JP2018136863A - 異常検知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】主軸の回転振れを検知する異常検知システムを提供する。【解決手段】複数の振動発電装置5Aは、軸受装置の外周面に主軸101の周方向に沿って配置される。振動発電装置5Aは、主軸101の回転時に生じる振動で発電するように構成された振動発電素子を含んでおり、該振動発電素子の発電量を示す発電量情報を処理装置7に送信する。処理装置7は、複数の振動発電装置5Aの発電量の違いに基づいて、主軸101の回転振れを検知する。【選択図】図1

Description

この発明は、異常検知システムに関し、特に、主軸の回転振れを検知する異常検知システムに関する。
従来、工作機械などに使用される軸受装置において、その異常を検知するシステムが知られている。たとえば、特開2004−126852号公報(特許文献1)には、軸受装置に振動センサおよび温度センサを配置し、これらのセンサにより軸受装置の振動及び温度を検出し、該検出値に基づいて、該軸受装置における異常を診断するワイヤレスセンサ付き転動装置が開示されている。
特開2004−126852号公報
特許文献1に開示されたワイヤレスセンサ付き転動装置では、振動または温度の検出値が所定の閾値より大きい場合、軸受装置に何らかの異常(たとえば、軸受の外輪異常、内輪異常、玉異常、歯車劣化等)が発生しているとみなし、警告音を発するように構成されている。しかしながら、特許文献1の構成では、その異常の具体的な態様までは検知できないという問題がある。そのため、異常が発生した後、異常原因の特定に時間を要し、保守交換作業が長期化する可能性がある。
一方、工作機械の加工精度を維持するためには、負荷運転状態での高速回転中における主軸の回転精度(以下、動的回転精度とも称する。)の維持が必要である。動的回転精度を維持するためには、高速回転中の主軸の回転振れを検知することが必要となっている。
一般的に、主軸の回転精度は、テストインジケータなどの接触式変位計を用いて測定することができる。しかしながら、この測定では、無負荷運転状態で主軸を静止または低速で回転させたときの主軸の回転精度(以下、静的回転精度とも称する。)を把握することができるが、実際の微細加工において重要となる、主軸の動的回転精度をリアルタイムで把握することが難しいという問題がある。
なお、渦電流式変位センサを用いて主軸の動的回転精度を測定する手法もあるが、変位センサの配線、および変位センサの出力を受ける測定器の取付けなどを考慮する必要が生じるため、工作機械が設置される環境によっては変位センサの設置が難しいという問題がある。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、簡易な構成で、主軸の動的な回転振れを検知することができる異常検知システムを提供することである。
この発明のある局面に従えば、異常検知システムは、複数の振動発電装置と、複数の振動発電装置と通信可能な処理装置とを備える。複数の振動発電装置は、主軸を回転自在に支持する軸受装置の外周面上に、主軸の周方向に沿って配置される。複数の振動発電装置の各々は、主軸の回転時に生じる振動で発電するように構成された振動発電素子を含み、かつ、振動発電素子の発電量を示す発電量情報を処理装置に送信するように構成される。処理装置は、複数の振動発電装置の発電量の違いに基づいて、主軸の回転振れを検知するように構成される。
この発明によれば、簡易な構成で、主軸の動的な回転振れを検知することができる異常検知システムを提供することができる。
実施の形態1に従う軸受装置および異常検知システムの構成を示す断面図である。 実施の形態1に従うアンギュラ軸受の構成を示す断面図である。 実施の形態1に従う円筒ころ軸受の構成を示す断面図である。 主軸の偏心を説明する図である。 軸受装置の負荷域を説明する図である。 実施の形態1に従う振動発電装置の取付け位置を示す図である。 実施の形態1に従う振動発電装置の構成を示す図である。 実施の形態1に従う異常検知システムの別の構成を示す断面図である。 実施の形態1に従う振動発電装置の発電量情報の処理を示すフローチャートである。 実施の形態1に従う振動発電装置および振動発電素子の取付け位置の一例を示す図である。 実施の形態2に従う軸受装置および異常検知システムの構成を示す断面図である。 実施の形態2に従う振動発電装置の取付け位置を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に従う軸受装置および異常検知システムの構成を示す断面図である。図1を参照して、本発明の実施の形態1に従う軸受装置100は、主軸101を回転自在に支持する転がり軸受である。軸受装置100は、ハウジング102と、アンギュラ玉軸受10(フロント軸受)と、円筒ころ軸受20(リア軸受)とを備える。
主軸101は円筒状の形状を有する。本明細書では、主軸101のアンギュラ玉軸受10に支持される部分をフロント部101f、円筒ころ軸受20に支持される部分をリア部101r、その間のモータ103に支持される部分をモータ支持部101mとも称する。
ハウジング102は主軸101の外周面を取り囲むように構成される。図1では、ハウジング102の、主軸101のフロント部101fを覆う部分を102f、同リア部101rを覆う部分を102r、同モータ部を覆う部分を102mと表示する。
アンギュラ玉軸受10(フロント軸受)および円筒ころ軸受20(リア軸受)は、外輪11の外周面がハウジング102の内壁102iに接触するとともに、内輪12の内周面が主軸101の外周面101oに接触するように、主軸101とハウジング102との間に嵌め込まれて配置される。これにより、主軸101は、ハウジング102に対して軸周りに回転自在に支持されている。
また、主軸101の外周面101oの一部(図1では、モータ支持部101mの外周面)を取り囲むようにモータロータ103Bが設置されている。一方、ハウジング102の内壁102iの一部(図1では、モータ支持部を覆うハウジング102mの内壁)には、モータロータ103Bに対向する位置にモータステータ103Aが設置されている。このモータステータ103Aおよびモータロータ103Bは、モータ103(ビルトインモータ)を構成している。これにより、主軸101は、モータ103の動力によって、ハウジング102に対して相対的に回転可能となっている。なお、図1ではモータ103を主軸101のフロント部101fとリア部101rとの間の部分に形成されているが、モータ103は主軸101を回転させられる位置に形成されていればよく、この位置に限定されるものではない。
すなわち、本発明の実施の形態1に従う軸受装置100は、主軸101が回転することにより被加工物を加工する工作機械の主軸101を、主軸101の外周面101oを囲むハウジング102に対して回転自在に支持する工作機械主軸用転がり軸受である。
図1を参照して、軸受装置100には、主軸101の回転振れを検知するための異常検知システムが設けられている。本発明の実施の形態1に従う異常検知システムは、複数の振動発電装置5Aと、パーソナルコンピュータ(以下、PC)7とを備える。
複数の振動発電装置5Aは、軸受装置100のハウジング102において、アンギュラ玉軸受10の近傍(図1では、ハウジング102の側面前方部102A)に設置される。図1の例では、2個の振動発電装置5Aは、アンギュラ玉軸受10の外周面上に主軸101の周方向に沿って配置されている。
複数の振動発電装置5Aの各々は、主軸101の回転時に生じる振動で発電するように構成された振動発電素子を備えている。振動発電素子には、たとえば、振動を圧電効果により電圧に変換する特性を持つ圧電素子を用いることができる。
PC7は、複数の振動発電装置5Aの各々から圧電素子の発電量を示す発電量情報を受けると、複数の振動発電装置5A間の発電量の違いに基づいて、主軸101の回転振れを検知する。PC7は、この発明における「処理装置」の一実施例に対応する。PC7による主軸101の回転振れの検知については後述する。
各振動発電装置5AとPC7との通信は、図1に示すよう有線で行なってもよいし、無線通信を行なってもよい。
次に、図2を用いて、アンギュラ玉軸受10について、より詳細に説明する。図2を参照して、アンギュラ玉軸受10は、外輪11と、内輪12と、複数の玉13と、保持器14とを備える。
外輪11は、工作機械主軸用転がり軸受の軸受部材である第1軌道部材であり、円環状の第1転走面としての外輪転走面11Aが形成されている。
内輪12は、第2軌道部材であり、外輪転走面11Aに対向する円環状の第2転走面としての内輪転走面12Aが形成されている。
複数の玉13は複数の転動体であり、転動体転走面としての玉転走面13A(玉13の表面)が形成されている。そして、当該玉13は、外輪転走面11Aおよび内輪転走面12Aの各々に玉転走面13Aにおいて接触し、円環状の保持器14により周方向に所定のピッチで配置されることにより円環状の軌道上に転動自在に保持されている。これにより、外輪11と内輪12とは互いに相対的に回転可能となっている。
次に、図3を用いて、円筒ころ軸受20について説明する。図3を参照して、円筒ころ軸受20は、軌道部材および転動体の構成が、アンギュラ玉軸受10とは異なっている。すなわち、円筒ころ軸受20は、外輪11と、内輪12と、円筒ころ23と、保持器14とを備えている。
外輪11は、工作機械主軸用転がり軸受の軸受部材である第1軌道部材であり、円環状の第1転走面しての外輪転走面11Aが形成されている。
内輪12は、第2軌道部材であり、外輪転走面11Aに対向する円環状の第2転走面としての内輪転走面12Aが形成されている。
円筒ころ23は、複数の転動体であり、転動体転走面としてのころ転走面23A(円筒ころ23の外周面)が形成されている。そして、当該円筒ころ23は、外輪転走面11Aおよび内輪転走面12Aの各々にころ転走面23Aにおいて接触し、円環状の保持器14により周方向に所定のピッチで配置されることにより円環状の軌道上に転動自在に保持されている。これにより、外輪11と内輪12とは互いに相対的に回転可能となっている。
次に、再び図1を参照して、軸受装置100の動作について説明する。モータ103のモータステータ103Aに図示しない電源から電力が供給されることにより、モータロータ103Bを軸周りに回転させる駆動力が発生する。これにより、ハウジング102に対してアンギュラ玉軸受10および円筒ころ軸受20により回転自在に支持されている主軸101は、モータロータ103Bとともにハウジング102に対して相対的に回転する。このように、主軸101が回転することにより、主軸101の先端部101tに取り付けられた図示しない工具が被加工物を切削、研削等して、被加工物を加工することができる。
このような軸受装置100において、工作機械の加工精度を左右する1つの要因に、主軸101の回転振れがある。主軸101の回転振れは、ハウジング102の内壁102iの中心(すなわち、理想的な主軸101の中心)に対する実際の主軸101の中心の偏心量で表すことができる。図4は、主軸101の偏心を説明する図である。図4(A)は主軸101の長軸方向と垂直な方向の断面図であり、図4(B)は主軸101の長軸方向と平行な方向の断面図である。なお図4では、主軸101の先端部101tおよびハウジング102の記載は省略している。また、以降では、重力がかかる方向を下、重力がかかる方向と逆の方向を上と定義する。すなわち、軸受装置100は、重力方向と垂直に(すなわち、地面と水平に)設置される主軸101を支持する、いわゆる横型の工作機械の軸受装置である。理想的には、主軸101の中心の位置は、ハウジング102の内壁102i(図1参照)の中心の位置と一致するが、実際には、主軸101のラジアル荷重(自重)等により、多少下方向にずれる場合がある。図4では、ハウジング102の内壁102i(図1参照)の中心の位置(理想の位置)の主軸101を主軸101c、下方向にずれるとき(実際の位置)の主軸101を主軸101dとする(図4(B)参照)。また、主軸101cの中心を30c、主軸101dの中心を30dとする。そして、この中心30cと中心30dとの距離を偏心量34と呼ぶ。
すなわち、偏心とは、ハウジングの内壁の中心に対する主軸のずれであり、このずれの量を偏心量と呼ぶ。偏心量が大きくなると高速回転中の主軸101の回転振れも大きくなるため、工作機械の加工精度を低下させてしまう。
このように偏心している状態で主軸101が高速回転しているときの軸受装置100の振動に与える影響を、図5を用いて説明する。図5は、軸受装置100の負荷域を説明する図であり、主軸101の長軸方向と垂直な方向の断面図である。なお、図5では、保持器14(図1参照)は記載していない。図5を参照して、軸受装置100は、その周方向の一部領域で、主軸101のラジアル荷重(負荷)を受ける。この主軸101の負荷を受ける領域を「負荷域」と呼び、図5では、破線4の下部に相当する。また、主軸101の負荷を受けない領域を「非負荷域」と呼び、図5では破線4の上部に相当する。
軸受装置100において、主軸101の偏心が起こると、負荷域と非負荷域との間でアンギュラ玉軸受10の各部分の間隔に差が生じる。具体的には、上記偏心により、負荷域では、非負荷域に比べ、内輪転走面12Aと玉転走面13Aとの間隔、および、玉転走面13Aと外輪転走面11Aとの間隔(図2参照)が小さくなる。この結果、高速回転中の軸受装置100の玉13が非負荷域から負荷域に急激に進入するときに、内輪転走面12Aと玉転走面13Aとの間隔、および、玉転走面13Aと外輪転走面11Aとの間隔(図2参照)がラジアル方向に急激に狭くなる。この急激な該間隔の狭まりの反力により、主軸101の姿勢が不安定となることからも、異常振動が生じる。また、玉13が非負荷域から負荷域に進入するときの回転速度の変化により、玉13が保持器または軌道輪に衝突し、その衝撃による異常振動を引き起こすこともある。
なお、設計不備、材料不良、製造不備などの原因により、主軸101(および内輪12からなる回転体)の質量中心が、その回転中心軸と一致しない場合において、主軸101が高速回転するときには、回転中心軸に対して非対称な遠心力が生じる。この遠心力の不均衡に相当する力も軸受装置100を異常振動させる。
すなわち、主軸101の偏心が生じると、非負荷域と負荷域の部品の間隔の差により生じる力および速度変化等の原因により、主軸101の異常振動が生じ、回転振れが大きくなる。
また、主軸101の偏心が生じると、特にラジアル荷重(自重)のかかる負荷域においては、アンギュラ玉軸受10の各部品において、摩耗、圧痕、剥離、潤滑剤劣化等の異常が生じやすくなる。また、上記の主軸101の偏心による衝撃振動によっても、これらの部品の異常が生じやすくなる。たとえば、負荷域の外輪転走面11Aに剥離が生じる可能性が考えられる。
このように、負荷域において剥離、圧痕等の部品の異常が生じると、軸受装置100の玉13のが異常部位を通過するときに衝撃による異常振動が発生する。すなわち、負荷域において部品の異常が生じると、負荷域での異常振動がさらに大きくなり、負荷域と非負荷域での振動の差もさらに大きくなる。
このように、主軸101の回転振れは、軸受装置100などの工作機械の部品不良に関連し、工作機械の加工精度にもかかわる重要な要因である。言い換えれば、主軸101の回転振れを検知することで、工作機械の部品不良を検出することができ、結果的に工作機械の加工精度の低下を抑制することが可能となる。本実施の形態1に従う異常検知システムは、上述した軸受装置100における振動の差に起因して生じる複数の振動発電装置5A間の発電量の差に基づいて、主軸101の回転振れを検知する。
次に、図1および図6を参照して、実施の形態1に従う振動発電装置5Aの取付け位置をより詳細に説明する。図6は、軸受装置100の断面図である。図6(A)を参照して、2個の振動発電装置5Aは、ハウジング102の側面前方部102Aの負荷域と、非負荷域とにそれぞれ設置される。ここで、負荷域に設置される振動発電装置を5Ar,非負荷域に設置される振動発電装置を5Anと呼ぶ。上述の通り、主軸101の偏心が起こると、負荷域の振動は、非負荷域の振動に比べ大きくなる。負荷域においてアンギュラ玉軸受10に摩耗等の損傷が生じていると、振動の差がさらに大きくなる。
ここで、ハウジング102に、該アンギュラ玉軸受10からの振動が伝わると、ハウジング102も振動する。ハウジング102は、実際には、たとえば鉄などを含んだ合金で作られており、完全剛体ではないため、ハウジング102の一部に伝わった振動は、減衰してハウジング102の他の部分に伝わる。すなわち、ハウジング102の各部における振動は均一ではなく、外部から大きい振動が伝わった部位では大きく、外部から小さな振動が伝わった部位では小さい。すなわち、ハウジング102は、より振動が大きいアンギュラ玉軸受10の近傍では大きく振動し、より振動が小さいアンギュラ玉軸受10の近傍では小さく振動する。すなわち、負荷域では、非負荷域に比べ、ハウジング102は大きく振動するため、ハウジング102の負荷域に設置された振動発電装置5Arは、同非負荷域に設置された振動発電装置5Anに比べ、より大きく振動し、発電量も大きくなる。アンギュラ玉軸受10に部品の損傷が生じていると、振動発電装置5Arはさらに大きく振動し、発電量もさらに大きくなる。したがって、この振動発電装置5Arの発電量と、振動発電装置5Anの発電量を比べることで、主軸101の回転振れを検知することができる。なお、負荷域・非負荷域の振動量の差が分析しやすいように、負荷域に設置した振動発電装置5Arに対し、主軸101の中心に対して点対称になるような配置で、非負荷域の振動発電装置5Anを配置することが好ましい。
図7は、実施の形態1に従う振動発電装置の構成を示す図である。図7を参照して、振動発電装置5Ar,5Anは、各々、振動発電素子52、蓄電モジュール54、マイコン58、および通信モジュール56を含む。
振動発電素子52は、上述の通り、主軸101の回転時の振動で発電する素子であり、たとえば圧電素子である。振動発電素子52は、振動が大きくなるほど発電量が大きくなるように構成されている。
蓄電モジュール54は、たとえば充電可能な二次電池であり、振動発電素子52で発電した電力を蓄えることができる。
マイコン58は、蓄電モジュール54に蓄えられた電力を受けて動作し、蓄電モジュール54から振動発電素子52の発電量を示す発電量情報を受け、該発電量情報を通信モジュール56に出力する。
通信モジュール56は、マイコン58からの発電量情報を、外部のPC7に送信する。上述のように、PC7は、振動発電装置5Ar,5Anの各々から発電量情報を受けると、振動発電装置5Ar,5An間の発電量の差に基づいて、主軸101の回転振れを検知する。
なお、図7では、蓄電モジュール54、マイコン58、および通信モジュール56が、振動発電素子52とともに、振動発電装置5Ar,5Anの各々に含まれるように図示したが、これらを振動発電素子52とは独立に設けるように構成してもよい。例えば、振動発電素子52をハウジング102fに設置し、蓄電モジュール54、マイコン58および通信モジュール56をハウジング102mまたは102rに設けてもよい。
また、図1および図7では処理装置をPCとしたが、通信モジュール56からの発電量情報を基に主軸101の回転振れを検知できる機器であれば、これに限定されない。処理装置は、たとえば図8に示すように、サーバであってもよい。
また、主軸101の回転振れの検知結果を、処理装置とは別の機器を用いてユーザに報知してもよい。たとえば図8の例では、サーバ8は、主軸101の回転振れの検知結果を管理用デバイス9に送信するように構成されている。管理用デバイス9は、たとえば、スマートフォン、携帯電話、タブレット、ノートパソコンのいずれかである。管理用デバイス9は音声(ブザーを含む)、表示画像またはランプなどの報知手段を用いて、該検知結果をユーザに報知することができる。なお、通信モジュール56とサーバ8との通信、およびサーバ8と管理用デバイス9との通信は有線であってもよいし、図8に示したように無線であってもよい。たとえば該通信に無線通信を用いれば、サーバ8を軸受装置100の設置場所および管理用デバイス9から遠隔地に設置することがより容易になる。
図9は、実施の形態1に従う異常検知システムにより実行される、主軸101の回転振れを検知するための処理を示すフローチャートである。図9に示される制御処理は、PC7により繰り返し実行される。
図9を参照して、PC7は、ステップS01において、振動発電装置5Ar,5Anの各々から振動発電素子52の発電量情報を受ける。続いて、ステップS02において、PC7は、該発電量情報から、2個の振動発電素子52の発電量の差を演算する。
次に、ステップS03において、PC7は、該発電量の差が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ステップS03において、発電量の差が該閾値以上である場合(ステップS03にてYES)、ステップS04において、PC7は、主軸101の回転振れを検知したと判定する。好ましくは、PC7もしくは、PC7から該検知結果を受信した機器は、該検知結果を視覚的または聴覚的な態様でユーザに報知するように構成される。一方、ステップS03において、発電量の差が該閾値未満である場合(ステップS03にてNO)、PC7はステップS04をスキップして処理をメインルーチンに戻す。
なお、本実施の形態1では、振動発電装置5Ar,5An間の発電量の差が所定の閾値以上であるか否か(図9のステップS03)で、主軸101の回転振れを検知したか否かを判定しているが、該発電量の差から主軸101の回転振れの検知を行う方法はこれに限定されない。たとえば、該発電量の差と回転振れの尺度である偏心量34(図4(C)参照)の相関を表す関係式、グラフ、テーブル等を予め作成しておき、該関係式、グラフ、テーブル等を基に、発電量の差から偏心量を演算するように構成してもよい。
図10は、実施の形態1に従う振動発電装置5Aおよび振動発電素子52(図7参照)の取付け位置の例を示す図である。振動発電装置5Aの数は図6(A)に示したように2個に限定されず、3以上であってもよい。ただし負荷域・非負荷域の振動量の差が分析しやすいように、負荷域に設置した振動発電装置5Arに対し、主軸の中心に対して点対称になるような配置で、非負荷域の振動発電装置5Anを配置することが好ましい。図10(A)には負荷域・非負荷域の各々に振動発電装置5Aを3個ずつ設けた例が示されている。
図10(A)の例では、PC7(図示せず)は、合計6個の振動発電装置5Aから発電量情報を受ける。PC7は、たとえば、負荷域に設置された3個の振動発電装置5Arの発電量を数値処理した値と、非負荷域に設置された3個の振動発電装置5Anの発電量を数値処理した値とを比較することにより、主軸101の回転振れを検知することができる。上記数値処理には、平均値または合計値を算出する処理、および最大値を求める処理などが含まれる。
また、図7には、振動発電素子52、蓄電モジュール54、マイコン58、通信モジュール56を各1個ずつ表記したが、複数個の振動発電素子52に対して、蓄電モジュール54、マイコン58、通信モジュール56の少なくとも1つを1個備える構成にしてもよい。このようにすると、各振動発電素子52の発電量が、1つの振動発電素子52の発電量ではマイコン58と通信モジュール56を各1個ずつ駆動することができないほど小さい場合であっても、振動発電素子52の発電量を複数個分合わせることにより、マイコン58および通信モジュール56の駆動に必要な電力を蓄電モジュール54に蓄えることができる。この場合にも、振動発電素子52の数および配置は、負荷域・非負荷域の振動量の差が分析しやすいように、負荷域に設置した振動発電素子52に対し、主軸101の中心に対して点対称になるような配置で、非負荷域の振動発電素子52を配置することが好ましい。図10(B)には負荷域・非負荷域の各々に振動発電素子52を3個ずつ設けた例が示されている。
図10(B)の例では、振動発電装置5Ar,5Anの各々において、マイコン58は3個の振動発電素子52から発電量情報を受ける。マイコン58は、3個の振動発電素子52の発電量を数値処理した値をPC7に送信することができる。上記数値処理には、平均値または合計値を算出する処理、および最大値を求める処理などが含まれる。
このように、本実施の形態1に従う異常検知システムによれば、軸受装置の外周面に主軸の周方向に配置された複数の振動発電装置の発電量の違いに基づいて、主軸の回転振れを検知することができる。これによれば、簡易な構成で、高速回転中の主軸の動的な回転振れを検知することができる。よって、主軸の動的回転精度をリアルタイムで把握することができるため、動的回転精度の低下による工作機械の加工精度の低下を抑制することができる。
[実施の形態2]
図11は、本発明の実施の形態2に従う軸受装置および異常検知システムの構成を示す図である。図11は、主軸の長軸方向と平行な方向の断面図である。
図1および図11を比較して、実施の形態2に従う軸受装置200は、振動発電装置5Aの設置位置が、実施の形態1に従う軸受装置100とは異なっている。
具体的には、図1に示すように、実施の形態1では、振動発電装置5Aは、ハウジング102の側面前方部102Aに設置されている。これに対して、実施の形態2では、振動発電装置5Aは、ハウジング102の先端部(軸方向端面)102Bに設置されている。このように、振動発電装置5Aの設置位置は、実施の形態1に示したハウジング102の側面前方部102Aに限定されず、軸受近傍で負荷領域と非負荷領域の振動を受けて発電できる部位であれば、実施の形態2に示したハウジング102の先端部102Bでもよく、上記条件を満たす別の部位でもよい。
図12は、実施の形態2に従う振動発電装置の取付け位置を示す図である。図12は、軸受装置200を主軸の先端側から見た図である。実施の形態2においても振動発電装置5Aの数は2個(図12(A))に限定されず、3以上の複数個であってもよい。ただし、振動発電装置5Aの数および配置は、負荷域・非負荷域の振動の差が分析しやすいように、負荷域に設置した振動発電装置5Arに対し、主軸の中心に対して点対称になるような配置で、非負荷域の振動発電装置5Anを配置することが好ましい。図12(B)には負荷域・非負荷域の各々に振動発電装置5Aをそれぞれ3個ずつ設けた例が示されている。
以上のように、実施の形態2に従う軸受装置200では、実施の形態1と同様の作用効果を有する。他の構成については、実施の形態1と同様であるので説明をくり返さない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5A,5An,5Ar 振動発電装置、7 パーソナルコンピュータ(PC)、8 サーバ、9 管理用デバイス、10 アンギュラ玉軸受、11 外輪、11A 外輪転走面、12 内輪、12A 内輪転走面、13 玉、13A 玉転送面、14 保持器、20 円筒ころ軸受、23 円筒ころ、23A ころ転送面、30,30c,30d 主軸の中心、34 偏心量、52 振動発電素子、54 蓄電モジュール、56 通信モジュール、58 マイコン、100,200 軸受装置、101,101c,101d 主軸、101o 外周面、101t 先端部、102,102f,102r,102m ハウジング、102A 側面前方部、102B 先端部、102i 内壁、103 モータ、103A モータステータ、103B モータロータ。

Claims (5)

  1. 主軸を回転自在に支持する軸受装置の外周面上に、前記主軸の周方向に沿って配置された複数の振動発電装置と、
    前記複数の振動発電装置と通信可能な処理装置とを備え、
    前記複数の振動発電装置の各々は、前記主軸の回転時に生じる振動で発電するように構成された振動発電素子を含み、かつ、前記振動発電素子の発電量を示す発電量情報を前記処理装置に送信するように構成され、
    前記処理装置は、前記複数の振動発電装置の前記発電量の違いに基づいて、前記主軸の回転振れを検知するように構成される、異常検知システム。
  2. 前記軸受装置は、重力の方向と垂直に前記主軸を支持する、横型の軸受装置であって、
    前記軸受装置は、前記周方向において、前記主軸の自重によるラジアル荷重を受ける負荷域と、前記ラジアル荷重を受けない非負荷域とを有し、
    前記複数の振動発電装置は、前記負荷域に配置される第1の振動発電装置と、前記非負荷域に配置される第2の振動発電装置とを含む、請求項1に記載の異常検知システム。
  3. 前記第1の振動発電装置と前記第2の振動発電装置とは、前記軸受装置を前記主軸の軸方向から見た場合に、前記主軸の中心に対して点対称となるように配置される、請求項2に記載の異常検知システム。
  4. 前記複数の振動発電装置の各々は、
    前記振動発電素子で発電した電力を蓄える蓄電モジュールと、
    前記蓄電モジュールに蓄えられた電力を受けて動作し、前記振動発電素子の前記発電量情報を前記蓄電モジュールから受けるマイコンと、
    前記マイコンからの前記発電量情報を前記処理装置に送信する通信モジュールとをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異常検知システム。
  5. 前記処理装置は、前記主軸の回転振れの検知結果を、前記処理装置と通信可能に構成された管理用デバイスに発信する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異常検知システム。
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CN113865515B (zh) * 2020-06-30 2023-11-10 中国航发商用航空发动机有限责任公司 轴承偏斜角测量方法及其工具、轴承安装质量检测方法

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