JP2018135560A - ブリケットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェロニッケル製錬において、ロータリーキルンから回収されるダストを用いてブリケット等の成形物を製造するにあたり、優れた強度を有する成形物を安価に製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るブリケットの製造方法は、ニッケル酸化鉱石を原料としたフェロニッケル製錬における、ロータリーキルンから発生するダストを用いたブリケットの製造方法であって、少なくとも、ダストと、粒径が0.1mm以上10mm以下のものを主成分とし水分を含有する原料粉鉱石と、水と、を混合する混合工程と、得られた混合物を混練する混練工程と、得られた混練物を、成形装置を用いて成形する成形工程と、を有する。そして、その混合工程では、混合物を得るため2段階の調湿処理を行い、1段階目においてはダストに所定量の水を添加して調湿ダストを得て、2段階目においては得られた調湿ダストと原料粉鉱石とを加水しながら混合して混合物を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブリケットの製造方法に関するものであり、フェロニッケル製錬においてロータリーキルンから回収されるダストを用いてブリケットを製造する方法に関する。
従来、鉄とニッケルの合金であるフェロニッケルの一般的な製造方法としては、ニッケルを含有するサポロライト鉱石等のラテライト鉱石を原料として、乾燥工程と、焼成工程と、還元熔解工程と、精製工程とを有する乾式製錬方法が採用されている。この方法では、通常、原料鉱石をロータリードライヤーを使用して乾燥させることによって原料鉱石に付着した水分(付着水分)を15質量%〜25質量%程度の割合とした後に(乾燥工程)、ロータリーキルンを使用して焼成する処理を行う(焼成工程)。
具体的に、その焼成工程においては、予備乾燥された鉱石と無煙炭等の石炭をロータリーキルンに装入して800℃〜1000℃程度にまで加熱し、付着水の除去(乾燥)と結晶水分の分解(焼成)、さらには予備還元を行い、これらの処理により焼鉱を得る。なお、その後、得られた焼鉱は、電気炉に装入されて溶融還元され、ニッケルと鉄を含有するメタルとスラグとが形成される(溶融還元工程)。
上述した乾燥処理や焼成処理に使用するロータリードライヤー及びロータリーキルン内では、それら処理において、繰り返しの処理を要するダスト(キルンダスト)が発生する。そのため、排ガス処理設備においてダストの回収が行われている。排ガス処理設備にて回収されたダストは、鉱石と同程度の品位のニッケルを含むことから、通常、原料として再利用するために、ダストをそのまま、もしくはペレタイザー等でペレットに造粒し、その後にロータリードライヤー又はロータリーキルンに繰り返す方法が採られている。なお、以下では、ロータリードライヤーやロータリーキルンを、総じて「ロータリーキルン」、又は、単に「キルン」ともいう。
ここで、回収したダストをそのまま繰り返した場合、鉱石が粘土質で自己造粒性を有するものであれば、そのダストはロータリーキルン内で鉱石と共に造粒されるため、再度、ダストとなって飛散する割合は少ない。ところが、近年原料として用いられる鉱石は、自己造粒性を有しているものが少なく、そのまま繰り返したダストは、再度キルンダストとしてトーラリーキルンから飛散してしまう。そのため、一般的には、回収したダストを造粒し、それを繰り返す方法が採られている。
しかしながら、回収されるキルンダストには、還元剤としてキルン内に装入している石炭等が含まれているため、濡れ性が低く、ダストを造粒して得られるブリケットやペレットの強度は低かった。
これに対して、一般的なダストの造粒においては、ペレタイザーやブリケットマシーンを用いて行っているが、それら成形物の強度を高めるためにバインダーとなる溶剤を使用している。そのため、キルンダストを繰り返す処理においてコストが高くなるという欠点がある。
例えば、特許文献1には、pH8.5以上のアルカリ性水溶液であって、アルカリ金属を含む水溶性無機塩を造粒水として用い、かつスラリー濃度10質量%のダストスラリーの等電点に対応するpH値に調整することの技術が開示されている。しかしながら、このような造粒水を作るにはコストがかかり、すなわちダスト成形物の製造コストが高くなり効率的な操業を行うことができないという問題がある。
また、特許文献2には、製鋼ダストに関して、バインダー無しで強度を有するブリケットを製造する方法が開示されているが、その技術は鉄鋼製錬におけるものであり、この技術をダスト性状の異なるフェロニッケル製錬に適応させることはできない。
このように、フェロニッケル製錬におけるロータリーキルンで発生するダストをペレット等の成形物としてキルンに繰り返すにあたり、成形物の強度を向上させることができ、かつ、その成形物を安価に製造することができ効率的な操業を可能にする方法が求められている。
特開2006−291320号公報 特開2006−137976号公報
本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、フェロニッケル製錬において、ロータリーキルンの排ガスから回収されるダストを用いてブリケット等の成形物を製造するにあたり、優れた強度を有する成形物を、安価に製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、成形物に成形するためのダストを含む混合物を得るに際して、ダストと、所定の粒径を有する原料粉鉱石と、水とを混合するようにし、そのとき、2段階の調湿処理を行って混合物を得るようにすることで、水分の偏在が無く、優れた強度を有する成形物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、ニッケル酸化鉱石を原料としたフェロニッケル製錬における、ロータリーキルンから発生するダストを用いたブリケットの製造方法であって、少なくとも、前記ダストと、粒径が0.1mm以上10mm以下のものを主成分とし水分を含有する原料粉鉱石と、水と、を混合する混合工程と、得られた混合物を混練する混練工程と、得られた混練物を、成形装置を用いて成形する成形工程と、を有し、前記混合工程では、前記混合物を得るため2段階の調湿処理を行い、1段階目においては前記ダストに所定量の水を添加して調湿ダストを得て、2段階目においては得られた該調湿ダストと前記原料粉鉱石とを加水しながら混合して混合物を得る、ブリケットの製造方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記混合工程では、1段階目の調湿処理において、得られる前記調湿ダストに含まれる水分の割合が10質量%以上20質量%以下となるように前記ダストに対して水を添加し、2段階目の調湿処理において、得られる前記混合物に含まれる水分の割合が15質量%以上25質量%以下となるように前記調湿ダストと前記原料粉鉱石とを加水しながら混合する、ブリケットの製造方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記原料粉鉱石は、15質量%以上25質量%以下の割合で付着水分を含むものである、ブリケットの製造方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記混練工程では、前記混合物に対して加水しない、ブリケットの製造方法である。
本発明に係る方法によれば、水分の偏在が無く、優れた強度を有する成形物を、安価に製造することができる。
ブリケットの製造方法の流れを示す模式図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。また、本明細書にて、「x〜y」(x、yは任意の数値)の表記は、特に断らない限り「x以上y以下」の意味である。
≪1.ブリケットの製造方法≫
本実施の形態に係るブリケットの製造方法は、フェロニッケル製錬におけるロータリーキルンから発生するダストを原料としてブリケットを製造する方法である。なお、「ロータリーキルン」とは、フェロニッケル製錬における焼成工程にて乾燥鉱石から焼鉱を得るために使用するロータリーキルンのみならず、乾燥工程にて原料鉱石に含まれる一部の水分を除去するために使用するロータリードライヤーも含む概念とする。
フェロニッケル製錬においては、原料鉱石としてニッケル酸化鉱石を用いる。ニッケル酸化鉱石としては、一般的に、ラテライト鉱石を数種類ブレンドして調合したものを使用している。フェロニッケル製錬において、そのような鉱石を、ロータリードライヤーにて予備乾燥し、鉱石に付着する水分(付着水分)を20質量%程度にまで低減させる(乾燥工程)。その後、得られた乾燥鉱石と、還元剤としての無煙炭等の石炭とをロータリーキルンに装入し、焼成と予備還元とを行う(焼成工程)。このようにして焼成処理することで、ロータリーキルンから焼成鉱石(焼鉱)が排出される。
なお、焼成工程においては、後工程である溶融還元工程における電気炉でのトラブルを回避する観点から、焼成温度を800℃以上に維持する操業を行う。
ここで、上述した乾燥工程、焼成工程においては、ロータリーキルンからダスト(キルンダスト)が排出される。このダストは、ロータリーキルンの排ガスから回収されるものであり、主として、原料鉱石から付着水が除去された乾燥鉱石、さらに部分的に結晶水が除去された焼鉱、還元剤の石炭から構成される。なお、ロータリーキルンから発生するダストは、水分状態(水分含有量)が0質量%の状態となっており、電気集塵機等の捕集装置により捕集される。
このようなダスト(キルンダスト)は、還元剤としてキルンに装入した石炭が含まれていることや、焼成された鉱石を含むものであるために、濡れ性が悪化している。このことから、回収したダストの造粒性は悪いと言える。
本実施の形態に係るブリケットの製造方法は、上述したようなロータリーキルンから排出され回収したダストを用いてブリケットを製造する方法であり、具体的には、少なくとも、ダストと、水分を含む原料粉鉱石と、水とを混合する混合工程と、得られた混合物を混練する混練工程と、得られた混練物を、ブリケット成形装置を用いて成形する成形工程と、を有する。そして、このブリケットの製造方法では、混合工程において、混合物を得るため2段階の調湿処理を行うことを特徴としている。
このような方法によれば、水分の偏在を無くし、優れた強度を有するブリケットを、安価に効率的に製造することができる。これにより、繰り返しロータリーキルン内に装入した場合でも、再粉化してダストとなって飛散することを抑制することができる。
≪2.各工程について≫
(1)混合工程
混合工程は、ブリケットを製造するための原料を混合して混合物を得る工程である。具体的に、混合工程では、少なくとも、ロータリーキルンから回収されたダストと、粒径が0.1mm以上10mm以下のものを主成分とし水分を含有する原料鉱石と、水と、を混合することによって、混合物を得る。なお、原料鉱石とは、フェロニッケル製錬における原料鉱石であるニッケル酸化鉱石をいう。
この混合工程においては、ダストと、所定の大きさの原料鉱石(以下、「原料粉鉱石」ともいう)とを混合することが特徴の一つである。一般的に、ロータリーキルンから排出されるダストは、0.1mm未満の粒径を有するものである。このような比較的粒径の小さいダストに対して、粒径が0.1mm以上10mm以下のものを主成分とする原料粉鉱石を混合する、つまり、粒径の異なるダストと原料粉鉱石とを混合することによって、粒同士が移動する際に必要とするエネルギーを増大させることができる。すなわち、粒径の異なるもの同士を混合し、得られた混合物から成形物を得るようにすることで、その成形物を構成する粒が動き難くなり、その結果、成形物の強度を高めることができる。
ダストと混合する原料粉鉱石としては、例えば、フェロニッケル製錬における乾燥工程を経てロータリードライヤーから排出される乾燥鉱石を用いることができる。この乾燥鉱石は、成形に不向きな粒径10mmを超える大きさの鉱石を約50%程度の割合で含むため、例えば目開き10mmの篩で篩分けして粒径10mm以下のいわゆる粉鉱石のみを使用することが好ましい。
一方で、ダストは、上述したように、主として0.1mm未満の粒径を有するものであることから、そのダストと混合する粉鉱石としては、得られる成形物の強度を有効に向上させる観点から0.1mm以上のものであり、0.2mm以上のものであることが好ましく、0.3mm以上のものであることがより好ましい。
原料粉鉱石としては、粒径が0.1mm以上10mm以下のものを主成分として含むものであればよく、0.1mm未満の粉鉱石を含んでいてもよい。ここで、原料粉鉱石中における「主成分」とは、51%以上の割合で含まれる鉱石成分をいい、種々の粒径の鉱石からなる全粉鉱石中において、粒径が0.1mm以上10mm以下の鉱石成分が60%以上で含まれることが好ましく、70%以上で含まれることがより好ましい。なお、粒径が0.1mm以上10mm以下のものを主成分とする原料粉鉱石とは、主粒径が0.1mm以上10mm以下である原料粉鉱石と言い換えることもできる。
また、混合工程において、ダストと所定の大きさの原料粉鉱石との混合割合としては、特に限定されないが、経済性を観点から、原料粉鉱石の混合割合を50%未満とすることが好ましく、40%未満とすることがより好ましく、30%未満とすることが特に好ましい。なお、後述するが、水分を含有する原料粉鉱石を混合することによって得られる混合物中の水分量、すなわち、原料粉鉱石自体による調湿の程度も考慮して、その原料粉鉱石の混合割合を調整することが好ましい。
また、混合物を得るに際しては、粒径の比較的小さいダストと、所定の粒径を有する比較的大きい原料粉鉱石との偏在を無くし、かつ空隙率を下げることが望ましい。そのため、混合処理においては、ダストと、原料粉鉱石と、水とを、良好にかつ効率的に混合することが好ましい。なお、混合に際しては、公知の混合機を用いることができる。
[2段階の調湿処理]
ここで、本実施の形態に係るブリケットを製造方法では、この混合工程において、混合物を得るために2段階の調湿処理を行うことを特徴としている。具体的には、1段階目の調湿処理として、ダストに所定量の水を添加して調湿ダストを得て、2段階目の調湿処理として、得られた調湿ダストと所定の大きさの原料粉鉱石とを加水しながら混合して混合物を得る。
ダストは、水分含有量が0%のものであり、このようなダストと原料粉鉱石とを単に混合したのでは、その混合物を成形して得られる成形物において、より十分な強度を付与することができない。このとき、所定の割合で水を添加して調湿しながら混合し、しかも2段階の調湿処理を行って混合物を得るようにすることで、得られる混合物を成形後に得られる成形物中における水分の偏在を無くし、その成形物の強度をより効果的に高めることができる。これにより、ロータリーキルンに繰り返し装入してもその形状を維持することができる成形物を得ることができる。また、成形物として良好な湿潤状態を保つことができるため、ハンドリング性を向上させることができる。
図1は、本実施の形態に係るブリケットの製造方法の流れを示す模式図である。なお、説明の便宜上、混合工程を「第1の混合工程」と「第2の混合工程」とに分け、第1の混合工程において1段階目の調湿処理を行い、第2の混合工程において2段階目の調湿処理を行うものとする。
(1−1.第1の混合工程(1段階目の調湿処理))
第1の混合工程では、ロータリーキルンの排ガス中から回収したダストに対し、所定量の水を添加することによって調湿ダストを得る。ロータリーキルンから回収されるダストは、水分状態(水分含有量)が0質量%の状態(「絶乾状態」ともいう)のものである。第1の混合工程では、このようなダストに対して、所定の粒径を有する粉鉱石を混合するに先立ち、水分を添加して調湿する。なお、調湿ダストとは、水の添加により水分量が調整されたダストをいう。
具体的に、第1の混合工程では、例えば、所定の混合容器内にダストを装入し、その容器内にダストに対して水を徐々に添加して混合する。なお、ダストと水との混合は、撹拌しながら行うことが好ましく、これにより、効率的な調湿処理を行うことができるとともに、水分の偏在をより効果的に抑えることができる。
水分の添加量は、特に限定されないが、得られる調湿ダストに含まれる水分の割合が10質量%以上20質量%以下となるように、ダストに水を添加することが好ましい。
調湿ダストの水分含有量が10質量%未満となる調湿処理では、得られる成形物の水分量が少なくなりすぎ、毛管力が発現されなくなる結果として強度が著しく低下するとともに、成形物中の水分の偏在が生じる可能性がある。一方で、調湿ダストの水分量が20質量%を超えるようになる調湿処理では、続く第2の混合工程(2段階目の調湿処理)を経て得られる混合物から成形される成形物中の水分量が多くなりすぎ、強度が低下する可能性がある。また、その得られた混合物を用いてブリケット成形装置により成形する際に、装置のカップへの付着物が多くなり適切な操業が維持できない可能性がある。
(1−2.第2の混合工程(2段階目の調湿処理))
第2の混合工程では、第1の混合工程にて得られた調湿ダストと、所定の粒径を有する原料粉鉱石とを加水しながら混合して混合物を得る。
具体的に図1に示すように、第2の混合工程では、例えばフェロニッケル製錬の乾燥工程を経て得られる乾燥鉱石であって、0.1mm以上10mm以下のものを主成分として含む原料粉鉱石を調製し、所定の混合容器内で、得られた調湿ダストと原料粉鉱石とを加水しながら混合する。
上述したように、粒径の異なるダストと原料粉鉱石とを混合することにより、強度を高めた成形物を成形するための混合物を得ることができる。また、原料粉鉱石と混合するダストは、第1の混合工程にて1段階目の調湿処理が施されて得られた調湿ダストであることから、このような調湿ダストと所定の粒径を有する原料粉鉱石とを混合することによって、水分の偏在を無くした混合物を得ることができる。
第2の混合工程では、調湿ダストと原料粉鉱石とを加水しながら混合する。水の添加量は、特に限定されないが、得られる混合物に含まれる水分の割合が15質量%以下25質量%以下となるように、加水することが好ましい。
混合物の水分含有量が15質量%未満となる調湿処理では、得られる成形物の水分量が少なくなりすぎ、毛管力が発現されなくなる結果として強度が著しく低下する可能性がある。一方で、混合物の水分含有量が25質量%を超えるようになる調湿処理では、得られる成形物の水分量が多くなりすぎ、強度が低下する可能性がある。
ここで、調湿ダストと混合する原料粉鉱石としては、上述したように、フェロニッケル製錬における乾燥工程を経て得られる乾燥鉱石を用いることができるが、その乾燥鉱石は、例えば15質量%以上25質量%以下の割合で付着水を含む。したがって、得られた調湿ダストに対して乾燥鉱石を原料粉鉱石として用いて添加混合することによって、その乾燥鉱石に含まれる水分によっても得られる混合物の調湿を行うことができる。
このことから、得られる混合物に含まれる水分の割合が好ましくは15質量%以下25質量%以下となるように、混合する原料粉鉱石中に付着水量についても考慮しながら、加水することが好ましい。
(2)混練工程
混練工程は、混合工程を経て得られた混合物を混練する工程である。すなわち、混練工程では、ダストと、所定の粒径を有する原料粉鉱石と、水とを、2段階の調湿処理を施しながら混合して得られた混合物を混練する。このように、適度の水分量を有する混合物に対してさらに混練処理を施すことによって、混合物中の成分を均一化させることができるとともに、得られる成形物中の水分の偏在をより一層抑制することができる。これにより、強度をより向上させた成形物を得ることができる。
具体的に、混練工程における混練処理は、ダウミキサー等の公知の混練機を用いて行うことができる。
また、混練工程では、処理対象の混合物に対して加水せずに混練することが好ましい。混練工程における混練処理では、混合物中の成分を均一化させるとともに、混合物中に含まれるガスを脱気する効果が期待される。このとき、加水せずに混練することにより、脱気効果が高まり、空隙率を一層低下させて、より優れた強度を有する成形物を得ることができる。
(3)成形工程
成形工程は、混練工程を経て得られた混練物を、ブリケット成形装置等の成形装置を用いて成形する工程である。成形方法としては、特に限定されず、公知の成形装置を用いて公知の方法により混練物をブリケット(成形物)に成形することができる。なお、ブリケットとは、ダストを含む混合物を成形して得られる成形物の総称であり、例えばペレット等の成形物も含むものである。
ブリケット成形装置によりブリケットを得た後、そのブリケットを乾燥処理に付してもよい。乾燥方法としては、特に限定されず、例えば120℃〜180℃程度の温度条件で乾燥させることができる。
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
フェロニッケル製錬におけるロータリーキルンから発生するダストを原料としてブリケット(成形物)を製造した。
本実施例にて使用したダストは、フェロニッケル製錬プロセスにおいてニッケル酸化鉱石に対する予備乾燥を行うロータリードライヤー、及び、乾燥鉱石に対して焼成を行うロータリーキルンの排ガスから回収されたダストである。このダストは、主として、鉱石から付着水が除去された乾燥鉱石、さらに部分的に結晶水が除去された焼鉱、還元剤の石炭から構成される。
なお、フェロニッケル製錬において、原料鉱石としては、Ni品位が2%程度、Fe品位が22%程度、MgO品位が16%程度、SiO品位が35%程度のラテライト鉱石を、数種類ブレンドして調合したものを用いた。調合後の鉱石品位は、Ni品位が1.9質量%〜2.4質量%、Fe品位が10質量%〜16質量%、MgO品位が22質量%〜27質量%、SiO品位が37質量%〜41質量%程度、付着水分が25質量%〜30質量%程度であった。
(混合工程)
先ず、ダストと、原料粉鉱石と、水とを混合する混合処理を行った。ここで、原料粉鉱石としては、フェロニッケル製錬において予備乾燥を行うロータリードライヤーから得られた乾燥鉱石であって、この乾燥鉱石を目開き10mmの篩で篩分けして篩下として得られた粉鉱石を用いた。下記表1に、ダストと、原料粉鉱石との粒度分布を示す。表1に示されるように、原料粉鉱石としては、粒径が0.1mm以上10mm以下のものを90%以上の割合で含むものを用いた。
Figure 2018135560
具体的に、混合工程では、1段階目の処理として、絶乾状態のダストに水を添加しながら混合機により撹拌混合した。この混合処理により、水分量が15質量%程度の調湿ダストを得た。
続いて、2段階目の処理として、得られた調湿ダストと、原料粉鉱石とを、加水しながら混合機にて撹拌混合した。この混合処理より、水分量が15質量%〜25質量%である混合物を得た。なお、1段階目の処理及び2段階目の処理では、調水用の水として工業用水を用いた。
(混練工程)
次に、混合工程を経て得られた混合物を混練装置に投入して混練し、混練物を得た。
(成形工程)
次に、混練工程を経て得られた混練物を、ブリケット成形装置により成形してブリケットを得た。得られたブリケットから、歩留まりと成形性について評価した。
[比較例1]
比較例1では、混合工程において、回収したダストと、原料粉鉱石とを加水しながら混合する処理のみを行い、それにより得られた混合物を混練した後に成形してブリケットを得た。すなわち、比較例1では、調湿ダストを得る処理を行わず、ダストと原料粉鉱石とをそのまま混合させて混合物を得る1段階の調湿処理のみを行った。なお、そのこと以外は、ダストや原料粉鉱石の組成を含め、実施例1と同様にして処理した。
[評価]
実施例1、比較例1のそれぞれで得られたブリケットについて、歩留まりと成形性について評価した。下記表2に、評価結果を示す。
ここで、歩留りについては、製造直後のブリケット10個を、高さ5mから鉄板上に1回だけ落下させ、細かくなって飛散した部分を除いて回収し、回収できた重量の割合とした。さらに、回収できた部分をサイズで区分し、30mm以上のサイズのものが95%以上である場合を「○」、95%未満の場合を「△」とした。
また、成形性については、製造後2時間乾燥させたブリケット10個に対して、圧潰強度の試験をした結果、ブリケット1個に対して20kgの荷重をかけた際に、ブリケットが1つも粉砕しなかった場合を「○」、一部のブリケットに粉砕が生じた場合を「△」として評価した。
Figure 2018135560
表2に示されるように、混合物を得るに際して、2段階の調湿処理を行った場合には、最終的な成形物の強度が向上し、歩留まり、成形性ともに良好なものとなった。

Claims (4)

  1. ニッケル酸化鉱石を原料としたフェロニッケル製錬における、ロータリーキルンから発生するダストを用いたブリケットの製造方法であって、
    少なくとも、前記ダストと、粒径が0.1mm以上10mm以下のものを主成分とし水分を含有する原料粉鉱石と、水と、を混合する混合工程と、
    得られた混合物を混練する混練工程と、
    得られた混練物を、成形装置を用いて成形する成形工程と、を有し、
    前記混合工程では、前記混合物を得るため2段階の調湿処理を行い、1段階目においては前記ダストに所定量の水を添加して調湿ダストを得て、2段階目においては得られた該調湿ダストと前記原料粉鉱石とを加水しながら混合して混合物を得る
    ブリケットの製造方法。
  2. 前記混合工程では、
    1段階目の調湿処理において、得られる前記調湿ダストに含まれる水分の割合が10質量%以上20質量%以下となるように前記ダストに対して水を添加し、
    2段階目の調湿処理において、得られる前記混合物に含まれる水分の割合が15質量%以上25質量%以下となるように前記調湿ダストと前記原料粉鉱石とを加水しながら混合する
    請求項1に記載のブリケットの製造方法。
  3. 前記原料粉鉱石は、15質量%以上25質量%以下の割合で付着水分を含むものである
    請求項1又は2に記載のブリケットの製造方法。
  4. 前記混練工程では、前記混合物に対して加水しない
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のブリケットの製造方法。
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