以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1に本実施形態のゲームシステム(ゲーム装置、画像生成システム、サーバシステム)のブロック図の例を示す。なお、本実施形態のゲームシステムの構成は図1に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
撮像部150は、1又は複数のカメラにより構成される。各カメラは、レンズ(広角レンズ)等の光学系や、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子により構成される。また撮像部150に1又は複数のマイクを設けてもよい。撮像部150を用いることで、プレーヤの動き情報(各部位の動き情報、スケルトン情報)を検出したり、プレーヤの認識処理(顔認識等)を実現できる。また複数のカメラを撮像部150に設けることで、空間の奥行き方向を認識し、撮像部150の前方でプレイしている二人のプレーヤの前後関係を判断することなどが可能になる。また複数のマイクを撮像部150に設けることで、音源の方向等を検出できる。例えば複数のカメラ及び複数のマイクが設けられた撮像部150を用いることで、プレーヤの動きや音声などを操作情報として直感的にプレイできるゲームを実現することが可能になる。
操作部160は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、方向指示キー、アナログスティック、操作ボタン、レバー、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。また操作部160には、プレーヤに情報を報知するための振動機構(振動モータ等)を設けることができる。
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(DRAM、VRAM)などにより実現できる。そしてゲームプログラムや、ゲームプログラムの実行に必要なゲームデータは、この記憶部170に保持される。
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリ(ROM等)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
頭部装着型表示装置200(以下、適宜、HMDと呼ぶ)は、プレーヤの頭部に装着されて、プレーヤの眼前に画像を表示する装置であり、モーションセンサ210、表示部220を含む。また発光部230や処理部240を含むことができる。
モーションセンサ210は例えば加速度センサやジャイロセンサなどにより実現される。例えば加速度センサとジャイロセンサで構成されるモーションセンサ210を用いることで、X、Y、Z軸の3軸回りでのプレーヤの頭部(HMD)の回転運動を検出できる。例えば各X、Y、Z軸回りでの回転角度や角速度等を検出できる。また発光部230は、例えば後述する図2のLED231〜236(発光素子)などにより実現される。例えばHMD200の前面側に設けられた4つのLED231、232、233、234と、背面側に設けられた2つのLED235、236からの光を、撮像部150で撮像することで、プレーヤの頭部(HMD)の前後左右上下の移動を検出できる。即ち、3次元空間でのプレーヤの頭部(HMD)位置情報を取得できる。
HMD200の表示部220は例えば液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイなどにより実現できる。例えばHMD200には、表示部220として、プレーヤの左目の前に配置される第1のディスプレイと、右目の前に配置される第2のディスプレイが設けられており、例えば立体視表示等も可能になっている。立体視表示を行う場合には、例えば視差が異なる左目用画像と右目用画像を生成し、第1のディスプレイに左目用画像を表示し、第2のディスプレイに右目用画像を表示すればよい。なお表示部220は、HMD200に設けられる表示部でなくてもよく、テレビの表示部や業務用ゲーム装置の表示部等であってもよい。
HMD200の処理部230は、HMD200において必要な各種の処理を行う。例えば処理部230は、モーションセンサ210のセンサ情報の検出処理や表示部220の表示制御処理などを行う。また処理部230は、3次元音響(立体音響)処理を行って、3次元的な音の方向や距離や広がりの再現を実現する。即ち、3次元空間での音場を制御する処理を行う。このような3次元音響処理が施された音は、HMD200に設けられたヘッドホン端子を介して、ヘッドホン等により実現される音出力部192に出力される。
音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、例えばヘッドホン、或いはテレビやオーディオ装置に設けられたスピーカ等により実現できる。
補助記憶装置194(補助メモリ、2次メモリ)は、記憶部170の容量を補うために使用される記憶装置であり、SDメモリーカード、マルチメディアカードなどのメモリーカードなどにより実現できる。
通信部196は、有線や無線のネットワークを介して外部(他の装置)との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバ(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170、補助記憶装置194)に配信してもよい。このようなサーバ(ホスト装置)による情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
処理部100(プロセッサ)は、操作部160やHMD200からの操作情報や、プログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などを行う。処理部100は記憶部170をワーク領域として各種処理を行う。この処理部100の機能は、各種プロセッサ(CPU、GPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
処理部100は、情報取得部102、ゲーム処理部104、オブジェクト空間設定部110、仮想カメラ制御部112、画像生成部120、音生成部130を含む。なおこれらの構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
情報取得部102は、処理部100の処理に必要な種々の情報を取得する。即ち、これらの情報の受け付け処理を行う。例えば情報取得部102は、操作部160やHMD200からプレーヤの操作情報を取得する。
ゲーム処理部104は各種のゲーム処理(ゲーム演算)を行う。ここでゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。ゲーム処理部104は視線情報演算部105、ゲームパラメータ処理部106、ゲーム進行処理部107を含む。ゲーム処理部104の詳細については後述する。
オブジェクト空間設定部110は、複数のオブジェクトが配置されるオブジェクト空間の設定処理を行う。例えば、キャラクタ(人、動物、ロボット等)、マップ(地形)、建物、コース(道路)、樹木、壁、水面などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェイスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。即ちワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。具体的には、記憶部170のオブジェクトデータ記憶部174には、オブジェクト(パーツオブジェクト)の位置、回転角度、移動速度、移動方向等のデータであるオブジェクトデータがオブジェクト番号に対応づけて記憶される。オブジェクト空間設定部110は、例えば各フレーム毎にこのオブジェクトデータを更新する処理などを行う。
仮想カメラ制御部112は、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点、基準仮想カメラ)の制御処理を行う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置、視線方向あるいは画角を制御する処理)を行う。この仮想カメラはプレーヤの視点に相当する。
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理、シミュレーション処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部220に出力する。具体的には、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換、或いは光源処理等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)が作成される。そして、この描画データ(プリミティブ面データ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)を、描画バッファ176(フレームバッファ、ワークバッファ等のピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ)に描画する。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。なお、画像生成部120で行われる描画処理は、頂点シェーダ処理やピクセルシェーダ処理等により実現することができる。
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。なお音生成部130の音生成処理の一部(例えば3次元音響処理)を、HMD200の処理部240により実現してもよい。
そして本実施形態のゲームシステムは、図1に示すように、情報取得部102とゲーム処理部104と画像生成部120を含む。
そして情報取得部102はプレーヤの視線情報を取得する。例えばプレーヤの操作情報として入力された視線情報を取得する。HMD200を用いる場合を例にとれば、プレーヤの視線情報はHMD200のモーションセンサ210からのモーション検出情報に基づいて取得できる。例えばモーションセンサ210によりプレーヤの頭部についての各3軸回りでの回転角度を求めることで、プレーヤの頭部が向く方向に対応する視線情報を求めることができる。なお操作部160(ゲームコントローラ)からの操作情報に基づいて、視線情報を取得してもよい。例えば操作部160に設けられた方向指示キー、アナログスティック又は操作ボタン等をプレーヤが操作することで得られた操作情報に基づいて、視線情報を取得(特定)してもよい。またプレーヤの眼球の動きを検出できる場合には、眼球の動きも考慮して視線情報を求めてもよい。また、モーションセンサ210のモーション検出情報に加えて、発光部230の複数の発光素子(LED)を撮像部150により撮像した画像を用いて、プレーヤの視線情報を取得してもよい。またHMD200のモーションセンサ210のモーション検出情報以外の情報を用いてプレーヤの視線情報を検出してもよい。例えば撮像部150に、3次元空間でのデプス情報(奥行き情報)を検出できるデプスセンサを設け、カラー画像センサからのカラー画像とデプスセンサからのデプス情報を用いて、プレーヤのスケルトン情報を抽出し、抽出されたスケルトン情報を用いてプレーヤの視線情報を取得してもよい。
ゲーム処理部104はゲームパラメータの演算処理を行い、ゲームパラメータに基づいてゲーム処理を行う。画像生成部120は、ゲーム処理の結果に基づいて、ゲーム画像を生成する。音生成部130も、ゲーム処理の結果に基づいて、BGM、効果音又は音声等のゲーム音を生成する。
例えばゲーム処理部104はゲームパラメータの値を増減させる演算処理を行う。そして演算処理後のゲームパラメータに基づいて、キャラクタの動作(挙動)を制御したり、ストーリーの分岐処理を行ったり、ゲームイベントを発生する処理を行ったりするなどの、各種のゲーム処理を行う。例えばプレーヤのゲームプレイの対象となるキャラクタとプレーヤとによりストーリーが進行するゲームの処理を行う。なお、ゲームパラメータの演算処理はゲーム演算処理部106が行い、ゲームパラメータはゲームパラメータ記憶部172に記憶される。またゲーム進行処理は、ゲーム進行処理部107が行う。
そして本実施形態ではゲーム処理部104は、プレーヤのゲームプレイの対象となるキャラクタとプレーヤの視線との関係を表す視線関係情報を、視線情報に基づき求める。そして視線関係情報に基づいて、ゲームパラメータを変化させて、ゲーム処理を行う。例えば視線関係情報に基づく変化後のゲームパラメータを用いてゲーム処理を実行する。
ここで、プレーヤのゲームプレイの対象となるキャラクタは、例えばプレーヤのゲームプレイの相手となるキャラクタである。恋愛シミュレーションゲームを例にとれば、プレーヤの疑似恋愛の相手(候補)となるキャラクタである。例えば本実施形態では画像生成部120はプレーヤの例えば一人称視点でのゲーム画像を生成し、生成された一人称視点での画像をHMD200の表示部220に表示する。このようにすることで、あたかもゲーム空間(CGアニメの世界)の中に自分が入り込んだかのような仮想現実感をプレーヤに与えることができる。そしてキャラクタは、このゲーム空間(3次元空間)の中に、プレーヤのゲームプレイの対象として登場する。これにより、プレーヤは、あたかも本当の人間(キャラクタ)がプレーヤの眼前に存在するような仮想現実を感じることができる。なおプレーヤのゲームプレイの対象となるキャラクタとして、戦争ゲームやRPGゲームやスポーツゲームなどでプレーヤの敵や味方として登場するキャラクタを用いてもよい。
また視線関係情報は、プレーヤの視線とキャラクタとの関係を表す情報であり、例えばプレーヤの視線について、キャラクタとの相対的な関係を表す情報である。例えば視線関係情報は、キャラクタの位置や各部位を基準として、プレーヤの視線がどの方向を向いているかに関する情報である。プレーヤの視線情報から視線関係情報を求める処理は、例えば視線情報処理部105が行う。
またゲームパラメータは、ゲーム処理の進行等に使用されるパラメータであり、例えばキャラクタやプレーヤのステータスや能力等を表すパラメータである。例えばゲームパラメータであるキャラクタのパラメータとしては、プレーヤに対するキャラクタの評価を表すパラメータなどがある。このような評価を表すパラメータとしては、プレーヤに対するキャラクタの好感度(関心度)、親密度(親しみやすさ、スキンシップ度)、ときめき度、嫌悪度、傷心度、或いは恋愛度を表すパラメータなどを想定できる。またゲームパラメータであるキャラクタのパラメータとしては、プレーヤのステータス又は能力を表すパラメータなどがある。このようなステータスや能力を表すパラメータとしては、プレーヤの真面目度、不道徳度、魅力度、容姿、体調、根性、ストレス度、理系度、文系度、雑学度、或いは勉強や運動や芸術等の能力などを想定できる。
本実施形態ではゲーム処理部104(ゲームパラメータ処理部)は、キャラクタとプレーヤの視線との関係を表す視線関係情報に基づいて、キャラクタやプレーヤのゲームパラメータを増減させる演算処理等を行う。例えばキャラクタの位置や各部位と、プレーヤの視線との関係等に応じて、ゲームパラメータの変化度合いを異ならせる処理などを行う。
またゲーム処理部104は、キャラクタに対するプレーヤの注視情報を、視線関係情報として求め、注視情報に基づいて、ゲームパラメータを変化させる処理を行う。例えば、プレーヤの視線のキャラクタへの注視状態を判断し、その注視状態に応じて、キャラクタやプレーヤのゲームパラメータを増減させる処理を行う。
具体的にはゲーム処理部104は、プレーヤがキャラクタを注視しているか否かの情報である注視有無情報(注視有無フラグ)、及びプレーヤが注視しているキャラクタの部位の情報である注視部位情報の少なくとも1つを、注視情報として求める。そして、求められた注視有無情報及び注視部位情報の少なくとも1つに基づいてゲームパラメータを変化させる処理を行う。
例えばゲーム処理部104は、プレーヤがキャラクタを注視している場合には、キャラクタやプレーヤのゲームパラメータ(例えば好感度パラメータ)を増加させる。一方、プレーヤがキャラクタを注視していない場合には、キャラクタやプレーヤのゲームパラメータを変化させなかったり、減少させる。またゲーム処理部104は、プレーヤが注視しているキャラクタの部位(顔、胸部、手、足、腹部、又臀部等)に応じて、ゲームパラメータの変化度合い(変化態様)を異ならせる。例えばキャラクタの第1の部位(顔等)をプレーヤが注視している場合と、キャラクタの第2の部位(胸部、臀部等)をプレーヤが注視している場合とで、キャラクタ等のゲームパラメータの変化度合い(変化態様)を異ならせる。或いはプレーヤがキャラクタの所定部位(顔、胸部、臀部等)を注視した場合に、ゲームパラメータを増加又は減少させる処理を行う。
またゲーム処理部104は、プレーヤがキャラクタを注視している時間を表す注視時間情報、及びプレーヤの注視時におけるキャラクタとの間の距離を表す注視距離情報の少なくとも1つを、注視情報として求めてもよい。そして注視時間情報及び注視距離情報の少なくとも1つに応じて、ゲームパラメータの変化度合いを異ならせる。例えば注視時間が長い場合には、注視時間が短い場合に比べて、ゲームパラメータの変化度合いを大きくする。或いは、注視距離が短い場合には、注視時間が長い場合に比べて、ゲームパラメータの変化度合いを大きくする。或いは、注視時間が所与の時間より長い場合、或いは注視距離が所与の距離よりも短いことを条件に、ゲームパラメータを変化させるようにする。
またゲーム処理部104は、プレーヤの注視状態を判定するための注視判定範囲を可変に変化させる。例えば注視判定範囲内にキャラクタ(キャラクタの一部又は全部)が入っている場合に、プレーヤがキャラクタを注視していると判定したり、プレーヤの注視しているキャラクタの部位(位置)を、注視判定範囲に基づいて判定する。この際に、この注視判定範囲を可変に変化させる。具体的にはゲーム処理部104は、ゲームパラメータ、ゲームの環境情報、ゲーム状況、及びゲームに登場するアイテムの少なくとも1つに基づいて、注視判定範囲を可変に変化させる。例えば、視線関係情報に基づき変化するゲームパラメータの値の大きさに応じて、注視判定範囲を広くしたり、狭くする。或いはゲームの環境情報(ゲーム基本設定、コンフィグ)として設定されるゲームの難易度などに応じて、注視判定範囲の大きさ等を変化させる。或いは、ゲーム状況が特定の状況になった場合に、注視判定範囲を変化させる。或いは、注視判定範囲を変化させる効力を有するアイテムをプレーヤが獲得(使用)した場合に、注視判定範囲の大きさ等を変化させる。
またゲーム処理部104は、プレーヤの視線とキャラクタの視線との相関を表す視線相関情報を、視線関係情報として求め、プレーヤとキャラクタの視線相関情報に基づいてゲームパラメータを変化させる処理を行う。例えば視線相関の状態としては、プレーヤの視線もキャラクタの視線も相手の方を向いていない第1の視線相関状態や、プレーヤの視線はキャラクタの方を向いているがキャラクタの視線はプレーヤの方を向いていない第2の視線相関状態や、キャラクタの視線はプレーヤの方を向いているが、プレーヤの視線はキャラクタの方を向いていない第3の視線相関状態や、プレーヤの視線はキャラクタの方を向いておりキャラクタの視線もプレーヤの方を向いている第4の視線相関状態などを想定できる。本実施形態ではこれらの視線相関の各状態に応じて、ゲームパラメータを変化させる。例えば、これらの視線相関の各状態に応じて、ゲームパラメータの変化度合い(変化態様)を異ならせる。
またゲーム処理部104は、視線関係情報に基づいて、ゲームパラメータのうちの第1のゲームパラメータが変化する場合に、視線関係情報に基づく第1のゲームパラメータの変化の度合い(変化態様)を、ゲームパラメータのうちの第2のゲームパラメータの値に応じて、異ならせてもよい。ここで第1のゲームパラメータは、例えば、プレーヤに対するキャラクタの評価を表すパラメータである。この場合にゲーム処理部104は、視線関係情報に基づく第1のゲームパラメータの変化の度合い(変化態様)を、第2のゲームパラメータの値に応じて異ならせる。例えば、プレーヤに対するキャラクタの好感度、親密度又はときめき度等の評価を表す第1のゲームパラメータが、視線関係情報に基づいて変化する。この場合に、当該第1のゲームパラメータの変化度合いを、プレーヤのステータスや能力等を表す第2のゲームパラメータ(真面目度、不道徳度等のパラメータ)に応じて異ならせる。
また画像生成部130は、プレーヤが装着するHMD200(頭部装着型表示装置)に表示されるゲーム画像を生成する。この場合に、ゲーム処理部104は、ゲームパラメータの値又は変化を、ゲーム画像には表示せずに、BGM、効果音及び振動の少なくとも1つを用いてプレーヤに報知する処理を行う。例えばゲームパラメータの値や変化が、ゲーム画像に表示されると、プレーヤの仮想現実感を損ねてしまうおそれがある。そこで、ゲームパラメータの値や変化を、BGM(バックグランドミュージック)や、効果音(ゲーム効果音)や、振動(例えばゲームコントローラの振動)を用いて、プレーヤに報知する。
またゲーム処理部104は、キャラクタとプレーヤとの距離情報に基づいて、キャラクタに付随して出力される付随音を制御する。例えば、距離情報に基づいて付随音の出力態様を変化させる。例えばキャラクタとプレーヤの距離が近づくと、キャラクタに付随して出力される付随音(キャラクタが動くことで出る音や、キャラクタの体から出る音等)を大きくする。またゲーム処理部104は、キャラクタとプレーヤとの距離情報と、キャラクタやプレーヤのゲームパラメータに基づいて、付随音を制御する。例えば、キャラクタの好感度パラメータ(関心度パラメータ)や恋愛度パラメータが高い場合には、キャラクタとプレーヤの距離が近づいた場合にも、このような付随音の出力をオフにする。或いは、付随音のうち特定の付随音(例えば心拍のドキドキ音)だけがプレーヤに聞こえるようにする。
またゲーム処理部104は、視線関係情報に基づきゲームパラメータが変化する確率を可変にする処理を行う。例えばプレーヤの視線がキャラクタの方を向いた場合等に、常にゲームパラメータを変化させることはせずに、乱数等に基づき設定される所与の確率で変化させるようにする。そしてゲーム処理部104は、ゲーム状況、プレーヤの注視時間、及び注視部位の少なくとも1つに基づいて、この確率を変化させる処理を行う。例えばゲーム状況が第1の状況である場合と第2の状況である場合とで、上記確率を異ならせる。或いは注視時間が長い場合には、上記確率を高くし、注視時間が短い場合には、上記確率を低くする。或いは、プレーヤが注視する部位に応じて、上記確率を変化させる。例えばプレーヤがキャラクタの第1の部位を注視した場合には、上記確率を高くし、キャラクタの第2の部位を注視した場合には、上記確率を低くする。
またゲーム処理部104は、プレーヤとキャラクタとの間のコミュニケーションとして入力されるコミュニケーション入力情報と、視線関係情報とに基づいて、ゲームパラメータを変化させる処理を行う。このコミュニケーション入力情報は、例えばキャラクタとプレーヤのコミュニケーション(対話)において、キャラクタが質問や問題等を提示し、プレーヤがそれに対する回答として入力する情報などである。或いは、プレーヤとキャラクタとの間のコミュニケーションとして発生するイベント(例えばデートイベント)において、プレーヤが入力する情報である。この入力情報は、例えば操作部160(ゲームコントローラ等)を用いて入力される。或いは、プレーヤが、質問や問題等への回答を、頭部の上下の頷き(肯定)や左右の首振り(否定)などの動きで入力し、それをHMD200のモーションセンサ210等により検出してもよい。或いは、質問や問題等へのプレーヤの回答をマイク等により検出してもよい。
またゲーム処理部104は、視線関係情報と、キャラクタが登場するゲームステージの情報と基づいて、ゲームパラメータを変化させる処理を行う。例えばゲームステージに応じて、視線関係情報に基づくゲームパラメータの変化度合い(変化態様)を異ならせる。例えばゲームステージが夜のステージなのか昼や朝のステージなのかに応じて、視線関係情報に基づくゲームパラメータの変化度合いを異ならせる。或いは、ゲームステージが明るいステージなのか、暗いステージなのかに応じて、ゲームパラメータの変化度合いを異ならせる。或いは、ゲームステージにより表される場所(例えば公園、港、街中等)に応じて、視線関係情報に基づくゲームパラメータの変化度合いを異ならせる。
なお、本実施形態のプログラム、ゲームシステムは、サーバシステムとして実現されるものであってもよい。例えば本実施形態のプログラムはサーバシステム上で動作するものであってもよく、本実施形態のゲームシステムはサーバシステムやサーバシステムとその端末装置(クライアント)により実現されるものであってもよい。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について具体的に説明する。なお、以下では本実施形態の手法が適用されるゲームが恋愛シミュレーションゲームである場合を主に例にとり説明する。しかしながら、本実施形態の手法が適用されるゲームはこれには限定されず、戦闘ゲーム、RPGゲーム、スポーツゲーム、アクションゲーム等の種々のゲームに適用可能である。
2.1 HMD
図2、図3に本実施形態のゲームシステムに用いられるHMD200や撮像部150や操作部160の例を示す。図2に示すようにHMD200には、複数のLED231〜236が設けられている。LED231〜234は、プレーヤの前面側に設けられ、LED235や不図示のLED236は、プレーヤの背面側に設けられる。これらのLED231〜236は、例えば可視光の帯域の光を出射(発光)する。具体的にはLED231〜236は、互いに異なる色の光を出射する。そして図3に示すように、プレーヤの前方側に設置される撮像部150により、これらのLED231〜236の光を撮像する。即ち、撮像部150の撮像画像には、これらのLED231〜236のスポット光が映る。そして、この撮像画像の画像処理を行うことで、プレーヤの頭部(HMD)の位置(3次元位置、動き)等が検出される。例えば図3に示すように撮像部150には第1、第2のカメラ151、152が設けられており、これらの第1、第2のカメラ151、152の第1、第2の撮像画像を用いることで、プレーヤの頭部の奥行き方向での位置等が検出可能になる。また、前述したようにモーションセンサ210のモーション検出情報に基づいて、プレーヤの頭部の回転角度(視線)も検出可能になっている。従って、このようなHMD200を用いることで、プレーヤが、周囲の360度の全方向うちのどの方向を向いた場合にも、それに対応する仮想3次元空間での画像(プレーヤの視点に対応する仮想カメラから見える画像)を、HMD200の表示部220に表示することが可能になる。なお、LED231〜236として、可視光ではなく赤外線のLEDを用いてよい。また、例えばデプスカメラ等を用いるなどの他の手法で、プレーヤの頭部の位置や動き等を検出するようにしてもよい。
またHMD200には、ヘッドバンド260等が設けられており、プレーヤは、より良い装着感で安定的に頭部にHMD200を装着できるようになっている。また、HMD200には、不図示のヘッドホン端子が設けられており、このヘッドホン端子にヘッドホン270(音出力部192)を接続することで、例えば3次元音響(3次元オーディオ)の処理が施されたゲーム音を、プレーヤは聴くことが可能になる。そしてプレーヤは、ゲームコントローラである操作部160を操作したり、頭部の頷き動作や首振り動作を行うことで、操作情報を入力し、ゲームプレイを楽しむ。頷き動作や首振り動作は、HMD200のモーションセンサ210等により検出できる。
2.2 ゲームの概要
次に、本実施形態の手法により実現されるゲームの概要について説明する。このゲームは、プレーヤが、ゲームに登場する女性のキャラクタとコミュニケーションをしながら、質問に答えたり、各種イベントをクリアして、プレーヤに対するキャラクタの好感度等を高め、恋愛を成就させる恋愛シミュレーションゲームである。図4〜図9に本実施形態のゲームシステムにより生成されるゲーム画像の例を示す。
このゲームでは、図4に示すように、プレーヤは、女性のキャラクタCHの家庭教師としてその家を訪れ、勉強等を教える。ゲームには、複数のストーリーが用意され、各ストーリーごとに、異なるタイプの女性が登場する。例えば第1のストーリーでは、女子高校生の女性が登場し、プレーヤが、女性に勉強を教えて、成績を上げたり、大学受験等の試験に合格させることが目的となる。第2のストーリーでは、音大生の女性が登場し、プレーヤが女性に音楽を教えて、オーディションに合格させることが目的となる。第3のストーリーでは、年配の女性が登場し、プレーヤが陶芸教室の先生となり、陶芸のコンテストで入賞等させることが目的となる。プレーヤは、これらの各ストーリーでの目的を達成しながら、プレーヤに対する女性の好感度等を高めて、疑似恋愛を楽しむ。
ゲームをプレイするプレーヤは、図2に示すようにHMD200を装着する。そして、プレーヤが、プレーヤの周囲の360度の全方向の各方向に視線を向けると、各方向で見えるべき画像がHMD200の表示部220に表示される。例えば図4において、プレーヤがキャラクタCHの方に視線を向ければ、勉強をしているキャラクタCHの画像が表示部220に表示される。一方、プレーヤが頭部を回して、プレーヤの背面側に視線を向ければ、キャラクタの背面側に位置する部屋の家具等の画像が表示部220に表示される。従って、プレーヤは、あたかもゲームの世界に自分が入ってしまったかのような仮想現実感を味わうことが可能になる。即ち、実際に女性の部屋に入って、眼の前の女性に勉強を教えているかのような仮想現実感をプレーヤに与えることができ、ゲームへのプレーヤの没入感を高めることができる。
図5では、女性のキャラクタCHが、プレーヤに対して勉強についての質問をしている。例えば、「この英語の単語の発音はこれで良い?」というような質問をする。この質問に対して、プレーヤが「YES」と回答する場合には、例えばプレーヤは頭部を上下に振って頷く。すると、この頭部の動きがHMD200のモーションセンサ210により検出されて、ゲームシステムは、プレーヤが「YES」と回答したことを認識する。またこの際に図5のD1の方向に示すように、プレーヤの上下の頷きに連動して、画面が上下に動く。一方、質問に対して、プレーヤが「NO」と回答する場合には、例えばプレーヤは頭部を左右に振る。すると、この頭部の動きがHMD200のモーションセンサ210により検出されて、ゲームシステムは、プレーヤが「NO」と回答したことを認識する。またこの際に図5のD2の方向に示すように、プレーヤの左右の首振りに連動して、画面が左右に動く。このようにプレーヤの視線情報はプレーヤの操作情報として入力されている。
また図6ではキャラクタCHは本棚で本を探している。この時、例えばプレーヤは、B1に示す探し物の本の方に視線を向けて、「探し物の本はこっちだよ」と目配せでキャラクタCHに伝える。これによりキャラクタCHはB1に示す本を探し出すことができる。この場合にもプレーヤの視線情報はプレーヤの操作情報として入力されている。
また図7では、プレーヤの視線はキャラクタCHの方を向いている。即ち、プレーヤはキャラクタCHを注視している。このようにプレーヤがキャラクタCHを注視しているか否かは、HMD200のモーションセンサ210により検出されるプレーヤの視線情報や、撮像部150の撮像画像(LEDのスポット光の画像)に基づき検出されるプレーヤの視点位置情報等に基づいて判断できる。
また図7では、プレーヤの視線はキャラクタCHの方を向いているが、キャラクタCHの視線はプレーヤの方を向いていない。これに対して図8では、プレーヤの視線がキャラクタCHの方を向いていると共に、キャラクタCHの視線もプレーヤの方を向いている。このように図7と図8では、プレーヤの視線とキャラクタの視線との相関を表す視線相関状態(視線相関情報)が異なる。本実施形態では、このようなプレーヤとキャラクタの視線相関状態の違いに基づいて、ゲームパラメータを変化させる。例えば図7の場合に比べて、図8のようにプレーヤの視線とキャラクタCHの視線が合っている場合には、ゲームパラメータの増加率(変化度合い)を大きくする。
また図9では、キャラクタCHは机で探し物をしている。このとき、プレーヤが、キャラクタCHのC1、C2、C3に示す部位のうちのどの部位を注視しているかに応じて、例えばプレーヤに対するキャラクタCHの評価パラメータ(好感度、ドキドキ度等)を変化させる。例えばC1に示す部位をプレーヤが注視している場合には、C2、C3に示す部位を注視している場合に比べて、好感度等の評価パラメータの増加率を大きくする。
以上のように本実施形態の恋愛シミュレーションゲームでは、男女間の人間関係の気持ちの変化を、プレーヤやキャラクタの視線や、プレーヤとキャラクタの間のコミュニケーション(会話等)や、プレーヤ等の動作等に基づいてシミュレーションする。例えば図8のようにプレーヤとキャラクタの視線が合った場合には、好感度やドキドキ度などのパラメータを上昇させて、恋愛感情の気持ちをシミュレーションする。また図9のように、プレーヤがキャラクタのどの部位を注視しているかに応じて、プレーヤに対するキャラクタの好感度等のパラメータを変化させる。このようにすることで、プレーヤの視線や、プレーヤの視線とキャラクタの視線等の関係等が、キャラクタの感情やキャラクタとプレーヤとの人間関係に反映されるようになり、これまでにないタイプの恋愛シミュレーションゲームを実現できる。
特に図2に示すようなHMD200をプレーヤが装着してゲームプレイを行うことで、あたかもゲームの世界にプレーヤが入り込んだかのような仮想現実感をプレーヤに与えることができる。従って、このような仮想現実の世界において、プレーヤやキャラクタの視線の状態を、キャラクタの感情やキャラクタとプレーヤとの人間関係に反映させることで、ゲームに対するプレーヤの没入感を更に向上できるようになる。
2.3 視線関係情報、注視情報
本実施形態では、プレーヤのゲームプレイの対象となるキャラクタとプレーヤの視線との関係を表す視線関係情報を、視線情報に基づき求めている。そして、求められた視線関係情報に基づいて、ゲームパラメータを変化させる。
例えば図10(A)において、HMDに内蔵されるモーションセンサ等により、プレーヤPLの視線VLPの方向を求める。そしてプレーヤPLの視線VLPと、キャラクタCHとの関係を、視線関係情報として求める。即ち、視線VLPとキャラクタCHとの相対的な関係を、視線関係情報として求める。相対的な関係は、例えばプレーヤPLの視線VLPの方向(及び視点位置)と、キャラクタCHの位置との関係を表すものである。そして、この相対的な関係を表す視線関係情報に基づいて、キャラクタCHやプレーヤPLのゲームパラメータを変化させる。
具体的には本実施形態では、キャラクタに対するプレーヤの注視情報を、視線関係情報として求め、求められた注視情報に基づいて、ゲームパラメータを変化させる。ここで注視情報としては、プレーヤがキャラクタを注視しているか否かの情報である注視有無情報(注視有無フラグ)や、プレーヤが注視しているキャラクタの部位の情報である注視部位情報などを想定できる。そして本実施形態では、これらの注視有無情報や注視部位情報に基づいてゲームパラメータを変化させる。
例えば図10(A)では、プレーヤPLの視線VLPはキャラクタCHの方を向いており、プレーヤPLがキャラクタCHを注視している状態となっている。例えばプレーヤPLの位置(視点位置)から視線VLPの方向に線を延ばして、その線上にキャラクタCHが位置していれば、プレーヤPLがキャラクタCHを注視していると判定できる。例えばプレーヤPLの位置(視点位置)を基準にしてプレーヤPLの前方に設定された所与の範囲(注視判定範囲、画角範囲)にキャラクタCH(キャラクタCHの一部)の存在する場合には、プレーヤPLがキャラクタCHを注視していると判定できる。
一方、図10(B)では、プレーヤPLの視線VLPはキャラクタCHの方を向いておらず、プレーヤPLがキャラクタCHを注視していない状態となっている。
本実施形態では、このような注視有無情報を視線関係情報として求め、この注視有無情報に基づいて、キャラクタ等のゲームパラメータを変化させる。
例えば図10(A)のようにプレーヤPLがキャラクタCHを注視している場合には、プレーヤPLに対するキャラクタCHのゲームパラメータである好感度等のパラメータ(広義には評価パラメータ)を増加させる。一方、図10(B)のようにプレーヤPLがキャラクタCHを注視していない場合には、好感度等のパラメータ(評価パラメータ)を増加させない、或いはその増加率を小さくする。
このようにすれば、プレーヤがキャラクタを注視することで、プレーヤがキャラクタに対して関心を抱いているという気持ちを伝え、それによってプレーヤに対するキャラクタの好感度が上がるという状況をシミュレートできる。即ち、プレーヤがキャラクタを見つめることで、プレーヤに対するキャラクタの好感度(関心度、ドキドキ度)が上がり、恋愛感情が徐々に生まれるという気持ちの変化を表現できるようになる。従って、男女間の気持ちの変化を、プレーヤの視線情報を利用してシミュレートすることでき、これまでにない没入感のある恋愛シミュレーションゲームを実現できる。
また図11(A)、図11(B)では、キャラクタCHは複数の部位P1〜P15を有する。そして、これらの複数の部位P1〜P15のうち、プレーヤPLが注視している部位に応じて、キャラクタCH等のゲームパラメータの変化度合いを異ならせる。
例えば図11(A)では、A1に示すように、プレーヤPLはキャラクタCHの部位P1(第1の部位)を注視している。一方、図11(B)では、A2に示すように、プレーヤPLはキャラクタCHの部位P2(第2の部位)を注視している。この場合にプレーヤPLがキャラクタCHの部位P1(顔)を注視している場合と、部位P2(胸部)を注視している場合とで、ゲームパラメータの変化度合いを異ならせる。
例えば図11(A)のように部位P1を注視している場合には、プレーヤに対するキャラクタのゲームパラメータである好感度等のパラメータ(評価パラメータ)の変化度合い(増加率)を大きくする。一方、図11(B)のように部位P2を注視している場合には、好感度等のパラメータの変化度合いを少なくする(或いは変化させない)。
このようにすれば、プレーヤがキャラクタを注視していても、注視している部位に応じて好感度等のパラメータの変化度合いが異なるようになる。例えばキャラクタの顔を注視している場合には、プレーヤに対するキャラクタの好感度は上がるが、胸部や臀部を注視している場合には、好感度はなかなか上がらなくなる。従って、プレーヤの注視によるキャラクタの好感度等の上昇を、よりリアルにシミュレートできるようになる。
また、注視情報としては、プレーヤがキャラクタを注視している時間を表す注視時間情報や、プレーヤの注視時におけるプレーヤとキャラクタとの間の距離を表す注視距離情報なども想定できる。そして本実施形態では、これらの注視時間情報や注視距離情報に応じて、ゲームパラメータの変化度合いを異ならせる。
例えば図12(A)、図12(B)において、プレーヤPLがキャラクタCHを注視していると判定されると、注視有無フラグが立つ。この注視有無フラグが立っている期間が、注視時間TGとなる。
そして図12(A)では、注視時間TGが長いため、ゲームパラメータである好感度等のパラメータの変化度合いが大きくなる。一方、図12(B)では、注視時間TGが短いため、好感度等のパラメータの変化度合いは小さくなる。
このようにすれば、プレーヤがキャラクタを見つめる時間が長いほど、プレーヤに対するキャラクタの好感度等が上昇するようになる。従って、単に見つめたか否かだけではなく、見つめる時間も反映させたキャラクタの気持ちや感情の変化等を表現できるようになり、よりリアルな恋愛シミュレーションを実現できるようになる。
また図12(C)では、注視時におけるプレーヤPLとキャラクタCHとの距離である注視距離LGは短く、両者は近い距離で見つめ合っている。一方、図12(C)では注視距離LGは長く、プレーヤPLは遠い距離からキャラクタCHを見つめている。
そして図12(C)のように注視距離LGが短いと、ゲームパラメータである好感度等のパラメータの変化度合いが大きくなる。一方、図12(D)のように注視距離LGが長いと、好感度等のパラメータの変化度合いが小さくなる。
このようにすれば、プレーヤが近くでキャラクタを見つめると、プレーヤに対するキャラクタの好感度等が大きく上昇するようになる。一方、プレーヤが遠くからキャラクタを見つめている場合には、キャラクタの好感度等はそれほど上昇しなくなる。従って、単に見つめたか否かだけではなく、見つめた時のキャラクタとの距離も反映させたキャラクタの気持ちや感情の変化等を表現できるようになり、よりリアルな恋愛シミュレーションを実現できるようになる。
また本実施形態では、図13(A)、図13(B)に示すように、プレーヤの注視状態を判定するための注視判定範囲RDGを設定する。例えばHMD200を用いる場合には、この注視判定範囲は画面中央付近に設定されることになる。そして注視判定範囲RDGに基づいてプレーヤについての注視判定処理を行っている。例えば注視判定範囲RDG内に、キャラクタCH(キャラクタの少なくとも一部)が入っている場合には、プレーヤがキャラクタCHを注視していると判断する。一方、注視判定範囲RDG内に、キャラクタCHが入っていない場合には、プレーヤがキャラクタCHを注視していないと判定する。或いは、注視判定範囲RDGを用いて、キャラクタCHの複数の部位P1〜P15のうちのいずれの部位をプレーヤが注視しているのかを判定する。
そして本実施形態では図13(A)、図13(B)に示すように、この注視判定範囲RDGを可変に変化させる。例えば図13(A)では注視判定範囲RDGは広くなっており、図13(B)では注視判定範囲RDGは狭くなっている。図13(B)のように、注視判定範囲RDGが狭い範囲に設定されることで、プレーヤがキャラクタCHを注視しているか否かのみならず、キャラクタCHのいずれの部位を注視したかについても、より正確に判定できるようになる。
この場合に、本実施形態では、ゲームパラメータ、ゲームの環境情報、ゲーム状況、或いはゲームに登場するアイテムの少なくとも1つに基づいて、注視判定範囲RDGを可変に変化させる。例えば、キャラクタの好感度や恋愛度などのパラメータに基づいて、注視判定範囲RDGを可変に変化させる。例えば、プレーヤに対するキャラクタの好感度が上がったり、二人の間の恋愛指数が上がると、注視判定範囲RDGが狭くなり、キャラクタの全体に対してのみならず、各部位に対する注視についても判定できるようにする。或いは、プレーヤの能力やスタータスを表すパラメータに基づいて、注視判定範囲RDGを可変に変化させてもよい。例えば、プレーヤの能力が上がると、注視判定範囲RDGが狭くなり、キャラクタの各部位に対する注視についても判定できるようにする。
また、ゲームの難易度やハンディ等のゲームの環境情報に基づいて、注視判定範囲RDGを可変に変化させてもよい。例えば、ゲームに設定された難易度に応じて、注視判定範囲RDGを狭くしたり、広くする。このようにすれば、難易度等のゲームの環境情報を、注視判定範囲RDGに反映させて、プレーヤの注視判定処理を実行できるようになる。
或いは、ゲーム状況や、ゲームに登場するアイテムに基づいて、注視判定範囲RDGを可変に変化させてもよい。例えば、ゲームが進行するにつれて、注視判定範囲RDGを狭くしたり、ゲームにおいて所与のイベントが発生した場合に、注視判定範囲RDGを変化させる。例えばボーナスイベントが発生した場合に、注視判定範囲RDGを狭くして、キャラクタの各部位に対する注視についても判定できるようにする。或いは、注視判定範囲RDGを可変に変化させるアイテムを用意し、プレーヤが当該アイテムを取得したり、使用した場合に、注視判定範囲RDGを可変に変化させる。例えば、プレーヤが、キャラクタの各部位を詳細に注視したい場合には、当該アイテムを使用して、その効果を発揮させて、注視判定範囲RDGを狭い範囲に設定する。
また本実施形態では、プレーヤの視線とキャラクタの視線との相関を表す視線相関情報に基づいてゲームパラメータを変化させる。例えばプレーヤの視線とキャラクタの視線の方向関係に基づいて、ゲームパラメータを変化させる。例えば好感度等のパラメータの変化度合いや変化態様を、プレーヤとキャラクタの視線相関情報に基づいて変化させる。
例えば図14(A)では、プレーヤPLはキャラクタCHを注視しておらず、キャラクタCHもプレーヤPLを注視していない第1の視線相関状態になっている。即ち、双方が視線を背けている。また図14(B)では、プレーヤPLはキャラクタCHを注視しているが、キャラクタCHはプレーヤPLを注視していない第2の視線相関状態になっている。即ち、図7に示すように、プレーヤPLはキャラクタCHを見つめているが、キャラクタCHはプレーヤとは別の方向を見ている。また図14(C)では、プレーヤPLはキャラクタCHを注視しており、キャラクタCHもプレーヤPLを注視している第3の視線相関状態になっている。即ち、図8に示すように、キャラクタCHとプレーヤPLが視線を合わせて見つめ合っている。
そして図14(C)に示すように、キャラクタとプレーヤが見つめ合っている場合には、好感度や恋愛度などのパラメータの変化度合いを大きくする。このようにすれば、お互いが見つめ合うことで、お互いの好感度が上がったり恋愛指数が上がるというような気持ちや感情の変化を、リアルに表現できるようになる。一方、図14(B)のようにプレーヤはキャラクタを見つめているが、キャラクタの方はプレーヤから目をそらしている場合には、図14(C)の場合に比べて、好感度や恋愛度などのパラメータの変化度合いを小さくする。また図14(A)のように、双方が視線を合わせておらず、目をそらしている場合には、好感度や恋愛度などのパラメータを変化させないようにする。このようにすることで、男女間の気持ちや感情の変化を、両者の視線の相関関係によりシミュレートできるようになり、よりリアルな恋愛シミュレーションを実現できるようになる。
また本実施形態では、視線関係情報に基づく第1のゲームパラメータの変化の度合いを、第2のゲームパラメータに応じて、異ならせている。
例えば図15(A)、図15(B)において、キャラクタCHの好感度パラメータは、第1のゲームパラメータであり、図10(A)〜図12(D)等で説明したように、この好感度のパラメータは、プレーヤPLとキャラクタCHの視線関係情報に基づいて変化する。この好感度のパラメータは、プレーヤPLに対するキャラクタCHの評価を表すパラメータの1つである。また、プレーヤPLの真面目度のパラメータや不道徳度のパラメータは第2のゲームパラメータである。即ち、プレーヤPLの性格や性質等を表すパラメータである。そして本実施形態では、視線関係情報に基づくキャラクタCHの好感度のパラメータの変化の度合いを、プレーヤPLの真面目度のパラメータや不道徳度のパラメータに応じて、異ならせる。
例えば図15(A)では、プレーヤの真面目度のパラメータが高く、不道徳度のパラメータが低くなっている。即ち、プレーヤは真面目度が高く、不道徳度が低いと評価されている。このように評価されているプレーヤが、キャラクタを注視して見つめている場合には、プレーヤに対するキャラクタの好感度等のパラメータの変化度合いを大きくする。即ち、真面目度が高いプレーヤがキャラクタを注視しているのだから、下心等が無く、プレーヤが真面目にキャラクタに好意や関心を抱いて見つめていると評価して、プレーヤに対するキャラクタの好感度等を高める。
一方、図15(B)では、プレーヤの真面目度のパラメータが低く、不道徳度のパラメータが高くなっている。即ち、プレーヤは真面目度が低く、不道徳度が高いと評価されている。このように評価されているプレーヤが、キャラクタを注視して見つめている場合には、プレーヤに対するキャラクタの好感度等のパラメータの変化度合いを小さくする。即ち、不道徳度が高いプレーヤがキャラクタ注視しているため、何か下心等があって、キャラクタを見つめていると評価して、プレーヤに対するキャラクタの好感度等を、あまり高めないようにする。
このようにすれば、プレーヤの視線に基づくキャラクタの好感度等の変化に対して、プレーヤの性格や性質等の要素を反映させることが可能になる。従って、男女間の気持ちや感情の変化を、よりリアルにシミュレートできるようになり、これまでにないタイプの恋愛シミュレーションゲームを実現できる。なお真面目度パラメータと不道徳度パラメータは1つのパラメータであってもよい。
2.4 音の制御
さて、本実施形態では図1の画像生成部120は、例えばプレーヤが装着するHMD200(頭部装着型表示装置)に表示されるゲーム画像を生成している。このようにHMD200を用いてプレーヤにゲーム画像を表示すれば、あたかもゲームのCGアニメの世界に入り込んでしまったかのような仮想現実感をプレーヤに与えることが可能になる。
そしてHMD200に表示される図4〜図9のゲーム画像において、好感度、恋愛度等のパラメータの値や変化が画像として表示されてしまうと、上記の仮想現実感が低下してしまう。即ち、あたかも眼の前の女性と会話等により実際にコミュニケーションをしているという仮想現実感が、これらのパラメータの表示が原因で低下してしまう。
一方、ゲームプレイ中に、キャラクタの好感度等の情報を、全くプレーヤに知らされないのは、あまり好ましくない。この場合に、例えばCGアニメで描かれるキャラクタの表情の変化や、口調の変化等により、キャラクタの好感度等の情報をプレーヤに伝える手法も考えられるが、正確に情報を伝えるのは、技術的なハードルが高いという課題がある。
また、HMD200を用いたゲームでは、プレーヤの周囲の全方向にゲーム空間が広がるようになるため、従来のゲームシステムに比べて、ゲームへのプレーヤの没入度を非常に高くなる。そして、この場合に、キャラクタやプレーヤに付随する音(動きに伴う音や物音等)しか聞こえないような状況になると、没入度があまりにも高いことから、現実世界との区別がつかなくなってしまい、立ち戻れなくなるおそれがある。
そこで本実施形態では、ゲームパラメータの値又は変化を、BGM(Back Ground Music)、効果音又は振動を用いてプレーヤに報知する手法を採用する。例えばゲーム中においては、ゲームパラメータの値又は変化を、ゲーム画像には表示せずに、BGM、効果音又は振動を用いてプレーヤに伝える。そして、ゲーム終了時には、例えばゲーム結果画面などで、ゲームパラメータの値等をプレーヤに表示する。
例えば図16(A)では、ゲームパラメータとして、プレーヤに対するキャラクタの好感度のパラメータや、プレーヤの真面目度、不道徳度のパラメータや、両者の恋愛の成就度合いを示す恋愛度のパラメータが用意されている。本実施形態では、これらのパラメータは、隠しパラメータとして、ゲーム中においてはゲーム画像に表示しないようにする。即ち、図4〜図9に示すようなゲーム画像において、これらのパラメータは非表示にする。
一方、図16(B)に示すように、BGMを構成する演奏の各パートA、B、C(例えば鍵盤楽器、弦楽器、打楽器のパート)に対して、好感度(恋愛度)、真面目度、不道徳度などの各パラメータを割り当てる。
そして、例えばゲーム中において、プレーヤに対するキャラクタの好感度(恋愛度)のパラメータが変化した場合には、その変化に応じて、パートAの演奏の音量を変化させる。例えば好感度のパラメータの値が大きくなるにつれて、パートAの演奏の音量を大きくする。或いは好感度(恋愛度)のパラメータが変化した場合に、パートAの演奏のリズムを変化させたり、音の高さなどを変化させてもよい。
また、プレーヤの真面目度のパラメータが変化するイベントEV1が発生した場合には、例えばパートBの演奏の音の変化等により、真面目度のパラメータが変化したことをプレーヤに伝える。またプレーヤの不道徳度のパラメータが変化するイベントEV2が発生した場合には、例えばパートCの演奏の音の変化等により、不道徳度のパラメータが変化したことをプレーヤに伝える。なお、真面目度や不道徳度等のパラメータが変化した場合に、例えばプレーヤが手に持つゲームコントローラ(操作部)を、内蔵する振動機構(振動モータ等)により振動させることで、これらのパラメータが変化したことをプレーヤに伝えるようにしてもよい。或いは、動物(犬、鳥、虫)の声や電子音などの効果音を用いて、真面目度や不道徳度等のパラメータの変化をプレーヤに伝えるようにしてもよい。
このようにすれば、目の前がHMDのディスプレイに覆われて、仮想現実の世界に入り込んでいるプレーヤに対して、好感度、真面目度、不道徳度等のパラメータの値や変化を効果的に伝えることができる。この場合に、パラメータの値や変化を、ゲーム画像における表示ではなく、BGM、効果音又は振動で伝えれば、プレーヤの仮想現実感やゲームの臨場感を、それほど損なうこと無く、これらのパラメータの値や変化をプレーヤに効果的に伝えることが可能になる。
また、キャラクタやプレーヤの動き等に付随する付随音だけが、図2のヘッドホン270によりプレーヤに聞こえるような状況では、ゲームに対するプレーヤの没入度が高くなりすぎてしまう事態が生じるおそれがある。この点、ゲームとはあまり関係のないBGMを流したり、動物の声等の効果音を出すようにすれば、これらのBGMや効果音で、プレーヤの過度のゲームへの没入が抑制され、上記のような事態の発生を防止できるようになる。
また本実施形態では、図17(A)、図17(B)に示すように、キャラクタCHとプレーヤPLとの距離LCPの情報に基づいて、キャラクタCHに付随して出力される付随音を制御する。例えば付随音の出力態様を変化させる。ここで、付随音は、キャラクタの動きに伴って出る音や、キャラクタの体から出る音などである。例えばキャラクタが体を動かすことで、服が擦れて出る音や、キャラクタが自分の髪の毛などを触ることで出る音や、キャラクタの心拍のドキドキ音などである。
例えば図17(A)では、キャラクタCHとプレーヤPLの距離LCPが遠い。この場合には、プレーヤPLに聞こえる付随音の音量を小さくする。一方、図17(B)では、キャラクタCHとプレーヤPLの距離LCPが近い。この場合には、プレーヤPLに聞こえる付随音の音量を大きくする。
このようにすれば、キャラクタにプレーヤが近づいて来た場合や、プレーヤにキャラクタが近づいて来た場合に、近づくにつれて、キャラクタの付随音が大きな音量でプレーヤに聞こえるようになる。従って、あたかもそこにキャラクタが実在するかのような感覚をプレーヤに与えることが可能になり、プレーヤの仮想現実感を向上できる。
一方、図17(C)では、キャラクタCHとプレーヤPLとの間の距離の情報に加えて、恋愛度等のパラメータ(広義にはゲームパラメータ)に基づいて、付随音を制御している。例えば、キャラクタCHとプレーヤPLとの距離が近づいた場合にも、恋愛度等のパラメータが高い場合には、キャラクタの付随音をカットして、聞こえないようにする。こうすることで、静寂感が高まり、恋愛度の上昇に伴う両者のドキドキ感を高揚させることなどが可能になる。或いは、キャラクタCHとプレーヤPLとの距離が近づいた場合にも、恋愛度等のパラメータが高い場合には、キャラクタの複数の付随音のうち、特定の付随音(例えば心拍の音)だけがプレーヤに聞こえるようにする。このようにすれば、プレーヤには、近づいて来たキャラクタの心拍の音だけが聞こえるようになり、恋愛度の上昇に伴う両者のドキドキ感を高揚させることなどが可能になる。
2.5 ゲームパラメータの演算
次に、視線関係情報等に基づくゲームパラメータの演算の種々の手法について説明する。
例えば図18(A)では、視線関係情報に基づきゲームパラメータが変化する確率を可変にしている。即ち、視線関係情報に基づくゲームパラメータの変化処理を所与の確率で実行する。例えば、プレーヤの視線がキャラクタの方を向いて注視状態になったり、プレーヤの視線とキャラクタの視線が合った場合等に、好感度等のパラメータを常に変化させることはせずに、所与の確率で変化するようにする。例えば図18(A)のように、乱数を発生し、その乱数で設定される確率で、ゲームパラメータが変化するようにする。即ち、視線関係情報に基づくゲームパラメータの変化に、乱数要素を与える。
例えばプレーヤがキャラクタを見つめた場合に、キャラクタの好感度等のパラメータが常に変化してしまうと、パラメータが不必要に変化してしまったり、ゲーム処理が煩雑化する。また、プレーヤが、キャラクタを注視する目的で見つめたのではなく、たまたま偶然にキャラクタの方を見てしまったというケースもあり得る。
そこで、例えばプレーヤがキャラクタを見つめたと判断された場合にも、常には好感度等のパラメータを変化させずに、例えば50〜80%というような確率でパラメータ変化させる。また、プレーヤとキャラクタの視線が合ったと判断された場合にも、同様に、所与の確率で好感度等のパラメータを変化させる。
この場合の確率の設定は、例えばゲーム状況や注視時間や注視部位などに基づいて行うことができる。例えばゲーム状況が、ゲームステージ(ストーリー)の前半である場合には、ゲームパラメータを変化させる確率を小さくし、ゲームステージの後半である場合には、ゲームパラメータを変化させる確率を大きくする。例えばゲームステージの前半では確率を例えば50〜80%程度に設定し、ゲームステージの後半では確率を例えば90〜100%程度に設定する。このようにすれば、プレーヤとキャラクタの恋愛指数が低いと考えられるゲームステージの前半では、両者の視線が合っても、好感度等のパラメータはなかなか変化しないが、ゲームステージの後半では高い確率で変化するようになる。或いは注視時間が長い場合には、確率を大きくし、注視時間が短い場合には、確率を小さくする。このようにすれば、プレーヤがキャラクタを見つめる時間が長いほど、好感度等のパラメータが変化する確率が高くなるようになる。或いは、プレーヤが注視するキャラクタの部位に応じて、確率を設定してもよい。例えばプレーヤが顔等の部位を注視した場合には、好感度等のパラメータが変化する確率を高くし、プレーヤが胸部や臀部等の部位を注視した場合には、当該確率を低くする。
また本実施形態では、図18(B)に示すように、プレーヤとキャラクタとの間のコミュニケーションとして入力されるコミュニケーション入力情報と、視線関係情報とに基づいて、ゲームパラメータを変化させて、ゲームを進行させる。ここで、コミュニケーション入力情報は、例えば図4、図5で説明したように、キャラクタの質問等に対するプレーヤの答えの情報の入力などである。コミュニケーション入力情報については、プレーヤは、例えば図1の操作部160を用いて入力してもよいし、音声で入力してもよいし、例えば頷きや首振りなどをモーションセンサ210で検出することで入力してもよい。本実施形態では、このようなコミュニケーション入力情報と、プレーヤとキャラクタの視線関係情報とに基づいて、ゲームパラメータを変化させている。このようにすることで、コミュニケーション入力情報と視線関係情報の両者が反映されてゲームパラメータが変化し、その後のストーリー展開等も変化するようになる。
また図18(B)に示すように、本実施形態では、視線関係情報と、キャラクタが登場するゲームステージの情報と基づいて、ゲームパラメータを変化させてもよい。例えば、夜のゲームステージや暗い場所のゲームステージでは、プレーヤがキャラクタを見つめたとしても、周囲が暗くて、キャラクタが気づかないと考えられる。従って、この場合には、好感度等のパラメータの変化度合いを小さくしたり、変化する確率を低く設定したり、変化させないようにする。一方、昼や朝のゲームステージや明るい場所のゲームステージでは、プレーヤがキャラクタを見つめた場合に、周囲が明るいため、キャラクタがプレーヤの視線に気づく可能性が高いと考えられる。従って、この場合には、好感度等のパラメータの変化度合いを大きくしたり、変化する確率を高く設定したりする。また、公園や港等の雰囲気の良い場所のゲームステージで、プレーヤがキャラクタを見つめた場合には、好感度等のパラメータの変化度合いを大きくしたり、変化する確率を高く設定する。一方、雰囲気があまり良くない場所のゲームステージで、プレーヤがキャラクタを見つめた場合には、好感度等のパラメータの変化度合いを小さくしたり、変化する確率を低く設定したり、変化させないようにする。このようにすることで、ゲームステージの情報(条件)も反映させた、視線関係情報に基づくゲームパラメータの変化処理を実現できるようになる。
なお、以上では本実施形態の手法を恋愛シミュレーションゲームに適用した場合を主に説明したが、本実施形態は、これ以外の種々のゲーム(戦争ゲーム、RPG、スポーツゲーム、アクションゲーム等)に適用できる。例えば、軍人であるプレーヤが、ゲリラを掃討するために、他国に侵入するようなゲームを想定する。この場合、プレーヤは、農民等の一般人の中からゲリラを探すために、一般人の顔を注視することになる。そして、プレーヤが頻繁にその一般人を注視したり、注視時間が長かったり、両者の視線が合ったりすると、ゲームパラメータである危険度パラメータが上昇し、その一般人がプレーヤに対して攻撃を加えてくる。このため、プレーヤは、一般人等に対する注視を最小限に抑えながら、ゲリラを探し出すというミッションをクリアする。このようなゲームにおいても本実施形態の手法を適用できる。
2.6 詳細な処理例
次に本実施形態の詳細な処理例について図19のフローチャートを用いて説明する。
まず、プレーヤの視線情報を取得する(ステップS1)。例えば図1のHDM200のモーションセンサ210からのモーション検出情報等に基づいて、プレーヤの視線情報を取得する。或いは操作部160であるゲームコントローラの操作情報等に基づいて視線情報を取得することも可能である。また、視線情報以外の入力情報も取得する(ステップS2)。例えば、キャラクタとのコミュニケーションに関する入力情報や、プレーヤの視点(仮想カメラ)を移動させるための入力情報などを取得する。
次に、視線関係情報を演算する(ステップS3)。即ち、ステップS1で取得されたプレーヤの視線情報等に基づいて、キャラクタとプレーヤの視線との関係を表す視線関係情報を求める。例えばキャラクタに対して、プレーヤの視線がどのような相対的位置関係にあるかを求める。そして、求められた視線関係情報に基づいて、ゲームパラメータを演算する(ステップS4)。例えば図18(A)、図18(B)等で説明した手法を用いて、ゲームパラメータを演算する。
次に、求められたゲームパラメータに基づいて、ゲームを進行させる処理を行う(ステップS5)。例えば、キャラクタの次の行動を決定したり、ゲームステージを進めるための処理などを行う。また、ゲーム画像やゲーム音を生成し、HMD200の表示部220にゲーム画像を表示したり、音出力部192であるヘッドホン270等を介して音を出力する(ステップS6)。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(ゲームパラメータ・評価パラメータ等)と共に記載された用語(好感度、真面目度、不道徳度、恋愛度等のパラメータ等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、視線情報の取得処理、視線関係情報の演算処理、ゲームパラメータの演算処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法・処理も本発明の範囲に含まれる。また本発明は種々のゲームに適用できる。また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード、携帯電話機等の種々のゲーム装置に適用できる。例えばゲーム装置は、ゲームのプログラムがインストールされて実行される携帯電話機や携帯型情報端末であってもよい。