JP2016223592A - 空気ばね - Google Patents
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Abstract
【解決手段】振動発生部および振動受け部の一方に連結される第1取付部材と、振動発生部および振動受け部の他方に連結される第2取付部材と、弾性を有する筒膜状とされ、一端側が前記第1取付部材に取り付けられ、他端側が前記第2取付部材に取り付けられるダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの内側に取り付けられる内筒部材と、を備え、前記ダイヤフラムは、当該ダイヤフラムの内部であって前記第1取付部材と前記第2取付部材との間に空気室を構成し、前記内筒部材の外側には、前記ダイヤフラムの少なくとも一部を取り囲むように筒状の外筒部材が取り付けられ、前記内筒部材の外径は、前記ダイヤフラムを空気ばねに組み付けない状態における、当該ダイヤフラムの内筒部材取付け位置での内径以下であることを特徴とする、空気ばね。
【選択図】図1
Description
この発明の空気ばねによれば、ダイヤフラムの内側へ内筒部材を容易に取り付けることができる。
この構成によれば、内筒部材のダイヤフラムの内側への位置合わせを容易にすることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気ばね1を示す、軸線方向に沿った断面図である。
本実施形態に係る空気ばね1は、例えば乗用車に用いるものであって、タイヤ(振動発生部(地面からの振動を受けるサスペンション))側と車体(振動受部)側との連結部分等に配置されて振動発生部から振動受部への振動や衝撃が伝達するのを防ぐことができる。
なお、図示の例では、第1取付部材2、第2取付部材3、ダイヤフラム4、内筒部材5、および外筒部材6は、共通軸を有するように同軸に配置されている。以下、この共通軸を軸線Oとも称し、軸線Oに沿う方向を軸線方向といい、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O周りに周回する方向を周方向という。
また、この実施形態では、第1取付部材2、および後述の第2取付部材3は、中空体となっており、それらの内容積を変更することでばね特性を調整可能となっているが、中実体とすることもできる。
また、第2取付部材3の連結部33は、振動発生部または振動受け部に連結することができればその連結方法は任意の方法とすることができ、例えばボルト・ナット締結等により連結することができる。
また、この実施形態では、内筒部材5は、第2取付部材3の外径よりも大きい内径を有しており、これにより、空気ばね1に振動が入力した際には、第2取付部材3が内筒部材5に対して軸線方一方側に、内筒部材5の内側へ入り込むように変位して、主に軸線方向の振動を吸収することができる。また、内筒部材5は、外筒部材6の内径よりもダイヤフラム4の厚さ程度小さい外径を有しており、内筒部材5と外筒部材6とがより密着しやすくなっている。さらに、内筒部材5は、その軸線方向長さが、後述の外筒部材6の軸線方向長さよりも短くなっており、このためダイヤフラム4のうち内筒部材5と外筒部材6との間に挟まれていない部分を確保することができるので、第2取付部材3が軸線方向に変位することができる。
また、外筒部材6は、この例では第1取付部材2および第2取付部材3のいずれにも連結・固定されていない。
また、この実施形態の空気ばね1では、空気ばね1が組み立てられ、鉛直方向に配置された状態で、ダイヤフラム4の第1取付部材側部分41は、折り返されて揺動部42を形成し、ダイヤフラム4の第2取付部材側部分43は、折り返されて転動部44を形成している。また、ダイヤフラム4の揺動部42、転動部43内には、軸線方向に沿った断面視においてそれぞれ円弧状となる円弧状部分が含まれている。さらに、軸線方向に沿った断面視における円弧状部分の中心を周方向に結んで形成される、閉曲線で囲まれる部分であるダイヤフラム面積は、ダイヤフラム4の第2取付部材側部分43のダイヤフラム面積よりもダイヤフラム4の第1取付部材側部分41のダイヤフラム面積が大きくなっている。
つまり、ダイヤフラム4の第1取付部材側部分41の揺動部42に含まれる円弧部分の中心の軸線Oからの径方向距離Rsが、ダイヤフラム4の第2取付部材側部分43の転動部44に含まれる円弧部分の中心の軸線Oからの径方向距離Rrよりも大きくなっている。
また、ダイヤフラム4の第2取付部材側部分43の転動部44に含まれる円弧部分は、第2取付部材3や外筒部材6に接触せずダイヤフラム内の空気圧により軸線方向他方側に凸状に膨らみ変形した曲面を含む部分である。また転動部44は、外筒部材6の他方側部分と第2取付部材3の側壁部31との間に形成されている。より具体的には、転動部44は、軸線方向一方側から他方側に向けて、第2取付部材3の側壁部31の外周面上を沿うように延び、第2取付部材3の側壁部31と外筒部材6の他方側部分との間に円弧状部分を形成し、軸線方向他方側から一方側に向けて、外筒部材6の他方側部分の内周面上を沿うように延びて形成されている。
具体的には、ダイヤフラム4の一端側の第1取付部材2への取り付けは、ダイヤフラム4の一端側を、軸線方向一方側に向けて、第1取付部材2、より具体的には第1取付部材2の第2側壁部22の軸線方向他方側端部に、その外周側から覆うように嵌め込み、さらにカシメリング7でダイヤフラム4を挟み込むようにかしめることで行うことができる。また、ダイヤフラム4の他端側の第2取付部材3への取り付けは、ダイヤフラム4の他端側を、軸線方向一方側に向けて折り返し、第2取付部材3、より具体的には第2取付部材3の側壁部31の軸線方向一方側端部に、その外周側から覆うように嵌め込み、さらにカシメリング7でダイヤフラム4を挟み込むようにかしめることで行うことができる。
具体的には、ダイヤフラム4は、第1取付部材2を取り付けるための一端側取付け部46(図2ではダイヤフラム4の上方側の部分)と、第2取付部材3を取り付けるための他端側取付け部47(図2ではダイヤフラム4の下方側の部分)とを有しており、また、ダイヤフラム4を空気ばね1に組み付けない状態で、一端側取付け部46から、軸線方向他方側に向けて内径が漸増して第1取付部材側部分41を形成し、内筒部材取付け位置45が含まれる軸線方向中央部分では、内径が一定となり、再び内径が漸減して第2取付部材側部分43を形成して、他端側取付け部47となっている。ダイヤフラム4の一端側取付け部46および他方側取付け部47は、それぞれ、第1取付部材2の第2側壁部22の外径および第2取付部材3の側壁部31の外径と略等しく、上述のようにカシメリング7でかしめることができる程度の軸線方向長さを有している。
なお、ダイヤフラム4の内筒部材取付け位置45とは、空気ばね1が組み立てられた状態での内筒部材5のダイヤフラム4内で配置される位置であり、ダイヤフラム4の周方向に沿った領域である。
この実施形態の空気ばね1では、内筒部材5の外側に、ダイヤフラム4の少なくとも一部を取り囲むように外筒部材6を取り付けることにより、ダイヤフラム4のうち外筒部材6に覆われた部分は、空気ばね1が荷重を負荷した際にダイヤフラム4の膨張が制限されるので、ダイヤフラム4によって空気ばね1のばね特性を外筒部材6との関係で調整することができる。
ところで、このような空気ばね1では、例えばダイヤフラム4のばね特性は、内筒部材5および内筒部材5に連結する外筒部材6のダイヤフラム4に対する位置によって変化することがあり、ダイヤフラム4内の内筒部材5の位置の正確性が要求されている。しかし、従来の空気ばねでは、空気ばねの組立てにあたって、内筒部材をダイヤフラム内に配置させるために例えばダイヤフラムを径方向に伸張させる必要があり、内筒部材のダイヤフラムの内側への取付け、位置合わせおよび調整が困難であった。
そこで、この実施形態の空気ばね1では、ダイヤフラム4を空気ばね1に組み付けない状態で、内筒部材5の外径Doを、ダイヤフラム4の内筒部材取付け位置45での内径Diと同じにすることにより、内筒部材5のダイヤフラム4の内側への位置合わせを正確にすることができ、また、前記外径Doを前記内径Diより小さくすることにより、内筒部材5をダイヤフラム4内の所定の位置へ容易に入れることができる。したがって、内筒部材5のダイヤフラム4の内側へ内筒部材5を容易に取り付けることができ、また位置合わせおよび調整等も容易にすることができる。さらに、内筒部材5をダイヤフラム4の内筒部材取付け位置45に位置させるために、ダイヤフラム4を径方向に大きく伸縮可能なものとする必要がないので、ダイヤフラム4の径方向の弾性率を大きくすることができ、それ故に、空気ばね1のばね特性などの特性を十分に調整することもできる。
なお、前記外径Doを前記内径Diより小さくしても、外筒部材6を例えばかしめ等の方法で内筒部材5に取り付けるので、内筒部材5および外筒部材6を強固に連結することができる。
空気ばね1に振動が入力された場合には、ダイヤフラム面積が相対的に小さい円弧状部分を有する転動部44側の第2取付部材3は、ダイヤフラム4により形成される空気室を相対的に圧縮しやすくなり(相対的にばねが軟らかい)、また、ダイヤフラム面積が相対的に大きい円弧状部分を有する揺動部42側の第1取付部材2は、空気室を相対的に圧縮しにくくなり(相対的にばねが硬い)、それ故に、転動部44では空気ばね1に対して軸線方向の相対変位が生じるような方向の振動を主に吸収することができ、揺動部42では空気ばね1に対してこじり変形するような方向の振動を主に吸収することができる。そして、ダイヤフラム4に揺動部42および転動部44を形成させる場合には、それぞれの有効受圧面積の調整に正確性が求められるので、内筒部材5のダイヤフラム4内での取付けが所定の位置になっていることが肝要であり、この実施形態のダイヤフラム4が特に好ましい。
なお、同様な観点からは、内筒部材取付け位置45の軸線方向全位置で、内筒部材5の外径Doが、ダイヤフラム4の内筒部材取付け位置45での内径Di以下になっていることが好ましい。
まず、ダイヤフラム4の内側の内筒部材取付け位置45に内筒部材5を配置する。さらに、内筒部材5を内側に配置した状態のダイヤフラム4に、外筒部材6を被せ、外筒部材6の外周側からかしめる。この際、内筒部材5が内筒部材取付け位置45からずれないようにするために、ダイヤフラム4の一端側の開口部から支持具を挿入して、ダイヤフラム4の内側から内筒部材5を支持することにより、より正確に外筒部材6をかしめることができる。
次いで、ダイヤフラム4の他端側を内側に折り返して、第2取付部材3の軸線方向一方側端部を、当該ダイヤフラム4の他端側の開口部に挿入する。続いて、第2取付部材3の軸線方向一方側端部とダイヤフラム4の他端側とを、軸線方向一端側に押し込んで、ダイヤフラム4の一端側の開口部から外側に出し、カシメリング7でダイヤフラム4の他端側と第2取付部材3とを連結する。さらに、第2取付部材3をダイヤフラム4に対して軸線方向他方側に移動させた後、第1取付部材2の軸線方向他方側端部を、ダイヤフラム4の一端側の開口部に挿入し、カシメリング7でダイヤフラム4の一端側と第1取付部材2とを連結する。さらに、必要に応じて、第1取付部材2にストッパーリング25を装着する。
この製造方法によれば、内筒部材5の外径Doは、ダイヤフラム4を空気ばね1に組み付けない状態で、当該ダイヤフラム4の内筒部材取付け位置45での内径Di以下であるので、ダイヤフラム4の内側へ内筒部材5を容易に取り付けることができる。
Claims (2)
- 振動発生部および振動受け部の一方に連結される第1取付部材と、
振動発生部および振動受け部の他方に連結される第2取付部材と、
弾性を有する筒膜状とされ、一端側が前記第1取付部材に取り付けられ、他端側が前記第2取付部材に取り付けられるダイヤフラムと、
前記ダイヤフラムの内側に取り付けられる内筒部材と、を備え、
前記ダイヤフラムは、当該ダイヤフラムの内部であって前記第1取付部材と前記第2取付部材との間に空気室を構成し、
前記内筒部材の外側には、前記ダイヤフラムの少なくとも一部を取り囲むように筒状の外筒部材が取り付けられ、
前記内筒部材の外径は、前記ダイヤフラムを空気ばねに組み付けない状態における、当該ダイヤフラムの内筒部材取付け位置での内径以下であることを特徴とする、空気ばね。 - 前記ダイヤフラムの内筒部材取付け位置での内径は、前記ダイヤフラムを空気ばねに組み付けない状態における、前記ダイヤフラムの最大内径である、請求項1に記載の空気ばね。
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