本発明の一実施形態を図1〜図7を参照して以下に説明する。図1を参照して、本実施形態の燃焼装置は、例えば給湯器Aに備えられた燃焼装置である。この給湯器Aは、屋外に設置される給湯器本体1を備える。
給湯器本体1は、そのケーシング1a(以降、本体ケース1aという)内に燃焼装置2を備える。燃焼装置2は、燃焼筐3と、該燃焼筐3の内部空間である燃焼室3aに配置されたバーナ4と、本体ケース1aの外部空間から燃焼室3aにバーナ4の燃焼用空気(外気)を導入するための給気路10aと、燃焼室3aから本体ケース1aの外部空間に燃焼排ガスを導出するための排気路10bと、燃焼用空気(外気)を給気路10aを通してバーナ4に供給させる燃焼ファン11とを備える。
バーナ4は、本実施形態では、燃料ガスを燃焼させるガスバーナであり、燃焼室3aの下部に配置されている。このバーナ4は、本実施形態では燃焼面積が互いに異なる第1バーナ4a及び第2バーナ4bにより構成されている。
バーナ4に燃料ガスを供給するために、第1バーナ4a及び第2バーナ4bで共用される主ガス供給路5が本体ケース1aに外部から導入されている。主ガス供給路5の上流側は、本体ケース1aの外部で図示しないガス供給源の配管に接続される。
主ガス供給路5は、本体ケース1aの内部において、第1バーナ4a用の第1副ガス供給路6aと第2バーナ4b用の第2副ガス供給路6bとに分岐されている。そして、これらの第1副ガス供給路6a及び第2副ガス供給路6bが、各々、第1バーナ4a及び第2バーナ4bのそれぞれに燃料ガスを供給し得るように燃焼室3aに導入されている。
主ガス供給路5には、これを開閉する電磁弁により構成された元弁7と、バーナ4への燃料ガスの供給量(流量)を調整するための燃料調整弁としての比例弁8とが介装されている。また、第1副ガス供給路6a及び第2副ガス供給路6bには、それぞれを開閉する電磁弁により構成された切替弁9a,9bが各々介装されている。
従って、元弁7を開弁した状態で、切替弁9a,9bのそれぞれの開閉状態の組合わせを切替えることにより、燃料ガスの供給対象のバーナ(燃焼運転を行わせるバーナ)を、第1バーナ4a及び第2バーナ4bのいずれか一方又は両方に切替えることが可能となっている。
また、バーナ4の燃焼運転時(第1バーナ4a及び第2バーナ4bの一方又は両方の燃焼運転時)に、比例弁8の通電電流を制御することで、バーナ4への燃料ガスの供給量が、比例弁8の通電電流に応じた流量に制御される。これにより、バーナ4の燃焼運転により発生する熱量(バーナ4の燃焼量)を可変的に制御することが可能となっている。
なお、バーナ4は、単一の燃焼面積のバーナであってもよい。その場合には、切替弁9a,9bは不要である。
燃焼室3aは、燃焼筐3の下部で前記給気路10aに連通され、燃焼筐3の上部で前記排気路10bに連通されている。給気路10aの上流側(入口側)と、排気路10bの下流側(出口側)とは、それぞれ本体ケース1aの外部空間(大気中)に開口されている。そして、給気路10aに燃焼ファン11が介装されている。この燃焼ファン11は、電動モータ11aにより回転駆動され、その回転駆動によって、燃焼用空気(外気)を給気路10a内に上流側から吸い込み、さらに、吸い込んだ燃焼用空気を、給気路10aの下流側から燃焼室3a内に送出するように作動する。
これにより、燃焼室3a内のバーナ4に給気路10aを介して燃焼用空気が供給される。そして、電動モータ11a(以降、ファンモータ11aという)の通電制御によって、燃焼ファン11の回転数(回転速度)を可変的に制御することで、バーナ4への燃焼用空気の供給量を可変的に制御することが可能である。
以降の説明では、給気路10a及び排気路10bの全体を総称的に給排気路10ということがある。
給湯器本体1は、さらに、通水のための構成を備える。具体的には、燃焼室3aには、バーナ4の燃焼熱により加熱される熱交換器21がバーナ4の上方に配置されている。そして、この熱交換器21を経由して通水路22が配設されている。
通水路22は、本体ケース1aの内部に外部から導入された給水路23と、本体ケース1aの内部から導出された出湯路24とを有し、給水路23が熱交換器21の通水路21aを介して出湯路24に連接されている。
給水路23の上流側は、本体ケース1aの外部で図示しない給水源の配管に接続され、出湯路24の下流側は、台所、洗面所、浴室等に配置される図示しないカラン等の給湯口に接続される。
熱交換器21の通水路21aには、本体ケース1aの内部において、バイパス路25が並列に接続されている。該バイパス路25は、熱交換器21の上流側で給水路23から分岐され、熱交換器21の下流側で出湯路24に合流されている。従って、給水路23を上流側から流れてくる水の一部を、熱交換器21を経由させずに、バイパス路25を介して出湯路24に通水させることが可能となっている。
そして、例えば、バイパス路25の上流端部(給水路23からの分岐箇所)には、熱交換器21の通水路21aの通水流量とバイパス路25の通水流量との比率(以下、バイパス比という)を調整するためのバイパス比調整弁26が介装されている。該バイパス比調整弁26は、例えば電動式の三方弁等により構成される。
また、給水路23には、該給水路23の通水流量(以降、給水流量という)を調整するための電動式の水量調整弁27と、給水流量を検出する水量センサ28とが介装されている。また、出湯路24には、バイパス路25の合流部の下流側の箇所と該合流部の上流側の箇所とでそれぞれ湯水の温度を検出する温度センサ29,30が装着されている。
温度センサ29が検出する温度は、換言すれば、出湯路24の下流側の給湯口に供給される湯水の温度、すなわち給湯温度であり、温度センサ30が検出する温度は、換言すれば、熱交換器21から出湯する湯水の温度である。
本体ケース1aには、さらに、給湯器Aの運転制御を担う制御装置40を備える。制御装置40は、図示しないCPU、RAM、ROM、インターフェース回路等を含む1つ以上の電子回路ユニットにより構成される。
この制御装置40には、給湯器Aの運転操作を行うためのリモコン50の操作データ(運転スイッチのオンオフ操作を示すデータ、目標給湯温度を示すデータ等)と、給湯器Aに備えられた各センサの検出信号とが入力される。
リモコン50は、屋内の台所、浴室等に設置されており、制御装置40と有線もしくは無線により通信を行うことが可能である。
上記検出信号には、前記水量センサ28及び温度センサ29,30のそれぞれの検出信号の他、燃焼ファン11の回転数の検出信号、ファンモータ11aの通電電流の検出信号等が含まれる。
そして、制御装置40は、実装されたプログラム又はハードウェア構成により実現される機能として、給排気路10の閉塞度合を検出する閉塞度合検出部41と、バーナ4の燃焼運転を制御する燃焼運転制御部42とを有する。
詳細は後述するが、本実施形態では、閉塞度合検出部41は、ファンモータ11aの通電電流の検出値と、燃焼ファン11の回転数(回転速度)の検出値(又は目標値)とを用いて、給排気路10の閉塞度合を示す指標値(以降、閉塞度合指標値Rma2という)を算出する。
この閉塞度合指標値Rma2は、本実施形態では、給排気路10の閉塞が無い状態(閉塞度合がゼロであるか、もしくはゼロに近い状態)で、Rma2=1となり、給排気路10の閉塞度合が高まると、「1」よりも大きい値に増加していくように決定される指標値である。
なお、「給排気路10の閉塞が無い状態」というのは、より詳しくは、ゴミ等の異物による給排気路10の詰まりが進行する、あるいは、給排気路10への外風が作用する等、燃焼ファン11の作動による給排気路10の正常な通風を阻害する要因が無い状態である。
また、燃焼運転制御部42は、前記元弁7、比例弁8、及び切替弁9a,9bを介してバーナ4への燃料供給を制御すると共に、ファンモータ11aを介して燃焼ファン11の作動制御を行うことで、バーナ4の燃焼運転を制御する。
この場合、燃焼運転制御部42は、バーナ4の燃焼運転により発生させる熱量(目標熱量)の可変範囲の下限値を、閉塞度合指標値Rma2に応じて調整する熱量下限値調整部43としての機能を含む。そして、燃焼運転制御部42は、熱量下限値調整部43で決定した熱量の下限値と、あらかじめ定められた上限値との間の可変範囲内で、バーナ4の目標熱量を決定し、該目標熱量と閉塞度合指標値Rma2とに応じて、バーナ4の燃焼運転を制御する。
次に、制御装置40の処理の詳細と併せて、本実施形態の給湯器Aの作動を説明する。制御装置40は、給湯器Aの給湯運転を行うべき要求が発生すると、図2のフローチャートに示す如く、燃焼装置2の運転制御を行う。
ここで、本実施形態では、制御装置40は、リモコン50の運転スイッチがオン操作された状態で、水量センサ28の検出信号に基づいて、通水路22における所定流量以上の通水の有無を監視する。そして、制御装置40は、所定流量以上の通水を検知すると、バーナ4の燃焼運転を行うべき要求が発生したものとして、図2のフローチャートに示す如く、燃焼装置2の運転制御を行う。
この運転制御では、制御装置40は、まず、STEP1において、燃焼室3aのプリパージを行うべく、燃焼ファン11を作動させると共に、閉塞度合検出部41により閉塞度合検出処理を実行する。
この場合、制御装置40は、燃焼ファン11を、一定時間の間、プリパージ用の所定回転数(以降、プリパージ回転数という)で作動させるように、燃焼運転制御部42によりファンモータ11aを制御する。これにより、給気路10aから燃焼室3a及び排気路10bを経由して通風が行われ、燃焼室3aのプリパージがなされる。
また、STEP1での閉塞度合検出処理は、本実施形態では、次のように実行される。
給排気路10の部分的な詰まりの進行、あるいは給排気路10に作用する外風等の影響で、給排気路10の閉塞度合が高まると、燃焼ファン11の各回転数での風量が低下する(ひいては燃焼ファン11の負荷が低下する)ため、燃焼ファン11の各回転数でのファンモータ11aの通電電流(以降、ファン電流という)は、給排気路10の閉塞が無い場合(閉塞度合がゼロである場合)よりも減少する。そして、燃焼ファン11の各回転数でのファン電流は、給排気路10の閉塞度合が高いほど、減少する。
本実施形態では、閉塞度合検出部41は、かかる現象を利用して、給排気路10の閉塞度合を検出する処理(閉塞度合指標値Rma2を決定する処理)を実行する。
STEP1における閉塞度合検出処理では、閉塞度合検出部41は、プリパージの実行中の所定の時間幅の観測期間において、ファン電流の検出値と、燃焼ファン11の回転数(以降、ファン回転数という)の検出値とを逐次取得し、当該観測期間におけるファン電流の検出値の平均値(以降、ファン電流平均値Ixという)と、ファン回転数の検出値の平均値(以降、ファン回転数平均値Nxという)とを算出する。
なお、プリパージの実行中は、ファン回転数が一定のプリパージ回転数に制御されるので、ファン回転数平均値Nxは、プリパージ回転数の設定値(目標値)に一致もしくはほぼ一致する。従って、STEP1では、ファン回転数平均値Nxの算出処理を省略してもよい。
そして、閉塞度合検出部41は、上記観測期間におけるファン電流平均値Ixと、ファン回転数平均値Nx(又はプリパージ回転数の設定値)とを用いて、給排気路10の閉塞度合を表す閉塞度合指標値Rma2を決定する。
この場合、閉塞度合検出部41は、ファン電流平均値Ixが、給排気路10の閉塞度合がゼロであるか、もしくはゼロに近いとみなし得る所定範囲内の電流値である場合、例えば図3の二点鎖線のラインLc1,Lc2の間の範囲内(詳しくは、ファン回転数の値が、ファン回転数平均値Nx(又はプリパージ回転数の設定値)に一致するときのラインLc1上の電流値Ic1(Nx)と、ラインLc2上の電流値Ic2(Nx)との間の範囲内)の電流値である場合には、閉塞度合指標値Rma2の値を「1」とする。
なお、図3に示すラインLc1,Lc2の間の実線のラインL0は、給排気路10の閉塞が無い状態でのファン回転数とファン電流との標準的な相関関係を示すライン(以降、無閉塞ラインL0という)である。
そして、上記所定範囲の上限側のラインLc2は、ファン回転数の各値での当該ラインLc2上の電流値が、無閉塞ラインL0上の電流値よりも若干大きな電流値となるようにあらかじめ定められたライン、上記所定範囲の下限側のラインLc1は、ファン回転数の各値での当該ラインLc1上の電流値が、無閉塞ラインL0上の電流値よりも若干小さな電流値となるようにあらかじめ定められたラインである。
STEP1では、閉塞度合検出部41は、ファン回転数平均値Nx(又はプリパージ回転数の設定値)に対応する上記ラインLc1,Lc2上のそれぞれの電流値Ic1(Nx),Ic2(Nx)を、上記ラインLc1,Lc2のそれぞれの関数特性(ファン回転数に対するファン電流の関数特性)を表すようにあらかじめ作成されたマップ又は演算式等を用いて求める。
なお、プリパージ回転数の設定値に対応するラインLc1,Lc2上のそれぞれの電流値を、あらかじめ制御装置40のメモリに記憶保持しておき、これらの電流値を、上記電流値Ic1(Nx),Ic2(Nx)としてメモリから読み込むようにしてもよい。
そして、閉塞度合検出部41は、ファン電流平均値Ixが、上記電流値Ic1(Nx),Ic2(Nx)の間の範囲内の電流値である場合には、閉塞度合指標値Rma2の値を「1」とする。
また、閉塞度合検出部41は、ファン電流平均値Ixが、上記電流値Ic1(Nx),Ic2(Nx)の間の範囲内から逸脱している場合には、次式(1)により、閉塞度合指標値Rma2を算出する。
Rma2={(Ia−Ib)/(Ix−Ib)−1}×α+1 ……(1)
式(1)の演算に用いるαは、例えば「1」以下の正の定数値である。また、Ia,Ibのそれぞれは、ファン回転数の関数値として、ファン回転数平均値Nx(又はプリパージ回転数の設定値)に応じて決定されるパラメータである。以降、Iaを基準電流値、Ibを補助電流値という。
本実施形態では、STEP1の閉塞度合検出処理において、算出したファン電流平均値Ixが、前記ラインLc1,Lc2のうちの下限側のラインLc1よりも小さい電流値である場合(Ix<Ic1(Nx)である場合)には、閉塞度合検出部41は、前記基準電流値Iaとして、該ラインLc1上の電流値Ic1(Nx)を使用して、式(1)の演算処理を実行する。
また、算出したファン電流平均値Ixが、前記ラインLc1,Lc2のうちの上限側のラインLc2よりも大きい電流値である場合(Ix>Ic2(Nx)である場合)には、前記基準電流値Iaとして、該ラインLc2上の電流値Ic2(Nx)を使用して、式(1)の演算処理を実行する。
また、前記補助電流値Ibは、ファン回転数に対する関数特性が、例えば、図3のラインLbで示す如くあらかじめ定められた電流値である。そして、閉塞度合検出部41は、STEP1で式(1)の演算処理を実行する場合、ラインLbの関数特性を表すようにあらかじめ作成されたマップ又は演算式等により、ファン回転数平均値Nx(又はプリパージ回転数の設定値)に対応する補助電流値Ib(Nx)を求め、その求めた補助電流値Ib(Nx)を用いて、式(1)の演算処理を実行する。
なお、プリパージ回転数の設定値に対応する補助電流値Ibを、制御装置40のメモリにあらかじめ記憶保持しておき、該補助電流値Ibを、STEP1で式(1)の演算処理に使用するIbの値としてメモリから読み込むようにしてもよい。
本実施形態では、閉塞度合検出部41は、STEP1でのプリパージの実行中に、上記の如く閉塞度合指標値Rma2を決定する。このように決定される閉塞度合指標値Rma2は、給排気路10の閉塞度合がゼロであるか、もしくはゼロに近い状態では、「1」となり、閉塞度合が高まると、「1」よりも大きい値で、閉塞度合の増加に伴い、増加する。
例えば、ファン電流平均値Ixが、図3に例示する値である場合、ラインLc1上の電流値Ic1(Nx)を前記基準電流値Ia、ラインLb上の電流値Ib(Nx)を前記補助電流値Ibとして用いて、前記式(1)の演算処理により閉塞度合指標値Rma2が算出される。この場合、閉塞度合指標値Rma2は、「1.1」と「1.2」との間の値となる。
ここで、図3におけるラインL11は、Rma2=1.1となる閉塞度合でのファン回転数とファン電流との関係を例示するライン、ラインL12は、Rma2=1.2となる閉塞度合でのファン回転数とファン電流との関係を例示するラインである。
なお、給気路10aの入口側から突風が進入した場合等に、燃焼ファン11の負荷が一時的に増加して、ファン電流が一時的に増加する場合もある。このような場合には、前記式(1)により算出される閉塞度合指標値Rma2が「1」よりも小さい値になり得る。
補足すると、本実施形態では、閉塞度合指標値Rma2は、ファン回転数の目標値、あるいは、バーナ4の熱量(燃焼量)の可変範囲の下限値を補正するための補正係数として使用し得る指標値であるため、前記式(1)の如き演算式により閉塞度合指標値Rma2を算出している。
ただし、閉塞度合指標値Rma2は、基本的には、給排気路10の閉塞度合に応じて単調変化(単調増加又は単調減少)する特性を有するパラメータであればよく、上記と異なる処理により決定される指標値であってもよい。例えば、式(1)により算出される値から「1」を差し引いた値、あるいは、補助電流値Ibを一定値もしくはゼロとして、式(1)により算出される値等を、給排気路10の閉塞度合を表す指標値として得るようにしてもよい。
さらには、例えば、給排気路10の実際の風量、燃焼室3aの実際の内圧等を適宜のセンサを用いて検出し、これらの検出値を用いて、給排気路10の閉塞度合を表す指標値を得ることも可能である。
図2のフローチャートの説明に戻って、制御装置40は、次に、上記の如くSTEP1で求めた閉塞度合指標値Rma2が、あらかじめ定められた所定の上限値(例えば1.22)よりも大きいか否かを判断する処理をSTEP2で実行する。
ここで、STEP2の判断結果が肯定的となる状況は、給排気路10の閉塞度合(特に、ゴミ等の異物による給排気路10の詰まりに起因する閉塞度合)が高くなり過ぎて、バーナ4の正常な燃焼運転を行うことが困難となることが予測される状況である。
このため、制御装置40は、STEP2の判断結果が肯定的になった場合(Rma2>上限値である場合)には、STEP13において、給排気路10の閉塞によって給湯器Aの運転を行うことができない旨の報知出力である閉塞報知出力を発生する。該閉塞報知出力としては、例えばリモコン50の表示器等による視覚的な報知出力、あるいは、音声もしくは警報音等による聴覚的な報知出力を採用し得る。
さらに、制御装置40は、STEP14において、給湯器Aの運転を停止する。この場合、バーナ4の燃焼運転が開始されることなく、燃焼ファン11の作動が停止される。
STEP2の判断結果が否定的である場合(Rma2≦上限値である場合)には、制御装置40は次に、STEP3において、閉塞度合指標値Rma2が所定値(例えば、1.1)よりも小さいか否かを判断する。
このSTEP3の判断結果が否定的になる状況は、特に、バーナ4の熱量(燃焼量)が小さい場合(バーナ4の熱量が、可変範囲の下限値もしくはそれに近い熱量である場合)に、給排気路10に作用する一時的な突風等の影響を受けた場合、あるいは、該突風等に起因する閉塞度合指標値Rma2の変化に応じてファン回転数の補正を行った場合に、バーナ4の失火もしくは燃焼不良が発生しやすい状況である。
そこで、STEP3の判断結果が否定的である場合(Rma2≧所定値である場合)には、制御装置40は、STEP5において、バーナ4の熱量の可変範囲の下限値を調整する(補正する)ための、補正係数RQmin(以降、熱量下限値補正係数RQminという)の値として、プリパージ運転時にSTEP1で決定された閉塞度合指標値Rma2(換言すれば、バーナ4の点火前における給排気路10の閉塞度合を示す閉塞度合指標値Rma2)を設定する。
また、STEP3の判断結果が肯定的である場合(Rma2<所定値である場合)には、制御装置40は、STEP4において、熱量下限値補正係数RQminの値として、「1」を設定する。
なお、本実施形態では、STEP3〜5の処理は、熱量下限値調整部43により実行される処理である。また、熱量下限値調整部43によるバーナ4の熱量の可変範囲の下限値を調整する(補正する)処理の詳細は後述する。
次いで、制御装置40は、STEP6において、燃焼運転制御部42により、バーナ4の点火制御を行う。この点火制御の処理では、燃焼運転制御部42は、燃焼ファン11を点火用の所定回転数で作動させるようにファンモータ11aを制御する。併せて、燃焼運転制御部42は、図示しないイグナイタを駆動しつつ、前記第1バーナ4a及び第2バーナ4bの一方(又は両方)に所定流量の燃料ガスを供給するように、前記元弁7及び比例弁8と、切替弁9a,9bの一方(又は両方)を制御する。これにより、バーナ4が点火され、バーナ4の燃焼運転が開始される。
以降、制御装置40は、バーナ4の燃焼運転中に、STEP7〜12のループ処理を繰り返す。
STEP7では、制御装置40は、閉塞度合検出部41による閉塞度合検出処理を実行する。このSTEP7での閉塞度合検出処理の手法は、前記STEP1での閉塞度合検出処理と同様である。
ただし、STEP7での閉塞度合検出処理は、STEP1でのプリパージの実行中に、ファン電流平均値Ixを算出するために用いるファン電流の検出値を取得する観測期間の時間幅よりも短い所定の時間幅(例えば1秒)の周期で繰り返し実行される処理である(当該周期が、STEP7〜12のループ処理の繰り返しの周期である)。
また、バーナ4の燃焼運転中は、バーナ4の熱量に応じてファン回転数が適宜変更されるので、各周期の期間でのSTEP7における閉塞度合検出処理では、各周期の期間におけるファン回転数平均値Nxが算出される。
なお、各周期の期間におけるファン回転数が、一定もしくはほぼ一定に保たれるとみなし得る場合には、各周期の期間におけるファン回転数平均値Nxの代わりに、各周期の期間におけるファン回転数の目標値を使用することも可能である。
STEP7での閉塞度合検出処理は、上記した事項以外は、前記STEP1での閉塞度合検出処理と同じである。すなわち、各周期の期間におけるファン電流平均値Ixが、前記ラインLc1,Lc2の間の範囲内の電流値である場合には、閉塞度合指標値Rma2が「1」に設定される。また、各周期の期間におけるファン電流平均値Ixが、前記ラインLc1,Lc2の間の範囲から逸脱している場合には、前記式(1)により閉塞度合指標値Rma2が算出される。
制御装置40は、上記ループ処理において、STEP7で決定した閉塞度合指標値Rma2が、「1」よりも大きいか否かをSTEP8で逐次判断する。このSTEP8の判断結果が否定的である場合(Rma2≦1である場合)には、制御装置40は、燃焼運転制御部42により、STEP10において、通常燃焼制御を行う。
この通常燃焼制御は、給排気路10の閉塞が無いものとして、バーナ4の燃焼運転を行わせる制御処理である。この通常燃焼制御では、制御装置40は、まず、バーナ4の目標熱量(燃焼量の目標値)を、既定の可変範囲内で決定する。
具体的には、本実施形態では、燃焼運転制御部42は、前記温度センサ29で検出される給湯温度を、リモコン50で設定された目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致させるように、前記温度センサ29,30及び水量センサ28の検出信号等に基づいて、バーナ4の目標熱量と、前記バイパス比調整弁26の制御目標値(例えばバイパス比の目標値)と、水量調整弁27の制御目標値(例えば、給水流量の目標値)とを逐次決定する。
この場合、バーナ4の目標熱量は、既定の可変範囲内(給湯器Aの仕様で、あらかじめ設計的に定められた定格の最小熱量Qmin_aと最大熱量Qmaxとの間の範囲内)で決定される。
そして、燃焼運転制御部42は、決定した目標熱量に応じてファンモータ11a及び比例弁8を制御する。具体的には、燃焼運転制御部42は、給排気路10の閉塞が無い状態で、目標熱量を実現するための所要流量の燃焼量空気と燃料ガスとをバーナ4に供給し得るように、ファン回転数の目標値と、比例弁8の通電電流(以降、比例弁電流という)の目標値とを決定する。
この場合、ファン回転数の目標値は、バーナ4の熱量とファン回転数との関係が、例えば、図4Aのグラフで示す相関関係になるように、あらかじめ作成されたマップ又は演算式等により、目標熱量に応じて決定される。また、比例弁電流の目標値は、例えば、ファン回転数と比例弁電流との関係が、図4Bのグラフで示す相関関係になるように、あらかじめ作成されたマップ又は演算式等により、ファン回転数の検出値又は目標値に応じて決定される。
ここで、図4A及び図4Bのグラフは、給排気路10の閉塞が無い状態(Rma2=1となる状態)で、既定の熱量可変範囲内(図4Aに示す最小熱量Qmin_aと最大熱量Qmaxとの間の範囲内)の任意の熱量でのバーナ4の燃焼運転を良好に行うために必要な、バーナ4の熱量とファン回転数と比例弁電流との相互関係を表すグラフである。
なお、比例弁電流の目標値は、目標熱量に応じて、直接的に(ファン回転数の値を用いずに)決定してもよい。
STEP10の通常燃焼制御では、燃焼運転制御部42は、上記の如く決定したファン回転数の目標値に実際のファン回転数に一致もしくはほぼ一致させるように、ファンモータ11aの通電電流(ファン電流)をフィードバック制御すると共に、比例弁8に、上記の如く決定した目標値の比例弁電流を通電する。これにより、バーナ4に目標熱量に対応する流量の燃焼用空気と燃料ガスとが供給される。ひいては、目標熱量でのバーナ4の燃焼運転が実現される。
さらに、燃焼運転制御部42は、バイパス比調整弁26及び水量調整弁27をそれぞれの制御目標値に応じて制御する。これにより、出湯路24から給湯口に供給される湯水の給湯温度が目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致するように制御される。
なお、バーナ4の燃焼運転中に、STEP8の判断結果が、肯定的になった後に、STEP8の判断結果が否定的になった直後(すなわち、閉塞度合指標値Rma2が「1」よりも大きい値から、「1」以下の値に低下した直後)においては、ファン回転数の補正と、バーナ4の熱量の可変範囲の下限値の補正が一時的に行われる。これについては、後述する。
補足すると、STEP7で決定された閉塞度合指標値Rma2が、「1」よりも小さい場合におけるSTEP10の通常燃焼制御では、上記の如くバーナ4の目標熱量に応じて決定したファン回転数の目標値を、閉塞度合指標値Rma2に応じて減少方向に補正し、その補正後の目標値に応じてファンモータ11aを制御してもよい。
STEP8の判断結果が肯定的である場合(Rma2>1である場合)には、制御装置40は、燃焼運転制御部42により、STEP9において、バーナ4の燃焼制御を行う。このSTEP9の燃焼制御は、ファン回転数の補正制御とバーナ4の熱量の可変範囲の下限値の補正制御とを含む制御処理である。
このSTEP9の燃焼制御(以降、補正付き燃焼制御という)では、燃焼運転制御部42は、ファン回転数の補正用の補正係数であるファン回転補正係数Rmaと、バーナ4の熱量の可変範囲の下限値の補正用の補正係数である熱量下限値補正係数RQminとを逐次算出する。
この場合、燃焼運転制御部42は、ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminのそれぞれを、STEP7で逐次決定される閉塞度合指標値Rma2を目標値として、該閉塞度合指標値Rma2に所定の変化速度(単位時間当たりの所定の増加量又は減少量)で近づけていくように、該ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminのそれぞれを算出する。
ただし、給排気路10に作用する外風等の影響で、閉塞度合指標値Rma2がある値から増加した直後の場合のように、ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminを、閉塞度合指標値Rma2よりも小さい値から、閉塞度合指標値Rma2に向かって増加させていく状況では、燃焼運転制御部42は、熱量下限値補正係数RQminを、ファン回転補正係数Rmaよりも相対的に大きい増加速度(単位時間当たりの増加量)で、閉塞度合指標値Rma2に近づけていくように、該ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminのそれぞれを算出する。
また、閉塞度合指標値Rma2がある値から減少した直後の場合のように、ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminを、閉塞度合指標値Rma2よりも大きい値から、閉塞度合指標値Rma2に向かって減少させていく状況では、燃焼運転制御部42は、ファン回転補正係数Rmaを、熱量下限値補正係数RQminよりも相対的に大きい減少速度(単位時間当たりの減少量)で、閉塞度合指標値Rma2に近づけていくように、該ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminのそれぞれを算出する。
具体的には、燃焼運転制御部42は、熱量下限値補正係数RQminと、閉塞度合指標値Rma2との大小関係に応じて、所定の更新周期(t秒の更新周期)で、次式(2a)又は(2b)により熱量下限値補正係数RQminを算出する。
Rma2>RQminとなる状態がt秒間継続した場合
RQmin(更新後)=RQmin(更新前)+R1up ……(2a)
Rma2<RQminとなる状態がt秒間継続した場合
RQmin(更新後)=RQmin(更新前)−R1down ……(2b)
上記R1up、R1downは、熱量下限値補正係数RQminの単位時間当たりの増加量及び単位時間当たりの減少量をそれぞれ規定するパラメータとしてあらかじめ定められた正の定数値である。
なお、式(2a)の更新後の熱量下限値補正係数RQminの値が、RQmin>Rma2となった場合、あるいは、式(2b)の更新後の熱量下限値補正係数RQminの値が、RQmin<Rma2となった場合には、それぞれ、更新後の熱量下限値補正係数RQminの値は、Rma2に一致する値に設定される。
また、Rma2>RQminとなる状態、あるいは、Rma2<RQminとなる状態がt秒間継続しない場合、すなわち、t秒間の時間内に、閉塞度合指標値Rma2が、Rma2>RQminとなる状態からRma2≦RQminとなる状態に変化し、あるいは、Rma2<RQminとなる状態からRma2≧RQminとなる状態に変化した場合には、更新後の熱量下限値補正係数RQminの値は、更新前と同じ値に保持される。
また、バーナ4の燃焼運転の開始時(点火直後)における熱量下限値補正係数RQminの初期値としては、プリパージ運転後に、前記STEP4又は5で設定された閉塞度合指標値Rma2が用いられる。
また、燃焼運転制御部42は、ファン回転補正係数Rmaと、閉塞度合指標値Rma2との大小関係に応じて、所定の更新周期(t秒の更新周期)で、次式(3a)又は(3b)によりファン回転補正係数Rmaを算出する。
Rma2>Rmaとなる状態がt秒間継続した場合
Rma(更新後)=Rma(更新前)+R2up ……(3a)
Rma2<Rmaとなる状態がt秒間継続した場合
Rma(更新後)=Rma(更新前)−R2down ……(3b)
上記R2up、R2downは、ファン回転補正係数Rmaの単位時間当たりの増加量及び単位時間当たりの減少量をそれぞれ規定するパラメータとしてあらかじめ定められた正の定数値である。
なお、式(3a)の更新後のファン回転補正係数Rmaの値が、Rma>Rma2となった場合、あるいは、式(3a)の更新後のファン回転補正係数Rmaの値が、Rma<Rma2となった場合には、それぞれ、更新後のファン回転補正係数Rmaの値は、Rma2に一致する値に設定される。
また、Rma2>Rmaとなる状態、あるいは、Rma2<Rmaとなる状態がt秒間継続しない場合、すなわち、t秒間の時間内に、閉塞度合指標値Rma2が、Rma2>Rmaとなる状態からRma2≦Rmaとなる状態に変化し、あるいは、Rma2<Rmaとなる状態からRma2≧Rmaとなる状態に変化した場合には、更新後のファン回転補正係数Rmaの値は、更新前と同じ値に保持される。
また、バーナ4の燃焼運転の開始時(点火直後)におけるファン回転補正係数Rmaの初期値としては、例えば、プリパージの実行中にSTEP1で決定した閉塞度合指標値Rma2の値が用いられる。あるいは、例えば、バーナ4の前回の燃焼運転の終了直前のファン回転補正係数Rmaの値を、ファン回転補正係数Rmaの初期値として用いることも可能である。
ここで、本実施形態では、熱量下限値補正係数RQminの単位時間当たりの増加量を規定する前記式(2a)のパラメータR1upは、ファン回転補正係数Rmaの単位時間当たりの増加量を規定する前記式(3a)のパラメータR2upよりも大きい値に設定されている。すなわち、R1up>R2upである。
また、熱量下限値補正係数RQminの単位時間当たりの減少量を規定する前記式(2b)のパラメータR1downは、ファン回転補正係数Rmaの単位時間当たりの減少量を規定する前記式(3b)のパラメータR2downよりも小さい値に設定されている。すなわち、R2down>R1downである。
従って、ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminを、閉塞度合指標値Rma2に向かって増加させていく状況では、熱量下限値補正係数RQminが、ファン回転補正係数Rmaよりも相対的に大きい増加速度で、閉塞度合指標値Rma2に近づくように、該ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminのそれぞれが更新されることとなる。
また、ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminを、閉塞度合指標値Rma2に向かって減少させていく状況では、ファン回転補正係数Rmaが、熱量下限値補正係数RQminよりも相対的に大きい減少速度で、閉塞度合指標値Rma2に近づくように、該ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminのそれぞれが更新されることとなる。
そして、閉塞度合指標値Rma2が一定に維持されている状況では、ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminは、それぞれ最終的に閉塞度合指標値Rma2と同じ値に維持される。
例えば、図5を参照して、閉塞度合指標値Rma2が、破線のグラフで示す如く、時刻t1において、値Rma2_aからRma2_bに増加した場合には、ファン回転補正係数Rmaが実線のグラフで示す如く、熱量下限値補正係数RQminよりも相対的に遅い速度で、Rma2_aからRma2_bまで増加していくように、ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminのそれぞれの値が更新される。
また、閉塞度合指標値Rma2が、図5の破線のグラフで示す如く、時刻t2において、値Rma2_bからRma2_aに減少した場合には、熱量下限値補正係数RQminが実線のグラフで示す如く、ファン回転補正係数Rmaよりも相対的に遅い速度で、Rma2_bからRma2_aまで減少していくように、ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminのそれぞれの値が更新される。
なお、図5では、ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminの更新周期tを十分に短い時間として、ファン回転補正係数Rma及び熱量下限値補正係数RQminの経時変化のグラフを示している。
STEP9の補正付き燃焼制御では、燃焼運転制御部42は、さらに、上記の如く決定した熱量下限値補正係数RQminを用いて、バーナ4の熱量の可変範囲の下限値を補正する処理(該下限値を、定格の最小熱量Qmin_aから補正する処理)を実行する。そして、燃焼運転制御部42は、当該補正後の下限値と、既定の最大熱量Qmaxとの間の可変範囲内で、バーナ4の目標熱量を決定する。
この場合、燃焼運転制御部42は、バーナ4の熱量の可変範囲の下限値Qminを、例えば次式(4)により補正する。なお、以降、式(4)により算出されるバーナ4の熱量の可変範囲の補正後の下限値を熱量下限補正値Qminという。
Qmin={(Qmin_b−Qmin_a)/(Rmax−1)}×(RQmin−1)+Qmin_a ……(4)
上記Qmin_aは、バーナ4の定格の最小熱量(=熱量下限補正値Qminの下限値)、Qmin_bは熱量下限補正値Qminの上限値(あらかじめ定められた設定値)、Rmaxは、熱量下限補正値Qminが上限値Qmin_bに一致するときの閉塞度合指標値Rma2の値(あらかじめ定められた設定値)である。
なお、バーナ4の熱量の定格の可変範囲が、例えば、図4Aに示したQmin_a〜Qmaxの範囲である場合、熱量下限補正値Qminの上限値Qmin_bとしては、例えば図4A中に示す値を採用し得る。また、Rmaxの値としては、例えば「1.2」等を採用し得る。
上記の如く熱量下限補正値Qminを算出することで、熱量下限補正値Qminの値は、熱量下限値補正係数RQminの値に応じて(RQminの値の増加に伴い増加するように)、Qmin_aとQmin_bとの間で可変的に決定されることとなる(図4Aを参照)。
そして、燃焼運転制御部42は、上記の如く決定したファン回転補正係数Rmaと、熱量下限補正値Qminとを用いて、バーナ4の燃焼運転を制御する。
具体的には、燃焼運転制御部42は、バーナ4の熱量の可変範囲を熱量下限補正値Qminと最大熱量Qmaxとの間の範囲に制限した上で、前記通常燃焼制御の場合と同様に、給湯温度を目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致させるように、バーナ4の目標熱量と、前記バイパス比調整弁26の制御目標値と、水量調整弁27の制御目標値とを逐次決定する。
そして、燃焼運転制御部42は、上記の如く決定したバーナ4の目標熱量に応じてファンモータ11a及び比例弁8を制御する。具体的には、燃焼運転制御部42は、前記通常制御と同様に目標熱量に応じて決定したファン回転数の目標値(目標熱量に対して、図4Aに例示した相関関係を有するように決定したファン回転数の値)を基準の目標値とし、この基準の目標値を補正することで、ファン回転数の制御用の目標値を決定する。この場合、ファン回転数の制御用の目標値は、目標熱量に応じた基準の目標値に、前記ファン回転補正係数Rmaを乗じることで決定される。
なお、バーナ4の目標熱量の値と、ファン回転補正係数Rmaの値とから、例えば、あらかじめ作成されたマップ等を用いてファン回転数の制御用の目標値を決定することも可能である。
さらに、燃焼運転制御部42は、ファン回転数の上記基準の目標値に応じて、あるいは、ファン回転数の検出値をファン回転補正係数Rmaで除算してなる値に応じて、図4Bに例示した相関関係に基づいて比例弁電流の目標値を決定する。なお、比例弁電流の目標値を、バーナ4の目標熱量に応じて、直接的に(ファン回転数の値を用いずに)決定してもよい。
STEP9の補正付き燃焼制御では、燃焼運転制御部42は、上記の如く決定したファン回転数の制御用の目標値(補正後の目標値)に実際のファン回転数を一致もしくはほぼ一致させるように、ファンモータ11aの通電電流(ファン電流)をフィードバック制御すると共に、比例弁8に、上記の如く決定した目標値の比例弁電流を通電する。これにより、給排気路10の閉塞度合の増加に伴う、燃焼用空気の供給量の低下を防止するようにして、バーナ4に目標熱量に対応する流量の燃焼用空気と燃料ガスとが供給される。ひいては、目標熱量でのバーナ4の燃焼運転が適正に実現される。
さらに、燃焼運転制御部42は、通常燃焼制御の場合と同様に、バイパス比調整弁26及び水量調整弁27をそれぞれの制御目標値に応じて制御する。これにより、出湯路24から給湯口に供給される湯水の給湯温度が目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致するように制御される。
補足すると、バーナ4の燃焼運転中に、給排気路10に作用する突風等の影響で、一時的にSTEP8の判断結果が肯定的となった後に、閉塞度合指標値Rma2が「1」以下の値に低下して、STEP8の判断結果が否定的になる場合もある。このような場合におけるSTEP10の通常燃焼制御では、燃焼運転制御部42は、前記式(4b)により算出されるファン回転補正係数Rmaが「1.0」以下に低下するまでは、STEP9の補正付き燃焼制御と同様に、ファン回転補正係数Rmaに応じたファン回転数の補正を行う。
さらに、燃焼運転制御部42は、前記式(3b)により算出される熱量下限値補正係数RQminが「1」以下に低下するまでは、STEP9の補正付き燃焼制御と同様に、熱量下限値補正係数RQminに応じて熱量下限補正値Qminを変化させる(定格の最小熱量Qmin_aまで減少させる)処理を実行する。
制御装置40は、前記ループ処理において、STEP9又は10の制御処理に続いて、前記ファン回転補正係数Rmaの値が、ファン回転数の補正を行う許容限界の上限値としてあらかじめ定められたファン補正用上限値(例えば1.2)よりも大きくなったか否かをSTEP11で判断する。
このSTEP11の判断結果が肯定的である場合(Rma>ファン補正用上限値である場合)には、制御装置40は、前記STEP2の判断結果が肯定的である場合と同様に、前記STEP13において、閉塞報知出力を発生する。
さらに、制御装置40は、STEP14において、給湯器Aの運転を停止する。この場合、制御装置40は、前記元弁7を閉弁制御する(バーナ4への燃料供給を遮断する)ことで、バーナ4を消火し、さらに、燃焼ファン11の作動を停止させる。これにより、バーナ4の燃焼運転が強制的に停止される。
一方、STEP11の判断結果が否定的である場合には、制御装置40は、さらにSTEP12において、給湯器Aの給湯運転の停止要求が有るか否かを判断する。
ここで、前記水量センサ28により検出される水量が所定値以下に低下すると(すなわち、前記通水路22の通水量が、ゼロもしくは微小になると)、STEP12の判断結果が肯定的になる。この場合には、制御装置40は、STEP14において、給湯器Aの給湯運転を停止する。このSTEP14では、前記STEP11の判断結果が肯定的になった場合と同様に、制御装置40は、バーナ4を消火し、さらに、燃焼ファン11の作動を停止させる。
また、STEP12の判断結果が否定的である場合(給湯器Aの給湯運転の停止要求が無い場合)には、制御装置40は、STEP7からのループ処理を繰り返す。
本実施形態では、以上の如く給湯器Aの燃焼装置2の運転制御が行われる。かかる給湯器Aでは、特に、バーナ4の燃焼運転が小さい熱量で行われている場合(詳しくは、熱量下限補正値Qminの下限値Qmin_aから上限値Qmin_bの間の範囲内の熱量でバーナ4の燃焼運転を行っている場合)に、次のような効果を奏することができる。
例えば、前記STEP10の通常燃焼制御によるバーナ4の燃焼運転時(給排気路10の閉塞が無い状態でのバーナ4の燃焼運転時)に、バーナ4の目標熱量が、定格の最小熱量Qmin_a(=熱量下限補正値Qminの下限値)に制限されている状態で、給排気路10に作用する突風等の外風の影響で、給排気路10の閉塞度合が一時的に増加し、前記閉塞度合指標値Rma2が「1」から、それよりも大きい値に一時的に増加した場合を想定する。
この場合、熱量下限値補正係数RQminによる熱量下限補正値Qminの補正(増加方向への補正)が行われることで、熱量下限補正値Qminが、図6Aに示す如く、増加直前の閉塞度合指標値Rma2に対応する熱量下限補正値Qmin1(ここでは、Qmin1=Qmin_a)から、増加後の閉塞度合指標値Rma2に対応する熱量下限補正値Qmin2(詳しくは、熱量下限値補正係数RQminが、増加後の閉塞度合指標値Rma2に達したときの熱量下限補正値Qmin2)まで増加する。これに伴い、バーナ4の目標熱量が、Qmin1(=Qmin_a)からQmin2まで増加する。
また、ファン回転数の目標値は、バーナ4の目標熱量の増加に伴うファン回転数の基準の目標値の増加と、ファン回転補正係数Rmaによる基準の目標値の補正(増加方向への補正)とによって、図6Aに示す如く、N1からN2まで増加する。N1は、閉塞度合指標値Rma2の増加直前の状態でのバーナ4の目標熱量(=Qmin1=Qmin_a)に対応して決定された目標値(前記図4AでQmin_aに対応するファン回転数の値)、N2は、バーナ4の目標熱量がQmin2まで増加したときのファン回転数の基準の目標値(図6Aに示す実線のラインL1上のファン回転数の値)を、増加後の閉塞度合指標値Rma2(>1)により補正してなる値である。
なお、図6Aの実線のラインL1は、給排気路10の閉塞が無い場合(Rma2=1である場合)のバーナ4の目標熱量とファン回転数の目標値(前記基準の目標値)との関係を示すライン(前記図4に示したものと同じ特性のライン)、破線のラインL2は、増加後の閉塞度合指標値Rma2に対応する給排気路10の閉塞度合におけるバーナ4の目標熱量とファン回転数の目標値との関係を示すライン(詳しくは、目標熱量の各値におけるファン回転数の目標値が、ラインL1上の基準の目標値に、増加後の閉塞度合指標値Rma2(>1)を乗じてなる値となるライン)である。
ここで、熱量下限値補正係数RQmin及びファン回転補正係数Rmaは、前記した如く互いに異なる変化速度で逐次更新されるので、ファン回転数の目標値が、増加後の閉塞度合指標値Rma2に対応する目標値N2に達する前に、熱量下限補正値Qmin(ひいては、バーナ4の目標熱量)が、増加後の閉塞度合指標値Rma2に対応する値Qmin2に到達する。
このため、バーナ4の目標熱量と、ファン回転数の目標値との組は、図6Aの矢印付きのラインAL1で示す如く、閉塞度合指標値Rma2の増加直前の点P1から、目標熱量がQmin2となる点P2に達した後、ファン回転数の目標値がN2となる点P3に達するように変化する。
このようにバーナ4の目標熱量と、ファン回転数の目標値との組を変化させた場合、バーナ4がその燃焼運転により発生する実際の熱量と、燃焼ファン11の実際の風量との組は、例えば、図6Bに矢印付きのラインAL2で例示する如き態様で、点P4から点P5まで変化する。
点P4(ラインAL2の始点)は、詳しくは、閉塞度合指標値Rma2の増加直前において、給排気路10への外風(給排気路10の閉塞度合を一時的に高める外風)の作用が開始した時点でのバーナ4の実際の熱量と、燃焼ファン11の実際の風量との組を示す点であり、P5(ラインAL2の終点)は、バーナ4の目標熱量と、ファン回転数の目標値とが、それぞれ前記Qmin2、N2に到達した時点でのバーナ4の実際の熱量と、燃焼ファン11の実際の風量との組を示す点である。
ここで、給排気路10に、その閉塞度合を高める突風等の外風が作用した場合、燃焼ファン11の風量が低下することに加えて、燃焼室3aの内圧が高くなる傾向がある。ひいては、特に、熱量が小さい状態でのバーナ4から噴出される燃料ガスの流量が減少する傾向がある。
このため、点P4におけるバーナ4の実際の熱量Q4は、閉塞度合指標値Rma2の増加直前におけるバーナ4の目標熱量である前記熱量下限補正値Qmin1(=Qmin_a)よりもさらに小さい熱量になりやすい。このため、図6Bでは、点P4におけるバーナ4の実際の熱量Q4をQmin_aよりも小さい熱量としている。
また、点P4におけるバーナ4の実際の風量(ファン回転数の目標値が前記N1である場合の風量)は、給排気路10に作用した外風に起因する該給排気路10の閉塞度合の増加によって、外風の作用の開始前の風量よりも低下する。
一方、バーナ4の失火もしくは燃焼不良を生じることなく、適切な空燃比でバーナ4の燃焼運転を行い得る、バーナ4の熱量と燃焼ファン11の風量との組合わせの領域(Qmin_aよりも小さい熱量域を含む)は、図6Bに示すラインL4とL5との間の領域となる。なお、実線のラインL3は、バーナ4の燃焼運転を最適もしくはほぼ最適な空燃比で行い得るバーナ4の熱量と燃焼ファン11の風量との関係を示すラインである。
ラインL4,L5の間の領域(以降、適正燃焼可能領域という)では、図示の如く、バーナ4の実際の熱量が小さいほど、適正な風量の範囲が狭くなる。このため、閉塞度合指標値Rma2の増加直前の時点(点P4でのバーナ4の燃焼運転時)で、仮に、バーナ4の実際の熱量をさほど増加させることなく、風量を増加させるようにファン回転数を増加させると、バーナ4の実際の熱量と燃焼ファン11の実際の風量との組が、例えば図6Bに二点鎖線のラインAL3で例示する如く、適正燃焼可能領域から、上限側のラインL5の上側の領域に逸脱しやすくなる。
しかるに、本実施形態では、バーナ4の目標熱量とファン回転数の目標値との組を、図6AのラインAL1で示す如き態様で変化させるため、バーナ4の実際の熱量と燃焼ファン11の実際の風量との組は、図6BのラインAL2で示す如く、その変化の初期において、バーナ4の実際の熱量が、点P5での熱量に向かって速やかに増加する一方、当該初期における実際の風量の変化量(増加量)は、点P4からP5までの全体の風量変化量のうちの一部の変化量に留まる。
このため、実際の熱量と風量との組の変化の初期における風量変化量を、小さめの変化量に抑制することができると共に、実際の熱量がある程度、増加した状態(ひいては、適正燃焼可能領域内に属する風量の範囲が、点P4での熱量に対応する範囲よりも、比較的広い範囲に拡大した状態)での風量変化量を、大きめの変化量にすることができる。
この結果、バーナ4の実際の熱量と燃焼ファン11の実際の風量との組を、適正燃焼可能領域内に維持したまま(バーナ4の燃焼状態を良好な状態に保ったまま)、該熱量及び風量の組を変化させることができる。
次に、例えば、上記のように(図6Aに示した如く)、熱量下限補正値Qminを前記Qmin1(=Qmin_a)からQmin2まで増加させる(ひいては、バーナ4の目標熱量をQmin1(=Qmin_a)からQmin2まで増加させる)と共に、ファン回転数の目標値を前記N1からN2に増加させた後に、給排気路10に突風等の外風が作用することが止まって、給排気路10の閉塞が解消した場合を想定する。
この場合、閉塞度合指標値Rma2が減少するため、熱量下限値補正係数RQminによる熱量下限補正値Qminの補正(減少方向への補正)が行われる。このため、熱量下限補正値Qminが、図7Aに示す如く、減少直前の閉塞度合指標値Rma2(給排気路10に外風が作用した状態での閉塞度合指標値Rma2)に対応する熱量下限補正値Qmin2から、減少後の閉塞度合指標値Rma2(ここでは、「1」)に対応する熱量下限補正値Qmin1(=Qmin_a)まで減少する。これに伴い、バーナ4の目標熱量が、Qmin2からQmin1(=Qmin_a)まで減少する。
また、ファン回転数の目標値は、ファン回転補正係数Rmaによる基準の目標値の補正(減少方向への補正)と、バーナ4の目標熱量の減少に伴うファン回転数の基準の目標値の減少とによって、図7Aに示す如く、N2からN1まで減少する。なお、図7A中のラインL1,L2は図6Aに示したものと同じラインである。
ここで、熱量下限値補正係数RQmin及びファン回転補正係数Rmaは、前記した如く互いに異なる変化速度で逐次更新されるので、熱量下限補正値Qmin(ひいては、バーナ4の目標熱量)が、減少後の閉塞度合指標値Rma2に対応する熱量下限補正値Qmin1(=Qmin_a)に達する前に、ファン回転数の目標値が、減少後の閉塞度合指標値Rma2(=1)に対応するラインL1上の目標値(図7Aでは、点P12でのファン回転数の目標値(>N1))に到達する。
このため、バーナ4の目標熱量と、ファン回転数の目標値との組は、図7Aの矢印付きのラインAL4で示す如く、閉塞度合指標値Rma2の減少直前の点P11から、ファン回転数の目標値がラインL1上の値(>N1)となる点P12に達した後、バーナ4の目標熱量及びファン回転数の目標値がそれぞれQmin1(=Qmin_a)、N1となる点P13まで、ラインL1に沿って変化する。
このようにバーナ4の目標熱量と、ファン回転数の目標値との組を変化させた場合、バーナ4がその燃焼運転により発生する実際の熱量と、燃焼ファン11の実際の風量との組は、例えば、図7Bに矢印付きのラインAL5で例示する如き態様で、点P14から点P15まで変化する。
点P14(ラインAL5の始点)は、詳しくは、給排気路10への外風(給排気路10の閉塞度合を一時的に高める外風)の作用が停止した時点でのバーナ4の実際の熱量と、燃焼ファン11の実際の風量との組を示す点であり、P15(ラインAL5の終点)は、バーナ4の目標熱量と、ファン回転数の目標値とが、それぞれ前記Qmin1、N1に到達した時点でのバーナ4の実際の熱量と、燃焼ファン11の実際の風量との組を示す点である。
ここで、給排気路10への外風の作用が停止した場合、その停止時点において、給排気路10の閉塞が解消するため、燃焼ファン11の風量が増加する。このため、点P14における燃焼ファン11の実際の風量が、適正燃焼可能領域の上限側のラインL5に近い風量になる。
このような状態で、仮に、燃焼ファン11の実際の風量をさほど減少させることなく、バーナ4の実際の熱量を減少させると、バーナ4の実際の熱量と燃焼ファン11の実際の風量との組が、例えば図7Bに二点鎖線のラインAL6で例示する如く、適正燃焼可能領域から、上限側のラインL5の上側の領域に逸脱しやすくなる。
しかるに、本実施形態では、バーナ4の目標熱量とファン回転数の目標値との組を、図7AのラインAL4で示す如き態様で変化させるため、バーナ4の実際の熱量と燃焼ファン11の実際の風量との組は、図7BのラインAL5で示す如く、その変化の初期において、燃焼ファン11の実際の風量が、ラインL3上の風量(もしくは、それに近い風量)に向かって速やかに減少する一方、当該初期におけるバーナ4の実際の熱量の変化量(減少量)は、点P14からP15までの全体の熱量変化量のうちの一部の変化量に留まる。
このため、実際の熱量と風量との組の変化の初期における熱量変化量(減少量)を、小さめの変化量に抑制することができると共に、実際の風量がある程度、減少した段階(ひいては、実際の風量が、適正燃焼可能領域の上限側のラインL5と下限側のラインL4との間の中央付近の風量になった段階)での熱量変化量を、大きめの変化量にすることができる。
この結果、バーナ4の実際の熱量と燃焼ファン11の実際の風量との組を、適正燃焼可能領域内に維持したまま(バーナ4の燃焼状態を良好な状態に保ったまま)、該熱量及び風量の組を変化させることができる。
なお、上記の説明では、給排気路10の閉塞が無い状態(Rma2=1になっている状態)で、給排気路10に一時的に突風等の外風が作用することに起因して、給排気路10の閉塞度合が一時的に高まった場合を例として、図6A〜図7Bを参照して説明した。ただし、例えば、ゴミ等の異物によって給排気路10の詰まりがある程度進行した状態で、給排気路10に外風が作用することに起因して、給排気路10の閉塞度合が一時的に高まった場合についても上記と同様の効果を奏することができる。
補足すると、本実施形態では、バーナ4の熱量が比較的大きい状態(例えば、目標熱量が熱量下限補正値Qminの上限値Qmin_b以上に設定されている状態)でも、突風等の外風の影響で、給排気路10の閉塞度合が増減した場合(閉塞度合指標値Rma2が増減した場合)には、上記と同様に、熱量下限補正値Qminが熱量下限値補正係数RQminに応じて補正されると共に、ファン回転数の目標値が、ファン回転補正係数Rmaに応じて補正される。
ただし、バーナ4の熱量が熱量下限補正値Qminの上限値Qmin_b以上に維持される状況では、熱量下限補正値Qminの補正はバーナ4の目標熱量に影響を及ぼさない。従って、このような状況では、熱量下限補正値Qminの補正処理(更新処理)を省略してもよい。
以上説明した本実施形態によれば、バーナ4の燃焼運転が比較的大きい熱量で行われている状況はもちろん、バーナ4の燃焼運転が小さな熱量で行われている状況(バーナ4の目標熱量が、熱量下限補正値Qminに制限し、もしくは、該熱量下限補正値Qminに近い熱量に設定される状況)であっても、突風等の外風の影響で、給排気路10の閉塞度合が一時的に増減した場合に、バーナ4の失火等を生じることなく、バーナ4の良好な燃焼運転を継続させることができる。
また、本実施形態では、バーナ4の点火前のプリパージ運転時にSTEP1で求めた閉塞度合指標値Rma2が所定値以上である場合(STEP3の判断結果が否定的である場合)には、バーナ4の点火後の燃焼運転における熱量下限値補正係数RQminの初期値(バーナ4の燃焼運転の開始時の値)として、STEP1で求めた閉塞度合指標値Rma2(>1)が用いられる。
このため、給排気路10の閉塞度合が比較的高い状態(STEP3の判断結果が否定的である状態)となるような外風が継続的に吹いている状況で、バーナ4を点火した場合、熱量下限補正値Qminが、定格の最小熱量Qmin_aよりも大きい値に設定された状態で、バーナ4の燃焼運転が開始される。このため、バーナ4の燃焼運転の開始時近辺で、上記の如き外風が給排気路10に作用していても、バーナ4の燃焼運転の開始直後におけるバーナ4の失火もしくは燃焼不良の発生を効果的に防止することができる。
なお、本発明は、前記実施形態の態様に限られるものではない。例えば、給排気路10の閉塞度合の増加(閉塞度合指標値Rma2の増加)に応じて熱量下限補正値Qmin及びファン回転数の目標値のそれぞれを増加させる形態、あるいは、給排気路10の閉塞度合の減少(閉塞度合指標値Rma2の減少)に応じて熱量下限補正値Qmin及びファン回転数の目標値のそれぞれを減少させる形態は、前記実施形態で説明した形態と異なっていてもよい。
具体的には、閉塞度合の増加時において、例えば図8Aに矢印付きのラインAL7で例示する如きパターンで、熱量下限補正値Qmin及びファン回転数の目標値を増加させるようにしてもよい。この例では、熱量下限補正値Qmin及びファン回転数の目標値を増加させる初期の期間では、熱量下限補正値Qminを、増加後の閉塞度合に対応する値Qmin2に向かって比較的素早く近づけるように増加させる一方、ファン回転数の目標値を、増加後の閉塞度合に対応する値N2に向かって比較的緩やかに近づけるように増加させるようにしている。そして、熱量下限補正値Qminが、増加後の閉塞度合に対応する値Qmin2にある程度近づいた後には、熱量下限補正値Qminを、増加後の閉塞度合に対応する値Qmin2に向かって近づける速度を減少させると共に、ファン回転数の目標値を、増加後の閉塞度合に対応する値N2に向かって近づける速度を増加させるようにしている。
また、熱量下限補正値Qminを増加させる初期の期間で、ファン回転補正係数Rmaを、増加させずに、閉塞度合の増加の直前の値に維持し、熱量下限補正値Qminがある程度、Qmin2に近づいた後に、ファン回転補正係数Rmaを増加させることで、図8Aに矢印付きのラインAL8で例示する如きパターンで、熱量下限補正値Qmin及びファン回転数の目標値を増加させていくことも可能である。
また、閉塞度合の減少時においては、例えば図8Bに矢印付きのラインAL9で例示する如きパターンで、熱量下限補正値Qmin及びファン回転数の目標値を減少させるようにしてもよい。この例では、熱量下限補正値Qmin及びファン回転数の目標値を減少させる初期の期間では、ファン回転数の目標値を、減少の閉塞度合に対応する値N1に向かって比較的素早く近づけるように減少させる一方、熱量下限補正値Qminを、減少後の閉塞度合に対応する値Qmin1に向かって比較的緩やかに近づけるように減少させるようにしている。そして、ファン回転数の目標値が、減少後の閉塞度合に対応する値N1にある程度近づいた後には、ファン回転数の目標値を、減少後の閉塞度合に対応する値N1に向かって近づける速度を減少させると共に、熱量下限補正値Qminを、増加後の閉塞度合に対応する値Qmin1に向かって近づける速度を増加させるようにしている。
また、ファン回転数の目標値を減少させる初期の期間で、熱量下限値補正係数RQminを、減少させずに、閉塞度合の増加の直前の値に維持し、ファン回転数の目標値がある程度、N1に近づいた後に、熱量下限値補正係数RQminを減少させることで、図8Bに矢印付きのラインAL10で例示する如きパターンで、熱量下限補正値Qmin及びファン回転数の目標値を減少させていくことも可能である。
また、前記実施形態では、給湯器Aに備えた燃焼装置2について説明した。ただし、本発明の燃焼装置は、給湯器Aに備えた燃焼装置2に限らず、例えば、FF式の温風暖房機に備えた燃焼装置であってもよい。また、本発明の燃焼装置は、燃料ガスを燃焼させる燃焼装置に限らず、灯油等の液体燃料を気化して燃焼させる燃焼装置であってもよい。