JP2018141643A - ふ仰角算出装置およびふ仰角算出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】目標探索時における水測状況および自艦と目標との位置関係による影響を低減し、探索目標から放射される音波の探知方向として最適なふ仰角を算出するふ仰角算出装置およびふ仰角算出方法を提供する。【解決手段】周囲の環境状態を示す環境情報、自艦の深度の情報を含む自艦情報、および目標深度が入力される入力部と、環境情報および自艦情報に基づいて、艦船への到来が予測される音波のふ仰角を示す音線を算出する音線計算部と、算出された音線から直接波音線、海面反射波音線および海底反射波音線を抽出し、抽出した各音線と目標深度との交点までの艦船からの距離と、各音線の自艦に対するふ仰角とを算出する整相ふ仰角算出部と、抽出した各音線について距離およびふ仰角を対応づけて同時に表示する表示部と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、潜水艦および水上艦を含む艦船において、ソーナー装置で信号を受信するために用いられるふ仰角算出装置およびふ仰角算出方法に関する。
潜水艦または水上艦において、ソーナー装置を用いて目標を探索する際、探索目標が自艦の存在を探知するよりも早く、探索目標を探知する必要がある。探索目標を探知するシステムの一例が、特許文献1に開示されている。
しかし、探索目標から放射される信号が自艦にどのような経路で到来するかわからない。探索目標から自艦に到来する信号は、例えば、探索目標が潜水艦であれば、回転するスクリューが海水を切ることで生じる音波の信号である。
従来、オペレータは、特許文献1に開示されたシステムを用いて、より早く探索目標を探知したい場合、探索目標から自艦に到来する音波の信号のふ仰角を経験的に決定し、決定した値をシステムに入力していた。システムは、ソーナー装置の受波アレイが受信した信号に対して、入力されたふ仰角方向に整相し、整相結果に対して周波数分析等を行う。そして、システムは、その分析結果を表示部に表示する。分析結果の表示方法として、LOFAR(Low Frequency Analysis Recorder)GRAM、およびBTR(Bearing Time Recording)などがある。LOFARGRAMは、周波数毎の信号レベルの経時変化を表示する。BTRは、水平方位毎の信号レベルの経時変化を表示する。オペレータは、システムが表示する分析結果を見ながら目標を探索する。
探索目標から放射される信号を受信するふ仰角(以下では、このふ仰角を「目標信号到来ふ仰角」と称する)の最適な値は、目標探索時の水測状況、および自艦と目標との位置関係によって大きく変化する。水測状況とは、海水温等によって異なる、音波の伝搬状況を意味する。位置関係とは、自艦の海面からの深度である自艦深度、探索目標の海面からの深度である目標深度、および、自艦から目標までの水平距離などである。以下では、水平距離を、単に距離と称する。
そのため、特許文献1に開示されたシステムにおいて、目標信号到来ふ仰角の決定をオペレータの経験に委ねる場合、目標探索時における最適なふ仰角と異なってしまうことがある。この場合、探索目標から放射される信号の探知が遅くなり、探索目標が先に自艦の存在を探知してしまうおそれがある。
一方、特許文献1には、アクティブソーナー装置を用いて、深度と音速を調べ、自艦から放射される音波の伝搬路を表示することが開示されている。しかし、アクティブソーナー装置は、海中に超音波パルスを放射し、海底などからの反射波を受波するものであり、この方法では、超音波パルスを放射することで、他の潜水艦および水上艦に自艦の位置を教えてしまうことになる。目標探索時に、アクティブソーナー装置を用いた方法を適用することはできない。
本発明に係るふ仰角算出装置は、ソーナー装置の周囲の環境状態を示す環境情報と、ソーナー装置が搭載された艦船の深度の情報を含む自艦情報と、予め設定された目標深度とが入力される入力部と、環境情報および自艦情報に基づいて、艦船への到来が予測される音波のふ仰角を示す音線を算出する音線計算部と、算出された音線について、音源から直接に艦船に到来する音波の音線である直接波音線と、艦船よりも海面側で反射後に艦船に到来する音波の音線である海面反射波音線と、艦船よりも海底側で反射後に艦船に到来する音波の音線である海底反射波音線とを抽出し、抽出した直接波音線、海面反射波音線および海底反射波音線の各音線と目標深度との交点までの艦船からの距離と、各音線の艦船に対するふ仰角とを算出する整相ふ仰角算出部と、直接波音線、海面反射波音線および海底反射波音線のそれぞれについて、距離およびふ仰角を対応づけて同時に表示する表示部と、を備えたものである。
本発明に係るふ仰角算出方法は、ソーナー装置と接続された情報処理装置によるふ仰角算出方法であって、ソーナー装置の周囲の環境状態を示す環境情報と、ソーナー装置が搭載された艦船の深度の情報を含む自艦情報と、予め設定された目標深度とが入力されると、環境情報および自艦情報に基づいて、艦船への到来が予測される音波のふ仰角を示す音線を算出し、算出された音線について、音源から直接に艦船に到来する音波の音線である直接波音線と、艦船よりも海面側で反射後に艦船に到来する音波の音線である海面反射波音線と、艦船よりも海底側で反射後に艦船に到来する音波の音線である海底反射波音線とを抽出し、抽出した直接波音線、海面反射波音線および海底反射波音線の各音線と目標深度との交点までの艦船からの距離と、各音線の艦船に対するふ仰角とを算出し、直接波音線、海面反射波音線および海底反射波音線のそれぞれについて、距離およびふ仰角を対応づけて同時に表示するものである。
本発明は、目標探索時における水測状況および自艦と目標との位置関係による影響を低減し、探索目標から放射される音波の探知方向として最適なふ仰角を求めることで、探索目標から放射される信号の探知が遅くなることを抑制できる。
実施の形態1.
本実施の形態1のふ仰角算出装置の構成を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1のふ仰角算出装置の一構成例を示すブロック図である。ふ仰角算出装置1は、入力部10と、情報処理部20と、表示部30とを有する情報処理装置である。ふ仰角算出装置1は、ソーナー装置が搭載された艦船において、探索目標となる艦船の動きをより早い段階で把握するために、探索目標の艦船から自艦に到来する音波をより確実に捕捉するのに最適なふ仰角を求めるものである。ソーナー装置は、例えば、受波アレイを備えたパッシブソーナー装置である。
本実施の形態1のふ仰角算出装置の構成を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1のふ仰角算出装置の一構成例を示すブロック図である。ふ仰角算出装置1は、入力部10と、情報処理部20と、表示部30とを有する情報処理装置である。ふ仰角算出装置1は、ソーナー装置が搭載された艦船において、探索目標となる艦船の動きをより早い段階で把握するために、探索目標の艦船から自艦に到来する音波をより確実に捕捉するのに最適なふ仰角を求めるものである。ソーナー装置は、例えば、受波アレイを備えたパッシブソーナー装置である。
入力部10は入力端子11〜13を有する。入力端子11には、ソーナー装置の周囲の環境状態を示す環境情報が入力される。環境状態とは、例えば、海中の音速の深度特性を示す音速プロファイルおよび水深などの情報である。ここで言う水深とは、自艦の位置における海面から海底までの深さを意味する。入力端子12には、自艦の深度の情報を含む自艦情報が入力される。入力端子13には、探索目標の深度である目標深度が入力される。
音速プロファイルとは、海中の深度と音速との関係を示す情報である。大気中において、音速は温度が高いほど速くなる性質がある。この性質は、海中を伝搬する音波についても当てはまる。海中では、海面付近は温度が高く、深度が深くなるにつれて温度が低くなる。このことから、海面付近の方が深度の深いところよりも音速が速くなると考えられる。一方、水圧が音速に与える影響は温度と逆である。つまり、水圧が高いほど音速が速くなる。そのため、海中における音速は、温度および水圧の影響を受けるため、海面から一定の深度までは、深度が大きくなるほど遅くなる傾向を示し、一定の深度からは、深度が大きくなるほど速くなる傾向に変化する。
また、同じ深度でも、海中の温度は、一日における時間経過に伴って変化する。例えば、午前中に太陽光で海が暖められるため、午後には、海面付近の温度が午前中よりも上昇する傾向がある。また、自艦が目標探索のために移動した場合、自艦が暖流から寒流に移動したり、その反対に寒流から暖流に移動したりすることもある。このように、自艦の環境状態によって変化する音速プロファイルが、情報処理部20における、音波の伝搬の予測処理に用いられる。
情報処理部20は、音線計算部21と、整相ふ仰角算出部22とを有する。整相ふ仰角算出部22は、直接波整相ふ仰角算出器23と、海面反射波整相ふ仰角算出器24と、海底反射波整相ふ仰角算出器25とを有する。情報処理部20には、プログラムを記憶するメモリ(不図示)と、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)(不図示)とが設けられている。CPUがプログラムを実行することで、音線計算部21および整相ふ仰角算出部22がふ仰角算出装置1に構成される。メモリは、入力部10から受け取る情報を保持し、CPUが実行する演算処理の過程の情報および演算処理の結果を記憶する。
直接波整相ふ仰角算出器23は、後述する情報処理の結果を表示部30に出力するための出力端子41を有する。海面反射波整相ふ仰角算出器24は、後述する情報処理の結果を表示部30に出力するための出力端子42を有する。海底反射波整相ふ仰角算出器25は、後述する情報処理の結果を表示部30に出力するための出力端子43を有する。
音線計算部21は、環境情報および自艦情報が入力部10を介して入力されると、これらの情報に基づいて、自艦への到来が予測される音波のふ仰角を示す音線を算出する。ふ仰角の算出には、例えば、海面および海底など、音波が反射および屈折する面を平面境界と仮定し、スネルの法則にしたがって音波が反射および屈折することを利用する方法が考えられる。音線計算部21は、探索目標から自艦に到来を予測する音波の伝搬経路として、自艦から音波を発射した場合の音波の伝搬経路をシミュレーションし、その結果を当てはめてもよい。
直接波整相ふ仰角算出器23は、音線計算部21から音線の情報が入力され、入力部10から目標深度が入力されると、入力された音線の中から、海面および海底のいずれにも反射せず、直接に音源から自艦に到来する音波である直接波の音線を抽出する。また、直接波整相ふ仰角算出器23は、抽出した各音線について、音線と目標深度との交点までの自艦からの距離と、ふ仰角とを算出する。以下では、直接波整相ふ仰角算出器23が抽出した音線を、直接波音線と称する。
海面反射波整相ふ仰角算出器24は、音線計算部21から音線の情報が入力され、入力部10から目標深度が入力されると、入力された音線の中から、海面に反射後に自艦に到来する音波である海面反射波の音線を抽出する。また、海面反射波整相ふ仰角算出器24は、抽出した各音線について、音線と目標深度との交点までの自艦からの距離と、ふ仰角とを算出する。
海底反射波整相ふ仰角算出器25は、音線計算部21から音線の情報が入力され、入力部10から目標深度が入力されると、入力された音線の中から、海底に反射後に自艦に到来する音波である海底反射の音線を抽出する。また、海底反射波整相ふ仰角算出器25は、抽出した各音線について、音線と目標深度との交点までの自艦からの距離と、ふ仰角とを算出する。
表示部30は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイおよび液晶ディスプレイ等の表示装置である。
なお、本実施の形態1では、音源から自艦に到来する音波として、直接波、海面反射波および海底反射を想定する場合で説明するが、音波が反射する面は海面および海底に限定されない。海面反射波は、自艦よりも海面側で反射後に自艦に到来する音波の一例である。海底反射波は、自艦よりも海底側で反射後に自艦に到来する音波の一例である。以下では、自艦よりも海面側で反射後に自艦に到来する音波の音線を海面反射波音線と称し、自艦よりも海底側で反射後に自艦に到来する音波を海底反射波音線と称する。
次に、図1に示したふ仰角算出装置の動作を説明する。図2は、図1に示したふ仰角算出装置の動作手順を示すフローチャートである。
図1に示したふ仰角算出装置1において、環境情報が入力端子11に入力され、自艦深度が入力端子12に入力され、目標深度が入力端子13に入力される(ステップS101)。目標深度が不明な場合には、目標深度の想定値が入力端子13に入力されてもよい。入力部10は、環境情報および自艦深度を音線計算部21に出力する。また、入力部10は、目標深度を整相ふ仰角算出部22に出力する。
図1に示したふ仰角算出装置1において、環境情報が入力端子11に入力され、自艦深度が入力端子12に入力され、目標深度が入力端子13に入力される(ステップS101)。目標深度が不明な場合には、目標深度の想定値が入力端子13に入力されてもよい。入力部10は、環境情報および自艦深度を音線計算部21に出力する。また、入力部10は、目標深度を整相ふ仰角算出部22に出力する。
音線計算部21は、環境情報および自艦深度が入力部10から入力されると、スネルの法則に基づいて、自艦への到来が予測される複数の音波について、各音波のふ仰角を示す音線(rmn,zmn)を計算する(ステップS102)。mはふ仰角の識別番号を表すインデックスであり、m=1,2,・・・,Mとする。また、nは距離刻みを表すインデックスであり、n=1,2,・・・,Nとする。ふ仰角の範囲を示す最小値θminおよび最大値θmaxと、ふ仰角の刻み値Δθとは、システム固有の固定値として情報処理部20のメモリ(不図示)に予め登録されていてもよく、オペレータによって入力されてもよい。
図3は、図1に示した音線計算部による情報処理の結果の一例を示すイメージ図である。図3の縦軸は深度を示し、横軸は自艦からの距離を示す。図3は、音線の軌跡を示し、θmin=−20°、θmax=20°、Δθ=1°の場合である。図3に示す音線の軌跡は、音波の伝搬の予測経路を表している。
次に、直接波整相ふ仰角算出器23は、音線計算部21から音線(rmn,zmn)が入力され、入力部10から目標深度が入力されると、音線(rmn,zmn)の中から、直接波音線を抽出する(ステップS103−1)。続いて、直接波整相ふ仰角算出器23は、抽出した各直接波音線について、音線と目標深度zTとの交点(θm,rl,zT)と、ふ仰角とを算出する(ステップS104−1)。lは交点を表すインデックスであり、l=1,2,・・・,Lとする。直接波整相ふ仰角算出器23は、算出した交点の情報とふ仰角とを、出力端子41を介して表示部30に出力する。
図4Aは、図1に示した直接波整相ふ仰角算出器による情報処理の結果の一例を示すイメージ図である。図4Aの縦軸は深度を示し、横軸は自艦からの距離を示す。図4Aに示す音線の軌跡は、音波の伝搬の予測経路を表している。図4Bは、図4Aの処理結果を示すテーブルである。図4Aは、自艦深度がzS、目標深度がzTのときに、直接波の音線と目標深度との交点として、図4Aに示す「ア、イ、ウ、エ、オ、カ、キ」が予測されたことを示す。各交点における、ふ仰角と距離との関係を(ふ仰角,距離)で表記する。図4Aに示す例では、各交点でのふ仰角と距離との関係は、(θ3,r7)、(θ4,r6)、(θ5,r5)、(θ4,r4)、(θ3,r3)、(θ2,r2)、(θ1,r1)となっている。
また、海面反射波整相ふ仰角算出器24は、音線計算部21から音線(rmn,zmn)が入力され、入力部10から目標深度が入力されると、音線(rmn,zmn)の中から、海面反射波音線を抽出する(ステップS103−2)。続いて、海面反射波整相ふ仰角算出器24は、抽出した各海面反射波音線について、音線と目標深度zTとの交点(θm,rp,zT)と、ふ仰角とを算出する(ステップS104−2)。pは交点を表すインデックスであり、p=1,2,・・・,Pとする。海面反射波整相ふ仰角算出器24は、算出した交点の情報とふ仰角とを、出力端子42を介して表示部30に出力する。
図5Aは、図1に示した海面反射波整相ふ仰角算出器による情報処理の結果の一例を示すイメージ図である。図5Aの縦軸は深度を示し、横軸は自艦からの距離を示す。図5Aに示す音線の軌跡は、音波の伝搬の予測経路を表している。図5Bは、図5Aの処理結果を示すテーブルである。図5Aは、自艦深度がzS、目標深度がzTのときに、海面反射波の音線と目標深度との交点として、図5Aに示す「A、B」が予測されたことを示す。各交点でのふ仰角と距離との関係は、(θ2,r9)、(θ1,r8)となる。
また、海底反射波整相ふ仰角算出器25は、音線計算部21から音線(rmn,zmn)が入力され、入力部10から目標深度が入力されると、音線(rmn,zmn)の中から、海底反射波音線を抽出する(ステップS103−3)。続いて、海底反射波整相ふ仰角算出器25は、抽出した各海底反射波音線について、音線と目標深度zTとの交点(θm,rq,zT)と、ふ仰角とを算出する(ステップS104−3)。qは交点を表すインデックスであり、q=1,2,・・・,Qとする。海底反射波整相ふ仰角算出器25は、算出した交点の情報とふ仰角とを、出力端子43を介して表示部30に出力する。
図6Aは、図1に示した海底反射波整相ふ仰角算出器による情報処理の結果の一例を示すイメージ図である。図6Aの縦軸は深度を示し、横軸は自艦からの距離を示す。図6Aに示す音線の軌跡は、音波の伝搬の予測経路を表している。図6Bは、図6Aの処理結果を示すテーブルである。図6Aは、自艦深度がzS、目標深度がzTのときに、海底反射波の音線と目標深度との交点として、「a、b、c」が予測されたことを示す。各交点でのふ仰角と距離との関係は、(θ6,r12)、(θ7,r11)、(θ8,r10)となる。
表示部30は、直接波整相ふ仰角算出器23、海面反射波整相ふ仰角算出器24および海底反射波整相ふ仰角算出器25のそれぞれから入力される処理結果を同時に表示する(ステップS105)。
図7は、図1に示した表示部が表示する処理結果の一例を示す図である。出力端子41、出力端子42および出力端子43から出力された交点の情報は、例えば、図7に示すような形式で表示部30に表示される。図7に示すグラフは、整相対象のふ仰角を縦軸とし、自艦からの距離を横軸とし、直接波音線、海面反射波音線および海底反射波音線のそれぞれのふ仰角を整相対象のふ仰角として表示した形式である。
図7を参照すると、目標から放射される音波の信号のうち、直接波は、目標との距離に応じて、ア〜キが示すふ仰角で到来することが予測できる。海面反射波は、目標との距離に応じて、図7のAおよびBが示すふ仰角で到来することが予測できる。さらに、海底反射波は、目標との距離に応じて、図7のa〜cが示すふ仰角で到来することが予測できる。オペレータは、図7に示す結果を基に、整相対象の最適なふ仰角を決定できる。以下では、整相対象の最適なふ仰角を、最適ふ仰角と称する。例えば、図7に示すグラフにおいて、オペレータは、3種類の音波のそれぞれについて、距離が最も大きい位置のふ仰角を、最適ふ仰角に決定すればよい。この場合、探索目標が自艦から遠く離れた位置にある段階で、探索目標を探知することができる。直接波を例に説明すると、距離が最も大きい位置は「ア」の位置である。
なお、本実施の形態1では、表示部30が入力される処理結果を基に図7に示すグラフを表示する場合で説明したが、整相ふ仰角算出部22が図7に示すグラフを作成して表示部30に表示させてもよい。
本実施の形態1のふ仰角算出装置は、周囲の環境状態を示す環境情報、自艦の深度の情報を含む自艦情報、および目標深度が入力される入力部10と、環境情報および自艦情報に基づいて、艦船への到来が予測される音波のふ仰角を示す音線を算出する音線計算部21と、算出された音線から直接波音線、海面反射波音線および海底反射波音線を抽出し、抽出した各音線と目標深度との交点までの艦船からの距離と、各音線の自艦に対するふ仰角とを算出する整相ふ仰角算出部22と、抽出した各音線について距離およびふ仰角を対応づけて同時に表示する表示部30と、を有するものである。
本実施の形態1によれば、直接波音線、海面反射波音線および海底反射波音線のそれぞれについて、整相対象のふ仰角が距離と対応づけられて同時に表示される。そのため、オペレータは、表示結果を基に、探索目標から自艦に到来する、直接波、海面反射波および海底反射波の各経路について、自艦から最も遠距離で探知できる最適ふ仰角を把握することができる。目標探索において、上記の最適ふ仰角を整相対象のふ仰角に用いることで、水測状況および自艦と目標との位置関係による影響を低減し、探索目標から放射される信号の探知が遅れることを抑制できる。その結果、探索目標が自艦の存在を探知する前に探索目標を探知できる可能性が高くなる。
また、目標探知後、例えば、目標運動解析(Target Motion Analysis)等により目標の位置情報を入手できれば、図7に示したグラフを用いて、目標の深度および距離から目標を失探することなく探知を継続するために最適な整相ふ仰角を知ることができる。
なお、本実施の形態1では、直接波、海面反射波および海底反射波のそれぞれについて整相ふ仰角を予測する場合で説明したが、音波の伝搬経路の分け方は、直接波、海面反射波および海底反射波の場合に限定されない。上述したように、海面反射波は海面側で反射後に自艦に到来する音波の一例であり、海底反射波は海底側で反射後に自艦に到来する音波の一例である。
例えば、音波の伝搬経路の分け方は、LD(Layer Depth)伝搬、CZ(Convergence Zone)伝搬、ソーファー(SOFAR:Sound Fixing And Ranging)チャネル伝搬のようなサウンドチャネルによる分け方でもよい。図8は、LD伝搬の一例を示す図である。図8(b)は、図8(a)に示すX領域の拡大図である。
図8(a)において、左側のグラフが音速プロファイルを示し、右側のグラフがLD伝搬の音線図を示す。図8(a)に示すLDは、海中において温度が急激に変化する層であり、サーモクラインと呼ばれている。図8(b)に示すように、LD伝搬は、海面から一定の深度までの層内で音波が反射を繰り返して遠くまで伝搬する現象である。
図9は、CZ伝搬の一例を示す図である。図9において、左側のグラフが音速プロファイルを示し、右側のグラフがCZ伝搬の音線図を示す。CZ伝搬は、浅い深度で発生した音波が海中を伝搬する過程で、深度の深いところで大きな水圧で上に押し上げられ、再び海面に達する伝搬が繰り返されることで、音源から遠く離れた海域に音波の収束帯が形成され、遠くまで音波が伝搬する現象である。
図10は、ソーファーチャネル伝搬の一例を示す図である。図10において、左側のグラフが音速プロファイルを示し、右側のグラフがソーファーチャネル伝搬の音線図を示す。水中での音波は、音速が変化すると、音速の遅い方に曲がる性質がある。ソーファーチャネル伝搬は、この性質により、音波が海面に向かうと温度上昇によって屈折し、海底に向かうと水圧によって屈折するため、ある幅の深度の海中を蛇行しながら遠くまで伝搬する現象である。
また、本実施の形態1では、図7に示したような表示を基に、オペレータが局面に応じて整相対象のふ仰角を決める方法を説明したが、出力端子41〜43から出力される結果を基に、整相ふ仰角算出部22が、プログラムにしたがって処理を行うことで、各経路において最も遠距離で探知が期待できるふ仰角を自動的に決定し、決定したふ仰角を探索時の整相対象のふ仰角に適用してもよい。各経路において最も遠距離で探知が期待できるふ仰角とは、図7に示す例の場合、「ア」、「A」および「a」のふ仰角である。
さらに、出力端子41〜43から出力される結果を基に、整相ふ仰角算出部22が、例えば、図7に示した複数のふ仰角の全ての経路を網羅できるようなふ仰角を自動的に決定し、決定したふ仰角を探索時の整相対象のふ仰角に適用してもよい。
1 ふ仰角算出装置、10 入力部、11〜13 入力端子、20 情報処理部、21 音線計算部、22 整相ふ仰角算出部、23 直接波整相ふ仰角算出器、24 海面反射波整相ふ仰角算出器、25 海底反射波整相ふ仰角算出器、30 表示部、41〜43 出力端子。
Claims (3)
- ソーナー装置の周囲の環境状態を示す環境情報と、該ソーナー装置が搭載された艦船の深度の情報を含む自艦情報と、予め設定された目標深度とが入力される入力部と、
前記環境情報および前記自艦情報に基づいて、前記艦船への到来が予測される音波のふ仰角を示す音線を算出する音線計算部と、
算出された音線について、音源から直接に前記艦船に到来する音波の前記音線である直接波音線と、前記艦船よりも海面側で反射後に該艦船に到来する音波の前記音線である海面反射波音線と、前記艦船よりも海底側で反射後に該艦船に到来する音波の前記音線である海底反射波音線とを抽出し、抽出した前記直接波音線、前記海面反射波音線および前記海底反射波音線の各音線と前記目標深度との交点までの前記艦船からの距離と、各音線の該艦船に対するふ仰角とを算出する整相ふ仰角算出部と、
前記直接波音線、前記海面反射波音線および前記海底反射波音線のそれぞれについて、前記距離および前記ふ仰角を対応づけて同時に表示する表示部と、
を備えたふ仰角算出装置。 - 前記表示部は、
整相対象のふ仰角を縦軸とし、前記距離を横軸とし、前記直接波音線、前記海面反射波音線および前記海底反射波音線のそれぞれの前記ふ仰角の値を前記整相対象のふ仰角として表示する、請求項1に記載のふ仰角算出装置。 - ソーナー装置と接続された情報処理装置によるふ仰角算出方法であって、
前記ソーナー装置の周囲の環境状態を示す環境情報と、該ソーナー装置が搭載された艦船の深度の情報を含む自艦情報と、予め設定された目標深度とが入力されると、前記環境情報および前記自艦情報に基づいて、前記艦船への到来が予測される音波のふ仰角を示す音線を算出し、
算出された音線について、音源から直接に前記艦船に到来する音波の前記音線である直接波音線と、前記艦船よりも海面側で反射後に該艦船に到来する音波の前記音線である海面反射波音線と、前記艦船よりも海底側で反射後に該艦船に到来する音波の前記音線である海底反射波音線とを抽出し、
抽出した前記直接波音線、前記海面反射波音線および前記海底反射波音線の各音線と前記目標深度との交点までの前記艦船からの距離と、各音線の該艦船に対するふ仰角とを算出し、
前記直接波音線、前記海面反射波音線および前記海底反射波音線のそれぞれについて、前記距離および前記ふ仰角を対応づけて同時に表示する、
ふ仰角算出方法。
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JP2020063958A (ja) * | 2018-10-16 | 2020-04-23 | 防衛装備庁長官 | 位置推定装置及び方法 |
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