JP2013184135A - 管体塗装方法 - Google Patents

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佳和 西原
Yoshinobu Yamada
祥延 山田
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Abstract

【課題】少ない吐出量で粉体塗料を吐出しつつ、受口の内面を良好に塗装することができる管体塗装方法を提供する。
【解決手段】管体1を軸線L周りに回転させながら、管体1の軸線L上に配置されたノズル32と管体1とを軸線L方向に沿って相対的に往復移動させる。ノズル32の先端部から帯電された粉体塗料を吐出し、加熱された状態の受口12の内面に塗装する。ノズル32の先端部には、互いに平行に延びる2つの吐出口321を、軸線Lに対して対称配置する。2つの吐出口321から軸線L方向に吐出される粉体塗料は、2つの吐出口321がそれぞれ延びる方向に対して平行な平面内において、所定の角度範囲θで扇状に拡がる。これにより、吐出される粉体塗料の密度を高くすることができるため、少ない吐出量で粉体塗料を吐出しつつ、受口12の内面を良好に塗装することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、他の管体の端部を挿入するための受口が形成された管体に対して、前記受口の内面に塗装を施すための管体塗装方法に関するものである。
水道水やガスなどを送るための管体には、例えば、一端部に挿し口が形成されるとともに、他端部に受口が形成されている。したがって、複数本の管体の挿し口を、それぞれ隣接する管体の受口に挿入するにより、複数本の管体を互いに連結することができるようになっている。管体の受口には、挿入される他の管体の挿し口との密着性を高めるためのパッキンや、挿し口の離脱を防止するためのロックリングなどが設けられる。そのため、受口の内面には、例えばパッキンやロックリングなどを取り付けるために複数の凹凸が形成されている。
上記のような管体には、防食の目的で塗装が施される場合がある。例えば、地中に埋設される水道用のダクタイル鋳鉄管には、その外面及び内面の両方に塗装が施されるのが一般的である。この場合、管体の外面には、例えば土壌に対する耐食性の観点から、溶剤系塗料を用いた合成樹脂塗装などが施される。一方、管体の内面のうち受口以外の部分、すなわち通過する水と接触する部分には、例えば水に対する耐食性や品質維持の観点から、モルタルライニングやエポキシ樹脂粉体塗装などが施される。
管体における受口の内面には、外面と同様に合成樹脂塗装が施されるのが一般的である。しかしながら、上記のような複数の凹凸を有する受口の内面に対して、未塗装部分や塗りムラを生じさせることなく自動で塗装することは困難である。そのため、従来、受口の内面に対する塗装は手作業で仕上げる場合もあり、作業が煩雑になるという問題があった。
そこで、例えば下記特許文献1では、帯電された粉体塗料を用いて受口の内面を自動で塗装する方法が提案されている。この特許文献1では、管体を軸線周りに回転させながら、管体の軸線方向に沿ってノズルを往復移動させることにより、ノズルから吐出される帯電された粉体塗料が、受口の内面に自動で塗装されるようになっている。
特開2010−269243号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されているような技術では、ノズルから円錐状に分散するように粉体塗料が吐出されるため、吐出量をある程度多くしなければ、小さい凹凸にまで粉体塗料が行き届かないおそれがある。特に管体が小径である場合には、通常、受口の内面に形成された凹凸も小さくなるため、当該凹凸の隅にまで未塗装部分や塗りムラを生じさせることなく塗装することがさらに困難になる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、少ない吐出量で粉体塗料を吐出しつつ、受口の内面を良好に塗装することができる管体塗装方法を提供することを目的とする。また、本発明は、小径の管体であっても、受口の内面を良好に塗装することができる管体塗装方法を提供することを目的とする。
本発明に係る管体塗装方法は、他の管体の端部を挿入するための受口が形成された管体に対して、前記受口の内面に塗装を施すための管体塗装方法であって、前記管体を軸線周りに回転させながら、前記管体の軸線上に配置されたノズルと前記管体とを軸線方向に沿って相対的に往復移動させることにより、前記ノズルの先端部から吐出される帯電された粉体塗料を、加熱された状態の前記受口の内面に塗装するものであり、前記ノズルの先端部には、互いに平行に延びる2つの吐出口が、前記軸線に対して対称配置され、前記2つの吐出口から軸線方向に吐出される粉体塗料が、当該2つの吐出口がそれぞれ延びる方向に対して平行な平面内において、所定の角度範囲で扇状に拡がることを特徴とする。
このような構成によれば、粉体塗料を円錐状に分散するように吐出するのではなく、吐出口が延びる方向に対して平行な平面内において、扇状に拡がるように粉体塗料を吐出するため、少ない吐出量であっても、吐出される粉体塗料の密度を高くすることができる。この場合、粉体塗料が吐出される面積は狭くなるが、2つの吐出口を軸線に対して対称配置するとともに、管体を回転させながらノズルと管体とを相対的に往復移動させ、かつ、帯電された粉体塗料を吐出することにより、未塗装部分や塗りムラを生じさせることなく塗装することが可能になる。したがって、少ない吐出量で粉体塗料を吐出しつつ、受口の内面を良好に塗装することができる。
また、吐出される粉体塗料の密度が高いため、管体が小径の場合であっても、受口の内面に形成された小さい凹凸の隅にまで粉体塗料を行き届かせることができる。したがって、小径の管体であっても、受口の内面を良好に塗装することができる。
前記ノズルの先端部には、前記2つの吐出口から吐出される粉体塗料を帯電させるための電極が、前記2つの吐出口の間に形成されていてもよい。この場合、2つの吐出口から吐出された直後の粉体塗料が帯電されて、受口の内面に付着する。これにより、粉体塗料が帯電されてから受口の内面に付着するまでの時間を短くすることができるため、粉体塗料の静電気力を高く維持することができる。したがって、粉体塗料の付着力を高めて、受口の内面をより良好に塗装することができる。
前記所定の角度範囲の一端側と他端側(例えば、上端側と下端側)の両方において、吐出される粉体塗料が前記受口の内面に塗装されるものであってもよい。この場合、吐出口から吐出される粉体塗料を2箇所で同時に塗装することができる。これにより、作業効率を向上させることができるとともに、受口の内面をより良好に塗装することができる。
前記ノズルは、前記2つの吐出口がそれぞれ鉛直方向に延びるように配置されていることが好ましい。
このような構成によれば、2つの吐出口がそれぞれ鉛直方向に対して傾斜している場合と比較して、吐出される粉体塗料が、2つの吐出口がそれぞれ延びる方向に対して平行な平面内から逸脱しにくい。すなわち、粉体塗料に加わる重力が、上記平面に対して平行に作用するため、粉体塗料を塗装する位置が上記平面からずれるのを防止することができる。これにより、受口の内面をより良好に塗装することができる。
前記ノズルと前記管体とを相対的に往復移動させることにより、前記管体の外部における第1の位置と、前記管体の内部における第2の位置との間で、前記ノズルが往復移動することが好ましい。
このような構成によれば、従来のように管体の内部においてノズルを相対的に往復移動させるのではなく、管体の外部と内部との間でノズルを相対的に往復移動させることができる。したがって、例えば管体の外部にノズルが位置する状態(第1の位置)で塗装が開始及び終了するような構成とした場合には、上記第1の位置においてノズルが管体から退避しているため、この位置で管体を入れ替えたり、高さを調整したりすることができる。したがって、複数本の管体に対して連続的に塗装を施す場合であっても、管体からノズルを退避させてから管体を入れ替えたり、高さを調整したりする必要がないため、作業効率を向上させることができる。
本発明によれば、吐出される粉体塗料の密度を高くすることができるため、少ない吐出量で粉体塗料を吐出しつつ、受口の内面を良好に塗装することができる。また、本発明によれば、受口の内面に形成された小さい凹凸の隅にまで粉体塗料を行き届かせることができるため、小径の管体であっても、受口の内面を良好に塗装することができる。
本発明の一実施形態に係る管体塗装方法を実施するためのシステムの構成例を示した概略側面図である。 ノズルの構成例を示した図であり、(a)は側面図、(b)は平面図をそれぞれ示している。 塗装を行う際の態様を説明するための要部拡大断面図である。 図3におけるA−A断面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る管体塗装方法を実施するためのシステムの構成例を示した概略側面図である。当該システムは、例えば管体1を保持するための台車2と、管体1に対して塗装を施すための塗装装置3とを備え、これらの台車2及び塗装装置3の動作により、管体1を自動で塗装することができるようになっている。ただし、このような互いに分離した台車2及び塗装装置3を用いて管体1を塗装する構成に限らず、例えば一体的に構成された装置を用いて管体1を塗装するなど、他のあらゆる構成を採用することができる。
管体1には、一端部に挿し口11が形成されるとともに、他端部に受口12が形成されている。挿し口11の外径は、受口12の内径に対応している。したがって、複数本の管体1の挿し口11を、それぞれ隣接する管体1の受口12に挿入するにより、複数本の管体1を互いに連結することができるようになっている。
本実施形態における管体1は、ダクタイル鋳鉄管であり、例えば地中に埋設された状態で水道水を送るなどの目的で使用される。ただし、管体1は、ダクタイル鋳鉄管に限らず、他の材料により形成されていてもよい。また、本発明は、図1のような一直線状に延びる管体1に限らず、他の形状を有する管体1の塗装にも適用可能である。
管体1の外面には、例えば土壌に対する耐食性の観点から、溶剤系塗料を用いた合成樹脂塗装などが施される。一方、管体1の内面のうち受口12以外の部分、すなわち通過する水と接触する部分には、例えば水に対する耐食性や品質維持の観点から、モルタルライニングやエポキシ樹脂粉体塗装などが施される。本実施形態に係る管体塗装方法は、後述するように、管体1における受口12の内面に対する塗装方法に特徴を有している。
台車2は、管体1を保持する回転可能な複数の保持ローラ21と、台車2を移動させるために回転可能な複数の移動ローラ22とを備えている。複数の保持ローラ21は、それぞれ管体1の軸線Lに対して平行な回転軸を中心に回転可能であり、各保持ローラ21を回転させることにより、管体1を軸線L周りに回転させることができる。複数の移動ローラ22は、それぞれ管体1の軸線Lに対して直交する回転軸を中心に回転可能であり、設置面4上で各移動ローラ22を回転させながら台車2を移動させることにより、軸線Lに沿って管体1を平行移動させることができる。
塗装装置3は、管体1の受口12の内面に塗装を施すために設置面4上に設置された装置であり、帯電された粉体塗料を用いて静電粉体塗装を行う。粉体塗料としては、例えばエポキシ樹脂粉体を用いることができるが、これに限られるものではない。塗装装置3には、粉体塗料を送るためのランス31と、ランス31の先端部に取り付けられたノズル32と、これらのランス31及びノズル32の高さを調整するための高さ調整機構33とが備えられている。ランス31及びノズル32は、例えば管体1の軸線Lに対して平行に延びている。
管体1の受口12の内面を塗装する際には、高さ調整機構33を用いて、ランス31及びノズル32を管体1の軸線L上に配置する。そして、台車2の保持ローラ21を回転させることにより、管体1を軸線L周りに回転させながら、台車2の移動ローラ22を回転させることにより、管体1をノズル32側に移動させる。これにより、管体1の受口12内にノズル32が一旦進入し、その後に台車2を逆方向に移動させることにより、管体1の外部にノズル32が再度退避する。
このようにして、ノズル32と管体1とを軸線L方向に沿って相対的に往復移動させる間、ノズル32の先端部から帯電された粉体塗料を吐出することにより、受口12の内面を塗装することができる。なお、管体1は、塗装前に予め加熱され、常温よりも温度が高い状態で塗装が行われるようになっている。
図2は、ノズル32の構成例を示した図であり、(a)は側面図、(b)は平面図をそれぞれ示している。図2に示すように、ノズル32の先端部には、例えば円弧状の2つの吐出口321が、互いに平行に延びるように形成されている。この例では、2つの吐出口321が、それぞれ鉛直方向に延びるように形成され、軸線Lに対して水平方向に対称配置されている。すなわち、軸線Lを挟んで水平方向両側に、それぞれ吐出口321が形成された構成となっている。各吐出口321の水平方向の幅は、例えば1〜3mm程度である。
ノズル32は中空状に形成されており、ランス31からノズル32に送られる粉体塗料が、ノズル32内を通って、2つの吐出口321から軸線L方向に吐出される。各吐出口321から吐出される粉体塗料は、各吐出口321が延びる方向に対して平行な平面P内において、所定の角度範囲θで扇状に拡がる。すなわち、この例では、鉛直方向に延びる平面P内で、各吐出口321から粉体塗料が扇状に吐出されるようになっている。
上記所定の角度範囲θは、180°未満であれば特に限定されるものではないが、60°以上であることが好ましく、90°以上であればさらに好ましい。図2(b)に示すように、各吐出口321から吐出される粉体塗料は、鉛直方向だけではなく、水平方向にも若干拡がりながら進むこととなる。
ノズル32の先端部には、2つの吐出口321から吐出される粉体塗料を帯電させるための電極322が、2つの吐出口321の間に形成されている。この例では、軸線L上に、軸線L方向に沿って延びるように電極322が形成されている。したがって、各吐出口321と電極322との距離は一致している。塗装を行う際には、電極322に電圧が印加され、各吐出口321から吐出される粉体塗料が、吐出された直後に電極322により帯電されるようになっている。
これにより、粉体塗料が帯電されてから受口12の内面に付着するまでの時間を短くすることができるため、粉体塗料の静電気力を高く維持することができる。したがって、粉体塗料の付着力を高めて、受口12の内面をより良好に塗装することができる。ただし、粉体塗料を帯電させるための構成としては、本実施形態のような構成に限らず、他の各種構成を採用することができる。
図3は、塗装を行う際の態様を説明するための要部拡大断面図である。また、図4は、図3におけるA−A断面図である。塗装を行う際には、台車2を軸線L方向に沿って往復移動させることにより、ノズル32と管体1とを相対的に往復移動させる。これにより、ノズル32が、図3に実線で示すような管体1の外部における第1の位置と、破線で示すような管体1の内部における第2の位置との間で往復移動する。
このように、本実施形態では、管体1の内部においてノズル32を相対的に往復移動させるのではなく、管体1の外部と内部との間でノズル32を相対的に往復移動させる。したがって、例えば管体1の外部にノズル32が位置する状態(第1の位置)で塗装が開始及び終了するような構成とした場合には、上記第1の位置においてノズル32が管体1から退避しているため、この位置で管体1を入れ替えたり、高さを調整したりすることができる。したがって、複数本の管体1に対して連続的に塗装を施す場合であっても、管体1からノズル32を退避させてから管体を入れ替えたり、高さを調整したりする必要がないため、作業効率を向上させることができる。
ただし、台車2を往復移動させることにより、ノズル32と管体1とを相対的に往復移動させるような構成に限らず、例えばノズル32(又は塗装装置3全体)を往復移動させることにより、ノズル32と管体1とを相対的に往復移動させるような構成であってもよい。また、台車2とノズル32(又は塗装装置3全体)の両方を往復移動させるような構成であってもよい。往復移動の回数については、1往復(2パス)であることが好ましいが、3パス以上とすることも可能である。
管体1における受口12の入口121は、管体1の内部と外部との境界を構成しており、ノズル32を内部に進入させることができるように、ノズル32の外径よりも大きく形成されている。管体1は、呼び径が75mm未満であることが好ましく、例えば50mm程度であってもよい。この場合、受口12の入口121の直径も呼び径と同程度となる。ノズル32の外径は、20〜40mm程度であることが好ましく、例えば30mm程度であってもよい。上記のような小径(例えば、呼び径が75mm未満)の管体1は、例えば配水管から各家庭などに分岐する給水管として好適に使用することができる。
ノズル32が図3に実線で示す第1の位置にあるとき、ノズル32の先端部と受口12の入口121との距離D1は、例えば5〜10mm程度である。一方、ノズル32が図3に破線で示す第2の位置にあるとき、ノズル32の先端部と受口12の入口121との距離D2は、例えば200mm程度である。ただし、距離D1及び距離D2の値は、管体1の種類によって適宜に設定可能であり、上記値に限定されるものではない。
管体1の受口12の内面には、挿入される他の管体1の挿し口11との密着性を高めるためのパッキンや、挿し口11の離脱を防止するためのロックリングなどを取り付けるために、複数の凹凸122が形成されている。一般的に、受口12の内面に形成された小さい凹凸122にまで粉体塗料を行き届かせることは困難であり、粉体塗料の吐出量をある程度多くするなどの措置が必要である。特に、管体1が小径(例えば、呼び径が75mm未満)である場合には、通常、受口12の内面に形成された凹凸122も小さくなるため、当該凹凸122の隅にまで未塗装部分や塗りムラを生じさせることなく塗装することが困難になる。
しかし、本実施形態では、ノズル32の吐出口321が延びる方向に対して平行な平面P内において、扇状に拡がるように粉体塗料を吐出するため、少ない吐出量(例えば、10〜30g/30s)であっても、吐出される粉体塗料の密度を高くすることができる。この場合、粉体塗料が吐出される面積は狭くなるが、2つの吐出口321を軸線Lに対して対称配置するとともに、管体1を回転させながらノズル32と管体1とを相対的に往復移動させ、かつ、帯電された粉体塗料を吐出することにより、未塗装部分や塗りムラを生じさせることなく塗装することが可能になる。したがって、少ない吐出量で粉体塗料を吐出しつつ、受口12の内面を良好に塗装することができる。
また、吐出される粉体塗料の密度が高いため、管体1が小径(例えば、呼び径が75mm未満)の場合であっても、受口12の内面に形成された小さい凹凸122の隅にまで粉体塗料を行き届かせることができる。したがって、小径の管体1であっても、受口12の内面を良好に塗装することができる。
特に、本実施形態では、2つの吐出口321がそれぞれ鉛直方向に延びるように配置されているため、吐出される粉体塗料が上記平面P内から逸脱しにくい。すなわち、粉体塗料に加わる重力が、上記平面Pに対して平行(鉛直下方)に作用するため、粉体塗料を塗装する位置が上記平面Pからずれるのを防止することができる。これにより、受口12の内面をより良好に塗装することができる。
ただし、ノズル32の構成は、上記のような構成に限られるものではない。例えば、2つの吐出口321がそれぞれ鉛直方向に対して傾斜するようにノズル32を配置することも可能である。また、3つ以上の吐出口321がノズル32に形成された構成などであってもよい。
ノズル32が図3に実線で示す第1の位置にあるときは、各吐出口321から粉体塗料が吐出される角度範囲θ内に、少なくとも受口12の入口121が位置している。一方、ノズル32が図3に破線で示す第2の位置にあるときは、各吐出口321から粉体塗料が吐出される角度範囲θ内に、少なくとも最も奥側(入口121側とは反対側)に形成された凹凸122が位置している。管体1の内面には、受口12と、当該受口12に連結された直部13との間に、段部14が形成されており、ノズル32が第2の位置にある状態では、ノズル32の先端部が段部14よりも手前側(入口121側)に位置している。
本実施形態では、ノズル32が第1の位置と第2の位置との間にあるときに、上記角度範囲θの一端側と他端側(この例では、上端側と下端側)の両方において、吐出される粉体塗料が受口12の内面に塗装される。これにより、吐出口321から吐出される粉体塗料を2箇所で同時に塗装することができるため、作業効率を向上させることができるとともに、受口12の内面をより良好に塗装することができる。
このようにして、管体1の受口12の内面に対し、帯電された粉体塗料を用いた静電粉体塗装が施された後、管体1の直部13の内面に対し、別の方法により塗装が施される。この例では、管体1の直部13の内面に対し、帯電されていない粉体塗料を用いた粉体塗装(例えば、エポキシ樹脂粉体塗装)が施される。このとき、直部13の内面に対する塗装の一部が、受口12の内面に対する塗装の一部と重なり合ってもよい。
以下では、上記実施形態と同様の構成を用いて、複数の条件で管体1の受口12の内面を塗装することにより行った実験結果について説明する。この実験では、管体1としてダクタイル鋳鉄管を採用し、呼び径が50mmの管体1と、150mmの管体1とを用いた。また、塗装前に管体1を加熱することにより、受口12の温度を200〜220℃とした状態で塗装を行った。その実験結果を下記表1に示す。
Figure 2013184135
実施例1に示すように、ノズル32と管体1とを相対的に1往復(2パス)させる間、帯電された粉体塗料を吐出することにより塗装を行った場合には、未塗装部分や塗りムラを生じさせることなく、受口12の内面を良好に塗装することができた。
これに対して、比較例1に示すように、ノズル32と管体1とを相対的に1往復(2パス)させた場合であっても、粉体塗料を帯電させずに塗装を行った場合には、受口12の内面に形成された凹凸122における凹部に、膜厚の小さい部分(薄膜部)が発生した。比較例1では、粉体塗料を帯電させなかったこと以外は、実施例1と同一の条件であったにもかかわらず、上記結果となったことから、粉体塗料を帯電させることが、受口12の内面を良好に塗装する上で重要であることが分かる。
また、比較例2及び比較例3のように、粉体塗料を帯電させた場合であっても、ノズル32と管体1とを相対的に片道(1パス)だけ移動させて塗装を行った場合には、未塗装部分としての小さい穴(いわゆるピンホール)が発生した。比較例2では、台車2の移動速度を実施例1の2分の1とすることにより、受口12の内面に対して塗装される粉体塗料の量を実施例1と同一にした。一方、比較例3では、粉体塗料の吐出量を実施例1の2倍とすることにより、受口12の内面に対して塗装される粉体塗料の量を実施例1と同一にした。このような条件でも上記結果となったことから、ノズル32と管体1とを相対的に1往復(2パス)させることが、受口12の内面を良好に塗装する上で重要であることが分かる。
参考例1では、実施例1よりも大径の管体1を用いて、ノズル32と管体1とを相対的に1往復(2パス)させる間、帯電された粉体塗料を吐出することにより塗装を行った。この場合、未塗装部分や塗りムラを生じさせることなく、受口12の内面を良好に塗装することができた。
1 管体
2 台車
3 塗装装置
4 設置面
11 挿し口
12 受口
13 直部
14 段部
21 保持ローラ
22 移動ローラ
31 ランス
32 ノズル
33 高さ調整機構
121 入口
122 凹凸
321 吐出口
322 電極
L 軸線
P 平面
θ 角度範囲

Claims (3)

  1. 他の管体の端部を挿入するための受口が形成された管体に対して、前記受口の内面に塗装を施すための管体塗装方法であって、
    前記管体を軸線周りに回転させながら、前記管体の軸線上に配置されたノズルと前記管体とを軸線方向に沿って相対的に往復移動させることにより、前記ノズルの先端部から吐出される帯電された粉体塗料を、加熱された状態の前記受口の内面に塗装するものであり、
    前記ノズルの先端部には、互いに平行に延びる2つの吐出口が、前記軸線に対して対称配置され、
    前記2つの吐出口から軸線方向に吐出される粉体塗料が、当該2つの吐出口がそれぞれ延びる方向に対して平行な平面内において、所定の角度範囲で扇状に拡がることを特徴とする管体塗装方法。
  2. 前記ノズルは、前記2つの吐出口がそれぞれ鉛直方向に延びるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の管体塗装方法。
  3. 前記ノズルと前記管体とを相対的に往復移動させることにより、前記管体の外部における第1の位置と、前記管体の内部における第2の位置との間で、前記ノズルが往復移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の管体塗装方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5922822B1 (ja) * 2015-03-26 2016-05-24 株式会社クボタ 管体製造方法および粉体塗装方法
JP2016182810A (ja) * 2016-01-29 2016-10-20 株式会社クボタ ダクタイル鋳鉄管および管路

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