JP2018137875A - 列車制御装置、制御方法及びプログラム - Google Patents

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陽平 服部
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康行 宮島
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Abstract

【課題】適切なタイミングでノッチ指令変更を行いながら、ノッチ変更時の乗り心地を向上させる。
【解決手段】実施形態の列車制御装置の列車位置検出部は、列車の走行位置を検出し、記憶部は、列車に対応する路線情報、車両情報を記憶する。制御指令算出部は、走行位置、路線情報及び車両情報に基づいて、駆動/制動制御装置を制御するための制御指令を算出するに際し、列車の駆動時あるいは制動時における列車の躍度が所定のしきい値以下となるように、駆動/制動制御装置に対し、駆動制御あるいは制動制御に対応する応答遅れパラメータの値を調整し、制御指令に含める。これにより、駆動/制動制御装置は、制御指令算出部が算出した制御指令に基づいて、列車の駆動制御及び制動制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、列車制御装置、制御方法及びプログラムに関する。
近年、自動列車運転(ATO:Automatic Train Operation)装置の導入が進んでいる。運転士の負担軽減、ワンマン運転化による人件費削減及び運転士の技量によらず安定してホームドア位置に合わせて列車を停止させることにより停止位置修正による遅延発生を防止するなど列車運行を安定化することが目的である。
自動列車運転時は、運転士よりもきめ細かく制御指令(ノッチ)を変更することが可能なので、その効果が十分得られるよう、車種によっては、主回路装置のトルク制御の応答遅れを、自動運転時には手動運転時よりも小さく設定し、ノッチ操作に対して迅速なトルク応答が得られるようにしているものがある。
しかし、トルクの応答遅れを小さくし過ぎると、ノッチ変更時の躍度(加加速度:ジャーク)が大きくなり、乗り心地悪化の要因となる。特に、出発直後や停止間際の低速域では、躍度が乗り心地に大きく影響する。
躍度の急激な変動を抑制するため、例えば、惰行からフルノッチまで一度に力行ノッチを上げる代わりに、躍度緩和制御として、躍度がしきい値を超えないようノッチを1段ないしは数段ずつ段階的に変更するようにすることが考えられる。これは、減速する場合も同様である(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−172475号公報
しかしながら、ノッチの変更を抑制するようにして躍度制御を行なう場合、例えば、31段ノッチの車両で、1制御周期にノッチを4段までしか動かせないようにノッチの変更を抑制した場合、惰行とフル力行あるいはフル制動との間でノッチを変更するには8制御周期も掛かるため、フル力行からノッチオフし切るまでの間にも加速し続けて制限速度を超過する可能性があった。
また、ノッチの変化を抑制するようにして躍度制御を行なう場合、列車の挙動予測に基づいてノッチ指令を算出するATOでは、変更前後のノッチ指令と列車の加速度の応答特性(ノッチの変更に対する加速度変化の応答遅れ)だけでなく、躍度緩和制御による段階的なノッチ変更のロジックも考慮して列車挙動予測を行う必要があり、予測計算が複雑になってしまうという虞があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、適切なタイミングでノッチ指令変更を行いながら、ノッチ変更時の乗り心地を向上させることが可能な列車制御装置、制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
実施形態の列車制御装置の列車位置検出部は、列車の走行位置を検出する。
記憶部は、列車に対応する路線情報、車両情報を記憶する。
制御指令算出部は、走行位置、路線情報及び車両情報に基づいて、駆動/制動制御装置を制御するための制御指令を算出するに際し、列車の駆動時あるいは制動時における列車の躍度が所定のしきい値以下となるように、駆動/制動制御装置に対し、駆動制御あるいは制動制御に対応する応答遅れパラメータの値を調整し、制御指令に含める。
これにより、駆動/制動制御装置は、制御指令算出部が算出した制御指令に基づいて、列車の駆動制御及び制動制御を行う。
図1は、実施形態の列車制御システムの概要構成ブロック図である。 図2は、実施形態のATO装置の概要構成ブロック図である。 図3は、応答遅れの説明図である。 図4は、応答遅れの情報の記憶状態の説明図である。 図5は、実施形態の列車制御システムの動作処理フローチャートである。 図6は、時定数の更新処理のフローチャートである。 図7は、実施形態の変形例の列車制御システムの概要構成ブロック図である。 図8は、実施形態の変形例のATO装置の概要構成ブロック図である。
次に図面を参照して実施形態の列車制御装置を備えた列車制御システムについて説明する。
図1は、実施形態の列車制御システムの概要構成ブロック図である。
列車制御システム10を構成する列車11には、列車11の制御を行う列車制御装置12と、列車制御装置12からの力行指令、制動(ブレーキ)指令等の制御指令を伝送する制御伝送装置13と、制御伝送装置13を介して伝送された制御指令に基づいてモータ14、ブレーキ装置15等を制御する駆動/制動制御装置16と、速度発電機(TG)17と、地上子検知情報を出力する車上子18と、軌道回路を構成しているレールRLを介してATC信号を受電する受電器19と、架線LNとの間で電力の授受を行うための集電器(パンタグラフ)20と、を備えている。
列車11は、駆動/制動制御装置16に制御されたモータ14とブレーキ装置15により車輪Wが駆動/制動されてレールRL上を走行する。
上記構成において、列車制御装置12は、列車11の速度及び走行位置を検出する速度位置検出部21と、列車11の自動速度制御を行うATC車上装置22と、列車11の自動運転を行うATO(Automatic Train Operation)装置23と、路線情報、運行情報、車両性能等の車両情報等の各種情報を記憶した記憶部24と、を備えている。
より詳細には、速度位置検出部21は、速度発電機(TG)17の出力したTGパルスや、地上子25から車上子18を介して受信する地上子検知情報に基づいて、列車の速度と位置を検出し、速度位置情報としてATC車上装置22及びATO装置23に出力する。
また、ATC車上装置22は、速度位置検出部21からの速度位置情報と、レールRL及び受電器19を介して入力されたATC地上装置26の送信したATC信号とに基づいて列車11を先行列車11Aとの間の距離を確保して走行速度を制限するために、ATC信号に基づく制限速度と、速度位置検出部21の出力した速度位置情報に対応する列車11の速度と、を比較する。そしてATC車上装置22は、列車11の速度が制限速度を超過している場合に、駆動/制動制御装置16にブレーキ指令を出力する。ここで、ATC地上装置26は、軌道回路を構成しているレールRLを介して各閉塞区間の列車在線有無を検知し、在線状況に応じて各閉塞区間のATC信号(信号現示)を決定し、レールRLを介してATC信号をATC車上装置22に送信している。
ATO装置23は、列車11を次駅まで走行させるための力行指令、ブレーキ指令及び時定数指令を駆動/制動制御装置16に出力する。
この場合において、時定数指令は、力行指令及びブレーキ指令を実行する場合の目標速度に至るまでの時定数を制御するための指令であり、予め列車11の走行速度及び路線情報に対応する走行位置に基づいて設定されている。そして時定数指令は、実効的には躍度(加加速度、ジャーク[jerk])を制御することとなる。
そして、ATO装置23は、速度位置検出部21が出力した速度位置情報と、記憶部24から読み出した路線情報、運行情報及び車両情報と、ATC車上装置22の受信したATC信号(信号現示)とに基づいて、列車11が所定の時刻に次駅の所定の位置に到着するように走行計画を算出し、これに基づいて力行指令、ブレーキ指令及び時定数指令を出力する。
記憶部24は、路線情報として、各駅の停止目標位置、路線の勾配と曲線(曲率半径)、各閉塞区間の制限速度情報と閉塞長(閉塞区間の距離)を記憶している。また記憶部24は、運行情報として、運転種別ごとの停車駅と、各駅の発着予定時刻と到着予定番線を記憶している。さらに記憶部24は、車両情報として、自列車の列車長と、力行指令及びブレーキ指令に対応した加速度の特性並びに力行指令、ブレーキ指令及び列車11の運転曲線毎に対応した基準となる時定数データである基準時定数データを更新可能に記憶している。
次に駆動/制動制御装置16の概要構成について説明する。
駆動/制動制御装置16は、ATC車上装置22からのブレーキ指令と、ATO装置23からの力行指令・ブレーキ指令と、図示しない運転士の操作する図示しない主幹制御器(マスコン)からの力行指令・ブレーキ指令のうち、ブレーキ側に最も高位の指令に基づいて、モータ14を制御し、ブレーキ時は、モータ14での回生トルク発生量に関する情報をブレーキ制御装置に通知する。モータ14の制御の際は、力行トルクないし回生トルクの過渡応答がATO装置23から指定された時定数指令(時定数データ)に従うように制御を行う主回路装置31を備えている。
また、駆動/制動制御装置16は、ATC車上装置22からのブレーキ指令、ATO装置23からのブレーキ指令、あるいは、図示しない運転士の操作する図示しない主幹制御器(マスコン)からのブレーキ指令のうち、ブレーキ側に最も高位のブレーキ指令(制動力が最も大きくなるブレーキ指令)と、主回路装置31からの回生トルク発生量情報とに基づいて、モータ14の回生ブレーキだけで賄いきれない制動力を補足(補助)するよう、ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置32を備えている。
列車11は、駆動/制動制御装置16の制御下で、モータ14及びブレーキ装置15により車輪Wが駆動あるいは制動されてレールRL上を走行する。
ここで、ATO装置23についてより詳細に説明する。
図2は、実施形態のATO装置の概要構成ブロック図である。
ATO装置23は、速度位置検出部21から入力された列車11の速度の推移から列車の加速度、ひいては躍度を検出する加速度検出部41と、加速度検出部41が検出した躍度(加加速度:ジャーク)が所定のしきい値を超えたときに、後述する車両特性保持部43に保持されている時定数データの値を所定値(例えば、0.1秒)だけ大きくする応答遅れ調整部42と、車両特性として力行ノッチ・ブレーキノッチごとの設定加速度、ノッチ変更に対する加速度の応答遅れの情報、空気抵抗・勾配抵抗・曲線抵抗の特性、電空切換開始速度・終了速度を記憶している車両特性保持部43と、駅間の走行計画を更新可能に算出する走行計画算出部44と、を備えている。
また、ATO装置23は、速度位置検出部21からの列車速度位置情報、記憶装置から読みだした路線情報・運行情報・車両情報、車両特性保持部43から読みだした車両特性に基づいて、加速度の過渡応答後の列車の速度と位置を予測する列車挙動予測部45と、速度位置検出部21からの列車速度位置情報、ATC車上装置22からの信号現示情報、記憶部24から読みだした路線情報、運行情報、車両情報、ATO装置23の車両特性保持部43から読みだした車両特性、ATO装置23の走行計画算出部44が算出した走行計画、ATO装置23の列車挙動予測部45が予測した加速度の過渡応答後の列車速度と位置に基づいて、列車11を走行計画に追従して走行させたり、駅の所定位置に停止させたりするための力行指令・ブレーキ指令を算出する力行/ブレーキ指令算出部46と、を備えている。
列車11は、モータ14とブレーキ装置により車輪が駆動/制動されてレールRL上を走行する。
ここで、ノッチ変更に対する加速度の応答遅れについて説明する。
図3は、応答遅れの説明図である。
図3においては、制御指令が時刻tにおいて変更された場合、加速度a(t)が正の値を有し、列車11の速度が高くなる場合のものである。
上記構成において、ノッチ変更に対する加速度の応答遅れの情報は、加速度の応答を一次遅れ系に近似したときの無駄時間TNと時定数TCであり、制御伝送装置13の伝送遅れや主回路系の制御パラメータに依存して決まるものである。
具体的には、制御指令によりノッチが時刻tにおいて、初期状態n(段)から状態n(段)に変更された場合に、伝送系の伝送遅れ等に基づいて発生する無駄時間TNは次式により表される。
TN=t−t
また無駄時間経過後の時定数TCは、次式により表される。
TC=t−t このとき、ノッチの状態が状態n(段)における目標加速度をaとした場合、次式が成り立つ。
a(t)=an0+0.632・(a−an0
無駄時間経過後(時刻t≧t1)の加速度の応答は次式で表される。
a(t)=an0+(a−an0)・(1−e−(t−t1)/TC
図4は、応答遅れの情報の記憶状態の説明図である。
車両特性保持部43は、応答遅れ情報Idとして、無駄時間に対応する無駄時間データ並びにノッチの変更量及び列車11の走行位置及び走行速度帯に対応づけられて加速度の応答遅れを表す時定数に対応する時定数データを更新可能に記憶している。
具体的には、車両特性保持部43は、応答遅れ情報Idとして、無駄時間が記憶された無駄時間データDTNと、走行位置データD及び走行速度帯データDSBをインデックスとして時定数の値に相当する時定数値データDTCVが格納された時定数データDTCと、を備えている。
次に実施形態の列車制御システム10の動作について説明する。
図5は、実施形態の列車制御システムの動作処理フローチャートである。
まず、駅出発時に、走行計画算出部44は、駅間の走行計画(どこでどのくらい力行・定速走行・惰行・ブレーキを行うか)を算出する(ステップS11)。
次に図示しない運転台の出発ボタンが押されたか否かを判別する(ステップS12)。
ステップS12の判別において、未だ出発ボタンが押されていない場合には(ステップS12;No)、待機状態となる。
ステップS12の判別において、図示しない運転士が図示しない運転台の出発ボタンを押すと(ステップS12:Yes)、力行/ブレーキ指令算出部46は、列車11が次駅に対して当該次駅に対応する所定距離以内に接近したか否かを判別する(ステップS13)。
ステップS13の判別において、列車が次駅に対して当該次駅に対応する所定距離以内に接近していない場合には(ステップS13;No)、すなわち、列車が次駅に対して当該次駅に対応する所定距離以上の距離が離れた位置を走行している間には、力行/ブレーキ指令算出部46は、列車11が制限速度を守りながら走行計画で設定された速度の近傍の速度を維持するように力行指令・ブレーキ指令を算出し、上述した処理に基づいて必要に応じて時定数データDTCの値を調整し、更新する(ステップS20)。
ここで、時定数の更新処理について説明する。
図6は、時定数の更新処理のフローチャートである。
また、走行中、加速度検出部41は、列車速度の推移に基づいて列車の加速度を検出し(ステップS21)、応答遅れ調整部42は、検出された加速度に対応する躍度(単位:km/h/s)を算出する(ステップS22)。
そして、算出した躍度が所定のしきい値を超えたか否かを判別する(ステップS23)。
この場合において、所定のしきい値としては、乗客が乗り心地が悪いと感じ始める躍度に設定される。
ステップS23の判別において、算出した躍度が所定のしきい値を超えた場合には(ステップS23;Yes)、走行位置データD及び走行速度帯データDSBを参照して列車の現在走行位置に対応する加速度の応答遅れ情報Idのうち、時定数データDTCの時定数値データDTCVの値を、所定値だけ(例えば、1回の判別に付き0.1秒)大きくして(ステップS24)、より乗客が乗り心地が悪いと感じない方向に時定数値データDTCVの値を設定して時定数の更新処理を終了する。
ステップS23の判別において、算出した躍度が所定のしきい値以下である場合には(ステップS23;No)、時定数の更新処理を終了する。
そしてATO装置23は、算出した力行指令・ブレーキ指令、無駄時間データDTN及び値を調整した時定数データDTCを、制御伝送装置13経由で駆動/制動制御装置16に出力する(ステップS16)。
駆動/制動制御装置16の主回路装置31は、受信した力行指令・ブレーキ指令に対応する加速度を実現するだけのトルクを出力するよう、図示しない応荷重装置からの乗車率信号を参照しながら、モータ14を制御する(ステップS17)。この際、受信した時定数データDTCの時定数値データDTCVの値を、モータ14の制御時の時定数として用いる。
これにより、算出した躍度が所定のしきい値を超えるときは、ATO装置23の応答遅れ調整部42が大きくした時定数データDTCの時定数値データDTCVの値に従って主回路装置31がモータ14を制御することにより、時定数値データDTCVの値を大きくする前の制御と比較して、躍度が小さくなるので、力行指令・ブレーキ指令の変更時に乗客の受ける衝撃を小さくすることができ、乗り心地を改善できる。
ATO装置23は、主回路装置31によるトルク制御における時定数(及びさらには無駄時間)を把握しているので、列車の挙動を正確に予測することができ、適切なタイミングでノッチ変更を行いながら、躍度の変動を抑制して乗り心地の悪化を低減することができる。
また、ATO装置23側で躍度緩和制御として力行指令・ブレーキ指令を段階的に変化させる必要がないので、ATO装置23の列車挙動予測部45では、ノッチ変化を抑制するロジックを考慮する必要がなく、車両特性の応答遅れ(無駄時間及び時定数)のみ考慮して加速度の過渡応答を計算すればよいので、ソフトウェア構成の単純化に効果が期待できる。
そして、走行計画算出部44は、走行中、走行計画からのずれが大きくなったり、あるいは、ATC車上装置22からの信号現示情報が変更されたりしたか否かを判別する(ステップS18)。
ステップS18の判別において、走行中、走行計画からのずれが大きくなったり、あるいは、ATC車上装置22からの信号現示情報が変更されたりした場合には(ステップS18;Yes)、走行計画算出部44は、走行計画を算出し直し(ステップS19)、処理を再びステップS13に移行することとなる。
一方、ステップS13の判別において、列車11が次駅に対して当該次駅に対応する所定距離以内に接近した場合、すなわち、列車が次駅に対して当該次駅に対応する所定距離未満の位置を次駅に向かって走行している場合には(ステップS13;Yes)、次駅に到着したか否かを判別する(ステップS14)。
ステップS14の判別において、次駅に到着した場合には(ステップS14;Yes)、処理を終了する。
一方、ステップS14の判別において、未だ次駅に到着していない場合には(ステップS14;No)、力行/ブレーキ指令算出部46は、列車11が所定の停止位置近傍に停止するように、力行指令・ブレーキ指令を算出し、必要に応じて時定数データDTCの値を調整し、更新する(ステップS15)。
そしてATO装置23は、算出した力行指令・ブレーキ指令、無駄時間データDTN及び値を調整した時定数データDTCを、制御伝送装置13経由で駆動/制動制御装置16に出力する(ステップS16)。
駆動/制動制御装置16の主回路装置31は、受信した力行指令・ブレーキ指令に対応する加速度を実現するだけのトルクを出力するよう、図示しない応荷重装置からの乗車率信号を参照しながら、モータ14を制御する(ステップS17)。この際、受信した時定数データDTCの時定数値データDTCVの値を、モータ14の制御時の時定数として用いる。
これにより、算出した躍度が所定のしきい値を超えるときは、ATO装置23の応答遅れ調整部42が大きくした時定数データDTCの時定数値データDTCVの値に従って主回路装置31がモータ14を制御することにより、時定数値データDTCVの値を大きくする前の制御と比較して、躍度が小さくなるので、力行指令・ブレーキ指令の変更時に乗客の受ける衝撃を小さくすることができ、乗り心地を改善できる。
ATO装置23は、主回路装置31によるトルク制御における時定数(及びさらには無駄時間)を把握しているので、列車の挙動を正確に予測することができ、適切なタイミングでノッチ変更を行いながら、躍度の変動を抑制して乗り心地の悪化を低減することができる。
また、ATO装置23側で躍度緩和制御として力行指令・ブレーキ指令を段階的に変化させる必要がないので、ATO装置23の列車挙動予測部45では、ノッチ変化を抑制するロジックを考慮する必要がなく、車両特性の応答遅れのみ考慮して加速度の過渡応答を計算すればよいので、ソフトウェア構成の単純化に効果が期待できる。
以上の説明では、時定数の調整、更新については、概要について説明したので、以下では、具体的な時定数の調整、更新について説明する。
列車11が駅を出発する際、力行ノッチ(31段)をフルノッチまで上げたときの躍度が、起動時に対応するしきい値(起動時しきい値:例えば、4.0km/h/s)を超えた場合、応答遅れ調整部42は「時速5km/h以下[起動時相当]・力行時・ノッチ変更量31段」のときの時定数の値を0.1秒大きくする。
また、下り勾配20‰の箇所で駅停止制御を開始するときに、所定の減速度を得るためにブレーキノッチ(31段)を駅停止の標準のブレーキ22ノッチより強いブレーキ24ノッチまで上げたときの勾配の影響を差し引いた躍度が、走行中に対応するしきい値(走行時しきい値:例えば、3.0km/h/s)を超えた場合、応答遅れ調整部42は、「時速5km/h以上[走行時相当]・ブレーキ時・ノッチ変更量24段以上」のときの時定数の値を0.1秒大きくする。
次に駅を出発するとき、ATO装置23は、列車11の走行速度帯(走行速度帯データDSBの値に相当)及び力行ノッチ変更量の条件に該当する時定数調整結果を検索し、力行31ノッチの指令と同時に、調整した時定数の値を有する時定数データを、駆動/制動制御装置16に出力する。
この場合において、走行速度帯を考慮しているのは、力行ノッチ変更量(=段数)が同じであっても、列車11の走行速度が高い場合には、実際に得られる躍度が列車11の走行速度が低い場合と比較して、小さくなるからである。
また、実際の列車11の走行において、算出した躍度が走行時のしきい値を超えた場合は、応答遅れ調整部42は時定数データの値をさらに0.1秒大きくする。
一方、算出した躍度が走行時のしきい値を超えなかった場合は、応答遅れ調整部42は、時定数の値をそのままとし、値を大きくしない。
さらに応答遅れ調整部42は、ノッチ変更に対する加速度変化が落ち着いたら、時定数をノッチ変更直前の値である元の値に戻すよう駆動/制動制御装置16に指令する。
また、次に駅停止制御を開始するときにブレーキ24ノッチ以上を指令しようとするとき、走行速度帯(走行速度帯データDSBの値に相当)及びブレーキノッチ変更量の条件に該当する時定数調整結果を検索し、ブレーキ24ノッチ(以上)の指令と同時に、調整した時定数に対応する時定数データを時定数指令として駆動/制動制御装置16に出力する。
また、躍度がブレーキ時のしきい値を超えた場合は、時定数をさらに0.1秒大きくする。
一方、算出した躍度がブレーキ時のしきい値を超えなかった場合は、時定数はそのままとして大きくしない。
さらに、ノッチ変更に対する加速度変化が落ち着いたら、時定数を元に戻すよう駆動/制動制御装置16に指令する。
ノッチ選択のために、指令中のノッチでの列車挙動予測においては、指令中の時定数を用いて加速度・速度・位置の変化を予測する。
以上の説明のように、本実施形態によれば、ATO装置23が、加速度応答の時定数を、躍度が乗客が不快に感じない所定のしきい値以下になるように調整し、トルク制御の時定数として主回路装置31に指示するので、複雑な予測計算を必要とせず、ノッチ指令変更が間に合わない事態も防ぎながら、ノッチ変更時のジャーク緩和制御を可能とする列車制御装置を提供できる。
次に実施形態の変形例について説明する。
以上の説明においては、勾配抵抗による加速度の影響を考慮していなかったが、記憶部24から読みだした路線条件に基づいて勾配抵抗による加速度を算出し、加速度検出部41において列車速度の推移から算出した加速度から差し引いて、モータ14とブレーキ装置15による加速度を求めるようにしてもよい。これにより、乗客の感じる衝撃をより正確に考慮できる。
図7は、実施形態の変形例の列車制御システムの概要構成ブロック図である。
図8は、実施形態の変形例のATO装置の概要構成ブロック図である。
図7及び図8に示すように、上述した実施形態の場合と比較して、ATO装置23の加速度検出部41で列車速度の推移から加速度を算出するのに代えて、加速度計などの加速度検出部51を設け、直接、乗客の受けるのと同じ加速度を検出するようにしてもよい。これにより、起動時(停車状態からの出発時)など低速で列車速度を正確に検出できない場合にも、加速度変化を抑制するように時定数を調整することができる。
また、車両特性保持部43が、力行時の時定数データ及びブレーキ時時定数データの2種類の時定数データを保持するようにし、力行時とブレーキ時で別々に時定数を調整するようにしてもよい。
この場合において、空気シリンダなど物理的部材で調整する空気ブレーキの時定数を、ATO装置23が出力した時定数の値に合わせることは、簡単にはできない。ブレーキ時は、回生ブレーキによる制動力の不足分を空気ブレーキが補足する仕組みになっているので、ブレーキ時の時定数を大きくして回生ブレーキの加速度変化率を小さくしても、空気ブレーキが補助に入ってしまうためトータルの制動力の加速度変化率は小さくならない。
そこで、ブレーキ時については、時定数の調整に上限を設定するか、調整しないようにしてもよい。そして、ATO装置23は、力行指令出力時は力行時の、ブレーキ出力時はブレーキ時の時定数を指令するようにすればよい。
さらに、車両特性保持部43が、複数の速度域に対応する時定数データを持つようにし、速度域毎に時定数を調整するようにしてもよい。
そして、同じ加速度変化率でも、速度が低いときほど、乗客の感じる衝撃は大きいので、低い速度域ほど、加速度変化率のしきい値を小さく設定し、速度域ごとに時定数を調整する。ATO装置23は、列車速度に合わせた時定数を指令するようにすればよい。
さらに、列車について複数の速度域を設定し、特に衝撃を感じる起動時(停車状態からの出発時)の速度域(例えば、5km/h以下の速度域)においてのみ、時定数の調整を行うようにしてもよい。
さらに、図示しない運転台に、調整モードと運行モードを切り換えるモード切換部(スイッチなど)を追加し、調整モードに設定した時のみ、時定数を調整するようにしてもよい。営業運転開始前の走行試験や、定期検修から営業運転に戻す際の走行試験の間、調整モードに設定して時定数の調整を行って、乗り心地の良い時定数の値を決定しておき、営業運転投入後は運行モードに設定して、ATO装置23からは調整済みの時定数を指示するのみとする。これにより、乗客は、調整初期に乗車して乗り心地の悪い思いをすることがない。
以上の説明においては、駅出発時に駅間の走行計画(どこでどのくらい力行・定速走行・惰行・ブレーキを行うか)を算出した後に図示しない運転台の出発ボタンが押されたか否かを判別する構成を採っていたが、出発ボタンが押されたことを検出して、それをトリガとして駅間の走行計画を算出するようにすることも可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 列車制御システム
11 列車
11A 先行列車
12 列車制御装置
13 制御伝送装置
14 モータ
15 ブレーキ装置
16 駆動/制動制御装置
17 車上子
18 車上子
19 受電器
20 集電器
21 速度位置検出部
22 ATC車上装置
23 ATO装置
24 記憶部
31 主回路装置
32 ブレーキ制御装置
41 加速度検出部
42 応答遅れ調整部
43 車両特性保持部
44 走行計画算出部
45 列車挙動予測部
46 力行/ブレーキ指令算出部
51 加速度検出部
走行位置データ
SB 走行速度帯データ
TC 時定数データ
TCV 時定数値データ
TN 無駄時間データ
Id 応答遅れ情報
LN 架線
RL レール

Claims (10)

  1. 列車の走行位置を検出する列車位置検出部と、
    前記列車に対応する路線情報、車両情報を記憶する記憶部と、
    前記列車の駆動制御及び制動制御を行う駆動/制動制御装置と、
    前記走行位置、前記路線情報及び前記車両情報に基づいて、前記駆動/制動制御装置を制御するための制御指令を算出する制御指令算出部と、を備え、
    前記制御指令算出部は、前記列車の駆動時あるいは制動時における前記列車の躍度が所定のしきい値以下となるように、前記駆動/制動制御装置に対し、前記駆動制御あるいは制動制御に対応する応答遅れパラメータの値を調整し、前記制御指令に含める、
    列車制御装置。
  2. 前記列車の躍度を検出する躍度検出部を備え、
    前記制御指令算出部は、前記検出された躍度に基づいて、前記応答遅れパラメータの値を調整する、
    請求項1記載の列車制御装置。
  3. 前記列車の走行速度を検出する列車速度検出部を備え、
    前記躍度検出部は、前記列車速度検出部が検出した走行速度に基づいて、前記躍度を検出する、
    請求項2記載の列車制御装置。
  4. 前記列車の加速度を検出する加速度検出部を備え、
    前記躍度検出部は、前記加速度検出部が検出した加速度に基づいて、前記躍度を検出する、
    請求項2記載の列車制御装置。
  5. 前記躍度検出部は、前記路線情報に基づいて路線の勾配に起因する影響を除いて前記躍度を検出する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の列車制御装置。
  6. 前記制御指令算出部は、前記列車の速度を複数の速度帯に分け、前記速度帯毎に前記応答遅れパラメータの値を算出する、
    請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の列車制御装置。
  7. 前記制御指令算出部は、前記複数の速度帯は、前記列車の走行開始時の速度帯を含む、
    請求項6記載の列車制御装置。
  8. 前記列車制御装置の動作モードとして、前記応答遅れパラメータの値の調整を行う調整モードと、前記応答遅れパラメータの値に基づいて運行を行う運行モードとを備え、
    前記制御指令算出部は、前記運行モードにおける前記応答遅れパラメータの調整を禁止する、
    請求項1乃至請求項7のいずれか一項記載の列車制御装置。
  9. 列車の走行位置を検出する列車位置検出部と、前記列車に対応する路線情報、車両情報を記憶する記憶部と、前記列車の駆動制御及び制動制御を行う駆動/制動制御装置と、を備えた列車制御装置において実行される方法であって、
    前記走行位置、前記路線情報及び前記車両情報に基づいて、前記駆動/制動制御装置を制御するための制御指令を算出する過程と、
    前記列車の駆動時あるいは制動時における前記列車の躍度が所定のしきい値以下となるように、前記制御指令に対応する応答遅れパラメータの値を調整する過程と、
    を備えた方法。
  10. 列車の走行位置を検出する列車位置検出部と、前記列車に対応する路線情報、車両情報を記憶する記憶部と、前記列車の駆動制御及び制動制御を行う駆動/制動制御装置と、を備えた列車制御装置をコンピュータにより制御するためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記走行位置、前記路線情報及び前記車両情報に基づいて、前記駆動/制動制御装置を制御するための制御指令を算出する手段と、
    前記列車の駆動時あるいは制動時における前記列車の躍度が所定のしきい値以下となるように、前記制御指令に対応する応答遅れパラメータの値を調整する手段と、
    して機能させるプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109407713A (zh) * 2018-11-02 2019-03-01 中国铁路总公司 一种列车减速度闭环控制方法及系统

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