JP2018142580A - 炭素濃度測定方法 - Google Patents

炭素濃度測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018142580A
JP2018142580A JP2017034899A JP2017034899A JP2018142580A JP 2018142580 A JP2018142580 A JP 2018142580A JP 2017034899 A JP2017034899 A JP 2017034899A JP 2017034899 A JP2017034899 A JP 2017034899A JP 2018142580 A JP2018142580 A JP 2018142580A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon concentration
measurement
concentration
calibration curve
measured
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017034899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6617736B2 (ja
Inventor
木村 明浩
Akihiro Kimura
明浩 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP2017034899A priority Critical patent/JP6617736B2/ja
Publication of JP2018142580A publication Critical patent/JP2018142580A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6617736B2 publication Critical patent/JP6617736B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】ドーパント濃度によるピーク(FE線等)強度への影響を除いて炭素濃度を測定することが可能であり、従来よりも正確な炭素濃度測定が可能である炭素濃度測定方法を提供する。【解決手段】PL(フォトルミネッセンス)法により測定した測定値から、測定用半導体試料の炭素濃度を求める炭素濃度測定方法であって、予め、抵抗制御用のドーパント濃度が異なる複数の半導体標準サンプルを用いて、PL法による測定値と炭素濃度との関係を示す検量線を前記ドーパント濃度別に複数作成して用意し、該用意した複数の検量線の中から、前記測定用半導体試料のドーパント濃度に応じて最適な検量線を選択し、該選択した検量線を用いて、前記測定用半導体試料のPL法による測定値から、前記測定用半導体試料中の炭素濃度を測定することを特徴とする炭素濃度測定方法。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体試料、特にはシリコンウェーハ中の炭素濃度を測定する方法に関する。
CIS(CMOSイメージセンサー)やパワーデバイス用基板として用いられる半導体ウェーハでは高ライフタイム化の要求があり、ライフタイム低下を避けるために低炭素化が求められており、低炭素濃度を正確に測定することは非常に重要である。従来よりFT−IR法(フーリエ変換赤外分光法)で炭素濃度を測定することは可能だが、昨今の要求レベルに比べると感度が悪い。それに比べ低温PL(フォトルミネッセンス)法は高感度である。
PL法とは、バンドギャップよりも大きいエネルギーの光を励起源に用いて、励起光をシリコンウェーハに照射すると励起された電子正孔対が形成される。これらが準安定状態を経由して再結合する際の発光(ルミネッセンス)を検出し、半導体ウェーハに存在する欠陥および不純物を評価・定量する方法である。
シリコン単結晶に電子線を照射し、その単結晶中に生成された炭素・酸素複合欠陥に起因したフォトルミネッセンスのピーク強度からシリコン単結晶中の炭素不純物濃度を測定する方法が特許文献1に開示され、また、そのようなフォトルミネッセンスのピーク強度はシリコン単結晶中の炭素濃度と酸素濃度の両方に依存することが特許文献2に開示されている。
特許文献1の測定方法は、シリコン単結晶中の炭素濃度と上記PL法によるスペクトルにおける格子間炭素・置換型炭素複合欠陥起因のピーク(G線)強度のシリコンピーク(特許文献1ではTO線と表記、以下、自由励起子発光(FE:Free Exciton)線と表記する)強度に対する比(強度比)とを、炭素濃度が異なる複数のシリコン単結晶毎に取得し、炭素濃度と強度比の相関関係を予め導出する。次いで、その相関関係と炭素濃度が未知のシリコン単結晶(測定用シリコン単結晶)から取得した上記ピークの強度比から測定用シリコン単結晶中の炭素濃度を測定する方法である。しかし、ここではシリコン単結晶中の酸素濃度を考慮しておらず、あくまで酸素濃度が同一のシリコン単結晶でしか炭素濃度を測定できない(特許文献2)。
そこで特許文献3には、シリコン単結晶中の炭素濃度と酸素濃度の比([Cs]/[Oi])と、電子線照射後のG線と格子間炭素・格子間酸素複合欠陥起因のピーク(C線)のピーク強度比(G/C)の相関を求めておき、測定用シリコン単結晶の酸素濃度、ピーク強度比の結果から相関関係に基づき未知の炭素濃度を求める炭素濃度評価方法が開示されている。
特開2013−152977 特開平4−344443 特開2015−101529
上述したように、PL法による炭素濃度測定では、炭素と酸素の複合欠陥によるピークを用いるため、酸素濃度に対する補正は数多く研究されてきた。しかしながら、PL法による炭素濃度測定において、シリコン単結晶中に含まれる抵抗制御用のドーパントの影響は考慮されておらず、炭素濃度測定の正確性は満足するものではなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、PL法による炭素濃度測定において、ドーパント濃度によるピーク(FE線等)強度への影響を除いて炭素濃度を測定することができ、従来よりも正確な炭素濃度測定が可能である炭素濃度測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、PL(フォトルミネッセンス)法により測定した測定値から、測定用半導体試料の炭素濃度を求める炭素濃度測定方法であって、予め、抵抗制御用のドーパント濃度が異なる複数の半導体標準サンプルを用いて、PL法による測定値と炭素濃度との関係を示す検量線を前記ドーパント濃度別に複数作成して用意し、該用意した複数の検量線の中から、前記測定用半導体試料のドーパント濃度に応じて最適な検量線を選択し、該選択した検量線を用いて、前記測定用半導体試料のPL法による測定値から、前記測定用半導体試料中の炭素濃度を測定することを特徴とする炭素濃度測定方法を提供する。
このような炭素濃度測定方法であれば、抵抗制御用のドーパント濃度によるピーク(FE線等)強度への影響を除いて炭素濃度を測定することが可能であり、従来よりも正確な炭素濃度測定が可能である。
また、前記測定用半導体試料を、シリコン単結晶とすることが好ましい。
本発明の炭素濃度測定方法は、シリコン単結晶中の炭素濃度を測定するのに特に有効である。
また、前記測定用半導体試料中の前記ドーパント濃度を、5×1014atoms/cm以下とすることが好ましい。
このようなドーパント濃度の測定用半導体試料であれば、より正確に炭素濃度を測定することができるために好ましい。
前記検量線を、更に、ドーパント種別に用意することが好ましい。
このように、ドーパント種別に検量線を用意することで、より正確に炭素濃度を測定することができる。
また、前記半導体標準サンプルの炭素濃度をPL法以外の測定手法によって測定し、該測定された炭素濃度を参照して、前記PL法による測定値と炭素濃度との関係を示す検量線を作成することが好ましい。
またこの場合、前記検量線における、前記PL法以外の測定手法によって測定する炭素濃度領域を1×1014atoms/cm以上とすることができる。
PL法では高感度に炭素を検出できるため、PL法以外の測定手法よりも低炭素濃度の測定が可能となる。そこで、従来手法(PL法以外の測定手法)で定量できる高炭素濃度領域(例えば、1×1014atoms/cm以上の領域)において、従来手法により定量された炭素濃度とPL測定値で検量線を作成すれば、信頼性の高い検量線を作成することができる。
またこの場合、前記検量線として、前記PL法以外の測定手法によって測定された炭素濃度を参照して作成した検量線を外挿したものを用意することが好ましい。
PL法以外の測定手法によって測定された炭素濃度を参照して作成した検量線を外挿した検量線を用いることによって、例えば、1×1013atoms/cm程度といった低炭素濃度の定量が可能となる。
また、前記測定用半導体試料中の炭素濃度が1×1014atoms/cm以上と測定された場合に、該測定された炭素濃度が、PL法以外の測定手法により測定した炭素濃度と一致しているかどうかを検証し、一致していない場合には前記検量線を補正することが好ましい。
このように検量線を補正することで、より信頼性の高い検量線を得て、より正確な測定ができる。
本発明の炭素濃度測定方法であれば、抵抗制御用のドーパント濃度によるピーク(FE線等)強度への影響を除いて、PL法により炭素濃度を測定することが可能であり、より正確に炭素濃度を測定することが可能であり、また、炭素濃度が低い場合でも正確に炭素濃度を測定することができる。
FT−IR法により測定した炭素濃度とPL法による測定値(G/FE)の相関関係を示した検量線である。 ドーパント濃度が1×1012atoms/cm(図2(a))、1×1014(図2(b))、および1×1015atoms/cm(図2(c))の場合のPLスペクトル測定結果である。
本発明者は、炭素濃度が等しく、抵抗制御用のドーパント濃度が異なるシリコンウェーハサンプルをPL法により炭素濃度測定したところ、測定された炭素濃度結果が異なることを発見した。そして、上述したように、PL法では励起された電子正孔対が準安定状態を経由して再結合する際の発光を検出するため、ドーパント準位に対する補正も必要であることを知見した。
即ち、ドーパント濃度が高いとドーパント準位を経由して再結合する電子正孔対が多くなり、相対的にFE線やG線を経由する電子正孔対は少なくなる。逆にドーパント濃度が低いとドーパント準位を経由して再結合する電子正孔対が少なくなり、相対的にFE線やG線を経由する電子正孔対は多くなる。特に、特許文献1に記載されているように、PL法によるシリコン単結晶ウェーハの炭素濃度測定では、FE線でピーク強度を規格化することが行われているが、FE線強度がドーパント濃度に依存することはこれまで考慮されてこなかった。
本発明者は鋭意検討を重ね、炭素濃度の検量線をドーパント濃度別に複数用意すれば、ドーパント濃度によるピーク(FE線等)強度への影響を除くことができることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、PL(フォトルミネッセンス)法により測定した測定値から、測定用半導体試料の炭素濃度を求める炭素濃度測定方法であって、予め、抵抗制御用のドーパント濃度が異なる複数の半導体標準サンプルを用いて、PL法による測定値と炭素濃度との関係を示す検量線を前記ドーパント濃度別に複数作成して用意し、該用意した複数の検量線の中から、前記測定用半導体試料のドーパント濃度に応じて最適な検量線を選択し、該選択した検量線を用いて、前記測定用半導体試料のPL法による測定値から、前記測定用半導体試料中の炭素濃度を測定することを特徴とする炭素濃度測定方法である。
以下、本発明の炭素濃度測定方法について詳述する。
まず、抵抗制御用のドーパントの濃度が異なる複数の半導体標準サンプルを用意する。本発明において炭素濃度を求める測定用半導体試料がシリコン単結晶である場合、抵抗制御用のドーパント(N型の場合はリン、ヒ素、アンチモン等、P型の場合はボロン、ガリウム等)の濃度が異なる複数のシリコン単結晶からなる標準サンプルを用意する。
次いで、半導体標準サンプルを用いて、PL法による測定値と炭素濃度との関係を示す検量線をドーパント濃度別に複数作成する。この際、半導体標準サンプルの炭素濃度をPL法以外の測定手法によって測定し、該測定された炭素濃度を参照して、PL法による測定値と炭素濃度との関係を示す検量線を作成することが好ましい。また、ドーパント準位はドーパント種で決まるので、ドーパント種別に検量線を用意することが好ましい。
具体的に、半導体標準サンプルのPL法以外による炭素濃度測定方法としては、例えば、公知のFT−IR法やSIMS法(二次イオン質量分析法)が挙げられる。PL法以外の測定手法(特に、FT−IIR法)によって測定する炭素濃度領域は、1×1014atoms/cm以上とすることができ、上限については、シリコン単結晶が有転位化しない5×1017atoms/cmとすれば良い。
PL法以外による炭素濃度測定方法で炭素濃度を測定した後、半導体標準サンプルについて「PL法による測定値」を求める。PL測定は、従来の方法に倣えば良い。例えば、測定用半導体試料がシリコン単結晶である場合、シリコン単結晶からなる半導体標準サンプルに電子線を照射して置換位置の炭素原子(Cs)を格子間位置(Ci)に置換し、炭素・酸素関連複合欠陥を生成させる。これを液体Heで冷却しながらこれらの欠陥に起因するG線(Ci−Cs)やC線(Ci−Oi)等のルミネッセンスが検出されたスペクトルを測定(PL測定)し、シリコン由来のルミネッセンスであるFE線も含めてそれぞれのピーク強度を得て、これらのピーク強度から「PL法による測定値」を求めることができる。
PL法による測定値としては、G線強度、C線強度や、FE線強度で規格化されたG/FEやC/FE、更には抵抗制御用のドーパント濃度で規格化されたG/B(ボロン強度)、C/B、G/P(リン強度)、C/Pなどを用いることができる。
本発明は、このような検量線を、抵抗制御用のドーパント濃度別に複数作成して用意することを特徴とする。このようにドーパント濃度別に検量線を複数用意することで、ドーパント濃度によるピーク(FE線等)強度への影響を除いてより正確な炭素濃度を測定することが可能となる。
尚、抵抗制御用のドーパント濃度がPL法によるピーク強度に影響することは、以下のように確認した。直径200mm、[Oi]=5ppma−JEITA、ドーパント種をボロンとし、ドーパント濃度だけを変えてシリコン単結晶(結晶A、結晶B、結晶C)を3本製造し、肩部から20cm、60cm、100cmの位置からサンプルを切り出した。肩部から20cmの位置における結晶Aのドーパント濃度は1.0×1012atoms/cm、結晶Bは1.0×1013atoms/cm、結晶Cは1.0×1014atoms/cmとした。
PL法では高感度に炭素を検出できるため、PL法以外の測定手法よりも低炭素濃度の測定が可能だが、PL法の測定結果の信頼性をFT−IR法で確認するため、敢えてFT−IR法で検出できる高炭素濃度となるように結晶を製造した。
FT−IR法による炭素濃度測定はJEITAで規格化されており(JEITA EM−3503)、その検出下限は2×1015atoms/cmである。最近の学会では、1×1014atoms/cmを測定できたとの報告もある(第76回応用物理学会秋季学術講演会、13p−1E−1、2015年)。
まず初めに、電子線を照射しない状態で各サンプルの炭素濃度をFT−IR法にて測定した。次に、電子線を2MeVで400kGy照射した後、PL測定を行い、G線強度/FE線強度の強度比を求めた。FT−IR法による炭素濃度測定結果とPL法による測定値(G/FE)を表1に示す。
Figure 2018142580
結晶A、B、Cで、同じ直胴位置ではFT−IR法による炭素濃度はほぼ同じであった。また、PL法による測定値(G線強度/FE線強度の強度比)を求めたところ、図1に示すように、結晶A、B、CのそれぞれにおいてはG線強度/FE線強度と炭素濃度の間には良い正の相関が認められ、検量線を作成することができた(図1)。ただし、結晶A、B、Cの間では、同じ直胴位置でもG線強度/FE線強度が異なっていた。
これは、結晶A、B、Cのいずれか1つの結晶から切り出されたサンプルを標準サンプルとし、これから得られたG線強度/FE線強度の強度比と炭素濃度の検量線を用いて、他の結晶から切り出されたサンプルの炭素濃度を求めた場合、結晶A、B、Cの実際の炭素濃度が同じであっても違った炭素濃度値になってしまい、正確な炭素濃度を求めることができないことを意味しており、ドーパント濃度が違っても正確な炭素濃度を求めるためには、ドーパント濃度別に検量線が必要になることを意味している。
ドーパント濃度別に用意する検量線の数は、多ければ多いほど好ましいが、図1によれば、少なくとも「べき乗」あたりに1つ(即ち、12乗台で1つ、13乗台で1つ、14乗台で1つ)用意すれば良い。また、ドーパント濃度が低いほど炭素濃度への影響が大きいので、例えば12乗台なら1×1012〜5×1012atoms/cmで1つ、5×1012〜10×1012atoms/cmで1つの検量線を用意しても良い。
このように、従来手法(ここではFT−IR法)によって測定した炭素濃度と、PL法による測定値(G/FE)で検量線を作成すれば、信頼性の高い検量線を得ることが出来る。
そして、従来手法で定量できない低濃度領域については、ここで得られた検量線を外挿した検量線を用意することで定量が可能となる。具体的には、S/N比の良いPLピークからG/FEを求め、これを外挿した検量線に当てはめると、1×1014atoms/cmよりも低炭素濃度、例えば、1×1013atoms/cm程度といった低炭素濃度の定量が可能である。
次いで、上述のようにして用意した複数の検量線の中から、測定用半導体試料のドーパント濃度に応じて最適な検量線を選択する。測定用半導体試料のドーパント濃度に一番近いドーパント濃度の検量線を選択するのが好ましい。
次いで、選択した検量線を用いて、炭素濃度が未知である測定用半導体試料について、上記半導体標準サンプルのPL測定と同様にPL測定を行い、G線やFE線等のピーク強度を得て、これらのピーク強度から炭素濃度測定に必要なPL法による測定値(G/FE等)を求める。
このように求めたPL法による測定値から、測定用半導体試料中の炭素濃度を測定する。即ち、上記で選択した検量線に基づき、PL法による測定値から炭素濃度を得ることができる。
尚、測定された測定用半導体試料中の炭素濃度が1×1014atoms/cm以上と高炭素濃度である場合、該測定された炭素濃度が、PL法以外の測定手法により測定した炭素濃度と一致しているかどうかを検証することで、検量線の信頼性を検証することができる。一致していない場合には検量線を補正することにより、より一層信頼性の高い検量線を得ることができる。
ここで、ドーパント濃度のFE線への影響を確認するため、直径200mm、[Oi]=5ppma−JEITA、[Cs]=3×1014atoms/cm、ドーパント種がボロンであり、ドーパント濃度だけが異なるシリコン単結晶からなるサンプルを3水準用意し、電子線照射後に低温PL法による測定を行った。この時のドーパント濃度は1×1012、1×1014、および1×1015atoms/cmであり、それぞれのフォトルミネッセンススペクトルを図2(a)、(b)、(c)に示す。
図2(c)のドーパント濃度が1×1015atoms/cmの場合では、FE線のピークが微弱であり、また、隣のBTO(λ=1134.7nm、不図示)の左側の裾に乗っている。一方で、ドーパント濃度が1×1012atoms/cm(図2(a))および1×1014atoms/cm(図2(b))では明瞭なFE線が検出されているため、ベースラインを正確に引くことができ、FE線強度をより正確に求めることができ、G/FE(強度比)の信頼性が向上する。従って、測定用半導体試料のドーパント濃度を5×1014atoms/cm以下とすれば、FEピークがTOフォノン放出を伴うボロンやリン等の発光ピーク(BTO、PTO等)の裾に乗ってしまう恐れがなく、FE線の正しいピーク強度を得ることができる。従って、より正確に炭素濃度を測定することができるために好ましい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3)
上記結晶A、B、Cから図1の3つの検量線を得た。次に、直径200mm、[Oi]=5ppma−JEITA、ドーパント種をボロンとし、肩部から20cmの位置におけるドーパント濃度が2.0×1012atoms/cm(結晶D)、9.0×1012atoms/cm(結晶E)、3.0×1014atoms/cm(結晶F)の3水準の結晶を用意した。PL法では低炭素濃度の測定が可能であるが、PL法の測定結果の信頼性をFT−IR法で確認するため、ここでも敢えてFT−IR法で検出できる高炭素濃度となるように結晶を製造した。それぞれの結晶尾部から測定用半導体試料を切り出し(測定用試料d、e、f)、測定用半導体試料の一部に電子線を2MeVで400kGy照射した後、PL測定を行った。
その結果、G線強度/FE線強度の強度比は、結晶Dから切り出した測定用試料dでは0.69、結晶Eから切り出した測定用試料eでは0.51、結晶Fから切り出した測定用試料fでは0.42と求められた。そして、それぞれのドーパント濃度に応じ、測定用試料dでは結晶Aの検量線を、測定用試料eでは結晶Bの検量線を、測定用試料fでは結晶Cの検量線を適用して炭素濃度を求めたところ、それぞれの測定用半導体試料の炭素濃度は、測定用試料dは3.4×1014atoms/cm、測定用試料eは3.5×1014atoms/cm、測定用試料fは3.5×1014atoms/cmの値が得られた(実施例1〜3)。
一方、結晶尾部から切り出したサンプルの残りをそのままFT−IRで測定し、炭素濃度を求めた。その結果、結晶Dでは3.2×1014atoms/cm、結晶Eでは3.7×1014atoms/cm、結晶Fでは3.6×1014atoms/cmとなり、PL法で求めた炭素濃度と良く一致した。
(実施例4)
次に、直径200mm、[Oi]=5ppma−JEITA、ドーパント種をボロンとし、ドーパント濃度が1.5×1014atoms/cm(結晶G)の結晶を用意した。この際、低炭素濃度となるように結晶を製造した。結晶尾部から測定用試料gを切り出し、測定用試料の一部に電子線を2MeVで400kGy照射した後、PL測定を行った。
その結果、G/FEは0.10であった。ドーパント濃度に合わせて結晶Cの検量線を用い、これを低濃度側に外挿した検量線に基づいて炭素濃度を求めたところ、測定用試料gの炭素濃度は1.5×1013atoms/cmと求められた。また、結晶Gの結晶尾部から切り出した残りのサンプルをそのままFT−IR測定したところ、検出下限値以下で定量できなかった。
(比較例1、2)
上記結晶B(ドーパント濃度 1.0×1013atoms/cm)の検量線のみを作成して用意し、実施例で求めた測定用試料d、fのPL測定値(G線強度/FE線強度)を、結晶Bの検量線に適用し、炭素濃度を求めた。結晶Bの検量線から外れる部分は検量線を外挿した。その結果、測定用試料dでは5.5×1014atoms/cm、測定用試料fでは2.6×1014atoms/cmとなり、実施例で求めた値やFT−IRで求めた値から大きく異なってしまった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (8)

  1. PL(フォトルミネッセンス)法により測定した測定値から、測定用半導体試料の炭素濃度を求める炭素濃度測定方法であって、
    予め、抵抗制御用のドーパント濃度が異なる複数の半導体標準サンプルを用いて、PL法による測定値と炭素濃度との関係を示す検量線を前記ドーパント濃度別に複数作成して用意し、
    該用意した複数の検量線の中から、前記測定用半導体試料のドーパント濃度に応じて最適な検量線を選択し、
    該選択した検量線を用いて、前記測定用半導体試料のPL法による測定値から、前記測定用半導体試料中の炭素濃度を測定することを特徴とする炭素濃度測定方法。
  2. 前記測定用半導体試料を、シリコン単結晶とすることを特徴とする請求項1に記載の炭素濃度測定方法。
  3. 前記測定用半導体試料中の前記ドーパント濃度を、5×1014atoms/cm以下とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炭素濃度測定方法。
  4. 前記検量線を、更に、ドーパント種別に用意することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の炭素濃度測定方法。
  5. 前記半導体標準サンプルの炭素濃度をPL法以外の測定手法によって測定し、該測定された炭素濃度を参照して、前記PL法による測定値と炭素濃度との関係を示す検量線を作成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の炭素濃度測定方法。
  6. 前記検量線における、前記PL法以外の測定手法によって測定する炭素濃度領域を1×1014atoms/cm以上とすることを特徴とする請求項5に記載の炭素濃度測定方法。
  7. 前記検量線として、前記PL法以外の測定手法によって測定された炭素濃度を参照して作成した検量線を外挿したものを用意することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の炭素濃度測定方法。
  8. 前記測定用半導体試料中の炭素濃度が1×1014atoms/cm以上と測定された場合に、該測定された炭素濃度が、PL法以外の測定手法により測定した炭素濃度と一致しているかどうかを検証し、一致していない場合には前記検量線を補正することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の炭素濃度測定方法。
JP2017034899A 2017-02-27 2017-02-27 炭素濃度測定方法 Active JP6617736B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017034899A JP6617736B2 (ja) 2017-02-27 2017-02-27 炭素濃度測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017034899A JP6617736B2 (ja) 2017-02-27 2017-02-27 炭素濃度測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018142580A true JP2018142580A (ja) 2018-09-13
JP6617736B2 JP6617736B2 (ja) 2019-12-11

Family

ID=63528245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017034899A Active JP6617736B2 (ja) 2017-02-27 2017-02-27 炭素濃度測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6617736B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3623801A1 (en) * 2018-09-14 2020-03-18 Commissariat à l'Energie Atomique et aux Energies Alternatives Method for determining the thermal donor concentration of a semiconductor sample
CN113924478A (zh) * 2019-06-06 2022-01-11 日写株式会社 2成分气体的浓度比计算方法以及检测对象气体的浓度计算方法
CN116858854A (zh) * 2023-09-04 2023-10-10 季华实验室 掺杂浓度的修正方法、装置、电子设备及存储介质

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015101529A (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 信越半導体株式会社 シリコン単結晶の炭素濃度測定方法
JP2015156420A (ja) * 2014-02-20 2015-08-27 信越半導体株式会社 シリコン単結晶中の炭素濃度評価方法及び半導体デバイスの製造方法
JP2015222801A (ja) * 2014-05-23 2015-12-10 グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社 検量線の作成方法、不純物濃度の測定方法、及び半導体ウェハの製造方法
JP2018129460A (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社 検量線の作成方法、炭素濃度測定方法及びシリコンウェハの製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015101529A (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 信越半導体株式会社 シリコン単結晶の炭素濃度測定方法
JP2015156420A (ja) * 2014-02-20 2015-08-27 信越半導体株式会社 シリコン単結晶中の炭素濃度評価方法及び半導体デバイスの製造方法
JP2015222801A (ja) * 2014-05-23 2015-12-10 グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社 検量線の作成方法、不純物濃度の測定方法、及び半導体ウェハの製造方法
JP2018129460A (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社 検量線の作成方法、炭素濃度測定方法及びシリコンウェハの製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3623801A1 (en) * 2018-09-14 2020-03-18 Commissariat à l'Energie Atomique et aux Energies Alternatives Method for determining the thermal donor concentration of a semiconductor sample
WO2020053413A1 (en) * 2018-09-14 2020-03-19 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Method for determining the thermal donor concentration of a semiconductor sample
CN112805556A (zh) * 2018-09-14 2021-05-14 法国原子能及替代能源委员会 用于确定半导体样本的热施主浓度的方法
US11946869B2 (en) 2018-09-14 2024-04-02 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Method for determining the thermal donor concentration of a semiconductor sample
CN112805556B (zh) * 2018-09-14 2024-05-28 法国原子能及替代能源委员会 用于确定半导体样本的热施主浓度的方法
CN113924478A (zh) * 2019-06-06 2022-01-11 日写株式会社 2成分气体的浓度比计算方法以及检测对象气体的浓度计算方法
CN113924478B (zh) * 2019-06-06 2024-03-29 日写株式会社 2成分气体的浓度比计算方法以及检测对象气体的浓度计算方法
CN116858854A (zh) * 2023-09-04 2023-10-10 季华实验室 掺杂浓度的修正方法、装置、电子设备及存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP6617736B2 (ja) 2019-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6617736B2 (ja) 炭素濃度測定方法
JP6098891B2 (ja) シリコン単結晶の炭素濃度測定方法
CN107615470B (zh) 硅外延晶片的制造方法以及评价方法
JP6805015B2 (ja) 検量線の作成方法、炭素濃度測定方法及びシリコンウェハの製造方法
JP6268039B2 (ja) 検量線の作成方法、不純物濃度の測定方法、及び半導体ウェハの製造方法
TWI584352B (zh) 飽和電壓估計方法及矽磊晶晶圓製造方法
JP2015111615A (ja) シリコン単結晶中の炭素濃度評価方法、及び、半導体デバイスの製造方法
JP6693485B2 (ja) 炭素濃度測定方法
WO2014175363A1 (ja) 成分濃度計測装置と方法
JP6844561B2 (ja) 酸素濃度評価方法
JP2019124483A (ja) 炭素濃度評価方法
JP2012515344A (ja) 少なくとも2つの元素を含む試料を調査するための分光測定方法
JP6933201B2 (ja) 炭素濃度測定方法
JP6340223B2 (ja) 薄膜中の不純物濃度の測定方法及びその測定装置
KR20080003958A (ko) 엑스선 분석장치 및 이를 이용한 엑스선 세기 보정방법
WO2016163500A1 (ja) 半導体ウェーハの製造方法および半導体ウェーハの評価方法
JP2020085758A (ja) 酸素濃度測定方法
KR20100005461A (ko) 이차이온질량분석기를 이용한 불순물 농도 분석방법
JP2019056625A (ja) 欠陥サイズ分布の測定方法
JP2019196990A (ja) 不純物濃度の測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191028

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6617736

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250