JP2018134566A - エレクトロスプレー装置およびエレクトロスプレー方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のノズルから均等にスプレーが可能なエレクトロスプレー装置の提供。【解決手段】電圧が印加されたノズル1から噴霧された溶液材料を、基板200に薄膜として堆積するエレクトロスプレー装置100で、複数のノズル1と、ノズル1に溶液材料を送液する送液部110と、ノズル1に電圧を印加する電圧印加部150と、基板200に対してノズル1と反対側にあって、接地されるアースプレート2と、隣接するノズル1同士の間を仕切る非導電性の材料からなる隔壁部3と、を備え、送液部110がノズル1へ溶液材料を送液せず、電圧印加部150がノズル1へ電圧を印加し、隔壁部3を帯電させる帯電モードと、電圧印加部150がノズル1へ電圧を印加し、送液部110がノズル1へ溶液材料の送液を行うことにより、アースプレート2が保持する基板200へ溶液材料の噴霧を行う塗布モードと、を有する、エレクトロスプレー装置100。【選択図】図1
Description
この発明は、エレクトロスプレー装置に関し、特に、ノズルから噴霧された溶液材料を、基板に薄膜として堆積するエレクトロスプレー装置およびエレクトロスプレー方法に関する。
従来、ノズルから噴霧された溶液材料を基板に薄膜として堆積するエレクトロスプレー装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
図8は、特許文献1に示されるエレクトロスプレー装置の概略図である。このエレクトロスプレー装置300は、ノズル301とアースプレート302を有しており、アースプレート302のノズル301側の面に基板303が載置され、保持される。アースプレート302は接地されており、電圧印加部304がノズル301に電圧を印加することによってノズル301とアースプレート302との間に電位差が生じ、図8に鎖線で示すような電気力線が形成される。ノズル301から噴霧される帯電した溶液材料は、この電気力線に沿ってアースプレート302に向かって飛翔し、スプレーを形成する。この溶液材料がノズル301とアースプレート302との間に載置された基板303に付着することにより、基板303上に溶液材料による塗布膜が形成される。
ここで、塗布対象である基板の面積が大きい場合には、図9に示すような所定の方向にノズル401が複数配列されたノズル群を有するエレクトロスプレー装置400を用いることが可能である。複数のノズル401は電圧印加部404に接続された電極バー405に固定されており、電圧印加部404から全てのノズル401に均一に電圧を印加することができる。そして、アースプレート402に保持された基板403に向け、各ノズル401から溶液材料を噴霧することにより、基板403上の広範囲な領域に対して同時に塗布膜を形成することができる。また、ノズル401とアースプレート402とをノズル401の配列方向(図9におけるX軸方向)に相対移動させながら溶液材料の噴霧を行うことにより、基板403上に一つの大面積の塗布膜を形成することもできる。
しかし、図9に示すエレクトロスプレー装置では、隣接するノズル401においてノズル401とアースプレート402との間で形成される電気力線同士が影響を及ぼし合い、その結果、溶液材料のスプレーの形状が変化するおそれがあった。図10に破線で示す円および楕円は、エレクトロスプレー装置400が有する16本のノズル401から噴霧されるスプレーの基板403近傍における断面形状であるが、図示の通り隣接するノズル401の影響を受け、スプレー形状、位置にばらつきが生じるという問題があった。
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、複数のノズルから均等にスプレーを行うことができるエレクトロスプレー装置およびエレクトロスプレー方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明のエレクトロスプレー装置は、電圧が印加されたノズルから噴霧された溶液材料を、基板に薄膜として堆積するエレクトロスプレー装置であって、所定方向に配列された複数のノズルと、前記ノズルに溶液材料を送液する送液部と、前記ノズルに電圧を印加する電圧印加部と、基板に対して前記ノズルと反対側にあって基板を保持し、接地されるアースプレートと、各々の前記ノズルを囲うことによって、隣接する前記ノズル同士の間を仕切る非導電性の材料からなる隔壁部と、を備え、前記送液部が前記ノズルへ溶液材料を送液せず、前記電圧印加部が前記ノズルへ電圧を印加することにより、前記隔壁部を帯電させる帯電モードと、前記電圧印加部が前記ノズルへ電圧を印加し、前記送液部が前記ノズルへ溶液材料の送液を行うことにより、前記アースプレートが保持する基板へ溶液材料の噴霧を行う塗布モードと、を有することを特徴としている。
上記エレクトロスプレー装置によれば、帯電モードと塗布モードを有することにより、帯電した隔壁部によって各ノズルからの電気力線が隔壁部で囲む領域の中心方向に押し込められ、隣接するノズル同士の電気力線が影響を及ぼし合うことを防ぐことができるため、各ノズルから均等にスプレーを行うことができる。
また、前記帯電モードにおける前記ノズルへの印加電圧は前記塗布モードにおける前記ノズルへの印加電圧よりも高いことが望ましい。
こうすることにより、スプレー形態には影響を与えず短時間で帯電モードの作業を完了させることができる。
また、前記帯電モードにおける前記ノズルと前記アースプレートとの距離は、前記塗布モードにおける前記ノズルと前記アースプレートとの距離よりも遠くても良い。
こうすることにより、さらに短時間で帯電モードの作業を完了させることができる。
また、上記課題を解決するために本発明のエレクトロスプレー方法は、電圧が印加されたノズルから噴霧された溶液材料を、基板に薄膜として堆積するエレクトロスプレー方法であって、
所定方向に配列された複数の前記ノズルへ溶液材料を送液せず、前記ノズルへ電圧を印加することにより、隣接する前記ノズル同士の間を仕切る非導電性の材料からなる隔壁部を帯電させる帯電ステップと、
前記ノズルへ電圧を印加し、前記ノズルへ溶液材料の送液を行うことにより、基板へ溶液材料の噴霧を行う塗布ステップと、
を有することを特徴としている。
所定方向に配列された複数の前記ノズルへ溶液材料を送液せず、前記ノズルへ電圧を印加することにより、隣接する前記ノズル同士の間を仕切る非導電性の材料からなる隔壁部を帯電させる帯電ステップと、
前記ノズルへ電圧を印加し、前記ノズルへ溶液材料の送液を行うことにより、基板へ溶液材料の噴霧を行う塗布ステップと、
を有することを特徴としている。
上記エレクトロスプレー方法によれば、帯電ステップと塗布ステップを有することにより、帯電した隔壁部によって各ノズルからの電気力線が隔壁部で囲む領域の中心方向に押し込められ、隣接するノズル同士の電気力線が影響を及ぼし合うことを防ぐことができるため、各ノズルから均等にスプレーを行うことができる。
本発明のエレクトロスプレー装置およびエレクトロスプレー方法によれば、複数のノズルから均等にスプレーを行うことができる。
本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
図1、図2は、本発明の一実施形態におけるエレクトロスプレー装置を示す概略図であり、図1は正面図、図2は下面図である。
図1に示すように、エレクトロスプレー装置100は、所定方向に配列されたノズル1と、アースプレート2とを備えている。また、アースプレート2のノズル1と対向する側の表面上には、基板200が配置されており、ノズル1からスプレー状に溶液材料を噴霧し、基板200上に塗布膜を形成する。
ノズル1は、導電体製の管状の部材であり、開口がZ軸方向を向いている。ノズル1は配管111を経由して送液部110と接続されており、送液部110から送液された溶液材料(たとえば、導電性ポリマーであるPEDOT/PSS(poly(3,4−ethylenedioxythiophene) poly(styrenesulfonate))がノズル1の内部に充填される。本実施形態ではノズル1として内径0.8mm、外径1.2mmの管状体を用いており、図2に示すように、本実施形態ではX軸方向に4本、ノズル1が間隔d1で等間隔で配列され、また、Y軸方向にも4本、間隔d1で等間隔で配列されている。
なお、本説明では鉛直方向をZ軸方向、水平方向においてノズル1が配列される方向をそれぞれX軸方向、Y軸方向と呼ぶ。
送液部110は本実施形態ではシリンジポンプであり、全てのノズル1に配管111を経由して接続されている。送液部110から全てのノズル1への配管経路長が略同一となる、すなわち配管による圧力損失が略均一となるように配管111は分岐を繰り返す、いわゆるトーナメント配管の形態で配管111が設けられており、全てのノズル1に対し略均一の送液速度で送液部110内の溶液材料112を送液する。
また、図2に示すように全てのノズル1は導電体製の電極バー140に固定されており、電極バー140の一端は電圧印加部150が接続されている。電圧印加部150は、たとえば直流電源であり、電圧印加部150から電極バー140を介して全てのノズル1に同時に数kV乃至数十kV程度の電圧を印加することができる。
ノズル1に電圧が印加されることによりノズル1とアースプレート2との間には図1に鎖線で示すような電気力線が形成される。また、ノズル1の内部を通る溶液材料にも電圧が印加された状態で、溶液材料は図1における下方から上方に向かって噴霧される。そして、電圧が印加されてノズル1から噴霧された溶液材料は、この電気力線に沿ってアースプレート2に向かって飛翔し、ノズル1と基板200との間でスプレー10を形成し、基板200に薄膜(図示せず)として堆積される。なお、このときに電圧印加部150から印加される電圧(図1における電圧V1)は10kV前後である。
アースプレート2は、たとえば金属板から構成されており、平板状の形状を有する。そしてアースプレート2のノズル1と対向する側の面は、基板200を保持する機構を有している。たとえばアースプレート2には吸着穴が設けられ、図示しない真空ポンプが動作することにより基板200を吸着保持する。
また、アースプレート2は接地されており、薄膜の形成時に基板200に対してノズル1と反対側から基板200に接触して基板200を保持するとともに接地するように構成されている。これにより、ノズル1とアースプレート2との間に電位差が生じ、上記の通りノズル1とアースプレート2との間に電気力線が形成され、電圧が印加されてノズル1から噴出する溶液材料は、スプレー10を形成する。
また、エレクトロスプレー装置100は、ノズル1とアースプレート2とを図1に示すX軸方向およびY軸方向に相対移動させる図示しない駆動機構を有している。この駆動機構によりアースプレート2に基板200が保持された状態においてノズル1とアースプレート2とが相対移動することによって、スプレー10が基板200の表面上を移動することができ、一つのスプレー10の断面の大きさよりも大きな薄膜を形成することができる。
また、本発明では、エレクトロスプレー装置100には、各ノズル1を囲い、隣接する他のノズル1から仕切るような形態で隔壁部3が設けられている。
隔壁部3は、たとえば樹脂といった非導電性の材料からなり、各ノズル1を仕切る側壁部31を有している。本実施形態では、側壁部31は、交差位置に切り欠きを有するX軸方向に長い板状の構成部材と、当該構成部材と同じく交差位置に切り欠きを有し、Y軸方向に長い板状の構成部材とが両切り欠きをはめ合わせるように組合わされて構成されている。
また、隔壁部3は図2に示す通りXY断面が正方形となるように各ノズル1を囲っており、各ノズル1はその正方形の重心に位置している。
また、隔壁部3が各ノズル1を囲う形態は、各ノズル1を通して同一である。すなわち、各ノズル1は隔壁部3によって囲まれた領域が各ノズル1を通して同一面積の正方形の断面を有するように仕切られ、それぞれの正方形の重心に各ノズル1が位置している。
なお、本実施形態では、ノズル1同士の間隔d1が約100mmであるのに対し隔壁部3の厚みは0.5乃至5mmとしており、隔壁部3の端部(図1における基板200に対向する側のZ軸方向端部)と基板200との距離はノズル1と基板200との距離(約50mm)に対してマイナス1mm乃至プラス10mmの範囲で設定している。
このような非導電性の隔壁部3によって各ノズル1が囲まれた形態において、電圧印加部150から各ノズル1に電圧が印加された場合、図1に示す通り、溶液材料が帯電してスプレー10を形成するだけでなく、隔壁部3において誘電が生じて隔壁部3の表面が帯電する。この隔壁部3の表面の帯電と溶液材料の帯電とは極性が同じとなるため、反発が生じる。したがって、隔壁部3の帯電がノズル1からアースプレート2へ伸びる電気力線を内側に押し込む働きを示し、スプレー10の広がりが抑制される。
このように各ノズル1からアースプレート2へ伸びる電気力線が隔壁部3で囲む領域の中心方向に押し込まれることにより、隣接するノズル1の電気力線同士が影響を及ぼし合うことを防ぐことができる。また、隔壁部3が各ノズル1を囲う形態が各ノズル1を通して同一であることにより、図2に破線で示す通り、スプレー10のXY断面形状は均一となり、各ノズル1から均等にスプレーを行うことができる。その結果、各ノズル1から同時に基板200へ塗布を行って均一な膜厚の塗布膜を得ることができる。
ここで、本発明のエレクトロスプレー装置1は、送液部110が各ノズル1へ溶液材料を送液せず、電圧印加部150が各ノズル1へ電圧を印加することにより、隔壁部3を帯電させる帯電モードと、電圧印加部150が各ノズル1へ電圧を印加し、送液部110が各ノズル1へ溶液材料112の送液を行うことにより、アースプレート2が保持する基板200へ溶液材料の噴霧を行う塗布モードの2つの動作モードを有しており、図示しない制御装置によりこれら動作モードが切り替えられる。
そして、塗布モードの前に帯電モードが実行されることにより、基板200への溶液材料の塗布が実施される前に隔壁部3を十分に帯電させることができ、塗布開始時から各ノズル1からアースプレート2へ伸びる電気力線を隔壁部3で囲む領域の中心方向に押し込む作用が生じるため、隣接するノズル1の電気力線同士が影響を及ぼし合うことを一切無くすことができ、塗布モードにおける塗布開始時から塗布終了時まで安定したスプレーを全ノズル1において形成することができる。
次に、本発明の他の実施形態について図3の概略図を用いて説明する。
図2に示す実施例ではX軸方向、Y軸方向ともノズル1の間隔がd1であったため、隔壁部3がノズル1を囲む領域の断面形状を容易に正方形とすることができたが、図3に示す実施形態ではX軸方向のノズル1の間隔(d1)とY軸方向のノズル1の間隔(d2)は異なっている。
この場合、図3に示す通りY軸方向に並べる側壁部31の構成部材の枚数、配置を適宜設定することにより、X軸方向とY軸方向とでノズル1の配置の間隔が異なっていても、隔壁部3が各ノズル1を囲う領域の断面を正方形、すなわち軸対称の断面形状にすることができる。こうすることにより、スプレー10の断面形状を軸対称にすることができ、スプレー10の断面形状が軸対称でない場合と比較して各ノズル1から同時に基板200へ塗布を行って均一な膜厚の塗布膜を得ることを容易にすることができる。
なお、本実施形態であってもX軸方向のノズル1の間隔はd1で均一、Y軸方向のノズル1の間隔はd2で均一としていたが、これらが均一でなかった場合であってもX軸方向およびY軸方向に並べる側壁部31の構成部材の枚数、配置を適宜設定することにより、隔壁部3が各ノズル1を囲う領域の断面を同一形状であり軸対称である形態にすることが可能である。
次に、本発明のエレクトロスプレー装置の帯電モードにおける印加電圧と隔壁部への帯電量との関係を示すグラフを図4に示す。
図4では横軸を電圧印加部150からノズル1への電圧の印加時間、縦軸を隔壁部3の帯電量とし、円のプロットは電圧印加部150によるノズル1への印加電圧が5kVの場合、四角のプロットは印加電圧が塗布モードにおける印加電圧と同等の10kVの場合、三角のプロットは印加電圧が20kVの場合の帯電量の測定結果である。また、その他の条件として、隔壁部3はアクリルを材料として5mmの厚みを有し、隔壁部3とノズル1との距離(≒d1/2)は50mmであり、ノズル1と基板200との距離は塗布モードにおけるノズル1と基板200との距離と同等の50mmとした。
この結果、印加電圧が5kVと10kVの場合は大差は見られないが、20kVの場合は隔壁部3を早く帯電させることができ、また、帯電量を大きくすることができた。すなわち、帯電モードにおける印加電圧を高くするほど、隔壁部3を早く帯電させることができ、また、帯電量を大きくすることができる傾向が見られた。
塗布モードにおけるノズル1への印加電圧には制限があり、適切な印加電圧(本実施形態では約10kV)より高くても低くても正常なスプレー10が形成されず、安定した塗布ができない。これに対し、帯電モードにおいてはスプレー10の形成を考慮する必要がないため、帯電モードでは塗布モードにおけるノズル1への印加電圧よりも高い印加電圧で隔壁部3を帯電させ、塗布モードでは印加電圧を低減させてスプレー10の形成に適する印加電圧することにより、スプレー形態には影響を与えず短時間で帯電モードの作業を完了させることができる。
次に、本実施形態における帯電モードの概略図を図5に示す。
本実施形態では、図5にアースプレート2を記載していないことから分かるように、塗布モード時に対して帯電モードではアースプレート2をノズル1から離間させている。
このようにアースプレート2を離間させた状態において電圧印加部150からノズル1に電圧を印加した場合の電気力線のイメージを図5に鎖線で示す。アースプレート2がノズル1の近傍にある場合は図1に示す通り電気力線はノズル1からアースプレート2への指向性が高いのに対し、アースプレート2がノズル1から離間している場合は電気力線は異方的に広がると思われ、隔壁部3への帯電が促進されると予想される。
本実施形態における帯電モードの効果を図6のグラフに示す。
図6では横軸を電圧印加部150からノズル1への電圧の印加時間、縦軸を隔壁部3の帯電量とし、円のプロットはアースプレート2が塗布モードにおける位置(ノズル1から50mmの位置)にある場合、四角のプロットはアースプレート2が待避し、塗布モードにおけるノズル1との距離よりも遠くなっている場合の帯電量の測定結果である。また、その他の条件として、隔壁部3はアクリルを材料として5mmの厚みを有し、隔壁部3とノズル1との距離(≒d1/2)は50mmであり、電圧印加部150からノズル1への印加電圧は塗布モードにおける印加電圧と同等の10kVとした。
図6の結果を見ると、印加時間が長くなるほど帯電量の差は小さくなるものの、印加時間が短いところでは帯電量の差は歴然であり、アースプレート2を待避させた場合の方が早く隔壁部3を帯電させられることが分かる。
したがって、ノズル1とアースプレート2との間でスプレー10を形成させることを考慮する必要が無い帯電モードでは、図示しない駆動機構によってアースプレート2を待避させた状態で電圧印加部150からノズル1へ電圧を印加することにより、スプレー形態には影響を与えず短時間で帯電モードの作業を完了させることができる。
また、このように帯電モードではアースプレート2を待避させることに加え、先述の通り塗布モードにおける印加電圧よりも高い印加電圧(図5に示す電圧V2)で隔壁部3を帯電させることにより、さらに短時間で帯電モードの作業を完了させることができる。
次に、本発明の一実施形態におけるエレクトロスプレー方法のフロー図を図7に示す。
まず、アースプレートが塗布位置にある場合、アースプレート2が退避し、ノズル1から離間される(ステップS1)。
次に、ノズル1への送液が行われていない状態において、電圧印加部150からノズル1に電圧が印加される(ステップS2)。この時の印加電圧V2は、本実施形態では塗布実施時(スプレー10形成時)の印加電圧V1より大きくしているが、印加電圧V1と同等、もしくはV1より低くても構わない。この動作により隔壁部3が帯電する。このように隔壁部3を帯電させるエレクトロスプレー装置1の動作モードが本説明における帯電モードであり、隔壁部3を帯電させる工程を本説明では帯電ステップと呼ぶ。
なお、本実施形態では上記ステップS1によりアースプレート2はノズル1から待避さしているが、待避しない形態であっても構わない。
次に、アースプレート2に基板200が載置され(ステップS3)、基板200が載置されたアースプレート2が塗布位置まで移動する(ステップS4)。
次に、図示しない制御部により電圧印加部150からノズル1に印加している電圧値がV2からV1へ変更される(ステップS5)。電圧V1は、スプレー10を形成するのに適した電圧値である。
次に、送液部110から溶液材料112が各ノズル1へ送液される(ステップS6)。これにより、各ノズル1においてスプレー10が形成され、基板200への塗布が行われる。このようにノズル1への送液を行い基板200へ塗布を行うエレクトロスプレー装置1の動作モードが本説明における塗布モードであり、基板200への塗布を行う工程を本説明では塗布ステップと呼ぶ。この塗布ステップ中は、図示しない駆動装置によりノズル1とアースプレート2とがX軸方向およびY軸方向に相対移動し、基板200のより広い面積に対して塗布を行えるようにしても良い。
最後に、送液部110から各ノズル1への送液が停止し、塗布が終了する(ステップS7)。
以上のエレクトロスプレー装置およびエレクトロスプレー方法により、複数のノズルから均等にスプレーを行うことが可能である。
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、ノズル1から基板200へ上向きに溶液材料を噴霧しているが、それに限らず、下方向もしくは横方向に溶液材料を噴霧しても良い。
また、隔壁部3によって各ノズル1を囲う形態は、図2のように正方形の断面を有する形態に限らず、軸対称の形状の断面を有することによりスプレーの断面形状を軸対称にすることができ、また、ノズル1を囲う形態が正方形の断面を有する形態でなくとも各ノズル1を囲う形態を同一とすることにより、各ノズル1のスプレー形状を均一にすることができる。
また、上記の動作フローでは、印加電圧が電圧V1になった状態から塗布ステップが開始しているが、たとえばスプレーをより安定して発生させるために塗布ステップの開始時は電圧V1より低い電圧値であり、スプレー形成中に電圧V1へ変化するように制御しても良い。
1 ノズル
2 アースプレート
3 隔壁部
10 スプレー
31 側壁部
100 エレクトロスプレー装置
110 送液部
111 配管
112 溶液材料
140 電極バー
150 電圧印加部
200 基板
300 エレクトロスプレー装置
301 ノズル
302 アースプレート
303 基板
304 電圧印加部
400 エレクトロスプレー装置
401 ノズル
402 アースプレート
403 基板
404 電圧印加部
405 電極バー
2 アースプレート
3 隔壁部
10 スプレー
31 側壁部
100 エレクトロスプレー装置
110 送液部
111 配管
112 溶液材料
140 電極バー
150 電圧印加部
200 基板
300 エレクトロスプレー装置
301 ノズル
302 アースプレート
303 基板
304 電圧印加部
400 エレクトロスプレー装置
401 ノズル
402 アースプレート
403 基板
404 電圧印加部
405 電極バー
Claims (4)
- 電圧が印加されたノズルから噴霧された溶液材料を、基板に薄膜として堆積するエレクトロスプレー装置であって、
所定方向に配列された複数のノズルと、
前記ノズルに溶液材料を送液する送液部と、
前記ノズルに電圧を印加する電圧印加部と、
基板に対して前記ノズルと反対側にあって基板を保持し、接地されるアースプレートと、
各々の前記ノズルを囲うことによって、隣接する前記ノズル同士の間を仕切る非導電性の材料からなる隔壁部と、
を備え、
前記送液部が前記ノズルへ溶液材料を送液せず、前記電圧印加部が前記ノズルへ電圧を印加することにより、前記隔壁部を帯電させる帯電モードと、
前記電圧印加部が前記ノズルへ電圧を印加し、前記送液部が前記ノズルへ溶液材料の送液を行うことにより、前記アースプレートが保持する基板へ溶液材料の噴霧を行う塗布モードと、
を有することを特徴とする、エレクトロスプレー装置。 - 前記帯電モードにおける前記ノズルへの印加電圧は前記塗布モードにおける前記ノズルへの印加電圧よりも高いことを特徴とする、請求項1に記載のエレクトロスプレー装置。
- 前記帯電モードにおける前記ノズルと前記アースプレートとの距離は、前記塗布モードにおける前記ノズルと前記アースプレートとの距離よりも遠いことを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のエレクトロスプレー装置。
- 電圧が印加されたノズルから噴霧された溶液材料を、基板に薄膜として堆積するエレクトロスプレー方法であって、
所定方向に配列された複数の前記ノズルへ溶液材料を送液せず、前記ノズルへ電圧を印加することにより、隣接する前記ノズル同士の間を仕切る非導電性の材料からなる隔壁部を帯電させる帯電ステップと、
前記ノズルへ電圧を印加し、前記ノズルへ溶液材料の送液を行うことにより、基板へ溶液材料の噴霧を行う塗布ステップと、
を有することを特徴とする、エレクトロスプレー方法。
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JP2017028847A JP2018134566A (ja) | 2017-02-20 | 2017-02-20 | エレクトロスプレー装置およびエレクトロスプレー方法 |
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JP2017028847A JP2018134566A (ja) | 2017-02-20 | 2017-02-20 | エレクトロスプレー装置およびエレクトロスプレー方法 |
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JP (1) | JP2018134566A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7557249B2 (ja) | 2020-11-19 | 2024-09-27 | トヨタ車体株式会社 | 塗装装置および塗装方法 |
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2017
- 2017-02-20 JP JP2017028847A patent/JP2018134566A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7557249B2 (ja) | 2020-11-19 | 2024-09-27 | トヨタ車体株式会社 | 塗装装置および塗装方法 |
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