JP2018141063A - 表面処理剤及びその製造方法、フィルタ、並びに表面処理方法 - Google Patents

表面処理剤及びその製造方法、フィルタ、並びに表面処理方法 Download PDF

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里香 高橋
英夫 澤田
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Abstract

【課題】被処理基材の表面に極めて高い撥水性と、撥油性又は親油性とを付与可能な表面処理剤及びその製造方法、それを用いて油水分離に利用可能フィルタ、並びに表面処理方法を提供する。【解決手段】表面処理剤は、式(I)で示されるフッ素含有化合物及び窒化ホウ素を含むナノコンポジット粒子と、ナノコンポジット粒子を分散させてなる溶媒とを含有するコロイド溶液である。式(I)中、R1はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R2はアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R3及びR4は各々独立して水素原子又は1価の有機基を表し、xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。【選択図】なし

Description

本発明は、表面処理剤及びその製造方法、フィルタ、並びに表面処理方法に関する。
産業用機械部品等の生産には、多種、多量の油が使用されており、製造工程における部品洗浄や製品洗浄の工程等で排出される含油排水の量も多くなっている。このような含油排水から油と水とを分離する油水分離技術として、例えば、比重分離等の静置分離技術、遠心分離技術、吸着分離技術等が知られている。
これらの分離技術のうち、静置分離技術は多大な時間を要するという問題があり、遠心分離技術は大掛かりな装置を必要とするという問題があり、吸着分離技術は大量の含油排水の処理に不向きであるという問題がある。そこで、従来、水及び油に対する親和性に違いを有する、撥水・親油表面を有する油水分離材を用い、当該親和性の差を利用して水と油とを分離する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、所定のフッ素化合物と無機化合物とがナノコンポジット化された複合材料であって、親水・撥油性を有するフッ素含有ナノコンポジット粒子をろ紙や不織布に担持させた油水分離膜が提案されている(特許文献2参照)。
タッチパネルを含むディスプレイ表面には、指紋の付着によって画面の視認性を低下させてしまうという問題がある。そのため、指紋が付着しても当該指紋を視認し難い耐指紋表面が求められている。このような耐指紋表面として、従来、油脂成分が広がることで液滴が形成されず、指紋が視認され難くなる撥水・親油表面が知られている(特許文献3参照)。
ある種のフッ素系化合物は、機材の表面処理に用いると、優れた撥水性、撥油性、防汚性等を発現し得ることが知られている。このようなフッ素系化合物を含む表面処理剤により得られる表面処理層は、防汚層等の機能性薄膜として、例えば、ガラス、プラスチック、繊維、建築部材等の多種多様な基材に設けられている(特許文献4参照)。
特開2012−91168号公報 特開2015−187220号公報 特開2010−128363号公報 特開2014−196432号公報
上記特許文献1に記載されている油水分離技術や、特許文献3に記載されている撥水・親油表面においては、優れた撥水・親油性を有する材料が必須であり、当該撥水・親油性をさらに向上させてなる材料の提案に対する要望が高まっている。
また、上記特許文献4に記載されている撥水・撥油表面においては、優れた撥水・撥油性を有する材料が必須であり、当該撥水・撥油性をさらに向上させてなる材料の提案に対する要望が高まっている。
上記課題に鑑みて、本発明は、被処理基材の表面に極めて高い撥水性と、撥油性又は親油性とを付与可能な表面処理剤及びその製造方法、それを用いて油水分離に利用可能なフィルタ、並びに表面処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、下記式(I)で示されるフッ素含有化合物及び窒化ホウ素を含むナノコンポジット粒子と、前記ナノコンポジット粒子を分散させてなる溶媒とを含有するコロイド溶液であることを特徴とする表面処理剤を提供する(発明1)。
Figure 2018141063
(上記式(I)中、R1はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R2はアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R3及びR4は各々独立して水素原子又は1価の有機基を表し、xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。)
上記発明(発明1)において、前記フッ素含有化合物と前記窒化ホウ素との含有比(質量基準)を1:1〜1:10にするのが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記フッ素含有化合物と、平均粒子径100nm〜3μmの窒化ホウ素粉末と、溶媒とを、アルカリ触媒条件下にて混合して前記コロイド溶液を調製することができ(発明3)、前記フッ素含有化合物と前記窒化ホウ素との含有比(質量基準)を1:5〜1:10にすることができる(発明4)。また、前記フッ素含有化合物と、平均粒子径100nm未満の窒化ホウ素粉末と、溶媒とを、アルカリ触媒条件下にて混合して前記コロイド溶液を調製することができる(発明5)。前記式(I)において、yが0であるのが好ましく(発明6)、R1で表されるフルオロアルキル基を含有する基が、下記式(II)で表される基であるのが好ましい(発明7)。
Figure 2018141063
(上記式(II)中、pは0〜2の整数である。)
また、本発明は、フィルタ基材と、前記フィルタ基材の表面に設けられてなる、上記発明(発明1〜7)に係る表面処理剤に含まれる前記ナノコンポジット粒子を含有する被膜とを有することを特徴とするフィルタを提供する(発明8)。
さらに、本発明は、下記式(I)で示されるフッ素含有化合物と、窒化ホウ素粉末と、分散媒とを、アルカリ触媒条件下又は無触媒条件下にて混合してコロイド溶液を調製することを特徴とする表面処理剤の製造方法を提供する(発明9)。
Figure 2018141063
(上記式(I)中、R1はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R2はアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R3及びR4は各々独立して水素原子又は1価の有機基を表し、xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。)
上記発明(発明9)において、前記フッ素含有化合物と前記窒化ホウ素粉末とを、1:1〜1:10の含有比(質量基準)で混合するのが好ましい(発明10)。
上記発明(発明9,10)において、前記窒化ホウ素粉末の平均粒子径を100nm〜3μmにすることができ(発明11)、前記フッ素含有化合物と前記窒化ホウ素とを、1:5〜1:10の含有比(質量基準)で混合することができる(発明12)。また、前記窒化ホウ素粉末の平均粒子径を100nm未満にすることができる(発明13)。前記式(I)において、yが0であるのが好ましく(発明14)、R1で表されるフルオロアルキル基を含有する基が、下記式(II)で表される基であるのが好ましい(発明15)。
Figure 2018141063
(上記式(II)中、pは0〜2の整数である。)
さらにまた、本発明は、上記発明(発明1〜7)に係る表面処理剤を被処理基材の表面に塗布することを特徴とする表面処理方法を提供する(発明16)。
本発明によれば、被処理基材の表面に極めて高い撥水性と、撥油性又は親油性とを付与可能な表面処理剤及びその製造方法、それを用いて油水分離に利用可能なフィルタ、並びに表面処理方法を提供することができる。
本発明の実施の形態について説明する。
[表面処理剤]
本実施形態に係る表面処理剤は、ナノコンポジット粒子と、当該ナノコンポジット粒子を分散させてなる溶媒とを含有するコロイド溶液であって、ナノコンポジット粒子を製造するときの反応溶液であるのが好ましい。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
本実施形態におけるナノコンポジット粒子は、下記式(I)で示されるフッ素含有化合物と、窒化ホウ素とを含む。
Figure 2018141063
上記式(I)中、R1はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R2はアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R3及びR4は各々独立して水素原子又は1価の有機基を表し、xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。
上記式(I)において、R1で表されるフルオロアルキル基を含有する基としては、例えば、−CF3、−C25、−C37、−C613、−C715等の−Cq2q+1(q=1〜10)で表されるフルオロアルキル基;オキシフルオロアルキレン基等を挙げることができ、これらのうち、下記式(II)で示されるオキシフルオロアルキレン基であるのが好ましい。
Figure 2018141063
上記式(II)中、pは0〜2の整数である。
上記式(I)において、R2で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜2のアルキル基が挙げられ、R2で表されるアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等の炭素数2〜4のアルコキシアルキル基が挙げられる。これらのうち、R2で表される基としては、アルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記式(I)において、R3及びR4で表される有機基としては、例えば、下記式(i)〜(v)で示される基を挙げることができる。
Figure 2018141063
上記式(I)において、トリアルコキシシリル基又はトリアルコキシアルコキシシリル基(−Si(OR2)3)が結合する中間鎖(−CH2−CH−)の数xは、1〜100であり、好ましくは1〜50、より好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜5である。また、中間鎖(−CH2−CR34−)の数yは、0〜100であり、好ましくは0〜50、より好ましくは0〜10である。
上記フッ素含有化合物として好適な化合物としては、下記式(III)〜(VII)で示される化合物を例示することができる。特に、上記フッ素含有化合物が下記式(III)又は式(IV)で示される化合物(上記式(I)においてy=0である化合物)であると、1分子中に占められるフッ素原子の割合が大きいことで、本実施形態に係るナノコンポジット粒子を生成する反応を効率的に進行させることができる。
Figure 2018141063
式(III)中、x’は2又は3である。
Figure 2018141063
Figure 2018141063
式(IV)及び式(V)中、R1’は、−CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC37で表される基である。式(IV)中、xaは1〜100の整数である。式(V)中、xbは1〜100の整数であり、ybは1〜500の整数である。
Figure 2018141063
式(VI)中、xcは1〜10の整数であり、ycは0〜100の整数である。
Figure 2018141063
式(VII)中、xdは1〜10の整数であり、ydは0〜100の整数である。
上記式(I)で示されるフッ素含有化合物は、下記式(Ia)で示されるフッ素含有過酸化物の存在下に、下記式(Ib)で示される単量体と、下記式(Ic)で示される単量体とを重合させることにより得られる。なお、この反応生成物(フッ素含有化合物)中には、フルオロアルキル基を含有する基(R1)が片末端のみに導入されているオリゴマーが任意の割合で含まれていてもよい。
Figure 2018141063
式(Ia)〜(Ic)中、R1はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R2はアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R3及びR4は各々独立して水素原子又は1価の有機基を表す。
本実施形態における窒化ホウ素は、六方晶系窒化ホウ素であって、窒化ホウ素からなる微粒子の表面に水酸基(OH基)、アミノ基(NH2基)等の官能基を有し、当該官能基が窒化ホウ素結晶の端面上のホウ素原子に共有結合しているものが好適に使用され得る。なお、窒化ホウ素結晶の端面とは、ホウ素原子と窒素原子とが交互に結合した六角網目構造を有する積層面に直交する側面を意味する。
本実施形態におけるナノコンポジット粒子におけるフッ素含有化合物と窒化ホウ素との含有比(質量基準)としては、1:1〜1:10であるのが好ましい。フッ素含有化合物と窒化ホウ素との含有比(質量基準)が上記範囲内にあることで、本実施形態に係る表面処理剤によって、高い撥水性を付与することができるとともに、当該表面処理剤を製造するときに用いられる窒化ホウ素粉末の算術平均粒子径をさらに調整することで、本実施形態に係る表面処理剤によって付与可能な撥油性又は親油性をコントロールすることができる。例えば、窒化ホウ素粉末の粒子径(算術平均粒子径)を100nm以上とし、フッ素含有化合物と窒化ホウ素との含有比(質量基準)を好適には1:1〜1:2とすることで、本実施形態に係る表面処理剤によって優れた親油性を付与することができる一方、1:3〜1:10、より好適には1:5〜1:10とすることで、本実施形態に係る表面処理剤によって優れた撥油性を付与することができる。
本実施形態におけるナノコンポジット粒子は、50nm〜5μm程度、好ましくは50nm〜1μm程度の平均粒子径(算術平均粒子径)を有する。なお、本実施形態に係るナノコンポジット粒子の平均粒子径は、例えば、動的光散乱式(DLS)粒子径分布測定装置を用いて測定され得る。
上記表面処理剤におけるナノコンポジット粒子の含有量は、溶媒100容量部に対し、0.8〜2質量部であるのが好ましく、0.8〜1.5質量部であるのがより好ましく、0.8〜1.5質量部であるのが特に好ましい。ナノコンポジット粒子の含有量が溶媒100容量部に対して0.8質量部未満であると、表面処理後の被処理基材の表面上におけるナノコンポジット粒子の存在量が少なく、高い撥水性と、撥油性又は親油性とが付与されないおそれがあり、1.5質量部を超えると、表面処理剤中のナノコンポジット粒子量が多く、表面処理を施す際、均一な改質膜が形成され難くなるおそれがある。
上述した本実施形態におけるナノコンポジット粒子は、表面処理剤に優れた撥水性を付与することができる。ここで、撥水性とは、例えば、表面処理剤により表面処理が施された基材(ガラス基材等)の表面について接触角計(例えば、協和界面科学社製のDropMaster300(製品名)等)を用いて水の接触角(°)を測定したとき、水の接触角が、ドデカンの接触角よりも大きいことを意味する。具体的には、水の接触角が好ましくは110°以上、より好ましくは140°以上、特に好ましくは180°以上である。
また、本実施形態におけるナノコンポジット粒子は、表面処理剤に優れた撥油性を付与することができる。ここで、撥油性とは、例えば、表面処理剤により表面処理が施された基材(ガラス基材等)の表面について接触角計(例えば、協和界面科学社製のDropMaster300(製品名)等)を用いてドデカンの接触角(°)を測定したとき、ドデカンの接触角が好ましくは20°以上、より好ましくは30°以上であることを意味する。
さらに、本実施形態におけるナノコンポジット粒子は、表面処理剤に優れた親油性を付与することができる。ここで、親油性とは、例えば、表面処理剤により表面処理が施された基材(ガラス基材等)の表面について接触角計(例えば、協和界面科学社製のDropMaster300(製品名)等)を用いてドデカンの接触角(°)を測定したとき、ドデカンの接触角が好ましくは25°以下、より好ましくは0°以下であることを意味する。
上述したように、本実施形態に係る表面処理剤は、被処理基材の表面に優れた撥水性と、親油性又は撥油性とを付与することができる。そのため、被処理基材としてのフィルタ基材(ろ紙、不織布等)の表面に本実施形態に係る表面処理剤(撥水性及び親油性を付与可能な表面処理剤)による表面処理を施すことで、表面処理剤に含まれるナノコンポジット粒子をフィルタ基材の表面に担持させることができ、表面処理が施されたフィルタ基材を油水分離用フィルタとして利用することができる。すなわち、本実施形態に係る撥水性及び親油性を付与可能な表面処理剤は、油水分離フィルタ用表面処理剤として利用することができる。
また、本実施形態に係る表面処理剤(撥水性及び親油性を付与可能な表面処理剤)によれば、ガラス等の被処理基材の表面処理に用いることで、当該被処理基材の表面にナノコンポジット粒子を担持させ、撥水性及び親油性を付与し、耐指紋層を形成することができる。当該表面処理が施された被処理基材は、例えば、耐指紋性能を有するタッチパネルのカバーガラス等として用いることができる。すなわち、本実施形態に係る撥水性及び親油性を付与可能な表面処理剤は、耐指紋層形成用表面処理剤として利用することができる。
さらに、本実施形態に係る表面処理剤(撥水性及び撥油性を付与可能な表面処理剤)によれば、ガラス、プラスチック、繊維、建築部材等の被処理基材の表面処理に用いることで、当該被処理基材の表面に防汚層等の機能性薄膜を形成することができる。すなわち、本実施形態に係る撥水性及び撥油性を付与可能な表面処理剤は、防汚層形成用表面処理剤として利用することができる。
[表面処理剤の製造方法]
本実施形態に係る表面処理剤は、例えば、上記式(I)で示されるフッ素含有化合物と、窒化ホウ素粉末とを、溶媒中、アルカリ性条件下(塩基触媒存在下)又は無触媒条件下で混合させることでナノコンポジット化させてナノコンポジット粒子が分散してなるコロイド溶液を調製することによって製造され得る。
フッ素含有化合物と窒化ホウ素粉末の混合比は、例えば、フッ素含有化合物1質量部に対し、窒化ホウ素粉末1〜10質量部程度である。この混合比と、窒化ホウ素粉末の平均粒子径(算術平均粒子径)とを調整することにより、本実施形態に係る表面処理剤により付与される特性(撥油性又は親油性)をコントロールすることが可能となる。例えば、窒化ホウ素粉末の平均粒子径が100nm〜3μmである場合、フッ素含有化合物1質量部に対して窒化ホウ素粉末1〜2質量部を混合することで、本実施形態に係る表面処理剤によって親油性が付与され得る一方、フッ素含有化合物1質量部に対して窒化ホウ素粉末3質量部以上、好適には5〜10質量部を混合することで、本実施形態に係る表面処理剤によって撥油性が付与され得る。なお、窒化ホウ素粉末の平均粒子径が100nm未満、好適には70nm以下程度、さらに好適には50〜70nm程度である場合、フッ素含有化合物と窒化ホウ素粉末との混合比にかかわらず、本実施形態に係る表面処理剤によって撥油性が付与され得る。
上記溶媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
塩基触媒としては、例えば、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等を用いることができるが、反応による副生成物としての無機塩が生成されない点で、アンモニア水を用いるのが好ましい。塩基触媒の添加量は、上記フッ素含有化合物と窒化ホウ素との合計100質量部に対して、800〜5000容量部であるのが好ましく、2000〜5000容量部であるのがより好ましく、2200〜4200容量部であるのが特に好ましい。
[表面処理方法]
本実施形態における表面処理方法は、本実施形態に係る表面処理剤を被処理基材の表面に塗布する工程を含む。表面処理剤を被処理基材の表面に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、刷毛、ローラー、スプレー等を用いて塗布する方法や、表面処理剤に被処理基材を浸漬させる方法等が挙げられる。
本実施形態において、表面処理剤を被処理基材の表面に塗布することで形成された塗膜を加熱することで、溶媒を除去してもよい。加熱方法としては、オーブンによる加熱、熱プレスによる加熱等が挙げられるが、特に制限されるものではない。加熱条件としては、例えば、100〜180℃で10〜60分程度、好ましくは100〜130℃で10〜30分程度である。
上述したように、本実施形態に係る表面処理剤は、被処理基材の表面に優れた撥水性を付与することができるとともに、表面処理剤に含まれるナノコンポジット粒子を構成する窒化ホウ素の平均粒子径や、フッ素含有化合物に対する含有比により、撥油性又は親油性を選択的に付与することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属するすべての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、試験例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の試験例等に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
六方晶系窒化ホウ素フィラー(MARUKA社製,AP−170S,算術平均粒子径:50nm)100mgと、上記式(III)で示されるフッ素含有化合物100mgと、塩基性触媒としてのアンモニア水5mLとを、溶媒としてのメタノール12mLに添加し、室温で5時間攪拌することで、表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例2]
上記式(III)で示されるフッ素含有化合物50mgをメタノールに添加した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例3]
上記式(III)で示されるフッ素含有化合物20mgをメタノールに添加した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例4]
上記式(III)で示されるフッ素含有化合物10mgをメタノールに添加した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例5]
六方晶系窒化ホウ素フィラー(MARUKA社製,AP−100S,算術平均粒子径:100nm)100mgをメタノールに添加した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例6]
上記式(III)で示されるフッ素含有化合物50mgをメタノールに添加した以外は、実施例5と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例7]
上記式(III)で示されるフッ素含有化合物20mgをメタノールに添加した以外は、実施例5と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例8]
上記式(III)で示されるフッ素含有化合物10mgをメタノールに添加した以外は、実施例5と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例9]
六方晶系窒化ホウ素フィラー(MARUKA社製,AP−10S,算術平均粒子径:3μm)100mgをメタノールに添加した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例10]
上記式(III)で示されるフッ素含有化合物50mgをメタノールに添加した以外は、実施例9と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例11]
上記式(III)で示されるフッ素含有化合物20mgをメタノールに添加した以外は、実施例9と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例12]
上記式(III)で示されるフッ素含有化合物10mgをメタノールに添加した以外は、実施例9と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例13]
塩基性触媒としてのアンモニア水を添加せず、溶媒をイソプロピルアルコール5mLに変更した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例14]
塩基性触媒としてのアンモニア水を添加せず、溶媒をイソプロピルアルコール5mLに変更した以外は、実施例5と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
[実施例15]
塩基性触媒としてのアンモニア水を添加せず、溶媒をイソプロピルアルコール5mLに変更した以外は、実施例9と同様にして表面処理剤を調製した。得られた表面処理剤は、フッ素含有化合物と窒化ホウ素とを含有するナノコンポジット粒子を含むコロイド溶液であった。
〔試験例1〕接触角測定試験
実施例1〜15の表面処理剤に被処理基材としてのガラスを浸漬させ、各基材の表面処理を行った。表面処理が施された各基材における水及びドデカンの接触角(deg)を、接触角計(協和界面科学社製,製品名:DropMaster300)を用いて測定した。結果を表1に示す。
Figure 2018141063
表1に示すように、上記式(III)にて示されるフッ素含有化合物と窒化ホウ素とをナノコンポジット化してなるナノコンポジット粒子を含む表面処理剤にて表面処理を施し、当該ナノコンポジット粒子を担持させた基材においては、優れた撥水性を付与可能であることが明らかとなった。また、フッ素含有化合物に対する窒化ホウ素の含有比を大きくすることで、表面処理剤により被処理基材に付与可能な特性が撥油性の方向(ドデカンの接触角が大きくなる方向)にシフトする傾向にあると推察される。さらに、窒化ホウ素の算術平均粒子径や、フッ素含有化合物と窒化ホウ素との含有比を調整することにより、表面処理剤により付与可能な撥油性と親油性とをコントロール可能であることが確認された。
本発明は、撥水性と、撥油性又は親油性とが要求される製品の技術分野において有用である。

Claims (16)

  1. 下記式(I)で示されるフッ素含有化合物及び窒化ホウ素を含むナノコンポジット粒子と、前記ナノコンポジット粒子を分散させてなる溶媒とを含有するコロイド溶液であることを特徴とする表面処理剤。
    Figure 2018141063
    (上記式(I)中、R1はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R2はアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R3及びR4は各々独立して水素原子又は1価の有機基を表し、xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。)
  2. 前記フッ素含有化合物と前記窒化ホウ素との含有比(質量基準)が、1:1〜1:10であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理剤。
  3. 前記コロイド溶液は、前記フッ素含有化合物と、平均粒子径100nm〜3μmの窒化ホウ素粉末と、溶媒とを、アルカリ触媒条件下にて混合して調製されることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理剤。
  4. 前記フッ素含有化合物と前記窒化ホウ素との含有比(質量基準)が、1:5〜1:10であることを特徴とする請求項3に記載の表面処理剤。
  5. 前記コロイド溶液は、前記フッ素含有化合物と、平均粒子径100nm未満の窒化ホウ素粉末と、溶媒とを、アルカリ触媒条件下にて混合して調製されることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理剤。
  6. 前記式(I)において、yが0であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表面処理剤。
  7. 前記式(I)において、R1で表されるフルオロアルキル基を含有する基が、下記式(II)で表される基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の表面処理剤。
    Figure 2018141063
    (上記式(II)中、pは0〜2の整数である。)
  8. フィルタ基材と、
    前記フィルタ基材の表面に設けられてなる、請求項1〜7のいずれかに記載の表面処理剤に含まれる前記ナノコンポジット粒子を含有する被膜と
    を有することを特徴とするフィルタ。
  9. 下記式(I)で示されるフッ素含有化合物と、窒化ホウ素粉末と、溶媒とを、アルカリ触媒条件下又は無触媒条件下にて混合してコロイド溶液を調製することを特徴とする表面処理剤の製造方法。
    Figure 2018141063
    (上記式(I)中、R1はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R2はアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R3及びR4は各々独立して水素原子又は1価の有機基を表し、xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。)
  10. 前記フッ素含有化合物と前記窒化ホウ素粉末とを、1:1〜1:10の含有比(質量基準)で混合することを特徴とする請求項9に記載の表面処理剤の製造方法。
  11. 前記窒化ホウ素粉末の平均粒子径が100nm〜3μmであることを特徴とする請求項9又は10に記載の表面処理剤の製造方法。
  12. 前記フッ素含有化合物と前記窒化ホウ素粉末とを、1:5〜1:10の含有比(質量基準)で混合することを特徴とする請求項11に記載の表面処理剤の製造方法。
  13. 前記窒化ホウ素粉末の平均粒子径が100nm未満であることを特徴とする請求項9又は10に記載の表面処理剤の製造方法。
  14. 前記式(I)において、yが0であることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の表面処理剤の製造方法。
  15. 前記式(I)において、R1で表されるフルオロアルキル基を含有する基が、下記式(II)で表される基であることを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の表面処理剤の製造方法。
    Figure 2018141063
    (上記式(II)中、pは0〜2の整数である。)
  16. 請求項1〜7のいずれかに記載の表面処理剤を被処理基材の表面に塗布することを特徴とする表面処理方法。
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