JP2018083495A - 列車運行制御システム - Google Patents

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信 小熊
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Abstract

【課題】列車の遅延を低減する。
【解決手段】実施形態の列車運行制御システムは、列車に搭載された車上制御装置と、地上に設置された地上制御装置と、で構成される。地上制御装置は、補正部と、送信部と、を備える。補正部は、運転整理が行われる場合に、当該運転整理が行われた列車の下流を走行する先行列車の速度を上方修正する運転曲線の補正を行った補正ダイヤ情報を生成する。送信部は、補正ダイヤ情報を、車上制御装置に送信する。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、列車運行制御システムに関する。
従来から、対象列車に遅延が生じた際に、当該対象列車の後続列車が、対象列車に接近した場合に、運転保安システムにより後続列車に保安ブレーキを作動させる技術が提案されている。このような技術においては、後続列車が保安ブレーキによる減速を行った場合に、減速から再加速のためにエネルギーを消費したり、減速や加速による乗り心地が悪化する可能性がある。
そこで、対象列車の走行を予測して、後続列車を保安ブレーキが動作しないように走行させることで、後続列車の加減速を抑止する技術が提案されている。
特開2002−204507号公報
しかしながら、従来技術においては、対象列車の上流を走行する後続列車の加減速制御に留まり、対象列車の下流を走行する先行列車の加減速制御については考慮していなかった。
実施形態の列車運行制御システムは、列車に搭載された車上制御装置と、地上に設置された地上制御装置と、で構成される。地上制御装置は、補正部と、送信部と、を備える。補正部は、運転整理が行われる場合に、当該運転整理が行われた列車の下流を走行する先行列車の速度を上方修正する運転曲線の補正を行った補正ダイヤ情報を生成する。送信部は、補正ダイヤ情報を、車上制御装置に送信する。
図1は、第1の実施形態における列車運行制御システムの構成を例示した図である。 図2は、第1の実施形態の列車に搭載された車上システムの構成例を示した図である。 図3は、第1の実施形態の地上システムの各構成を例示した図である。 図4は、第1の実施形態における、複数の列車の計画運転曲線と、遅延が生じたことによる当該複数の列車の補正運転曲線と、を例示した図である。 図5は、第1の実施形態における、複数の列車の計画運転曲線と、運転整理で回送列車がB駅停車からC駅停車に変更された場合の補正運転曲線と、を例示した図である。 図6は、第1の実施形態における、複数の列車の計画運転曲線と、回送列車の停車駅の変更に伴って変更された第1の列車の補正運転曲線と、を例示した図である。 図7は、第1の実施形態の地上制御装置における運転曲線の生成処理の手順を示すフローチャートである。 図8は、第2の実施形態における、臨時列車を増発させる運転整理を行った場合の、複数の列車の運転曲線を例示した図である。 図9は、第2の実施形態における、臨時列車を増発させる運転整理を行った場合の、第1の列車について局所的に速度を上方修正した補正ダイヤによる補正運転曲線を例示した図である。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における列車運行制御システムの構成を例示した図である。図1に示される列車運行制御システムは、地上システム100と、列車毎に設けられている車上システム150と、から構成されている。
本実施形態の車上システム150では、列車170a、170b、170c毎にそれぞれ車上制御装置151が備られている。
地上システム100は、地上制御装置101と、運行管理システム102と、ATC地上装置103と、地上基地局105a、105b、105c、150dと、を備えている。これらの構成は、地上ネットワーク110を介して接続されている。
運行管理システム102は、必要に応じて地上制御装置101に対して、運行ダイヤを送信する。
ATC地上装置103は、軌道回路を構成している、線路180のレールを介して閉そく区間毎に列車が存在するか否かを検知し、検知結果をATC信号として、レールを介して列車内の(図示しない)ATC車上装置に送信する。また、ATC地上装置103は、各列車に対して、前方の先行列車までの位置に関する情報(例えば先行列車までの閉そく区間数など)を、レールを介して送信する。
また、ATC地上装置103は、ATC車上装置からの情報に基づいた、進路構成情報、保守ブレーキパターンの停止位置情報、臨時速度制限情報、故障情報などの情報を、地上制御装置101に送信する。
地上基地局105a、105b、105c、105dは、線路180に沿って設置された無線基地局であって、線路180を走行する列車(例えば、列車170a、170b、170c)との間で情報を送受信する。
列車(例えば、列車170a、170b、170c)の各々に設けられている車上システム150には、車上制御装置151が含まれており、列車(例えば、列車170a、170b、170c)に関する様々な制御を行う。
図2は、第1の実施形態の列車170aに搭載された車上システム150の構成例を示した図である。図2に示されるように、車上システム150は、車上制御装置151と、速度検知装置201と、位置検知装置202と、ATC車上装置203と、を備えている。なお、列車170b、170cも同様の構成を備えているものとして、説明を省略する。
速度検知装置201は、車軸に取り付けた速度発電機などの出力信号を処理して列車170aの速度を算出し、速度情報として、車上制御装置151に送信する。
位置検知装置202は、速度検知装置201により検出された速度情報を積算して、駅からの移動距離を算出するとともに、地上の定点に設置された地上子から検出された地上子信号に基づいて、移動距離に基づく位置情報を補正することで、列車170aの位置情報を算出する。本実施形態では、位置情報として、線路180上の起点地点からの距離を示したキロ程を算出するが、列車170aの位置を示す情報であれば良い。そして、位置検知装置202は、算出した位置情報を、車上制御装置151に送信する。
なお、本実施形態は、列車170aの速度情報や位置情報を算出する構成として、速度検知装置201や位置検知装置202を適用する例について説明するが、これらの構成に制限するものではなく、列車170aの走行状態を検出できれば、どのような装置・システムを利用しても良い。例えば、列車170aの位置情報を検出する装置として、GPS受信機を用いても良い。
ATC車上装置203は、運転保安システムの一部であり、ATC地上装置103から受信した、前方の先行列車までの位置に関する情報に基づいて、未開通進路への進入防止や先行列車への衝突を防止する。例えば、ATC車上装置203は、先行列車の手前(外方)に停止するための保守ブレーキパターンを生成する。
保守ブレーキパターンは、先行列車の手前に停止するために、列車170aの位置に対する速度が、許容された速度(照査速度)の範囲か否かを照合するための情報とする。
ATC車上装置203は、運転保安システムの一部であり、ATC地上装置103の信号に基づいて未開通進路への進入防止や先行列車への衝突を防止するための装置とする。
例えば、ATC地上装置103は、先行列車が在線する軌道回路(閉そく区間)を検出し、各列車に前方の先行列車までの位置に関する情報(例えば先行列車までの閉そく区間数など)などを、レールを介して、ATC車上装置203に送信する。
ATC車上装置203は、受信した先行列車の位置に関する情報(進路開通情報)に基づいて、先行列車の手前(外方)に停止するための保安ブレーキパターンを生成する。保安ブレーキパターンは、列車位置に対する制限速度(照査速度)の情報を含んでいる。
ATC車上装置203は、速度検知装置201による速度情報、位置検知装置202による位置情報をリアルタイムに取得する。そして、ATC車上装置203は、速度情報、及び位置情報に基づいて、列車170aの速度が、現在の列車170aの位置に対する保守ブレーキパターンの照査速度を超えたか否かを判断する。ATC車上装置203は、照査速度を超過(保安ブレーキパターンに抵触)したと判定した場合、保安ブレーキを作動させて列車170aを停車させる。また、列車170aの速度が、照査速度を所定値より下回っていた場合、保安ブレーキを解除する。例えば、先行列車が次の閉そく区間に移動し、ATC車上装置203は、運転曲線が進行方向に移動するように更新した場合に、保安ブレーキが解除され、力行可能となる。
車上制御装置151は、列車170aに搭載された装置であって、路線データベース251と、車両データベース252と、情報送信部253と、情報受信部254と、ノッチ情報取得部255と、ATO機能部256と、を備えている。車上制御装置151は、速度検知装置201から速度情報、位置検知装置202から位置情報を取得する。
路線データベース251は、走行経路上の勾配、曲線、トンネル、速度制限などの路線データを記憶している。
車両データベース252は、列車170aの車両に相当する車両データを記憶する。車両データとしては、列車長、列車重量などの他、編成の引張力特性テーブルおよび制動力特性テーブル(列車速度に対応した引張力または制動力の特性を定義したテーブル)、列車力行時の力行電流特性テーブルや制動時の回生電流テーブル(列車速度に対応した編成の力行電流または回生電流の特性を定義したテーブル)が含まれている。
情報送信部253は、地上基地局105aを介して、地上制御装置101に対して、車上制御装置151が搭載された列車170aの速度情報、位置情報、及びノッチ情報を所定の周期で送信する。
情報受信部254は、地上基地局105aを介して、地上制御装置101から、列車170aを含む複数列車のダイヤ情報や、列車170aを走行制御するための列車走行指令情報を、リアルタイムに受信する。受信したダイヤ情報、及び列車走行指令情報は、ATO機能部256に受け渡される。
ノッチ情報取得部255は、列車170aの速度を制御するためのノッチ情報を取得する。
ATO機能部256は、取得したダイヤ情報、列車走行指令情報を参照して、列車170aの自動運転操作(力行/ブレーキ指令の出力)を行う。これにより、列車170aが走行する。
列車走行指令情報としては、例えば、列車170aが存在する位置に対応する速度など、当該線路180上の位置の変化に従った速度が表された車両の走行計画の一種である、運転曲線が考えられるが、列車170aの走行を指示できる(自動運転制御できる)情報であれば他の情報であっても良い。
なお、ATO機能部256は、地上制御装置101と通信ができない状況においても、取得済みのダイヤ情報、路線データベース251に記憶された路線データ、及び車両データベース252に記憶された車両データ等に基づいて、列車170aの走行計画となる運転曲線を生成しても良い。
なお、本実施形態は、車上制御装置151が、ATO機能部256を備えて、自動的に列車の運転を行えるように構成した例とするが、ATO機能部256の代わりに運転士への運転操作指示に関する情報の表示を行う運転支援表示器を搭載し、運転士の運転操縦で列車を運転するように構成しても良い。
列車170aの走行を開始する際の手順について説明する。まず、列車170aの始発駅における出発準備として、運転士が車上制御装置151に列車番号を設定する。車上制御装置151が、列車番号を自動的に取得し、設定するようにしても良い。車上制御装置151に列車番号が設定された場合に、車上制御装置151は、地上制御装置101に、列車走行指令情報の送信要求を行う。地上制御装置101は、ダイヤ情報に従って生成した運転曲線を、列車走行指令情報として車上制御装置151に送信する。その後、運転士が、出発時刻以降に出発ボタンを押下した場合に、車上制御装置151のATO機能部256が自動運転を開始する。
次に地上制御装置101を含めた地上システムについて説明する。図3は、第1の実施形態の地上システムの各構成を例示した図である。地上システム100は、路線沿線に沿って設置された少なくとも一つ以上の地上基地局105(105a、105b、105c、及び105d)を備えている。
運行管理システム102は、運行ダイヤデータベース351を備えている。運行管理システム102は、運行ダイヤデータベース351に記憶された運行ダイヤが示されたダイヤ情報を、地上制御装置101等に送信する。
また、運行ダイヤデータベース351は、列車が予め定められたスケジュールに従って走行するための計画ダイヤを示したダイヤ情報の他に、列車の走行で遅延が生じた場合(例えば、事故、災害、又は混雑等の理由でダイヤが乱れた際)に、旅客や荷主への影響を軽減し、平常運転を行うまでの運転計画に従って、各列車を走行させるために予め設定された運転整理ダイヤ情報を記憶する。
地上基地局105(地上基地局105a〜地上基地局105d)は、それぞれ受信部361と、送信部362と、を備え、列車170a〜170cと、地上制御装置101と、の間で情報の送受信を行う。
例えば、受信部361は、列車170a〜170c、又は地上制御装置101から、情報を受信する。送信部362は、列車170a〜170c、又は地上制御装置101に対して、受信部361が受信した情報を送信する。さらに、地上基地局105は、一方の列車から受信した情報を、他方の列車に送信しても良い。
地上制御装置101は、地上に設置された装置であって、路線データベース301と、車両データベース302と、制御データベース303と、受信部305と、運転曲線生成部306と、判定部307と、予測部308と、補正部309と、送信部310と、を備えている。
路線データベース301は、線路180の走行経路上の勾配、曲線、トンネル、速度制限などの路線データを記憶している。
車両データベース302は、線路180を走行する各列車の車両に相当する車両データを記憶する。
制御データベース303は、閉そく制御条件、連動制御条件、信号制御条件などの制御条件を記憶する。
受信部305は、地上基地局105a、105b、105c、105dを介して、線路180上の各列車の各々に搭載された車上制御装置151から、当該車上制御装置151が搭載された列車の速度情報、位置情報、及びノッチ情報を受信する。なお、本実施形態は、列車の速度情報、位置情報、及びノッチ情報を、列車に関する情報を示した列車情報とも称する。
また、受信部305は、運行管理システム102から、運行ダイヤデータベース351に格納されていた各列車のダイヤ情報を受信する。
また、受信部305は、運行管理システム102上で運転整理(ダイヤ情報の変更)が行われた場合には、変更されたダイヤ情報(運転整理ダイヤ情報とも称する)を受信する。運転整理ダイヤ情報には、平常運転に戻すための運転計画に従って各列車を走行させるために必要なダイヤ情報が含まれている。
ダイヤ情報には、例えば、線路180を走行する予定の列車毎の列車番号、運用車両種別、上り・下りの運転方向や走行区間、各駅における到着時刻、出発時刻、使用番線が含まれている。
また、受信部305は、ATC地上装置103から、地上ATCモニタ情報を受信する。地上ATCモニタ情報には、進路構成情報や保守ブレーキパターンの停止位置情報、臨時速度制限情報、故障情報などの情報が含まれている。
運転曲線生成部306は、運行管理システム102から受信したダイヤ情報に基づいて、運行ダイヤ(例えば計画ダイヤ)に従って走行するための各列車の運転曲線を生成する。本実施形態の運転曲線生成部306は、ダイヤ情報の予定出発時刻、予定到着時刻から各駅間での運行ダイヤ上の駅間走行時間を算出し、駅間走行時間で列車を走行させる運転曲線を生成する。
運転曲線生成部306は、既に提案されている動的計画法のアルゴリズムを用いて駅間走行時間分を所定の誤差範囲内とした上で消費エネルギーが最小となるように、運転曲線を生成しても良い。さらに、運転曲線生成部306は、駅間最高速度を所定の低減幅で低減させてゆき、繰返し計算により、駅間走行時間が所定の誤差範囲内となる運転曲線を生成するアルゴリズムを用いても良い。このように、運転曲線を生成するために、種々の運転曲線作成アルゴリズムを利用しても良い。
本実施形態の運転曲線生成部306は、作成条件を変更することで、様々な種類の運転曲線を生成することができる。例えば、運転曲線生成部306は、路線上の勾配、曲線、トンネルや速度制限などの条件を順守した上で、駅間を最短の所要時間で走行することを作成条件として設定することで、各駅間をダイヤ上に設定された走行時間で走行する条件とした最速運転曲線を、計画ダイヤによる計画運転曲線として生成する。なお、計画ダイヤとは、スケジュールとして予め定められた運行ダイヤとする。
運転曲線生成部306による、所定条件下で駅間を最短所要時間で走行する最速運転曲線の生成手順について説明する。
まず、受信部305は、運行管理システム102からダイヤ情報を受信する際に、運転曲線生成部306は、運転曲線を生成する列車の列車番号(または固有の列車IDなどでも良い)をキーとして、対象列車のダイヤ情報を取得する。ダイヤ情報には、各列車の列車番号、運用車両種別、上り・下りの運転方向や走行区間、各駅における到着時刻、出発時刻、使用番線などの情報が含まれている。
運転曲線生成部306は、ダイヤ情報に記録された運用車両種別の情報から、運用に供される車種を判断し、車両データベース302から、該当する車両に相当する車両データを取得する。車両データには、列車長、列車重量などの他、編成の引張力特性テーブル(列車速度に対応した引張力の特性を定義したテーブル)、制動力特性テーブル(列車速度に対応した制動力の特性を定義したテーブル)、列車力行時の力行電流特性テーブル(列車速度に対応した編成の力行電流の特性を定義したテーブル)、及び制動時の回生電流テーブル(列車速度に対応した編成の回生電流の特性を定義したテーブル)が含まれている。
さらに、運転曲線生成部306は、ダイヤ情報から、上り・下りの運転方向や、走行駅間、各駅で使用する番線や、各駅における計画到着時刻、計画出発時刻などの情報を取得し、取得した情報に基づいて、路線データベース301から、走行経路上の勾配、曲線、トンネル、速度制限などの路線データを取得する。
そして、運転曲線生成部306は、取得した車両データ、及び路線データに基づいて、制約のない場合は最大加速、最大減速を行う運転条件で対象列車の運転曲線を生成する。これにより、各駅間を最短の走行時間で走行した場合の運転曲線を得られる。
また、運転曲線生成部306は、ダイヤ情報の計画出発時刻、計画到着時刻から各駅間でのダイヤ上の駅間走行時間を算出し、当該駅間走行時間で走行する制約を作成条件として設定した上で、ダイヤに設定された駅間走行時間で列車を走行させる計画運転曲線(計画ダイヤ)を生成しても良い。
判定部307は、運転曲線生成部306が生成した運転曲線に従って、列車が走行しているか否かを判定する。例えば、判定部307は、受信部305が受信した列車情報(位置情報、速度情報、ノッチ情報)に基づいて、運転曲線と比べて、所定の時間以上の遅延が生じたか否かの判定を行う。遅延が生じた原因としては、例えば事故等が考えられる。
予測部308は、判定部307により列車の遅れが生じていると判定された場合に、各列車からリアルタイムで受信した速度情報、位置情報、ノッチ情報、ダイヤ情報や、制御データベース303に格納された閉そく制御条件、連動制御条件、信号制御条件などの制御条件に基づいて、ATCなどの運転保安システムの動作を考慮した、複数列車の運行シミュレーションを行ってもよい。本実施形態の予測部308は、各列車の所定の時間毎の線路上の位置まで具体的に予測することで、遅れ時間に対応した各列車(遅延が生じた対象列車の他に、当該対象列車の後続列車も含む)の予測ダイヤに基づいた運転曲線(以下、予測運転曲線とも称する)を生成する。
補正部309は、遅延列車が発生し、列車の位置情報と速度情報とに基づいた路線上における列車の運行が、列車の運行ダイヤと比べて遅延したことで、予測部308が各列車の予測運転曲線を生成した場合に、運行管理システム102から受信した、平常運転を行うまでの運転整理に従った、補正ダイヤ情報を生成する。
本実施形態の補正部309は、運転整理に従った補正ダイヤ情報として、遅延が生じた対象列車の運行の補正をした運転曲線(以下、補正運転曲線とも称する)と、当該対象列車の上流を走行する後続列車の運行の補正をした運転曲線と、を生成する。
本実施形態の補正部309は、所定の条件を満たした場合に、当該運転整理が行われた列車及び(遅延が生じた)対象列車の下流を走行する、先行列車の速度を上方修正する補正をした運転曲線を生成する。所定の条件とは、例えば、運転整理が行われた際、運転整理が行われた列車と先行列車との間で過接近が生じる恐れがある場合がある。このような場合に、運転整理が行われた列車、対象列車又は後続列車の遅延を低減させるために、先行列車の速度を上方修正する必要があると判断する。なお、本実施形態は、補正ダイヤ情報として、運転曲線を生成する例について説明するが、車両の運行ダイヤを補正できる情報であれば良い。
補正部309は、運転整理が行われる場合に、運行ダイヤデータベース351に予め記憶されていた運転整理ダイヤ情報に基づいて、補正ダイヤによる補正運転曲線を仮設定(生成)する。運転整理ダイヤ情報は、受信部305が運行管理システム102から受信する。
補正部309は、仮設定した補正運転曲線を複数生成する。本実施形態においては、仮設定した複数の補正運転曲線のうち、遅れ時間が最小値になる補正運転曲線を、適用することとする。
例えば、補正部309は、対象列車の上流の後続列車の補正運転曲線と、対象列車の下流の先行列車の補正運転曲線と、を組み合わせ、予め定められた列車の遅延時間が最小値になるような補正運転曲線を適用する。予め定められた列車とは、状況に応じて設定される。例えば、乗客が搭乗している列車を、予め定められた列車として、回送列車より遅延が抑えられるようにすることが考えられる。
送信部310は、補正ダイヤ情報である、列車毎の補正運転曲線を、列車走行指令情報として、地上ネットワーク110、及び地上基地局105を介して、各列車の車上制御装置151に送信する。しかしながら、地上システム100と車上システム150との間の通信回線の容量によっては、送信する情報を圧縮して、データ伝送時間の短縮化や必要な伝送帯域の削減を図る必要がある。このような場合には、送信部310は、運転曲線データの間引きや、運転曲線データ上における速度やノッチ(または加速度や引張力、制動力)などの条件変化点や操作変化点の情報のみを送信するようにしてもよい。また、送信するデータ形式については特に制限するものではなく、例えば、ATO機能部256によって列車走行を制御することが可能なダイヤ情報であれば良い。
次に、列車に遅延が生じた場合に、列車運行制御システムが行う処理について具体的に説明する。
図4は、複数の列車の計画運転曲線と、遅延が生じたことによる当該複数の列車の補正運転曲線と、を例示した図である。図4に示される例では、第1の列車の計画ダイヤによる運転曲線401と、第2の列車の計画ダイヤによる運転曲線402と、第3の列車の計画ダイヤによる運転曲線403と、回送列車の計画ダイヤによる運転曲線404と、が示されている。これらの運転曲線401〜404は、遅延が生じていない場合の運行状況とする。
なお、回送列車の運転曲線404は、B駅で待機し、第2の列車の通過し、必要閉そく区間421が生じた後に、移動開始するような運転曲線とする。
そして、第2の列車がA駅で出発遅延が生じ、現在時刻t0で出発した状況とする。このような場合に、地上制御装置101の予測部308は、第2の列車の車上制御装置151から送信されてきた列車の位置情報、及び速度情報に基づいて、第2の列車の予測ダイヤとして予測運転曲線412を生成する。予測運転曲線412は、第2の列車のほぼ最速の運転曲線の運用を想定しており、A駅での出発遅れを遅延回復運転では取り戻せないものとする。
このような場合に、予測部308は、回送列車が第2の列車が通過するまで停車し、必要閉そく区間422が生じるまで待機した場合の、回送列車の予測ダイヤによる予測運転曲線414を生成する。このように第2の列車に出発遅延が生じたため、回送列車にも遅延が生じる。そして、回送列車と第3の列車との間にも必要閉そく区間423を要する必要がある。このため、第2の列車のB駅通過が遅れた影響で、第3の列車の運行ダイヤを補正しても良い。
そこで、予測部308は、回送列車が遅延した影響を受けて、第3の列車(第2の列車の後続列車)に対して、B駅手前で保安ブレーキパターンに抵触する予測運転曲線(予測ダイヤ)413Aを生成する。
そして、第3の列車のように、保安ブレーキパターン抵触による遅延が予測される場合、保安ブレーキパターン抵触を回避するように、補正部309が、後続列車である第3の列車をあらかじめ減速するような補正を行った補正ダイヤによる補正運転曲線413Bを生成する。当該補正運転曲線を適用することで、第3の列車のD駅到着は、保安ブレーキパターンに抵触する予測運転曲線413Aより、あらかじめ減速して保安ブレーキパターン抵触を回避した補正運転曲線413Bの方が、遅延を低減することができる。
また、本実施形態は、列車に遅延が生じた際には、平常運転を行うまで、各列車の運行ダイヤを変更する運転整理を処置する場合がある。
本実施形態の補正部309は、運転整理として、各列車に対して運転整理ダイヤの仮設定を行う。運転整理ダイヤの仮設定を行うために、運行管理システム102から、運行ダイヤデータベース351に予め記憶された運転整理ダイヤ情報を取得し、当該運転整理ダイヤ情報に従って仮設定を行う。運転整理ダイヤ情報は、運行ダイヤデータベース351に、予め各列車が遅延した場合を想定して生成されたものとする。そして、本実施形態は、現在の状況に最も近い状況を想定して生成された運転整理ダイヤ情報を取得して、仮設定する。運転整理ダイヤ情報には、例えば、運転整理を行う列車として、回送列車が含まれていると共に、当該回送列車の停車駅を変更する運転整理が含まれている。
また、本実施形態の補正部309は、予測部308が予測した予測運転曲線も、運転整理ダイヤ情報として仮設定しても良い。そして、補正部309は、運転整理ダイヤ情報を仮設定した後、後続列車の遅延伝播の影響を見積もる。
図5は、複数の列車の計画運転曲線と、運転整理で回送列車がB駅停車からC駅停車に変更された場合の補正運転曲線と、を例示した図である。図5に示される例では、第1の列車の計画ダイヤによる運転曲線401と、第2の列車の計画ダイヤによる運転曲線402と、第3の列車の計画ダイヤによる運転曲線403と、回送列車の計画ダイヤによる運転曲線404と、は、図4と同様とする。さらに、第2の列車の出発遅延による予測運転曲線(予測ダイヤ)412も図4と同様とする。図5においては、回送列車に対して停車駅を変更する運転整理が行われる。
図5は、補正部309が、運転整理ダイヤ情報に従って、回送列車をB駅停車で第2の列車の通過を待つ(運転曲線404)のではなく、C駅停車で第2の列車の通過を待つ(補正運転曲線504)ように変更(運転整理)する例とする。
回送列車が、C駅で第2の列車の通過を待つ場合、B駅で第2の列車の通過を待つと比べて、第3の列車が回送列車に接近していない状態となる。このため、第3の列車に対する保安ブレーキパターン抵触による遅延伝ぱを防ぐことが可能となる。
ただし、図5に示される運転整理の仮設定では、回送列車がB駅で停車せずにC駅まで走行するので、第1の列車との区間距離が、必要閉そく区間511より短くなるため、過接近となる恐れがある。過接近となる場合には減速が生じるため、当該運転整理ダイヤ情報をこのまま適用するべきではない。つまり、回送列車と第1の列車との間を必要閉そく区間511以上の距離を保つように制御すべきである。
図6は、複数の列車の計画運転曲線と、回送列車の停車駅の変更に伴って変更された第1の列車の補正運転曲線と、を例示した図である。図6に示される例では、第1の列車の計画ダイヤによる運転曲線401と、第2の列車の計画ダイヤによる運転曲線402と、第3の列車の計画ダイヤによる運転曲線403と、回送列車の計画ダイヤによる運転曲線404と、第2の列車の予測ダイヤによる予測運転曲線412と、は図5と同様とする。さらに、回送列車の運転整理ダイヤ(補正運転曲線504)も図5と同様とする。
図6に示される例では、回送列車の運転整理ダイヤ(補正運転曲線504)に従って走行する場合に、回送列車と第1の列車との間を、必要閉そく区間611より離れるようにするために、第1の列車の速度を局所的に上昇修正させることとした。
つまり、補正部309は、(回送列車及び第2の列車より上流の先行列車である)第1の列車の速度を局所的に上昇修正した、第1の列車の補正ダイヤによる補正運転曲線601を生成する。本実施形態においては、第1の列車は通常通りの運行で遅延していない場合であっても、補正運転曲線601に従って走行させて、局所的に速度を上方修正することで、回送列車との間を必要閉そく区間611より離れるよう制御することができる。これにより、回送列車に対して仮設定された運転整理ダイヤに支障をきたさないよう制御できる。
また、補正部309は、第1の列車の速度を局所的に上方修正することで、到着駅に早着する予定の場合に、補正部309は、必要に応じて到着駅付近で減速して時刻調整した補正ダイヤによる補正運転曲線を生成してもよい。速度を局所的に上方修正した際に、計画ダイヤに従うように減速して到着時刻を調整する手法は、周知の手法を問わずに、どのような手法を用いても良い。
このように、本実施形態の補正部309は、後続列車の遅延を抑止するために、遅延が生じた対象列車より下流の先行列車の速度を上方修正する補正ダイヤに従った補正運転曲線を生成することとした。
また、第3の列車の遅延低減を最優先する場合は、上述したように、下流の先行列車である第1の列車の運転曲線を補正することとした。しかしながら、第3の列車が回送列車の場合、当該第3の列車が遅延しても運用上影響がない場合がある。つまり、第3の列車が回送列車で乗客が乗車していない場合、図6で示したように、下流の先行列車の速度の上方修正をするのではなく、図4で示したように、第3の列車の運転曲線を補正してもよい。本実施形態においては、運行ダイヤデータベース351に、遅延低減を優先する列車の序列を予め記憶しておいても良い。そして、列車に遅延が生じた場合に、補正ダイヤを生成する際に、運行ダイヤデータベース351を参照して、実際の運行ダイヤを生成するための判断材料として用いる。
次に、地上制御装置101における運転曲線の生成処理について説明する。図7は、本実施形態の地上制御装置101における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、地上制御装置101は、当日の列車運行開始前に起動し、初期化処理を行う(S701)。この際に、地上制御装置101は、各種機器・システム故障およびエラーの検出や、各処理機能におけるメモリの初期化や、他システムとの情報伝送の確立等を行う。また、何らかの異常やエラーが生じた場合、その旨を(図示しない)管理コンソール画面などに表示し、指令員や管理者による対応を促す。
地上制御装置101の受信部305は、地上ネットワーク110を介して、運行管理システム102から、計画ダイヤに従ったダイヤ情報を受信する(S702)。
次に、運転曲線生成部306が、ダイヤ情報に従って各列車が走行するために、列車毎の運転曲線(計画運転曲線)を生成する(S703)。
一方、線路180を走行する列車の始発駅における出発準備として、運転士が車上制御装置151に列番(列車番号)を設定する。車上制御装置151に列番が設定されると、車上制御装置151は、地上制御装置101に列車走行指令情報として、運転曲線の送信を要求する。これにより、地上制御装置101は、運転曲線の送信先を認識できる。
そして、地上制御装置101の送信部310が、生成した運転曲線を各列車に送信する(S704)。これにより、各列車において、出発時刻以降に運転士が出発ボタンを操作すると、ATO機能部256が、受信した運転曲線に基づいて、自動的に運転を開始する。
全ての列車が計画通りに運行されている場合、各列車は列車走行指令情報に基づいてATO機能部256によって運行される。
なお、運行管理システム102は、運行中に運転整理などを理由にダイヤ変更を行った場合に、新たなダイヤ情報を、地上制御装置101に送信する。
次に、判定部307が、運行管理システム102からの新たなダイヤ情報の受信の有無から、運行ダイヤ(計画ダイヤ)に変更があるか否かを判定する(S705)。運行ダイヤの変更がないと判定した場合(S705:No)、S708に遷移する。
一方、判定部307が、運行管理システム102からの新たなダイヤ情報の受信の有無から、運行ダイヤに変更があると判定した場合(S705:Yes)、運転曲線生成部306が、受信した(変更後の運行ダイヤを示した)ダイヤ情報に従って、各列車が走行するために、列車毎の運転曲線を再生成する(S706)。そして、送信部310が、再生成された運転曲線を、各列車に再送信する(S707)。
次に、地上制御装置101の受信部305は、地上基地局105a〜150dを介して、線路180を走行する各列車の車上制御装置151から、列車情報(列車の速度情報、位置情報、及びノッチ情報)を受信する(S708)。当該受信は、所定の間隔毎に行われる。
そして、判定部307は、受信した各列車の列車情報(列車の速度情報、位置情報、及びノッチ情報)に基づいて、列車に遅延が生じているか否かを判定する(S709)。遅延が生じていないと判定された場合(S709:No)、S716に遷移する。
列車に遅延が生じているか否かの判定は、どのような手法を用いても良い。例えば、判定部307は、ダイヤ情報に従って生成された運転曲線から、現在時刻における列車の位置および速度を特定できる。そして、判定部307は、特定された位置及び速度と、各列車から受信した速度情報及び位置情報とを比較する。そして、判定部307は、運転曲線上の列車位置と、実際の列車位置との間に所定値以上の距離差が生じた場合に、当該列車を遅延と判定する。運転曲線と実際の列車の位置及び速度とを比較することで、採時地点である駅だけでなく駅間走行中の遅れを把握できる。
他の例としては、判定部307は、速度情報で示される、リアルタイムの現在位置における速度が、運転曲線上の現在位置における速度に対して、所定の速度差以上低い場合、遅延が生じていると予測を行っても良い。
判定部307は、遅延が生じていると判定した場合(S709:Yes)、予測部308が、受信した列車情報から遅延が生じた対象列車の予測ダイヤによる予測運転曲線を生成する(S710)。
さらに、予測部308は、遅延が生じた対象列車の補正ダイヤを考慮して、列車情報から、当該対象列車の後続列車の予測ダイヤによる予測運転曲線を生成する(S711)。
遅延列車が生じていると判定された場合、予測部308が、各列車の速度情報、位置情報、ノッチ情報を初期値として、現在時刻以降の複数列車の運行をシミュレーションによりダイヤを予測する。予測する際に、閉そく装置、転てつ器、連動装置、信号装置などの運転保安システムの動作を考慮した、複数列車の運行シミュレーションを実施し、先行列車による保守ブレーキパターンへの抵触などの影響を考慮した予測を行う。
そして、補正部309が、運行管理システム102から受信した運転整理ダイヤ情報に基づいて、列車に遅延が生じた場合に、平常運転を行うまでの運転整理に従った補正ダイヤによる補正運転曲線を仮設定する(S712)。本実施形態においては、例えば、図5に示したような、回送列車の停車駅を変更した後の補正ダイヤによる補正運転曲線とする。このように回送列車の補正ダイヤによる補正運転曲線を仮設定した場合に、補正部309が、当該回送列車の後続列車についても補正ダイヤによる補正運転曲線を仮設定する。
さらに、補正部309は、運転整理に従って各列車の補正ダイヤによる補正運転曲線を仮設定した後、所定の条件を満たした場合に、運転整理を行った列車及び対象列車より下流の先行列車の補正ダイヤによる補正運転曲線を生成する(S713)。所定の条件としては、例えば、運転整理が行われた後続列車と過接近する可能性がある等が考えられる。運転整理によって過接近する後続列車の例としては、回送列車、臨時列車、各駅停車から急行に変更された列車など、様々な列車が考えられる。本実施形態では、補正部309は、S711〜S713の処理を繰り返して、複数種類の補正ダイヤによる補正運転曲線を生成する。
そして、判定部307は、生成された複数種類の補正ダイヤによる補正運転曲線のうち、予め定められた列車(例えば、回送列車を除いた各列車)の遅れ時間が最小値となる補正運転曲線の組み合わせを選択する(S714)。
そして、送信部310は、選択された補正運転曲線を、列車走行指示情報として、各列車に送信する(S715)。
その後、判定部307は、全ての列車の運行が終了したか否かを判定する(S716)。終了していないと判定した場合(S716:No)、S705から再び処理を行う。
一方、判定部307は、全ての列車の運行が終了したと判定した場合(S716:Yes)、処理を終了する。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、遅延した対象列車の下流の先行列車の補正運転曲線を生成する例として、回送列車の停車駅を変更する場合について説明した。しかしながら、先行列車の補正運転曲線を生成する例を、回送列車の停車駅を変更する場合に制限するものではなく、運転整理により必要に応じて行われるものである。そこで、第2の実施形態では、臨時列車を増発させる場合について説明する。なお、構成については、第1の実施形態と同様として説明を省略する。
図8は、臨時列車を増発させる運転整理を行った場合の、複数の列車の運転曲線を例示した図である。図8に示される例では、A駅周辺で大きな集客イベントがあり、そのイベント終了時に第1の列車〜第4の列車の計画ダイヤの運行に加えて、臨時列車を増発させる運転整理を実施する状況を想定している。
補正部309は、運行管理システム102から受信した運転整理に関する情報に基づいて、臨時列車を増発させた運転整理に従った補正ダイヤによる補正運転曲線を仮設定する。
図8には、第1の列車の計画ダイヤによる運転曲線801と、第2の列車の計画ダイヤによる運転曲線802と、第3の列車の計画ダイヤによる運転曲線803と、第4の列車の計画ダイヤによる運転曲線804の他に、増発された臨時列車用に仮設定された運行ダイヤによる運転曲線805と、が示されている。
図8に示されるように、臨時列車を増発させた運転整理に従った補正運転曲線を仮設定した場合、第1の列車と臨時列車との間の距離が、必要閉そく区間811より短くなる。このように、第1の列車と臨時列車とが過接近することで、閉そく減速が生じ、臨時列車が遅延する可能性がある。一方で、この状況で臨時列車の出発を遅らせたとしても、第2の列車の出発に影響を与える可能性がある。
このような場合に、補正部309は、先行列車である第1の列車について、局所的に速度を上方修正した補正ダイヤによる補正運転曲線を生成する。
図9は、臨時列車を増発させる運転整理を行った場合の、第1の列車について局所的に速度を上方修正した補正ダイヤによる補正運転曲線を例示した図である。図9に示される例では、補正部309は、第1の列車について局所的に速度を上方修正した補正ダイヤによる補正運転曲線901を生成している。
図9に示されるように、補正運転曲線901と、臨時列車の補正ダイヤによる運転曲線805と、では必要閉そく区間911より離れているため、過接近による閉そく減速は生じない。これにより、臨時列車の閉そく減速は発生せず、後続列車の第2の列車の出発に支障を与えず、遅延発生を抑止できる。
上述した実施形態においては、運転整理を容易にするために、先行列車の速度を局所的に上方修正することで、運転整理のための時間的及び空間的な余裕を確保することとした。上述した実施形態においては、先行列車の速度を局所的に上方修正する例として、2つの実施形態を示したが、これらの実施形態に制限するものでなく、運転整理を実施する際に、先行列車と過接近が生じるような状況が生じれば適用できる。
(変形例1)
上述した実施形態以外にも様々な態様が考えられる。そこで変形例1として、遅延が生じた対象列車の上流の複数の列車について、補正ダイヤによる補正運転曲線を生成する例について説明する。
上述した実施形態においては、補正部309は、遅延が生じた対象列車の上流の列車について、補正ダイヤを設定し、当該補正ダイヤに従った補正運転曲線を生成していた。これに対して、本変形例の補正部309は、上流の複数の列車間が接近している場合に、上流の複数の後続列車に対して、補正ダイヤによる補正運転曲線を生成する。当該補正ダイヤは、上流の複数の列車の各々について先行列車に対する保安ブレーキパターン抵触を回避するよう変更されたダイヤとする。
本変形例では、対象列車の上流の複数の後続列車について補正ダイヤによる補正運転曲線を生成することに制限するものではない。対象列車の下流の複数の列車間が接近している場合には、補正部309は、対象列車の下流の複数の先行列車について補正ダイヤによる補正運転曲線を生成する。複数の先行列車について補正ダイヤを生成する際には、当該先行列車の各々が後続列車に追いつかれないように、速度を上方修正することで、後ろの列車への保安ブレーキパターン抵触を回避する運転曲線に補正された補正ダイヤによる補正運転曲線が生成される。
本変形例は、複数の列車について補正運転曲線を生成することで、適切な列車制御を実現できる。さらに、在線列車全体で遅延列車の影響を低減させることができる。
(変形例2)
上述した実施形態においては、図6に示されるように、先行列車の速度を局所的に上昇させる例について説明したが、先行列車と回送列車とが過接近する場合に、先行列車の速度の上昇させる手法のみ制限するものではない。変形例2では、補正部309は、回送列車の補正ダイヤとして、第1の列車に過接近しないような補正ダイヤによる補正運転曲線を生成しても良い。
さらには、これらの補正運転曲線を組み合わせても良い。変形例2の補正部309は、図4〜図6に示されるような状況において、第1の列車について局所的に速度を上昇させた補正ダイヤによる補正運転曲線を生成すると共に、回送列車について局所的に速度を低減させた補正ダイヤによる補正運転曲線を生成する。このように複数の補正運転曲線を組み合わせることで、過接近を抑止すると共に、先行列車(第1の列車)の速度上昇を抑えられるので、省エネルギー化を実現できる。
(変形例3)
第1の実施形態においては、複数の補正運転曲線から、遅れ時間が最小値となる補正運転曲線を選択する場合について説明した。しかしながら、第1の実施形態は、補正運転曲線を自動的に選択する手法に制限するものではなく、管理者(ユーザ)に選択させても良い。そこで、変形例3においては、管理者が補正運転曲線を選択する場合について説明する。
本変形例においては、補正部309は、先行列車、及び後続列車の各々に対して、複数種類の補正ダイヤによる補正運転曲線を生成する。
本変形例においては、地上制御装置101に図示しない操作インターフェースと表示装置とが設けられているものとする。そして、地上制御装置101は、複数種類生成した補正運転曲線毎のシミュレーション結果を表示装置に表示する。
そして、管理者は、複数種類の補正ダイヤのシミュレーション結果から、現在の状況に応じた補正運転曲線を選択する。
送信部310は、選択された補正運転曲線を、列車走行指令情報として車上制御装置151に送信する。本変形例においては、人間が選択することで、現在の状況に応じた補正を行うことができる。
上述した実施形態及び変形例においては、運転整理を行う際に、遅延した対象列車の上流を走行する後続列車だけでなく、遅延した対象列車の下流を走行する先行列車の速度を局所的に上方修正することで、優先順位の高い列車の遅延を低減することができる。
上述した実施形態及び変形例においては、列車運行中に遅延列車が発生した場合、地上制御装置101は、遅延列車の上流を走行する後続列車の運転曲線の補正のみでなく、遅延列車の下流を走行する先行列車の運転曲線の補正まで、範囲を拡大した補正ダイヤを生成する。そして、地上制御装置101は、優先順位の高い列車の遅れの影響が最小となるように運転曲線を補正する。そして、各列車は、当該運転曲線に基づいて運転を行うため、優先順位の高い列車の遅延が小さくすることを実現できる。
上述した実施形態及び変形例においては、地上制御装置101は、車上制御装置151から送信された情報に基づいて、路線上を走行する全列車の位置と速度、加速度などの情報を把握した上で、各列車の運行シミュレーションを行う。これによって、複数列車の走行にともなう列車間の干渉を考慮して列車の遅延を予測できる。
さらに、遅延が生じた対象列車の上流と下流の列車について、運転整理に従ったダイヤの補正を行い、補正したダイヤによる補正運転曲線を各列車に対する列車走行指令情報として送信する。これにより、車上制御装置151は、列車走行指令情報に基づいた自動運転を行うことで、遅延低減の優先順位の高い列車の遅延を最小した列車運行を実現できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…地上システム、101…地上制御装置、102…運行管理システム、103…ATC地上装置、105a〜105d…地上基地局、110…地上ネットワーク、150…車上システム、151…車上制御装置、170a〜170c…列車、180…線路、201…速度検知装置、202…位置検知装置、203…ATC車上装置、251…路線データベース、252…車両データベース、253…情報送信部、254…情報受信部、255…ノッチ情報取得部、256…ATO機能部、301…路線データベース、302…車両データベース、303…制御データベース、305…受信部、306…運転曲線生成部、307…判定部、308…予測部、309…補正部、310…送信部、351…運行ダイヤデータベース、361…受信部、362…送信部。

Claims (8)

  1. 列車に搭載された車上制御装置と、地上に設置された地上制御装置と、で構成された列車運行制御システムにおいて、
    前記地上制御装置は、
    運転整理が行われる場合に、当該運転整理が行われた列車の下流を走行する先行列車の速度を上方修正する運転曲線の補正を行った補正ダイヤ情報を生成する補正部と、
    前記補正ダイヤ情報を、前記車上制御装置に送信する送信部と、を備えた、
    列車運行制御システム。
  2. 前記車上制御装置は、
    前記列車の位置と速度と、を前記地上制御装置に送信する送信部を、備え、
    前記地上制御装置は、
    前記列車の前記位置と前記速度と、を前記車上制御装置から受信する受信部を、さらに、備え、
    前記補正部は、前記列車の前記位置と前記速度とに基づいた路線上における列車の運行が、当該列車の運行ダイヤと比べて遅延したことで、運転整理が行われる場合に、当該遅延が生じた対象列車の上流を走行する後続列車の運行を補正した運転曲線と共に、前記運転整理が行われた列車及び当該対象列車の下流を走行する、前記先行列車の速度を上方修正する運転曲線の補正を行った前記補正ダイヤ情報を生成する、
    請求項1に記載の列車運行制御システム。
  3. 前記列車の走行で遅延が生じた場合に、平常運転を行うまでの運転計画に従って、各列車を走行させるために予め設定された運転整理ダイヤ情報を記憶する記憶部と、
    前記補正部は、前記列車の前記位置と前記速度とに基づいた前記路線上における列車の運行が、当該列車の運行ダイヤと比べて遅延したことで、運転整理が行われる場合に、前記記憶部に記憶された前記運転整理ダイヤ情報に基づいて、前記運転整理が行われる列車の前記補正ダイヤ情報を生成する、
    請求項2に記載の列車運行制御システム。
  4. 前記補正部は、運転整理が行われた回送列車の停車駅を変更したことで、当該回送列車の下流の前記先行列車と当該回送列車と所定の距離より接近する場合に、前記先行列車の速度を上方修正する運転曲線の補正を行った前記補正ダイヤ情報を生成する、
    請求項2又は3に記載の列車運行制御システム。
  5. 前記補正部は、前記対象列車の上流の後続列車の運転曲線の補正と、前記対象列車の下流の先行列車の運転曲線の補正と、を組み合わせる、
    請求項2乃至4のいずれか一つに記載の列車運行制御システム。
  6. 前記補正部は、前記対象列車の上流の複数の後続列車に対して、当該後続列車に先行する列車への保安ブレーキパターン抵触を回避する運転曲線の補正を行った前記補正ダイヤ情報を生成する、
    請求項2乃至5のいずれか一つに記載の列車運行制御システム。
  7. 前記補正部は、前記対象列車の下流の複数の先行列車に対して、当該先行列車に後ろの列車への保安ブレーキパターン抵触を回避する運転曲線の補正を行った前記補正ダイヤ情報を生成する、
    請求項2乃至6のいずれか一つに記載の列車運行制御システム。
  8. 前記補正部は、前記列車毎に複数種類の補正ダイヤ情報を生成し、
    送信部は、前記補正部が生成した複数種類の補正ダイヤ情報から、ユーザにより選択された前記補正ダイヤ情報を、車上制御装置に送信する、
    請求項2乃至7のいずれか一つに記載の列車運行制御システム。
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