JP2018137028A - ホログラム記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
Description
再生可能な条件は、図5(b)に示すように、信号光の波数ベクトルks、参照光の波数ベクトルkrおよびホログラムの波数ベクトル(格子ベクトル)kgがブラッグの回折条件を満たす場合である。記録媒体10をシフトさせると、図5(c)に示すように、波数ベクトルの関係がブラッグの回折条件から外れ、ホログラムHの再生が不可となる。
ここに、図5(b)は、図5(a)において一点破線で囲んだ領域αにおける、信号光の波数ベクトルksと参照光の波数ベクトルkrとホログラムの波数ベクトル(格子ベクトル)kgとの関係を示す説明図である。また、図5(c)は、図5(a)において破線で囲んだ領域βにおける、信号光の波数ベクトルksと参照光の波数ベクトルkrとホログラムの波数ベクトル(格子ベクトル)kgとの関係を示す説明図である。
しかしながら、記録媒体を移動させるメカ機構のスピードによって、ホログラムの記録再生時のデータ転送速度が制限されるため、高速アクセスを阻害し、メモリ装置としての高速アクセス性能を大幅に制限することになる、という問題がある。具体的には、通常のメカ機構によるストップアンドゴーの動作においては、例えば100ms程度の静止時間が必要となり、1秒間に記録再生することのできるホログラムは10個程度となる。
しかしながら、このようなシフト多重記録方式においては、信号光と参照光を記録媒体に照射する光学系が別々に構成されている場合(二光束干渉方式)には、光学系の調整が複雑となり、その調整誤差による信頼性の劣化が生じやすい。そのため、信号光と参照光を同一の集光用対物レンズに入射させることが望ましいことになる。
記録再生光源と、当該記録再生光源からの光を信号光用の光と参照光用の光とに分割する光分離手段と、当該信号光用の光を変調してデータ情報を担持した信号光を生成する空間光変調器と、当該信号光を記録媒体に集光して照射すると共に前記参照光用の光を球面波に変換して参照光として記録媒体に照射する一の集光用対物レンズと、当該集光用対物レンズに対する参照光用の光の入射方向を変更して記録媒体における参照光の照射領域の位置を信号光の照射領域の位置に対して一方向に微小変位させる参照光照射位置変位手段と、記録媒体に記録されたホログラムの再生光を結像レンズを介して受光する撮像素子とを備えており、
前記参照光照射位置変位手段から前記集光用対物レンズを介して記録媒体に至る光学系がfθ特性を有しており、
前記集光用対物レンズから前記記録媒体に記録されたホログラムを介して前記撮像素子に至る光学系が略無収差であることを特徴とする。
あるいは、前記集光用対物レンズと前記結像レンズとによって収差補正が行われる収差補正光学系が構成されていてもよい。
集光用対物レンズ40は、複数枚例えば2〜4枚のレンズ素子が所定の機能が得られるよう組み合わせられてなるものである。
集光用対物レンズ40と結像レンズ52との組み合わせによって収差補正光学系が構成される場合には、無収差レンズに比してレンズ素子の枚数の少ないレンズによって集光用対物レンズ40および結像レンズ52の各々を構成することができるようになるため、コスト的に有利に製造することができる。
球面参照光Lrの半値幅は、信号光Lsの半値幅の例えば1.5〜2.0倍の大きさであることが好ましい。
この例における参照光照射位置変位手段45は、例えば走査型のミラーデバイスにより構成されている。ミラーデバイスは、適宜の駆動手段によって、記録媒体10に対する信号光Lsの光軸および球面参照光Lrの光軸を含む平面に垂直な方向に延びる回転軸Cを中心として回転されることによりミラー角度が調整される。
図3は、本発明のホログラム記録再生装置における球面参照光シフト多重記録の概要を示す説明図である。
本発明のホログラム記録再生装置においては、先ず、図3(a)に示すように、信号光と、参照光照射位置変位手段を構成するミラーデバイスのミラー角度が基準となるミラー角度に設定された状態で照射される球面参照光とを干渉させることにより得られる干渉縞がホログラムとして記録される。図3(a)において、Asは信号光の照射領域であり、Arは球面参照光の照射領域である。その後、信号光の照射領域Asの位置が固定された状態において、参照光照射位置変位手段45を構成するミラーデバイスが所定角度回転されることにより参照光用の光の参照光集光用対物レンズ40に対する入射方向が変更される。これにより、図3(b)に示すように、記録媒体における球面参照光の照射領域Arの位置が、参照光照射位置変位手段45によって、信号光の照射領域Asの位置に対して相対的に微小変位され、この状態において、新たなホログラムがその記録領域の一部が既に記録されたホログラムの記録領域と重なる状態で記録される。このとき、球面参照光Lrの記録媒体10に対する入射角度は、既に記録されたホログラムの記録時における球面参照光の入射角度と同じである。
ここに、一のホログラムは、平面視で略円形状であって、そのサイズは、例えば直径が500μmである。球面参照光の照射領域Asの位置のシフト量dは、例えば10μm程度である。
従って、記録媒体における信号光の照射領域の位置を、移動機構によって相対的にシフト(移動)させた状態において、参照光照射位置変位手段による球面参照光の照射領域の位置を微小変位させることにより球面参照光シフト多重記録が行われる。
このホログラム記録再生装置は、データ情報を担持した信号光および球面参照光を記録媒体10に照射する光学機構と、記録媒体駆動機構と、記録媒体10に記録されたホログラムに球面参照光が照射されることにより当該ホログラムから発せられる再生光(回折光)Lgを検出する再生光検出光学系とを備えている。このホログラム記録再生装置においては、記録媒体10として例えば透過型のディスク状のものが用いられる。
記録再生光源21と光分離手段22との間におけるレーザ光の光路上には、シャッタ23、偏光板24およびビーム整形用レンズ25が配置されている。
30は、ビームエクスパンダ31を介して入射される信号光用の光を反射して空間光変調器32に入射させると共に空間光変調器32から出射された光を透過する偏光プリズムビームスプリッタである。また、33は、空間光変調器32によって変調された光をナイキストフィルタ34を介して位相板35に入射させるためのリレーレンズである。
この球面参照光照射光学系においては、アフォーカルレンズ46と集光用対物レンズ40との組み合わせによってfθ特性を有するfθ光学系が構成されている。
このホログラム記録再生装置においては、例えば、集光用対物レンズ40と結像レンズ52との組み合わせによって収差補正光学系が構成されている。上述したように、集光用対物レンズ40および結像レンズ52として無収差レンズを用いることによりホログラムからの再生光が略無収差となる状態で撮像素子51に結像されるよう構成されていてもよい。
また、記録媒体10がその表面に沿って一方向に移動されることにより信号光Lsの照射領域の位置および球面参照光Lrの照射領域の位置と記録媒体10との相対位置が調整された状態において、参照光照射位置変位手段45によって球面参照光Lrの照射領域の位置を微小変位させることによる球面参照光シフト多重記録が行われることにより、複数のシフト多重ホログラム列が記録領域の一部が互いに重なる状態で一方向に並ぶよう記録される。
然るに、上記のホログラム記録再生装置においては、信号光Lsおよび球面参照光Lrを記録媒体10に照射する集光用対物レンズ40が共有化されたものであって、アフォーカルレンズ46と集光用対物レンズ40とによって構成される光学系がfθ特性を有し、例えば集光用対物レンズ40と結像レンズ52とによって収差補正光学系が構成されている。このため、信号光Lsおよび球面参照光Lrの到達点を厳密に制御することができると共に、記録媒体10における球面参照光Lrの照射位置の、信号光Lsの照射位置に対する相対位置の制御を確実に行うことができて、高い信頼性を得ることができる。また、集光用対物レンズ40および結像レンズ52を構成するレンズ素子の枚数を低減することができ、光学的調整が煩雑になることを回避することができて所期の性能を有する光学系をコスト的にも有利に形成することができるようになる。
例えば参照光照射位置変位手段として、走査型のミラーデバイスに代えて音響光学素子が用いられていてもよい。音響光学素子としては、光学媒体の中に超音波を発生させて、進行するレーザ光を回折させる音響光学偏向器(AOD;Acousto−Optic Deflector)を用いることができる。音響光学偏向器にあっては、駆動用入力信号の周波数に応じて参照光用の光の回折度合いを変更することにより参照光用の光の角度変調を行うことができる。すなわち、音響光学偏向器は機械的可動部を有さないため、音響光学偏向器よりなる参照光照射位置変位手段を備えたホログラム記録再生装置によれば、記録再生の更なる高速化を実現することができる。また、機械的可動部の経時的な劣化による位置精度の低下といった問題が生ずることがないので、所期の性能を長期間の間にわたって安定的に得ることができる。
21 記録再生光源
22 光分離手段
23 シャッタ
24 偏光板
25 ビーム整形用レンズ
30 偏光プリズムビームスプリッタ
31 ビームエクスパンダ
32 空間光変調器(SLM)
33 リレーレンズ
34 ナイキストフィルタ
35 位相板
40 集光用対物レンズ
41 NDフィルタ
42 半波長板(λ/2波長板)
45 参照光照射位置変位手段
46 アフォーカルレンズ
48 反射ミラー
51 撮像素子
52 結像レンズ
As 信号光の照射領域
Ar 球面参照光の照射領域
C 回転軸
H ホログラム
Ir 球面参照光の照射強度分布
Is 信号光の照射強度分布
Lg 再生光
Lr 球面参照光
Ls 信号光
Claims (4)
- データ情報を担持した信号光と球面参照光とを干渉させることにより形成されるホログラムをシフト多重方式によって記録媒体に多重記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生装置において、
記録再生光源と、当該記録再生光源からの光を信号光用の光と参照光用の光とに分割する光分離手段と、当該信号光用の光を変調してデータ情報を担持した信号光を生成する空間光変調器と、当該信号光を記録媒体に集光して照射すると共に前記参照光用の光を球面波に変換して参照光として記録媒体に照射する一の集光用対物レンズと、当該集光用対物レンズに対する参照光用の光の入射方向を変更して記録媒体における参照光の照射領域の位置を信号光の照射領域の位置に対して一方向に微小変位させる参照光照射位置変位手段と、記録媒体に記録されたホログラムの再生光を結像レンズを介して受光する撮像素子とを備えており、
前記参照光照射位置変位手段から前記集光用対物レンズを介して記録媒体に至る光学系がfθ特性を有しており、
前記集光用対物レンズから前記記録媒体に記録されたホログラムを介して前記撮像素子に至る光学系が略無収差であることを特徴とするホログラム記録再生装置。 - 前記集光用対物レンズおよび前記結像レンズが無収差レンズよりなることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録再生装置。
- 前記集光用対物レンズと前記結像レンズとによって収差補正が行われる収差補正光学系が構成されていることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録再生装置。
- 前記参照光照射位置変位手段と前記集光用対物レンズとの間に、アフォーカルレンズを備えており、当該アフォーカルレンズと当該集光用対物レンズとによってfθ特性を有するfθ光学系が構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のホログラム記録再生装置。
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