以下に図面を用いて、本実施形態に係る通信システム1を詳細に説明する。
<<システム構成の概略>>
まず、通信システム1の構成の概略について説明する。図1は、本実施形態に係る通信システムの概略図である。
図1に示されているように、本実施形態の通信システム1は、電子黒板2x、電子黒板2y、IC(Integrated Circuit)カード3、スマートフォン4、専有端末管理サーバ5、共有端末管理サーバ6、通信管理サーバ7、中継装置8、MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)9、PC(Personal Computer)10a,10b、及びビデオ会議端末13によって構築されている。なお、以下では、電子黒板2x、電子黒板2yのうち、任意の電子黒板を「電子黒板2」として表わす。また、PC10a,10bのうち、任意のPCを「PC10」として表す。
また、通信システム1を構成する電子黒板2、専有端末管理サーバ5、共有端末管理サーバ6、通信管理サーバ7、中継装置8、MFP9、PC10、及びビデオ会議端末13は、通信ネットワーク100を介して通信することができる。通信ネットワーク100は、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、3G(3rd Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信によるネットワークが含まれてもよい。また、電子黒板2と、ICカード3及びスマートフォン4は、それぞれNFC(Near Field Communication)(登録商標)等の近距離通信技術によって通信可能である。また、スマートフォン4は、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信技術によって電子黒板2と通信してもよい。
また、電子黒板2xと電子黒板2yは、それぞれ利用者によって描画された内容である描画像のデータ(以下、「描画像データ」という)を送受信することができる。そのため、電子黒板2xで描画された内容は電子黒板2yでも表示され、逆に、電子黒板2yで描画された内容は電子黒板2xでも表示される。
また、電子黒板2は、描画像データからRPCS(Refined Printing Command Stream)形式の画像データを作成し、通信ネットワーク100を介してMFP9に送信することができる。更に、電子黒板2は、描画像データからPDF(Portable Document Format)形式の画像データを作成して電子メールに添付した後、通信ネットワーク100を介してPC10に電子メールを送信することができる。これにより、MFP9は描画像を印刷することができ、PC10は描画像を表示することができる。
また、電子黒板2は、利用者によって描画されていない資料等の非描画像も表示することができる。この場合も、電子黒板2は、非描画像のデータ(以下、「非描画像データ」という)からRPCS形式の画像データを作成し、通信ネットワーク100を介してMFP9に送信することができる。更に、電子黒板2は、非描画像データからPDF形式の画像データを作成して電子メールに添付した後、通信ネットワーク100を介してPC10に電子メールを送信することができる。
なお、RPCS形式の画像データ及びPDF形式の画像データは、元の描画像又は元の非描画像としての画像に係るデータである。また、電子黒板2は共有端末の一例であり、複数の利用者が同時に同じ画像を閲覧する(見る)ことができる。ICカード3及びスマートフォン4は、専有端末の一例である。MFP9は、印刷装置の一例である。PC10は、個人端末の一例である。また、RPCS形式だけでなく、PCL(Printer Control Language)形式、PDL(Page Description Language)形式、又はPS(PostScript)形式であってもよい。
図1では、利用者Aは、ICカード3を所有しており、電子黒板2を利用した会議にICカード3を持参している。利用者Bは、スマートフォン4を所有しており、電子黒板2を利用した会議にスマートフォン4を持参している。PC10aは、利用者が所有しているPCである。PC10bは、利用者Bが所有しているPCである。また、電子黒板2は、ビデオ通話機能を有しており、通信ネットワーク100を介してビデオ会議端末13と映像及び音声による会議等を行なうことができる。
専有端末管理サーバ5は、専有端末を識別するための端末ID(Identification)を管理する。共有端末管理サーバ6は、各利用者が所有するPCの電子メールアドレスを管理する。通信管理サーバ7は、電子黒板2等の複数の共有端末間でビデオ通話する場合の通信を管理する。中継装置8は、電子黒板2等の複数の共有端末間で、ビデオ通話する場合の画像データ及び音データを中継する装置である。
<<ハードウェア構成>>
続いて、図2乃至図7を用いて、通信システム1を構築する装置又は端末のハードウェア構成を説明する。
<電子黒板のハードウェア構成>
図2は、電子黒板のハードウェア構成図である。図2に示されているように、電子黒板2は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、SSD(Solid State Drive)204、ネットワークI/F205、及び、外部機器接続I/F(Interface)206を備えている。
これらのうち、CPU201は、電子黒板2全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、電子黒板用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークコントローラ205は、通信ネットワーク100との通信を制御する。外部機器接続I/F206は、USB(Universal Serial Bus)メモリ2600、外付け機器(マイク2200、スピーカ2300、カメラ2400)との通信を制御する。
また、電子黒板2は、キャプチャデバイス211、GPU212、ディスプレイコントローラ213、接触センサ214、センサコントローラ215、電子ペンコントローラ216、近距離通信回路219、及び近距離通信回路219のアンテナ219aを備えている。
これらのうち、キャプチャデバイス211は、PC10のディスプレイ508に対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)212は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像をディスプレイ220等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ214は、ディスプレイ220上に電子ペン2500やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ220の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ220に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ253の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ215に出力し、センサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ216は、電子ペン2500と通信することで、ディスプレイ220へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路219は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
更に、電子黒板2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
なお、接触センサ214は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン2500のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン2500のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
<ICカードのハードウェア構成>
図3は、ICカードのハードウェア構成図である。ここでは、非接触型の構成について説明するが、接触型を利用してもよい。図3に示されているように、ICカード3は、ICチップ、及びアンテナコイル330を備えている。更に、ICチップ310は、CPU311、ROM312、RAM313、EEPROM314、アンテナI/F318を備えている。
これらのうち、CPU311は、ICカード3全体の動作を制御する。ROM312は、CPU311の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM313は、CPU311のワークエリアとして使用される。EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)314は、ICカード3用のプログラムや、ICカード3を識別するための端末ID等の各種データを記憶する。アンテナI/F318は、アンテナコイル330を介して、外部装置と行なうデータの送受信を制御する。
更に、ICカード3は、バスライン320を備えている。バスライン320は、図3に示されているCPU311等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
アンテナコイル330は、ICカード3が外部装置の発生する磁界を通過する際に、この磁気を受けて電流を発生するためのコイルである。ICカード3は、この電気を利用することで、ICチップ310が起動し、外部装置のリーダ・ライタと交信し、データの取得や提供が可能になる。
<スマートフォンのハードウェア構成>
図4は、スマートフォンのハードウェア構成図である。図4に示されているように、スマートフォン4は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、CMOSセンサ405、加速度・方位センサ406、メディアI/F408、GPS受信部409を備えている。
これらのうち、CPU401は、スマートフォン4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像し画像データを得る。加速度・方位センサ406は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F408は、フラッシュメモリ等の記録メディア407に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部409は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、スマートフォン4は、遠距離通信回路411、カメラ412、撮像素子I/F413、マイク414、スピーカ415、音入出力I/F416、ディスプレイ417、外部機器接続I/F418、近距離通信回路419、近距離通信回路419のアンテナ419a、及びタッチパネル421を備えている。
これらのうち、遠距離通信回路411は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と通信する回路である。カメラ412は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F413は、カメラ412の駆動を制御する回路である。マイク414は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F416は、CPU401の制御に従ってマイク414及びスピーカ415との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ417は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機ELなどの表示手段の一種である。外部機器接続I/F418は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路419は、NFCやBluetooth等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ417を押下することで、スマートフォン4を操作する入力手段の一種である。
また、スマートフォン4は、バスライン410を備えている。バスライン410は、図4に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
<サーバ、PCのハードウェア構成>
図5は、サーバ、PCのハードウェア構成図である。なお、専有端末管理サーバ5、共有端末管理サーバ6、通信管理サーバ7、中継装置8、PC10a,10bは、基本的に同様のハードウェア構成であるため、ここでは、専有端末管理サーバ5のハードウェア構成について説明する。また、以降の説明では、共有端末管理サーバ6、通信管理サーバ7、中継装置8及びPC10a,10bのハードウェア構成について説明する場合には、図5に示されている各構成を用いて説明する。
専有端末管理サーバ5は、コンピュータによって構築されており、図5に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)505、記録メディア506、メディアI/F507、ディスプレイ508、ネットワークI/F509、キーボード511、マウス512、CD−ROMドライブ514、及び、バスライン510を備えている。
これらのうち、CPU501は、専有端末管理サーバ5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDD(Hard Disk Drive)505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。メディアI/F507は、フラッシュメモリ等の記録メディア506に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。ディスプレイ508は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。マウス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。CD−ROMドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
また、専有端末管理サーバ5は、バスライン510を備えている。バスライン510は、図5に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
<MFPのハードウェア構成>
図6は、MFPのハードウェア構成図である。図6に示されているように、MFP9は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM−P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM−C)907、HDD908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
これらのうち、CPU901は、MFP9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM−P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM−P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
MEM−P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、FD、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM−C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM−C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
MEM−C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM−P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、MFP9全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
なお、MFP9は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
図7は、本実施形態に係るビデオ会議端末のハードウェア構成図である。図7に示されているように、ビデオ会議端末13は、CPU101、ROM102、RAM103、フラッシュメモリ104、SSD105、メディアI/F107、操作ボタン108、電源スイッチ109、バスライン110、ネットワークI/F111、カメラ112、撮像素子I/F、マイク114、スピーカ115、音入出力I/F116、ディスプレイI/F117、外部機器接続I/F118、近距離通信回路119、近距離通信回路119のアンテナ119aを備えている。これらのうち、CPU101は、ビデオ会議端末13全体の動作を制御する。ROM102は、IPL等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される。フラッシュメモリ104は、通信用プログラム、画像データ、及び音データ等の各種データを記憶する。SSD105は、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、SSDに代えてHDDを用いてもよい。メディアI/F107は、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。操作ボタン108は、ビデオ会議端末13の宛先を選択する場合などに操作されるボタンである。電源スイッチ109は、ビデオ会議端末13の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
また、ネットワークI/F111は、インターネット等の通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。カメラ112は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F113は、カメラ112の駆動を制御する回路である。マイク114は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F116は、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイI/F117は、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを送信する回路である。外部機器接続I/F118は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路119は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
また、バスライン110は、図2に示されているCPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示手段の一種である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
なお、カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。外部機器接続I/F118には、USBケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
また、記録メディア106は、ビデオ会議端末13に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM等を用いてもよい。
<<電子黒板の画面例>>
図8を用いて、電子黒板2の画面例について説明する。図8は、電子黒板のディスプレイに表示された画面例である。電子黒板2はディスプレイ220上に、図8(A)に示されているような描画画面230を表示させる。この描画画面230には、利用者によって電子ペン2500等で描画された画像像が表示される。また、描画画面230の右下部には、「メニュー」ボタン231及び「終了」ボタン237が表示されている。描画画面230の左下部には、「設定」ボタン233が表示されている。
「メニュー」ボタン231は、電子黒板2の各種機能を実行する際に、利用者によって押下されるボタンである。「設定」ボタン233は、後述のセキュリティ設定画面300を表示するためのボタンである。「終了」ボタン237は、利用者がログアウトして画面表示を行なわないようにする際に、利用者によって押下されるボタンである。ここで、利用者が電子ペン2500等により、「メニュー」ボタン231を押下すると、電子黒板2は、図8(B)に示されているように、描画画面230上に、各種機能を選択するためのメニュー選択画面232を表示させる。
メニュー選択画面232は、図8(B)に示されているように、「読み込み」ボタン234、「保存」ボタン235、「印刷」ボタン236、「メール送信」ボタン237、及び「QRコード」ボタン239が表示されている。
これらのうち、「読み込み」ボタン234は、電子黒板2が、既に描画されてSSD204に保存されている描画像データを読み込んで、ディスプレイ220上に表示させるためのボタンである。「保存」ボタン235は、電子黒板2が、利用者によって描画された描画像を描画像データとしてSSD204に保存するためのボタンである。「印刷」ボタン236は、電子黒板2が描画画面230に表示されている描画像を、MFP9等で印刷させるためのボタンである。「メール送信」ボタン237は、電子黒板2が利用者のPC等に対して、描画画面230に表示されている描画像を描画像データとして電子メールに添付して送信するためのボタンである。「QRコード」ボタン239は、電子黒板2がディスプレイ220上に自装置を識別するための装置IDを表すQRコードを表示するためのボタンである。
また、利用者が表示させることができる画面として、電子黒板2はディスプレイ220上に、図15(D)に示されているセキュリティ設定画面300を表示させることができる。このセキュリティ設定画面300には、電子黒板2の起動時にログイン認証を行なうか否かを選択するためのチェックボックス301が表示されている。また、セキュリティ設定画面300には、電子黒板2の起動時に専有端末管理サーバ5にログイン(第1のログイン)しないで電子黒板2を使用する場合であっても、電子黒板2を共有のテレビ会議端末として使用する場合に、通信管理サーバ7にログイン(第2のログイン)するために必要な共有端末IDとパスワードを入力するための入力欄302,303が表示されている。更に、セキュリティ設定画面300の右下部には、チェックボックス301へのチェックの有無、及び入力欄302,303への入力内容を確定するための「設定」ボタン307が表示されている。利用者が、入力欄302,303にそれぞれ共通端末IDとパスワードを入力し、「設定」ボタン307を押下すると、記憶・読出処理部29が、記憶部2000に共有端末ID(「登録共有端末ID」ともいう)及びパスワード(「登録パスワード」ともいう)を記憶して登録する。なお、登録共有端末IDは、登録識別情報の一例である。また、セキュリティ設定画面300は、電子黒板2のディスプレイ220ではなく、PC10等に表示するようにしてもよい。
また、図8(B)に戻り、利用者が電子ペン2500等により、「終了」ボタン237を押下すると、電子黒板2は、図8(C)に示されているように、描画画面230上に、ログアウトして表示を終了するための終了画面238を表示させる。
終了画面238は、図8(C)に示されているように、「一次保存して終了」ボタン238a、「終了」ボタン238b、及び「キャンセル」ボタン238cが表示されている。
これらのうち、「一次保存して終了」ボタン238aは、描画像データを一次保存するとともにログアウト及び表示の終了を行なうためのボタンである。「終了」ボタン238bは、そのままログアウト及び表示の終了を行なうためのボタンである。即ち、次にログインした場合には、描画像データは表示されない。「キャンセル」ボタン238cは、終了画面の表示を止めて、図8(A)に示されている元の描画画面230に戻るためのボタンである。
なお、上記各IDは、識別情報の一例である。即ち、装置IDは、装置識別情報の一例である。端末IDは、端末識別情報の一例である。利用者IDは、利用者識別情報の一例である。また、装置識別情報及び端末識別情報には、製造番号も含まれる。また、利用者識別情報には、社員番号、運転免許書番号、日本の社会保障・税番号制度におけるマイナンバー等が含まれる。
また、上記各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク、SDカード等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。
更に、各サーバ5,6,7、及び中継装置8は、それぞれ単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能、手段、又は記憶部)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
<<通信システムの機能構成>>
続いて、図9乃至図13を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。図9は、通信システムの機能ブロック図である。なお、図9では、図1に示されている各端末、装置、サーバのうち、後述の処理または動作に関連しているものが示されている。
<電子黒板の機能構成>
図9に示されているように、電子黒板2は、送受信部21、受付部22、画像・音処理部23、表示制御部24、判断部25、作成部26b、作成部26a、設定部27、取得・提供部28、記憶・読出処理部29を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、SSD204からRAM203上に展開された電子黒板用プログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、電子黒板2は、図2に示されているRAM203及びSSD204によって構築される記憶部2000を有している。
(電子黒板の各機能構成)
次に、電子黒板2の各構成要素について説明する。送受信部21は、図2に示されているCPU201からの命令、並びにネットワークI/F205及び外部機器接続I/F206によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
受付部22は、主に、図2に示されているCPU201からの命令、並びに接触センサ214及び電子ペンコントローラ216によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
画像・音処理部23は、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、カメラ2900が被写体を撮像して得た画像データに対して画像処理を行なう。また、画像・音処理部23は、マイク2700によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音データに対して音声処理を行なう。更に、画像・音処理部23は、音データに係る音声信号をスピーカ2800に出力し、スピーカ2800から音声を出力させる。また、画像・音処理部23は、利用者によって電子ペン2500や手Hでディスプレイ220上に描画されることで得た描画像データを座標データに変換する処理を行なう。例えば、電子黒板2xが、他の拠点の電子黒板2yに座標データを送信すると、電子黒板2yは、座標データに基づいて他の電子黒板2y側のディスプレイ220上に同じ内容の描画を表示する。
表示制御部24は、図2に示されているCPU201からの命令、及び図2に示されているディスプレイコントローラ213によって実現され、ディスプレイ220に描画像を表示させる。
判断部25は、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、ICカード3やスマートフォン4から、端末IDを取得したかの判断等を行なう。
また、作成部26は、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、利用者による描画によって得られたビットマップ形式の描画像データから、PDF形式の画像データを作成する。また、作成部26は、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、利用者による描画によって得られたビットマップ形式の描画像データから、RPCS形式の画像データを作成する。なお、RPCS形式だけでなく、PDL形式、又はPS形式であてもよい。
設定部27は、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、例えば、電子メールの送信元及び送信先の設定や、印刷データの印刷者名の設定を行なう。
取得・提供部28は、図2に示されているCPU201からの命令、及び近距離通信回路219及びアンテナ219aによって実行され、ICカード3又はスマートフォン4との間で、近距離通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部29は、図2に示されているCPU201からの命令及びSSD204によって実行され、記憶部2000又は記録媒体2100に各種データを記憶したり、記憶部2000又は記録媒体2100に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。更に、記憶部2000には、他の電子黒板やビデオ会議端末との通信を行う際に受信される画像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ220に画像が表示され、上書きされる前の音データによってスピーカ2800から音声が出力される。記録媒体2100は、図2に示されているUSBメモリ2600によって実現される。
<ICカードの機能構成>
図9に示されているように、ICカード3は、取得・提供部38、記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM314からRAM313上に展開されたICカード用プログラムに従ったCPU311からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、ICカード3は、図3に示されているRAM313及びEEPROM314によって構築される記憶部3000を有している。
(ICカードの各機能構成)
次に、ICカード3の各構成要素について説明する。取得・提供部38は、図3に示されているCPU311からの命令、アンテナコイル330によって実行され、電子黒板2との間で、近距離通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部39は、図3に示されているCPU311からの命令によって実行され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。更に、記憶部3000には、専有端末の一例としてのICカードを識別するための端末IDが記憶されている。
<スマートフォンの機能構成>
図9に示されているように、スマートフォン4は、取得・提供部48、記憶・読出処理部49を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM404からRAM403上に展開されたスマートフォン用プログラムに従ったCPU401からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、スマートフォン4は、図4に示されているRAM403及びEEPROM404によって構築される記憶部4000を有している。
(スマートフォンの各機能構成)
次に、スマートフォン4の各構成要素について説明する。取得・提供部48は、図4に示されているCPU401からの命令、近距離通信回路419、アンテナ419aによって実行され、電子黒板2との間で、近距離通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部49は、図4に示されているCPU401からの命令によって実行され、記憶部4000に各種データを記憶したり、記憶部4000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。なお、記憶部4000には、専有端末の一例としてのスマートフォン4を識別するための端末IDが記憶されている。
<専有端末管理サーバの機能構成>
専有端末管理サーバ5は、送受信部51、認証部52、判断部55及び記憶・読出処理部59を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された専有端末管理用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、専有端末管理サーバ5は、図5に示されているHD504により構築される記憶部5000を有している。
(専有端末管理テーブル)
図10(A)は、専有端末管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図10(A)に示されているような専有端末管理テーブルによって構成されている専有端末管理DB5001が構築されている。この専有端末管理テーブルでは、専有端末管理サーバ5によって管理される全ての専有端末(ICカード3、スマートフォン4)を識別するための各専有端末IDに対して、各専有端末の所有者である利用者を識別するための利用者ID、及び利用者名が関連付けられて管理される。なお、専有端末IDは、専有端末識別情報の一例である。
(専有端末管理サーバの各機能構成)
次に、専有端末管理サーバ5の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、専有端末管理サーバ5の各機能構成を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、専有端末管理サーバ5の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図9に示されている専有端末管理サーバ5の送受信部51は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
認証部52は、図5に示されているCPU501からの命令によって実現され、電子黒板2から送られて来る端末IDが、予め登録されている利用者の専有端末(ICカード3、スマートフォン4)であるかを判断する。
判断部55は、図5に示されているCPU501からの命令によって実現され、各種判断を行う。
記憶・読出処理部59は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているHDD505によって実現され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<共有端末管理サーバの機能構成>
共有端末管理サーバ6は、送受信部61、及び記憶・読出処理部69を有している。これら各部は、図9に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された共有端末管理用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、共有端末管理サーバ6は、図5に示されているHD504により構築される記憶部6000を有している。
(共有端末管理テーブル)
図10(B)は、共有端末管理テーブルを示す概念図である。記憶部6000には、図10(B)に示されているような共有端末管理テーブルによって構成されている共有端末管理DB6001が構築されている。この共有端末管理テーブルでは、共有端末管理サーバ6によって管理される全ての利用者を識別するための各利用者IDに対して、全ての共有端末を識別するための各共有端末ID、及び各パスワードが関連付けられて管理される。共有端末ID及びパスワードは、通信管理サーバ7に対してログインする際に使用される。なお、共有端末IDは、共有端末識別情報の一例である。
(共有端末管理サーバの各機能構成)
次に、共有端末管理サーバ6の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、共有端末管理サーバ6の各機能構成を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、共有端末管理サーバ6の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図9に示されている共有端末管理サーバ6の送受信部61は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
記憶・読出処理部69は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているHDD505によって実現され、記憶部6000に各種データを記憶したり、記憶部6000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<通信管理サーバの機能構成>
通信管理サーバ7は、送受信部71、判断部72、及び記憶・読出処理部79を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された通信管理用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、通信管理サーバ7は、図5に示されているHD504により構築される記憶部7000を有している。
(認証管理テーブル)
図11は、認証管理テーブルを示す概念図である。記憶部7000には、図11に示されているような認証管理テーブルによって構成されている認証管理DB7001が構築されている。この認証管理テーブルでは、通信管理サーバ7によって管理される全ての共有通信端末の各共有端末IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。
(稼動状態管理テーブル)
図12は、稼動状態管理テーブルを示す概念図である。記憶部7000には、図12に示されているような稼動状態管理テーブルによって構成されている稼動状態管理DB7002が構築されている。この稼動状態管理テーブルでは、各共有通信端末の共有端末ID毎に、各共有通信端末を宛先とした場合の宛先名、各共有通信端末の稼動状態、後述のログイン要求情報が通信管理サーバ7で受信された受信日時、及び共有通信端末のIPアドレスが関連付けられて管理される。なお、共有端末ID、宛先名、及び共有端末のIPアドレスは、各共有通信端末が、通信管理サーバ7によるサービスの提供を受けるために事前登録する際に記憶される。
(宛先リスト管理テーブル)
図13は、宛先リスト管理テーブルを示す概念図である。記憶部7000には、図13に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB7003が構築されている。この宛先リスト管理テーブルでは、通信の開始を要求する共有端末である開始共有端末の共有端末IDに対して、宛先の共有端末の候補として登録されている宛先共有端末の共有端末IDが全て関連付けられて管理される。
なお、宛先リストは、宛先情報の一例であり、宛先情報には、リスト形式になっておらず、共有端末ID等の宛先に関する情報が羅列されていてもよい。
(通信管理サーバの各機能構成)
次に、通信管理サーバ7の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、通信管理サーバ7の各機能構成を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、通信管理サーバ7の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図11に示されている通信管理サーバ7の送受信部71は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
判断部72は、図5に示されているCPU501からの命令によって実現され、各種判断を行なう。
記憶・読出処理部79は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているHDD505によって実現され、記憶部7000に各種データを記憶したり、記憶部7000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<中継装置の機能構成>
中継装置8は、転送部を兼ねた送受信部81、判断部82、及び記憶・読出処理部89を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された中継用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、中継装置8は、図5に示されているRAM503、HD504によって構築される記憶部8000を有している。
(中継装置の各機能構成)
次に、中継装置8の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、中継装置8の各機能構成を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、中継装置8の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図8に示されている中継装置8の送受信部81は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。また、送受信部81は、転送部としての役割も果たし、所定の共有端末から送信されて来た画像データ及び音データを、他の共有端末に転送する。
判断部82は、図5に示されているCPU501からの命令によって実現され、データの遅延状態の判断等を行なう。
記憶・読出処理部89は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているHDD505によって実現され、記憶部8000に各種データを記憶したり、記憶部8000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<<実施形態の処理または動作>>
続いて、本実施形態の処理または動作について説明する。ここでは、図1において、ある会議室で利用者A,Bが電子黒板2xを利用して描画を行なうことで会議している場合であって、利用者Aが電子黒板2xのビデオ通話(映像通話)の機能を利用して、他の電子黒板2yとビデオ通話をする場合について説明する。
<第1のログイン処理>
まずは、図14乃至図18を用いて、利用者Aが描画を開始するために、ICカード3を利用して専有端末管理サーバ5に対して行なうログイン処理(第1のログイン処理)について説明する。図14は、専有端末管理サーバに対するログイン処理を示したシーケンス図である。なお、以降、各種要求、及び各種結果は、それぞれデータ(情報)として送受信される。
まず、利用者Aは会議を開始するために、電子黒板2xの電源スイッチ222を押下すると、電子黒板2xは、認証設定の有無を判断する(ステップS10)。ここで、図17を用いて、ステップS10の認証設定の有無の判断の処理について詳細に説明する。図17は、認証設定の有無の判断の処理を示すフローチャートである。
図17に示されているように、判断部25は、設定部27によって起動時にログイン認証を行なう設定にしているかを判断する(ステップS10−1)。そして、判断部25が、設定していないと判断した場合には(NO)、記憶・読出処理部29が、記憶部2000から、既に登録されることで記憶されている、第2のログイン要求用の開始共有端末ID及びパスワードを読み出す(ステップS10−2)。この場合、後述のステップS101に進み、ステップS10−2によって読み出された共有端末ID(登録共有端末ID)及びパスワード(登録パスワード)が送信される。
一方、判断部25が、設定していると判断した場合には、ステップS11に進む。ここでは、判断部25が、設定していると判断した場合について、引き続き説明する。
表示制御部24が、図15(A)に示されているように、ディスプレイ220上にログイン画面170を表示する(ステップS11)。次に、図16に示されているように、利用者Aが、電子黒板2xの近距離通信部221に、自己のICカード3を近接する(かざす)と、電子黒板2xの取得・提供部28が、ICカード3の取得・提供部38からICカードの専有端末IDを取得する(ステップS12)。そして、電子黒板2xの送受信部21は、専有端末管理サーバ5に対して、第1のログイン認証の要求を示す第1のログイン要求情報を送信する(ステップS13)。この第1のログイン認証要求情報には、ステップS12によって取得された専有端末IDが含まれている。これにより、専有端末管理サーバ5の送受信部51は、第1のログイン認証要求情報を受信する。
次に、専有端末管理サーバ5の認証部52は、専有端末IDを利用してICカード3のログイン認証を行なう(ステップS14)。具体的には、記憶・読出処理部59は、ステップS13によって受信された専有端末IDを検索キーとして、専有端末管理テーブル(図10(A)参照)において、専有端末IDに対応する利用者IDを検索する。対応する利用者IDがある場合には、認証部52は、正当なICカード(専有端末ID)であると判断する。対応する利用者IDがない場合には、認証部52は、正当なICカード(専有端末ID)ではないと判断する。
次に、専有端末管理サーバ5の送受信部51は、電子黒板2xに対して、認証結果を送信する(ステップS15)。認証部52が正当なICカードであると判断した場合には、認証結果に、正当である旨を示す情報、利用者ID及び利用者名が含まれている。また、認証部52が正当なICカードでないと判断した場合には、認証結果に、正当でない旨を示す情報が含まれている。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、認証結果を受信する。
次に、電子黒板2xは、認証結果に基づく処理を行なう(ステップS16)。ここで、図18を用いて、ステップS16の認証結果に基づく処理について詳細に説明する。図18は、ログインする場合の認証結果に基づく処理示すフローチャートである。
図18に示されているように、判断部25は、ステップS15によって受信された認証結果が正当である旨を示す情報であるか(即ち、ステップS13によって送信された専有端末IDが正当であるか)を判断する(ステップS16−1)。そして、判断部25が正当である旨を示す情報でないと判断した場合、即ちログインに失敗したと判断した場合には(NO)、表示制御部24が、ディスプレイ220上に、図15(B)に示されているように、エラー画面180を表示する(ステップS16−2)。また、判断部25が正当である旨を示す情報であると判断した場合、即ちログインに成功したと判断した場合には(YES)、後述のステップS17に進む。以降、正当である場合に関して、説明を続ける。
電子黒板2xの送受信部21は、共有端末管理サーバ6に対して、ビデオ会議を開始するために、通信管理サーバ7にログインするための共有端末ID及びパスワードの要求を示す共有端末ID及びパスワードの要求情報を送信する(ステップS17)。この要求には、上記ステップS15によって受信された利用者IDが含まれている。これにより、共有管理サーバ6の送受信部61は、共有端末ID及びパスワードの要求情報を受信する。
次に、共有端末管理サーバ6では、記憶・読出処理部69が、ステップS17によって受信された利用者IDを検索キーとして、共有端末管理テーブル(図10(B)参照)を検索することにより、対応する共有端末ID及びパスワードを読み出す(ステップS18)。そして、送受信部61は、電子黒板2xに対して共有端末ID及びパスワードを送信する(ステップS19)。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、通信管理サーバ7にログインするための共有端末ID(「受信共有端末ID」ともいう)及びパスワード(「受信パスワード」ともいう)を受信する。なお、受信共有端末IDは、受信識別情報の一例である。
これにより、表示制御部24は、ディスプレイ220上に、図15(C)に示されているような描画開始画面190を表示する。この描画開始画面190には、「ようこそ、Katoさん」等の描画を開始することができる旨を示すティッカー(Ticker)による表示を行なう。この「Kato」の文字は、ステップS15によって受信された利用者名が利用されている。以上によって、利用者A,Bは、電子黒板2xに描画を行なうことができる。
<第2のログイン処理>
続いて、図19及び図20を用いて、ビデオ通話を開始するための通信管理サーバへのログイン処理(第2のログイン処理)について説明する。図19は、ビデオ通話を開始するための通信管理サーバへのログイン処理を示したシーケンス図である。図20は、宛先リストの概念図である。
まず、図14に示されているステップS19の処理が終了すると、電子黒板2xの送受信部21aは、引き続き自動的に通信管理サーバ7に対して、第2のログイン要求を示す第2のログイン要求情報を送信する(ステップS101)。この第2のログイン要求情報には、自端末である電子黒板2xを識別するための共有端末ID、及びパスワードが含まれている。
これらの共有端末ID及びパスワードは2種類存在する。1種類目は、予め登録されている第1の共有端末IDとしての登録共有端末ID及び第1のパスワードとしての登録パスワードである。これらは、上述のステップS10−1において、判断部25により認証設定が有効でないと判断された場合に、ステップS101の送信対象となる。
2種類目は、上述のステップS19において共有端末管理サーバ6から送られて来た第2の共有端末IDとしての取得共有端末ID及び第2のパスワードとしての取得パスワードである。これらは、上述のステップS10−1において、判断部25により認証設定が有効であると判断された後、最終的に共有端末管理サーバ6から送られて来た場合に、ステップS101の送信対象となる。
これら共有端末ID、及びパスワードは、記憶・読出処理部29を介して記憶部2000から読み出されて、送受信部21に送られたデータである。
次に、通信管理サーバ7の記憶・読出処理部79は、送受信部71を介して受信した第2のログイン要求情報に含まれている共有端末ID及びパスワードを検索キーとして、認証管理テーブル(図11参照)を検索し、同一の共有端末ID及び同一のパスワードが管理されているかを判断することによって共有端末の認証を行う(ステップS102)。この記憶・読出処理部79によって、同一の共有端末ID及び同一のパスワードが管理されているため、正当な利用権限を有する共有端末からのログイン要求であると判断された場合には、記憶・読出処理部79は、稼動状態管理テーブル(図12参照)において、上記ステップS101で受信された共有端末IDのレコードの稼動状態のフィールド部分を「ONライン(通信可能)」に変更すると共に、受信日時のフィールド部分に上記ステップS101によってログイン要求情報が受信された受信日時を記憶する(ステップS103)。これにより、稼動状態管理テーブルには、共有端末ID「01aa」に、稼動状態「オンライン(通信可能)」、受信日時「2015.4.10.13:40」及びIPアドレス「1.2.1.3」が関連付けて管理されることになる。なお、端末のIPアドレスは、事前に登録されているのではなく、上記ステップS101で電子黒板2xから送信されるようにしてもよい。
そして、通信管理サーバ7の送受信部71は、記憶・読出処理部79によって得られた認証結果を、通信ネットワーク100を介して、上記ログイン要求してきた開始共有端末(電子黒板2x)に送信する(ステップS104)。本実施形態では、記憶・読出処理部79によって正当な利用権限を有する共有端末であると判断された場合につき、以下続けて説明する。
開始共有端末(電子黒板2x)の送受信部21が、正当な利用権限を有する共有端末であると判断された結果が示された認証結果を受信すると、送受信部21が通信管理サーバ7に対して、宛先リストの要求を示す宛先リスト要求情報を送信する(ステップS105)。これにより、通信管理サーバ7の送受信部71は、宛先リスト要求情報を受信する。
次に、記憶・読出処理部79は、ログイン要求した開始共有端末(電子黒板2x)の共有端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理テーブル(図13参照)を検索し、開始共有端末(電子黒板2x)と通信することができる宛先候補の共有端末IDを読み出すと共に、この共有端末IDに対応する宛先名を稼動状態管理テーブル(図12参照)から読み出す(ステップS106)。ここでは、開始共有端末(電子黒板2x)の共有端末ID「01aa」に対応する宛先候補のそれぞれの共有端末IDと、これらに対応する宛先名が抽出される。
次に、通信管理サーバ7の送受信部71は、記憶・読出処理部79を介して記憶部7000から宛先リスト枠のデータ及び稼動状態を示すアイコンのデータを読み出す(ステップS107)と共に、この宛先リスト枠及びアイコン並びに上記記憶・読出処理部79によって読み出された共有端末ID及び宛先名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、アイコン、共有端末ID、宛先名)」を、開始共有端末(電子黒板2x)に送信する(ステップS108)。これにより、開始共有端末(電子黒板2x)では、送受信部21が宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部29が記憶部2000へ宛先リスト情報を記憶する(ステップS109)。
このように、本実施形態では、各共有端末で宛先リスト情報を管理するのではなく、通信管理サーバ7が全ての共有端末の宛先リスト情報を一元管理している。よって、通信システム1に新たな共有端末が含まれるようになったり、既に含まれている共有端末に替えて新機種の共有端末を含めるようになったり、宛先リスト枠の見栄え等を変更することになった場合でも、通信管理サーバ7側で一括して対応するため、各共有端末側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
また、通信管理サーバ7の記憶・読出処理部79は、上述の読み出した宛先候補の共有端末IDを検索キーとして、稼動状態管理テーブル(図12参照)を検索し、上記共有端末ID毎に、対応する稼動状態を読み出すことで、宛先候補としての共有端末の各稼動状態を取得する(ステップS110)。
次に、送受信部71は、上記ステップS106で使用された検索キーとしての各共有端末IDと、対応する各宛先共有端末の稼動状態とが含まれた「共有端末の状態情報」を、開始共有端末(電子黒板2x)に送信する(ステップS111)。
次に、開始共有端末(電子黒板2x)の記憶・読出処理部79aは、順次、通信管理サーバ7から受信した共有端末の状態情報を記憶部2000に記憶する(ステップS112)。よって、開始共有端末(電子黒板2x)は、上記各共有端末の状態情報を受信することで、開始共有端末(電子黒板2x)と通信することができる宛先候補である共有端末2等の現時点のそれぞれの稼動状態を取得することができる。
次に、開始共有端末(電子黒板2x)の表示制御部24は、記憶部2000に記憶されている宛先リスト情報、及び共有端末の状態情報に基づいて、宛先候補としての共有端末の状態を反映させた宛先リストを作成すると共に、表示制御部24が、図2に示されているディスプレイ120に対して、図20に示されている宛先リストを表示する(ステップS113)。なお、稼動状態を示すアイコンは、各宛先の左端に示されている。図20では、各通信端末の稼動状態を示したアイコンが、上から「オンライン(通信可能)」、「オフライン」、「オンライン(通信可能)」、及び「オンライン(通信中)」であることを示している。
一方、通信管理サーバ7の記憶・読出処理部79は、ログイン要求してきた開始共有端末(電子黒板2x)の共有端末ID「01aa」に基づいて宛先リスト管理テーブル(図13参照)を検索することにより、上記要求共有元端末(電子黒板2x)の共有端末ID「01aa」を宛先候補として登録している他の開始共有端末の共有端末IDを抽出する(ステップS114)。図13に示されている宛先リスト管理テーブルでは、読み出される他の開始共有端末の共有端末IDは、「01ab」、「01ac」等である。
次に、通信管理サーバ7の記憶・読出処理部79は、上記ログイン要求して来た開始端末(電子黒板2x)の共有端末ID「01aa」に基づいて稼動状態管理テーブル(図12参照)を検索し、ログイン要求してきた開始端末(電子黒板2x)の稼動状態を取得する(ステップS115)。
そして、送受信部71は、上記ステップS114で抽出された共有端末IDに係る共有端末のうち、稼動状態管理テーブル(図12参照)で稼動状態が「オンライン」となっている共有端末に、上記ステップS115で取得された開始共有端末(電子黒板2x)の共有端末ID「01aa」と稼動状態「オンライン」が含まれる「共有端末の状態情報」を送信する(ステップS116)。なお、送受信部71が共有端末に共有端末の状態情報を送信する際に、各共有端末IDに基づいて、稼動状態管理テーブル(図12参照)で管理されている共有端末のIPアドレスを参照する。これにより、ログイン要求した開始共有端末(電子黒板2x)を宛先候補として通信することができる他の宛先共有端末のそれぞれに、上記ログイン要求した開始共有端末(電子黒板2x)の共有端末ID「01aa」、及び稼動状態「オンライン」を伝えることができる。これにより、宛先候補(共有端末2y等)においても、図20に示されているような宛先候補の稼動状態を表示させることができる(ステップS117)。
<ビデオ通話の通信処理>
続いて、図21を用いて、ビデオ通話の通信処理を説明する。図21は、ビデオ通話の通信方法を示したシーケンス図である。
図21に示されているように、開始共有端末(電子黒板2x)から通信管理サーバ7に対して、ビデオ通話(通信)を開始する処理を行う。具体的には、電子黒板2xの送受信部21は、開始部として、通信管理サーバ7にビデオ通話の開始要求を示す開始要求情報を送信する(ステップS121)。この開始要求情報には、開始共有端末(電子黒板2x)の共有端末ID「01aa」と宛先共有端末(電子黒板2y)の共有端末ID「01da」が含まれている。これにより、通信管理サーバ7の送受信部71は、通信の開始要求情報を受信する。
次に、通信管理サーバ7の記憶・読出処理部79は、開始要求に含まれる開始共有端末(電子黒板2x)の共有端末ID「01aa」及び宛先共有端末(電子黒板2y)の共有端末ID「01da」に基づき、稼動状態管理テーブル(図12参照)において、上記共有端末ID「01aa」、及び共有端末ID「01da」がそれぞれ含まれるレコードの稼動状態のフィールド部分を、ともに「通話中」に変更する(ステップS122)。なお、この状態では、開始共有端末(電子黒板2x)、及び宛先共有端末(電子黒板2y)は、ビデオ通話を開始していないが、通信中状態となり、他の共有端末が開始共有端末(電子黒板2x)又は宛先共有端末(電子黒板2y)とビデオ通話を開始しようとすると、いわゆる通信中状態を示す旨の通知音又は表示が出力される。
次に、通信管理サーバ7の記憶・読出処理部79は、上記ステップS121の処理によって受信された開始共有端末(電子黒板2x)及び宛先共有端末(電子黒板2y)の各共有端末IDを検索キーとして、稼動状態管理テーブル(図12参照)を検索することにより、対応する各IPアドレスを読み出す(ステップS123)。
そして、通信管理サーバ7の送受信部71は、上記ステップS123で読み出された宛先共有端末(電子黒板2y)のIPアドレスに対して、通信の開始要求を示す開始要求情報を送信する(ステップS124)。この開始要求には、上記ステップS121の処理によって受信された各共有端末ID「01aa」,「01da」が含まれている。これにより、宛先端末(電子黒板2y)の送受信部11は、開始要求情報を受信する。
これに対して、宛先共有端末(電子黒板2y)の送受信部11は、通信管理サーバ7に対して、応答可否を示す応答可否情報を送信する(ステップS125)。これにより、通信管理サーバ7の送受信部71は、応答可否情報を受信する。応答可否情報は、通信可能、又は通信不可能である旨を示すが、ここでは、通信可能である旨を示す場合について、以下に説明する。
通信管理サーバ7の送受信部71は、中継装置8に対して、中継の開始要求を示す中継開始要求情報を送信する(ステップ126)。この中継開始要求情報には、上記ステップS123の処理によって読み出された各IPアドレスが含まれている。これにより、中継装置8の送受信部31は、中継開始要求情報を受信する。
更に、通信管理サーバ7の送受信部71は、開始共有端末(電子黒板2x)に対して、上記ステップS125の処理で受信された応答可否情報を送信する(ステップS127)。これにより、開始共有端末(電子黒板2x)の送受信部21は、応答可否情報(ここでは、通信可能)を受信する。
以上により、開始共有端末(電子黒板2x)、中継装置8、及び宛先共有端末(電子黒板2y)の間で、画像・音通信セッション(第2の通信セッション)を確立する(ステップS128−1,2)これにより、電子黒板2x,2yは、2拠点でビデオ通話会議の通話を開始することができる。
なお、第1の機能は、電子黒板2x等の通信端末が、サーバに接続しなくても(通信を行わず)、電子黒板2x等の通信端末で単独で実行できる機能を示し、例えば、電子黒板2xの画面上に電子ペン2500や手書きにより描画する描画機能を含む。また、第2の機能は、電子黒板2x等の通信端末が、サーバに接続することで(通信することで)、電子黒板2x等の通信端末で実行できる機能を示し、例えば、複数の通信端末間において、画像データや音データを通信ネットワーク上で伝送し、双方向の画像や音を確認できるビデオ通話(通信)の機能を含む。この場合、ビデオ通信は、画像と音の通信であるが、音の通信だけであってもよい。
<<本実施形態の主な効果>>
以上説明したように、本実施形態によれば、電子黒板等の描画を実現させる機能等である第1の機能と、ビデオ通話を実現させる機能等である第2の機能とを有する通信端末2xを構築した場合、それぞれの機能を実行するために、それぞれのログイン認証を行なわせることができる。これにより、複数の機能に応じたセキュリティの確保を担保することができるという効果を奏する。
また、本実施形態によれば、電子黒板の機能を実行するために第1のログイン認証が必要な場合と不要な場合の設定を行なうことができる。そして、第1のログイン認証が必要な場合には、電子黒板2xは専有端末管理サーバ5(第1のサーバの一例)に対して、ICカード3から取得した専有端末IDを送信する(S13参照)。専有端末管理サーバ5で第1のログイン認証に成功した場合には、更に、電子黒板2xは、共有端末管理サーバ6(第3のサーバの一例)に対して、通信管理サーバ7(第2のサーバの一例)が第2のログイン認証に利用するための共有端末ID及びパスワードを要求する(S17参照)。次に、電子黒板2xは、通信管理サーバ7に対して、共有端末管理サーバ6から受信した受信共有端末ID及び受信パスワードを送信する(S101)。これにより、通信管理サーバ7が第2のログイン認証を行なう(S102参照)。なお、受信共有端末IDは、受信識別情報の一例である。
また、第1のログイン認証に失敗した場合には、その後に第2のログイン認証まで進まないため、利用者は、電子黒板の機能とテレビ会議の機能の両方を利用することができない。これに対して、第1のログイン認証が不要な場合には、電子黒板2xは、通信管理サーバ7に対して、予め電子黒板2xに登録されている登録共有端末ID及び登録パスワードを送信する(S101参照)。これにより、通信管理サーバ7が第2のログイン認証を行なう(S102参照)。このように、第1のログイン認証の必要又は不要の設定により、第1のログイン認証を省略する場合であっても、第2のログイン認証まで進めることができる。このように、電子黒板の描画機能の実現とテレビ会議の機能の実現において、同等のログイン認証を必要としないことにより、複数の機能の実現の妨げを防止することができる。
また、電子黒板の機能に加えてテレビ会議の機能の実現を拡張するように、複数のログイン認証をすることで機能の実現を拡張するような場合であっても、第1のログイン認証が不要である設定により、一部のログイン認証を省略しても機能の実現を拡張することができるため、複数の機能の実現に柔軟に対応することができる。
<<その他の実施形態>>
次に、図22を用いて、第2の実施形態の処理または動作を説明する。図22は、その他実施形態における画像に係るデータの通信処理を示したシーケンス図である。なお、本実施形態は、図14に示されている実施形態のステップS13,S14の処理に代えて、ステップS213〜S217の処理を実行するため、以降、ステップS213〜S217の処理について説明する。なお、専有端末管理サーバ5は複数設置されていてもよい。
まず、図14に示されているステップS12において、電子黒板2xの取得・提供部28が、ICカード3の取得・提供部38からICカードの端末IDを取得した場合、図22において、電子黒板2xの送受信部21は、専有端末管理サーバ5に対して、接続キーk1を送信する(ステップS213)。これにより、専有端末管理サーバ5の送受信部51は、接続キーk1を受信する。この接続キーk1は、認証する情報を保持している専有端末管理サーバ5のクライアントとして発行されるものであり、あらかじめ電子黒板2xの記憶部2000に記憶されている。
一方、専有端末管理サーバ5側の記憶部5000にも、発行された接続キーk2が保存されている。そして、専有端末管理サーバ5の判断部55は、受信された接続キーk1と保存されている接続キーk2が同じであるか否かを判断することで、アクセス可否の判断を行なう(ステップS214)。接続キーk1と接続キーk2が同じ場合には、判断部55はアクセス可能であると判断する。接続キーk1と接続キーk2が同じでない場合には、判断部55はアクセス不可能であると判断する。
次に、専有端末管理サーバ5の送受信部51は、電子黒板2xに対して、判断結果を送信する(ステップS215)。判断部55がアクセス可能であると判断した場合には、判断結果に、アクセス可能である旨を示す情報、及びアクセス情報a1が含まれている。また、判断部55がアクセス不可能であると判断した場合には、判断結果に、アクセス不可能である旨を示す情報が含まれている。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、判断結果を受信する。なお、アクセス情報a1は、例えば、16文字、32文字、64文字などの一意のランダムな英数字列であり、判断部55によってアクセス可能であると判断された場合に、続けて、判断部55によって生成される情報である。生成されたアクセス情報a1は、記憶・読出処理部59によって記憶部5000に一時的に記憶される。
次に、電子黒板2xは、判断結果に基づく処理を行なう(ステップS216)。この処理の例として、判断結果がアクセス不可能である旨を示す情報を含んでいる場合には、表示制御部24は、ディスプレイ220上に、アクセス不可能である旨の表示を行なう。また、判断結果がアクセス可能である旨を示す情報を含んでいる場合には、ステップS217の処理に進む。以降、アクセス可能である場合に関して、説明を続ける。
電子黒板2xの送受信部21は、専有端末管理サーバ5に対して、認証要求を送信する(ステップS217)。この認証要求には、ステップS12によって取得された端末ID、及びアクセス情報a2が含まれている。これにより、専有端末管理サーバ5の送受信部51は、認証要求を受信する。
次に、専有端末管理サーバ5の認証部52は、アクセス情報a2及び端末IDを利用してICカード3の認証を行なう(ステップS218)。具体的には、判断部55が、受信されたアクセス情報a2と、記憶部5000に一時的に記憶されているアクセス情報a1とが一致しているか否かを判断し、一致していると判断した場合には、更に、上述のステップS14と同様に、認証部52が認証の処理を実行する。一方、判断部55が、受信されたアクセス情報a2と、記憶部5000に一時的に記憶されているアクセス情報a1とが一致していないと判断した場合には、認証部52による認証の処理を実行せずに、送受信部51が、電子黒板2xに対して、正当でない旨を示す情報を送信する。この処理以降は、第1の実施形態におけるステップS14以降の処理と同様であるため、説明を省略する。
なお、ステップS214の処理後に、送受信部51は、アクセス情報を暗号化してからステップS215の送信を行なってもよい。
<本実施形態の主な効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、専有端末管理サーバ5は、端末IDを利用した認証だけでなく、電子黒板2x(共有端末)がライセンスされた正当な端末であるか否かを判定することができるため、第1の実施形態に加えて、更にセキュリティが確保された通信システムを提供することができるという効果を奏する。
また、専有端末管理サーバ5が複数存在する場合、電子黒板2xは、ステップS214でアクセス情報を生成していない専有端末管理サーバに認証要求を送信したときには、アクセス不可であることが応答されるため、認証による正当性を強化することができるという効果を奏する。
<<補足>>
上記実施形態では、受信識別情報の一例としてステップS15で受信された利用者ID又は利用名について説明したが、これに限るものではない。例えば、受信識別情報の他の例として、利用者の電子メールアドレスであってもよい。この場合、専有端末管理サーバ5は、専有端末管理DB5001(図10(a)参照)において、専有端末IDと電子メールアドレスを関連付けて管理する。
また、上記実施形態では、専有端末管理サーバ5と共有端末管理サーバ6は、同じ筐体であってもよい。
また、第1の認証情報には、専有端末識別情報が含まれる。更に、第2の認証情報には、登録認証情報及び受信認証情報が含まれる。この登録認証情報には、上述の登録識別情報及び登録パスワードが含まれる。また、受信認証情報には、上述の受信識別情報及び受信パスワードが含まれる。