JP2018138963A - 光学デバイス、及び、その製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配向欠陥の発生が抑制された光学デバイスを提供する。
【解決手段】光学デバイス100は、第一基板10と、第二基板20と、凹凸構造体31と、第二電極層22の表面に形成された配向膜60aと、凹凸構造体31の凹部34に配置された、複数の液晶分子32aを含む液晶層32とを備える。複数の凸部33のそれぞれは、X軸方向を長手方向とする長尺状であり、複数の凸部33は、Z軸方向に並ぶ。Y軸方向から見た場合に、複数の液晶分子32aは、長手方向が第X軸方向に沿うように配置される。Z軸方向から見た場合、複数の液晶分子32aは、第二基板20の主面に対して同じ向きに傾斜している。
【選択図】図7
【解決手段】光学デバイス100は、第一基板10と、第二基板20と、凹凸構造体31と、第二電極層22の表面に形成された配向膜60aと、凹凸構造体31の凹部34に配置された、複数の液晶分子32aを含む液晶層32とを備える。複数の凸部33のそれぞれは、X軸方向を長手方向とする長尺状であり、複数の凸部33は、Z軸方向に並ぶ。Y軸方向から見た場合に、複数の液晶分子32aは、長手方向が第X軸方向に沿うように配置される。Z軸方向から見た場合、複数の液晶分子32aは、第二基板20の主面に対して同じ向きに傾斜している。
【選択図】図7
Description
本発明は、入射する光の配光を制御することができる光学デバイス、及び、その製造方法に関する。
液晶材料を用いた光学デバイスが知られている。このような光学素子として、特許文献1には、光源とリフレクタとレンズとを有する灯具において、光源とレンズとの間に配置されて灯具の配光制御を可能にする液晶光学素子が開示されている。
ところで、液晶材料を用いた光学デバイスにおいては、配光制御時に複数の液晶分子が異なる方向に回転することにより、配向欠陥(配光制御が行われない領域)が発生することが課題である。
本発明は、配向欠陥の発生が抑制された光学デバイス、及び、その製造方法を提供する。
本発明の一態様に係る光学デバイスは、第一基材層及び第一電極層を有する透光性の第一基板と、第二基材層及び第二電極層を有する透光性の第二基板と、前記第一電極層及び前記第二電極層の間に配置され、前記第二電極層に向かって突出した複数の凸部を有する凹凸構造体と、前記第二電極層の表面、及び、前記凹凸構造体の表面の少なくとも一方に形成された配向膜と、前記凹凸構造体のうち前記複数の凸部の間の凹部に配置された、複数の液晶分子を含む液晶層とを備え、前記複数の凸部のそれぞれは、前記第二基板の主面に沿う第一方向を長手方向とする長尺状であり、前記複数の凸部は、前記第二基板の主面に沿う第二方向であって前記第一方向に交差する第二方向に並び、前記第二基板の主面に垂直な第三方向から見た場合に、前記複数の液晶分子は、長手方向が前記第一方向に沿うように配置され、前記第二方向から見た場合、前記複数の液晶分子は、前記第二基板の主面に対して同じ向きに傾斜している。
本発明の一態様に係る光学デバイスの製造方法は、第一基材層に第一電極層が形成された透光性の第一基板の前記第一電極層上に、複数の凸部を有する凹凸構造体を配置し、前記凹凸構造体上に配向膜を形成し、前記凹凸構造体のうち前記複数の凸部の間の凹部に形成された前記配向膜上に液晶層を配置し、第二基材層に第二電極層が形成された透光性の第二基板を、前記第二電極層が前記液晶層側を向くように配置し、前記第一基板と前記第二基板とを接着部材によって固定し、前記複数の凸部のそれぞれは、前記第二電極層に向かって突出し、かつ、前記第二基板の主面に沿う第一方向を長手方向とする長尺状であり、前記複数の凸部は、前記第二基板の主面に沿う第二方向であって前記第一方向に交差する第二方向に並び、前記凹部は、前記第二方向の一端側が前記第二方向の他端側よりも低い第一傾斜面、及び、前記第二方向の前記一端側が前記第二方向の前記他端側よりも高い第二傾斜面を有し、前記配向膜の形成においては、前記第一傾斜面に配置された前記配向膜の基材に、第一偏光軸を有する偏光紫外光を照射し、かつ、前記第二傾斜面に配置された前記配向膜の基材に、前記第一偏光軸と交差する第二偏光軸を有する偏光紫外光を照射する。
本発明によれば、配向欠陥の発生が抑制された光学デバイス、及び、その製造方法が実現される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺等は必ずしも一致していない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。X軸及びY軸は、互いに直交し、かつ、いずれもZ軸に直交する軸である。なお、Z軸方向のプラス方向を鉛直下方としている。
また、本明細書において、X軸方向は、第一基板または第二基板の主面に沿う第一方向の一例であり、Z軸方向は、第一基板または第二基板の主面に沿う第二方向であって、第一方向と交差する第二方向の一例である。Y軸方向は、第一基板または第二基板の主面に垂直な第三方向の一例である。本明細書において、「平面視」とは、第三方向から見たときのことをいう。
(実施の形態1)
[全体構成]
まず、実施の形態1に係る光学デバイスの構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る光学デバイスの平面図である。図2は、図1のII−II線における光学デバイスの断面図である。
[全体構成]
まず、実施の形態1に係る光学デバイスの構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る光学デバイスの平面図である。図2は、図1のII−II線における光学デバイスの断面図である。
光学デバイス100は、光学デバイス100に入射する光を制御する光制御デバイスである。具体的には、光学デバイス100は、光学デバイス100に入射する光の進行方向を変更して(つまり配光して)出射させることができる配光制御素子である。
図1に示されるように、平面視において、光学デバイス100は、本体部101と、第一端子部10aと、第二端子部20aとを備える。
本体部101は、固定領域102によって囲まれた、平面視形状が矩形の部分であり、光学デバイス100に入射する光の進行方向を制御することができる部分である。本体部101は、配光制御領域(アクティブ領域)を含む。配光制御領域は、光学デバイス100に入射した光の配光制御が実質的に可能な領域(実効領域)である。
第一端子部10a及び第二端子部20aは、固定領域102の外側に位置する、光学デバイス100へ給電するための端子構造であり、ワイヤ等またはリード線等によって外部電源と電気的に接続される。第一端子部10a及び第二端子部20aには、交流電圧が印加されてもよいし直流電圧が印加されてもよい。
図2に示されるように、光学デバイス100は、具体的には、透光性の第一基板10と、第一基板10に対向して配置された透光性の第二基板20と、第一基板10及び第二基板20の間に配置された光制御層30と、接着部材40と、封止部材50と、配向膜60aと、配向膜60bとを備える。以下、これらの各構成要素について、図1及び図2を参照しながら詳細に説明する。
[第一基板、第二基板]
第一基板10は、透光性を有する基板であり、第一基材層11及び第一電極層12を有する。第一電極層12は、第一基材層11の一方の主面に配置されている。また、第二基板20は、透光性を有する基板であり、第二基材層21及び第二電極層22を有する。第二電極層22は、第二基材層21の一方の主面に配置されている。
第一基板10は、透光性を有する基板であり、第一基材層11及び第一電極層12を有する。第一電極層12は、第一基材層11の一方の主面に配置されている。また、第二基板20は、透光性を有する基板であり、第二基材層21及び第二電極層22を有する。第二電極層22は、第二基材層21の一方の主面に配置されている。
本体部101において、第一基板10と第二基板20とは、第一基板10が有する第一電極層12と、第二基板20が有する第二電極層22とが対向するように、所定の間隔をあけて配置されている。つまり、第一基板10及び第二基板20は、互いに一方が他方に対向して配置された対向基板である。
第一基材層11及び第二基材層21は、透光性を有する材料によって形成される。第一基材層11及び第二基材層21は、例えば、樹脂材料によって形成される。具体的な樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリビニルアルコール(PVA)、トリアセチルセルロース(TAC)、アクリル(PMMA)またはエポキシ等が挙げられる。
第一基材層11及び第二基材層21は、シート状のリジッドな材料で形成されなくてもよい。第一基材層11及び第二基材層21は、可撓性を有するフィルム状のフレキシブルな材料で形成されてもよい。リジッドな材料としては、例えば、PCまたはPMMA等が挙げられ、また、フレキシブルな材料としては、PET、PEN、PS、PVA、TAC等が挙げられる。
なお、第一基材層11及び第二基材層21は、ソーダガラス、無アルカリガラス、または高屈折率ガラス等のガラス材料によって形成されてもよい。第一基材層11と第二基材層21は、同じ材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。
なお、第一基材層11及び第二基材層21の平面視形状は、例えば、矩形状(正方形または長方形)であるが、これに限るものではなく、円形または四角形以外の多角形であってもよく、任意の形状が採用され得る。実施の形態1において、第一基材層11及び第二基材層21は、PETによって形成される。
第一電極層12は、第一基材層11と光制御層30との間に配置されている。具体的には、第一電極層12は、第一基材層11の一方の主面(光制御層30側の主面)に形成されている。第一電極層12は、べた電極であり、第一基材層11の一方の主面のほぼ全面に薄膜状に形成されている。
一方、第二電極層22は、光制御層30(配向膜60a)と第二基材層21との間に配置されている。具体的には、第二電極層22は、第二基材層21の一方の主面(光制御層30側の主面)に形成されている。第二電極層22は、べた電極であり、第二基材層21の一方の主面のほぼ全面に薄膜状に形成されている。
第一電極層12及び第二電極層22は、電気的に対となっており、光制御層30に電界を与えることができる。第一電極層12及び第二電極層22に印加される電圧が変更されることで光制御層30の液晶層32に含まれる液晶分子の配向状態を変化させることができる。これにより、液晶層32の屈折率を変化させることができる。
第一電極層12及び第二電極層22は、透光性及び導電性を有する材料によって形成される。このような材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)、ZnOにGaをドープしたGZO、ZnOにAlをドープしたAZO等の透明金属酸化物、銀ナノワイヤや導電性粒子等の導電体を含有する樹脂からなる導電体含有樹脂、または、銀薄膜等の金属薄膜等が例示される。なお、第一電極層12及び第二電極層22は、これらの材料の単層構造であってもよし、これらの材料の積層構造(例えば、透明金属酸化物と金属薄膜との積層構造)であってもよい。
[光制御層]
光制御層30は、透光性を有しており、入射した光を透過させる。また、光制御層30は、入射した光を配光することができる配光層として機能する。つまり、光制御層30は、光制御層30を通過する際の光の進行方向を変更することができる。
光制御層30は、透光性を有しており、入射した光を透過させる。また、光制御層30は、入射した光を配光することができる配光層として機能する。つまり、光制御層30は、光制御層30を通過する際の光の進行方向を変更することができる。
光制御層30は、第一電極層12及び第二電極層22の間に配置され、凹凸構造体31及び液晶層32を有する。凹凸構造体31と液晶層32とは接している。
凹凸構造体31は、第一電極層12及び第二電極層22の間に配置され、第二電極層22に向かって突出した複数の凸部を有する。複数の凸部のそれぞれは、マイクロオーダサイズまたはナノオーダサイズの凸部である。複数の凸部は、ストライプ状に形成されている。具体的には、複数の凸部のそれぞれは、断面形状が台形であって、X軸方向を長手方向とする長尺状の略四角柱形状である。複数の凸部は、Z軸方向に等間隔に並んで配置されている。各凸部の高さは、例えば、100nm以上100μm以下である。また、隣り合う凸部の間隔は、例えば、100μm以下の所定の間隔である。
複数の凸部のそれぞれの断面形状は、より具体的には、第一基板10(第一電極層12)から第二基板20(第二電極層22)に向かうにつれて細くなるテーパ形状である。一つの凸部が有する一対の側面の各々は、厚み方向に対して所定の傾斜角で傾斜する傾斜面であり、一対の側面の間隔(凸部の幅)は、第一基板10から第二基板20に向かって漸次小さくなっている。なお、凸部は、略四角柱形状に限定されず、断面形状が三角形の略三角柱形状であってもよいし、その他の形状であってもよい。
凸部の側面は、凸部と液晶層32との界面となっている。第一基板10側から凹凸構造体31に入射した光は、凸部の側面(凸部と液晶層32との界面)において、凹凸構造体31と液晶層32との屈折率差に応じて反射及び屈折したり、反射及び屈折せずにそのまま透過したりする。なお、凹凸構造体31においては、隣り合う凸部は根元部分で互いに連結されているが、分離されていてもよい。
凹凸構造体31(凸部)の材料は、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、または、シリコーン樹脂等の光透過性を有する樹脂材料である。凹凸構造体31は、例えば、モールド成形、または、ナノインプリント等によって形成することができる。実施の形態1では、凹凸構造体31(凸部)は、屈折率が1.5のアクリル樹脂によって構成されている。
液晶層32は、凹凸構造体31のうち複数の凸部の間の凹部に配置される。液晶層32は、液晶分子を含む液晶材料によって構成されている。液晶材料は、例えば、液晶分子が棒状分子からなるネマティック液晶またはコレステリック液晶等である。なお、液晶材料は、ツイストネマティック液晶(TN液晶)等であってもよい。
液晶層32の液晶分子は、複屈折性を有する。実施の形態1では、凹凸構造体31の屈折率が1.5であるので、液晶層32には、常光屈折率(no)が1.5で、異常光屈折率(ne)が1.7であるポジ型の液晶材料が用いられている。なお、液晶層32にはネガ型の液晶材料が用いられてもよい。
液晶層32は、電界が与えられることによって可視光領域での屈折率が調整可能な屈折率調整層として機能する。具体的には、液晶層32は、電界応答性を有する液晶分子を有する液晶によって構成されているので、液晶層32に電界が与えられることにより(つまり、第一電極層12及び第二電極層22に電圧が印加されることにより)で液晶分子の配向状態が変化して液晶層32の屈折率が変化する。
[接着部材]
接着部材40は、レーザ光を吸収するレーザ光吸収材を含有する樹脂材料によって形成される。レーザ光吸収材は、例えば、ファイバーレーザ(1070nm)、Nd:YAGレーザ(1064nm)、または、半導体レーザ(808nm、840nm、940nm)等の赤外線のレーザ光を吸収できる材料によって構成されているとよい。レーザ光吸収材は、例えば、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ジチオール金属錯体、ナフトキノン化合物、ジインモニウム化合物、または、アゾ化合物等の有機材料によって形成される。
接着部材40は、レーザ光を吸収するレーザ光吸収材を含有する樹脂材料によって形成される。レーザ光吸収材は、例えば、ファイバーレーザ(1070nm)、Nd:YAGレーザ(1064nm)、または、半導体レーザ(808nm、840nm、940nm)等の赤外線のレーザ光を吸収できる材料によって構成されているとよい。レーザ光吸収材は、例えば、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ジチオール金属錯体、ナフトキノン化合物、ジインモニウム化合物、または、アゾ化合物等の有機材料によって形成される。
図2に示されるように、接着部材40は、第一基板10と第二基板20との間に配置されている。具体的には、接着部材40は、第一基板10の第一電極層12と第二基板20の第二電極層22とに接触している。
また、接着部材40は、図1に示される固定領域102に対応する位置に配置されている。つまり、接着部材40は、矩形状の第一基板10(第二基板20)の外周端部に沿って、矩形環状に形成されている。
接着部材40にレーザ光が照射されると、レーザ光吸収材がレーザ光を吸収して発熱する。この熱によって接着部材40が溶融し、第一基板10と第二基板20とが接着部材40によって接着される。このように、接着部材40は、第一基板10と第二基板20とを接着する接着材として機能する。
なお、接着部材40には、第一基板10と第二基板20とのギャップを一定の間隔に維持するための粒状のスペーサが分散されていてもよい。スペーサとしては、樹脂ビーズ、ガラスビーズまたはシリカ粒子等の粒状スペーサ等を用いることができる。
[封止部材]
封止部材50は、接着剤等のシール樹脂であり、第一基板10及び第二基板20の端部に沿って、第一基板10及び第二基板20を囲むように第一基板10及び第二基板20の全周に形成される。具体的には、封止部材50は、断面視において、第一基板10のはみ出し部の表面から第二基板20の端縁を覆うように形成されている。
封止部材50は、接着剤等のシール樹脂であり、第一基板10及び第二基板20の端部に沿って、第一基板10及び第二基板20を囲むように第一基板10及び第二基板20の全周に形成される。具体的には、封止部材50は、断面視において、第一基板10のはみ出し部の表面から第二基板20の端縁を覆うように形成されている。
封止部材50は、固定領域102よりも外側の領域に形成されている。液晶層32は、固定領域102において接着部材40によって封止されているが、さらに封止部材50を形成することによって液晶層32の封止性能を補強することができる。つまり、封止部材50は補強用シール部材であり、封止部材50を形成することで液晶層32を二重に封止することができる。また、このような二重の封止によれば、外部から光制御層30内に水分等が侵入することを一層抑制することができる。このように、封止部材50によれば、封止性能が向上し、信頼性を向上させることができる。
[配向膜]
配向膜60aは、第二電極層22(第二基板)の表面に形成される透明の膜である。配向膜60aは、ポリイミドなどの有機材料である基材を第二電極層22(第二基板)の表面に塗布した後、当該基材にラビング処理が施されることによって形成される。ラビング処理は、例えば、布が巻き付けられたローラーを回転させて、上記基材を一方向(ラビング方向)に沿ってこする処理である。布の材料としては、再生セルロース、レーヨン、ナイロン、または、ポリエチレン等が例示される。ラビング方向は、例えば、X軸方向に平行な方向である。このような配向膜60aによれば、液晶層32に含まれる液晶分子にプレチルトを付与することができる。
配向膜60aは、第二電極層22(第二基板)の表面に形成される透明の膜である。配向膜60aは、ポリイミドなどの有機材料である基材を第二電極層22(第二基板)の表面に塗布した後、当該基材にラビング処理が施されることによって形成される。ラビング処理は、例えば、布が巻き付けられたローラーを回転させて、上記基材を一方向(ラビング方向)に沿ってこする処理である。布の材料としては、再生セルロース、レーヨン、ナイロン、または、ポリエチレン等が例示される。ラビング方向は、例えば、X軸方向に平行な方向である。このような配向膜60aによれば、液晶層32に含まれる液晶分子にプレチルトを付与することができる。
配向膜60bは、凹凸構造体31の表面に形成される透明の膜である。配向膜60bは、例えば、SiO2膜であり、例えば、蒸着により凹凸構造体31の表面に形成される。SiO2膜は、いわゆるフリーサーフェス膜であり、液晶分子に分子間力を作用させにくい。言い換えれば、SiO2膜は、SiO2膜の近傍に配置された液晶分子32aの自由エネルギーを下げることができる。この結果、液晶分子は、凹凸構造体31の凹部の形状と液晶分子自身の作用とに応じて配向する。このように、SiO2膜は、凹凸構造体31の凹部に配置されることによって配向膜60bとして機能する。配向膜60bによれば、液晶層32に含まれる液晶分子を凹部の延伸方向(X軸方向)に沿って寝かせることができる。
なお、図2では、配向膜60bは、凹凸構造体31の表面のうち凹部の底面にのみ選択的に形成されているが、凹凸構造体31の表面の全域に形成されてもよい。配向膜60bは、凹凸構造体31の表面のうち少なくとも凹部の底面に形成されればよい。
このように、凹凸構造体31に形成される配向膜60bとして配向処理が不要な無機配向膜が用いられることにより、配向処理によって凹凸構造体31が劣化したり凹凸構造体31を傷つけたりすることが抑制される。
なお、光学デバイス100においては、配向膜は、第二電極層22の表面、及び、凹凸構造体31の表面の両方に形成されているが、配向膜は、第二電極層22の表面、及び、凹凸構造体31の表面の少なくとも一方に形成されればよい。
[光学デバイスの動作]
次に、光学デバイス100の動作について説明する。光学デバイス100は、第一端子部10a(第一電極層12)及び第二端子部20a(第二電極層22)に電圧が印加されていない電圧無印加状態において第一モードとなり、第一端子部10a及び第二端子部20aに電圧が印加されている電圧印加状態において第二モードとなる。図3は、第一モードの光学デバイス100に入射した光の進行方向を説明するための図であり、図4は、第二モードの光学デバイス100に入射した光の進行方向を説明するための図である。
次に、光学デバイス100の動作について説明する。光学デバイス100は、第一端子部10a(第一電極層12)及び第二端子部20a(第二電極層22)に電圧が印加されていない電圧無印加状態において第一モードとなり、第一端子部10a及び第二端子部20aに電圧が印加されている電圧印加状態において第二モードとなる。図3は、第一モードの光学デバイス100に入射した光の進行方向を説明するための図であり、図4は、第二モードの光学デバイス100に入射した光の進行方向を説明するための図である。
まず、第一モードについて説明する。実施の形態1では、液晶層32の液晶材料は、異常光屈折率が1.7で、常光屈折率が1.5のポジ型である。また、凹凸構造体31の屈折率は1.5である。第一モードの光学デバイス100においては、液晶層32の液晶分子32aは、第一基板10及び第二基板20に対して水平に配向し、液晶層32の屈折率は、1.7である。この場合、凹凸構造体31と液晶層32との間には屈折率差がある。
したがって、図3に示されるように、第一モードの光学デバイス100に対して斜め方向から入射する入射光(例えば太陽光)は、凹凸構造体31と液晶層32との界面(凹凸構造体31の凸部の上側の側面)で全反射し、進行方向が曲げられて光学デバイス100から外部に出射する。
一方、第二モードの光学デバイス100においては、液晶層32の液晶分子32aは、第一基板10及び第二基板20に対して垂直に配向する垂直配向となる。この場合、液晶層32の屈折率は、1.5であり、凹凸構造体31と液晶層32との間の屈折率差はない。
したがって、図4に示されるように、第二モードの光学デバイス100に対して斜め方向から入射する入射光は、凹凸構造体31と液晶層32との界面で屈折及び反射することなく直進して光学デバイス100から外部に出射する。
このように、光学デバイス100は、凹凸構造体31と液晶層32との屈折率のマッチングが電圧(電界)によって変化するアクティブ型の光制御デバイスである。
光学デバイス100は、例えば、窓に貼り合わされて使用される。図5及び図6は、光学デバイスの使用例を示す図である。
図5及び図6に示されるように、光学デバイス100が建物90の窓91に設置されることで、窓91に配光機能が付与される。光学デバイス100は、例えば、粘着層を介して窓91の室内側に貼り合わされる。このとき、光学デバイス100は、第一基板10が室外側に位置し、第二基板20が室内側に位置するように配置されている。
図5に示されるように、第一モードの光学デバイス100は、太陽光を建物90の室内の天井に照射する。一方、図6に示されるように、第二モードの光学デバイス100は、太陽光を建物90の室内の床面に照射する。
[液晶分子の配置]
光学デバイス100においては、配向膜60a及び配向膜60bによって、液晶分子32aが配向されている。以下、液晶分子32aの配置(配向状態)について説明する。図7は、第一モードの光学デバイス100における液晶分子32aの配置を示す図である。図7の(a)は、液晶層32をX軸方向から見た図であり、図7の(b)は、液晶層32をY軸方向から見た図であり、図7の(c)は、液晶層32をZ軸方向から見た図である。なお、図7では、液晶分子32aの配置を明示するために、液晶層32はハッチングされていない。図7の(b)では、配向膜60bの図示が省略されている。また、図7の(b)では凹凸を表現するために、凹部34がハッチングされていないのに対して、凸部33(凸部33の頂部)は、ハッチングされている。
光学デバイス100においては、配向膜60a及び配向膜60bによって、液晶分子32aが配向されている。以下、液晶分子32aの配置(配向状態)について説明する。図7は、第一モードの光学デバイス100における液晶分子32aの配置を示す図である。図7の(a)は、液晶層32をX軸方向から見た図であり、図7の(b)は、液晶層32をY軸方向から見た図であり、図7の(c)は、液晶層32をZ軸方向から見た図である。なお、図7では、液晶分子32aの配置を明示するために、液晶層32はハッチングされていない。図7の(b)では、配向膜60bの図示が省略されている。また、図7の(b)では凹凸を表現するために、凹部34がハッチングされていないのに対して、凸部33(凸部33の頂部)は、ハッチングされている。
上述のように、複数の凸部33のそれぞれは、第二基板20の主面(Z−X平面)に沿うX軸方向(第一方向)を長手方向とする長尺状であり、複数の凸部33は、第二基板20の主面に沿うZ軸方向(第二方向)に並んでいる。
ここで、図7の(b)に示されるように、第二基板20の主面に垂直なY軸方向(第三方向)から見た場合に、複数の液晶分子32aは、長手方向がX軸方向に沿うように配置されている。
また、図7の(c)に示されるように、Z軸方向から見た場合、複数の液晶分子32aのうち、少なくとも配向膜60aの近傍に位置する(第二基板20寄りに位置する)複数の液晶分子32aは、第二基板20の主面に対して同じ向きに傾斜している。このときの傾斜角度θは、例えば、0.5°以上10°以下程度である。傾斜角度は、液晶分子32aごとにばらついている。
このように配向膜60aの近傍に位置する液晶分子32aは、第二基板20の一方の主面に対する傾斜の向きが揃っている。そうすると、第一端子部10a及び第二端子部20aに電圧が印加されたときに、複数の液晶分子32aが同じ回転方向に回転するため、回転方向が揃わないことに起因する配向欠陥の発生を抑制することができる。言い換えれば、配向膜60a及び配向膜60bによれば、複数の液晶分子32aの配向を安定化させることができる。
なお、図7の(c)に示されるように、配向膜60bの近傍に位置する(第一基板10寄りに位置する)液晶分子32aは、第二基板20の主面に対してほぼ平行であり、傾斜していない。しかしながら、液晶層32の有する弾性により、配向膜60aの近傍に位置する複数の液晶分子32aが同じ方向に回転すれば、配向膜60bの近傍に位置する(第一基板10寄りに位置する)液晶分子32aについても同じ方向に回転する。
第一端子部10a及び第二端子部20aに電圧が印加されている状態の光学デバイス100、つまり、第二モードの光学デバイス100における液晶分子の配置は、図8に示される。図8は、第二モードの光学デバイス100における液晶分子32aの配置を示す図である。図8の(a)は、液晶層32をX軸方向から見た図であり、図8の(b)は、液晶層32をY軸方向から見た図であり、図8の(c)は、液晶層32をZ軸方向から見た図である。なお、図8では、液晶分子32aの配置を明示するために、液晶層32はハッチングされていない。図8の(b)では、配向膜60bの図示が省略されている。また、図8の(b)では凹凸を表現するために、凸部33(凸部33の頂部)はハッチングされている。
図8の(a)〜(c)に示されるように、第二モードの光学デバイス100においては、複数の液晶分子32aは、長手方向がY軸方向に沿うように配置される。
(実施の形態2)
[実施の形態2に係る光学デバイスの構造]
上記実施の形態1では、凹凸構造体31の表面に形成された配向膜60bとして、配向処理が不要な無機配向膜が用いられたが、凹凸構造体31の表面には、配向処理が必要な配向膜が形成されてもよい。実施の形態2では、光配向処理が施された配向膜を有する光学デバイスについて説明する。なお、実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明が行われ、実施の形態1で既に説明された事項については適宜説明が省略される。
[実施の形態2に係る光学デバイスの構造]
上記実施の形態1では、凹凸構造体31の表面に形成された配向膜60bとして、配向処理が不要な無機配向膜が用いられたが、凹凸構造体31の表面には、配向処理が必要な配向膜が形成されてもよい。実施の形態2では、光配向処理が施された配向膜を有する光学デバイスについて説明する。なお、実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明が行われ、実施の形態1で既に説明された事項については適宜説明が省略される。
図9は、実施の形態2に係る光学デバイスの第一モードにおける液晶分子32aの配置を示す図である。図9の(a)は、液晶層32をX軸方向から見た図であり、図9の(b)は、液晶層32をY軸方向から見た図であり、図9の(c)は、液晶層32をZ軸方向から見た図である。なお、図9では、液晶分子32aの配置を明示するために、液晶層32はハッチングされていない。図9の(b)では、凹凸構造体31の表面に形成された配向膜60cの図示が省略されている。また、図9の(b)では凹凸を表現するために、凹部34がハッチングされていないのに対して、凸部33(凸部33の頂部)はハッチングされている。
まず、配向膜60cについて説明する。図9の(a)に示されるように、光学デバイス100aは、第二電極層22の表面に形成された配向膜60aに加えて、凹凸構造体31の表面の全域に、凹凸に沿って形成された配向膜60cを備える。配向膜60aは、実施の形態1で説明したように、ポリイミドなどの有機材料によって形成された基材に、ラビング処理が行われることにより形成される。なお、光学デバイス100aは、配向膜60aを備えなくてもよい。
配向膜60cは、例えば、ポリイミドなどの有機材料によって形成された基材に、光配向処理として、偏光紫外光の照射が行われることにより形成される。
次に、液晶分子32aの配置について説明する。図9の(b)に示されるように、凹凸構造体31の凹部34は、第一傾斜面34aと、底面34bと、第二傾斜面34cとを有する。第一傾斜面34aは、Z軸方向の+側(第二方向の一端側)がZ軸方向の−側(第二方向の他端側)よりも低い傾斜面であり、第二傾斜面34cは、Z軸方向の+側(第二方向の一端側)がZ軸方向の−側(第二方向の他端側)よりも高い傾斜面である。
図9の(b)に示されるように、第二基板20の主面に垂直なY軸方向から見た場合に、凹部34の底面34bの上方に位置する複数の液晶分子32aは、長手方向がX軸方向に沿うように配置されている。
一方、Y軸方向から見た場合に、第一傾斜面34aの上方に位置する複数の液晶分子32aは、長手方向がX軸方向と第一角度θ1で交差するように配置される。Y軸方向から見た場合に、第二傾斜面34cの上方に位置する複数の液晶分子32aは、長手方向がX軸方向と第二角度θ2で交差するように配置される。
Y軸方向から見た場合に、第一傾斜面34aの上方に位置する液晶分子32aの長手方向と、第二傾斜面34cの上方に位置する液晶分子32aの長手方向とは、第一角度θ1と第二角度θ2とを合わせた(加算した)角度(θ1+θ2)で交差する。Y軸方向から見た場合に、第一傾斜面34aの上方に位置する液晶分子32aの長手方向は、Z−X平面上でX軸に対して正の傾き(反時計回り)を有し、第二傾斜面34cの上方に位置する液晶分子32aの長手方向は、Z−X平面上でX軸に対して負の傾き(時計回り)を有する。つまり、第一傾斜面34aの上方に位置する液晶分子32aと、第二傾斜面34cの上方に位置する液晶分子32aとは、X軸方向を基準とした傾斜の向きが異なる。第一角度θ1及び第二角度θ2のそれぞれは、例えば、0°より大きく45°以下の角度である。第一角度θ1及び第二角度θ2は、液晶分子32aごとにばらついている。
また、図9の(c)に示されるように、Z軸方向から見た場合、液晶層32のほぼ全域において、複数の液晶分子32aは、第二基板20の主面に対して同じ向きに傾斜している。このときの傾斜角度θは、例えば、0.5°以上10°以下である。傾斜角度は、液晶分子32aごとにばらついている。
このように光学デバイス100aにおいても、液晶分子32aは、第二基板20の一方の主面に対する傾斜の向きが揃っている。そうすると、第一端子部10a及び第二端子部20aに電圧が印加されたときに、複数の液晶分子32aが同じ回転方向に回転するため、回転方向が揃わないことに起因する配向欠陥の発生を抑制することができる。
[実施の形態2に係る光学デバイスの製造方法]
次に、実施の形態2に係る光学デバイスの製造方法について説明する。図10は、実施の形態2に係る光学デバイスの製造方法のフローチャートである。
次に、実施の形態2に係る光学デバイスの製造方法について説明する。図10は、実施の形態2に係る光学デバイスの製造方法のフローチャートである。
まず、第一基材層11に第一電極層12が形成された透光性の第一基板10の第一電極層12上に、複数の凸部を有する凹凸構造体31が配置される(S11)。次に、凹凸構造体31上に配向膜60cが形成され(S12)、凹凸構造体31のうち複数の凸部33の間に形成される凹部34に形成された配向膜60c上に液晶層32が配置される(S13)。
続いて、第二基材層21に第二電極層22が形成され、第二電極層22の表面に配向膜60aが形成された透光性の第二基板20が、配向膜60aが液晶層32と対向するように配置される(S14)。つまり、第二基板20は、第二電極層22が液晶層32側を向くように配置される。
そして、第一基板10と第二基板20とが接着部材40によって固定される(S15)。つまり、固定領域102が形成され、液晶層32が封止される。なお、図10では図示されないが、封止部材50による封止も行われる。
なお、図10のフローチャートに含まれる複数のステップの順序は一例であり、複数のステップの順序は適宜変更されてもよい。例えば、凹凸構造体31は、凹凸構造体31に配向膜60cが形成された後に第一基板10上に配置されてもよい。つまり、ステップS11とステップS12とは入れ替えられてもよい。
次に、上述したような光学デバイス100aにおける液晶分子32aの配置を実現するための配向膜60cの形成方法について説明する。図11は、配向膜60cの形成方法を説明するための図である。
図11に示されるように、配向膜60cは、凹凸構造体31に配向膜60cの基材60dが配置された状態で、基材60dに偏光紫外光70が照射されることによって形成される。つまり、凹凸構造体31に配向膜60cの基材60dが配置された状態で、基材60dに光配向処理が行われる。基材60dは、例えば、ポリイミドである。
偏光紫外光70の照射においては、例えば、ベルトコンベアなどによって凹凸構造体31を移動させ、偏光紫外光70の照射位置を通過させる。ここで、第一傾斜面34aに配置された基材60d、底面34bに配置された基材60d、及び、第二傾斜面34cに配置された基材60dのそれぞれに、互いに偏光軸の異なる偏光紫外光70が照射される。図12は、偏光紫外光70の偏光方向を示す図である。なお、図12は、Y軸方向から見たときの偏光軸の方向を示している。
第一傾斜面34aに配置された基材60dには、図12の(a)に示されるような偏光軸(第一偏光軸)を有する偏光紫外光70が照射される。底面34bに配置された基材60dには、図12の(b)に示されるような偏光軸を有する偏光紫外光70が照射される。第二傾斜面34cに配置された基材60dには、図12の(c)に示されるような偏光軸(第二偏光軸)を有する偏光紫外光70が照射される。第二偏光軸は、第一偏光軸と交差する偏光軸である。なお、底面34bに配置された基材60dには、図12の(b)に示されるような偏光軸を有する偏光紫外光70の代わりに、図12の(a)に示されるような偏光軸を有する偏光紫外光70と図12の(c)に示されるような偏光軸を有する偏光紫外光70の両方が照射されてもよい。
なお、図12に示される偏光軸の方向は、液晶分子32aの長手方向が偏光軸に沿う場合の方向である。基材60dとして選択される材料によっては、液晶分子32aの長手方向が偏光軸と直交する方向に沿う場合もあり得る。この場合は、図12に示される偏光軸と90°方向が異なる偏光軸を有する偏光紫外光70が照射されればよい。
偏光紫外光70の選択的な照射は、例えば、マスクを用いて行われる。図12の(a)に示されるような偏光軸(第一偏光軸)を有する偏光紫外光70が照射されるときには、底面34bに配置された基材60d、及び、第二傾斜面34cに配置された基材60dがマスクされた状態で偏光紫外光70の照射が行われる。これにより、第一傾斜面34aに配置された基材60dにのみ選択的に第一偏光軸を有する偏光紫外光70を照射することができる。図12の(b)に示されるような偏光軸を有する偏光紫外光70が照射されるとき、及び、図12の(c)に示されるような偏光軸(第二偏光軸)を有する偏光紫外光70が照射されるときについても同様に、基材60dのうち照射対象でない部分がマスクされる。
なお、偏光紫外光70の光軸を第一基板10の主面(Z−X平面)に対して傾けることにより、偏光紫外光70の選択的な照射が行われてもよい。図13は、光軸を傾けることによる偏光紫外光70の選択的な照射を説明するための図である。
図13に示されるように偏光紫外光70の光軸が傾けられた状態で、凹凸構造体31を矢印方向(Z軸+側からZ軸−側に向かう方向)に移動させると、第一傾斜面34aに配置された基材60dにのみ選択的に偏光紫外光70を照射することができる。なお、このときの光軸の傾きは、第一傾斜面34aの傾きなどを考慮して経験的または実験的に定められるとよい。
以上説明したように、配向膜60cは、基材60dに偏光紫外光70が照射されることにより形成される。このような配向膜60cによれば、図9に示される液晶分子32aの配置が実現される。このような液晶分子32aの配置によれば、第一端子部10a及び第二端子部20aに電圧が印加されたときに、複数の液晶分子32aが同じ回転方向に回転するため、回転方向が揃わないことに起因する配向欠陥の発生を抑制することができる。
(まとめ)
以上説明したように、光学デバイス100は、第一基材層11及び第一電極層12を有する透光性の第一基板10と、第二基材層21及び第二電極層22を有する透光性の第二基板20と、第一電極層12及び第二電極層22の間に配置され、第二電極層22に向かって突出した複数の凸部33を有する凹凸構造体31と、第二電極層22の表面、及び、凹凸構造体31の表面の少なくとも一方に形成された配向膜と、凹凸構造体31のうち複数の凸部33の間の凹部34に配置された、複数の液晶分子を32a含む液晶層32とを備える。複数の凸部33のそれぞれは、第二基板20の主面に沿う第一方向を長手方向とする長尺状であり、複数の凸部33は、第二基板20の主面に沿う第二方向であって第一方向に交差する第二方向に並ぶ。第二基板20の主面に垂直な第三方向から見た場合に、複数の液晶分子32aは、長手方向が第一方向に沿うように配置される。第二方向から見た場合、複数の液晶分子32aは、第二基板20の主面に対して同じ向きに傾斜している。第一方向、第二方向、及び、第三方向は、上記実施の形態では、X軸方向、Z軸方向、及び、Y軸方向である。
以上説明したように、光学デバイス100は、第一基材層11及び第一電極層12を有する透光性の第一基板10と、第二基材層21及び第二電極層22を有する透光性の第二基板20と、第一電極層12及び第二電極層22の間に配置され、第二電極層22に向かって突出した複数の凸部33を有する凹凸構造体31と、第二電極層22の表面、及び、凹凸構造体31の表面の少なくとも一方に形成された配向膜と、凹凸構造体31のうち複数の凸部33の間の凹部34に配置された、複数の液晶分子を32a含む液晶層32とを備える。複数の凸部33のそれぞれは、第二基板20の主面に沿う第一方向を長手方向とする長尺状であり、複数の凸部33は、第二基板20の主面に沿う第二方向であって第一方向に交差する第二方向に並ぶ。第二基板20の主面に垂直な第三方向から見た場合に、複数の液晶分子32aは、長手方向が第一方向に沿うように配置される。第二方向から見た場合、複数の液晶分子32aは、第二基板20の主面に対して同じ向きに傾斜している。第一方向、第二方向、及び、第三方向は、上記実施の形態では、X軸方向、Z軸方向、及び、Y軸方向である。
このように配向膜によって複数の液晶分子32aがプレチルトされることにより、モード切り替え時に複数の液晶分子32aが同じ回転方向に回転するため、回転方向が揃わないことに起因する配向欠陥の発生を抑制することができる。
例えば、配向膜60aは、第二電極層22の表面に形成される。
これにより、第二電極層22の表面に形成された配向膜60aによって、複数の液晶分子32aを、長手方向が第一方向に沿うように配置し、かつ、第二基板20の主面に対して同じ向きに傾斜させることができる。
また、例えば、配向膜60bは、凹凸構造体31の表面に形成される。
これにより、凹凸構造体31の表面に形成された配向膜60bによって、複数の液晶分子32aを、長手方向が第一方向に沿うように配置し、かつ、第二基板20の主面に対して同じ向きに傾斜させることができる。
また、例えば、配向膜は、第二電極層22の表面、及び、凹凸構造体31の表面の両方に形成される。
これにより、例えば、第二電極層22の表面に形成された配向膜60a、及び、凹凸構造体31の表面に形成された配向膜60bによって、複数の液晶分子32aを、長手方向が第一方向に沿うように配置し、かつ、第二基板20の主面に対して同じ向きに傾斜させることができる。
また、光学デバイス100aにおいて、配向膜60cは、凹凸構造体31の凹部34の表面に形成される。凹部34は、第二方向の一端側が第二方向の他端側よりも低い第一傾斜面34a、及び、第二方向の一端側が第二方向の他端側よりも高い第二傾斜面34cを有する。第三方向から見た場合に、複数の液晶分子32aは、凹部34の底面34bの上方に位置し、長手方向が第一方向に沿うように配置される。液晶層32に含まれる複数の液晶分子32aであって第一傾斜面34aの上方に位置する複数の液晶分子32aは、長手方向が第一方向と第一角度θ1で交差するように配置される。液晶層32に含まれる複数の液晶分子32aであって第二傾斜面34cの上方に位置する複数の液晶分子32aは、長手方向が第一方向と第二角度θ2で交差するように配置される。
このように配向膜60cによって複数の液晶分子32aがプレチルトされることにより、モード切り替え時に複数の液晶分子32aが同じ回転方向に回転するため、回転方向が揃わないことに起因する配向欠陥の発生を抑制することができる。
また、例えば、第一角度θ1及び第二角度θ2のそれぞれは、0°より大きく45°以下である。
このように、配向膜60cによって複数の液晶分子32aがプレチルトされることにより、第一角度θ1及び第二角度θ2のそれぞれは、例えば、0°より大きく45°以下となる。
また、光学デバイス100においては、例えば、凹凸構造体31の表面のうち少なくとも凹部34の底面には、配向膜60bとしてSiO2膜が形成されている。
これにより、凹凸構造体31の底面に形成されたSiO2膜によって、複数の液晶分子32aを、長手方向が第一方向に沿うように配置し、かつ、第二基板20の主面に対して同じ向きに傾斜させることができる。
また、光学デバイス100aの製造方法は、第一基材層11に第一電極層12が形成された透光性の第一基板10の第一電極層12上に、複数の凸部33を有する凹凸構造体31を配置し、凹凸構造体31上に配向膜60cを形成し、凹凸構造体31のうち複数の凸部33の間の凹部34に形成された配向膜60c上に液晶層32を配置し、第二基材層21に第二電極層22が形成された透光性の第二基板20を、第二電極層22が液晶層32側を向くように配置し、第一基板10と第二基板20とを接着部材40によって固定する。複数の凸部33のそれぞれは、第二電極層22に向かって突出し、かつ、第二基板20の主面に沿う第一方向を長手方向とする長尺状であり、複数の凸部33は、第二基板20の主面に沿う第二方向であって第一方向に交差する第二方向に並ぶ。凹部34は、第二方向の一端側が第二方向の他端側よりも低い第一傾斜面34a、及び、第二方向の一端側が第二方向の他端側よりも高い第二傾斜面34cを有する。配向膜60cの形成においては、第一傾斜面34aに配置された配向膜60cの基材60dに、第一偏光軸を有する偏光紫外光70を照射し、かつ、第二傾斜面34cに配置された配向膜60cの基材60dに、第一偏光軸と交差する第二偏光軸を有する偏光紫外光70を照射する。
このような製造方法によれば、配向欠陥の発生が抑制された光学デバイス100aが実現される。
(他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態で説明された配向膜は、一例である。配向膜は、上記実施の形態で説明されたような複数の液晶分子の配置を実現できる範囲で適宜選択されればよい。具体的には、第二電極層に形成される配向膜、及び、凹凸構造体に形成される配向膜のそれぞれは、ラビング処理された配向膜であってもよいし、光配向処理された配向膜であってもよいし、配向処理が不要な配向膜であってもよい。
また、複数の液晶分子は、配向膜が第二電極層、及び、凹凸構造体の少なくとも一方に形成されることにより同じ向きに傾斜していればよく、配向膜が第二電極層、及び、凹凸構造体の両方に形成されることは必須ではない。
また、凹凸構造体において隣り合う凸部が分離されている場合、配向膜は、第一電極層の表面に形成されてもよい。
上記実施の形態では、液晶層にはポジ型の液晶材料が用いられていたが、液晶層にはネガ型の液晶材料が用いられてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態において、凹凸構造体を構成する複数の凸部の各々は、長尺状であったが、複数の凸部は、ドット状に点在するように配置されていてもよい。また、複数の凸部は、互いに異なる形状であってもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
10 第一基板
11 第一基材層
12 第一電極層
20 第二基板
21 第二基材層
22 第二電極層
31 凹凸構造体
32 液晶層
32a 液晶分子
33 凸部
34 凹部
34a 第一傾斜面
34b 底面
34c 第二傾斜面
40 接着部材
60a、60b、60c 配向膜
60d 基材
70 偏光紫外光
100、100a 光学デバイス
11 第一基材層
12 第一電極層
20 第二基板
21 第二基材層
22 第二電極層
31 凹凸構造体
32 液晶層
32a 液晶分子
33 凸部
34 凹部
34a 第一傾斜面
34b 底面
34c 第二傾斜面
40 接着部材
60a、60b、60c 配向膜
60d 基材
70 偏光紫外光
100、100a 光学デバイス
Claims (8)
- 第一基材層及び第一電極層を有する透光性の第一基板と、
第二基材層及び第二電極層を有する透光性の第二基板と、
前記第一電極層及び前記第二電極層の間に配置され、前記第二電極層に向かって突出した複数の凸部を有する凹凸構造体と、
前記第二電極層の表面、及び、前記凹凸構造体の表面の少なくとも一方に形成された配向膜と、
前記凹凸構造体のうち前記複数の凸部の間の凹部に配置された、複数の液晶分子を含む液晶層とを備え、
前記複数の凸部のそれぞれは、前記第二基板の主面に沿う第一方向を長手方向とする長尺状であり、
前記複数の凸部は、前記第二基板の主面に沿う第二方向であって前記第一方向に交差する第二方向に並び、
前記第二基板の主面に垂直な第三方向から見た場合に、前記複数の液晶分子は、長手方向が前記第一方向に沿うように配置され、
前記第二方向から見た場合、前記複数の液晶分子は、前記第二基板の主面に対して同じ向きに傾斜している
光学デバイス。 - 前記配向膜は、前記第二電極層の表面に形成される
請求項1に記載の光学デバイス。 - 前記配向膜は、前記凹凸構造体の表面に形成される
請求項1に記載の光学デバイス。 - 前記配向膜は、前記第二電極層の表面、及び、前記凹凸構造体の表面の両方に形成される
請求項1に記載の光学デバイス。 - 前記配向膜は、前記凹凸構造体の前記凹部の表面に形成される
前記凹部は、前記第二方向の一端側が前記第二方向の他端側よりも低い第一傾斜面、及び、前記第二方向の前記一端側が前記第二方向の前記他端側よりも高い第二傾斜面を有し、
前記第三方向から見た場合に、
前記複数の液晶分子は、前記凹部の底面の上方に位置し、長手方向が前記第一方向に沿うように配置され、
前記液晶層に含まれる複数の液晶分子であって前記第一傾斜面の上方に位置する複数の液晶分子は、長手方向が前記第一方向と第一角度で交差するように配置され、
前記液晶層に含まれる複数の液晶分子であって前記第二傾斜面の上方に位置する複数の液晶分子は、長手方向が前記第一方向と第二角度で交差するように配置される
請求項3または4に記載の光学デバイス。 - 前記第一角度及び前記第二角度のそれぞれは、0°より大きく45°以下である
請求項5に記載の光学デバイス。 - 前記凹凸構造体の表面のうち少なくとも前記凹部の底面には、前記配向膜としてSiO2膜が形成される
請求項3または4に記載の光学デバイス。 - 第一基材層に第一電極層が形成された透光性の第一基板の前記第一電極層上に、複数の凸部を有する凹凸構造体を配置し、
前記凹凸構造体上に配向膜を形成し、
前記凹凸構造体のうち前記複数の凸部の間の凹部に形成された前記配向膜上に液晶層を配置し、
第二基材層に第二電極層が形成された透光性の第二基板を、前記第二電極層が前記液晶層側を向くように配置し、
前記第一基板と前記第二基板とを接着部材によって固定し、
前記複数の凸部のそれぞれは、前記第二電極層に向かって突出し、かつ、前記第二基板の主面に沿う第一方向を長手方向とする長尺状であり、
前記複数の凸部は、前記第二基板の主面に沿う第二方向であって前記第一方向に交差する第二方向に並び、
前記凹部は、前記第二方向の一端側が前記第二方向の他端側よりも低い第一傾斜面、及び、前記第二方向の前記一端側が前記第二方向の前記他端側よりも高い第二傾斜面を有し、
前記配向膜の形成においては、
前記第一傾斜面に配置された前記配向膜の基材に、第一偏光軸を有する偏光紫外光を照射し、かつ、
前記第二傾斜面に配置された前記配向膜の基材に、前記第一偏光軸と交差する第二偏光軸を有する偏光紫外光を照射する
光学デバイスの製造方法。
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JP2017033410A JP2018138963A (ja) | 2017-02-24 | 2017-02-24 | 光学デバイス、及び、その製造方法 |
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-
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