以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る病院情報システム10が活用される環境の一例を表すブロック図である。図1では、病院情報システム10、通信端末20、及び管理システム30がIP網により接続されている。
病院情報システム10は、病院内ネットワーク上に構築され、病院内の診療情報等を管理するシステムである。本実施形態において、診療情報には、例えば、患者情報、及び診療録に記録される情報が含まれる。診療録に記録される情報には、医師等が患者を診療する過程で発生する情報が含まれる。なお、診療録は、電子カルテとして記録されても構わない。病院情報システム10は、通信端末20の使用者が購入を検討している商品に、使用者にとって禁忌な成分が含まれているか否かを、通信端末20から送信される情報に基づいて判断する。
通信端末20は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、及びノートPC等の携帯可能な種々のデバイスである。通信端末20は、使用者により携帯され、IP網を介して病院情報システム10と通信接続する。通信端末20は、使用者が取得した商品についての情報を、自身に対して設定されている認証情報と共に、IP網を介して病院情報システム10へ送信する。本実施形態において、商品についての情報は、例えば、商品の包装に付されている1次元バーコード、及び2次元バーコード等のコードシンボルを読み取ることで取得される情報を表す。
また、通信端末20は、表示回路を備える。通信端末20は、病院情報システム10で判断された禁忌な成分に関する判断結果を表示回路に表示する。
管理システム30は、例えば、食品、及び薬品等の商品を製造した企業が所有するシステムである。なお、企業が製造する商品は、食品、及び薬品に限られない。例えば、スギ花粉等のアレルギー物質を含む可能性のある装飾品、所定のアレルギー物質を含む化粧品等、その他の種々の製品を含む。管理システム30では、商品に関するコード、例えば、食品コードと、その商品が含む成分に関するコード、例えば、成分コードとを対応付けて管理している。なお、管理システム30で管理される成分に関するコードは、後述する公開情報に含まれる成分に関するコードと統一された規格に基づいて発番される。
図2は、図1に示される病院情報システム10の機能構成の例を示すブロック図である。図2に示される病院情報システム10は、第1サーバ11、PC端末12、中継装置13、第2サーバ14、及び中継装置15を具備する。第1サーバ11、及びPC端末12は、中継装置13,15を介してIP網と接続する。また、第2サーバ14は、中継装置15を介してIP網と接続する。
第1サーバ11は、病院内の診療情報を管理するサーバである。
第2サーバ14は、診療情報に基づいて作成される認証情報、及び公開情報を管理するサーバである。
PC端末12は、医師等の医療スタッフが使用するPC端末である。医療スタッフは、PC端末12を操作することで、第1サーバ11へ指示を与える。例えば、PC端末12を介して診療録データの作成が指示されることで、第1サーバ11に診療情報が記憶される。また、PC端末12を介して認証情報の発行が指示されることで、第1サーバ11で管理される診療情報に基づいて認証情報が作成される。また、PC端末12を介して公開情報の作成が指示されることで、第1サーバ11で管理される診療情報に基づいて公開情報が作成される。
中継装置13は、第1サーバ11、及びPC端末12と、第2サーバ14との接続を中継する装置である。中継装置13は、例えば、ファイアウォール機能を有するプロキシサーバにより実現される。なお、中継装置13の機能はソフトウェアにより実現されてもよい。このとき、中継装置13の機能は第1サーバ11に実装されても構わない。
中継装置15は、中継装置13、及び外部のネットワークと、病院内ネットワークとの接続を中継する装置である。中継装置15は、例えば、ファイアウォール機能を有するプロキシサーバにより実現される。なお、中継装置15の機能はソフトウェアにより実現されてもよい。このとき、中継装置15の機能は第2サーバ14に実装されても構わない。中継装置13,15を設けることにより、アクセス制限を2段階で設定することが可能になる。例えば、外部ネットワークからの、第2サーバ14へのアクセスを許可しつつ、第1サーバ11へのアクセスを許可しないという運用が可能となる。
図3は、図2に示される第1サーバ11の機能構成の例を示すブロック図である。図3に示される第1サーバ11は、処理回路111、通信インタフェース回路112、及び記憶回路113を有する。処理回路111、通信インタフェース回路112、及び記憶回路113は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
処理回路111は、第1サーバ11の中枢として機能するプロセッサである。処理回路111は、記憶回路113等に記憶されている処理プログラムを実行することにより、当該プログラムに対応する機能を実現する。
通信インタフェース回路112は、病院内ネットワークを介して接続されたPC端末12、及び中継装置13との間でデータ通信を行う。PC端末12、及び中継装置13との通信の規格は、如何なる規格であっても良いが、例えば、HL7(Hearth Level 7)が挙げられる。
記憶回路113は、種々の情報を記憶するHDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、及び集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、記憶回路113は、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。記憶回路113は、本実施形態に係る処理プログラム等を記憶している。
また、記憶回路113には、診療データベース(DB)1131、及び変換データベース1132が構築されている。診療データベース1131、及び変換データベース1132は、処理回路111が記憶回路113に記憶されるプログラムを実行することで管理される。
診療データベース1131は、診療情報が記憶されるデータベースである。診療情報には、患者についてのアレルギー・禁忌に関する情報等が含まれる。
変換データベース1132は、診療情報から公開情報を作成するための規則が記憶されるデータベースである。変換データベース1132では、例えば、診療情報から抽出する項目が規則として記憶されている。
なお、第1サーバ11は、入力インタフェース回路を有していてもよい。入力インタフェース回路は、例えば、マウス、キーボード、及び、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパネル等により実現される。入力インタフェース回路は、操作者からの入力指示を電気信号へ変換し、電気信号を処理回路111へ出力する。なお、入力インタフェース回路は、マウス、及びキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、第1サーバ11とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される指示に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路111へ出力する回路も入力インタフェース回路の例に含まれる。
また、第1サーバ11は、出力インタフェース回路を有していてもよい。出力インタフェース回路は、例えば、表示機器、及び印刷機器等により実現される。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、及びプラズマディスプレイ等、任意のディスプレイが適宜利用可能である。表示機器は、表示対象についての画像データを表示する。印刷機器は、例えば、プリンタである。印刷機器は、印刷対象についての画像データを所定用紙に印刷する。なお、出力インタフェース回路は、表示機器、及び印刷機器等の物理的な出力部品を備えるものだけに限られない。例えば、第1サーバ11とは別体に設けられた外部の出力機器へ画像データを送信する回路も出力インタフェース回路の例に含まれる。
また、本実施形態では、診療データベース1131、及び変換データベース1132が記憶回路113に構築されている場合を例に説明しているが、これに限定されない。診療データベース1131、及び変換データベース1132は、それぞれが独立した記憶回路に構築されていても構わない。また、診療データベース1131、及び変換データベース1132が構築される記憶回路は、第1サーバ11とは異なる装置に設けられても構わない。
図3に示される処理回路111は、記憶回路113に記憶されている処理プログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。例えば、処理回路111は、処理プログラムを実行することで、認証情報作成機能1111、及び公開情報作成機能1112を有する。なお、本実施形態では、単一のプロセッサによって認証情報作成機能1111、及び公開情報作成機能1112が実現される場合を説明するが、これに限定されない。例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサが処理プログラムを実行することにより認証情報作成機能1111、及び公開情報作成機能1112を実現しても構わない。
認証情報作成機能1111は、認証情報を作成する機能である。具体的には、例えば、処理回路111は、PC端末12から認証情報の発行指示を受信すると、認証情報作成機能1111を実行する。認証情報作成機能1111を実行すると処理回路111は、診療データベース1131に記憶されている診療情報に含まれる情報に基づき、認証情報を作成する。認証情報は、通信端末20の使用者が病院情報システム10との通信接続を認められた者であるか否かを判断するのに用いられる。認証情報は、患者毎に作成される。認証情報は、例えば、番号により表されてもよい。作成された認証情報は、中継装置13を介して第2サーバ14へ送信される。
公開情報作成機能1112は、公開情報を作成する機能である。具体的には、例えば、処理回路111は、PC端末12から公開情報の作成指示を受信すると、公開情報作成機能1112を実行する。公開情報作成機能1112を実行すると処理回路111は、診療データベース1131に記憶されている診療情報に含まれる情報と、変換データベース1132に記憶されている規則とに基づき、公開情報を作成する。公開情報には、患者にとって禁忌であると診療された所定の成分に関するコードが含まれる。作成された公開情報は、中継装置13を介して第2サーバ14へ送信される。
図4は、図2に示される第2サーバ14の機能構成の例を示すブロック図である。図4に示される第2サーバ14は、処理回路141、通信インタフェース回路142、及び記憶回路143を有する。処理回路141、通信インタフェース回路142、及び記憶回路143は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
処理回路141は、第2サーバ14の中枢として機能するプロセッサである。処理回路141は、記憶回路143等に記憶されている処理プログラムを実行することにより、当該プログラムに対応する機能を実現する。
通信インタフェース回路142は、病院内ネットワークを介して接続された中継装置13,15との間でデータ通信を行う。中継装置13,15との通信の規格は、如何なる規格であっても良い。例えば、中継装置13との通信にはHL7が利用され、中継装置15との通信には所定の通信プロトコルが利用される。
記憶回路143は、種々の情報を記憶するHDD、SSD、及び集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、記憶回路143は、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。記憶回路143は、本実施形態に係る処理プログラム等を記憶している。
また、記憶回路143には、認証データベース1431、及び公開データベース1432が構築されている。認証データベース1431、及び公開データベース1432は、処理回路141が記憶回路143に記憶されるプログラムを実行することで管理される。
認証データベース1431は、第1サーバ11で作成される認証情報が記憶されるデータベースである。認証情報は、例えば、患者IDと関連付けられて記憶されている。
公開データベース1432は、第1サーバ11で作成される公開情報が記憶されるデータベースである。公開情報は、患者毎に記憶されている。また、公開データベース1432には、商品の製造元へアクセスするための情報が予め記憶されている。
なお、第2サーバ14は、入力インタフェース回路、及び出力インタフェース回路を有していても構わない。
また、本実施形態では、認証データベース1431、及び公開データベース1432が記憶回路143に構築されている場合を例に説明しているが、これに限定されない。認証データベース1431、及び公開データベース1432は、それぞれが独立した記憶回路に構築されていても構わない。また、認証データベース1431、及び公開データベース1432が構築される記憶回路は、第2サーバ14とは異なる装置に設けられても構わない。
図4に示される処理回路141は、記憶回路143に記憶されている処理プログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。例えば、処理回路141は、処理プログラムを実行することで、記憶制御機能1411、認証機能1412、解析機能1413、取得機能1414、及び判定機能1415を有する。なお、本実施形態では、単一のプロセッサによって記憶制御機能1411、認証機能1412、解析機能1413、取得機能1414、及び判定機能1415が実現される場合を説明するが、これに限定されない。例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサが処理プログラムを実行することにより記憶制御機能1411、認証機能1412、解析機能1413、取得機能1414、及び判定機能1415を実現しても構わない。
記憶制御機能1411は、認証データベース1431、及び公開データベース1432への情報の記憶を制御する機能である。具体的には、例えば、処理回路141は、第1サーバ11から認証情報、及び公開情報を受信すると、記憶制御機能1411を実行する。記憶制御機能1411を実行すると処理回路141は、認証情報を認証データベース1431へ記憶し、公開情報を公開データベース1432へ記憶する。
認証機能1412は、通信端末20の使用者の認証を行う機能である。具体的には、例えば、処理回路141は、通信端末20から送信される認証情報を、IP網を介して受信すると、認証機能1412を実行する。認証機能1412を実行すると処理回路141は、受信した認証情報と、認証データベース1431に記憶されている認証情報とを突合わせ、通信端末20の使用者が、認証データベース1431に登録されている患者と一致するか否かを判断する。換言すると、処理回路141は、通信端末20の使用者が、病院情報システム10に登録されている患者であるか否かを判断すると言うことも可能である。
解析機能1413は、通信端末20から送信される情報を解析する機能である。具体的には、例えば、処理回路141は、通信端末20の使用者と、登録されている患者とが一致すると、解析機能1413を実行する。解析機能1413を実行すると処理回路141は、受信した情報を解析し、受信した情報から必要情報を取得する。
取得機能1414は、管理システム30から所望の情報を取得する機能である。具体的には、例えば、処理回路141は、所定のタイミングで取得機能1414を実行する。取得機能1414を実行すると処理回路141は、管理システム30に対し、例えば、原材料に関するコードと対応する、成分コードに関する情報を要求する。処理回路141は、要求に応じて管理システム30から送信される情報を受信する。
判定機能1415は、通信端末20から送信される情報に、使用者に禁忌の成分が含まれているか否かを判定する機能である。具体的には、例えば、処理回路141は、所定のタイミングで判定機能1415を実行する。判定機能1415を実行すると処理回路141は、公開データベース1432に記憶されている公開情報を参照し、通信端末20から送信された情報に、使用者に禁忌の成分が含まれているか否かを判定する。
次に、以上のように構成された病院情報システム10における第1サーバ11、及び第2サーバ14の動作を、処理回路111,141の処理手順に従って説明する。まず、認証情報、及び公開情報が、認証データベース1431、及び公開データベース1432にそれぞれ登録される際の処理を説明する。図5は、図3に示される第1サーバ11の処理回路111が認証情報、及び公開情報を作成する際の動作の例を表すフローチャートである。
まず、患者は医師等の医療スタッフに対し、病院情報システム10の利用を申し出る。病院情報システム10の利用の申し出を受けると医療スタッフは、PC端末12を操作し、認証情報の発行指示、及び公開情報の作成指示を入力する。PC端末12は、認証情報の発行、及び公開情報の作成を指示する指示信号を第1サーバ11へ送信する。
第1サーバ11の処理回路111は、PC端末12から指示信号を受信する(ステップS51)。処理回路111は、PC端末12から認証情報の発行指示を受信すると、認証情報作成機能1111を実行する。認証情報作成機能1111を実行すると処理回路111は、診療データベース1131に記憶されている、患者を特定可能な番号、例えば、患者ID、及びマイナンバー等を用いて認証情報を作成する(ステップS52)。
また、処理回路111は、PC端末12から公開情報の作成指示を受信すると、公開情報作成機能1112を実行する。公開情報作成機能1112を実行すると処理回路111は、診療データベース1131に記憶されている、アレルギー・禁忌に関する情報に基づいて公開情報を作成する(ステップS52)。具体的には、例えば、診療データベース1131に記憶されている診療情報では、アレルギー・禁忌に関する情報が所定の規則に則って表されている。所定の規則とは、例えば、地域医療連携の要請に応じた規則である。この規則に則り、アレルギー・禁忌に関する情報が、禁忌コード、成分名称、及び成分コード等を用いて記憶されている。公開情報作成機能1112を実行すると処理回路111は、変換データベース1132に従い、診療情報から患者ID、禁忌コード、成分名称、及び成分コードを抽出する。処理回路111は、抽出した患者ID、禁忌コード、成分名称、及び成分コードに基づいて公開情報を作成する。図6は、図3に示される処理回路111により作成される公開情報の例を表す図である。図6によれば、公開情報では、患者ID毎に、禁忌コード、成分名称、及び成分コードが関連付けられている。
処理回路111は、認証情報を作成すると、作成した認証情報を第2サーバ14へ送信する(ステップS53)。また、処理回路111は、公開情報を作成すると、作成した公開情報を第2サーバ14へ送信する(ステップS53)。
第2サーバ14の処理回路141は、認証情報、及び公開情報を受信すると記憶制御機能1411を実行する。記憶制御機能1411を実行すると処理回路141は、受信した認証情報を記憶回路143に構築されている認証データベース1431へ記憶する。このとき、処理回路141は、認証情報を、患者の識別情報である患者IDと関連付けて認証データベース1431へ記憶している。また、記憶制御機能1411を実行すると処理回路141は、受信した公開情報を記憶回路143に構築されている公開データベース1432へ記憶する。
第1サーバ11の処理回路111は、認証情報が認証データベース1431に記憶されると、その認証情報をPC端末12へ出力する(ステップS54)。PC端末12は、第1サーバ11から送信された認証情報を患者に表示する。また、PC端末12は、出力インタフェース回路を有し、発行された認証情報を、出力インタフェース回路により、患者が有する通信端末へ書き込むようにしても構わない。
続いて、通信端末20の使用者が購入を検討している商品について、禁忌となる成分が含まれているか否かが判断される際の処理を説明する。図7は、図4に示される第2サーバ14の処理回路141が、商品に禁忌となる成分が含まれているか否かを判断する際の動作の例を説明する図である。なお、図7の例では、商品の包装には1次元バーコードが付されているとする。1次元バーコードには、商品の製造元、及び商品自体を表す情報を含めることが可能である。
まず、通信端末20の使用者は、通信端末20に設けられている撮像回路により、商品の包装に付されている1次元バーコードを読み取る(ステップS71)。なお、撮像回路には、例えば、カメラ、及びバーコード読み取り機等が含まれる。使用者は、通信端末20を操作し、読み取った1次元バーコードに関する情報と、自身に設定された認証情報とを、IP網を介して病院情報システム10へ送信する(ステップS72)。なお、認証情報は、1次元バーコードに関する情報を送信する際に、使用者により通信端末20の入力インタフェース回路から入力されてもよい。また、認証情報は、通信端末20の記憶回路に記憶されており、1次元バーコードに関する情報を送信する際に、記憶回路から読み出されてもよい。
病院情報システム10の第2サーバ14は、通信端末20から送信された1次元バーコードに関する情報と、認証情報とを受信する。第2サーバ14の処理回路141は、認証情報を受信すると、認証機能1412を実行する(ステップS73)。認証機能1412を実行すると処理回路141は、認証データベース1431にアクセスし、受信した認証情報と一致する認証情報が、認証データベース1431に記憶されているか否かを確認する。一致する認証情報が認証データベース1431に記憶されている場合、処理回路141は、通信端末20の使用者の病院情報システム10へのアクセスを許可する。認証データベース1431では、認証情報と、患者の識別情報である患者IDとが関連付けられている。処理回路141は、使用者のアクセスを許可すると共に、認証情報と関連付けられている患者IDを取得する。
一方、一致する認証情報が認証データベース1431に記憶されていない場合、処理回路141は、通信端末20の使用者が、病院情報システム10へのアクセスを許可されていない旨を通信端末20へ送信する。
処理回路141は、使用者のアクセスを許可すると、解析機能1413を実行する(ステップS74)。解析機能1413を実行すると処理回路141は、1次元バーコードに関する情報を解析し、製造元コード、及び商品コードを取得する。
処理回路141は、製造元コード、及び商品コードを取得すると、取得機能1414を実行する。取得機能1414を実行すると処理回路141は、製造元コードに基づき、製造元の管理システム30へアクセスするための製造元情報を、公開データベース1432から読み出す(ステップS75)。公開データベース1432には、製造元コードと、製造元情報とが対応付けられた対応情報が予め記憶されている。製造元情報は、例えば、管理システム30のURL等であってもよい。
処理回路141は、公開データベース1432から製造元情報を読み出すと、読み出した製造元情報宛てに、要求信号を送信する(ステップS76)。要求信号は、抽出した商品コードと対応する成分コードに関する情報を要求する信号である。成分コードに関する情報は、商品コードと対応する成分コードそのものであってもよいし、商品コードと成分コードとの対応情報であってもよい。なお、図7の説明では、処理回路141が、商品コードと対応する成分コードそのものを要求する例を説明する。
管理システム30は、病院情報システム10から送信される要求信号を受信する。管理システム30は、要求信号を受信すると、商品コードと、成分コードとの対応情報を参照する。図8は、図1で示される管理システム30が記憶している、商品コードと、成分コードとの対応情報の例を表す図である。管理システム30は、商品コードと対応付けられている成分コードを取得する(ステップS77)。管理システム30は、取得した成分コードに関する情報を病院情報システム10へ送信する(ステップS78)。
病院情報システム10は、管理システム30から送信される成分コードに関する情報を受信する。第2サーバ14の処理回路141は、成分コードに関する情報を受信すると、判定機能1415を実行する。判定機能1415を実行すると処理回路141は、管理システム30から送信された成分コードを、公開データベース1432に記憶されている、使用者に対して設定されている成分コードに照合させる。管理システム30から送信された成分コードのうち少なくともいずれかが、使用者の患者IDに対して設定されている成分コードと一致する場合、処理回路141は、通信端末20のより読み取られた商品に、使用者にとって禁忌となる成分が含まれていると判断する(ステップS79)。
例えば、患者ID「999」の使用者が通信端末20により読み取った商品コードが「12345678901231」であるとする。処理回路141は、商品コード「12345678901231」と対応する成分コードを管理システム30へ要求する。すると、管理システム30からは、図8に基づき、成分コード「1」、「2」が処理回路141へ返信される。処理回路141は、返信された成分コード「1」、「2」が、公開データベース1432に記憶されている患者ID「999」の成分コードと一致するか否かを判断する。図6によれば、公開データベース1432に記憶されている患者ID「999」の成分コードは「1」、「2」であり、返信された成分コードと一致する。この場合、処理回路141は、通信端末20のより読み取られた商品に、使用者にとって禁忌となる成分が含まれていると判断する。
一方、管理システム30から送信された成分コードの全てが、使用者の患者IDに対して設定されている成分コードと一致しない場合、処理回路141は、商品には禁忌となる成分が含まれていないと判断する。
処理回路141は、ステップS79での判断の結果を、判断結果として通信端末20へ送信する(ステップS710)。
通信端末20は、病院情報システム10から判断結果を受信すると、受信した判断結果を表示回路に表示する(ステップS711)。図9乃至図11は、図1に示される通信端末20に設けられる表示回路の表示例を表す図である。図9は、商品に禁忌となる成分が含まれていない場合の表示例を表す。図10は、商品に禁忌となる成分が含まれている場合の表示例を表す。図11は、管理システム30に商品コードが登録されていない場合の表示例を表す。なお、通信端末20の表示は、これらに限定されない。通信端末20には、禁忌成分が含まれているか否かに加え、禁忌成分の成分名称が表示されるようにしても構わない。このとき、ステップS710において、病院情報システム10から通信端末20へ、判断結果と共に禁忌となる成分コードと対応する成分名称が通信端末20へ送信される。
なお、図7の例では、第2サーバ14の処理回路141が1次元バーコードを解析する場合を説明した。しかしながら、これに限定されない。例えば、通信端末20に1次元バーコードを解析可能なアプリケーションが搭載されている場合には、処理回路141が解析処理を実施する必要は無い。通信端末20に1次元バーコードを解析可能なアプリケーションが搭載されている場合、通信端末20は、1次元バーコードを解析することで、製造元コード、及び商品コードを取得する。通信端末20は、取得した製造元コード、及び商品コードと、認証情報とを、IP網を介して病院情報システム10へ送信する。そして、第2サーバ14の処理回路141は、認証機能1412を実行した後、取得機能1414を実行する。
また、図7の例では、商品の包装に1次元バーコードが付されている場合を説明した。しかしながら、商品の包装には、2次元バーコードが付されてもよい。2次元バーコードには、商品の製造元、商品自体、及び商品に含まれる成分を表す情報を含めることが可能である。商品の包装に2次元バーコードが付されている場合、第2サーバ14の処理回路141は、図7で示される動作と異なる動作を実施してもよい。図12は、商品の包装に2次元バーコードが付されている場合の、第2サーバ14の処理回路141の動作の例を説明する図である。
まず、通信端末20の使用者は、通信端末20に設けられている撮像回路により、商品の包装に付されている2次元バーコードを読み取る(ステップS121)。使用者は、通信端末20を操作し、読み取った2次元バーコードに関する情報と、自身に設定された認証情報とを、IP網を介して病院情報システム10へ送信する(ステップS122)。
病院情報システム10の第2サーバ14は、通信端末20から送信された2次元バーコードに関する情報と、認証情報とを受信する。第2サーバ14の処理回路141は、認証情報を受信すると、認証機能1412を実行する(ステップS123)。
処理回路141は、使用者のアクセスを許可すると、解析機能1413を実行する(ステップS124)。解析機能1413を実行すると処理回路141は、2次元バーコードに関する情報を解析し、商品コードを取得する。
処理回路141は、成分コードを取得すると、判定機能1415を実行する(ステップS125)。処理回路141は、ステップS125での判断の結果を、判断結果として通信端末20へ送信する(ステップS126)。通信端末20は、病院情報システム10から送信された判断結果を受信すると、受信した判断結果を表示回路に表示する(ステップS127)。
なお、図12の例では、第2サーバ14の処理回路141が2次元バーコードを解析する場合を説明した。しかしながら、これに限定されない。例えば、通信端末20に2次元バーコードを解析可能なアプリケーションが搭載されている場合には、処理回路141が解析処理を実施する必要は無い。通信端末20に2次元バーコードを解析可能なアプリケーションが搭載されている場合、通信端末20は、2次元バーコードを解析することで、成分コードを取得する。通信端末20は、取得した成分コードと、認証情報とを、IP網を介して病院情報システム10へ送信する。そして、第2サーバ14の処理回路141は、認証機能1412を実行した後、判定機能1415を実行する。
以上のように、第1の実施形態では、第1サーバ11は、診療データベース1131に記憶される診療情報に基づき、認証情報、及び公開情報を作成する。作成された認証情報、及び公開情報は、認証データベース1431、及び公開データベース1432にそれぞれ記憶される。第2サーバ14は、商品についての情報を受信すると、認証情報に基づき、商品の購入を検討している者が患者であるか否かを判断する。第2サーバ14は、患者であると確認すると、公開情報と、商品についての情報とに基づき、患者の禁忌となる成分が商品に含まれているか否かを判断する。そして、第2サーバ14は、判断結果を出力するようにしている。これにより、病院情報システム10は、診療情報と紐付けられた公開情報に基づき、商品における禁忌成分の有無を判断することが可能となる。
したがって、第1の実施形態に係る病院情報システム10によれば、消費者が商品の購入を検討する際に、商品に禁忌となる物質が含まれているか否かを容易に確認することができる。
なお、第1の実施形態では、図4に示されるように、第2サーバ14の記憶回路143に認証データベース1431、及び公開データベース1432が構築される場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。記憶回路143には、図13に示されるように書込用公開データベース1433が構築されてもよい。書込用公開データベース1433には、例えば、通信端末20の使用者が購入した商品についての情報が記憶される。
図14は、図13に示される第2サーバ14の処理回路141が、書込用公開データベース1433へ情報を書き込む際の動作の例を説明する図である。
ステップS711において、通信端末20の表示回路には、判断結果と共に、その商品を購入するか否かを選択するための選択アイコンが表示される。使用者は、商品を購入する場合、「購入」の意思を表す選択アイコンを選択する(ステップS141)。「購入」が選択されると、通信端末20は、使用者が商品の購入を決定したことを表す購入信号を病院情報システム10へ送信する(ステップS142)。購入信号には、例えば、購入予定の商品の商品コードが含まれる。なお、購入信号には、商品に含まれる成分に関する成分コードが含まれてもよい。
病院情報システム10は、通信端末20から送信される購入信号を受信する。第2サーバ14の処理回路141は、購入信号を受信すると、記憶制御機能1411を実行する。記憶制御機能1411を実行すると処理回路141は、購入予定の商品に関する購入情報を書込用公開データベース1433へ書き込む(ステップS143)。具体的には、処理回路141は、商品の購入を決定した使用者の患者ID、購入予定の商品の商品コード及び成分コード、並びに、商品を購入する年月日等を、購入情報として書込用公開データベース1433へ書き込む。これにより、書込用公開データベース1433に使用者の購入履歴が記憶されることになる。書込用公開データベース1433に使用者の購入履歴が記憶されることにより、次に患者を診察する際に、医師は、購入履歴を参照することが可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、通信端末20が利用される場合を例に説明した。第2の実施形態では、通信端末20の代わりに、所定の情報を記憶した記憶媒体が利用される場合を例に説明する。
図15は、第2の実施形態に係る病院情報システム10が活用される環境の一例を表すブロック図である。図15では、病院情報システム10、管理システム30、及び対応端末50がIP網により接続されている。また、所定の情報が書き込まれた記憶媒体60が所持者により所持されている。
記憶媒体60は、接触型又は非接触型のICカード、又はICチップを内蔵した身分証名称等により実現される。記憶媒体60は、例えば、クレジットカード、及びパスポートが想定される。記憶媒体60には、所持者が病院で診察された際に、その診察において設定された認証情報が書き込まれている。認証情報は、例えば、病院情報システム10のPC端末12に備えられる出力インタフェース回路により書き込まれる。なお、記憶媒体60は、撮像回路が設けられていない携帯電話、及びスマートフォン等であっても構わない。
対応端末50は、買物客との商取引を決済するための装置である。対応端末50は、例えば、店舗の精算所に設けられるPOS(Point Of Sale)端末により実現される。対応端末50は、コードスキャナを備える。対応端末50は、買物客が持ってきた商品の包装に付されているコードシンボルをコードスキャナにより読み取る。また、対応端末50は、記憶媒体60から情報を読み取るリーダを備える。対応端末50は、記憶媒体60に書き込まれている情報をリーダにより読み取る。
続いて、記憶媒体60の所持者が購入を検討している商品について、禁忌となる成分が含まれているか否かが判断される際の処理を説明する。図16は、第2の実施形態に係る第2サーバ14が、商品に禁忌となる成分が含まれているか否かを判断する際の動作の例を説明する図である。なお、図16の例では、商品の包装には1次元バーコードが付されているとする。また、記憶媒体60の所持者が対応端末50を操作するものとする。
まず、記憶媒体60の所持者は、対応端末50を操作し、対応端末50に記憶媒体60に書き込まれている認証情報を読み取らせる(ステップS161)。続いて、所持者は、対応端末50を操作し、自身が持ってきた商品に付された1次元バーコードを対応端末50に読み取らせる(ステップS162)。対応端末50は、記憶媒体60から読み取った認証情報と、商品から読み取った1次元バーコードに関する情報とを、IP網を介して病院情報システム10へ送信する(ステップS163)。
病院情報システム10の第2サーバ14は、対応端末50から送信された1次元バーコードに関する情報と、認証情報とを受信する。第2サーバ14の処理回路141は、認証情報を受信すると、認証機能1412を実行する(ステップS164)。認証機能1412を実行すると処理回路141は、記憶媒体60から読み出された認証情報が、認証データベース1431に記憶されているか否かを確認する。一致する認証情報が認証データベース1431に記憶されている場合、処理回路141は、対応端末50の病院情報システム10へのアクセスを許可する。
処理回路141は、対応端末50のアクセスを許可すると、解析機能1413を実行する(ステップS165)。解析機能1413を実行すると処理回路141は、1次元バーコードに関する情報を解析し、製造元コード、及び商品コードを取得する。
処理回路141は、製造元コード、及び商品コードを取得すると、取得機能1414を実行する。取得機能1414を実行すると処理回路141は、製造元コードに基づき、製造元の管理システム30へアクセスするための製造元情報を、公開データベース1432から読み出す(ステップS166)。
処理回路141は、公開データベース1432から製造元情報を読み出すと、読み出した製造元情報宛てに、要求信号を送信する(ステップS167)。管理システム30は、要求信号を受信すると、商品コードと、成分コードとの対応情報を参照し、商品コードと対応付けられている成分コードを取得する(ステップS168)。管理システム30は、取得した成分コードに関する情報を病院情報システム10へ送信する(ステップS169)。
病院情報システム10は、管理システム30から送信される成分コードに関する情報を受信する。第2サーバ14の処理回路141は、成分コードに関する情報を受信すると、判定機能1415を実行する(ステップS1610)。
処理回路141は、ステップS1610での判断の結果を、判断結果として対応端末50へ送信する(ステップS1611)。対応端末50は、病院情報システム10から判断結果を受信すると、受信した判断結果を表示回路に表示する(ステップS1612)。記憶媒体60の所持者は、対応端末50の表示を参照し、商品を購入するか否かを返答する。
以上のように、第2の実施形態では、第1サーバ11で作成された認証情報が記憶媒体60に書き込まれる。第2サーバ14は、対応端末50が記憶媒体60から読み取った認証情報に基づき、商品の購入を検討している者が患者であるか否かを判断する。第2サーバ14は、患者であると確認すると、公開情報と、対応端末50から送信される商品についての情報とに基づき、患者の禁忌となる成分が商品に含まれているか否かを判断する。そして、第2サーバ14は、判断結果を対応端末50へ出力するようにしている。これにより、病院情報システム10は、診療情報と紐付けられた公開情報に基づき、商品における禁忌成分の有無を判断することが可能となる。
したがって、第2の実施形態に係る病院情報システム10によれば、消費者が商品の購入を検討する際に、商品に禁忌となる物質が含まれているか否かを容易に確認することができる。
なお、上記第1、及び第2の実施形態では、第2サーバ14の処理回路141は、解析機能1413を実行した後に、取得機能1414を実行する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。例えば、処理回路141は、予め設定された周期で取得機能1414を実行しても構わない。具体的には、処理回路141は、各月等の予め設定された周期で、管理システム30へ、商品コードと成分コードとの対応情報を要求する要求信号を送信する。管理システム30は、要求信号に応じ、対応情報を病院情報システム10へ送信する。このとき、処理回路141は、使用者のアクセスを許可すると、判定機能1415を実行する。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、第1、及び第2の実施形態の各プロセッサは、プロセッサ毎に単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。