JP2018136511A - 波長変換装置及び照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光体の温度上昇を抑制し、高出力化を図ることができる波長変換装置等を提供する。【解決手段】入射光を波長変換する蛍光体122と、蛍光体122の結晶化温度よりも高い融点を有する材料により形成され、蛍光体122を保持する保持部材121と、を備え、蛍光体122と、保持部材121とは、互いの界面で、化学結合している。【選択図】図3A

Description

本発明は、波長変換装置及び照明装置に関する。
LEDまたはレーザーなどの固体光源を用いた照明がある。このような照明では、固体光源が発する青色光を、蛍光体を用いた波長変換部に照射することで白色光を作り出して照明する。
蛍光体は、青色光の一部により励起された黄色光と透過した青色光の他部とを散乱させるので、これらを混色した白色光を作り出すことができる。従来、蛍光体は、蛍光体粒子を封止樹脂に混合して形成される。蛍光体粒子としては一般的にYAG(Yttrium Aluminum Garnet)が用いられ、YAGの熱伝導率は11.7W/mKである。封止樹脂としては、シリコーン樹脂が用いられ、シリコーン樹脂の熱伝導率は0.15W/mKである。そして、これらを混合した蛍光体の熱伝導率は、蛍光体粒子の濃度を40wt%とすると0.6W/mKとなり、蛍光体粒子そのものよりも熱伝導率が低くなる。
また、蛍光体は温度が高くなると波長変換効率が下がる温度消光特性を有する。そのため従来の熱伝導率が低い蛍光体では、照射された青色光(短波長)を黄色光(長波長)に波長変換する際に発生した熱により高温となり、波長変換効率が低下する。
そこで、発光装置が備える蛍光体に、温度消光特性が優れているYAG結晶を母結晶とする単結晶を用いることが提案されている(例えば特許文献1)。
特許第5649202号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示される発光装置では、蛍光体の温度上昇を抑制できないという課題がある。具体的には、上記の発光装置では、単結晶の蛍光体とそれが固定される基板の間に接着層または空気層が存在し、接着層または空気層は単結晶の蛍光体よりも熱伝導性は低い。そのため、上記の発光装置では、波長変換する際に発生した熱の熱伝導性が低くなってしまうので、蛍光体の温度上昇を抑制できないという課題がある。
本発明は、上述の課題を鑑みてなされたもので、蛍光体の温度上昇を抑制し、高出力化を図ることができる波長変換装置及びそれを用いた照明装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る波長変換装置は、入射光を波長変換する蛍光体と、前記蛍光体の結晶化温度よりも高い融点を有する材料により形成され、前記蛍光体を保持する保持部材と、を備え、前記蛍光体と、前記保持部材とは、互いの界面で、化学結合している。
また、上記目的を達成するために本発明の一態様に係る照明装置は、上記一態様の波長変換装置と、レーザー光源とを備え、前記レーザー光源から照射されるレーザー光を前記蛍光体に前記入射光として入射させる。
本発明の一態様に係る波長変換装置等では、蛍光体の温度上昇を抑制し、高出力化を図ることができる。
実施の形態における波長変換装置が用いられる照明装置の一例を示す図である。 実施の形態における灯具の構成の一例を示す図である。 実施の形態における波長変換装置の構成の一例を示す斜視図である。 図3Aに示す波長変換装置の上面図である。 実施の形態における波長変換装置の構成の一例を示す斜視図である。 図4Aに示す波長変換装置の上面図である。 実施の形態における波長変換装置の作成方法の一例を示すフローチャートである。 実施の形態における波長変換装置の作成方法の一例の説明図である。 実施の形態における波長変換装置の作成方法の一例の説明図である。 実施の形態における波長変換装置の作成方法の他の一例を示すフローチャートである。 実施の形態における波長変換装置の作成方法の他の一例の説明図である。 実施の形態における波長変換装置の作成方法の他の一例の説明図である。 実施の形態における波長変換装置の作成方法の他の一例の説明図である。 実施例1における灯具の解析モデルの一例を示す模式図である。 図9Aに示す解析モデルの波長変換装置の断面図を示す模式図である。 熱伝導率の表を示す図である。 図9Aに示す解析モデルを用いた熱シミュレーションの結果を示す図である。 図11から算出した蛍光体から出射される光束を示す図である。 実施例2における灯具の解析モデルの例を示す模式図である。 図13Aに示す解析モデルの波長変換装置の断面図を示す模式図である。 図13Aに示す解析モデルを用いた熱シミュレーションの結果を示す図である。 図14から算出した蛍光体から出射される光束を示す図である。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ここで示す実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であって本発明を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
(実施の形態)
[照明装置の構成]
以下では、まず、本実施の形態における波長変換装置が用いられる応用製品として、照明装置を例に挙げて説明する。
図1は、本実施の形態における波長変換装置12が用いられる照明装置4の一例を示す図である。
図1に示される照明装置4は、例えば内視鏡やファイバースコープ、スポットライト、漁網に用いられ、紫外から可視までの波長帯域のうちの所定の波長のレーザー光から白色光を作り出して出射する。本実施の形態では、照明装置4は、灯具1と、光ファイバ2と、光源3とを備える。
光ファイバ2は、離れた場所に光を伝える伝送路である。光ファイバ2は、高屈折率のコアをコアより低屈折率のクラッド層が包んだ二重構造で構成される。コア及びクラッド層はともに光に対して透過率が非常に高い石英ガラスまたはプラスチックからなる。
光源3は、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を発する。光源3から発した光は光ファイバ2に入射される。本実施の形態では、光源3は、青色光を発するレーザー光源であり、例えば直径1mm程度の青色のレーザー光を発するレーザーダイオード(LD)からなる。
[灯具1]
灯具1は、光ファイバ2を介して伝送された光源3からの光を、対象物に照射するために用いられる。
図2は、本実施の形態における灯具1の構成の一例を示す図である。
灯具1は、図2に示すように、筺体11と、波長変換装置12と、レンズ13とを備える。
[筺体11]
筺体11は、波長変換装置12を固定または収容する筺体である。筺体11は、光ファイバ2を介して伝送された光源3からの光(青色光)を波長変換装置12に導いて入射させ、波長変換装置12から出射された光(白光)をレンズ13を介して対象物に照射する。図2に示す例では、筺体11は、上部筺体11Aと下部筺体11Bとを備え、上部筺体11A及び下部筺体11Bにより波長変換装置12を挟み込むこと波長変換装置12を固定する。なお、筺体11が波長変換装置12を固定する手法はこれに限られない。筺体11は、波長変換装置12を内部に収容してもよい。
筺体11の材質は、金属などの剛性部材である。筺体11の材質として熱伝導度が比較的高い金属(アルミニウム、銅など)を用いると、筺体11による熱伝導及び放射により波長変換装置12の高温化を防ぐ効果が高められる。筺体11は、例えば、Z軸方向を軸方向とする中空の柱体である。図2に示す例では、上部筺体11A及び下部筺体11Bは、中空の円柱(円筒)であるが、中空の方形体または四角柱であってもよい。筺体11は、+Z軸方向(図で上方)から、光源3の光(青色光)が光ファイバ2から伝送され、波長変換装置12から出射された光(白光)をレンズ13を介して-Z軸方向(図で下方)に照射する。
[レンズ13]
レンズ13は、波長変換装置12から出射された光(白光)の照射範囲を制御し、当該光を対象物に照射させる。レンズ13の材質は、例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂、シリコン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ガラス、石英などの透明部材である。レンズ13は、光の吸収がなく透明であることが好ましく、消衰係数がほぼ0の材料で形成されていることが好ましい。
[波長変換装置12]
図3Aは、本実施の形態における波長変換装置12の構成の一例を示す斜視図である。図3Bは、図3Aに示す波長変換装置12の上面図である。
波長変換装置12は、照射された青色光(短波長)を黄色光(長波長)に波長変換する。本実施の形態では、波長変換装置12は、図3A及び図3Bに示すように、保持部材121と、蛍光体122とを備える。
(保持部材121)
保持部材121は、蛍光体122の結晶化温度よりも高い融点を有する材料により形成され、蛍光体122を保持する。保持部材121と蛍光体122とは、互いの界面で化学結合しており、この化学結合は共有結合またはイオン結合である。
保持部材121は、蛍光体122に照射される入射光の入射方向からみて、蛍光体122の周囲に配されている。保持部材121の形状は中央部が中空の略円柱状であり、蛍光体122の形状は略円柱状である。図3A及び図3Bに示す例では、保持部材121の形状は、円環状を底面とする略円柱状であり、略円柱状の蛍光体122の周囲に配される。つまり、保持部材121は、中央部が中空である円柱状(円状)に形成されており、中空の中央部に蛍光体122が配され、当該蛍光体122を保持している。
保持部材121の材料は、例えば約2000℃の融点を有するAlなどのアルミナや酸化アルミニウムであり、YAGの結晶化温度1600℃よりも高い融点を有する材料である。Alの熱伝導率が30W/mKであることから、保持部材121の熱伝導率は、蛍光体122の熱伝導率よりも高い。
また、保持部材121は、外部の放熱部材と熱的に接続されていてもよい。図2に示す例では、保持部材121は、外部の放熱部材としての機能を有する筺体11と接触して配置され、熱的に接続されている。これにより、保持部材121は、蛍光体122において発生した熱を筺体11を介してより効率よく灯具1の外部へ放熱することができる。
(蛍光体122)
蛍光体122は、照射された光源3からの所定波長のレーザー光を波長変換する。具体的には、蛍光体122は、光源3からの青色のレーザー光が照射され、照射された青色のレーザー光の一部を波長変換した黄色光と、当該青色のレーザー光の残部とが混色された白色光を生成して出射する。蛍光体122は、当該波長変換の際に熱を発生させる。
本実施の形態では、蛍光体122は、保持部材121に保持されており、保持部材121と熱的に接続する。上述したように、蛍光体122は、その界面で保持部材121の界面と化学結合している。
蛍光体122は、入射光である当該レーザー光の入射方向(図で+Z軸方向)からみて、保持部材121の中空の中央部に配されている。図3A及び図3Bに示す例では、蛍光体122の形状は、略円柱状であり、保持部材121の中空の中央部に配され、保持部材121に保持されている。
蛍光体122は、例えば、1600℃の結晶化温度を有するイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系の蛍光体を原料として結晶化されている。
このように構成される蛍光体122は、波長変換の際に熱を発生させるが、温度が高くなると波長変換効率が下がる温度消光特性を有する。そのため、蛍光体122の放熱は非常に重要である。本実施の形態では、蛍光体122と保持部材121とが互いの界面で、化学結合すなわち共有結合またはイオン結合されており、蛍光体122と保持部材121との間に接着層または空気層が介在しない。そのため、接着層または空気層が介在する場合と比較して熱伝導性が高くなるので、蛍光体122の温度上昇をより抑制し、高出力化を図ることができる。
図4Aは、本実施の形態における波長変換装置12Aの構成の一例を示す斜視図である。図4Bは、図4Aに示す波長変換装置12Aの上面図である。
なお、上記において、蛍光体122の形状は略円柱状であり、保持部材121の形状は中央部が中空の略円柱状である例を説明したが、これに限らない。蛍光体の形状が略角柱状であり、保持部材の形状が、中央部に中空のある略角柱状であってよい。図4A及び図4Bに示す例では、蛍光体122Aの形状が四角柱状であり、保持部材121Aの形状が中央部に中空のある中空四角柱状である。蛍光体122A及び保持部材121Aは、形状を除いて、蛍光体122及び保持部材121と同様のため、詳細な説明は省略する。
[波長変換装置12の作成方法]
次に、以上のように構成される波長変換装置12の作成方法について説明する。
以下、図3A等で説明した中空円柱状の保持部材121と円柱状の蛍光体122とを例に挙げて作成方法を説明する。
(作成方法1)
図5は、本実施の形態における波長変換装置12の作成方法の一例を示すフローチャートである。図6A及び図6Bは、本実施の形態における波長変換装置12の作成方法の一例の説明図である。
まず、図6Aに示すような成形治具500を準備する(S1)。図6Aに示す成形治具500は、第1空間部501と第2空間部502とを有する。第1空間部501は、成形治具500の外周壁と内周壁とに囲まれた空間であり、円環状である。第2空間部502は、成形治具500の内周壁に囲まれた内部空間であり、円柱状である。成形治具500の外周壁及び内周壁は、約1600℃以上の融点を有する例えばAlなどのアルミナや酸化アルミニウムで構成されている。
次に、蛍光体122の原料と保持部材121の材料を準備する(S2)。本実施の形態では、例えば蛍光体122の原料としてYAGを準備し、保持部材121の材料としてAlを準備する。
次に、S1で準備した成形治具500を介して蛍光体122の原料と保持部材121の材料を流す(S3)。本実施の形態では、図6Bに示すように、同時に、上方(図で+Z軸方向)から下方(図で−Z軸方向)に向けて、第1空間部501にAlを流し、第2空間部502にYAGを流す。
そして、S3で流した蛍光体122の原料と保持部材121の材料に対して熱を加えて、蛍光体122と保持部材121とを作成する(S4)。本実施の形態では、第1空間部501から下方(図で−Z軸方向)に流れているAl材料と第2空間部502から下方(図で−Z軸方向)に流れているYAG原料とに向けて、1600℃の熱を加え続ける。これにより、YAG原料を結晶化させて蛍光体122を合成しつつ、Al材料を焼結させて保持部材121を作成することができるので、蛍光体122と保持部材121とを互いの界面で共有結合またはイオン結合させて作成することができる。
(作成方法2)
図7は、本実施の形態における波長変換装置の作成方法の他の一例を示すフローチャートである。図8A〜図8Cは、本実施の形態における波長変換装置の作成方法の他の一例の説明図である。
まず、保持部材121の材料を準備する(S11)。本実施の形態では、保持部材121の材料として、約1600℃以上の融点を有する例えばAlなどのアルミナや酸化アルミニウムを準備する。
次に、S11で準備した材料を加工して、図8Aに示すような保持部材121aを準備(作成)する(S12)。ここで、図8Aに示す保持部材121aは、図3A及び図3Bに示す保持部材121と比較して中央部が空のまま(中空領域)である点が異なる。その他については同様であるため詳細説明は省略する。
次に、例えば図8Bに示すように保持部材121aの中空領域に、単結晶蛍光体122aと蛍光体原料122bとを充填する(S13)。本実施の形態では、単結晶蛍光体122aは、YAG結晶を母結晶として単結晶化された蛍光体である。蛍光体原料122bは、ゲル状すなわち粘性を有し、流動性が抑制された状態のYAGである。そして、保持部材121aの中空領域のうちの中心部近傍に単結晶蛍光体122aを充填し、単結晶蛍光体122aと保持部材121aの内周壁との間に蛍光体原料122bを充填する。
最後に、保持部材121に対して熱を加えて、蛍光体122と保持部材121とを作成する(S4)。本実施の形態では、保持部材121aに対して1600℃の熱を加え続ける。これにより、保持部材121aの中空領域に充填された蛍光体原料122bを結晶化させ、かつ単結晶蛍光体122aを再結晶化させることにより蛍光体122を合成(作成)することができる。そして、保持部材121aの中空領域に充填された蛍光体原料122bが結晶化する際に、蛍光体原料122bと保持部材121とを互いの界面で共有結合またはイオン結合させることができるので、蛍光体122と保持部材121とを互いの界面で共有結合またはイオン結合させることができる。
[効果等]
以上のように、本実施の形態の波長変換装置12は、入射光を波長変換する蛍光体122と、蛍光体122の結晶化温度よりも高い融点を有する材料により形成され、蛍光体122を保持する保持部材121とを備える。蛍光体122と保持部材121とは、互いの界面で化学結合している。この化学結合は、共有結合またはイオン結合である。
この構成によれば、蛍光体122と保持部材121との間に接着層または空気層が介在しないため、接着層または空気層が介在する場合と比較して熱伝導性が高くなるので、蛍光体122の温度上昇をより抑制し、高出力化を図ることができる。
また、保持部材121の材料はAlであってよい。
この構成によれば、Alの融点は約2000℃であるので、蛍光体122の合成時に加えられる熱に耐えうる。
ここで、蛍光体122が例えばYAG蛍光体であり、保持部材121の材料がAlであるとすると、蛍光体122単独の熱伝導率は11.7W/mKであり、保持部材121の材料であるAlの熱伝導率が30W/mKである。仮にYAG単結晶である蛍光体122を削り出して保持部材121に押しあてたり押し込んだりしても両者を物理的に密着させているに過ぎず、蛍光体122と保持部材121との間に空気が入る(空気層が存在する)ことになる。
一方、本構成のように、蛍光体122と保持部材121と化学結合させることで、蛍光体122と保持部材121との間に介在するものがないので、蛍光体122から保持部材121への熱伝導が高くなり、蛍光体の温度上昇を抑制できる。さらに、この波長変換装置12を光源3の投光装置に適用すれば、高出力の波長変換光を得ることができる。
また、本実施の形態において、保持部材121は、入射光の入射方向からみて、蛍光体122の周囲に配されてもよい。また、蛍光体122の形状は略円柱状であり、保持部材121の形状は、円環状であってもよいし、蛍光体122の形状は方形状であり、保持部材121の形状は、中空方形状であってもよい。
これらの構成により、保持部材121と蛍光体122との両方の界面において容易に化学結合させることができるので、本実施の形態における波長変換装置12を容易に作成することができる。
さらに、上記のような波長変換装置12と、レーザー光源とを備え、レーザー光源から照射されるレーザー光を蛍光体122に入射光として入射させる照明装置を構成してもよい。
これにより、波長変換装置12を用いて、照明器具やファイバ光源などの照明装置を構成することができるので、レーザー光源をもとにして、例えば、光径の極めて細い光源照明を創出できる。
次に、本発明の効果を確認するため、蛍光体122に任意の発熱量を与えた場合の熱シミュレーションを行った。以下、熱シミュレーションによる評価結果を実施例として説明する。
(実施例1)
[解析モデル]
図9Aは、実施例1における灯具の解析モデルの一例を示す模式図である。図9Bは、図9Aに示す解析モデル1cの波長変換装置のA1A2断面図を示す模式図である。図10は、熱伝導率の表を示す図である。
図9A及び図9Bに示す解析モデル1cは、図2に示す灯具1を模式的に示した解析モデルに該当し、筺体11cと波長変換装置12cとを備える。波長変換装置12cは、円筒状すなわち中空円柱状の保持部材121cと円柱状の蛍光体122cとを備え、筺体11cの一部領域にはめ込まれている。また、筺体11cは、熱伝導率が137W/mK(図10参照)のAlからなる円柱であり、底面及び上面が直径3mmの大きさの円で高さが24mmであるとした。また、保持部材121cは熱伝導率が30W/mK(図10参照)のAlを材料として形成されており、底面及び上面の外径3mmで内径が2mmの大きさの円で高さが2mmであるとした。また、保持部材121cに保持される蛍光体122cは熱伝導率が11.7W/mK(図10参照)のYAGを原料として合成されており、底面及び上面の直径2mmの大きさの円で高さが2mmであるとした。
[解析結果]
次に、熱シミュレーションによる解析結果について説明する。
図11は、図9Aに示す解析モデル1cを用いた熱シミュレーションの結果を示す図である。図12は、図11から算出した蛍光体から出射される光束を示す図である。
図11には、熱シミュレーションにより蛍光体122cに発熱量0.25W、0.5W、1.0Wを与えたときの蛍光体122cの温度が示されている。図12には、図11に示される熱シミュレーションの結果から、蛍光体122cの温度が150℃となる発熱量を読み取り、蛍光体122cの入射光である青色光のうち約65%が熱に変わることから蛍光体122cが出射する光(白色光)の光束を算出した結果が示されている。蛍光体122cの変換効率は160lm/Wとした。
また、図11及び図12には、比較例として蛍光体と基板である保持部材との間に30umの空隙がある解析モデルを用いた場合の熱シミュレーションの結果とそこから光束を算出した比較例1−1及び比較例1−2の結果が示されている。
具体的には、比較例1−1の解析モデルは、四角柱状の筺体と、四角形状の筒すなわち中空四角柱状の保持部材と四角形状の蛍光体とを有し、同様に当該筺体の一部領域にはめ込まれた波長変換装置とを備える。ここで、筺体は、熱伝導率が137W/mKのAlからなる四角柱であり、底面及び上面が3mm×3mmの大きさの四角形で高さが24mmであるとした。また、基板である保持部材は熱伝導率が30W/mKのAlを材料として形成されており、底面及び上面の外形が3mm×3mmで内形が2mm×2mmの大きさの四角形で高さが2mmであるとした。また、保持部材に保持される蛍光体は熱伝導率が11.7W/mK(図10参照)のYAGを単結晶化したもので構成されており、底面及び上面が直径2mm×2mmの大きさで高さが2mmであるとし、蛍光体と基板である保持部材との間に30umの空隙があるとした。
比較例1−2の解析モデルは、円柱状の筺体と、円筒状すなわち中空円柱状の保持部材と円柱状の蛍光体とを有し、同様に当該筺体の一部領域にはめ込まれた波長変換装置とを備える。ここで、比較例1−2の解析モデルは、実施例2の解析モデル1cと比較して、蛍光体と基板である保持部材との間に30umの空隙がある点を除いて同一であるとした。
[効果]
図12によれば、実施例1は比較例1−1及び比較例1−2よりも蛍光体から出射される光束が高いことがわかる。
より具体的には、比較例1−1及び比較例1−2のように単結晶YAGである蛍光体を基板である保持部材に固定する場合、蛍光体と保持部材との間に空気層があり、蛍光体から基板である保持部材への熱伝導が低く蛍光体の温度が高くなるので、蛍光体への入射光の光量を低くせざるを得ないのがわかる。
これに対して実施例1では蛍光体122c自体の熱伝導率が高く、かつ蛍光体122cと基板である保持部材121cとが界面において共有結合またはイオン結合している。そのため、蛍光体122cから基板である保持部材121cへの熱伝導率が高くなるため、比較例1−1及び比較例1−2に対して温度が150℃となる蛍光体122cの発熱量が高い。つまり、実施例2の蛍光体122cへの入射光の光量をこれら比較例より高くできるため、蛍光体122cから出射される光束もこれら比較例より高くできるのがわかる。
以上の解析結果により、本実施の形態の波長変換装置12では、基板である保持部材と蛍光体の間に空気層が介在する場合と比較して、空気層が介在しない蛍光体122と保持部材121との間の熱伝導性が高くなるので、蛍光体122の温度上昇をより抑制し、高出力化を図ることができる。
(実施例2)
[解析モデル]
図13Aは、実施例2における灯具の解析モデルの一例を示す模式図である。図13Bは、図13Aに示す解析モデル1dの波長変換装置のB1B2断面図を示す模式図である。
図13A及び図13Bに示す解析モデル1dは、図2に示す灯具1を模式的に示した解析モデルの別の例に相当し、四角柱状の筺体11dと波長変換装置12dとを備える。波長変換装置12dは、中空四角柱状の保持部材121dと四角柱状の蛍光体122dとを備え、筺体11dの一部領域にはめ込まれている。また、筺体11dは、熱伝導率が137W/mKのAlからなる四角柱であり、底面及び上面が3mm×3mmの大きさの四角形で高さが24mmであるとした。また、保持部材121dは熱伝導率が30W/mKのAlを材料として形成されており、底面及び上面の外形が3mm×3mmで内形が2mm×2mmの大きさの四角形で高さが2mmであるとした。また、保持部材121dに保持される蛍光体122dは熱伝導率が11.7W/mKのYAGを原料として合成されており、底面及び上面が直径2mm×2mmの大きさで高さが2mmであるとした。
[解析結果]
次に、熱シミュレーションによる解析結果について説明する。
図14は、図13Aに示す解析モデル1dを用いた熱シミュレーションの結果を示す図である。図15は、図14から算出した蛍光体から出射される光束を示す図である。
図14には、熱シミュレーションにより蛍光体122dに発熱量0.25W、0.5W、1.0Wを与えたときの蛍光体122dの温度が示されている。また、図15には、図14に示される熱シミュレーションの結果から、蛍光体122dの温度が150℃となる発熱量を読み取り、蛍光体122dの入射光である青色光のうち約65%が熱に変わることから蛍光体122dが出射する光(白色光)の光束を算出した結果が示されている。蛍光体122dの変換効率は160lm/Wとした。
また、図14及び図15には、比較例として蛍光体粒子を封止樹脂に混合して形成された蛍光体を有する解析モデルを用いた場合の熱シミュレーションの結果とそこから光束を算出した比較例2−1及び比較例2−2の結果が示されている。
具体的には、比較例2−1の解析モデルは、四角柱状の筺体と、四角形状の筒すなわち中空四角柱状の保持部材と四角形状の蛍光体とを有し、当該筺体の一部領域にはめ込まれた波長変換装置とを備える。ここで、比較例2−1の解析モデルは、実施例2の解析モデル1dと比較して、蛍光体の構成を除き同一である。比較例2−1の蛍光体は熱伝導率が11.7W/mKのYAGの蛍光体粒子を熱伝導率が0.5W/mK(図10参照)のシリコーン樹脂に、40%対60%で混合されており、底面及び上面が直径2mm×2mmの大きさで高さが2mmであるとした。
比較例2−2の解析モデルは、円柱状の筺体と、円筒状すなわち中空円柱状の保持部材と円柱状の蛍光体とを有し、当該筺体の一部領域にはめ込まれた波長変換装置とを備える。また、筺体は、熱伝導率が137W/mKのAlからなる円柱であり、底面及び上面が直径3mmの大きさの円で高さが24mmであるとした。また、保持部材は熱伝導率が30W/mKのAlを材料として形成されており、底面及び上面の外径3mmで内径が2mmの大きさの円で高さが2mmであるとした。蛍光体は熱伝導率が11.7W/mKのYAGの蛍光体粒子を熱伝導率が0.5W/mKのシリコーン樹脂に、40%対60%で混合されており、底面及び上面の直径2mmの大きさの円で高さが2mmであるとした。
[効果]
図15によれば、実施例2は比較例2−1及び比較例2−2よりも蛍光体から出射される光束が高いことがわかる。
より具体的には、比較例2−1及び比較例2−2のように蛍光体粒子を封止樹脂に混合した蛍光体を基板(実施例2では保持部材)に固定する場合、蛍光体から基板への熱伝導が低く蛍光体の温度が高くなるので、蛍光体への入射光の光量を低くせざるを得ないのがわかる。
これに対して実施例2では蛍光体122d自体の熱伝導率が高く、かつ蛍光体122dと基板である保持部材121dとが界面において共有結合またはイオン結合している。そのため、蛍光体122dから基板である保持部材121dへの熱伝導率が高くなり、比較例2−1及び比較例2−2に対して温度が150℃となる蛍光体122dの発熱量が高いのがわかる。つまり、実施例2の蛍光体122dへの入射光の光量をこれら比較例より高くできるため、蛍光体122dから出射される光束もこれら比較例より高くできるのがわかる。
以上の解析結果により、本実施の形態の波長変換装置12では、蛍光体粒子を封止樹脂に混合して形成された蛍光体を用いる場合と比較して、蛍光体122と保持部材121との間の熱伝導性が高くなるので、蛍光体122の温度上昇をより抑制し、高出力化を図ることができる。
(他の実施の形態等)
以上、本発明に係るレーザー光用の波長変換装置及び照明装置について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
上述した実施の形態は一例にすぎず、各種の変更、付加、省略等が可能であることは言うまでもない。
また、上述した実施の形態で示した構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明の範囲に含まれる。その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態におけるレーザー光用の波長変換装置12を用いた照明装置も本発明に含まれる。上記実施の形態におけるレーザー光用の波長変換装置12を照明装置に用いることでLED光源を用いた照明装置よりも小型化できる。
3 光源
4 照明装置
12、12A 波長変換装置
121、121A 保持部材
122、122A 蛍光体

Claims (7)

  1. 入射光を波長変換する蛍光体と、
    前記蛍光体の結晶化温度よりも高い融点を有する材料により形成され、前記蛍光体を保持する保持部材と、を備え、
    前記蛍光体と、前記保持部材とは、互いの界面で、化学結合している、
    波長変換装置。
  2. 前記化学結合は、共有結合またはイオン結合である、
    請求項1に記載の波長変換装置。
  3. 前記保持部材の前記材料はAlである、
    請求項1または2に記載の波長変換装置。
  4. 前記保持部材は、
    前記入射光の入射方向からみて、前記蛍光体の周囲に配されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の波長変換装置。
  5. 前記蛍光体の形状は、略円柱状であり、
    前記保持部材の形状は、中央部が中空の略円柱状である、
    請求項4に記載の波長変換装置。
  6. 前記蛍光体の形状は、略角柱状であり、
    前記保持部材の形状は、中央部が中空の略角柱状である、
    請求項4に記載の波長変換装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の波長変換装置と、
    レーザー光源とを備え、
    前記レーザー光源から照射されるレーザー光を前記蛍光体に前記入射光として入射させる、
    照明装置。
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