JP2018140754A - アクチュエータおよび乗物用シート - Google Patents

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圭太 岩崎
Keita Iwasaki
圭太 岩崎
奥田 眞司
Shinji Okuda
眞司 奥田
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Abstract

【課題】被駆動部を備えた乗物用シートに搭載されるアクチュエータにおいて、搭載される乗物用シートの重量が重たくなることを抑制することができると共に製造コストが高くなることを抑制することができるアクチュエータを提供する。
【解決手段】
アクチュエータは、固定部80と、固定部80に対して相対的に移動可能に設けられた可動部81と、固定部80と可動部81との間に配置された膨縮可能な袋体83と、被駆動部65の一端と可動部81とに接続されると共に、袋体84の膨縮に伴って被駆動部65を動かす接続部材84とを備える。袋体83は、内部に気体が供給されることで膨らむように変形するように形成されており、袋体83が膨らむように変形することで可動部81は固定部80に対して移動し、可動部81が固定部80に対して移動することで接続部材84が被駆動部65を動かす。
【選択図】図7

Description

本開示は、アクチュエータおよび乗物用シートに関する。
従来から空気袋が設けられた乗物用シートについて各種提案されている。たとえば、特開2016−124333号公報に記載された乗物用シートは、ランバーサポートと、マッサージ装置と、ポンプとを備える。ランバーサポートおよびマッサージ装置は、いずれも複数の空気袋(ブラダ)を含み、各空気袋にはポンプから空気が供給される。
特開2016−124333号公報
上記のような乗物用シートにおいて、オットマンが搭載された乗物用シートも知られている。オットマンは、シートクッションの下部に位置する格納位置と、シートクッションの前方であって格納位置よりも上方に位置する展開位置との間を移動可能に設けられている。着座者がオットマンを使用しない場合には、オットマンは格納位置に配置される。
格納位置にオットマンが配置されている際に、乗物用シートが搭載された乗物が動いたり止まったりすると、オットマンが揺動するおそれがある。そこで、オットマンを格納位置に固定するロック装置を設けると共に、着座者の利便性向上の観点から、ロックを解除するためにロック装置を動かすモータなどを設けることが考えられる。
しかし、ロック装置を解除させるためのモータなどを搭載したのでは、乗物用シートの質量が重くなると共に製造コストが高くなるという課題が生じる。
上記のような課題は、オットマンおよびロック装置を備えた乗物用シートに限られず、乗物用シートに設けられた被駆動部を動かすアクチュエータを備えた乗物用シートにおいては同様の課題が生じる。
本開示は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、被駆動部を備えた乗物用シートに搭載されるアクチュエータにおいて、搭載される乗物用シートの重量が重たくなることを抑制することができると共に製造コストが高くなることを抑制することができるアクチュエータを提供することである。
本開示のアクチュエータは、乗物用シートに設けられた被駆動部を動かすアクチュエータであって、固定部と、固定部に対して相対的に移動可能に設けられた可動部と、固定部と可動部との間に配置された膨縮可能な袋体と、被駆動部の一端側と可動部とに接続されると共に、袋体の膨縮に伴って、被駆動部を動かす接続部材とを有することを特徴とする。
上記のアクチュエータによれば、乗物用シートに設けられたエアポンプで袋体を動かすことができる。これにより、当該アクチュエータ専用のモータなどを設ける必要がなく、アクチュエータが搭載される乗物用シートの重量が重くなることを抑制することができると共に、アクチュエータの製造コストの低減を図ることができる。
上記アクチュエータは、固定部と可動部の他端側とを接続すると共に、可動部が固定部に対して回転移動可能に接続するヒンジをさらに備えた。
上記のアクチュエータによれば、可動部はヒンジを中心として回転移動することになり、可動部の移動領域を制限することができる。これにより、可動部が移動する範囲を小さく抑えることができ、アクチュエータの搭載性を向上させることができる。
上記乗物用シートは、上記アクチュエータと、着座者が着座するシートフレームと、シートフレームに対して相対的に移動可能に設けられた可動部材と、可動部材を移動させる駆動装置とを備える。上記駆動装置は、可動部材の移動経路を規定する規定装置と、膨縮可能に形成されると共に駆動装置の駆動源である駆動袋と、可動部材の移動を規制するロック装置とを有する。上記ロック装置は、接続部材によって動かされることで可動部材の移動を規制した規制状態を解除する被駆動部を有し、アクチュエータは、規制状態が解除された可動部材を動かす駆動袋を有する。
上記の乗物用シートによれば、駆動装置の駆動袋と、袋体とのいずれも、乗物用シートに設けられたエアポンプなどで駆動させることができる。
上記袋体の内部と駆動袋の内部とは互いに連通させられた。上記の乗物用シートによれば、駆動袋および袋体と、乗物用シートに設けられたエアポンプとを接続するエア供給管などの部材を短くすることができ、乗物用シートのコンパクトを図ることができる。
本開示に係るアクチュエータによれば、搭載される乗物用シートの重量が重たくなることを抑制することができると共に製造コストが高くなることを抑制することができる。
乗物用シート1を模式的に示す斜視図である。 格納位置に位置しているときの側面図である。 展開位置にオットマン5が位置しているときの側面図である。 駆動装置10を示す分解斜視図である。 駆動袋21を示す側面図である。 単位袋50および単位袋51が萎んだ状態における駆動袋21などを示す側面図である。 ロック装置11およびアクチュエータ12を模式的に示す側面図である。 袋体83と駆動袋21と切替装置7とエアポンプ6との接続状態を模式的に示す模式図である。 オットマン5が格納位置に位置しており、ロック装置11がオットマン5の移動を規制している状態を示す側面図である。 ロック装置11によるオットマン5の移動が規制が解除された状態を示す側面図である。 オットマン5が展開位置に移動した状態を示す側面図である。 実施の形態2に係る乗物用シート1Aを模式的に示す側面図である。 シートバック3Aのバックフレーム101などを示す斜視図である。 接続部材126を示す斜視図である。 接続部材126およびその周囲の構成を示す断面図である。 袋体142が膨らんだ状態における乗物用シート1Aの一部を示す側面図である。
図1から図16を用いて、実施の形態1,2に係る乗物用シートについて説明する。なお、図1から図16に示す構成のうち、同一または実質的に同一の構成については同一の符号を付して、重複した説明を省略する場合がある。
図1から図16に示す「F」とは、乗物用シートに着座した着座者にとっての前方向を示す。「B」とは、乗物用シートに着座した着座者にとっての後方向を示す。「U」は上方向を示し、「D」は下方向を示す。「R」は右方向を示し、「L」は左方向を示す。なお、各実施の形態1,2において説明する各乗物用シートは、たとえば、車両などの乗物に搭載される。
(実施の形態1)
図1は、乗物用シート1を模式的に示す斜視図である。この図1に示すように、乗物用シート1は、着座者の頭部を支持するヘッドレスト2と、背もたれとして機能するシートバック3と、シートクッション4と、シートフレーム15と、オットマン(可動部材)5と、エアポンプ6と、切替装置7とを含む。
エアポンプ6は、乗物用シート1に設けられた複数の袋体にエアを供給するエア源である。切替装置7はエアポンプ6および複数の袋体に接続されている。切替装置7は、各袋体およびエアポンプ6の接続状態を選択的に切り替えて、選択した袋体にエアポンプ6からの空気を供給する。袋体としては、シートバック3に設けられた袋体や後述する駆動装置の袋体などがある。
シートフレーム15は、クッションフレーム8と、バックフレーム14とを含む。シートフレーム15は着座者が着座する着座部を形成する。シートバック3は、バックフレーム14と、バックフレーム14に装着されたバックパッドと、バックパッドに装着されたシートカバーとを含む。シートクッション4は、クッションフレーム8と、クッションフレーム8に装着されクッションパッドと、クッションパッドに装着されたクッションカバーとを含む。
オットマン5は、シートフレーム15のクッションフレーム8に対して相対的に移動可能に設けられている。オットマン5は、シートフレーム15のシートクッション4の下部に位置する格納位置と、シートクッション4の前方であって格納位置よりも上方に位置する展開位置との間を移動可能に設けられている。展開位置に位置するオットマン5は、着座者の脹脛を持ち上げた状態で支持する。
図2および図3は、オットマン5およびその周囲の構成を示す側面図である。図2は、格納位置に位置しているときの側面図であり、図3は、展開位置にオットマン5が位置しているときの側面図である。
図2および図3に示すように、乗物用シート1は、オットマン5を格納位置から展開位置に移動させる駆動装置10と、ロック装置11と、アクチュエータ12とを備える。
ロック装置11は、格納位置に位置するオットマン5の移動を規制する。アクチュエータ12は、駆動することで、オットマン5が格納位置で移動が規制された状態を解除する。
図4は、駆動装置10を示す分解斜視図である。この図4に示すように、駆動装置10は、規定装置20と、駆動袋21と、取付部材22,23とを含む。
規定装置20は、オットマン5が格納位置から展開位置までに移動する移動経路を規定する規定部材である。
規定装置20は、台30と、リンク装置31およびリンク装置32と、ロッド33,34,35とを含む。
台30には、オットマン5が固定されている。リンク装置31およびリンク装置32は、乗物用シート1の幅方向に間隔をあけて配置されている。
リンク装置31は、固定部36と、複数のリンク37,38,39,40と、ヒンジ41とを含む。固定部36はクッションフレーム8に固定されている。
リンク39の一端は、台30に回転可能に接続されている。リンク39の他端はリンク37の一端に回転可能に接続されており、リンク37の他端は固定部36に回転可能に接続されている。リンク37には、係合部材29が設けられており、この係合部材29は、オットマン5が格納位置に位置する際に、ロック装置11によって係り止められる部材である。
リンク40の一端は、台30に回転可能に接続されている。リンク40の他端はリンク38の一端に回転可能に接続されている。リンク38の他端は、固定部36に回転可能に接続されている。
ヒンジ41は、リンク38およびリンク39を互いに回転可能に接続している。具体的には、リンク38のうち一端および他端の間に位置する部分と、リンク39のうち一端および他端の間に位置する部分とを互いに回転可能に接続している。
リンク装置32は、リンク装置31と同様に構成されている。リンク装置32は、クッションフレーム8に固定された固定部42と、複数のリンク43,44,45,46と、ヒンジ47とを含む。
リンク装置31にはバネ48が設けられており、リンク装置32にはバネ49が設けられている。バネ48およびバネ49は、いずれもバネ長が短くなるような方向に付勢力が生じるように形成されている。
ロッド33,34,35は、リンク装置31およびリンク装置32の間に配置されており、乗物用シート1の幅方向に延びるように形成されている。
ロッド33は、台30に設けられている。ロッド34は、リンク装置31のヒンジ41と、リンク装置32のヒンジ47とを接続するように設けられている。ロッド35は、リンク38の他端側とリンク44の他端側とを接続するように設けられている。
ロッド35およびリンク38の接続位置は、リンク38および固定部36の接続位置から離れている。ロッド35およびリンク44の接続位置は、リンク44および固定部42の接続位置から離れている。
バネ48の一端は固定部36に接続されており、バネ48の他端はロッド35に接続されている。バネ49の一端は固定部42に接続されており、バネ49の他端はロッド35に接続されている。そして、バネ48,49は、リンク装置31,32が畳まれた状態になるようにリンク装置31,32に付勢力を加えている。
図5は、駆動袋21を示す側面図である。図4および図5に示すように、駆動袋21は、単位袋50,51と、単位袋50に取り付けられた接続片52,53および取付板54と、単位袋51に取り付けられた接続片55,56および取付板57とを含む。接続片52,53,55,56は、単位袋50,51と同じ材料から形成されており、たとえば、ポリウレタンなどから形成されている。
単位袋50,51は、乗物用シート1の幅方向に長くなるように形成されている。単位袋50の内部および単位袋51の内部が互いに連通するように形成されており、単位袋51にはエア供給管25の一端が接続されている。
エア供給管25の他端は切替装置7に接続されており、単位袋51はエア供給管25および切替装置7を通して、エアポンプ6に接続されている。
エアポンプ6から単位袋51に空気が供給されることで、単位袋51および単位袋50が膨らむように変形する。
取付部材22には接続片52,53および取付板54が接続されており、取付部材22は単位袋50に取り付けられている。取付部材22にはロッド33が挿入される挿入孔が形成されており、取付部材22はロッド33に回転可能に取り付けられている。
取付部材23は、接続片55,56および取付板57が接続されており、取付部材23は単位袋51に取り付けられている。取付部材23にはロッド34が挿入される挿入孔が形成されてり、取付部材23はロッド34に回転可能に取り付けられている。
ロッド33およびロッド34は、バネ48およびバネ49の付勢力によって互いに近づくように付勢力が加えられている。
このため、切替装置7がエアポンプ6および単位袋51の接続状態を解除すると共に、単位袋51を外気と連通させると、単位袋51,50内の空気が外部に排出されて、単位袋51,50は萎むように変形する。
図6は、単位袋50および単位袋51が萎んだ状態における駆動袋21などを示す側面図である。この図6に示すように、単位袋50および単位袋51が萎むことで、ロッド33およびロッド34は互いに近接した状態になる。この際、図2に示すように、オットマン5は格納位置に位置する。
そして、単位袋51に空気が供給されると、図5に示すように、単位袋50,51が膨らむように変形する。そして、取付部材22および取付部材23には駆動袋21から荷重が加えられ、取付部材22および取付部材23は互いに離れるように移動する。これに伴い、ロッド33およびロッド34は互いに離れるように移動して、図3に示すように、オットマン5は展開位置に位置する。
このように、オットマン5は、駆動装置10によって、格納位置および展開位置の間を移動しており、駆動装置10の規定装置20(リンク装置31,32)は、オットマン5の格納位置から展開位置までの移動経路を規定する。
図7は、ロック装置11およびアクチュエータ12を模式的に示す側面図である。この図7に示すように、ロック装置11は、ロックカム60と、回転軸61と、ピン62,63と、リングバネ64と、被駆動部材65とを含む。
回転軸61と、ピン62,63とは、クッションフレーム8に設けられている。回転軸61は、ロックカム60をクッションフレーム8に対して回転可能に支持する。ピン62およびピン63は、ロックカム60の回転範囲を設定しており、ロックカム60は回転軸61を中心として、ピン62およびピン63の間を回転する。ロックカム60には、カム面67および受入溝66が形成されている。
受入溝66は、オットマン5が格納位置に位置している際に、リンク37に設けられた係合部材29を係り止める溝である。
リングバネ64は、ロックカム60がピン63と接触するように、ロックカム60に付勢力を加えている。
被駆動部材65は、被駆動ピン(被駆動部)68と、回転軸69と、ピン70,71とを含む。回転軸69およびピン70,71は、クッションフレーム8に設けられており、回転軸69は被駆動ピン68を回転可能に支持する。
ピン70およびピン71は、被駆動ピン68の回転範囲を設定しており、被駆動ピン68は回転軸69を中心としてピン70およびピン71の間を回転する。被駆動ピン68の一端は、カム面67と接触するように配置されており、被駆動ピン68の他端には後述するワイヤ84が接続されている。
アクチュエータ12は、固定板(固定部)80と、可動板(可動部)81と、可動板81および回転軸82の間に配置された袋体83と、可動板81に接続されたワイヤ84と、案内部材85と、固定部86と、リングバネ87とを含む。
固定板80は、クッションフレーム8に固定されている。可動板81は、固定板80に対して相対的に移動可能に設けられている。回転軸82は、可動板81を固定板80に対して回転移動可能なように、固定板80および可動板81を接続しており、ヒンジを形成している。
袋体83は、内部に空気が供給されることで膨らむように変形するように形成されており、袋体83にはエア供給管26の一端が接続されている。エア供給管26は切替装置7を通してエアポンプ6に接続されている。ワイヤ84の一端は、被駆動ピン68の他端に接続されており、ワイヤ84の一端は固定部86によって可動板81に接続されている。なお、ワイヤ(接続部材)84を被駆動部材65に接続するとは、ワイヤ84を被駆動ピン68に直接的に接続する場合のみならず、ワイヤ84を間接的に被駆動ピン68に接続する場合も含む。具体的には、ワイヤ84と被駆動ピン68との間に介在部材を配置して、ワイヤ84と介在部材とを接続すると共に、介在部材と被駆動ピン68とを接続するようにしてもよい。
案内部材85は固定板80に設けられている。案内部材85内には、ワイヤ84が挿入される貫通孔が形成されており、案内部材85はワイヤ84を支持している。
リングバネ87は可動板81が固定板80に近づくように可動板81に付勢力を加えている。リングバネ87の一端は可動板81に接続されており、リングバネ87の他端は可動板81に接続されている。このため、袋体83には、可動板81および固定板80からリングバネ87からの付勢力が加えられている。
リングバネ87によって袋体83に加えられる応力は、図4に示すバネ48,49によって駆動袋21に加えられる応力よりも小さい。
図8は、袋体83と駆動袋21と切替装置7とエアポンプ6との接続状態を模式的に示す模式図である。この図8に示すように、アクチュエータ12は、接続パイプ28と、接続パイプ27と、エア供給管25およびエア供給管26と、袋体83と、駆動袋21とを含む。
接続パイプ28はエアポンプ6および切替装置7を接続しており、接続パイプ28を通して切替装置7にエアポンプ6から空気が供給される。接続パイプ27は、エア供給管25およびエア供給管26を切替装置7に接続している。袋体83の内部および駆動袋21の内部は、エア供給管25、エア供給管26および接続パイプ27を通して互いに連通している。
切替装置7は、接続パイプ27およびエアポンプ6を接続したり、接続パイプ27を外気に連通させたりする。
切替装置7が接続パイプ27をエアポンプ6に接続すると、接続パイプ27にはエアポンプ6からの空気が供給される。これにより、駆動袋21(単位袋51および単位袋50)には、接続パイプ27およびエア供給管25を通して、エアポンプ6からの空気が供給される。袋体83には、エア供給管26および接続パイプ27を通してエアポンプ6からの空気が供給される。
切替装置7が接続パイプ27およびエアポンプ6の接続状態を切断すると共に、接続パイプ27を外気に連通させた状態においては、駆動袋21内の空気は、ロッド33およびロッド34に加えられているバネ48およびバネ49の付勢力によって外部に排気され、駆動袋21は萎む。袋体83は、リングバネ87からの付勢力によって萎む。
上記のように構成された乗物用シート1において、オットマン5が格納位置から展開位置に移動する際において、各部材の動きについて説明する。
図9は、オットマン5が格納位置に位置しており、ロック装置11がオットマン5の移動を規制している状態を示す側面図である。
この図9において、駆動袋21および袋体83には、エアポンプ6からの空気は供給されておらず、駆動袋21および袋体83は外気と連通している。このため、駆動袋21はバネ48,48からの付勢力によって萎められており、リンク装置31,32は、バネ48,49の付勢力によって折りたたまれている。これにより、オットマン5は、格納位置に位置している。
リンク装置31が折り畳まれている状態においては、リンク装置31のリンク37および係合部材29はロック装置11に近接している。
ロック装置11においては、ロックカム60はリングバネ64からの付勢力によって、ロックカム60の先端部がピン63に当接している。この際、ロックカム60は、係合部材29を受入溝66内に受け入れている。これにより、ロック装置11は、リンク装置31が展開するように移動することを規制しており、オットマン5が格納位置から移動することを抑制している。
被駆動ピン68は被駆動ピン68の一端がロックカム60のカム面67と接触しているため、ロックカム60がピン63と接触しているときには、被駆動ピン68はピン71に当接している。
アクチュエータ12においては、袋体83はリングバネ87からの付勢力によって萎められており、可動板81は固定板80に近接している。このため、ワイヤ84は、案内部材85から送り出されており、ワイヤ84は、被駆動ピン68の他端に引張力を加えていない。このため、被駆動ピン68がピン71と当接した状態が維持される。
図9に示す状態においては、オットマン5が格納位置から移動することが抑制されているため、乗物用シート1が搭載された車両が減速したときなどにおいて、オットマン5が展開位置に向けて移動することを抑制することができ、着座者の脚にオットマン5が当たることを抑制することができる。
次に、オットマン5を展開位置に移動させるときにおける各部材の動きについて説明する。
図10は、ロック装置11によるオットマン5の移動が規制が解除された状態を示す側面図である。この図10において、切替装置7は、エアポンプ6と、駆動袋21および袋体83とを接続する。ここで、リングバネ87が袋体83を縮めようとする荷重は、バネ48およびバネ49が駆動袋21を縮めようとする荷重よりも遥かに小さい。
このため、袋体83は駆動袋21よりも先に膨らむように変形する。袋体83が膨らむように変形することで、可動板81は固定板80に対して離れるように、回転軸82を中心として回転する。
このように、可動板81が移動することで、ワイヤ84は可動板81によって引っ張られる。ワイヤ84が引っ張られることで、被駆動ピン68は回転軸69を中心として回転し、被駆動ピン68はピン70と当接する。
被駆動ピン68が回転すると、被駆動ピン68の一端はカム面67を押圧する。カム面67が被駆動ピン68によって押圧されることで、ロックカム60は、回転軸61を中心として回転して、ロックカム60はピン62と当接する。ロックカム60は、リングバネ64によって付勢されているが、被駆動ピン68はリングバネ64からの付勢力に抗して、ロックカム60を回転させる。
ロックカム60が回転すると、ロックカム60の受入溝66は、係合部材29から離れた状態になり、ロックカム60と係合部材29との係合状態は解除される。これにより、オットマン5は、格納位置から移動可能な状態になる。
袋体83が完全に膨らんだ状態において、さらに、エアポンプ6が袋体83および駆動袋21に空気を供給すると、駆動袋21が膨らむように変形する。
図11は、オットマン5が展開位置に移動した状態を示す側面図である。この図11に示すように、駆動袋21が膨らむように変形することで、リンク装置31およびリンク装置32は、畳まれた状態から展開した状態に変形し、オットマン5が展開位置に移動する。
次に、オットマン5が展開位置に位置している状態からオットマン5が格納位置で移動が規制された状態になるまでの各部材の動きについて説明する。
図11に示す状態において、切替装置7は、エアポンプ6と、駆動袋21および袋体83の接続状態を解除して、駆動袋21および袋体83を外気と連通させる。
この際、オットマン5や台30などの自重およびバネ48およびバネ49からの付勢力によって駆動袋21に加えられる荷重は、リングバネ87によって袋体83に加えられる荷重よりも遥かに大きい。
袋体83および駆動袋21内の圧力は、バネ48およびバネ49からの付勢力によって高圧に維持されており、リングバネ87からの付勢力では袋体83を萎めることができない。このため、駆動袋21内の空気が袋体83内の空気よりも先に外部に排気され、駆動袋21の方が、袋体83よりも先に縮み始める。さらに、オットマン5が格納位置に近づいたとしても、バネ48およびバネ49から駆動袋21に加えられる荷重は、リングバネ87から袋体83に加えられる荷重よりも大きいため、駆動袋21は萎み続け、袋体83が膨らんだ状態が維持される。
その結果、図10に示すように、リンク装置31およびリンク装置32が折り畳まれて、オットマン5が格納位置に位置した状態においても、袋体83が膨らんだ状態となり、その後、袋体83はリングバネ87からの付勢力によって縮められる。
そして、袋体83が縮み始めると、図9において、ワイヤ84が被駆動ピン68を引っ張る力が弱くなる。被駆動ピン68が引っ張られる力が弱くなると、リングバネ64からの付勢力によって、ロックカム60および被駆動ピン68が回転する。ロックカム60は、ピン63と当接するまで回転し、被駆動ピン68はピン71と当接するまで回転する。
このように、ロックカム60が回転することで、ロックカム60の受入溝66が係合部材29を受け入れる。
ロックカム60が回転する際には、リンク装置31,32は折り畳まれた状態になっており、係合部材29は所定の位置に位置しており、ロックカム60および係合部材29が干渉することが抑制されている。
このようにして、係合部材29およびロックカム60が係合して、オットマン5が格納位置に固定される。
上記のように、袋体83が膨らむように変形することで、ロック装置11のロックカム60の一部である被駆動部材65を動かして、ロック装置11によるオットマン5の移動を規制した状態を解除している。
袋体83は、他の袋体に空気を供給するエアポンプ6から供給される空気によって膨らむように変形している。このように、本実施の形態1に係るアクチュエータ12においては、他の袋体にも空気を供給するエアポンプ6をエア源として利用しており、袋体83専用のエア源を設ける必要がなく、部品点数の低減、製造コストの低減およびアクチュエータ12の軽量化がなされている。
アクチュエータ12は、可動板81を固定板80に対して回転可能に接続する回転軸82を含み、可動板81は可動板81に対して回転移動可能なように設けられている。このため、可動板81の可動領域は小さく、アクチュエータ12を搭載スペースが小さく抑えられている。
たとえば、可動板81が固定板80と平行な状態を維持しながら固定板80から離れるように移動する場合と、回転軸82を中心として可動板81が固定板80に対して回転移動する場合とを比較すると、可動板81が回転移動した場合の方が、可動板81が移動する領域を小さく抑えることができる。
袋体83の内部と、駆動袋21の内部とが互いに連通するように形成されているため、切替装置7と、袋体83および駆動袋21を接続するエア供給管の長さを短く抑えることができる。すなわち、切替装置7および袋体83と、切替装置7および駆動袋21とを別々にエア供給管で接続した場合よりも、図8に示すエア供給管25,26および接続パイプ27のパイプ全長を短くすることができる。
なお、上記実施の形態1に係る乗物用シート1においては、アクチュエータ12をロック装置11の被駆動部材65を動かす部材として適用した例について説明したが、アクチュエータ12は、各種の被駆動部材を動かすアクチュエータとして利用することができる。
(実施の形態2)
図12は、実施の形態2に係る乗物用シート1Aを模式的に示す側面図である。この図12に示すように、乗物用シート1Aは、ヘッドレスト2Aと、シートバック3Aとを含む。シートバック3Aは、バックパッド100と、バックパッド100が配置されたバックフレームとを含む。
図13は、シートバック3Aのバックフレーム101などを示す斜視図である。この図13に示すように、シートバック3Aは、バックフレーム101と、アクチュエータ12Aと、バックフレーム101に設けられたワイヤーユニット102とを含む。
バックフレーム101は、アッパフレーム110と、サイドフレーム111,112とを含む。アッパフレーム110は、バックフレーム101の上部に設けられており、乗物用シート1Aの幅方向に延びるように形成されている。サイドフレーム111およびサイドフレーム112は、乗物用シート1Aの幅方向に間隔をあけて配置されている。サイドフレーム111は、バックフレーム101の一端に接続されており、サイドフレーム112はバックフレーム101の他端に接続されている。
ワイヤーユニット102は、枠状に形成されたバックフレーム101内に配置されている。ワイヤーユニット102は、着座者の背中を支持するように設けられている。このワイヤーユニット102は、着座者の肩甲骨付近で後方に屈曲可能に形成されている。アクチュエータ12Aは、ワイヤーユニット102を屈曲していない状態から屈曲させるために駆動する。
ワイヤーユニット102は、複数の縦ワイヤ120,121,122,123と、ロッド124と、複数の受圧ワイヤ130A〜130Eと、接続部材126,127とを含む。
ロッド124はアッパフレーム110に設けられており、ロッド124は乗物用シート1Aの幅方向に延びるように形成されている。
縦ワイヤ120,121,122,123は、乗物用シート1Aの高さ方向に延びるように配置されている。
縦ワイヤ120,121は、サイドフレーム111側に配置されている。縦ワイヤ120の上端部はロッド124に引っ掛けられている。縦ワイヤ120の下端部と縦ワイヤ121の上端部は、ヒンジ128によって、互いに回転可能に接続されている。
縦ワイヤ122,123は、サイドフレーム112側に配置されている。縦ワイヤ122の上端部は、ロッド124に引っ掛けられている。縦ワイヤ122の下端部と、縦ワイヤ123の上端部とは、ヒンジ129によって、互いに回転可能に接続されている。
複数の受圧ワイヤ130A〜130Eは、乗物用シート1の幅方向に延びるように配置されている。受圧ワイヤ130A,130Bは、縦ワイヤ120および縦ワイヤ122を接続するように配置されている。受圧ワイヤ130C,130D,130Eは、縦ワイヤ121および縦ワイヤ123を接続するように設けられている。
接続部材126はヒンジ128に接続されると共に、サイドフレーム111に回転可能に設けられている。接続部材127はヒンジ129に接続されると共に、サイドフレーム112に回転可能に設けられている。
アクチュエータ12Aは、可動板140と、固定板141と、袋体142と、ワイヤ143,144とを含む。
固定板141は、バックフレーム101に固定されている。可動板140は、固定板141に対して回転移動可能なように設けられている。袋体142は、可動板140および固定板141の間に配置されている。袋体142には、エア供給管の一端が接続されており、エア供給管の他端は切替装置7を通してエアポンプ6に接続されている。
袋体142が膨らむように変形すると、可動板140は乗物用シート1Aの後方側に向けて回転するように移動する。
ワイヤ143,144の一端は、固定板141に形成された穴をとおり、可動板140に接続されている。ワイヤ143の他端は接続部材126に接続されており、ワイヤ144の他端は接続部材127に接続されている。
図14は、接続部材126を示す斜視図である。この図14に示すように、接続部材126は、複数のフランジ150,151,152と、接続板153と、押圧板154と、バネ158とを含む。
フランジ150には穴155が形成されており、穴155には縦ワイヤ121および縦ワイヤ121を接続するヒンジの軸部が挿入される。フランジ151には穴156が形成されており、穴156には接続部材126をサイドフレーム111に回転可能に接続するヒンジの軸部が挿入される。フランジ152には、ワイヤ143が接続されている。
フランジ150,151,152のうち、フランジ151が最もサイドフレーム111に近い位置に配置されており、フランジ150,152はフランジ151よりもサイドフレーム111から離れた位置に配置されている。
接続板153は、フランジ150およびフランジ151を接続するように形成されている。押圧板154は、フランジ152およびフランジ151を接続するように形成されている。
図15は、接続部材126およびその周囲の構成を示す断面図である。この図15においては、接続部材126のフランジ150およびフランジ151を通る断面で視たときの断面図である。
この図15において、ヒンジ128は、ピン160とワッシャ161によって形成されており、ピン160は、ヘッド部162と、軸部163とを含む。
縦ワイヤ120の下端部には平坦部が形成されており、この平坦部に穴が形成されている。縦ワイヤ121の上端部にも平坦部が形成されており、この平坦部に穴が形成されている。
軸部163は、縦ワイヤ120の穴と、縦ワイヤ121の穴と、接続部材126の穴155とを通るように挿入されている。軸部163の先端部にワッシャ161が設けられている。ピン160のヘッド部162およびワッシャ161の間に、縦ワイヤ120の下端部と、縦ワイヤ121の上端部と、接続部材126のフランジ150とが配置されている。そして、縦ワイヤ120の下端部と、縦ワイヤ121の上端部と、フランジ150とは、各々が互いに相対的に回転可能なように接続されている。
フランジ151の穴156にはピン165が挿入されており、フランジ151はピン165によってサイドフレーム111に対して回転可能なように設けられている。
ここで、図14において、押圧板154には、バネ158の一端が接続されており、バネ158の他端はバックフレーム101に接続されている。バネ158は、バネ158のバネ長が短くなるような方向に付勢力を発生するように形成されている。このため、押圧板154は、バネ158によって乗物用シート1Aの背面側に付勢されている。
図13において、接続部材127は、接続部材126と同様に形成されており、接続部材127の詳細な説明については省略する。
上記のように構成された乗物用シート1Aにおいて、袋体142が萎んだ状態においては、図12に示すように、縦ワイヤ120および縦ワイヤ121は、略同一直線状に並ぶように配置されている。
そして、図13に示すアクチュエータ12Aの袋体142が膨らむように変形すると、可動板140が固定板141から離れるように移動する。可動板140が移動すると、ワイヤ143およびワイヤ144は、接続部材126および接続部材127を引っ張る。
図16は、袋体142が膨らんだ状態における乗物用シート1Aの一部を示す側面図である。この図16に示すように、ワイヤ143が接続部材126のフランジ152を上方に引っ張ると、フランジ152が乗物用シート1Aの前方側に移動するように、接続部材126はピン165を中心として回転する。これに伴い、フランジ150およびヒンジ128は、乗物用シート1Aの後側に移動する。
ヒンジ128が乗物用シート1Aの後側に向けて移動すると、縦ワイヤ120の下端部および縦ワイヤ121の上端部も乗物用シート1Aの後側に移動する。
この結果、縦ワイヤ120および縦ワイヤ121は、ヒンジ128において屈曲した状態で接続される。同様に、図13に示す接続部材127も回転して、ヒンジ129は乗物用シート1Aの後側に移動して、縦ワイヤ122と縦ワイヤ123とは、ヒンジ129において屈曲した状態となる。
ワイヤーユニット102は、ヒンジ128,129において、乗物用シート1Aの後ろ側に曲げられた形状に変形する。
ワイヤーユニット102が変形することで、着座者の背部の下半は後傾され、背部の上半は起こされた状態になり、着座者に安楽な姿勢をとらせることができる。
そして、袋体142にエアポンプ6からの空気が供給されず、袋体142が外気と連通すると、袋体142が萎むように変形する。袋体142が萎むと、ヒンジ128はバネ158からの付勢力によって回転して、縦ワイヤ120および縦ワイヤ121は、図12に示すように、互いに同一直線に並ぶように移動する。
このように、アクチュエータとしては、乗物用シートのシートバックの中折れ機構にも適用することができる。
上記のように実施の形態1,2に係る乗物用シートについて説明したが、各実施の形態において開示された構成は各々組み合わせることは当初から予定されている。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 乗物用シート、2 ヘッドレスト、3 シートバック、4 シートクッション、5 オットマン(可動部材)、6 エアポンプ、7 切替装置、8 クッションフレーム、10 駆動装置、11 ロック装置、12 アクチュエータ、14 バックフレーム、15 シートフレーム、20 規定装置、21 駆動袋、22,23 取付部材、25,26 エア供給管、27,28 接続パイプ、29 係合部材、30 台、31,32 リンク装置、33,34,35 ロッド、36,42,86 固定部、37,38,39,40,43,44,45,46 リンク、41,47 ヒンジ、48,49 バネ、50,51 単位袋、52,53,55,56 接続片、54,57 取付板、60 ロックカム、61,69,82 回転軸、63,70,71 ピン、64,87 リングバネ、65 被駆動部材、66 受入溝、67 カム面、68 被駆動ピン(被駆動部)、80 固定板(固定部)、81 可動板(可動部)、83 袋体、84 ワイヤ(接続部材)、85 案内部材。

Claims (4)

  1. 乗物用シートに設けられた被駆動部を動かすアクチュエータであって、
    固定部と、
    前記固定部に対して相対的に移動可能に設けられた可動部と、
    前記固定部と前記可動部との間に配置された膨縮可能な袋体と、
    前記被駆動部の一端側と前記可動部とに接続されると共に、前記袋体の膨縮に伴って、前記被駆動部を動かす接続部材と、
    を有することを特徴とする、アクチュエータ。
  2. 前記固定部と前記可動部の他端側とを接続すると共に、前記可動部が前記固定部に対して回転移動可能に接続するヒンジをさらに備えた、請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたアクチュエータと、
    着座者が着座する着座部を形成するシートフレームと、
    前記シートフレームに対して相対的に移動可能に設けられた可動部材と、
    前記可動部材を移動させる駆動装置と、
    を備え、
    前記駆動装置は、
    前記可動部材の移動経路を規定する規定装置と、
    膨縮可能に形成されると共に前記駆動装置の駆動源である駆動袋と、
    前記可動部材の移動を規制するロック装置と、
    を有し、
    前記ロック装置は、前記接続部材によって動かされることで前記可動部材の移動を規制した規制状態を解除する前記被駆動部を有し、
    前記アクチュエータは、前記規制状態が解除された前記可動部材を動かす前記駆動袋を有する、乗物用シート。
  4. 前記袋体の内部と前記駆動袋の内部とは互いに連通させられた、請求項3に記載の乗物用シート。
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