示したものである。この処理の内容は、送信側(例えば図1の放送局300)の意向により決定することができる。
送信側、例えば放送局300は、2K放送におけるHDRコンテンツ放送を行う場合、以下のように映像符号化のVUIの伝達特性の設定を行う。
送信局300は、映像符号化におけるVUI設定処理を開始すると(S1350)、符号化対象の番組がHDRコンテンツ放送の番組かどうかの判断を行う(S1351)。符号化対象の番組がHDRコンテンツ放送の番組の場合、符号化対象のVUIの伝達特性に「18(=HDR)」を設定する(S1352)。符号化対象の番組がHDRコンテンツの放送サービスでない場合は、符号化対象のVUIの伝達特性に「1(=SDR)」を設定(S1353)する。伝達特性の設定が終了すると放送局300は、VUIの他のフィールドの値の設定を行う(S1353)。VUIの他のフィールドの値の設定(S1354)を完了すると、放送局300は映像符号化におけるVUIの設定処理を終了する(S1355)。
放送局300は、予め決められたタイミングにおいて、生成した映像符号化を多重化部305で多重化し、送信機306を介して放送波として送出する。
図13Fは、第2の実施形態における受信側の映像復号化処理においける、VUI解析の処理フローを示したものである。ここで受信機500は、2K放送におけるHDRコンテンツ放送の番組を受けることが可能なテレビジョン、つまりに映像符号化のVUIにビットアサインされている「18」を認識出来るテレビジョンとする。
受信機500は、放送波を受信すると、多重化されたストリーム(放送信号)を放送チューナ501により復調し、デマルチプレクサ504によりストリームごとに分離する。この分離したストリームの中から、図4に示す映像ストリームを抽出し、映像デコーダ506において映像ストリームのシンタックスの解析処理を行う(S1360)。
映像デコーダ506は、映像ストリームの中からVUIを抽出する(S1361)と、さらにその中から伝達特性の抽出を行う(S1362)。映像デコーダ506は、VUIの抽出を行うと、その値の判定を行う(S1363)。
判定の結果、伝達特性の値が「1」の場合(S1363)、映像デコーダ506は、復号化した番組をSDRコンテンツであると認識し、復号化した番組の設定を「伝達特性=SDR」として各種設定(S1364)を行い、処理を終了する(S1368)。
判定の結果、伝達特性の値が「18」の場合(S1365)、映像デコーダ506は、復号化した番組をHDR(HLG方式)コンテンツであると認識し、復号化した番組の設定を、「伝達特性=HDR(HLG方式)」として各種設定(S1366)を行い処理を終了する(S1368)。
判定の結果、伝達特性の値が「1」「18」のいずれでもない場合、映像デコーダ506は、復号化した番組を表示不可能と設定(S1367)して処理を終了する(S1368)。
図13BのS1318、図13CのS1330、図13DのS1346および図13FのS1367の処理は、「当該番組を表示不可能として設定」としているが、例えば「当該番組の設定を、SDRとして設定」の処理に置き換えてもよい。
図13Gは、図13Bの処理フローのS1318の処理だけを「該当番組の設定を、SDRとして設定」S1378に置き換えた場合の処理フローの例を示している。このような処理フローにすることで、受信機500は、受信した番組を少なくとも途切れることなく表示することが可能となり、ユーザによっては都合がよい場合がある。
以上のように第2の実施形態によれば、受信機500は、受信した番組ごとにHDRコンテンツかどうかを判断することが可能となり、番組ごとに受信機の設定を最適な状態にすることが可能となる。特にビデオデコードコントロール記述子が配置されるPMTは再送周期が200ms以下と短いため、例えば選局時のように受信する番組を切替えた場合、受信機500は各種設定を短期間で最適な状態にすることが可能となる。これにより受信機500を利用するユーザは、選局時に違和感なく選局後の番組を視聴するこが可能となり、ユーザの利便性が高まる。
更に第2の実施形態は、HDRコンテンツかどうかを判別するのに、ビデオデコードコントロール記述子の中の伝達特性だけでなく、映像符号化のVUIの中の伝達特性を用いることができる。
受信機によっては、受信した番組を録画して例えばHDD230に保存する時に、ビデオデコードコントロール記述子や第3の実施形態に示すコンポーネント記述子の情報を保存しない場合がある。受信機500は、このようなビデオデコードコントロール記述子やコンポーネント記述子の情報がない形で録画された番組がSDRコンテンツなのかHDRコンテンツなのかを、ビデオデコードコントロール記述子の中の伝達特性やコンポーネント記述子のコンポーネント種別を用いるのではなく、映像符号化のVUIの中の伝達特性を用いることで判別することが可能である。
受信機500は、例えば録画した番組の録画番組リストを作成する際に、受信機500はHDD230に保存されている番組を任意のタイミングで読み出し、その番組の映像符号化のVUIの中の伝達特性を参照してもよい。あるいはまた受信機500は、録画番組リストの中の特定の番組をユーザが選択した際に、その番組の映像符号化のVUIの中の伝達特性を参照してもよい。
これにより受信機500は、HDD230に保存されている番組がHDRコンテンツなのかSDRコンテンツなのかを認識することが可能となり、その認識結果を例えば録画番組リストの表示することができる。
上記のように、あるテレビジョン受信機で録画されたある番組を複数のテレビジョン受信機において再生する例は、例えば複数のテレビジョン受信機が家庭内ネットワークで接続され、このネットワーク接続された複数のテレビジョン受信機において、同じくネットワーク接続されたHDDに保存されている録画番組を再生する場合が該当する。
また、後述する第3の実施形態に示すコンポーネント記述子の中のコンポーネント種別(component_type)を用いることで、受信機500は、次番組以降がHDRコンテンツなのかSDRコンテンツなのかを認識することが可能である。従って、第2の実施形態の伝達特性と第3の実施形態のコンポーネント種別の両方の情報を用いることで、現在番組と次の番組の両方において、HDRコンテンツなのかSDRコンテンツなのかを判断することが可能である。これにより受信機500は、現在番組を視聴しているユーザに対して、次の番組の輝度に関する情報を事前に通知するこが可能となり、ユーザの利便性が高まる。
<第3の実施形態>
次に、2K放送におけるHDRコンテンツ放送を実現するための第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態は、2K放送におけるHDRコンテンツ放送の存在を、GUI上に表示するためのものである。HDRコンテンツ放送であることをGUI上に表示するとは、例えば番組情報表示の中に、ある番組がHDRコンテンツであることを表示するものである。
そこで第3の実施形態では、コンテンツのダイナミックレンジを指定する情報として、コンポーネント内容(stream_content)およびコンポーネント種別(component_type)を用いる。
以下、図14Aから図14Dを用いて、非特許文献1から非特許文献3に記載されている現行のコンポーネント記述子(Component descriptor)およびその中に配置されているコンポーネント内容とコンポーネント種別について説明する。
図14Aは、非特許文献1に記載されているコンポーネント記述子の全体構成を示している。この記述子の中には、コンポーネント内容1401とコンポーネント種別1402が配置されている。
図14Bは、コンポーネント内容1401とコンポーネント種別1402の組み合わせのビットアサインを示している。例えばコンポーネント内容=0x1でコンポーネント種別=0xB3の場合、符号化映像フォーマットが1080i(1125i)、アスペクト比が16:9、パンベクトルなしであることを意味している。
図14Cは、非特許文献2(地上デジタルテレビジョン放送関連)に記載されているコンポーネント種別のビットアサインを示している。
図14Dは、非特許文献3(BS/広帯域CSデジタル放送関連)に記載されているコンポーネント種別のビットアサインを示している。
そこで第3の実施形態では、HDRコンテンツ放送であることをGUI上に表示するために、上記図14Bで示す非特許文献1に記載のコンポーネント内容およびコンポーネント種別、上記図14Cで示す地上デジタルテレビジョン放送において運用されているコンポーネント内容およびコンポーネント種別ならびに上記図14Dで示すBS/広帯域CSデジタル放送において運用されているコンポーネント内容およびコンポーネント種別を拡張して利用する。以下その拡張例を説明する。
図15Aは、図14Bに示したコンポーネント種別のビットアサインに対して拡張した例を示している。1501の「コンポーネント種別=0xB4」および1503の「コンポーネント種別=0xE4」が、拡張したビットアサインである。例えばコンポーネント内容=0x9でコンポーネント種別=0xB4の場合1501、映像符号化のコーデック種別がH.265、符号化映像フォーマットが1080i(1125i)、アスペクト比が16:9であるHDRコンテンツであることを意味している。これにより、図14Bに示す未定義の領域1403および1404が、図15Aに領域1502および1504のように変わる。
図15Bは、上記図14Cに示した地上デジタルテレビジョン放送で運用する場合のビットアサインに対して、上記図15Aの拡張を適用した例を示している。1505から1508までのビットアサインが、図15Aに示す拡張に対応して、地上デジタルテレビジョン放送の運用において拡張されたものである。図15Aの拡張における1501は、1506に対応し、図15Aの拡張における1503は、1508に対応する。また、コーデック種別の追加に伴い、1505および1507も追加されている。
図15Cは、上記図14Dに示したBS/広帯域CSデジタル放送で運用する場合のビットアサインに対して、上図15Aの拡張を適用した例を示している。1509から1512までのビットアサインが、図15Aに示す拡張に対応して、BS/広帯域CSデジタル放送の運用において拡張されたものである。図15Aの拡張における1501は、1510に対応し、図15Aの拡張における1503は、1512に対応する。また、コーデック種別の追加に伴い、1509および1511も追加されている。
図16Aは、第3の実施形態における送信側の処理フローの例を示したものである。この処理の内容は、送信側(例えば図3の放送局300)の意向により決定できる。
送信側、例えば放送局300は、2K放送におけるHDRコンテンツ放送を行う場合、以下のようにコンポーネント記述子の各フィールドの値の設定を行う。
送信局200は、コンポーネント記述子の各フィールドの値の設定処理を開始すると(S1600)、当該番組がHDRコンテンツ放送の番組かどうかの判断を行う(S1601)。当該番組がHDRコンテンツ放送の番組の場合は、コンポーネント記述子の(コンポーネント内容、コンポーネント種別)の組み合わせに「H.265|MPEG−H HEVC、映像1080i(1125i)、アスペクト比16:9、HDRあり」=(0x9、0xB4)あるいは「H.265|MPEG−H HEVC、映像1080p(1125p)、アスペクト比16:9、HDRあり」=(0x9、0xE4)を設定する(S1602)。当該番組がHDRコンテンツ放送の番組でない場合は、コンポーネント記述子の(コンポーネント内容、コンポーネント種別)の組み合わせに「映像1080i(1125i)、アスペクト比16:9、パンベクトルなし」=(0x1、0xB3)を設定(S1603)する。
送信局300は、続いてコンポーネント記述子の他のフィールドである言語コード等に、必要な情報を設定する(S1604)。送信局300は、コンポーネント記述子の全てのフィールドに必要な値を設定したら、コンポーネント記述子を含むEITの全てのフィールドに必要な値を設定して、EITを生成して(S1605)処理を終了する(S1606)。
放送局300は、予め決められたタイミングにおいて、生成したEITを図3に示した多重化部305で多重化し、送信機306を介して放送波として送出する。
図16Bは、第3の実施形態における受信側の処理フローの例を示したものである。ここで受信機500は、2K放送におけるHDRコンテンツ放送の番組を受けることが可能なテレビジョン、つまり(コンポーネント内容、コンポーネント種別)のビットアサインの組み合わせの(0x9、0xB4)(0x9、0xE4)を認識出来るテレビジョンとする。
受信機500は、放送波を受信すると、多重化されたストリーム(放送信号)を放送チューナ501により復調し、デマルチプレクサ504によりストリームごとに分離する。この分離したストリームの中から、図4に示すサービスデータ/制御データを抽出し、統合制御器521において伝送制御信号の解析処理を行う(S1610)。
統合制御器521は、伝送制御信号の中からEITを抽出する(S1611)と、さらにその中からコンポーネント記述子の抽出を行う(S1612)。統合制御器521は、コンポーネント記述子の抽出を行うと、さらにコンポーネント内容とコンポーネント種別の抽出を行う(S1613)。統合制御器521は、コンポーネント内容とコンポーネント種別の抽出を行うと、各々の値の判定を行う(S1614)。
判定の結果、(コンポーネント内容、コンポーネント種別)の値の組み合わせが(0x1、0xB3)の場合(S1614)、統合制御器521は、当該番組の設定を「映像1080i(1125i)、アスペクト比16:9、パンベクトルなし」のコンテンツであると認識し、当該番組の「コンポーネント種別」=「映像1080i(1125i)、アスペクト比16:9、パンベクトルなし」として各種設定(S1615)を行い、処理を終了する(S1619)。
判定の結果、(コンポーネント内容、コンポーネント種別)の値の組み合わせが(0x9、0xB4)あるいは(0x9、0xE4)のいずれかの場合(S1616)、統合制御器521は、当該番組を「H.265|MPEG−H HEVC、映像1080i(1125i)、アスペクト比16:9、HDRあり」あるいは「H.265|MPEG−H HEVC、映像1080p(1125p)、アスペクト比16:9、HDRあり」のコンテンツであると認識し、当該番組の設定を「H.265|MPEG−H HEVC、映像1080i(1125i)、アスペクト比16:9、HDRあり」あるいは「H.265|MPEG−H HEVC、映像1080p(1125p)、アスペクト比16:9、HDRあり」として各種設定(S1617)を行い、処理を終了する(S1619)。
判定の結果、(コンポーネント内容、コンポーネント種別)の値の組み合わせが(0x1、0xB3)(0x9、0xB4)(0x9、0xE4)のいずれでもない場合、統合制御器521は、当該番組の設定を表示不可能と設定(S1618)して処理を終了する(S1619)。
図16Cは、受信機500が2K放送におけるHDRコンテンツ放送の番組を受けることが不可能なテレビジョン、つまり(コンポーネント内容、コンポーネント種別)のビットアサインの組み合わせの(0x9、0xB4)(0x9、0xE4)を認識出来ないテレビジョンの場合の処理フローの例である。
受信機500は、放送波を受信すると、多重化されたストリーム(放送信号)を放送チューナ501で復号し、デマルチプレクサ504によりストリームごとに分離する。この分離したストリームの中から、図4に示す制御データ/サービスデータを抽出し、統合制御器521において伝送制御信号の解析処理を行う(S1640)。
統合制御器521は、伝送制御信号の中からPMTを抽出する(S1641)と、さらにその中からコンポーネント記述子の抽出を行う(S1642)。統合制御器521は、コンポーネント記述子の抽出を行うと、さらにコンポーネント種別の抽出を行う(S1643)。統合制御器521は、コンポーネント種別の抽出を行うと、その値の判定を行う(S1644)。
判定の結果、コンポーネント種別の値が「0xB3」の場合(S1644)、統合制御器521は、当該番組の設定を「映像1080i(1125i)、アスペクト比16:9、パンベクトルなし」のコンテンツであると認識し、当該番組の「コンポーネント種別」=「映像1080i(1125i)、アスペクト比16:9、パンベクトルなし」として各種設定(S1645)を行い、処理を終了する(S1647)。
判定の結果、コンポーネント種別の値が「0xB3」でない場合、統合制御器521は、当該番組の設定を表示不可能と設定(S1646)して処理を終了する(S1647)。
図16BのS1618および図16CのS1646の処理は、「当該番組を表示不可能として設定」としているが、第2の実施形態の図13Gの処理フロー同様に例えば「当該番組の設定を、SDRとして設定」の処理に置き換えてもよい。
以上により受信機500は、受信する番組ごとにHDRコンテンツかどうかを判断することが可能とる。EITは、各サービス(編成チャンネル)に含まれる番組に関する時系列情報を含むテーブルである。この情報に上記16Aから図16Cに示した処理フローにより、コンポーネント種別にコンテンツのダイナミックレンジを指定する情報を加えることで、例えば今後放送される予定の番組情報にHDRコンテンツ/SDRコンテンツのコンテンツ種別を加えることが可能となり、ユーザが視聴する番組を選択する際の利便性が高まる。またこれにより送信側も、HDRコンテンツによる放送サービスを実施していることを番組表の中で訴求することが可能となり、作成したHDRコンテンツに対するユーザ満足度を高めることが出来る。
また受信機500は、放送された番組の視聴のみならず録画された番組の再生に対しても、番組ごとのダイナミックレンジに対応して、受信機500および表示器220を最適な状態に設定することが可能である。受信機500は、受信した番組を録画して例えばHDD230に保存する時に、コンポーネント記述子の情報も合わせて保存する。これにより受信機500は、録画した番組の録画リストを作成する際に、コンポーネント記述子の中のコンポーネント種別を用いることで、録画した番組がHDRコンテンツであるのかSDRコンテンツであるのかを判断することが可能となり、例えばその判断結果をもとに録画リスト上に当該番組がHDRコンテンツなのかSDRコンテンツなのかを表示することができる。これにより受信機500を利用するユーザは、録画番組を再生する際にも、当該番組がHDRコンテンツなのかSDRコンテンツなのかを知ることが可能となり、ユーザの利便性が高まる。
図16Aから図16Cの処理フローは、ダイナミックレンジを指定する情報としてコンポーネント記述子のコンポーネント種別を用いる場合だが、例えばコンテント記述子(content descriptor)の中のジャンル1(content_nibble_level_1)あるいはジャンル2(content_nibble_level_2)を用いることも可能である。
以下、図17Aから図17Dを用いて、非特許文献1に記載されている現行のコンテント記述子およびその中に配置されているジャンル1およびジャンル2について説明する。
図17Aは、非特許文献1(デジタル放送関連)に記載の記述子であるコンテント記述子の全体構成を示している。図中の1701はジャンル1(content_nibble_level_1)、1702はジャンル2(content_nibble_level_2)を示している。ジャンル1は、ジャンルの大分類を示している。ジャンル2は、ジャンル1の各大分類における中分類を示している。
図17Aのループ数Nは、最大7であり1つのコンテント記述子の中に複数のcontent_nibbleとuser_nibbleを設定できるようになっている。非特許文献2あるいは非特許文献3に規定されているように1つのコンテント記述子の中に設定できるcontent_nibble_level1とcontent_nibble_level2の数は、最大3である。
図17Bは、ジャンル1のジャンルの分類に対するビットアサインを示している。図中のジャンル大分類が、ジャンル1を表している。
図17C、図17Dは、ジャンル2(content_nibble_level_2)のジャンルの分類に対するビットアサインを示している。図17Cは、ジャンル1(content_nibble_level_1)=0x6(映画)の場合のジャンル2(content_nibble_level_2)のビットアサインを、図17Dは、ジャンル1=0x8(ドキュメンタリー/教養)の場合のジャンル2のビットアサインを示している。
そこで、HDRコンテンツ放送であることをGUI上に表示するために、上記図17Bに示すジャンル1あるいは図17C、図17Dに示すジャンル2を拡張して利用する。
図18Aは、図17Bに示すジャンル1に対してHDRコンテンツ1801を追加した例である。これにより、図17Bに示す予備1703が、図18Aに示す予備1802のように変わる。
図18Bは、図17Cに示すジャンル2に対してHDRコンテンツ1803を追加した例である。
図18Cは同様に、図17Dに示すジャンル2に対してHDRコンテンツ1804を追加した例である。
図18A、図18Bおよび図18C以外にも、例えば図17Bの「ジャンル1=その他(0xF)」において、ジャンル2に「HDRコンテンツ=0x0」を追加してもよい。
上記に示したジャンルの拡張を用いて、例えば映画のジャンルのHDRコンテンツを放送する場合、送信側は、図18Aに示す拡張したジャンル1を用いて、「ジャンル1=映画(0x6)」および「ジャンル1=HDRコンテンツ(0xc)」を設定して送信してもよい。受信側500は、受信したコンテント記述子の中からすべてのジャンル1とジャンル2を抽出することで、そのコンテンツがジャンル1=映画(0x6)でありジャンル1=HDRコンテンツ(0xc)であることを認識することができる。つまり、受信機500は、受信したコンテンツが映画のHDRコンテンツであることを認識することができる。
また例えば映画のジャンルのHDRコンテンツを放送する場合、送信側は、図18Bに示す拡張したジャンル2を用いて、「ジャンル1=「映画(0x6)」と「ジャンル2=HDRコンテンツ(0x3)」を設定して送信することもできる。受信機500は、受信したコンテント記述子の中からすべてのジャンル1とジャンル2を抽出することで、そのコンテンツが「ジャンル1=映画(0x6)」および「ジャンル2=HDRコンテンツ(0x3)」であることを認識することができる。つまり、受信機500は、受信したコンテンツが映画のHDRコンテンツであることを認識することができる。
さらにまた例えば映画のジャンルのHDRコンテンツを放送する場合、ジャンル1=「映画(0x6)」および「ジャンル1=その他(0xF)」と「ジャンル2=HDRコンテンツ(0x0)」を設定して送信することもできる。受信機500は、受信したコンテント記述子の中からすべてのジャンル1とジャンル2を抽出することで、そのコンテンツが「ジャンル1=映画(0x6)」および「ジャンル1=その他(0xF)」と「ジャンル2=HDRコンテンツ(0x0)」であることを認識することができる。つまり、受信機500は、受信したコンテンツが映画のHDRコンテンツであることを認識することができる。
送信側および受信側の処理は、コンテンツのダイナミックレンジを指定するのにコンテント記述子(Content descriptor)の中のジャンル1あるいはジャンル2をを用いた場合でも、図16Aから図16Cの処理フローのコンポーネント記述子をコンテント記述子に、コンポーネント内容とコンポーネント種別の組み合わせをジャンル1とジャンル2の組み合わせに置き換えるだけで同様の処理フローとなる。
さらに、ユーザが番組を検索する際に、ジャンルを指定して検索する方法がある。この場合、受信機500は、各コンテンツのジャンル1およびジャンル2の情報を用いて、ユーザが入力したジャンルに対応するコンテンツを絞り込んでいく。図18A、図18Bおよび図18Cのようにジャンル1およびジャンル2に「HDRコンテンツ」を追加することで、ユーザがジャンルに「HDRコンテンツ」を指定した場合に、受信機500はすべてのコンテンツの中からHDRコンテンツを絞り込むことが可能である。
番組の放送の形態として、イベント共有と呼ばれるものがある。これは、複数のサービス(チャンネル)のPMTのelementary_PIDフィールドに、同一のES_PIDを記述することで、どのサービス(チャンネル)を視聴しても同一のイベント(番組)を視聴することを可能とするものである。PMTは、番組を構成する各符号化信号(映像符号化信号や音声符号化信号等の符号化信号)を伝送するTSパケットの存在場所を示す情報を含む。PMTの中のelementary_PIDフィールドに、各符号化信号を伝送するTSパケットのPID(Packet ID)であるES_PIDが記載される。elementary_PIDの値は、基本的に番組途中では変更しない。
図19Aは、縦軸をservice_id、横軸を時刻とし、各イベント(番組)のPMTのelementary_PIDフィールドに記載されているES_PIDの様子を示した図である。図中の四角は、1つのイベント(番組)を表している。service_idは、各サービスに割り当てられている識別値で、全国のテレビジョン放送において各編成チャンネルに割り当てられるユニークな値である。service_idは、図7Aに示したサービスリスト記述子に配置されており、NIT(Network Information Table)に含まれて受信機に送られてくる。
図19Aの例では、時刻20:00まではservice_id=101、102、103の各々に対してES_PID=0x0030、0x0031、0x0032が割り当てられている。これに対して、時刻20:00から時刻21:00の間(区間=T1)では、service_id=101、102、103の各々において同一のES_PIDであるES_PID=0x0033が割り当てられている。これは、service_id=101、102、103に対応する3つの編成チャンネルが、時刻20:00から時刻21:00の間(区間=T1)においては同一の符号化信号から構成されていること示している。つまりユーザは、service_id=101、102、103に対応する3つのチャンネルのどれを選択しても、同一の符号化信号(同一の放送内容)から構成されている番組を視聴することができる。
このイベント共有を行っている区間=T1では、service_id=101、102、103のいずれか1つの帯域を用いてES_PID0x0033の映像符号化信号および音声符号化信号が送られており、残りの2つの帯域では映像符号化信号および音声符号化信号が送られていない。図19Aの例では、例えばservice_id=101の帯域を使ってES_PID0x0033の映像符号化信号および音声符号化信号が送られ、service_id=102およびservice_id=103の帯域ではES_PID0x0033の映像符号化信号および音声符号化信号は送られない例である。
イベント共有を行うと、このようにどれか1つの帯域だけで映像符号化信号および音声符号化信号が送られ残りの帯域では符号化信号が送られないため、映像符号化信号および音声符号化信号が送られない帯域を他の用途に使うことが可能である。
HDRコンテンツの情報量がSDRコンテンツのより多いため、現行の2K放送においてHDRコンテンツ放送を行う場合は現状の放送波の帯域幅より広い帯域幅が必要となる可能性がある。現状の帯域幅より広い帯域幅を確保する方法として、例えば図19Bに示したイベント共有を使用することで映像符号化信号および音声符号化信号が送られない帯域を使う方法が考えられる。
図19Bは、イベント共有によりservice_id=101およびservice_id=102使って、HDRコンテンツを送信するための広い帯域幅を確保した様子の例を示した図である。図19Bの例は、時刻20:00から時刻21:00の間(区間=T2)、イベント共有されているservice_id=101、102の2つの帯域を使ってHDRコンテンツの映像符号化信号(ES_PID=0x0034)送信している例である。
上記第1の実施形態から第3の実施形態により、受信機500は、放送波で送られてくるコンテンツがHDRコンテンツであることを種々のタイミングにおいて認識することができる。
以下受信機500の具体的な利用シーンをもとに、受信機500が、放送波で送られてくるコンテンツがHDRコンテンツであることを認識する場合に、表示器527に表示する内容について説明する。
図20Aは、受信機500が12ポジションリストを作成する際に、表示器527の表示させる12ポジションリストの表示内容の一例である。
受信機500は、第1の実施形態で説明したようにサービス形式種別(service_type)を用いることで、12ポジションリストを作成する際に対象のチャンネルがHDRコンテンツを放送するチャンネルかどうかを判断することができる。
図20Aは、受信機500が図9Bに示した処理フローに基づき、各サービス(チャンネル)のサービス形式種別を判定した結果、27chがHDRコンテンツ放送であると判定した場合の、表示器527に表示させる12ポジションリストの表示内容の例を表している。HDRコンテンツ放送の表示2001は、27chがHDRコンテンツ放送であることを示している。
図20Bは、受信機500が12ポジションリストを作成する際の、12ポジションリストの表示内容の他の例である。
先に説明したように、2K放送においてHDRコンテンツ放送を行うためにイベント共有を用いる可能性がある。イベント共有を行う場合受信機500は、図9Bに示す処理により同一放送局からの放送サービスの複数のチャンネルが、HDRコンテンツ放送であることを認識する。この場合、12ポジションリスト表示は、例えば図20Bに示すように、複数のチャンネルにより1つの番組を構成する映像符号化データが送られていることをイメージできるようにしてもよい。図20Bの例は、27chと26chを使用してHDRコンテンツの1つの番組を放送している様子をイメージできるように、26chと27chを1つの枠で囲み、その枠にHDRコンテンツ放送である旨の表示を視覚的に行っている例である。
図20Bに示すようなHDRコンテンツ放送である旨を表示を視覚的に行うことは、受信機500のユーザに対してHDRコンテンツ放送がSDRコンテンツ放送より優れていることを直感的に訴求する効果もある。
図20Cは、受信機が12ポジションリストを作成する際の、12ポジションリストの表示内容の他の例である。
図9Cの処理に示したように、サービス形式種別として「デジタルTVサービス」しか判別できない従来の2Kテレビジョンにおいては、HDRコンテンツ放送を行うサービス(チャンネル)が存在していても、その存在の影響を受けることなく、存在を無視することができる。図20Cは、図20Aに示すようなHDRコンテンツ放送が存在している場合に、サービス形式種別=「デジタルTVサービス」しか判別できない従来の2Kテレビジョンにおける12ポジションリストを表示する場合の例である。図20Aに示す12ポジションリストに存在しているHDRコンテンツ放送のチャンネル2001が、図20Cでは2002のように表示されていない。
このように第1の実施形態は、12ポジションリスト作成の段階で、従来の2KテレビジョンはHDRコンテンツ放送を受信の対象外とすることができるため、従来の2Kテレビジョンが間違ってHDRコンテンツを表示するというトラブルが発生することが無い。このため、受信機500のユーザの利便性のみならず、従来の2Kテレビジョンのユーザの利便性も向上する。
図21Aは、ユーザが受信機500で受信可能な番組を選局あるいは視聴する場合、表示器527の表示している番組が、HDRコンテンツ放送なのかSDRコンテンツ放送なのかを明示する場合の一例である。
受信機500は、第3の実施形態で説明したようにコンポーネント記述子の中のコンポーネント内容およびコンポーネント種別を用いることで、現在受信機500が受信している番組およびこれから放送される番組がHDRコンテンツ放送なのかSDRコンテンツ放送なのかを認識することができる。また受信機500は、認識した結果をユーザに提示することも可能である。
図21Aは、受信機500が、図16Bに示した処理フローに基づき、ユーザが選局あるいは視聴している番組の伝達特性を判定した結果、当該番組がSDRコンテンツ放送であると判定した場合、表示器527に当該番組がSDRコンテンツ放送である旨を表示している一例である。受信機500は、表示画面右下に「SDR放送」2101を表示することで、当該番組がHDRコンテンツ放送であることを表示している。
図21Bは、受信機500が、図21Aに示す状態に対してさらに図16Bに示した処理フローに基づき次の番組の伝達特性を判定した結果、次の番組がHDRコンテンツ放送であると判定した場合、表示器527に次の番組がHDRコンテンツ放送であること明示している一例である。受信機500は、表示画面右下に「SDR放送⇒HDR放送」2102を表示することで、現在の番組がSDRコンテンツ放送であり次の番組がHDRコンテンツ放送であることを示している。
さらに受信機500は、番組に関する他のPSI(Program Specific Information)やSI(Service Information)情報を用いることで、現在の番組の進捗状況を合わせて表示することができる。
図21Cは、現在の番組であるSDRコンテンツ放送の進捗状況を表した例である。2103の「SDR放送」のハッチがかかった部分の横の長さが、番組の進捗状況を表している。これにより受信機500のユーザは、HDRコンテンツ放送に切り替わるタイミングまでの時間を簡単に把握することができる。さらに、SDRコンテンツ放送からHDRコンテンツ放送の切替えのタイミングが近い場合、「HDR放送」の表示を大きくして、受信機500のユーザに、HDRコンテンツ放送への切り替え時間が迫っていることをより分かりやすくすることも可能である。
図21Dは、HDRコンテンツ放送への切り替え時間が迫っていることを、より分かりやすくするために、「HDR放送」の表示を2104に示すように大きくした例である。
2K放送におけるHDRコンテンツの放送サービスは、既存の2K放送対応テレビジョンを利用しているユーザを考慮すると、HDRコンテンツ放送とSDRコンテンツ放送を同時に放送する、という1つの番組に複数の番組データが含まれる放送形態になることが想定される。つまり2K放送におけるHDRコンテンツ放送は、HDRコンテンツ放送の番組を放送しながら、既存の2K放送対応テレビジョンを利用しているユーザのために並行してSDRコンテンツ放送の番組も放送する、という放送形態になることが想定される。
1つのイベント(番組)において、番組データであるES(ElementaryStream、基本ストリーム。符号化された映像、音声、独立データに相当する)を複数定義することができる。ESには、非特許文献2に規定されているように、PMTに配置されているストリーム識別記述子(Stream identifier descriptor)に記載されているコンポーネントタグ(component_tag)値が割り当てられる。コンポーネントタグは、8ビットのフィールドであり、コンポーネントストリームを識別するためのラベルである。各ESに割り当てられるコンポーネントタグ値は、サービス(チャンネル)内でユニークである。このストリーム識別記述子のコンポーネントタグ値は、図14Aに示すコンポーネント記述子のコンポーネントタグ値と同一である。
イベント(番組)の中に複数の番組データのESが存在する場合、サービス選択時に最初に受信機500の表示器527に表示させるESを、デフォルトESと呼ぶ。
デフォルトESのコンポーネントタグ値は、非特許文献2に以下のように定義されている。
デフォルトESのコンポーネントタグ値は、
・映像ストリーム:コンポーネントタグ値=0x00
・音声ストリーム:コンポーネントタグ値=0x010
先に説明したように、既存の2K放送対応テレビジョンを利用しているユーザを考慮すると、HDRコンテンツ放送とSDRコンテンツ放送を同時に放送するという、1つの番組に複数の番組データが含まれる放送形態になることが想定される。
このような放送形態を実現する方法として、方法1としては
(1−1)デフォルトESをSDRコンテンツとする。
(1−2)デフォルトES以外をHDRコンテンツとする。
方法がある。
デフォルトESへのHDRコンテンツ/SDRコンテンツの割り当てをこのようにすることで、既存の2K放送対応テレビジョンを利用しているユーザは、HDRコンテンツ放送が存在していても、従来通りに番組の視聴が可能となる。
この方法1を実現する場合の送信側の処理は、イベント(番組)の中に複数存在する番組データのうち、
(1−3)SDRコンテンツのコンポーネントタグ値=0x00に設定
(1−4)HDRコンテンツのコンポーネントタグ値=0x00以外(例えば0x04)に設定
してPMTを作成し送信する。
この処理は、第2の実施形態の図13Aの処理フローのビデオデコードコントロール記述子をストリーム記述子に、伝達特性をコンポーネントタグに置き換えるだけで同様の処理フローとなる。
またこの方法1を実現する場合の受信側の処理は、PMTの中を解析して
(1−5)コンポーネントタグ値=0x00をデフォルトESとして受信機500の表示器527に表示
する。
この処理は、既存の2K放送対応テレビジョンの処理フローである図13Dの処理フローのビデオデコードコントロール記述子をストリーム記述子に、伝達特性をコンポーネントタグに置き換えるだけで同様の処理フローとなる。
つまり、1つの番組においてHDRコンテンツ放送とSDRコンテンツ放送を同時に放送したとしていても、上記(1−3)、(1−4)のようにデフォルトESの設定することで、既存の2K放送対応テレビジョンは従来通りにSDRコンテンツ放送を視聴することが可能となる。
この場合、HDRコンテンツが表示可能な受信機500を視聴しているユーザに対しては、例えばSDRコンテンツ放送/HDRコンテンツ放送のどちらの番組を視聴するかの選択を促す表示を行ってもよい。
図22Aは、HDRコンテンツ放送とSDRコンテンツを含む番組において、SDRコンテンツ放送/HDRコンテンツ放送のどちらの番組を視聴するかの選択をユーザに促す表示画面の例である。この例は、現在の番組がSDRコンテンツ放送である。また次の番組が複数の番組データを含む番組であり、デフォルトESがSDRコンテンツ放送、デフォルトES以外がHDRコンテンツ放送の場合の例である。
2201は、次の番組が複数の番組データを含む場合に、その1つがデフォルトESであるSDRコンテンツ放送であり、もう1つがデフォルトES以外であるHDRコンテンツ放送の2つの番組であることを示している。
また2202は、受信機500のユーザに対して、次の番組としてデフォルトES以外のHDRコンテンツ放送を視聴するかどうかの選択を促す表示を行っている例である。
図22Bは、図22A同様に次の番組が複数の番組データを含み、その1つがデフォルトESであるSDRコンテンツ放送、もう1つがデフォルトES以外であるHDRコンテンツ放送の2つの番組であることを示している例である。次番組2203の表示のうち、デフォルトで表示する番組であるSDRコンテンツ放送を示す表示「SDR放送」を大きく表示している。
このような表示にすることでユーザは、次番組としてデフォルトで表示される番組がSDRコンテンツ放送であることを認識しやすくなる。これにより例えば、図22Aに示す「次の番組は、HDRコンテンツを視聴できます。HDRコンテンツを視聴しますか?」2202の表示のようにデフォルトES以外であるHDRコンテンツの選択を促す表示をする必要がなくなり、表示画面の表示内容を簡素化することができる。ユーザによっては、表示内容の簡素化を求める場合もあり、2203のような表示をすることで、表示内容の煩わしがなくなるメリットがる。この場合ユーザは、2203の表示内容に従って、次の番組としてHDRコンテンツを視聴できるように自ら選択すればよい。
先に説明した方法1に対して、さらに次のような方法2も考えられる。
(2−1)デフォルトESをSDRコンテンツとする
(2−2)デフォルトES以外の第2のデフォルトESとしてHDRコンテンツを定義し、コンポーネントタグ値を割り当てる(例えばコンポーネントタグ値=0x08を、第2のデフォルトESとして割り当てる)。
この方法2は、この第2のデフォルトESのコンポーネントタグ値=0x08を認識できるテレビジョン受信機においては、PMTに第2のデフォルトESであるコンポーネントタグ値=0x08が含まれる場合は、第2のデフォルトESをデフォルトESより優先して、第2のデフォルトESであるHDRコンテンツをテレビジョン受信機の表示画面に表示させる、というものである。
この方法2を実現する場合の送信側の処理は、方法1の場合の送信側の処理と同じである。ただし、HDRコンテンツデータのコンポーネントタグ値は、0x08を設定する。
またこの方法2を実現する場合の受信側の処理は、PMTの中を解析して
(1−3)コンポーネントタグ値=0x08を認識した場合は、デフォルトESより優先して、第2のデフォルトESであるHDRコンテンツを受信機500の表示器527に表示
する。
方法2にすることで、HDRコンテンツを受信できるテレビジョン受信機を持つユーザは、HDRコンテンツ放送の番組がある場合は、特段の操作をすることなくHDRコンテンツを視聴することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。 またユーザによっては、HDRコンテンツではなくSDRコンテンツを視聴したい場合もある。この場合は、図22Aの2202に示した選択を促す表示のように、「SDRコンテンツを視聴しますか?」の選択を促す表示を行ってもよい。
図23は、HDRコンテンツ放送が含まれる番組表の表示の一例である。第3の実施形態で説明したように受信機500が、図16Bの処理に基づき当該番組がHDRコンテンツの番組であることを認識した場合、番組表に該当番組がHDRコンテンツ放送である旨を表示している例である。2301から2303のHDR放送の表示が、該当番組がHDRコンテンツ放送の番組であることを示している。
また、複数の番組データを含む番組としてHDRコンテンツ放送の番組を含む場合もある。2303は、複数の番組データを含む番組としてデフォルトESがSDRコンテンツ放送の番組で、デフォルトES以外にHDRコンテンツ放送の番組を含む場合の表示例である。デフォルトESの番組であるSDRコンテンツ放送の表示を大きく、デフォルトES以外の番組であるHDRコンテンツ放送の表示を小さく表示した例である。
また、番組表の各番組の詳細情報の中や録画リストの表示内容に、当該番組がHDRコンテンツなのかSDRコンテンツなのかの表示を加えることも可能である。
図24A、図24Bは番組表の各番組の詳細情報の表示内容に、図25A、図25Bは録画リストの表示内容に、当該番組がHDRコンテンツなのかSDRコンテンツなのかの表示を加えた例を示している。
図24Aは、図23に示す2302に示す番組名=ハイビジョン大冒険を、テレビリモコン等を使って選択した場合に表示される、番組に関する詳細情報表示2400の表示の例である。
エリア2401は、当該番組が複数の番組データを含む場合、デフォルトで表示される番組がSDRコンテンツなのかHDRコンテンツなのかを示すエリアである。図24Aの例では、デフォルトで表示される番組が、SDRコンテンツであることを示している。
エリア2402は、当該番組が複数の番組データを含む場合、デフォルト以外で表示される番組以外がSDRコンテンツなのかHDRコンテンツなのかを示すエリアである。図24Aの例では、デフォルトで表示される番組以外が、HDRコンテンツであることを示している。
エリア2404は、当該番組が複数の番組データを含む場合、その複数の番組がSDRコンテンツとHDRコンテンツの2つを含む場合の、SDRコンテンツとHDRコンテンツの表示の切り替えが可能であることを示すエリアである。
また受信機500は、先に説明した方法1および方法2と異なり方法3として、複数の番組データを含む番組を表示する場合、デフォルトESの設定内容にかかわらず、受信機500で設定した内容に基づいて表示器527に表示するコンテンツを設定することも可能である。
エリア2405は、該当番組のデフォルトESにかかわらずHDRコンテンツを表示器527に表示する場合の、ユーザが選択する選択ボタンである。同様にエリア2406は、当該番組のデフォルトESにかかわらずSDRコンテンツを表示器527に表示する場合の、ユーザが選択する選択ボタンである。
ユーザが例えばテレビリモコンを用いて、「HDR表示を選択」2405あるいは「SDR表示を選択」2406のボタンを押した場合、受信機500は、デフォルトESにかかわらず、ユーザが選択したSDRコンテンツ放送の番組あるいはHDRコンテンツ放送の番組をデフォルトで表示器527に表示することができる。
エリア2403は、複数の番組データを含む番組おけるSDR番組およびHDR番組を録画する場合の録画機能への導線を表示するエリアである。HDRコンテンツはSDRコンテンツに比べ、ダイナミックレンジが広い分、録画した場合の録画サイズが大きくなる傾向にある。そこで図24Aに示すように、ユーザの嗜好に合わせて録画するコンテンツを選択しやすいように表示を工夫してもよい。例えば、図24Aに示すように、録画サイズを少なくしたいユーザにはSDRコンテンツの記録を勧めるような表示を、また表示の綺麗さを追求したいユーザにはHDRコンテンツの記録を勧めるような表示をしてもよい。
図24Bは、複数の番組データを含む番組において該当番組のデフォルトESにかかわらず、ユーザが「HDR表示を選択」2415のボタンを押してデフォルトで表示器527に表示するコンテンツとしてHDRコンテンツを選択した場合の表示例である。ユーザが「HDR表示を選択」2415を選択することで、詳細情報表示2410のエリア2411は、詳細情報表示2400のエリア2401の「SDR表示」から「HDR表示」に切り替わる。また、同時に表示器527に、デフォルトで表示される番組以外を表示するエリアであるエリア2412は、詳細情報表示2400のエリア2402の「HDR表示」から「SDR表示」に切り替わる。これにより記述子内のデフォルトESの設定内容に関わらず、ユーザがボタン2415を押して選択したHDRコンテンツが、デフォルトで表示器527に表示される。
図25Aは、録画リストの表示内容の例である。エリア2501は、表示器527に表示されている録画リストの番組の時間帯を示している。エリア2502は、現在の時刻を示している。エリア2503は、録画リストの番組の中からユーザがカーソルを当てると、その番組のサムネイルを表示するエリアである。サムネイルが表示されている場所の下には、当該番組の詳細情報が表示される。図25Aの例では、2504の番組にカーソルがあたっており、その番組のサムネイルが2503に表示されている例である。
複数の番組データを含む番組を録画した場合、受信機によっては複数の番組データの全てが保存される場合がある。この場合、複数の番組データにHDRコンテンツ放送が含まれていると、HDRコンテンツ放送を認識できない受信機の録画リストは、図25Aに示すようにHDRコンテンツが録画されている旨は表示されない。この図25Aの録画リストに表示されている番組データは、例えば複数のテレビジョン受信機が接続された家庭内ネットワーク上に存在し、HDRコンテンツ放送を認識できる受信機500から参照可能である。
この場合、HDRコンテンツ放送を認識できる受信機500は、第3の実施形態に示したコンポーネント記述子の中のコンポーネント種別の値を、あるいはコンポーネント種別が保存されていない場合は第2の実施形態に示した映像符号化の中のVUIに配置されている伝達特性の値を参照することで、HDRコンテンツが録画されている旨を表示することが可能となる。
図25Bは、受信機500が図25Aの録画リストの番組が保存されているデータを参照し、番組の映像符号化の中のVUIに配置されている伝達特性の値を参照した結果、HDRコンテンツであると判明した番組に対して、その旨を表示した例である。エリア2515に、カーソルがあたっている番組2514の詳細情報が記載されており、そこに当該番組がHDRコンテンツ放送であることが表示されている。
このように、本実施形態は録画された番組に対しても、当該番組がHDRコンテンツであるかどうかを判定することが可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらにまた、請求項の各構成要素において、構成要素を分割して表現した場合、或いは複数を合わせて表現した場合、或いはこれらを組み合わせて表現した場合であっても本発明の範疇である。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。