JP2018137121A - 電線撚り合わせ機及び撚り合わせ電線の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 省力性・生産性に優れた電線撚り合わせ機5を提供する
【解決手段】 電線撚り合わせ機5は、並列する複数の電線W1・W2の端部を把持して回転可能な、電線の長手方向に対向する二台の主ツイストヘッド50・50´と、各ヘッドを長手方向にスライドさせるスライド機構60・60´を備える。さらに、撚り合わされる電線の端部を外部から受けて、主ツイストヘッド50・50´のクランプ51に渡す受け渡しクランプ70・70´と、該受け渡しクランプ70・70´を、電線の端部を外部から受ける位置と、ツイストヘッド50・50´に電線を渡す位置との間で移動させる受け渡しクランプスライド機構80・80´を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 電線撚り合わせ機5は、並列する複数の電線W1・W2の端部を把持して回転可能な、電線の長手方向に対向する二台の主ツイストヘッド50・50´と、各ヘッドを長手方向にスライドさせるスライド機構60・60´を備える。さらに、撚り合わされる電線の端部を外部から受けて、主ツイストヘッド50・50´のクランプ51に渡す受け渡しクランプ70・70´と、該受け渡しクランプ70・70´を、電線の端部を外部から受ける位置と、ツイストヘッド50・50´に電線を渡す位置との間で移動させる受け渡しクランプスライド機構80・80´を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数本(典型的には2本)の電線を撚り合わせる装置等に関する。特には、電磁ノイズ遮蔽性や信号伝送特性の優れた撚り合わせ電線(ツイストケーブル)を、ほとんど人手を煩わすことなく自動的に製造する装置等に関する。
特許文献1、2及び3には、1台の装置で並列的に2本の端子圧着電線を作製し、続いて、その2本の電線を撚り合わせて撚り合わせ電線を製造する、自動撚り合わせ電線製造装置が開示されている。これらの装置は、途中で人手を介することなく、リール状に巻かれた電線束から撚り合わせ電線を能率良く製造できるという優れた装置である。
本発明は、上記自動撚り合わせ電線製造装置の省力性・生産性を受け継ぎつつ、さらに品質の高い撚り合わせ電線を製造できる装置等を提供することを目的とする。
この「課題を解決するための手段」の項、及び、「特許請求の範囲」においては、添付図各部の参照符号を括弧書きで示すが、これは単に参考のためであって、権利範囲を添付図のものに限定するものではない。なお、参照符号をふった各部は、電線の長手方向両端部(トップ側とテール側)に一対存在するものや、複数の電線W1・W2毎に存在するもの、あるいは、機械の特性から本来一対のものなどがあり、適宜、参照符号に「´」を付して記載してあるが、図中・文中では「´」の表示を省略することもある。
本発明の電線撚り合わせ機(5)は、 複数の電線(W1・W2)を撚り合わせる電線撚り合わせ機であって、 並列する複数本の電線(W1・W2)の端部の各々を把持するクランプ(51)、及び、該クランプの回転機構を具備する、前記電線の長手方向に対向する二台の主ツイストヘッド(50・50´)と、 該主ツイストヘッド(50・50´)を前記長手方向にスライドさせるとともに、前記電線(W1・W2)にかかる張力を調整する主ツイストヘッドスライド機構(60・60´)と、 撚り合わされる電線の端部を外部から受けて、前記主ツイストヘッド(50・50´)の前記クランプ(51)に渡す受け渡しクランプ(70・70´)と、 該受け渡しクランプ(70・70´)を、電線の端部を外部から受ける位置と、前記ツイストヘッド(50・50´)に電線を渡す位置との間で移動させる受け渡しクランプスライド機構(80・80´)と、 装置各部を制御する制御部(120)と、を備え、 前記受け渡しクランプ(70・70´)が、 前記複数の電線(W1・W2)の各々の端部を把持する開閉可能な複数のチャック(711・711´)と、 該複数のチャック(711・711´)を、上に行くほど互いに離れる形態で、斜め上下にスライドさせる斜め上下スライド機構(716、721)と、
を具備することを特徴とする。
を具備することを特徴とする。
撚り合わせる複数の電線W1・W2の間隔は短い方が、電線端に近い位置(圧着端子に近い位置)まで電線を撚れる、すなわち撚り残し寸法が短くなる点で好ましい。ちなみに、後述する実施形態では、二本の電線(W1・W2)すなわちクランプ(51)の軸芯距離は20mmである。しかしながら、チャック711の開閉機構や昇降機構を、この間隔内で実現するのは困難である。そこで、チャック711を斜めに傾けることにより、上部に行くほど隣り合うチャック軸心間の間隔を広くして、チャック開閉機構や昇降機構のためのスペースを確保できる。
上記電線撚り合わせ機(5)においては、さらに、前記チャック(711)を、上下にスライドさせる直上下スライド機構(727、731)を具備することが好ましい。すなわち、主ツイストヘッド(50)のクランプ(51)に複数の電線端部(WC・WI)を渡すときは、電線同士の間隔が一定のまま渡すのが好ましい。そこで、斜め上下スライド機構(716、721)の他に、直上下スライド機構(727、731)を設けることが好ましい。電線同士の間隔が一定に保てれば、直上下スライド機構は、厳密に真っ直ぐ上下するものでなくともよい。
上記電線撚り合わせ機(5)においては、前記受け渡しクランプ(70・70´)が、 前記チャック(711)の電線長手方向中央寄りに配置された、前記複数の電線(W1・W2)に上から被されて該複数の電線相互を離隔させるセンタリング部材(705)をさらに具備することが好ましい。この場合、高速搬送される複数の電線を速やかに揺れ止めして、複数の電線相互の間隔を所定値に離隔させてクランプできるので、電線撚り合わせのタクトタイムが短くなる。
本発明の撚り合わせ電線製造装置は、並列する複数本の電線(W1・W2)を送給する電線送給部(11)と、 該電線のトップの被覆を皮むきするトップ皮むき部(13)と、 皮むきされたトップに処理を施すトップ端処理部(15)と、 処理された前記トップを引き出すトップ引き出し部(17)と、 前記電線を任意の長さに切断する電線切断部(19)と、 切断された前記電線のテールの被覆を皮むきするテール皮むき部(23)と、 皮むきされたテールに処理を施すテール端処理部(25)と、 前記トップ引き出し部(17)から電線トップを受けて排出側に搬送するトップ搬送部(31)と、 電線テールを、前記電線切断部(19)、前記テール皮むき部(23)、及び、前記テール端処理部(25)へ搬送するテール搬送部(21)と、 前記トップ搬送部(31)及び前記テール搬送部(21)から電線を受けて、前記複数本の電線(W1・W2)を撚り合わせる、前記いずれかの電線撚り合わせ機(5)と、 を具備することを特徴とする。
本発明によれば、撚り合わせ電線を、人手による装着等の手間がかからず製造できる装置を提供できる。さらに、この撚り合わせ装置を二線式(複数線式)の端子圧着装置に組み合わせば、電線端処理(皮むき、端子圧着など)に連続して撚り合わせ作業を行うことができるので、撚り合わせ装置への人手による装着等の手間がかからず、タクトタイムの短い撚り合わせ電線製造装置などを提供できる。
W1・W2;電線、T1・T2;端子、
1;撚り合わせ電線製造装置、11;電線送給部、13;トップ皮むき部、
15;トップ端処理部(端子圧着機)、17;トップ引き出し部、171;クランプ
19;電線切断部、21;テール搬送部、23;テール皮むき部、
25;テール端処理部(端子圧着機)、
3;基台、31;トップ搬送部、
35;トップ側移動フレーム、35b;上部部材、35g;上下連結部材、35k;下部部材、
36;ベルト固定ブロック、37;タイミングベルト、38;スライダ、39;レール
5;電線撚り合わせ機、50;主ツイストヘッド、51;クランプセット、510´;クランプ
543;クランプ開閉シリンダ、545;外ハウジング、557;公転モータ、585;自転モータ
60;主ツイストヘッドスライド機構、611;コの字(チャンネル)型ステー、
611b;下端面、611f・m;垂下部、611j;上部板、611k;上面、611r;下端面、
613R;リニアガイドレール、613S;リニアスライダ
615;アングル型ステー、615b;下辺部、615f;下面、615g;上面
615j;立上り辺、615k;側面、
617;スライドステー、617b;端部、617f;下部背面、617j;上下板部、617m;端部、
619R;リニアガイドレール、619S;リニアスライダ、
621;スライド駆動ブロック、621b;垂下部、621f;スライダ連結部、622;カムフォロア、623;スライダ、625;電動シリンダ、625b;モータ部、625g;ボールネジ部
631;プレート、633;シリンダ吊りステー、
70;受け渡しクランプ、
705;センタリング部材、705b;凹部、707;取付プレート、709;ブラケット
711;チャック、711R・L;把持片、711b;先端部、711d;V字溝
713;ホルダー、715;チャック開閉シリンダ、
716;リニアガイド、716R;ガイドレール、716S;スライダ
720;ブラケット、721;斜め上下駆動シリンダ、
727;直上下板、727b;両側部分、727f;切り込み、727h;連結部
731;チャック直上下駆動シリンダ、732;ロッド、741;取付板、
751;横スライドシリンダ、752;シリンダロッド、753;ガイドロッド、
80;受け渡しスライド機構、81;吊り棒、83;リニアスライダ、84;レール
851;モータ、853;ボールナットブロック、855;ボールネジ、
87;ハウジング、89;ケーブルラック、
90;プレツイストヘッド、911;フィンガ(仕切り片)、913b;U溝、925;モータ
100;プレツイストヘッド昇降機構、1011;プレート、1021;ガイド板
1028;ロッド、1029;昇降シリンダ、
110;プレツイストヘッドスライド機構、1101;スライダ、1103;レール、
1105;上部側フレーム、1111;プーリベルト、1113;プーリ、1115;ギアモータ
1117;天井フレーム、120;制御部、
1;撚り合わせ電線製造装置、11;電線送給部、13;トップ皮むき部、
15;トップ端処理部(端子圧着機)、17;トップ引き出し部、171;クランプ
19;電線切断部、21;テール搬送部、23;テール皮むき部、
25;テール端処理部(端子圧着機)、
3;基台、31;トップ搬送部、
35;トップ側移動フレーム、35b;上部部材、35g;上下連結部材、35k;下部部材、
36;ベルト固定ブロック、37;タイミングベルト、38;スライダ、39;レール
5;電線撚り合わせ機、50;主ツイストヘッド、51;クランプセット、510´;クランプ
543;クランプ開閉シリンダ、545;外ハウジング、557;公転モータ、585;自転モータ
60;主ツイストヘッドスライド機構、611;コの字(チャンネル)型ステー、
611b;下端面、611f・m;垂下部、611j;上部板、611k;上面、611r;下端面、
613R;リニアガイドレール、613S;リニアスライダ
615;アングル型ステー、615b;下辺部、615f;下面、615g;上面
615j;立上り辺、615k;側面、
617;スライドステー、617b;端部、617f;下部背面、617j;上下板部、617m;端部、
619R;リニアガイドレール、619S;リニアスライダ、
621;スライド駆動ブロック、621b;垂下部、621f;スライダ連結部、622;カムフォロア、623;スライダ、625;電動シリンダ、625b;モータ部、625g;ボールネジ部
631;プレート、633;シリンダ吊りステー、
70;受け渡しクランプ、
705;センタリング部材、705b;凹部、707;取付プレート、709;ブラケット
711;チャック、711R・L;把持片、711b;先端部、711d;V字溝
713;ホルダー、715;チャック開閉シリンダ、
716;リニアガイド、716R;ガイドレール、716S;スライダ
720;ブラケット、721;斜め上下駆動シリンダ、
727;直上下板、727b;両側部分、727f;切り込み、727h;連結部
731;チャック直上下駆動シリンダ、732;ロッド、741;取付板、
751;横スライドシリンダ、752;シリンダロッド、753;ガイドロッド、
80;受け渡しスライド機構、81;吊り棒、83;リニアスライダ、84;レール
851;モータ、853;ボールナットブロック、855;ボールネジ、
87;ハウジング、89;ケーブルラック、
90;プレツイストヘッド、911;フィンガ(仕切り片)、913b;U溝、925;モータ
100;プレツイストヘッド昇降機構、1011;プレート、1021;ガイド板
1028;ロッド、1029;昇降シリンダ、
110;プレツイストヘッドスライド機構、1101;スライダ、1103;レール、
1105;上部側フレーム、1111;プーリベルト、1113;プーリ、1115;ギアモータ
1117;天井フレーム、120;制御部、
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
撚り合わせ電線製造装置の全体構成
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る撚り合わせ電線製造装置の全体構成を説明する。この実施形態における「撚り合わせ電線(ツイストケーブル)」とは、両端に端子Tを圧着した二本の電線W1・W2を撚り合わせたものである。
撚り合わせ電線製造装置の全体構成
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る撚り合わせ電線製造装置の全体構成を説明する。この実施形態における「撚り合わせ電線(ツイストケーブル)」とは、両端に端子Tを圧着した二本の電線W1・W2を撚り合わせたものである。
方向等の意味
本明細書において、電線切断部19で切断された後に電線リール側に残った電線を「1次側電線」といい、切断された先の電線を「2次側電線」という。各電線の送給方向先端を「トップ」、後端を「テール」という。また、電線送給装置100による電線送給方向、すなわち電線の長手方向を「X方向」ともいう。また、X方向の先側(+側)を「トップ側」といい、後側(−X側)を「テール側」という。また、X方向と直交する、2次側電線が送られる方向を「電線排出方向」又は「Y方向」ともいい、Y方向の元側(−側)を「反排出側」、先側(+側)を「排出側」ともいう。
本明細書において、電線切断部19で切断された後に電線リール側に残った電線を「1次側電線」といい、切断された先の電線を「2次側電線」という。各電線の送給方向先端を「トップ」、後端を「テール」という。また、電線送給装置100による電線送給方向、すなわち電線の長手方向を「X方向」ともいう。また、X方向の先側(+側)を「トップ側」といい、後側(−X側)を「テール側」という。また、X方向と直交する、2次側電線が送られる方向を「電線排出方向」又は「Y方向」ともいい、Y方向の元側(−側)を「反排出側」、先側(+側)を「排出側」ともいう。
撚り合わせ電線製造装置1は、特許第5060657号に開示されている二線式圧着電線製造装置と同様の、以下の各部を備える。
電線送給部11; 同部11は、二本の電線W1・W2を送給するとともに該電線の先端部を挟持する。
トップ皮むき部13; 同部13は、電線の先端部(トップ)の被覆を皮むきする。
トップ端処理部(トップ端子圧着機)15; 同部15は、皮むきされた電線トップに端子を圧着する。なお、端処理は、端子圧着の他に、半田付けなどであってよい。
電線送給部11; 同部11は、二本の電線W1・W2を送給するとともに該電線の先端部を挟持する。
トップ皮むき部13; 同部13は、電線の先端部(トップ)の被覆を皮むきする。
トップ端処理部(トップ端子圧着機)15; 同部15は、皮むきされた電線トップに端子を圧着する。なお、端処理は、端子圧着の他に、半田付けなどであってよい。
電線切断部19; 同部19は、先端に端子が圧着された電線を任意の長さに切断する。
テール搬送部21; 同部21は、切断された電線の後端部(テール)を挟持して図1の上下方向(Y方向)に走行する。テール搬送部21は、一定の電線送り・引き戻し機能を有しており、皮むきや端子圧着に必要な電線X方向送りを行う。
テール皮むき部23; 同部23は、テールの被覆を皮むきする。
テール端処理部(端子圧着機)25; 同部25は、皮むきされたテールに端子を圧着する。
テール搬送部21; 同部21は、切断された電線の後端部(テール)を挟持して図1の上下方向(Y方向)に走行する。テール搬送部21は、一定の電線送り・引き戻し機能を有しており、皮むきや端子圧着に必要な電線X方向送りを行う。
テール皮むき部23; 同部23は、テールの被覆を皮むきする。
テール端処理部(端子圧着機)25; 同部25は、皮むきされたテールに端子を圧着する。
さらに、電線製造装置1は、前述の特許文献2に記載されている撚り合わせ電線製造装置が備えるのと同様の、以下の各部を備える。
トップ引き出し部17; 同部17は、端子が圧着された電線のトップをクランプ171で把持して、任意の長さだけ電線を引き出す。なお、特許文献2の装置のトップ引き出し部には、二本の電線の間隔を狭くする機構が設けられているが、本実施形態の装置では、そのような機構は設けられていない。
トップ搬送部31; 同部31は、電線トップを挟持して図1の上下方向(Y方向)に走行する。なお、トップ搬送部31は、一定のX方向移動機能も有している。
トップ引き出し部17; 同部17は、端子が圧着された電線のトップをクランプ171で把持して、任意の長さだけ電線を引き出す。なお、特許文献2の装置のトップ引き出し部には、二本の電線の間隔を狭くする機構が設けられているが、本実施形態の装置では、そのような機構は設けられていない。
トップ搬送部31; 同部31は、電線トップを挟持して図1の上下方向(Y方向)に走行する。なお、トップ搬送部31は、一定のX方向移動機能も有している。
トップ側移動フレーム35; 同フレーム35は、特許文献の装置とは大きく異なる部分である。同フレーム35は、取り扱う電線の長さ(製品長さ)に応じて、トップ搬送部31や、トップ側主ツイストヘッドスライド機構60、及び、トップ側の受け渡しクランプスライド機構80を、電線長手方向(X方向)に移動させる。
トップ側移動フレーム35は、図1(B)の模式的側面図に示すように、上部部材35bと、下部部材35k、及び、両部材35b・kをつなぐ上下連結部材35gからなる。なお、図1(B)では、上下連結部材35gは、トップ側の端に図示されているが、電線の搬送や、装置各部の動きの障害にならない部位において、上下の部材35b・kをつなぐ柱状の部材(図示されず)も設けられている。
同フレーム35は、下部部材35kにおいて、スライダ38とレール39を介して、基台3上にX方向移動可能に搭載されている。フレーム35は、X方向に、ベルト固定ブロック36とタイミングベルト37により駆動される。トップ搬送部31は、フレーム35の下部部材35k上に搭載されている。トップ側主ツイストヘッドスライド機構60、及び、トップ側の受け渡しクランプスライド機構80は、上部部材35b及び上下連結部材35gに搭載されている。
電線撚り合わせ機5; 撚り合わせ電線製造装置1は、両端端処理された電線W1・W2を、トップ搬送部31及びテール搬送部21から受け取って、電線を撚り合わせる電線撚り合わせ機5を備えるが、これについては、特許文献とは多いに異なるものであり、概要及び詳細を次述する。
まず、本発明の一実施形態に係る電線撚り合わせ機5の概要を、主に図2を参照しつつ説明する。この電線撚り合わせ機5は、二本の電線(W1・W2)を撚り合わせるものであって、以下の主要部を備える。なお、参照符号の「´」を省略することがあるのは、前述のとおりである。
主ツイストヘッド50・50´; 同ヘッドは、並列する複数本の電線W1・W2の各々の端部を把持する一対のクランプセット51・51´、及び、該クランプの回転機構(図3・4・5などを参照して詳細後述)を具備する。電線の長手方向に対向して、二台の主ツイストヘッド50・50´が設けられている。
ツイストヘッドスライド機構60・60´; 上記主ツイストヘッド50・50´を電線長手方向にスライドさせるとともに、電線W1・W2にかかる張力を調整する。
ツイストヘッドスライド機構60・60´; 上記主ツイストヘッド50・50´を電線長手方向にスライドさせるとともに、電線W1・W2にかかる張力を調整する。
プレツイストヘッド90・90´; 二本の電線W1・W2の長手方向中間部分を、電線相互が離隔した状態で保持して回転する。二台のプレツイストヘッド90・90´が、互いに逆回転しながら、電線の長手方向に対向して、中央から端方向に互いに離れるように動いて、電線W1・W2を撚り合わせる。
プレツイストヘッド90を上下方向に移動させる機構100、及び、長手方向に移動させる機構110。
プレツイストヘッド90を上下方向に移動させる機構100、及び、長手方向に移動させる機構110。
受け渡しクランプ70・70´; 電線端部を、トップ搬送部31あるいはテール搬送部21(図1参照)から受け取って、主ツイストヘッド50・50´のクランプ51に渡す。
受け渡しスライド機構80・80´; 受け渡しクランプ70・70´の各々を、トップ搬送部31あるいはテール搬送部21から電線を受け取る位置(プレツイストヘッド90との干渉を避ける位置でもある)と、主ツイストヘッド50・50´に電線を渡す位置との間で移動させる。
装置各部を制御する制御部120。
受け渡しスライド機構80・80´; 受け渡しクランプ70・70´の各々を、トップ搬送部31あるいはテール搬送部21から電線を受け取る位置(プレツイストヘッド90との干渉を避ける位置でもある)と、主ツイストヘッド50・50´に電線を渡す位置との間で移動させる。
装置各部を制御する制御部120。
主ツイストヘッド50
続いて、各部の詳細を説明する。まず、図3〜図8を参照して、主ツイストヘッド50を説明する。二台の主ツイストヘッド50・50´は、向きが異なるだけで同じものであるので、テール側のヘッド50´とトップ側のヘッド50を区別せず説明する。また、図中及び文中での「´」表示を省略することもある。なお、図3〜図8に記入してある方向は、テール側のヘッドについてのものである。
続いて、各部の詳細を説明する。まず、図3〜図8を参照して、主ツイストヘッド50を説明する。二台の主ツイストヘッド50・50´は、向きが異なるだけで同じものであるので、テール側のヘッド50´とトップ側のヘッド50を区別せず説明する。また、図中及び文中での「´」表示を省略することもある。なお、図3〜図8に記入してある方向は、テール側のヘッドについてのものである。
まず、図3を参照して、主ツイストヘッド50の概要を説明する。この主ツイストヘッド50は、以下の各部を具備する。
電線W1・W2を把持する一対のクランプ510・510´(クランプセット51)とその回転軸512。
クランプ開閉機構53;円板533やカムフォロア(転動体)535、クランプ開閉シリンダ543など。
クランプ公転機構55;従動プーリ551や、プーリベルト553、駆動プーリ555、公転モータ557(減速機付き)など。
クランプ自転機構57;自転歯車セット570及び自転モータ585など。
電線W1・W2を把持する一対のクランプ510・510´(クランプセット51)とその回転軸512。
クランプ開閉機構53;円板533やカムフォロア(転動体)535、クランプ開閉シリンダ543など。
クランプ公転機構55;従動プーリ551や、プーリベルト553、駆動プーリ555、公転モータ557(減速機付き)など。
クランプ自転機構57;自転歯車セット570及び自転モータ585など。
主ツイストヘッドスライド機構60
次に、図3・図4を参照しつつ、実施形態の主ツイストヘッド50のスライド機構60を説明する。ツイストヘッドスライド機構60は、電線撚り合わせ中に電線の長さが縮むの合わせて、主ツイストヘッド50を電線長手方向にスライドさせるとともに、電線にかかる張力を調整するものである。なお、撚り合わせ電線の製品長さは、約0.5m〜5mと広い範囲で変わるので、それに合わせて、トップ側の主ツイストヘッド50が位置を大きく変えるが、その製品長さ変更対応の主ツイストヘッド50の動きは、図1(B)に示すトップ側移動フレーム35のX方向移動により行う。
次に、図3・図4を参照しつつ、実施形態の主ツイストヘッド50のスライド機構60を説明する。ツイストヘッドスライド機構60は、電線撚り合わせ中に電線の長さが縮むの合わせて、主ツイストヘッド50を電線長手方向にスライドさせるとともに、電線にかかる張力を調整するものである。なお、撚り合わせ電線の製品長さは、約0.5m〜5mと広い範囲で変わるので、それに合わせて、トップ側の主ツイストヘッド50が位置を大きく変えるが、その製品長さ変更対応の主ツイストヘッド50の動きは、図1(B)に示すトップ側移動フレーム35のX方向移動により行う。
ツイストヘッドスライド機構60は、以下の各部を具備する。
コの字(チャンネル)型ステー611; 同ステー611は、図4に示すように、下向きコの字状であって、自転機構の歯車セットを収容する外ハウジング545を吊っている。コの字型ステー611は、両側の垂下部611f・611mの下端面611b・611rで、外ハウジング545に固定されている。また、コの字型ステー611は、両側の垂下部を繋ぐ上部板611jの上面611kで、次述するアングル型ステー615に連結されている。
アングル型ステー615; 同ステー615は、下辺部615bの下面615fで、上記コの字型ステー611に連結されている。立上り辺615jの側面615kで、次述するスライドステー617に連結されている。
コの字(チャンネル)型ステー611; 同ステー611は、図4に示すように、下向きコの字状であって、自転機構の歯車セットを収容する外ハウジング545を吊っている。コの字型ステー611は、両側の垂下部611f・611mの下端面611b・611rで、外ハウジング545に固定されている。また、コの字型ステー611は、両側の垂下部を繋ぐ上部板611jの上面611kで、次述するアングル型ステー615に連結されている。
アングル型ステー615; 同ステー615は、下辺部615bの下面615fで、上記コの字型ステー611に連結されている。立上り辺615jの側面615kで、次述するスライドステー617に連結されている。
スライドステー617; 同ステー617は、上下に長く延びる帯板状のものであり、上下の各端部617b・617mの排出側端面に、各々のリニアスライダ619S・613Sが固定されている。各スライダ619S・613Sは、電線長手(X)方向に延びるリニアガイドレール619R・613Rに沿って、スライドする。スライドステー617は、その上下板部617jの下部背面617fで、アングル型ステー615に連結されている。結局、各ステー617・615・611とともに、主ツイストヘッド50は、電線長手方向にスライド可能である。なお、リニアガイドレール619R・613Rは、電線撚り合わせ機5の排出側上部に存在する上部側フレーム1105(図8(B)参照)に固定されている。
スライド駆動ブロック621; 同ブロック621は、次述する電動シリンダ625の下方に、アングル型ステー615の下辺部615bの上面615gに垂下するような形で、設けられている。同ブロック621は、柱状の垂下部621bと、その上でY方向に横に張り出すスライダ連結部621fを有する。スライダ連結部621fは、電動シリンダ625のスライダ623の下面に固定されている。なお、垂下部621bの下部とアングル型ステー615との間には、後述の役割をするカムフォロア622が介在している。
電動シリンダ625; 同シリンダ625は、モータ部625bとボールネジ部625gとを有する。ボールネジ部625gの下面には、電線長手方向にスライダするスライダ623が、出ている。このスライダ623とその下のブロック621が、各ステー615・611・617、及び、主ツイストヘッド50を、電線長手方向(X方向)にスライダ駆動する。また、電動シリンダ625は、そのモータ部625bの出力トルクを定量的に制御することにより、スライダ力、すなわち主ツイストヘッド50が電線を引っ張る力(電線の張力)を制御可能である。
電動シリンダ625は、そのボールネジ部625g上面のプレート631を介して、シリンダ吊りステー633で吊られている。シリンダ吊りステー633は、トップ側のものは、図1に示すトップ側移動フレーム35に固定されており、テール側のものは、同じく図1に示す基台3から立ち上がる柱状部材(図示されず)に固定されている。なお、X方向移動するトップ側移動フレーム35の、リニアガイドレール619R・613Rに対するY方向のわずかなズレを吸収するため、前述のカムフォロア622が設けられている。
受け渡しクランプ70・70´
受け渡しクランプ70・70´は、前述のように、複数本の電線(W1・W2)のトップ・テールの各々を、トップ搬送部31・テール搬送部21(図1参照)から受け取り、電線撚り合わせ機5の主ツイストヘッド50・50´のクランプ51に渡すものである。
渡しクランプ70は、以下の各部を具備している。以下、図5〜図7を参照しつつ説明する。
受け渡しクランプ70・70´は、前述のように、複数本の電線(W1・W2)のトップ・テールの各々を、トップ搬送部31・テール搬送部21(図1参照)から受け取り、電線撚り合わせ機5の主ツイストヘッド50・50´のクランプ51に渡すものである。
渡しクランプ70は、以下の各部を具備している。以下、図5〜図7を参照しつつ説明する。
チャック711・711´; 同チャック711は、二本の電線W1・W2の各々を把持するものであり、一台の渡しクランプ70に二組装備されている。各チャック711は、図7に分かり易く示すように、左右一対の把持片711R・Lを有し、両者は互いに離れる開位置(電線を解放する)と、接する閉位置(電線を掴む)を取りうる。把持片711R・Lの先端部711bは、やや幅狭になっているとともに、両把持片の間に電線を案内し易いよう、V字溝711dが存在する形態となっている。
チャック開閉シリンダ715及びホルダー713; 空圧駆動のシリンダ715(図6)は、ホルダー713を介して、チャック711を開閉する。いずれも空圧機器メーカの市販品(平行チャック)を用いることができる。
チャック711等の斜めリニアガイド716; 同ガイド716はスライダ716Sとガイドレール716Rからなり、チャック711及びその開閉機構713・715を斜め上下に案内する。ガイドレール716Rは、後述する直上下板727に固定されている。
チャック711等の斜めリニアガイド716; 同ガイド716はスライダ716Sとガイドレール716Rからなり、チャック711及びその開閉機構713・715を斜め上下に案内する。ガイドレール716Rは、後述する直上下板727に固定されている。
斜め上下駆動シリンダ721; 同シリンダ721は、チャック711の搭載されたスライダ716Sを、斜め上下にスライドさせる。すなわち、チャック711を電線に向けて斜め下にスライドさせたり、把持した電線を主ツイストヘッド50のクランプ510に渡した後に上昇する。斜め上下駆動シリンダ721は、その下部において、ブラケット720によって、直上下板727に固定されている。なお、受け渡しクランプ70の各シリンダ(斜め上下・直上下・横スライド)の一連の動作は、受け渡しスライド機構80などの動作と合わせて後述する。
直上下板727; 同板727は、全体として、倒立した台形の板であり、その両側部分727bの面上に、上述のチャック711やリニアガイド716、斜め上下駆動シリンダ721が搭載されている。直上下板727の上中央部には、長方形の切り込み727fが入れられており、その底部に、チャック直上下駆動シリンダ731のロッド732が連結される連結部727hが形成されている。
直上下駆動シリンダ731; 同シリンダ731は、まっすぐ上下方向に、直上下板727、並びに、斜め上下駆動シリンダ721とチャック711全体を昇降するものである。また、後述する電線センタリング部材705も昇降する。直上下駆動シリンダ731は、取付板741に取り付けられており、同取付板741は、次述する横スライドシリンダ751によって、Y方向に横スライドする。取付板741には、前述の直上下板727の上下スライドを案内するリニアガイド(図示されず)も取り付けられている。
横スライドシリンダ751; 同シリンダ751からは、上下二本のガイドロッド753と、その中央のシリンダロッド752が、排出側に延び出ている。それらのロッドの先端は、上記の直上下駆動シリンダ731の取付板741に固定されている。横スライドシリンダ751、及び、受け渡しクランプ70全体は、後述する受け渡しスライド機構80の吊り棒81に吊下げられて、X方向(電線長手方向)の少し斜め方向にスライドする。
電線センタリング部材705; 同部材705は、図7に示すように、電線長手方向垂直断面視で、下開きのM字状の部材であり、図5に示すように、電線長手方向に相当長く延びている。センタリング部材705は、電線W1・W2に上から被されると、そのM字の上側の二箇所の凹部705bの夫々に、各電線W1・W2を招き入れて、電線W1・W2をY方向に揺れ止めするとともに、二本の電線W1・W2相互のY方向間隔を離隔させる(本実施形態の場合は、正規間隔である電線中心軸間隔20mmとする)。図7では、受け渡しクランプ70が電線を受け取る際に、直上下駆動シリンダ731が下がって、センタリング部材705が電線W1・W2に被さって電線をセンタリングしたところである。この後、斜め上下駆動シリンダ721(図6)が動いて、図の想像線のように開いたチャック711が、電線に向かって斜め下に動き、電線W1・W2をくわえ、最後にチャック711が閉じて電線を把持する。なお、センタリング部材705が電線長手方向に相当長く延びている理由は、極力電線の長い範囲を振れ止めして、様々な波長の電線振動を止めるためである。
センタリング部材705は、図5にも、見られるように、断面台形の取付プレート707、及び、側面視でL字帯板状のブラケット709を介して、直上下板727に固定されている。電線長手方向でいうと、センタリング部材705は、チャック711の反端子側(電線W1・W2の長手方向中央寄り)に配置されている。受け渡しクランプ70が電線W1・W2を受け取るときは、トップ・テール搬送部31・21(図1)が端子T近くの電線を把持して排出側に搬送してきて停止した直後であり、電線は横揺れしている状態であるが、センタリング部材705により、揺れが止まって二本の電線W1・W2相互のY方向間隔を離隔させ、チャック711の差込みが電線からずれることがない。
また、受け渡しクランプ70が電線W1・W2を主ツイストヘッド50に渡すときも、チャック711の電線長手方向中央側の部分で、センタリング部材705により電線の揺れが抑止されている結果、チャック711の反対側の電線先端部・端子Tの揺れも少なくなり、安定的に電線・端子を主ツイストヘッド50のクランプ510に渡すことができる。
受け渡しクランプスライド機構80
図5に示すように、受け渡しクランプ(ユニット)70を吊った吊り棒81を、電線長手方向のやや斜めに大きくスライドさせる機構であり、以下の各部を具備する。なお、同スライド機構80が、電線長手方向でかつ反排出側の斜め方向にスライドさせるものであるため、XY移動機構よりも、コンパクトな機構で長く動かすことができる。
図5に示すように、受け渡しクランプ(ユニット)70を吊った吊り棒81を、電線長手方向のやや斜めに大きくスライドさせる機構であり、以下の各部を具備する。なお、同スライド機構80が、電線長手方向でかつ反排出側の斜め方向にスライドさせるものであるため、XY移動機構よりも、コンパクトな機構で長く動かすことができる。
ハウジング87; 同ハウジング87は、ややY方向に傾いたX方向に長く延びる枠状の部材であり、ボールネジ855やリニアガイドレール84などを保持している。このハウジング87は、トップ側のものは、図1に示すトップ側移動フレーム35に固定されており、テール側のものは、同じく図1に示す基台3から立ち上がる柱状部材(図示されず)に固定されている。
ケーブルラック89; 同ラック89は、受け渡しスライド機構80のハウジング87の反排出側に沿うように配置されている。受け渡し機構(ユニット)70の各シリンダへのエアー配管や、センサの配線を伸縮自在に搭載している。
ケーブルラック89; 同ラック89は、受け渡しスライド機構80のハウジング87の反排出側に沿うように配置されている。受け渡し機構(ユニット)70の各シリンダへのエアー配管や、センサの配線を伸縮自在に搭載している。
リニアスライダ83・レール84; レール84は、ハウジング87の長手方向に延びている。スライダ83は、レール84に沿ってスライドする。同スライダ83の下面には、吊り棒81の上端が固定されている。なお、レール84や、次述するボールネジ855は、ハウジング87の上下に広がる側面に取り付けることもできる。
ボールナットブロック853・ボールネジ855・モータ851; ボールネジ855は、ハウジング87の長手方向に延びており、モータ851によって回転駆動される。ボールナットブロック853は、ボールネジ855の回転に応じて同ネジの長手方向に移動し、スライダ83をスライドさせる。
ボールナットブロック853・ボールネジ855・モータ851; ボールネジ855は、ハウジング87の長手方向に延びており、モータ851によって回転駆動される。ボールナットブロック853は、ボールネジ855の回転に応じて同ネジの長手方向に移動し、スライダ83をスライドさせる。
プレツイストヘッド90・90´
プレツイストヘッド90・90´は、図2に示すように、二本の電線W1・W2の長手方向の中間部分を、電線相互が離隔した状態で保持して回転する。二台のプレツイストヘッド90・90´が、電線の長手方向に対向して、電線の中央から端方向に、互いに逆回転しながら、離れるように動いて、電線W1・W2を撚り合わせる。
プレツイストヘッド90・90´は、図2に示すように、二本の電線W1・W2の長手方向の中間部分を、電線相互が離隔した状態で保持して回転する。二台のプレツイストヘッド90・90´が、電線の長手方向に対向して、電線の中央から端方向に、互いに逆回転しながら、離れるように動いて、電線W1・W2を撚り合わせる。
図8は、実施形態のプレツイストヘッド90、その昇降機構及びスライド機構110を示す図であって、(A)は全体の斜視図、(B)はスライド機構110の模式的正面図である。
プレツイストヘッド90を上下方向に移動させる機構100及びスライド機構110
同機構100は、図8(A)に示すように、ヘッドを吊るプレート1011と、同プレート1011を昇降案内するガイド板1021と、前記プレート1011を昇降させるシリンダ1029を具備する。
同機構100は、図8(A)に示すように、ヘッドを吊るプレート1011と、同プレート1011を昇降案内するガイド板1021と、前記プレート1011を昇降させるシリンダ1029を具備する。
プレツイストヘッド90のスライド機構110は、図8(B)に示すように、昇降シリンダ1029を吊るとともに、電線長手方向(X方向)にガイドする、リニアスライダ1101及びレール1103を具備する。レール1103は、図1に示す基台3から立上るように設けられた上部側フレーム1105に固定されており、電線長手方向(X方向)に長く延びている。
また、スライド機構110は、昇降シリンダ1029を電線長手方向に移動させる、プーリベルト1111を具備する。プーリベルト1111は、端部が昇降シリンダ1029に固定されており、電線長手方向に長く延びるループ状に配設されている。プーリベルト1111は、電線長手方向端部に配置されているプーリ1113及びギアモータ1115により駆動される。ギアモータ1115は、図1に示す基台3から立上るように設けられた天井フレーム1117に固定されている。
撚り合わせ電線製造装置の電線搬送動作
次に、撚り合わせ電線製造装置の電線搬送動作を説明する。図9は、撚り合わせ電線の製造装置の全体動作のフローチャートである。図1も参照しつつ説明する。
次に、撚り合わせ電線製造装置の電線搬送動作を説明する。図9は、撚り合わせ電線の製造装置の全体動作のフローチャートである。図1も参照しつつ説明する。
二本の電線W1・W2は、Y0位置において、長く巻いたリール(図示されず)として供給される。そのリールから巻き解した、並列する複数本の電線W1・W2が、所定長さだけ電線送給部11により送給される。そして、先行する一次側電線のテールと、後行する二次側電線のトップの間が、電線切断部21において切断される(S1)。次に、二次側電線は電線送給部11により−Y方向にY1位置まで送られて、トップ皮むき部13において、電線のトップ部の被覆が、皮むきされる(S2)。
皮むきされた電線トップ部は、さらに−Y方向にY2位置まで送られて、トップ端処理部(端子圧着機)15において、端子圧着される(S3)。その後、端処理された電線トップ部は、Y0位置まで戻され、トップ引き出し部17によって+X方向に所定長さだけ引き出される(S4)。そこで、電線のテール位置が切断される(S4)。引き出されたトップは、その後、トップ搬送部31によって、電線撚り合わせ機5の受け渡しクランプ70への受け渡し位置へと搬送される(S10)。
電線テールは、テール搬送部21(図1)によって、テール皮むき部23に運ばれ、テール皮むきされる(S6)。なお、テール搬送部21は、一定の電線送り・引き戻し機能を有しており、皮むきに必要な電線X方向送りを行う。次いで、さらに+Y方向にY4位置まで送られて、テール端処理部(端子圧着機)25において、端子圧着される(S7)。その後、電線テールは、テール搬送部21によって、電線撚り合わせ機5の受け渡しクランプ70´への受け渡し位置へと送られる。
図2も参照しつつ説明する。
続いて、トップ・テールの各搬送部31・21から撚り合わせ機5の受け渡しクランプ70に電線端部を渡し(S11)、さらに、受け渡しクランプ70から主ツイストヘッド50のクランプセット51に渡す(S12)。この受け渡しの詳細動作については、図10を参照しつつ後述する。トップ・テールの主ツイストヘッド50・50´の間に電線W1・W2が配設されたのち、プレツイストヘッド90の図2に示すU溝913b内の、フィンガ911の両側に電線W1・W2を入れる(S13)。その後、電線撚り合わせ機5が二本の電線を撚り合わせる。
続いて、トップ・テールの各搬送部31・21から撚り合わせ機5の受け渡しクランプ70に電線端部を渡し(S11)、さらに、受け渡しクランプ70から主ツイストヘッド50のクランプセット51に渡す(S12)。この受け渡しの詳細動作については、図10を参照しつつ後述する。トップ・テールの主ツイストヘッド50・50´の間に電線W1・W2が配設されたのち、プレツイストヘッド90の図2に示すU溝913b内の、フィンガ911の両側に電線W1・W2を入れる(S13)。その後、電線撚り合わせ機5が二本の電線を撚り合わせる。
次に、図10、図2及び図5〜7を参照しつつ、電線テール・トップ受け渡しクランプ70の動作の詳細を説明する。図10において、「直」は「直上下駆動シリンダ731」の略称であり、「斜め」は、「斜め上下駆動シリンダ721」の略称である。また、「横」は「横スライドシリンダ751」の略称であり、「受け渡しスライド」は「受け渡しクランプスライド機構80」の略称である。
まず、受け渡しクランプ70が、トップ搬送部31・テール搬送部21から電線を受け取る直前の時点で、同クランプ70は、直上下駆動シリンダ731及び斜め上下駆動シリンダ721ともに上昇限にあり、横スライドシリンダ751は反排出側限にある(S21)。そして、受け渡しスライド機構80は、テール側かつ反排出側の退避した位置(主ツイストヘッド50から離れた側)にある。いずれの位置も、プレツイストヘッド90及びそのスライド機構100・110との干渉を避ける位置である。また、XY方向の受け渡しクランプ70の位置は、トップ搬送部31・テール搬送部21の各々から、電線のトップ又はテールをクランプ70が受け取る位置である。このとき、チャック711は開位置となっている。
そこから、まず直上下駆動シリンダ731が下降し、センタリング部材705を電線W1・W2の上に被せて電線の揺れを止めるとともにセンタリングする(S22)。続いて、斜め上下駆動シリンダ721が下降して(S23)、チャック711で電線を挟み、チャック711を閉じて、電線を把持する(S24)。なお、直上下駆動シリンダ731の動作と、斜め上下駆動シリンダ721の動作は、時間的に重なっていてもよい。次いで、トップ搬送部31・テール搬送部21が電線を開放し、直上下駆動シリンダ731が上昇する(S25)。これにて、受け渡しクランプ70が電線を受け取ることになる。このとき、斜め上下駆動シリンダ721は、下がったままであり、両電線W1・W2の軸芯間隔は、20mmのままである。
次に、受け渡しスライド機構80が、トップ側かつ排出側にスライドして、主ツイストヘッド50に近寄った位置に進出する(S26)。続いて(同時にでもよい)、横スライドシリンダ751が排出側に動いて、受け渡しクランプ70を、主ツイストヘッド50に近接して電線を渡す平面位置に進出させる(S27)。次に、直上下駆動シリンダ731が下降し(S28)、主ツイストヘッド50のクランプ510に電線を渡し、チャック711を開く(S29)。続いて、直上下駆動シリンダ731及び斜め上下駆動シリンダ721が上昇する(S30)。続いて、横スライドシリンダ751が反排出側にスライドし(S31)、受け渡しスライド機構80が斜め(テール側かつ反排出側)に動いて、受け渡しクランプ70を主ツイストヘッド50から退避させる(S32)。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。なお、本発明の撚り合わせ装置は、狭義の電線以外のワイヤ・ケーブル・光ファイバーなどの複数の線を撚り合わせるのにも用いることができる。その場合、「電線」という文言は、単に「線」という意味に解釈されるものである。
Claims (8)
- 複数の電線(W1・W2)を撚り合わせる電線撚り合わせ機であって、
並列する複数本の電線(W1・W2)の端部の各々を把持するクランプ(51)、及び、該クランプの回転機構を具備する、前記電線の長手方向に対向する二台の主ツイストヘッド(50・50´)と、
該主ツイストヘッド(50・50´)を前記長手方向にスライドさせるとともに、前記電線(W1・W2)にかかる張力を調整する主ツイストヘッドスライド機構(60・60´)と、
撚り合わされる電線の端部を外部から受けて、前記主ツイストヘッド(50・50´)の前記クランプ(51)に渡す受け渡しクランプ(70・70´)と、
該受け渡しクランプ(70・70´)を、電線の端部を外部から受ける位置と、前記ツイストヘッド(50・50´)に電線を渡す位置との間で移動させる受け渡しクランプスライド機構(80・80´)と、
装置各部を制御する制御部(120)と、
を備える電線撚り合わせ機(5)であって、
前記受け渡しクランプ(70・70´)が、
前記複数の電線(W1・W2)の各々の端部を把持する開閉可能な複数のチャック(711・711´)と、
該複数のチャック(711・711´)を、上に行くほど互いに離れる形態で、斜め上下にスライドさせる斜め上下スライド機構(716、721)と、
を具備することを特徴とする電線撚り合わせ機(5)。 - さらに、前記チャック(711)を、上下にスライドさせる直上下スライド機構(727、731)を具備することを特徴とする請求項1記載の電線撚り合わせ機(5)。
- 前記受け渡しクランプ(70・70´)が、
前記チャック(711)の電線長手方向中央寄りに配置された、前記複数の電線(W1・W2)に上から被されて該複数の電線相互を離隔させるセンタリング部材(705)をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の電線撚り合わせ機(5)。 - 前記電線センタリング部材(705)が、前記直上下スライド機構(727、731)によって昇降されることを特徴とする請求項3記載の電線撚り合わせ機(5)。
- 前記電線センタリング部材(705)が、複数の下開き逆V字状の凹部(705b)を有し、
前記部材(705)が電線(W1・W2)に被せられたときに、各々の前記凹部(705b)に前記電線の各々を収容して二本の電線W1・W2相互のY方向間隔を離隔させることを特徴とする請求項3又は4に記載の電線撚り合わせ機(5)。 - 前記受け渡しクランプ(70・70´)が、
前記チャック(711)を電線排出方向に横スライドさせる横スライド機構(751)をさらに具備することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の電線撚り合わせ機(5)。 - 前記受け渡しクランプスライド機構(80)が、前記受け渡しクランプ(70・70´)を吊り下げて、電線長手方向かつ反排出側の斜め方向にスライドさせるものであることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の電線撚り合わせ機(5)。
- 並列する複数本の電線(W1・W2)を送給する電線送給部(11)と、
該電線のトップの被覆を皮むきするトップ皮むき部(13)と、
皮むきされたトップに処理を施すトップ端処理部(15)と、
処理された前記トップを引き出すトップ引き出し部(17)と、
前記電線を任意の長さに切断する電線切断部(19)と、
切断された前記電線のテールの被覆を皮むきするテール皮むき部(23)と、
皮むきされたテールに処理を施すテール端処理部(25)と、
前記トップ引き出し部(17)から電線トップを受けて排出側に搬送するトップ搬送部(31)と、
電線テールを、前記電線切断部(19)、前記テール皮むき部(23)、及び、前記テール端処理部(25)へ搬送するテール搬送部(21)と、
前記トップ搬送部(31)及び前記テール搬送部(21)から電線を受けて、前記複数本の電線(W1・W2)を撚り合わせる、請求項1〜7いずれか1項に記載の電線撚り合わせ機(5)と、
を具備することを特徴とする撚り合わせ電線製造装置(1)。
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JP2017030590A JP2018137121A (ja) | 2017-02-22 | 2017-02-22 | 電線撚り合わせ機及び撚り合わせ電線の製造装置 |
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CN110391054A (zh) * | 2019-06-24 | 2019-10-29 | 江苏欣宏泰机电有限公司 | 一种分电机管式绞线机 |
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2017
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CN109036716A (zh) * | 2018-09-17 | 2018-12-18 | 鹤壁海昌专用设备有限公司 | 一种扶线机构 |
CN109036716B (zh) * | 2018-09-17 | 2024-04-26 | 鹤壁海昌智能科技股份有限公司 | 一种扶线机构 |
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