JP2018141531A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
Description
一般に、この防振装置では、振動の入力に伴う内筒および外筒の相対変位に際して、径方向には高い剛性が求められる一方、内筒および外筒それぞれの中心軸線が互いに傾くこじり方向には低い剛性が求められる。このため、径方向の剛性と、こじり方向の剛性と、の差を大きく確保するために、下記特許文献1に示されるような、外筒のうち、軸方向の外側に位置する部分を軸方向に対して傾斜させる防振装置が知られている。
以上より、防振装置の径方向の剛性と、こじり方向の剛性と、の差を確保しながら、外部からこじり方向に大きな力が加えられた際に、内筒と外筒とが当接するのを抑えることができる。
この場合には、外筒のうち、内径の最も小さい軸端部の内周面における、軸方向の内端部と外端部との間の軸方向の距離を短くすることで、外筒の内周面と、内筒の外周面と、の間の空間容積を広く確保することができる。これにより、内筒および外筒を弾性的に連結する弾性体の体積を大きく確保することが可能になり、防振装置の径方向の剛性と、こじり方向の剛性と、の差を確保することができる。
また、外筒のうち、内径の最も小さい軸端部の内周面における、軸方向の内端部と外端部との間の軸方向の距離を短くすることで、内筒および外筒が相対的にこじり方向に変位した際に、外筒の軸端部が、径方向に変位する距離を短くすることが可能になり、軸端部が、内筒の外周面に当接するのを抑えることができる。
この場合には、外筒の軸端部が、軸方向の外側に向かうに従い漸次、径方向の内側に向けて延びていないので、軸端部における軸方向の外端部と、内筒の外周面と、の間の径方向の距離を確保することができる。
また、軸端部が、軸方向の外側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向けて延びている場合には、軸端部における軸方向の外端部を、内筒の外周面から径方向に離間させることが可能になり、軸端部における軸方向の外端部が、内筒の外周面に当接するのを、より一層確実に抑えることができる。
以下、本発明の第1実施形態に係る防振装置10について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、防振装置10は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される内筒20、および他方に連結されるとともに、内筒20を囲繞する外筒30と、内筒20および外筒30を弾性的に連結する弾性体40と、を備えている。
なお、防振装置10は、例えば自動車用のサスペンションブッシュやエンジンマウント、あるいは工場に設置される産業機械のマウント等として用いられる。
以下、内筒20の中心軸線O1に沿う方向を軸方向という。また、防振装置10を軸方向から見た平面視において、中心軸線O1に直交する方向を径方向といい、中心軸線O1回りに周回する方向を周方向という。
膨出部21は、縦断面視で円形状を呈している。膨出部21の中心は、中心軸線O上に配置されるとともに、内筒20の軸方向の中央部に位置している。このため、膨出部21の、周面部22からの径方向の外側に向けた膨出量は、同一の軸方向位置で全周にわたって均等となっている。
周面部22は、内筒20の軸方向の両端部に各別に配設され、一対の周面部22それぞれにおける軸方向の長さは、互いに同等となっている。
内筒20の内周面における軸方向の中央部には、径方向の外側に向けて窪む窪み部24が形成されている。窪み部24は、縦断面視において、膨出部21と同心円状に形成されている。内筒20は、例えば金属材料等により形成されている。
外筒30は、膨出部21のうちの少なくとも軸方向の中央部を径方向の外側から囲繞するとともに、軸方向に真直ぐ延びる真直部31と、真直部31における軸方向の外端部から、軸方向の外側に向かうに従い漸次、径方向の内側に向けて延びる傾斜部32と、傾斜部32の軸方向の外端部から、軸方向の外側に向けて延びる軸端部33と、を備えている。真直部31、傾斜部32、および軸端部33は一体に形成されている。外筒30は軸方向の全域にわたって同等の厚みを有している。
傾斜部32は、真直部31と軸端部33とを軸方向に接続している。傾斜部32は真直部31の軸方向の外側に各別に配設されている。一対の傾斜部32それぞれにおける軸方向の長さは、互いに同等となっている。なお、一対の傾斜部32それぞれにおける軸方向の長さを互いに異ならせてもよい。
すなわち、傾斜部32の内周面における軸方向の内端部E1が、交点P1から軸方向の外側又は内側に向けて1/4A以内の距離に位置していることで、外筒30の軸方向の長さを抑えつつ、真直部31の軸方向の長さを確保することができる。
弾性体40は、内筒20の外周面および外筒30の内周面それぞれに加硫接着されている。弾性体40の外周面における軸方向の外端部は、外筒30の内周面における傾斜部32と軸端部33との接続部分に位置している。
弾性体40の内周面は、内筒20の外周面のうち、軸方向の両端部を除く全域にわたって加硫接着されている。弾性体40の内周面は、外筒30の軸方向の両端部から、軸方向の外側に向けて突出している。
このように、弾性体40にすぐり部41を形成することにより、内筒20および外筒30が、振動の入力に伴い、内筒20および外筒30それぞれの中心軸線が互いに傾くこじり方向に相対的に変位をした際に、この方向の防振装置10の剛性を低くすることができる。
図示の例では、傾斜部32の内周面における、軸方向の前記距離L1は、軸端部33の内周面における、軸方向の前記距離L2よりも長く、かつ前記距離L2の2倍より短くなっている。
防振装置10を使用する際には、内筒20を、例えばサスペンションメンバーのブラケット(図示せず)等により、軸方向の両側から挟み込んだ状態で、内筒20内に挿入したボルト等の締結部材(図示せず)を用いて、内筒20をブラケットに固定する。
また、外筒30を、例えばリンク部材の取付けホルダ(図示せず)等の内側に圧入することで、外筒30をホルダに固定する。このようにして、内筒20が、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に、また外筒30がいずれか他方にそれぞれ連結されて使用される。
以上より、防振装置10の径方向の剛性と、こじり方向の剛性と、の差を確保しながら、外部からこじり方向に大きな力が加えられた際に、内筒20と外筒30とが当接するのを抑えることができる。
また、外筒30の軸端部33が、軸方向に真直ぐ延びているので、軸端部33における軸方向の外端部E3と、内筒20の外周面と、の間の径方向の距離を確保することができる。
また本実施形態では、外筒30の真直部31が、内筒20の膨出部21を、軸方向の全域にわたって径方向の外側から囲繞しているので、弾性体40のうち、膨出部21の径方向の外側に位置する部分の全体に、真直部31を介して径方向の外力を加えることが可能になり、防振装置10の径方向の剛性を確保することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る防振装置11について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。また、同様の作用についてもその説明を省略する。
外筒30Bのうち、軸方向の両端部に配設された一対の軸端部33Bそれぞれの、中心軸線O1に対する径方向の外側に向けた傾斜角は、互いに同等となっている。
次に、本発明の第3実施形態に係る防振装置12について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。また、同様の作用についてもその説明を省略する。
すなわち、傾斜部32の内端部E1は、縦断面視において、内筒20の膨出部21を軸方向の外側に延長した線と、内筒20の周面部22を軸方向の内側に延長した線と、の交点P1と、軸方向の位置が一致している。
例えば、上記各実施形態においては、傾斜部32の内周面における、軸方向の内端部E1と外端部E2との間の軸方向の距離L1が、軸端部33の内周面における、軸方向の内端部E2と外端部E3との間の軸方向の距離L2よりも長い構成を示したが、このような態様に限られない。傾斜部32の内周面における、軸方向の内端部E1と外端部E2との間の軸方向の距離L1が、軸端部33の内周面における、軸方向の内端部E2と外端部E3との間の軸方向の距離L2と同等以下であってもよい。
20 内筒
21 膨出部
22 周面部
23 膨出部における軸方向の外端部
30 外筒
31 真直部
32 傾斜部
33 軸端部
40 弾性体
E1 傾斜部の内周面における軸方向の内端部
E2 傾斜部の内周面における軸方向の外端部
T 外筒の厚み
Claims (3)
- 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される内筒、および他方に連結されるとともに、前記内筒を径方向の外側から囲繞する外筒と、
前記内筒および前記外筒を弾性的に連結する弾性体と、を備えた防振装置において、
前記内筒の外周面は、
前記内筒の中心軸線に沿う軸方向の中央部に位置し、かつ径方向の外側に向けて膨出する膨出部と、
前記膨出部における前記軸方向の外端部から、前記軸方向の外側に向けて延びる周面部と、を備え、
前記外筒は、
前記膨出部のうちの少なくとも前記軸方向の中央部を径方向の外側から囲繞するとともに、前記軸方向に真直ぐ延びる真直部と、
前記真直部における前記軸方向の外端部から、前記軸方向の外側に向かうに従い漸次、径方向の内側に向けて延びる傾斜部と、
前記傾斜部の前記軸方向の外端部から、前記軸方向の外側に向けて延びる軸端部と、を備え、
前記傾斜部の内周面における、前記軸方向の内端部と外端部との間の径方向の距離は、前記外筒の厚み以下であることを特徴とする防振装置。 - 前記傾斜部の内周面における、前記軸方向の内端部と外端部との間の前記軸方向の距離は、前記軸端部の内周面における、前記軸方向の内端部と外端部との間の前記軸方向の距離よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
- 前記軸端部は、前記軸方向に真直ぐ延びている、或いは前記軸方向の外側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向けて延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載の防振装置。
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