JP2018136558A - 画像表示装置及び移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】光利用効率を向上させることができる画像表示装置を提供する。
【解決手段】 画像表示装置画1000は、画像情報に基づいて変調されたレーザ光により複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイ(被走査面素子8)を走査して画像を形成し、前記マイクロレンズアレイを透過したレーザ光を透過反射部材(反射面素子10)に入射させて、該透過反射部材で反射されたレーザ光の光路上の所定の観察位置から前記画像の虚像を視認可能にする画像表示装置であり、前記複数のマイクロレンズそれぞれの曲率は、該マイクロレンズと前記観察位置との間のレーザ光の光路長に基づいて設定されている。この場合、光利用効率を向上させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】 画像表示装置画1000は、画像情報に基づいて変調されたレーザ光により複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイ(被走査面素子8)を走査して画像を形成し、前記マイクロレンズアレイを透過したレーザ光を透過反射部材(反射面素子10)に入射させて、該透過反射部材で反射されたレーザ光の光路上の所定の観察位置から前記画像の虚像を視認可能にする画像表示装置であり、前記複数のマイクロレンズそれぞれの曲率は、該マイクロレンズと前記観察位置との間のレーザ光の光路長に基づいて設定されている。この場合、光利用効率を向上させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像表示装置、移動体及びレンズアレイに係り、更に詳しくは、光により画像を形成し、形成された画像の虚像を視認可能にする画像表示装置、該画像表示装置が搭載された移動体及びレンズアレイに関する。
従来、画像情報に応じて変調されたレーザ光を複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイに照射して画像を形成し、形成された画像の虚像を透過反射部材を介して視認可能にするヘッドアップディスプレイ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
ところで、特許文献1に開示されているヘッドアップディスプレイ装置では、光利用効率に向上の余地があった。
本発明は、光源と、前記光源の光によって画像を形成するための画像形成素子と、前記画像を形成する光が照射されるレンズアレイと、を備え、前記レンズアレイに前記光により画像を表示させ、前記レンズアレイを透過した前記光を反射面素子で反射させることにより虚像を視認させる画像表示装置において、前記レンズアレイは、複数のレンズが配列された構造を有し、前記複数のレンズのうちの少なくとも2つは、互いに曲率が異なることを特徴とする画像表示装置である。
本発明によれば、光利用効率を向上させることができる。
以下、一実施形態を説明する。
図1は、一実施形態の画像表示装置を説明するための図である。
図1は、一実施形態の画像表示装置を説明するための図である。
図1に即して説明する画像表示装置1000は、2次元のカラー画像を表示するヘッドアップディスプレイ装置であり、図1(a)に装置の全体を説明図的に示す。
画像表示装置1000は、一例として、車両、航空機、船舶等の移動体に搭載され、該移動体に設けられた透過反射部材(例えばフロントガラス)を介して該移動体の操縦に必要なナビゲーション情報(例えば速度、走行距離等の情報)を視認可能にする。以下では、移動体に設定されたXYZ3次元直交座標系(移動体と共に移動する座標系)を適宜用いて説明する。なお、「透過反射部材」とは、入射された光の一部を透過させ、残部の少なくとも一部を反射させる部材を意味する。
図1(a)において、符号100で示す部分は「光源部」であり、この光源部100からカラー画像表示用の画素表示用ビームLCが+Z方向に射出される。
画素表示用ビームLCは、赤(以下「R」と表示する。)、緑(以下「G」と表示する。)、青(以下「B」と表示する。)の3色のビームを1本に合成したビームである。
即ち、光源部100は、例えば、図1(b)の如き構成となっている。
図1(b)において、符号RS、GS、BSで示す光源としての半導体レーザは、それぞれR、G、Bのレーザ光を放射する。ここでは、各半導体レーザとして、端面発光レーザとも呼ばれるレーザダイオード(LD)が用いられている。なお、半導体レーザとして、端面発光レーザに代えて、面発光レーザ(VCSEL)を用いても良い。
符号RCP、GCP、BCPで示すカップリングレンズは、半導体レーザRS、GS、BSから射出される各レーザ光の発散性を抑制する。
カップリングレンズRCP、GCP、BCPにより発散性を抑制された各色レーザ光束は、アパーチュアRAP、GAP、BAPにより整形される(光束径を規制される)。
整形された各色レーザ光束はビーム合成プリズム101に入射する。
ビーム合成プリズム101は、R色光を透過させG色光を反射するダイクロイック膜D1と、R・G色光を透過させB色光を反射するダイクロイック膜D2を有する。
ビーム合成プリズム101は、R色光を透過させG色光を反射するダイクロイック膜D1と、R・G色光を透過させB色光を反射するダイクロイック膜D2を有する。
従って、ビーム合成プリズム101からは、R、G、Bの各色レーザ光束が1本の光束に合成されて射出される。
射出される光束は、レンズ102により所定の光束径の「平行ビーム」に変換される。
この「平行ビーム」が、画素表示用ビームLCである。
この「平行ビーム」が、画素表示用ビームLCである。
画素表示用ビームLCを構成するR、G、Bの各色レーザ光束は、表示するべき「2次元のカラー画像」の画像信号により(画像情報(画像データ)に応じて)強度変調されている。強度変調は、半導体レーザを直接変調する直接変調方式であっても良いし、半導体レーザから射出されたレーザ光束を変調する外部変調方式であっても良い。
即ち、半導体レーザRS、GS、BSは、図示されない駆動手段により、R、G、Bの各色成分の画像信号により発光強度を変調される。
光源部100から射出された画素表示用ビームLCは、画像形成素子としての2次元偏向手段6に入射し、2次元的に偏向される。
2次元偏向手段6は、本実施形態では、微小なミラーを「互いに直交する2軸」を揺動軸として揺動するように構成されたものである。
2次元偏向手段6は、本実施形態では、微小なミラーを「互いに直交する2軸」を揺動軸として揺動するように構成されたものである。
即ち、2次元偏向手段6は具体的には、半導体プロセス等で微小揺動ミラー素子として作製されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)である。
2次元偏向手段は、この例に限らず、他の構成のもの、例えば、1軸の回りに揺動する微小ミラーを2個、揺動方向が互いに直交するように組み合わせたもの等でもよい。
上記の如く2次元的に偏向された画素表示用ビームLCは、凹面鏡7に入射し、被走査面素子8に向けて反射される。
凹面鏡7の光学作用は、2次元的に偏向された画素表示用ビームLCによって反射面素子10上に形成される画像の歪みをとることである。
即ち、凹面鏡7により反射された画素表示用ビームLCは、2次元偏向手段6による偏向に伴い平行移動しつつ被走査面素子8に入射し、該被走査面素子8を2次元的に走査する。
即ち、凹面鏡7により反射された画素表示用ビームLCは、2次元偏向手段6による偏向に伴い平行移動しつつ被走査面素子8に入射し、該被走査面素子8を2次元的に走査する。
この2次元的な走査により、被走査面素子8に「カラーの2次元画像」が形成される。
勿論、被走査面素子8に各瞬間に表示されるのは「画素表示用ビームLCが、その瞬間に照射している画素のみ」である。
カラーの2次元画像は、画素表示用ビームLCによる2次元的な走査により「各瞬間に表示される画素の集合」として形成される。
被走査面素子8に、上記の如く「カラーの2次元画像」が形成され、上記画像情報の画素単位の光(各画素に対応する光)である画素光が、凹面鏡9に入射して反射される。
被走査面素子8に、上記の如く「カラーの2次元画像」が形成され、上記画像情報の画素単位の光(各画素に対応する光)である画素光が、凹面鏡9に入射して反射される。
図1には示されていないが、被走査面素子8は後述する「微細凸レンズ構造」を有している。凹面鏡9は「虚像結像光学系」を構成する。
「虚像結像光学系」は、前記「カラーの2次元画像」の拡大虚像12を結像させる。
拡大虚像12の結像位置の手前側には、反射面素子10が設けられ、拡大虚像12を結像する光束を、観察者11(図1(a)には観察者の目を示す。)の側へ反射する。なお、観察者11(例えば移動体を操縦する操縦者)は、反射面素子10(透過反射部材)で反射されたレーザ光の光路上の所定の観察位置から虚像を視認する。
拡大虚像12の結像位置の手前側には、反射面素子10が設けられ、拡大虚像12を結像する光束を、観察者11(図1(a)には観察者の目を示す。)の側へ反射する。なお、観察者11(例えば移動体を操縦する操縦者)は、反射面素子10(透過反射部材)で反射されたレーザ光の光路上の所定の観察位置から虚像を視認する。
この反射光により、観察者11は拡大虚像12を視認できる。
図1(a)に示す如く、図の上下方向を「Y方向」、図面に直交する方向を「X方向」とする。
図1(a)に示す場合には、Y方向は通常、観察者11にとって上下方向であり、この方向を「縦方向」と呼ぶ。
また、X方向は通常、観察者にとって左右方向であり、この方向を「横方向」と呼ぶ。
被走査面素子8は、上述の如く、微細凸レンズ構造を有している。
後述するように、微細凸レンズ構造は「複数の微細凸レンズが、画素ピッチに近いピッチで密接して配列された」ものである。
後述するように、微細凸レンズ構造は「複数の微細凸レンズが、画素ピッチに近いピッチで密接して配列された」ものである。
ここでは、複数の微細凸レンズは、凸面が入射面となるようにZ方向に直交する平面(XY平面)に沿って所定ピッチで2次元配列されている。その具体的な配列形態としては、X方向を行方向、Y方向を列方向とするマトリクス状の配列や、ハニカム配列(ジグザグ配列)が挙げられる。
各微細凸レンズの平面形状(Z軸方向から見た形状)は、例えば円形、正N角形(Nは3以上の自然数)等である。ここでは、微細凸レンズの各々は、互いに曲率(曲率半径)が等しい。
そして、個々の微細凸レンズは、画素表示用ビームLCを等方的に拡散させる機能を持つ。すなわち、各微細凸レンズは、全方位に均等な拡散パワーを持つ。以下に、この「拡散機能」を簡単に説明する。
図1(c)において、符号L1〜L4は、被走査面素子8に入射する4本の画素表示用ビームを示している。
これ等の4本の画素表示用ビームL1〜L4は、被走査面素子8に形成される2次元画像の4隅に入射する画素表示用ビームであるものとする。
これら4本の画素表示用ビームL1〜L4は、被走査面素子8を透過すると、ビームL11〜L14のように変換される。
仮に、画素表示用ビームL1〜L4で囲まれる断面が横長の4辺形の光束を、被走査面素子8に入射させると、この光束は「ビームL11〜L14で囲まれる断面が横長の4辺形の発散性の光束」となる。
微細凸レンズのこの機能が「拡散機能」である。
「ビームL11〜L14で囲まれる発散性の光束」は、このように発散性光束に変換された画素表示用ビームを時間的に集合した結果である。
画素表示用ビームを拡散させるのは「反射面素子10により反射された光束が、観察者11の目の近傍の広い領域を照射する」ようにするためである。
上記拡散機能が無い場合には、反射面素子10により反射された光束が「観察者11の目の近傍の狭い領域」のみを照射する。
このため、観察者11が頭部を動かして、目の位置が上記「狭い領域」から逸れると、観察者11は拡大虚像12を視認できなくなる。
上記のように、画素表示用ビームLCを拡散させることにより、反射面素子10による反射光束は「観察者11の目の近傍の広い領域」を照射する。
従って、観察者が「頭を少々動かし」ても、拡大虚像12を確実に視認できる。
上記の如く、本実施形態において、被走査面素子8に入射する画素表示用ビームLCは平行ビームであるが、被走査面素子8を透過した後は発散性のビームとなる。
ところで、レーザ光により被走査媒体(例えば透過型又は反射型のスクリーン)を走査して画像を形成する走査型の画像表示装置では、コヒーレント光であるレーザ光の強い干渉性によって視認される虚像が不規則にちらつくスペックルノイズが生じる。そこで、走査型の画像表示装置における被走査媒体として、レーザ光のビーム径に近いピッチで複数のマイクロレンズ(微細凸レンズ)が配列されたマイクロレンズアレイ(微細凸レンズ構造)を用いることで、スペックルノイズの強度を低減しつつ発散角を任意に制御して虚像の視認性を向上させることが行われている。
しかしながら、従来の走査型の画像表示装置におけるマイクロレンズアレイでは、全てのマイクロレンズの曲率半径が等しく、マイクロレンズアレイへのレーザ光の入射位置によらず該レーザ光の発散角は等しくなる。このような設計思想の場合、各マイクロレンズの曲率(曲率半径)をマイクロレンズアレイの各面内位置で要求される発散角のうち最も大きい発散角に応じた値に設定する必要がある。この結果、マイクロレンズアレイの面内の一部領域では必要以上に発散角が大きくなり、光利用効率が低下し、輝度が低下していた。
そこで、本実施形態では、複数のマイクロレンズ(微細凸レンズ)のうち少なくとも2つの曲率を互いに異ならせている。
すなわち、本実施形態では、マイクロレンズアレイ(微細凸レンズ構造)における曲率半径を2種類以上とし、マイクロレンズアレイの面内方向で曲率半径の分布を持たせることで、各面内位置でそれぞれ必要十分な(必要最小限の)発散角(要求画角)を満たし、光利用効率の向上及び輝度の向上を図っている。なお、マイクロレンズアレイにおける曲率半径の面内分布については、後に詳細に説明する。
この発明における被走査面素子8は、画素表示用ビームLCを拡散させる複数の微細凸レンズが、画素ピッチに近いピッチで密接して配列された「微細凸レンズ構造」を有する。
微細凸レンズは「画素表示用ビームLCのビーム径」より大きい。
微細凸レンズを「画素表示用ビームLCのビーム径」より大きくするのは、干渉性ノイズ低減のためであり、以下これを、図2及び図3を参照して説明する。
図2(a)において、符号802は被走査面素子を示す。
被走査面素子802は、微細凸レンズ801を配列した微細凸レンズ構造を有する。
被走査面素子802は、微細凸レンズ801を配列した微細凸レンズ構造を有する。
符号803で示す「画素表示用ビーム」の光束径807は、微細凸レンズ801の大きさよりも小さい。
即ち、微細凸レンズ801の大きさ806は、光束径807よりも大きい。
なお、本実施形態では、画素表示用ビーム803はレーザ光束であり、光束中心のまわりにガウス分布状の光強度分布をなす。
従って、光束径807は、光強度分布における光強度が「1/e2」に低下する光束半径方向距離である。
図2(a)では、光束径807は微細凸レンズ801の大きさ806に等しく描かれているが、光束径807が「微細凸レンズ801の大きさ806」に等しい必要は無い。
微細凸レンズ801の大きさ806をはみ出さなければよい。
なお、本実施形態では、画素表示用ビーム803はレーザ光束であり、光束中心のまわりにガウス分布状の光強度分布をなす。
従って、光束径807は、光強度分布における光強度が「1/e2」に低下する光束半径方向距離である。
図2(a)では、光束径807は微細凸レンズ801の大きさ806に等しく描かれているが、光束径807が「微細凸レンズ801の大きさ806」に等しい必要は無い。
微細凸レンズ801の大きさ806をはみ出さなければよい。
図2(a)において、画素表示用ビーム803は、その全体が1個の微細凸レンズ801に入射し、発散角805をもつ拡散光束804に変換される。
なお、「発散角」は、以下において「拡散角」と呼ぶこともある。
図2(a)の状態では、拡散光束804は1つで、干渉する光束が無いので、干渉性ノイズ(スペックルノイズ)は発生しない。
なお、発散角805の大きさは、微細凸レンズ801の形状により適宜設定できる。
図2(b)では、画素表示用ビーム811は、光束径が微細凸レンズの配列ピッチ812の2倍となっており、2個の微細凸レンズ813、814に跨って入射している。
この場合、画素表示用ビーム811は、入射する2つの微細凸レンズ813、814により2つの発散光束815、816のように拡散される。
2つの発散光束815、816は、領域817において重なり合い、この部分で互いに干渉して干渉性ノイズを発生する。
図3(a)は、画素表示用ビーム824が、被走査面素子821の、2つの微細凸レンズ822、823に跨って入射している状態を示す。
画素表示用ビーム824の光束径は、微細凸レンズ822等の大きさに等しい。
この場合、微細凸レンズ822に入射したビーム部分は発散光束826となり、微細凸レンズ823に入射したビーム部分は発散光束827となって拡散される。
この場合、微細凸レンズ822に入射したビーム部分は発散光束826となり、微細凸レンズ823に入射したビーム部分は発散光束827となって拡散される。
発散光束826と827とは、互いに遠ざかる方向へ拡散されるので、これらが相互に重なり合うことはなく、従って、この状態で干渉性ノイズは発生しない。
即ち、微細凸レンズにより拡散された光束による干渉性ノイズは、画素表示用ビーム824のビーム径を、微細凸レンズ822の大きさ以下に設定すれば発生しない。
微細凸レンズの径と、被走査面素子に入射する画素表示用ビームのビーム径の具体的な数値例を例示する。
画素表示用ビームのビーム径を、例えば150μm程度に設定することは容易である。
この場合には、微細凸レンズ構造を構成する微細凸レンズの大きさは、上記150μm以上の大きさ、例えば、160μm、200μm等に設定すれば良い。
図3(a)に示す被走査面素子821では、微細凸レンズ822、823・・は隙間なく配列されている。
従って、隣接する微細凸レンズ面の「境界部の幅(以下「境界幅」とも言う。)は0」である。
このため、微細凸レンズ822、823に、図3(a)の如く入射する画素表示用ビーム824から発生する発散光束は、発散光束826、827のみである。
このため、微細凸レンズ822、823に、図3(a)の如く入射する画素表示用ビーム824から発生する発散光束は、発散光束826、827のみである。
しかしながら、実際に形成される微細凸レンズ構造では「隣接する微細凸レンズの境界幅が0となる」ことは無い。
即ち、図3(b)に示す被走査面素子831のように、実際に形成される微細凸レンズ構造では、微細凸レンズ833、834の境界部835は「幅:0」とはならない。
微細凸レンズ833、834の境界部835は、微視的には「曲面が滑らかに連続」しており、境界部835には曲面が形成される。
このように境界部835に形成された曲面は、この部分に画素表示用ビームが入射すると、入射光部分に対して「微小なレンズ面」として作用する。
従って、微細凸レンズ833、834に跨って入射する画素表示用ビーム832は、発散光束836、837とともに発散光束838も発生させる。
発散光束838は境界部835の曲面のレンズ作用により発生し、発散光束836、837と、領域839、840において重なり合って干渉し、干渉性ノイズを発生させる。
図3(c)は、微細凸レンズ構造における「干渉性ノイズの軽減ないし防止」を説明するための図である。
微細凸レンズ構造において、微細凸レンズ841、842のレンズ面が緩やかに繋がった境界部843の曲面形状は、それ自体が「微小なレンズ面」をなしている。
境界部843の曲面形状の曲率半径を図の如く「r」とする。
ここで、説明の簡単のため、微細凸レンズ構造に入射する画素表示用ビームを「波長:λの単色レーザ光束」とする。
境界部843の曲率半径:rが、画素表示用ビームの波長:λよりも大きい場合(r>λ)、曲率半径:rの曲面は、入射する画素表示用ビームに対してレンズ作用を及ぼす。
従ってこの場合、境界部843を通過するビーム成分は発散され、微細凸レンズ841、842により拡散された光束と重なり合って干渉し、干渉性ノイズを発生する。
一方、境界部843の曲率半径:rが、画素表示用ビームの波長:λより小さくなると、境界部843は画素表示用ビームに対して「サブ波長構造」となる。
周知の如く、サブ波長構造は「サブ波長構造よりも大きい波長の光」に対してはレンズ作用を生じない。
従って、波長:λより小さい曲率半径:rをもった境界部843は「レンズ」として作用せず、画素表示用ビームを直進的に透過させ、発散させることがない。
周知の如く、サブ波長構造は「サブ波長構造よりも大きい波長の光」に対してはレンズ作用を生じない。
従って、波長:λより小さい曲率半径:rをもった境界部843は「レンズ」として作用せず、画素表示用ビームを直進的に透過させ、発散させることがない。
このため、境界部843を直進的に透過したビーム部分と、微細凸レンズ841、842により拡散された発散光束とは重なり合わず、干渉による干渉性ノイズは発生しない。
即ち、画素表示用ビームのビーム径:d、波長:λ、微細凸レンズの大きさ:D、境界部をなす面の曲率半径:rの大小関係は、以下のように定めるのが良い。
D>d、λ>r
D>d、λ>r
表示すべき2次元の拡大虚像がモノクロ画像である場合には、波長:λの単色のコヒーレント光により画素表示用ビームを形成する。
従って、この場合には、上記D、d、r、λが上記大小関係を満足するように設定することにより、干渉性ノイズを抑制できる。
従って、この場合には、上記D、d、r、λが上記大小関係を満足するように設定することにより、干渉性ノイズを抑制できる。
本実施形態のように、2次元のカラー画像(拡大虚像)を表示する場合、画素表示用ビームLCは、R、G、Bの3色のビームの合成されたものである。
これ等の3ビームの波長をλR(=640nm)、λG(=510nm)、λB(=445nm)とすると、これらの大小関係は「λR>λG>λB」である。
従って、干渉性ノイズ防止の観点からすれば、上記境界部をなす面の曲率半径:rを、最短波長:λBよりも小さく、例えば、400nmとすればよい。
しかし、最長波長:λRよりも小さい曲率半径:r(例えば600nm)を設定すれば、画像表示ビームのR成分による干渉性ノイズを防止できる。
即ち、干渉性ノイズを有効に軽減させることができる。
「r(例えば500nm)<λG」とすれば、画像表示ビームのR成分およびG成分の光による干渉性ノイズを防止できる。
画素表示用ビームLCが「R、G、Bの3色のビームの合成されたもの」である場合、干渉性ノイズは、これら3色の成分について独立に発生する。
そして、これら独立した3色R、G、Bのビームの干渉性ノイズの「総体」が、視認される干渉性ノイズとなる。
従って、3色の干渉性ノイズのうち、1色でも干渉性ノイズが無くなれば、視認される干渉性ノイズは大幅に改善され、観察画像の画質向上に寄与する。
従って、干渉性ノイズの防止効果は、3色のうちで「最も長波長のR成分」のみでも効果があり、次いでG成分、B成分という順で「低減効果」が向上する。
したがって、最長波長:λRよりも小さい曲率半径:r(例えば600nm)を設定すれば、干渉性ノイズの軽減上、一定の効果を達成できる。
干渉性ノイズの視認性は、波長やビーム径・マルチ/シングルモードなどでノイズ強度は変わるが、一般的にはR≒G>Bの順で高い。
即ち、波長:λBの光は人間の眼の視感度が低く、干渉性ノイズは目立ちにくい。
従って、波長:λGよりも小さい曲率半径:r(例えば500nm)を設定すれば、視認性の比較的高い波長:λRとλGの光による干渉性ノイズを軽減できる。
視感度が低い波長:λBの光による干渉性ノイズは発生しても、さほど目立たない。
勿論、波長:λBよりも小さい曲率半径:r(例えば400nm)を設定すれば、上記の如く、干渉性ノイズを更に有効に軽減できる。
画素表示用ビームLCが「R、G、Bの3色のビームの合成されたもの」である場合、干渉性ノイズは、これら3色の成分について独立に発生する。
そして、これら独立した3色R、G、Bのビームの干渉性ノイズの「総体」が、視認される干渉性ノイズとなる。
従って、3色の干渉性ノイズのうち、1色でも干渉性ノイズが無くなれば、視認される干渉性ノイズは大幅に改善され、観察画像の画質向上に寄与する。
従って、干渉性ノイズの防止効果は、3色のうちで「最も長波長のR成分」のみでも効果があり、次いでG成分、B成分という順で「低減効果」が向上する。
したがって、最長波長:λRよりも小さい曲率半径:r(例えば600nm)を設定すれば、干渉性ノイズの軽減上、一定の効果を達成できる。
干渉性ノイズの視認性は、波長やビーム径・マルチ/シングルモードなどでノイズ強度は変わるが、一般的にはR≒G>Bの順で高い。
即ち、波長:λBの光は人間の眼の視感度が低く、干渉性ノイズは目立ちにくい。
従って、波長:λGよりも小さい曲率半径:r(例えば500nm)を設定すれば、視認性の比較的高い波長:λRとλGの光による干渉性ノイズを軽減できる。
視感度が低い波長:λBの光による干渉性ノイズは発生しても、さほど目立たない。
勿論、波長:λBよりも小さい曲率半径:r(例えば400nm)を設定すれば、上記の如く、干渉性ノイズを更に有効に軽減できる。
微細凸レンズ構造を構成する複数の微細凸レンズそれぞれの大きさは、上記の如く、100μmオーダであり、これは通常の「マイクロレンズ」として実現できる。
また、複数の微細凸レンズを配列した微細凸レンズ構造は「マイクロレンズアレイ」として実現できる。
従って、以下、微細凸レンズを「マイクロレンズ」とも呼び、微細凸レンズ構造を「マイクロレンズアレイ」とも呼ぶこととする。
マイクロレンズアレイは、一般に、マイクロレンズアレイのレンズ面アレイの転写面を持つ金型を作製し、この金型を用いて、樹脂材料に金型面を転写して作製される。
金型における転写面の形成は、切削やフォトリソグラフィなどを用いて形成する方法が知られている。
金型における転写面の形成は、切削やフォトリソグラフィなどを用いて形成する方法が知られている。
また、樹脂材料への転写面の転写は、例えば「射出成形」で行うことができる。
隣接マイクロレンズの境界部における曲率半径を小さくすることは、境界幅を小さくすることにより実現できる。
小さい境界幅は、隣接マイクロレンズ面の形成する境界部の「尖鋭化」することにより実現できる。
小さい境界幅は、隣接マイクロレンズ面の形成する境界部の「尖鋭化」することにより実現できる。
マイクロレンズアレイ用の金型において、「隣接マイクロレンズ間の境界幅」の大きさを波長オーダまで小さくする工法は、種々の方法が知られている。
例えば、特許第4200223号公報は、異方性エッチングおよびイオン加工により各マイクロレンズの曲率半径を増加させ、境界部の非レンズ部分を除去する方法を開示している。
また、特許第5010445号公報は、等方性ドライエッチングを用いて、隣接マイクロレンズ間の平坦面を除去する方法を開示している。
例えば、これらの公知の方法を用いることにより、隣接マイクロレンズ間の境界部を成す面の曲率半径が、十分に小さいマイクロレンズアレイを作製可能である。
即ち、上に説明した被走査面素子は、複数のマイクロレンズが相互に近接して配列した構造を有するマイクロレンズアレイとして構成できる。
隣接するマイクロレンズの境界部をなす面の曲率半径:rを640nmよりも小さいマイクロレンズアレイとして形成することにより、R成分光の干渉性ノイズを防止できる。
また、上記曲率半径:rを510nmよりも小さいマイクロレンズアレイとして形成すれば、R成分光とG成分光による干渉性ノイズを防止できる。
隣接するマイクロレンズの境界部をなす面の曲率半径:rを445nmよりも小さいマイクロレンズアレイとして形成すれば、R、G、B成分光の干渉性ノイズを防止できる。
即ち、上に説明した被走査面素子は、複数のマイクロレンズが相互に近接して配列した構造を有するマイクロレンズアレイとして構成できる。
隣接するマイクロレンズの境界部をなす面の曲率半径:rを640nmよりも小さいマイクロレンズアレイとして形成することにより、R成分光の干渉性ノイズを防止できる。
また、上記曲率半径:rを510nmよりも小さいマイクロレンズアレイとして形成すれば、R成分光とG成分光による干渉性ノイズを防止できる。
隣接するマイクロレンズの境界部をなす面の曲率半径:rを445nmよりも小さいマイクロレンズアレイとして形成すれば、R、G、B成分光の干渉性ノイズを防止できる。
上には、図1に示す画像表示装置(ヘッドアップディスプレイ装置)について説明した。
図1に示す凹面鏡7は、「2次元的に偏向された画素表示用ビームLCによって反射面素子10上に形成される画像の歪みをとる機能」を持つ。
即ち、凹面鏡7は「2次元的に偏向された画素表示用ビームの偏向範囲を調整し、被走査面素子の走査範囲を規制する偏向範囲規制手段」として機能する。
即ち、凹面鏡7は「2次元的に偏向された画素表示用ビームの偏向範囲を調整し、被走査面素子の走査範囲を規制する偏向範囲規制手段」として機能する。
このような偏向範囲規制手段は、2次元偏向手段6により2次元的に偏向された画素表示用ビームの偏向角がさほど大きくない場合には、省略することもできる。
微細凸レンズ構造(マイクロレンズアレイ)および微細凸レンズ(マイクロレンズ)に対する条件は上記の如くである。
即ち、「画素表示用ビームのビーム径より大きい複数の微細凸レンズが、画素ピッチに近いピッチで密接して配列されて微細凸レンズ構造を構成」する。
そこで、このような条件を満足するマイクロレンズアレイの具体的な形態を3例、図4に示す。
図4(a)に形態例を示すマイクロレンズアレイ87は、正方形形状のマイクロレンズ8711、8712・・等を正方行列状に配列したものである。
図4(a)に形態例を示すマイクロレンズアレイ87は、正方形形状のマイクロレンズ8711、8712・・等を正方行列状に配列したものである。
ヘッドアップディスプレイ装置において表示される2次元画像(拡大虚像)の画素数は、マイクロレンズアレイにおけるマイクロレンズの配列周期で決定される。
図4(a)の配列の場合、X軸方向に隣接するマイクロレンズ8711、8712の中心間距離をX1とする。
また、図においてY軸方向に隣接するマイクロレンズ8711、8721の中心間距離をY1とする。これら、X1、Y1を「1画素の実効サイズ」と見做すことができる。
「1画素の実効サイズ」を以下において「1画素の実効ピッチ」あるいは「実効画素ピッチ」とも呼ぶ。
図4(b)に形態例を示すマイクロレンズアレイ88は、正六角形形状のマイクロレンズ8811、8821・・を稠密に配列したものである。
この場合のマイクロレンズの配列では、配列されるマイクロレンズ8811等は、X軸方向に平行な辺を持たない。
即ち、X軸方向に配列するマイクロレンズの上辺・下辺は「ジグザク状」になるので、このような配列を「ジグザグ型配列」と呼ぶ。
図4(c)に形態例を示すマイクロレンズアレイ89は、正六角形形状のマイクロレンズ8911、8921・・を稠密に配列したものである。
この場合のマイクロレンズの配列では、配列されるマイクロレンズ8911等は、X軸方向に平行な辺を持っている。この場合の配列を「アームチェア型配列」と呼ぶ。
ジグザグ型配列とアームチェア型配列を合わせて「ハニカム型配列」と呼ぶ。
図4(c)に示すアームチェア型配列は、図4(b)に示すジグザグ型配列を、90度回転させた配列である。
ジグザグ型配列では、マイクロレンズの配列では、図に示すX2を「X軸方向の実効画素ピッチ」、Y2を「Y軸方向の実効画素ピッチ」と見做すことができる。
ジグザグ型配列では、マイクロレンズの配列では、図に示すX2を「X軸方向の実効画素ピッチ」、Y2を「Y軸方向の実効画素ピッチ」と見做すことができる。
アームチェア型配列では、図に示すX3を「X軸方向の実効画素ピッチ」、Y3を「Y軸方向の実効画素ピッチ」と見做すことができる。
図4(b)で、実効画素ピッチ:Y2は、マイクロレンズ8821の中心と、マイクロレンズ8811の右側の辺の中点との距離である。
図4(c)で、実効画素ピッチ:X3は、マイクロレンズ8911の右側に接する2つのマイクロレンズの接する辺の中点とマイクロレンズ8911の中心との距離である。
ジグザク型配列においては、X軸方向の実効画素ピッチ:X2が小さいので、画像表示におけるX軸方向の分解能を向上させることができる。
また、アームチェア型配列においては、Y軸方向の分解能を向上させることができる。
このように、マイクロレンズをハニカム型に配列することにより、実際のレンズ径よりも小さい画素を実効的に表現でき、実効画素数を向上させることが可能である。
上述の如く、被走査面素子の微細凸レンズ構造(マイクロレンズアレイ)において、隣接するマイクロレンズの境界部は、曲率半径:rを有する。
曲率半径:rは、例えば、画素表示用ビームのR成分の波長:λRよりも小さい。
従って、前述の如く、「R成分のコヒーレント光の干渉による干渉性ノイズ」は防止される。
しかし、画素表示用ビームのG成分光の波長:λGやB成分光の波長:λBよりも、前記曲率半径:rが大きければ、これ等の光は境界部で拡散され、互いに干渉する。
従って、この干渉による干渉性ノイズは発生する。
この場合、図4(a)の「正方行列状の配列」であると、境界部での発散(拡散)は、図のXa方向およびYa方向の2方向に生じ、それぞれが干渉性ノイズの原因となる。
これに対し、図4(b)の配列だと、境界部での発散は、8A、8B、8Cの3方向に起こる。また、図4(c)の場合だと、9A、9B、9Cの3方向に拡散する。
即ち、境界部での発散は、正方行列状配列では2方向に発生し、ハニカム状配列では3方向に生じる。
従って、干渉性ノイズの発生は、正方行列状の配列では2方向的、ハニカム状の配列では3方向的に生じる。
即ち、発生する干渉性ノイズは、正方行列状配列では「2方向に分散」されるのに対し、ハニカム状の配列では「3方向に分散」される。
干渉性ノイズを生じさせるコヒーレント光の最大強度は一定である。
従って、分散される数が大きいほど「発生する干渉性ノイズのコントラスト」は弱められて視認され難く(目立ち難く)なる。
従って、分散される数が大きいほど「発生する干渉性ノイズのコントラスト」は弱められて視認され難く(目立ち難く)なる。
従って、「境界部の曲率半径:rよりも小さい波長の成分による干渉性ノイズ」の発生を許容する場合には、マイクロレンズの配列は「ハニカム状配列」とするのがよい。
なお、境界幅が前記波長:λRより大きい場合には、R成分のコヒーレント光による干渉性ノイズも発生する。
しかし、隣接する微細凸レンズの「レンズ面間の境界幅」は微小であり、微小な境界幅の部分に入射するコヒーレント光の光エネルギは小さい。
従って、干渉性ノイズを発生させる光エネルギも大きくは無い。
従って、干渉性ノイズが発生したとしても、ハニカム状配列の場合は、上記の如く、3方向に分散されることで、コントラストは弱くなる。
従って、干渉性ノイズが発生したとしても、ハニカム状配列の場合は、上記の如く、3方向に分散されることで、コントラストは弱くなる。
従って、干渉性ノイズの視認性は有効に軽減させることとなる。
図1(a)に即して説明したように、2次元の拡大虚像12を結像する虚像結像光学系は、凹面鏡9により構成される。
即ち、拡大虚像12は、凹面鏡9により結像される画素像の集合である。
微細凸レンズであるマイクロレンズに「アナモフィックな機能」を持たせると、微小凸レンズの拡散機能を、互いに直交する方向において異ならせることができる。
微細凸レンズであるマイクロレンズに「アナモフィックな機能」を持たせると、微小凸レンズの拡散機能を、互いに直交する方向において異ならせることができる。
図6(a)及び図6(b)を参照すると、図6(a)及び図6(b)において符号80は、被走査面素子8に稠密に形成されたマイクロレンズ(微細凸レンズ)の個々を説明図として示している。図6(a)の例では、微細凸レンズは、縦長の楕円形であり、「マトリクス状配列」で配列されている。
図6(b)の例では、微細凸レンズ80は、X軸方向に平行な辺を持つ縦長の六角形であり、「アームチェア型配列」で配列されている。
微細凸レンズ80は、そのレンズ面の曲率半径が、X軸方向とY軸方向とで異なり、X軸方向の曲率半径:Rxは、Y軸方向の曲率半径:Ryよりも小さい。すなわち、微細凸レンズ80は、X軸方向の曲率がY軸方向の曲率よりも大きい。
図6(b)の例では、微細凸レンズ80は、X軸方向に平行な辺を持つ縦長の六角形であり、「アームチェア型配列」で配列されている。
微細凸レンズ80は、そのレンズ面の曲率半径が、X軸方向とY軸方向とで異なり、X軸方向の曲率半径:Rxは、Y軸方向の曲率半径:Ryよりも小さい。すなわち、微細凸レンズ80は、X軸方向の曲率がY軸方向の曲率よりも大きい。
従って、微細凸レンズ80のX軸方向のパワー(拡散パワー)は、Y軸方向のパワー(拡散パワー)よりも大きい。
また、レンズ面のX軸方向とY軸方向との両方に曲率を持たせたので、図6(b)に示されるように、微細凸レンズを六角形にでき、上記の如く「干渉性ノイズの視認性」を弱めることができる。
図6(a)及び図6(b)は、1個の微細凸レンズ80に、画素表示用ビームLCが入射した場合を示している。図6(a)及び図6(b)では、個々の微細凸レンズ80のY軸方向の幅がX軸方向の幅よりも長い。
また、レンズ面のX軸方向とY軸方向との両方に曲率を持たせたので、図6(b)に示されるように、微細凸レンズを六角形にでき、上記の如く「干渉性ノイズの視認性」を弱めることができる。
図6(a)及び図6(b)は、1個の微細凸レンズ80に、画素表示用ビームLCが入射した場合を示している。図6(a)及び図6(b)では、個々の微細凸レンズ80のY軸方向の幅がX軸方向の幅よりも長い。
また、図6(a)に示されるように、画素表示用ビームLCのビーム径を「Y軸方向に長い楕円形状」とし、Y軸方向における光束径を、微細凸レンズ80のY軸方向の径より小さくする。
このようにすれば、画素表示用ビームLCを「レンズ境界を跨がずに入射」させることが可能であり、射出する発散光束の断面形状は、X軸方向に長い(横長の)楕円形状になる。
このようにすれば、画素表示用ビームLCを「レンズ境界を跨がずに入射」させることが可能であり、射出する発散光束の断面形状は、X軸方向に長い(横長の)楕円形状になる。
微細凸レンズのY軸方向の長さおよびX軸方向の長さに拘わらず、X軸方向の曲率の方がY軸方向の曲率よりも大きければ、各微細凸レンズから射出する発散ビームの光束断面FXは、Y軸方向よりもX軸方向の方が長くなる。すなわち、横長となる。
上に説明したヘッドアップディスプレイ装置は、例えば、自動車等の車載用として用いることができ、X軸方向は「運転席から見て横方向」、Y軸方向は「縦方向」である。
この場合の反射面素子10は、自動車のフロントガラスである。
この場合、フロントガラス前方に拡大虚像12として、例えば「ナビゲーション画像」を表示でき、観察者11である運転者は、この画像を運転席に居ながらフロントガラス前方から視線をほとんど動かさずに観察できる。
この場合、フロントガラス前方に拡大虚像12として、例えば「ナビゲーション画像」を表示でき、観察者11である運転者は、この画像を運転席に居ながらフロントガラス前方から視線をほとんど動かさずに観察できる。
このような場合、上述の如く、表示される拡大虚像は「運転者から見て横長の画像」であること、即ち、マイクロレンズに形成される画像および、拡大虚像は、X軸方向に画角の大きい画像であることが一般に好ましい。
また、上述の如く、観測者である運転者が、左右斜め方向から表示画像を見た場合にも、表示を認識できるように、横方向には「縦方向に比して大きな視野角」が要求される。
このため、拡大虚像の長手方向(X軸方向)には短手方向(Y軸方向)に比して大きな拡散角(非等方拡散)が要求される。
このため、拡大虚像の長手方向(X軸方向)には短手方向(Y軸方向)に比して大きな拡散角(非等方拡散)が要求される。
従って、被走査面素子の微細凸レンズをマイクロレンズ上に形成された画像もしくは拡大虚像の短手方向よりも長手方向の方が曲率が大きいアナモフィックなレンズとし、画素表示用ビームを拡散させる拡散角を「2次元画像の横方向を縦方向よりも広く」するのが好ましい。
このようにして、ヘッドアップディスプレイ装置の要求画角を満たす必要最小限の範囲に光を発散させ、光の利用効率を向上させ、表示画像の輝度を向上させることが可能である。
勿論、上記のような「非等方拡散」ではなく、縦方向と横方向で拡散角が等しい「等方拡散」とする場合も可能である。
しかし、自動車等の車載用として用いるヘッドアップディスプレイ装置の場合であれば、運転者が表示画像に対して上下方向の位置から観察を行なう場合はすくない。
従って、このような場合であれば、上記のように、画素表示用ビームを拡散させる拡散角を「2次元画像の横方向を縦方向よりも広く」するのが光利用効率の面から好ましい。
しかし、自動車等の車載用として用いるヘッドアップディスプレイ装置の場合であれば、運転者が表示画像に対して上下方向の位置から観察を行なう場合はすくない。
従って、このような場合であれば、上記のように、画素表示用ビームを拡散させる拡散角を「2次元画像の横方向を縦方向よりも広く」するのが光利用効率の面から好ましい。
微細凸レンズ(マイクロレンズ)は、そのレンズ面を「非球面」として形成できることが従来から知られている。
直上に説明したアナモフィックなレンズ面も「非球面」であるが、微細凸レンズのレンズ面をより一般的な非球面として形成でき、収差補正を行なうこともできる。
収差の補正により「拡散の強度ムラ」を低減することも可能である。
図4(a)〜図4(c)に示した微細凸レンズ構造(マイクロレンズアレイ)における個々の微細凸レンズ(マイクロレンズ)は、正方形もしくは正六角形であった。
微細凸レンズの形状はこのように正多角形である必要はなく、図4(a)〜図4(c)に示したマイクロレンズ形状を1方向に引き伸ばした形状でもよい。
この場合、正方形形状であったものは「長方形形状」となり、正六角形状であったものは、細長い変形六角形になる。
微細凸レンズ構造の実効画素ピッチは、図4(a)〜図4(c)の配列では、X軸方向につきX1〜X3、Y軸方向につきY1〜Y3であった。
このように定められるX軸方向の実効画素ピッチを一般に「SX」、Y軸方向の実効画素ピッチを一般に「SY」とするとき、両者の比:SY/SXを「アスペクト比」と言う。
このように定められるX軸方向の実効画素ピッチを一般に「SX」、Y軸方向の実効画素ピッチを一般に「SY」とするとき、両者の比:SY/SXを「アスペクト比」と言う。
図4(a)の場合、アスペクト比は「Y1/X1」であり、X1=Y1であるから、アスペクト比は1である。
図4(b)の場合のアスペクト比は「Y2/X2」であり、Y2>X1であるから、アスペクト比は1より大きい。
図4(c)の場合のアスペクト比は「Y3/X3」であり、Y3<X3であるから、アスペクト比は1よりも小さい。
図5(a)〜図5(e)に示すマイクロレンズアレイ91〜95の微細凸レンズ構造では、実効画素ピッチを、図4の場合と同様にして以下の如くに定める。
即ち、X軸方向、Y軸方向の実効画素ピッチは、図5の「X11、Y11」、「X12、Y12」、「X13、Y13」である。
図5(a)の微細凸レンズ構造は、長方形形状の微細凸レンズ9111、9112、・・9121・・を正方行列状に配列したものであり、アスペクト比は1よりも大きい。
図5(b)〜図5(e)に示すマイクロレンズアレイ92〜95では、微細凸レンズ構造は、ハニカム型配列である。
図5(b)、図5(d)、図5(e)に示すハニカム型配列では、アスペクト比「Y12/X12」、「Y13/X13」はいずれも1より大きい。
図5(a)〜図5(e)に示す微細凸レンズ構造の5例は何れも「微細凸レンズ」は、Y軸方向の長さがX軸方向の長さよりも大きい。
このように「Y軸方向の長さがX軸方向の長さより大きい形状の微細凸レンズ」の場合、微細凸レンズの形状として、X軸方向の曲率をY軸方向の曲率より大きくするのが容易である。
従って、前述した「X軸方向のパワーがY軸方向のパワーよりも大きくなるアナモフィックな光学機能」を実現しやすい。
例えば、図5(a)に示す例の場合、具体例として例えば、X11=150μm、Y11=200μm、アスペクト比=200/150=4/3>1を挙げることができる。
勿論、この場合には、画素表示用ビームのビーム径はX軸方向を150μm未満、Y軸方向を200μm未満にする。
図5(b)〜図5(d)に示す微細凸レンズの配列は、何れもハニカム型配列であり、個々の微細凸レンズは「Y軸方向に長い形状」となっている。
図5(b)の配列は「ジグザグ型」であり、図5(c)〜図5(e)の配列は何れも「アームチェア型」である。
図5(b)の「ジグザグ型の縦長ハニカム型配列」と、図5(c)の「アームチェア型の縦長ハニカム配列」は何れも使用可能であることは勿論である。
しかし、図5(c)の配列例は図5(b)の配列例に対して以下の如き利点を有する。
即ち、図5(b)の配列に比して、図5(c)の配列では、微小凸レンズにおける「X軸方向とY軸方向のサイズの差」が小さく、縦横方向における「実効画素サイズの差」が小さくなる。
具体的な寸法を挙げる。
例えば、図5(b)において、微細凸レンズ9211、9212等のX軸方向のレンズ径:R2x=100μm、Y軸方向のレンズ径:R2y=200umとする。
例えば、図5(b)において、微細凸レンズ9211、9212等のX軸方向のレンズ径:R2x=100μm、Y軸方向のレンズ径:R2y=200umとする。
このとき、X軸方向の実効画素ピッチ(=X12)は50μm、Y軸方向の実効画素ピッチ(=Y12)は150μmとなる。
同様に、図5(c)において、微細凸レンズ9311、9312等の、X軸方向のレンズ径:R3x=100μm、Y軸方向のレンズ径:R3y=200μmとする。
また、微細凸レンズ9311等の六角形形状の、上下の辺の長さは50μmとする。
このとき、X軸方向の実効画素ピッチ(=X13)は75μm、Y軸方向の実効画素ピッチ(=Y13)=100μmとなる。
このとき、X軸方向の実効画素ピッチ(=X13)は75μm、Y軸方向の実効画素ピッチ(=Y13)=100μmとなる。
従って「X、Y軸方向の実効画素ピッチ」は、図5(c)の配列(75μmと100μm)の方が図5(b)の配列(50μmと100μm)の場合よりも「互いに近い値」になる。
図5(c)、図5(d)、図5(e)においては、X軸方向の実効画素ピッチをX13、Y軸方向の実効画素ピッチをY13としている。
これは、図5(c)〜図5(e)のハニカム型配列(アームチェア型のハニカム配列)において、X軸方向の画素ピッチ、Y軸方向の画素ピッチが、同じように定義されることによる。
図5(d)においては、微細凸レンズ9411、9421等は、X軸方向に平行な上下の辺が短く、斜辺が長い。
また、図5(e)においては、微細凸レンズ9511、9521等は、X軸方向に平行な上下の辺が短く、斜辺が長い。
これらの図に示すように、微細凸レンズの六角形形状の変形により、X軸方向の画素ピッチ:X13、Y軸方向の画素ピッチ:Y13を調整できる。
これは、図5(c)〜図5(e)のハニカム型配列(アームチェア型のハニカム配列)において、X軸方向の画素ピッチ、Y軸方向の画素ピッチが、同じように定義されることによる。
図5(d)においては、微細凸レンズ9411、9421等は、X軸方向に平行な上下の辺が短く、斜辺が長い。
また、図5(e)においては、微細凸レンズ9511、9521等は、X軸方向に平行な上下の辺が短く、斜辺が長い。
これらの図に示すように、微細凸レンズの六角形形状の変形により、X軸方向の画素ピッチ:X13、Y軸方向の画素ピッチ:Y13を調整できる。
図5(c)の場合と同様、これら図5(d)、図5(e)に示す配列においても「微細凸レンズ構造が縦長構造」であることにより、X、Y軸方向の「実効画素ピッチの均等化」が可能である。
例えば、図8に示すマイクロレンズアレイ96のマイクロレンズ9611、9621等は、図5(d)に示すマイクロレンズアレイ95と同様の縦長の六角形形状である。
図8に示すマイクロレンズ9611等の配列は、図5(c)と同様の「アームチェア型の縦長ハニカム配列」である。
マイクロレンズ9611等の六角形形状は、X軸方向の実効画素ピッチ:X14が、Y軸方向の実効画素ピッチ:Y14と完全に等しくなるように設定されている。
このように、アームチェア型の縦長ハニカム配列では、アスペクト比を1に設定することができる。画素表示用ビームのビーム径より大きい微細凸レンズもしくは画素表示用ビームのビーム径と同じ程度の大きさの微細凸レンズの場合、実効画素ピッチのアスペクト比が1であれば、虚像として投影される画像データに対して、虚像による再現性が高まる。虚像として投影される画像データのマイクロレンズアレイ上における画素ピッチと実効画素ピッチとを一致させる、もしくは、他の実効画素ピッチと比較して、実効画素ピッチを虚像として投影される画像データのマイクロレンズアレイ上における画像データの画素ピッチに近づけることができるからである。
上には、縦方向を「上下方向」、横方向を「左右方向」として説明したが、これは説明の具体性のための便宜上のものである。
実際の空間において、どの方向が縦方向かは、マイクロレンズアレイの画像表示装置への取り付け方向、画像表示装置の車両等の移動体への取り付け方向による。
2次元偏向手段6は、1つの軸について1往復の揺動(第1軸の揺動)を行う間に、もう一方の軸について往復の揺動(第2軸の揺動)を複数回行うが、多くの場合、拡大虚像の長手方向であるX軸方向が、第2軸の揺動による画素表示用ビームLCのマイクロレンズアレイに対する走査の方向に設定される。したがって、「アームチェア型」の六角形形状のマイクロレンズのX軸方向に平行な上下の辺は、画素表示用ビームLCのマイクロレンズアレイに対する走査方向とほぼ平行となり、「アームチェア型」の六角形形状の画素表示用ビームのマイクロレンズアレイに対する走査方向に最も平行に近い2辺の間隔、言い換えれば、画素表示用ビームのマイクロレンズアレイに対する走査方向に最も平行に近い辺とその対向する辺との間隔を、これら2辺に直交する方向へ拡大するように引き伸ばした形状が「アームチェア型の縦長ハニカム構造」である。
例えば、図8に示すマイクロレンズアレイ96のマイクロレンズ9611、9621等は、図5(d)に示すマイクロレンズアレイ95と同様の縦長の六角形形状である。
図8に示すマイクロレンズ9611等の配列は、図5(c)と同様の「アームチェア型の縦長ハニカム配列」である。
マイクロレンズ9611等の六角形形状は、X軸方向の実効画素ピッチ:X14が、Y軸方向の実効画素ピッチ:Y14と完全に等しくなるように設定されている。
このように、アームチェア型の縦長ハニカム配列では、アスペクト比を1に設定することができる。画素表示用ビームのビーム径より大きい微細凸レンズもしくは画素表示用ビームのビーム径と同じ程度の大きさの微細凸レンズの場合、実効画素ピッチのアスペクト比が1であれば、虚像として投影される画像データに対して、虚像による再現性が高まる。虚像として投影される画像データのマイクロレンズアレイ上における画素ピッチと実効画素ピッチとを一致させる、もしくは、他の実効画素ピッチと比較して、実効画素ピッチを虚像として投影される画像データのマイクロレンズアレイ上における画像データの画素ピッチに近づけることができるからである。
上には、縦方向を「上下方向」、横方向を「左右方向」として説明したが、これは説明の具体性のための便宜上のものである。
実際の空間において、どの方向が縦方向かは、マイクロレンズアレイの画像表示装置への取り付け方向、画像表示装置の車両等の移動体への取り付け方向による。
2次元偏向手段6は、1つの軸について1往復の揺動(第1軸の揺動)を行う間に、もう一方の軸について往復の揺動(第2軸の揺動)を複数回行うが、多くの場合、拡大虚像の長手方向であるX軸方向が、第2軸の揺動による画素表示用ビームLCのマイクロレンズアレイに対する走査の方向に設定される。したがって、「アームチェア型」の六角形形状のマイクロレンズのX軸方向に平行な上下の辺は、画素表示用ビームLCのマイクロレンズアレイに対する走査方向とほぼ平行となり、「アームチェア型」の六角形形状の画素表示用ビームのマイクロレンズアレイに対する走査方向に最も平行に近い2辺の間隔、言い換えれば、画素表示用ビームのマイクロレンズアレイに対する走査方向に最も平行に近い辺とその対向する辺との間隔を、これら2辺に直交する方向へ拡大するように引き伸ばした形状が「アームチェア型の縦長ハニカム構造」である。
従って、アームチェア型の縦長ハニカム配列は、輝度及び実効画素数の向上に加え、X軸方向(横方向)、Y軸方向(縦方向)の実効画素ピッチの差を小さくすることができる。
図5(c)〜図5(e)に示す如き「微細凸レンズの形状」は、例えば、発散光束の発散角制御のため、任意に選択することが可能である。
図5(c)〜図5(e)に示す如き「微細凸レンズの形状」は、例えば、発散光束の発散角制御のため、任意に選択することが可能である。
図1(a)に示したヘッドアップディスプレイ装置においては、画素表示用ビームLCは、被走査面素子8の微細凸レンズ構造に直交入射している。
しかし、画素表示用ビームの被走査面素子への入射形態は、このような「直交入射」に限らない。
例えば、光源部から反射面素子に到る光学素子の配列を工夫して、ヘッドアップディスプレイ装置をコンパクト化する場合には、図7(a)のような入射形態が考えられる。
即ち、図7(a)の例では、画素表示用ビームLCが、被走査面素子8に対して傾いて入射している。
微細凸レンズのレンズ面を「非球面」とするような場合、画素表示用ビームLCは、非球面の光軸に対して傾いて入射することになり、非球面の機能を生かせない場合もある。
このような場合には、図7(b)の被走査面素子8aのように、微細凸レンズMLのレンズ面光軸AXを、被走査面素子8aの基準面に対して直交方向から傾けるのが良い。
このようにして、レンズ面光軸AXを画素表示用ビームLCの入射方向に平行、もしくはこれに近い方向とすることができる。
なお、被走査面素子8aの基準面は、微細凸レンズMLがアレイ配列された面である。
このようにすることにより、光学系の小型化や、光の利用効率の向上が可能となり「微細凸レンズによる画素表示用ビームの発散の方向」を均質化することが可能である。
上に説明したヘッドアップディスプレイ装置は、上述の自動車への搭載に限らず、列車、船舶、ヘリコプター、飛行機など各種の、操縦可能な移動体に搭載できる。例えば、オートバイのウインドシールド(風よけ)を透過反射部材とすることもできる。
この場合、操縦席前方のフロントガラスを反射面素子とすればよい。
勿論、ヘッドアップディスプレイ装置を、例えば「映画観賞用の画像表示装置」として実施できることは言うまでも無い。
微細凸レンズ構造の微細凸レンズは、上記の如く画素表示用ビームを拡散させるものであるが、X、Yの2方向のうち、1方向のみの拡散を行なう場合も考えられる。
このような場合には、微細凸レンズのレンズ面として「微細凸シリンダ面」を用いることができる。
なお、微細凸レンズの形状を、六角形状とすることや、その配列をハニカム型配列とすることは、従来から、マイクロレンズアレイの製造方法に関連して知られている。
上に説明したヘッドアップディスプレイ装置は、例えば、自動車等の車載用として用いることができ、X方向は「運転席から見て横方向」、Y方向は「縦方向」である。
この場合の反射面素子10は、自動車のフロントガラスである。
この場合、フロントガラス前方に拡大虚像12として、例えば「ナビゲーション画像」を表示でき、観察者11である運転者は、この画像を運転席に居ながらフロントガラス前方から視線をほとんど動かさずに観察できる。
この場合、フロントガラス前方に拡大虚像12として、例えば「ナビゲーション画像」を表示でき、観察者11である運転者は、この画像を運転席に居ながらフロントガラス前方から視線をほとんど動かさずに観察できる。
このような場合、上述の如く、表示される拡大虚像は「運転者から見て横長の画像」であること、即ち、マイクロレンズに形成される画像および、拡大虚像は、X方向に画角の大きい画像、すなわち横長の画像であることが一般に好ましい。
微細凸レンズ(マイクロレンズ)は、そのレンズ面を「非球面」として形成できることが従来から知られている。
微細凸レンズのレンズ面をより一般的な非球面として形成でき、収差補正を行なうこともできる。
収差の補正により「拡散の強度ムラ」を低減することも可能である。
ところで、反射面素子10で反射されたレーザ光の光路上の所定の観察位置での虚像の視認性を向上させるために、各マイクロレンズからのレーザ光の観察位置での断面の大きさを所望の大きさにすることが望まれる。すなわち、光利用効率の向上及び輝度の適正化を図ることが望まれる。なお、観察位置でのレーザ光の断面が大きいほど、輝度(エネルギ密度の平均)が小さくなる。
そして、通常、マイクロレンズアレイの各面内位置と観察位置との間のレーザ光の光路長には、ばらつきがあるため、全マイクロレンズのうち少なくとも2つのマイクロレンズに要求される発散角(必要十分な発散角)は、互いに異なる。
図9(a)及び図9(b)は、実施例1のマイクロレンズアレイについて説明するための図である。実施例1のマイクロレンズアレイは、X方向を長手方向とし、光束LB1によりX、Y方向に2次元走査される。ここでは、マイクロレンズアレイは、Z軸方向から見て矩形状である。また、実施例1では、図1(a)〜図1(c)に示される光学系と同様な光学系が設けられている。
図9(a)において、符号P、Q、Rは、マイクロレンズアレイへの光束LB1(図9(b)参照)の入射位置の具体例を示している。
ここでは、光束LB1の入射方向を+Z方向とし、マイクロレンズアレイの長辺方向をX方向、短辺方向をY方向とする。
実施例1のマイクロレンズアレイでは、複数のマイクロレンズのレンズピッチ、曲率が等しく(曲率半径が等しく)、各マイクロレンズによるレーザ光の発散角が等しい。そのため、マイクロレンズアレイに平行に入射する光束LB1は、X、Y位置によらず、例えばマイクロレンズアレイの各位置P、Q、Rにおいて同一の発散角θ1で発散する(図9(b)参照)。発散角θ1は、例えば位置P、Q、Rそれぞれと観察位置と間のレーザ光の光路長の平均値に応じた値に設定されている。
この場合、位置P、Q、Rそれぞれと観察位置との間のレーザ光の光路長に差により、各位置でのレーザ光の断面の大きさが所望の大きさからずれ、光利用効率及び輝度の低下を招く。
図10(a)及び図10(b)は、実施例2のマイクロレンズアレイについて説明するための図である。実施例2のマイクロレンズアレイも、実施例1のマイクロレンズアレイと同様の形状であり、光束LB2によりX、Y方向に2次元走査される。また、実施例2でも、図1(a)〜図1(c)に示される光学系と同様な光学系が設けられている。
実施例2のマイクロレンズアレイでは、位置P、Q、R(図9(a)参照)においてそれぞれ要求される発散角は、α、β、γ(α<β<γ)である。しかしながら、実施例2では、実施例1と同様に各マイクロレンズによる光束LB2の発散角が互いに等しくなるような設計思想であるため、該発散角をα、β、γのうち最も大きいγに設定する必要がある。すなわち、各マイクロレンズの曲率(曲率半径)を発散角がγとなる値に設定する必要がある。
この場合、位置P、Q、Rにおいて、それぞれ要求される発散角を満たすことはできる。
しかしながら、位置P、Qにおける発散角を、位置Rにおける発散角γに合わせなければならないため、位置P、Qでは、入射光束を本来必要とされる発散角よりも大きく発散させることになる。この結果、マイクロレンズアレイへの入射光束の一部が不必要に発散され、光利用効率及び輝度の低下を招く。
そこで、以下に説明する実施例3では、マイクロレンズアレイの面内位置によって入射光束の発散角を異ならせることとしている。
図11(a)及び図11(b)は、実施例3のマイクロレンズアレイについて説明するための図である。実施例3のマイクロレンズアレイも、実施例1、2のマイクロレンズアレイと同様の形状であり、光束LB3によりX、Y方向に2次元走査(例えばラスタスキャン)される。
実施例3では、位置P、Q、Rに入射した光束LB3の発散角を、それぞれに要求される発散角α、β、γ(α<β<γ)に設定している。なお、要求される発散角は、例えばマイクロレンズアレイの各面内位置(各マイクロレンズ)と観察位置との間のレーザ光の光路長、反射面素子10からのレーザ光の反射方向(観察者の目への入射方向)等によって決定される。
すなわち、マイクロレンズと反射面素子10、ひいては観察位置との間のレーザ光の光路長が長くなればなるほど、該マイクロレンズによる発散効果が大きくなる。一方で、マイクロレンズと反射面素子10、ひいては観察位置との間のレーザ光の光路長が短くなればなるほど、マイクロレンズによる発散効果が小さくなる。したがって、例えば、観察位置におけるマイクロレンズによる発散効果をマイクロレンズから反射面素子10までの光路長に関係なく一定に得たいという要求があるならば、マイクロレンズの各々が、反射面素子10までの光路長が短いほど、レンズの曲率が大きくなる傾向で分布するようにすれば良い。言い換えれば、マイクロレンズアレイは、反射面素子10までの光路長が長い領域と短い領域に等分した場合に、光路長が長い領域に比べ短い領域の方がマイクロレンズの平均的な曲率が大きくなるようにすれば良い。なお、上記の他の態様として、マイクロレンズアレイ上の領域毎に異なる発散効果を得たいという要求があれば、それに応じてマイクロレンズアレイの曲率半径の分布を決定すれば良い。
上記の場合、マイクロレンズアレイ中のマイクロレンズの曲率の分布は、曲率の大きい領域から曲率の小さい領域に向かって、略単調減少するようになっている。
上記の場合、マイクロレンズアレイ中のマイクロレンズの曲率の分布は、曲率の大きい領域から曲率の小さい領域に向かって、略単調減少するようになっている。
このように、各面内位置において発散角を必要最小限の値に定めることで、入射光束をロス無く発散させることができる。これにより、光の利用効率が向上し、虚像の輝度が向上する。
上記のような面内位置によって発散角が異なるマイクロレンズアレイは、実際に作製可能である(例えば特開2009−111209号参照)。マイクロレンズアレイの各面内位置での発散角は、マイクロレンズアレイにおけるレンズピッチと各マイクロレンズの曲率半径とにより制御できる。そこで、複数のマイクロレンズの曲率半径を、レンズピッチに応じて、X、Y位置の関数となるように変化させれば良い。
以上のように、本実施形態(実施例1〜3)では、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズの曲率半径を該マイクロレンズと反射面素子10との間のレーザ光の光路長に基づいて設定している。具体的には、各マイクロレンズと反射面素子10との間のレーザ光の光路長が長いほど該マイクロレンズの曲率半径を大きく(曲率を小さく)する。逆に言うと、各マイクロレンズと反射面素子10との間のレーザ光の光路長が短いほど該マイクロレンズの曲率半径を小さく(曲率を大きく)する。なお、各マイクロレンズの曲率を、上記光路長に代えて又は加えて、反射面素子10からのレーザ光の反射方向に基づいて設定しても良い。
上述の如く、通常、マイクロレンズアレイの全マイクロレンズのうち少なくとも2つのマイクロレンズそれぞれと観察位置との間のレーザ光の光路長は、互いに異なる。すなわち、マイクロレンズアレイの全マイクロレンズと観察位置との間のレーザ光の光路長が全て等しくなることは極めて稀である。
そこで、本実施形態のマイクロレンズアレイでは、少なくとも2つのマイクロレンズの曲率半径を互いに異ならせている。すなわち、該マイクロレンズアレイは、曲率半径の面内分布を持つ。
曲率半径の分布態様として、様々な形態が考えられる。例えば、図12(a)に示される実施例4のマイクロレンズアレイのように、X方向(長辺方向)にのみ分布を持ち、Y方向(短辺方向)には分布を持たない態様、図12(b)に示される実施例5のマイクロレンズアレイのように、Y方向(短辺方向)にのみ分布を持つ態様、図12(c)に示される実施例6のマイクロレンズアレイのように、曲率半径がX、Y方向に分布を持つ態様等が挙げられる。
以上の議論は、マイクロレンズの曲率半径に限った議論のため、マイクロレンズが円形、正多角形等である場合のみならず、マイクロレンズのアスペクト比が異なる(例えば長方形、楕円など)場合であっても成立する。
図13は、観察者の目線を含む鉛直面に関して非対称な形状の透過反射部材(例えば移動体のフロントガラス)を介して、マイクロレンズアレイに形成された画像の虚像を視認可能にする場合について説明する図である。
図13において、鉛直方向をY方向、水平面に平行かつ観察者の目線に平行な方向をZ方向とする。
マイクロレンズアレイを介したレーザ光は、一部が反射面素子10としての透過反射部材で反射され、観察者の眼の位置へ送られる。そこで、観察者は、マイクロレンズアレイ上に形成された画像を虚像として視認する。
透過反射部材として、例えば車両のフロントガラスが想定される。通常の車両において、観察者(運転者)はフロントガラスの中央に対して右か左に寄った位置(運転席)である観察位置で虚像を観察する。図13では、右ハンドルの車両が想定されている。そして、フロントガラスは、観察者の目線を含む鉛直面(YZ平面)に関して非対称な形状を有している。
フロントガラスの形状(例えば曲面形状)の影響により、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズとフロントガラスとの間のレーザ光の光路長は、X方向に関して分布を持つ。また、フロントガラスにおける各マイクロレンズからのレーザ光の入射位置と観察者の目との間のレーザ光の光路長も、X方向に関して分布を持つ。
このため、例えばマイクロレンズアレイのX方向両端から出射されフロントガラスで反射され観察者の目に到達する2つの光線1、2の光路長が互い異なり、該2つの光線1、2のフロントガラスでの反射方向も互いに異なる。
以上のようにマイクロレンズアレイと観察者との間の光学系が非対称に構成される場合においては、マイクロレンズアレイの面内位置ごとに要求される発散角は異なるため、各面内位置で要求される発散角を満たすために、上記2つの光線1、2の光路長やフロントガラスからの反射方向に基づいてマイクロレンズアレイにおいて曲率半径をX方向に分布させること(X方向に配列された少なくとも2つのマイクロレンズの曲率半径を異ならせること)が望ましい。
以上では、観察者の左右方向(横方向)、つまりマイクロレンズアレイの長手方向(X方向)に関する光学系の非対称性による光路差について説明したが、フロントガラスは、Y方向、つまりマイクロレンズアレイの短手方向にも非対称な形状を持つことが多く、この場合も同様の議論が成立する。そこで、マイクロレンズアレイにおいて、上記2つの光線1、2の光路長やフロントガラスからの反射方向に基づいて曲率半径をY方向にも分布させること(Y方向に配列された少なくとも2つのマイクロレンズの曲率半径を異ならせること)が望ましい。
以上の説明から分かるように、複数のマイクロレンズの曲率は、マイクロレンズアレイと透過反射部材との位置関係、及び観察者(例えば操縦席に着座している操縦者)の目が位置する所定の観察位置と透過反射部材との位置関係に基づいて設定されることが好ましい。なお、予め観察者の目が位置すると想定される空間領域を設定し、設定された空間領域を観察位置とすると良い。また、例えば図13において観察者の目が位置すると想定される、透過反射部材で反射されたレーザ光の光路とXY平面に平行な所定平面とが交わる平面領域を観察位置としても良い。また、観察位置を観察者の目が位置すると想定される空間領域内又は平面領域内の任意の点(例えば中心点)としても良い。但し、上記空間領域及び上記平面領域は、観察者の体格等の個人差や虚像を観察するときの観察者の頭部の位置変動を考慮して、大きめに設定されることが好ましい。
すなわち、複数のマイクロレンズそれぞれの曲率は、該マイクロレンズと上記観察位置との間のレーザ光の光路長(各マイクロレンズから透過反射部材を介して観察位置に到達するレーザ光の光路長)に基づいて設定されることが好ましい。
具体的には、各マイクロレンズと上記観察位置との間のレーザ光の光路長が長いほど該マイクロレンズの曲率を小さくして(曲率半径を大きくして)該レーザ光の発散角を小さくする。逆に言うと、各マイクロレンズと上記観察位置との間のレーザ光の光路長が短いほど該マイクロレンズの曲率を大きくして(曲率半径を小さくして)該レーザ光の発散角を大きくする。この場合、例えば、各マイクロレンズからのレーザ光の観察位置での断面の大きさを互いに略等しくなるようにすることが好ましい。
このようにして、各マイクロレンズと上記所定位置との間のレーザ光の光路長に応じて必要最小限の発散角を得ることができ、光利用効率及び輝度の向上を図ることができる。なお、複数のマイクロレンズそれぞれの曲率は、該マイクロレンズと上記所定位置との間のレーザ光の光路長を例えばレーザ測長器等を用いて実際に測定し、その測定結果に基づいて設定されれば良い。
なお、マイクロレンズアレイと透過反射部材との位置関係によって、各マイクロレンズと透過反射部材との間のレーザ光の光路長が決まる。また、上記観察位置と透過反射部材との位置関係によって、各マイクロレンズを透過したレーザ光の、透過反射部材と前記観察位置との間の光路長が決まる。
なお、各マイクロレンズの曲率を、該マイクロレンズを透過し透過反射部材で反射されるレーザ光の反射方向(反射光の主光線の進行方向)に基づいて設定しても良い。具体的には、例えば該レーザ光の反射方向が、フロントガラスを正視する観察者の目への該レーザ光の入射角(例えば観察者の目線との成す角)が大きくなる方向であるほど、マイクロレンズの曲率を小さくして発散角を小さくしても良い。この結果、観察者の目に到達する光の強度低下を抑制でき、虚像の視認性を向上させることができる。なお、発散角が同一の条件であれば、観察者の目へのレーザ光の入射角が大きいほど観察者の目への入射光の断面が大きくなるため、発散角を小さくしても視野角が狭くなることが抑制される。透過反射部材からのレーザ光の反射方向は、透過反射部材へのレーザ光の入射方向に基づいて求めることができる。
また、上記実施形態では、各マイクロレンズからの光の出射方向(各マイクロレンズの光軸)は、互いに平行であるが、少なくとも2つのマイクロレンズからの光の出射方向を非平行としても良い。なお、マイクロレンズの光軸の向きを調整することで、該マイクロレンズを透過し透過反射部材で反射されるレーザ光の光路長や反射方向を調整することができる。
また、マイクロレンズアレイの全てのマイクロレンズの曲率が異なっていても良いし、一部のマイクロレンズの曲率が異なり、かつ残りのマイクロレンズの曲率が同じであっても良く、要は、少なくとも2つのマイクロレンズの曲率が異なれば良い。
すなわち、マイクロレンズアレイを構成する複数のマイクロレンズの曲率を2種類以上とし、光学系のレイアウトや観察位置に基づいてマイクロレンズアレイの面内で曲率を分布させることで、各面内位置での発散角を必要最小限の大きさに設定できる。
以上のように、本実施形態では、ヘッドアップディスプレイ装置の要求画角を満たす必要最小限の範囲に光を発散させることで、光の利用効率を向上させ、虚像の輝度を向上させることが可能である。そこで、このヘッドアップディスプレイ装置が搭載された移動体では、操縦者がナビゲーション画像の虚像を迅速かつ確実に認識できる。
上記実施形態のマイクロレンズアレイでは、複数のマイクロレンズが2次元配列されているが、これに代えて、1次元配列又は3次元配列されていても良い。
また、上記実施形態では、マイクロレンズアレイを2次元偏向手段を用いて2次元走査して2次元画像を形成しているが、例えば、MEMSミラー、ガルバノミラー、ポリゴンミラー等を含む1次元偏向手段を用いて1次元走査して1次元画像を形成しても良い。
また、上記実施形態では、カラー画像を形成しているが、モノクロ画像を形成しても良い。
また、反射面素子10としての透過反射部材は、例えば、いわゆるコンバイナのように、移動体のフロントガラスとは別の部材で構成され、観察者から見て該フロントガラスの手前に配置されていても良い。
また、透過反射部材は、移動体のフロントガラスに限らず、例えばサイドガラス、リアガラス等であっても良く、要は、透過反射部材は、虚像を視認する操縦者により操縦される移動体に設けられ、操縦者が移動体の外部を視認するための窓部材であれば良い。
また、画像表示装置によって虚像を視認可能にされる対象者は、移動体の操縦者に限らず、例えば該移動体に搭乗するナビゲータ、乗客等であっても良い。
以上説明した本実施形態の画像表示装置は、画像情報に応じて変調されたレーザ光により複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイを走査して画像を形成し、前記マイクロレンズアレイを透過したレーザ光を透過反射部材に入射させて、該透過反射部材で反射されたレーザ光の光路上の観察位置から前記画像の虚像を視認可能にする画像表示装置であり、前記複数のマイクロレンズそれぞれの曲率は、該マイクロレンズと前記観察位置との間のレーザ光の光路長に基づいて設定されている。
この場合、複数のマイクロレンズそれぞれの曲率を、該マイクロレンズからのレーザ光の発散角が上記光路長に応じた適切な値となるように設定できる。
この結果、光利用効率を向上させることができ、ひいては虚像の視認性を向上させることができる。
なお、上記実施形態では、等方拡散型の各マイクロレンズの曲率半径を該マイクロレンズと観察位置との間のレーザ光の光路長に基づいて設定することを説明したが、前述した非等方拡散型の各マイクロレンズの曲率半径を該マイクロレンズと観察位置との間のレーザ光の光路長に基づいて設定しても良い。非等方拡散型のマイクロレンズの場合、該マイクロレンズのX、Y方向の曲率半径を等方拡散型のマイクロレンズと同様に互いに等倍率で調整しても良いし、互いに非等倍率で調整しても良い。
なお、複数のマイクロレンズそれぞれの互いに直交する第1及び第2方向(例えばX、Y方向)の曲率の少なくとも一方を、該マイクロレンズと前記観察位置との間のレーザ光の光路長に基づいて設定することとしても良い。
この場合、各マイクロレンズによるレーザ光の第1及び第2の方向(例えばX、Y方向)に関する発散角の少なくとも一方を、該マイクロレンズと観察位置との間のレーザ光の光路長に応じた適切な値に設定することができる。この結果、観察位置での各レーザ光の断面の大きさのみならず形状を調整することもできる。
この設定は、上記第1及び第2の方向(例えばX、Y方向)に関する発散角それぞれに要求される発散角が異なる場合やマイクロレンズアレイの各マイクロレンズの第1及び第2の方向に関する曲率半径が互い異なる設計思想である場合(該マイクロレンズが非等方拡散型である場合)に有効である。
また、上記第1及び第2の方向に関する曲率の少なくとも一方を、該マイクロレンズを透過し前記透過反射部材で反射されるレーザ光の反射方向に基づいて設定することとしても良い。
また、本発明の画像表示装置は、例えば観察者の頭部に到着されるヘッドマウントディスプレイへの応用も可能である。
LC…画素表示用ビーム(画像情報に応じて変調されたレーザ光)、8…被走査面素子(マイクロレンズアレイ)、9…凹面鏡(反射部材)、10…反射面素子(透過反射部材)、11…観察者(操縦者)。
本発明は、画像表示装置及び移動体に係り、更に詳しくは、光により画像を形成し、形成された画像の虚像を視認可能にする画像表示装置、及び該画像表示装置が搭載された移動体に関する。
本発明は、光源と、前記光源の光によって画像を形成するための画像形成素子と、前記画像を形成する光が照射されるレンズアレイと、を備え、前記レンズアレイに前記光により画像を表示させ、前記レンズアレイを透過した前記光を反射面素子で反射させることにより虚像を視認させる画像表示装置において、前記レンズアレイは、複数のレンズが配列された構造を有し、前記複数のレンズの各々は、前記反射面素子からの所定の観察位置への光の入射角が大きくなる位置のレンズほど、レンズの曲率が小さくなる傾向で分布していることを特徴とする画像表示装置である。
Claims (10)
- 光源と、
前記光源の光によって画像を形成するための画像形成素子と、
前記画像を形成する光が照射されるレンズアレイと、を備え、
前記レンズアレイに前記光により画像を表示させ、前記レンズアレイを透過した前記光を反射面素子で反射させることにより虚像を視認させる画像表示装置において、
前記レンズアレイは、複数のレンズが配列された構造を有し、前記複数のレンズのうちの少なくとも2つは、互いに曲率が異なることを特徴とする画像表示装置。 - 前記複数のレンズの各々は、前記反射面素子までの光路長が短いほど、レンズの曲率が大きくなる傾向で分布していることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記複数のレンズの各々は、前記レンズアレイを前記反射面素子までの光路長が長い領域と短い領域に等分した場合に、光路長が長い領域に比べ短い領域の方が前記レンズの平均的な曲率が大きくなるように分布していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
- 前記レンズアレイと前記反射面素子との間の光の光路上に、該光を拡大反射する反射部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像表示装置。
- 前記反射面素子は、前記虚像を視認する操縦者により操縦される移動体に設けられ、前記操縦者が前記移動体の外部を視認するための窓部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
- 請求項5に記載の画像表示装置が搭載され、前記操縦者により操縦される移動体。
- 複数のレンズが配列された構造を有するレンズアレイであって、
前記複数のレンズのうちの少なくとも2つは、互いに曲率が異なることを特徴とするレンズアレイ。 - 前記複数のレンズの曲率の分布は、曲率の大きい領域から曲率の小さい領域に向かって、略単調減少するようになっていることを特徴とする請求項7に記載のレンズアレイ。
- 画像情報に応じて変調されたレーザ光を複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイに照射して画像を形成し、前記マイクロレンズアレイを透過したレーザ光を透過反射部材に入射させて、該透過反射部材で反射されたレーザ光の光路上の観察位置から前記画像の虚像を視認可能にする画像表示装置において、
前記複数のマイクロレンズそれぞれの互いに直交する第1及び第2方向の曲率の少なくとも一方は、該マイクロレンズと前記観察位置との間のレーザ光の光路長に基づいて設定されていることを特徴とする画像表示装置。 - 前記複数のマイクロレンズのうち少なくとも2つのマイクロレンズそれぞれと前記観察位置との間のレーザ光の光路長は、互いに異なることを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
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