以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る画像処理システム10の構成概略図が示されている。画像処理システム10は、画像処理装置12及びデータ処理装置としての端末装置14を含んで構成される。画像処理装置12と端末装置14は、通信回線16を介して互いに通信可能に接続されている。通信回線16は、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、近距離無線通信などによって構成される。図1に示す例では、1つの画像処理装置12と1つの端末装置14が示されているが、画像処理システム10は、複数の画像処理装置12及び端末装置14を含んでいてよい。
画像処理装置12は、画像処理機能を備えた装置である。例えば、画像処理装置12は、アナログ形式の原稿である紙文書(フィルム文書なども含む)に対してスキャン処理(読み取り処理)を行って画像データを生成するスキャン機能、入力されたデジタル形式の原稿である文書データを紙などの印刷媒体に印刷するプリント処理を行うプリント機能、スキャン処理により得られた画像データに対してプリント処理を行うコピー機能、及び、紙文書に対してスキャン処理を行って得られた画像データをファックス送信するファックス機能の中の少なくとも1つの機能を備えた装置である。
画像処理装置12は、利用者(ユーザ)により入力された処理命令(ジョブ)について、当該ジョブに対して設定された処理設定に応じた処理を行う。なお、ジョブには、画像処理装置12に対する処理命令と、当該処理命令に関する設定である処理設定が含まれる。また、ジョブがプリント処理を要求するプリントジョブである場合には、プリントジョブには、さらに、処理対象の文書データの内容がページ記述言語(Page Description Language)で記述されたPDLデータが含まれる。
端末装置14は、画像処理装置12を利用するユーザが使用する端末である。なお、本実施形態に係るユーザは、例えば視覚障害者などの、原稿である紙文書の内容を十分に視認できない者(以下単に「視覚障害者」と記載する)である。本実施形態においては、端末装置14は、タブレット端末、スマートフォン、あるいは携帯電話などのモバイル端末であるが、端末装置14としてはPC(パーソナルコンピュータ)の据え置き型端末であってもよい。後述のように、本実施形態における端末装置14において、画像処理装置12に対してジョブの入力及び当該ジョブに関する処理設定などを行うためのジョブアプリケーションが動作可能となっている。特に、本実施形態においては、ユーザは、ジョブアプリケーションを操作することにより、コピージョブ、スキャンジョブ、あるいはファックスジョブの本処理に先立って実行される事前読取処理(プレスキャン)を画像処理装置12に対して指示することができる。また、画像処理装置12と端末装置14との間の距離が所定距離内となり、両装置間において近距離通信が確立された場合に、端末装置14を用いて画像処理装置12に対する操作を行うことが可能となっていてもよい。
図2には、画像処理装置12の構成概略図が示されている。以下、図2を参照しつつ、画像処理装置12の各部について説明する。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)あるいはマイクロコントローラなどから構成される。制御部20は記憶部22に記憶された制御プログラムに従って、画像処理装置12の各部を制御するものである。
記憶部22は、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)、あるいはRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。記憶部22には、入力されたジョブに関する情報、スキャン処理により生成された画像データ、各種の制御データ、各種のプログラムなどが記憶される。
通信部24は、例えばネットワークアダプタなどから構成される。通信部24はいわゆる通信インターフェースであり、通信回線16を介して、端末装置14との間でデータの送受信を行う機能を備えている。通信部24は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。また、通信部24は、公衆回線にも接続可能である。したがって、画像処理装置12がファックス機能を発揮する際に通信部24が利用される。
表示部26は、例えば液晶パネルなどから構成される。表示部26は、画像処理装置12の各種操作画面あるいは各種情報が表示される。
入力部28は、例えばタッチパネルあるいはボタンなどから構成される。入力部28は、ユーザからの入力操作を受け付けるものである。
音声出力部30は、例えばスピーカ及びスピーカの駆動回路などから構成される。音声出力部30は、表示部26に表示された各種操作画面の内容あるいは各種情報などを視覚障害者であるユーザに通知すべく、各種操作画面の内容あるいは各種情報などを音声として出力するものである。
画像読取部32は、例えば光源、あるいはCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサなどを含んで構成される。画像読取部32は、紙文書に対するスキャン処理を行って画像データを取得する。したがって、画像処理装置12がスキャン機能、コピー機能、あるいはファックス機能を発揮する際に画像読取部32が利用される。画像読取部32は、画像処理装置12の原稿台(不図示)にセットされた紙文書に対してスキャン処理を行うことが可能である。紙文書が複数ページからなる場合には、原稿台から読み取り位置まで各ページが順次送られてくるため、画像読取部32は、各ページに対するスキャン処理を連続的に行うことができる。
画像形成部34は、プリント機能を要求するプリントジョブにおいて指定された文書データをラスタデータに展開する処理を行うRIP処理部、及び、展開されたラスタデータや後述の画像読取部32が読み取った画像データを紙などの印刷媒体上に再現するプリント処理を実行する印刷部などを含んで構成される。このように、画像形成部34によって、文書データあるいは画像データに対するプリント処理が行われる。したがって、画像処理装置12がプリント機能あるいはコピー機能を発揮する際に画像形成部34が利用される。
上述の通り、画像処理装置12は、ユーザにより入力されたジョブについて、当該ジョブに対して設定された処理設定に応じて処理を行う。ジョブの処理設定に含まれる設定項目は、ジョブの種別(スキャンジョブ、プリントジョブ、コピージョブ、データ型ファックスジョブ、読取型ファックスジョブ)に応じて異なるものである。
以下、スキャン処理及びプリント処理を含むコピージョブに関する設定項目について説明する。コピージョブに関する設定項目には、「解像度」、「カラーモード」、「スキャン面指定」、「N−UP指定」、「自動正立指定」、「白紙検出指定」、及び「傾き補正指定」が含まれる。
「解像度」とは、スキャン処理により生成される画像データの画素密度を表すものであり、例えば200DPI(Dots Per Inch)、300DPI、400DPI、600DPIなどの設定値を取り得る。
「カラーモード」とは、スキャン処理により生成される画像データのカラーモードを表すものである。カラーモードとして「カラー」が選択されると画像データがカラー画像となり、「白黒」が選択されると画像データが白黒となる。
「スキャン面指定」は、設定値として「両面」及び「片面」を取り得る。「両面」が選択された場合、紙文書の両面に対してスキャン処理が行われる。「片面」が選択された場合、紙文書の片面のみに対してスキャン処理が行われる。
「N−UP指定」とは、画像データの複数のページを1枚の印刷媒体にまとめてプリント処理を行うことを指定するものである。N−UP指定の設定値として、「なし」、「2UP」「4UP」などを取り得る。例えば、「2UP」が指定された場合は、文書データにおける2ページ分が1枚の片面にプリント処理される。また、「4UP」が指定された場合は、文書データにおける4ページ分が1枚の片面にプリント処理される。それ以上の設定値が設定された場合は、設定値に応じて1枚の片面にプリント処理されるページ数が増えていく。
「自動正立指定」は、設定値として「あり」及び「なし」を取り得る。「あり」が選択された場合、スキャン処理により生成された画像データに含まれる各ページデータについて、文字が正しく読めるように回転させる(正立させる)。「なし」が選択された場合、当該正立処理は行われない。
「白紙検出指定」は、設定値として「あり」及び「なし」を取り得る。「あり」が選択された場合、生成される画像データには、紙文書のうち白紙と判定されたページに相当するページデータを含めない。「なし」が選択された場合、白紙と判定されたページに相当するページデータも画像データに含まれる。白紙か否かの判定は、紙文書の各ページに相当する各ページデータを解析することによって行われる。例えば、ページデータに白色以外の画素が所定数以上ある場合は、当該ページデータに相当するページは白紙ではないと判定され、そうでない場合は白紙であると判定するようにしてもよい。
「傾き補正指定」は、設定値として「あり」及び「なし」を取り得る。「あり」が選択された場合、スキャン処理により生成される画像データに含まれる画像の傾きを画像データ上において補正するものである。「なし」が選択された場合、当該補正処理は行われない。傾き補正も、紙文書の各ページに相当する各ページデータを解析することによって行われる。例えば、ページデータの外周に存在する余白領域と、文字あるいは図形などが存在する画像領域との境界線を検出し、その境界線と水平線又は垂直線とのずれ(角度)に基づいて、画像領域に対して回転処理をかけることで行われる。
スキャンジョブ及びファックスジョブに関する設定項目は、上記のうち、「解像度」、「カラーモード」、「スキャン面指定」、「自動正立指定」、「白紙検出指定」、及び「傾き補正指定」が含まれる。また、プリントジョブに関する設定項目は、上記のうち、「カラーモード」及び「N−UP指定」が含まれる。なお、プリントジョブにおける「カラーモード」において「カラー」が選択されると印刷媒体上においてカラー画像が再現される。「白黒」が選択されると、文書データにカラーが含まれていても、印刷媒体上においては白黒画像が再現される。
図3には、端末装置14の構成概略図が示されている。以下、図3を参照しつつ、端末装置14の各部について説明する。
記憶部40は、ROMあるいはRAMなどを含んで構成される。記憶部40には、後述の制御部52の解析対象となる原稿データが一時記憶される。また、図3に示されるように、記憶部40には、端末装置14上で動作可能なデータ処理プログラムとしてのジョブアプリケーション42が記憶(インストール)されている。ジョブアプリケーション42が端末装置14上で動作することにより、制御部52が後述の各機能を発揮する。
表示部44は、例えば液晶パネルなどから構成される。表示部44には、端末装置14を利用するユーザに対する各種情報が表示される。また、表示部44には、ジョブアプリケーション42が動作した際に、ジョブアプリケーション42の画面(ユーザインターフェース)が表示される。
入力部46は、例えばタッチパネルあるいはボタンなどから構成される。入力部46は、ユーザの指示を端末装置14に入力するためのものである。
音声通知部としての音声出力部48は、例えばスピーカ及びスピーカの駆動回路などから構成される。音声出力部48は、視覚障害者であるユーザに対して各種情報を通知すべく、ユーザに対して各種情報を音声として出力するものである。
通信部50は、例えばネットワークアダプタなどから構成される。通信部50はいわゆる通信インターフェースであり、通信回線16を介して、画像処理装置12との間でデータの送受信を行う機能を備えている。通信部50は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。
制御部52は、CPUあるいはマイクロコントローラなどから構成される。制御部52は端末装置14の各部を制御するものである。上述のように、制御部52は端末装置14にインストールされたジョブアプリケーション42によって、属性取得部としての原稿データ解析部54、推奨設定特定部56、通知制御部58、及び本処理設定決定部60として機能する。以下、これらの各機能の詳細について説明する。
原稿データ解析部54は、原稿データを解析して、当該原稿データの属性を取得する。原稿データ解析部54における原稿データの解析処理は、画像処理装置12に入力されるジョブに対する画像処理(以下「本処理」と記載する)に先立って実施されるものである。
原稿データとは、画像処理装置12にコピージョブ、スキャンジョブ、あるいはファックスジョブを実行させる場合においては、当該ジョブに対する本処理に先立って画像処理装置12(詳しくは画像読取部32)が処理対象の紙文書に対するスキャン処理(以下「プレスキャン処理」と記載する)により得られた画像データ(以下「プレスキャンデータ」と記載する)である。この場合、ユーザがジョブアプリケーション42を操作することにより、端末装置14から画像処理装置12に対して紙文書に対するプレスキャン処理の指示が送信され、当該指示に基づいて画像処理装置12においてプレスキャン処理が実行される。端末装置14は、プレスキャン処理により得られたプレスキャンデータを画像処理装置12から受信し、原稿データ解析部54は、受信したプレスキャンデータに対して解析処理を行う。
プレスキャン処理は、予め定められたスキャン設定(プレスキャン設定)において行われる。プレスキャン設定における各設定項目に対する設定値は以下の通りである。設定項目「解像度」に対する設定値は、プレスキャンデータに対してOCR(Optical Character Recognition)処理(文字認識処理)が実施可能となる程度以上に設定される。本実施形態では、「300DPI」が設定される。もちろんそれ以上の解像度が設定されてもよいが、プレスキャンデータの容量を極力抑えるため、あるいはプレスキャン処理の高速化の観点から、OCR処理が可能である限りにおいてできるだけ小さい解像度が設定されるのが望ましい。設定項目「カラーモード」に対する設定値は、プレスキャンデータによる解析により紙文書にカラーページが含まれるか否かを判定できるように「カラー」が設定される。設定項目「スキャン面指定」に対する設定値は、プレスキャンデータによる解析により紙文書が両面印刷されたものであるか否かを判定できるように「両面」が設定される。また、各ページの向き、白紙混在、あるいは画像の傾きなどの紙文書の状態が補正されずにそのままプレスキャンデータに反映されるよう、設定項目「自動正立指定」に対する設定値は「なし」に、設定項目「白紙検出指定」に対する設定値は「なし」に、設定項目「傾き補正指定」に対する設定値は「なし」にそれぞれ設定される。
また、端末装置14からプリントジョブを画像処理装置12に入力する場合においては、原稿データは、当該プリントジョブにおいてプリント処理の対象となる文書データそのものである。この場合、当該プリントジョブが端末装置14から画像処理装置12に送信されるに先立って、原稿データ解析部54は、当該プリントジョブに係る文書データに対して解析処理を行う。
以下、原稿データ解析部54が行う解析処理の詳細について説明する。
まず、プレスキャンデータに対する解析処理について説明する。原稿データ解析部54は、プレスキャンデータに対し、OCR処理、色検出処理、レイアウト解析処理、傾き検出処理を行う。
OCR処理は、プレスキャンデータに含まれる文字を識別して文字情報を抽出する処理であり、プレスキャンデータに含まれる文字に関する情報を含むテキスト情報を取得する処理である。具体的には、テキスト情報には、文字の位置(分布)、文字の向き、及び文字のサイズを示す情報が含まれる。テキスト情報は、プレスキャンデータに含まれるページ毎に区別されて取得されてよい。文字の向きにより、プレスキャンデータの各ページの向き、すなわち紙文書の各ページの向きを示すページ向き属性が取得できる。具体的には、原稿データ解析部54は、プレスキャンデータに含まれるページ毎に、文字の向き(文字の上方向)を検出し、1つのページに含まれる複数の文字について検出された方向のうち、最も多く検出された方向を当該ページの上方向と判定できる。なお、文字の位置(分布)は、後述のレイアウト解析に用いられる。また、テキスト情報からは、文字のサイズを示す文字サイズ属性が取得できる。文字サイズ属性は推奨設定特定部56による推奨設定(特にN−UP設定)の特定の際に参照される。
色検出処理は、プレスキャンデータに白黒以外の色(カラー)が含まれるか否かを示す色属性を取得する処理である。具体的には、原稿データ解析部54は、色検出処理において、プレスキャンデータに含まれる各画素の色値を抽出して解析する。色値とは、例えば、各画素が有するR(赤)値、G(緑)値、及びB(青)値である。画素が色彩を有さない場合、つまり白黒又はグレースケールである場合、R値、G値、及びB値は同じ値を取ることが知られている。例えば、画素の色が白である場合、(R:G:B)=(255:255:255)で表され、画素の色が黒である場合(R:G:B)=(0:0:0)で表される。プレスキャンデータの各画素がカラーを有さない場合(つまり紙文書にカラーが含まれない場合)、R値、G値、及びB値が同等(所定範囲内)となるはずである。したがって、原稿データ解析部54は、プレスキャンデータにおいて、R値、G値、及びB値が同等とならない画素、つまり色彩を有する画素が所定数以上ある場合は、プレスキャンデータにカラーが含まれると判定できる。
また、色検出処理によって、プレスキャンデータが両面印刷された紙文書から得られたものであるか、片面印刷された紙文書から得られたものであるかを示す印刷面属性が取得される。紙文書が片面印刷されたものであれば、プレスキャンデータに含まれるページデータのうち、紙文書の裏面に対してスキャン処理が行われて得られたページデータ(例えば偶数ページ)については、色が白である画素あるいは白と同等である画素(以下単に「白画素」と記載する)が圧倒的に多くなるはずである。一方、紙文書が両面印刷されたものであれば、紙文書の裏面に対してスキャン処理が行われて得られたページの画素の色はそのようにはならないはずである。したがって、原稿データ解析部54は、文書の裏面に対してスキャン処理が行われて得られたページデータについて、白画素が所定数以上ある場合に、プレスキャンデータが片面印刷された紙文書から得られたものであると判定でき、そうではない場合には、プレスキャンデータが両面印刷された紙文書から得られたものであると判定できる。
さらに、色検出処理によって、プレスキャンデータが白紙ページを含む紙文書から得られたものであるか、白紙ページを含まない紙文書から得られたものであるかを示す白紙混在属性が取得される。白紙ページのおもて面及び裏面に対してスキャン処理が行われて得られた2つのページデータについては、両面とも白画素が圧倒的に多くなるはずである。したがって、原稿データ解析部54は、紙文書の1つのページのおもて面及び裏面に対してスキャン処理が行われて得られた2つのページデータそれぞれについて、白画素が所定数以上ある場合に、プレスキャンデータが白紙ページを含む紙文書から得られたものであると判定でき、そうではない場合には、プレスキャンデータが白紙ページを含まない紙文書から得られたものであると判定できる。
レイアウト解析処理は、プレスキャンデータの1ページ内のレイアウトを示すレイアウト属性を取得する処理である。レイアウト解析処理は、上述のOCR処理の結果あるいは色検出処理の結果に基づいて行うことができる。特に、レイアウト解析処理により、プレスキャンデータの段組み構造が判定される。例えば、プレスキャンデータ内のページデータにおいて、ページ中央に上下に延びる白画素領域があり、その左右側に上方向を向く文字の列が並んでいる場合、原稿データ解析部54は、当該プレスキャンデータは2段組み文書であると判定できる。また、原稿データ解析部54は、色検出処理の結果、ページ内における白画素でない画素の空間分布(つまり文字あるいは図形などが存在する画像領域の分布)に基づいてレイアウト解析を行うこともできる。
傾き検出処理は、プレスキャンデータにおける画像領域の傾きの有無を示す傾き属性を取得する処理である。レイアウト解析処理の結果に基づいて、上述の傾き補正処理と同様の方法で行うことができる。例えば、原稿データ解析部54は、プレスキャンデータ内の各ページの外周に存在する白画素領域と、文字あるいは図形などが存在する画像領域との境界線を検出し、その境界線と水平線又は垂直線とのずれ(角度)を演算する。そして、演算された角度が所定角度以上である場合に、プレスキャンデータにおいて画像領域に傾きがあると判定できる。なお、画像領域の傾きは、画像読取部32(特に原稿台からスキャン処理を行うスキャン位置まで紙文書を送るための給紙機構)の状態に起因して生じ得るものである。例えば、給紙機構の経年劣化によって画像領域の傾きが生じ得る。このような場合、ユーザが原稿台に紙文書を正しくセットしたとしても、スキャン処理により得られた画像データにおいて画像領域の傾きが生じてしまう。
次に、文書データに対する解析処理について説明する。文書データが画像データ(例えばBMPデータやJPEGデータ)で構成されている場合は、原稿データ解析部54は、上述のプレスキャンデータに対する処理と同様の解析処理を文書データに対して実施してよい。また、文書データが属性情報(プロパティ情報)を有している場合は、原稿データ解析部54は、当該プロパティ情報に基づいて文書データの属性を取得することができる。例えば、色属性あるいはレイアウト属性などはプロパティ情報から得ることができる。なお、原稿データとしては、既にプリントジョブに組み込まれたPDLデータであってもよい。PDLデータは、プリント処理対象の文書データを構成する文字や図形などのオブジェクトの色情報、位置情報、形状情報、及び書式情報などを含む。原稿データ解析部54は、PDLデータが有するこれらの情報から、文書データの文字サイズ属性、色属性、レイアウト属性、あるいは傾き属性などの属性を検出することができる。
以上のように、本実施形態においては、原稿データ解析部54による解析処理によって、原稿データの属性として、ページ向き属性、文字サイズ属性、色属性、印刷面属性、白紙混在属性、レイアウト属性、及び傾き属性が取得される。もちろん、上記属性は一例であり、これに限らずその他の属性が取得されるようにしてもよい。
原稿が紙文書である場合、原稿データは当該紙文書に対応するプレスキャンデータであるから、原稿データの属性は、紙文書の属性を示すものであるといえる。例えば、ページ向き属性は紙文書の各ページの向きを示すものでもあり、文字サイズ属性は紙文書に含まれる文字のサイズを示すものでもあり、色属性は紙文書にカラーが含まれるか否かを示すものでもあり、印刷面属性は紙文書が両面印刷されたものであるか片面印刷されたものであるかを示すものでもあり、白紙混在属性は、紙文書に白紙が混在しているか否かを示すものでもあり、レイアウト属性は、紙文書の1ページにおけるレイアウトを示すものでもある。なお、原稿が文書データである場合、原稿データは文書データそのものであるから、原稿データの属性とは文書データの属性であるといえる。
推奨設定特定部56は、原稿データ解析部54の解析結果に基づいて、原稿データに対応する原稿、すなわち処理対象の紙文書あるいは文書データに対する画像処理装置12における処理を行う際に推奨される推奨設定を特定する。推奨設定は、原稿データの属性に応じて特定される。上述の通り、原稿データがプレスキャンデータである場合には、プレスキャンデータの属性とは紙文書の属性を示すものであるから、推奨設定は、紙文書の属性に応じて特定されるともいえる。また、推奨設定は、複数の設定項目に対する複数の推奨設定値を含むものである。
以下、スキャン処理及びプリント処理を含むコピージョブに関する推奨設定について説明する。
設定項目「カラーモード」に対する推奨設定値は、原稿データの色属性に応じて特定される。具体的には、原稿データにカラーが含まれると判定された場合は推奨設定値として「カラー」が特定され、原稿データにカラーが含まれないと判定された場合は推奨設定値として「白黒」が特定される。
設定項目「スキャン面指定」に対する推奨設定値は、原稿データの印刷面属性に応じて特定される。具体的には、原稿データが両面印刷された紙文書から得られたものである場合には、推奨設定値として「両面」が特定され、原稿データが片面印刷された紙文書から得られたものである場合には推奨設定値として「片面」が特定される。
設定項目「N−UP指定」に対する推奨設定値は、原稿データのレイアウト属性に応じて特定される。具体的には、原稿データが段組み構造を有していると判定された場合には、推奨設定値として「なし」が特定される。これは、既に段組み構造を有している紙文書あるいは文書データをさらにN−UP印刷した場合、印刷結果において文字が小さくなりすぎて読みづらくなる場合があるためである。一方、紙文書あるいは文書データが段組み構造を有していないと判定された場合には、印刷枚数をより低減させる観点から推奨設定値として「2UP」、「4UP」あるいはそれ以上が特定される。
また、原稿データの文字サイズ属性をさらに考慮して、設定項目「N−UP指定」に対する推奨設定値を決定するようにしてもよい。具体的には、原稿データが段組み構造を有しておらず、且つ、当該原稿データに所定文字サイズ以下の文字が含まれていない場合に、推奨設定値として「2UP」、「4UP」あるいはそれ以上を特定するようにしてもよい。これは、紙文書あるいは文書データが段組み構造を有していなかったとしても文字サイズが小さい場合には、2UPなどしてしまうと、印刷結果において文字が小さくなりすぎて読みづらくなる場合があるためである。
設定項目「自動正立指定」に対する推奨設定値は、原稿データのページ向き属性に応じて特定される。具体的には、原稿データにおいて、互いに異なる向きが判定されたページデータが存在すると判定された場合には、推奨設定値として「あり」が特定され、原稿データの全てのページデータにおいて同じ向きであると判定された場合には、推奨設定値として「なし」が特定される。
設定項目「白紙検出指定」に対する推奨設定値は、原稿データの白紙混在属性に応じて特定される。具体的には、原稿データが白紙ページを含む紙文書から得られたものである場合には、推奨設定値として「あり」が特定され、原稿データが白紙ページを含まない紙文書から得られたものである場合には、推奨設定値として「なし」が特定される。
設定項目「傾き補正指定」に対する推奨設定値は、原稿データの傾き属性に応じて特定される。具体的には、原稿データにおいて画像領域に傾きがあると判定された場合には、推奨設定値として「あり」が設定され、原稿データにおいて画像領域に傾きがないと判定された場合には、推奨設定値として「なし」が設定される。
スキャンジョブ及びファックスジョブについては、上記の各設定項目のうち、「カラーモード」、「スキャン面指定」、「自動正立指定」、「白紙検出指定」、及び「傾き補正指定」について推奨設定値が特定される。また、プリントジョブについては、上記の各設定項目のうち、「カラーモード」及び「N−UP指定」について推奨設定値が特定される。
上記各設定項目のうち、「カラーモード」、「スキャン面指定」、及び「白紙検出指定」は、紙文書から画像データを取得するためのスキャン処理に関する設定項目であり、「自動正立指定」及び「傾き補正指定」は、画像データにおける画像向き補正に関する設定項目であり、「N−UP指定」は画像データの出力レイアウトに関する設定項目である。
上記各設定項目及び各推奨設定値は一例であり、推奨設定特定部56は、原稿データ解析部54が取得した原稿データの属性に基づいて、その他の設定項目について推奨設定値が特定されてもよい。また、上記の各設定項目について、上記以外の推奨設定値が特定されるようにしてもよい。また、属性から推奨設定項目を特定する具体的な方法としては、例えば、各属性とそれに対応する推奨設定項目をテーブルとして記憶するなどの方法が考えられるが、それに限定されない。
通知制御部58は、推奨設定特定部56により特定された推奨設定をユーザに通知するための制御を行う。本実施形態においては、通知制御部58は、推奨設定の内容(つまり各設定項目に対する各推奨設定値)を含む通知画面を表示部44に表示させると共に、推奨設定の内容を音声出力部48から音声として出力させる。これにより、視覚障害者は、たとえ表示部44の表示が十分に視認できなかったとしても音声出力部48からの音声によって推奨設定の内容を好適に把握することができる。
通知制御部58は、推奨設定が特定された理由、すなわち推奨設定に含まれる各設定項目に対する推奨設定値が特定された理由をユーザに表示及び音声により通知するようにしてもよい。理由は設定項目毎に通知されてよい。例えば、通知画面において「原稿にカラーが含まれているため、設定項目「カラーモード」に対する推奨設定値は「カラー」です。」というメッセージを表示させると共に、同内容の音声を音声出力部48から出力させてもよい。これによれば、ユーザは推奨設定値が特定された理由を容易に把握することができる。
さらに、通知制御部58は、推奨設定が特定された理由が存在する紙文書あるいは文書データ内における位置をユーザに表示及び音声により通知するようにしてもよい。例えば、通知画面において「原稿の1ページ目及び10ページ目にカラーが含まれているため、設定項目「カラーモード」に対する推奨設定値は「カラー」です。」というメッセージを表示させると共に、同内容の音声を音声出力部48から出力させてもよい。これによれば、ユーザは推奨設定値が特定された理由が存在する原稿内における位置を容易に把握することができる。
本実施形態においては、ユーザは、推奨設定特定部56により特定された推奨設定を必ずしも使用する必要はなく、推奨設定とは異なる設定においてジョブに対する本処理を行うことができる。そのために、通知制御部58は、表示及び音声により推奨設定をユーザに通知すると共に、当該推奨設定を採用するか否かを利用者に問い合わせるための問い合わせ画面を表示部44に表示させ、且つ、問い合わせのための音声を音声出力部48から出力するようにしてもよい。
本処理設定決定部60は、通知制御部58により推奨設定を使用するか否かの問い合わせを受けたユーザからの入力に基づいて、ジョブに対する本処理に適用される処理設定(以下「本設定」と記載する)を決定する。本設定の入力は、ユーザが入力部46を用いて行うものであるが、本実施形態におけるユーザは視覚障害者であるため、端末装置14は、本設定の入力を支援する機能を有していてもよい。例えば、入力部46がタッチパネルで構成される場合には、本設定を入力するためのボタンを大きく表示させる。例えば、設定項目「カラーモード」に対しては、「カラー」及び「白黒」の2つのボタンを大きく表示させる。そして、いずれかのボタンに1回タッチしたときに、そのボタンの内容を示す音声が音声出力部48から出力される。例えば、「カラー」ボタンがタッチされた場合には、「カラー」という音声が出力される。その後、再度「カラー」ボタンがタッチされた場合に、設定項目「カラーモード」に対する本設定として「カラー」が入力される。
もちろん、ユーザが推奨設定通りの処理を希望する場合には、本処理設定決定部60は、推奨設定特定部56が特定した推奨設定を本設定として決定する。
本処理設定決定部60は、決定した本処理設定を含むジョブを画像処理装置12に送信する。これにより、画像処理装置12において、当該ジョブが本処理設定に従って処理される。
本実施形態に係る画像処理システム10の構成概略としては以上の通りである。画像処理システム10によれば、紙文書あるいは文書データの内容を十分に視認できない視覚障害者に対して、紙文書あるいは文書データの内容に応じた推奨設定が特定され、音声通知される。これにより、視覚障害者は推奨設定を把握できると共に、当該推奨設定でよければそれを採用して本処理を行うことができる。
なお、本実施形態においては、原稿データ解析部54、推奨設定特定部56、通知制御部58、及び本処理設定決定部60の各機能は、端末装置14の制御部52が発揮していたが、これらの各部を画像処理装置12の制御部20が発揮するようにしてもよい。この場合は、画像処理装置12がデータ処理装置として機能し、音声出力部30が音声通知部として機能する。
以下、図4に示すフローチャートに従って、本実施形態に係る端末装置14の処理の流れについて説明する。なお、以下については、画像処理装置12に対してコピージョブを入力する場合における端末装置14の処理の流れを説明する。
ステップS10において、ユーザは端末装置14上で動作するジョブアプリケーション42を操作して、画像処理装置12に対してプレスキャン処理を指示する。当該指示に先立って、原稿である紙文書は既に画像処理装置12の原稿台にセットされているものとする。
図5に、ジョブアプリケーションの画面の例が示されている。図5には、ジョブアプリケーションにおいてコピー機能を選択した場合のトップ画面が示されている。当該トップ画面においては、「プレスキャン」ボタン及び「コピー」ボタンが表示される。ジョブアプリケーションは、視覚障害者であるユーザを支援する機能を有している。例えば、ユーザが「プレスキャン」ボタンを1回タッチすると音声出力部48から「プレスキャン」の音声が出力される。これにより、ユーザは画面を十分に視認できなくとも、今タッチしているのが「プレスキャン」ボタンであると認識できる。その後、ユーザがもう一度「プレスキャン」ボタンをタッチすると、端末装置14から画像処理装置12に対してプレスキャン指示が送信される。「コピー」ボタンについても同様であり、ユーザが「コピー」ボタンを1回タッチすると音声出力部48から「コピー」の音声が出力され、その後、ユーザがもう一度「コピー」ボタンをタッチすることで、端末装置14から画像処理装置12に対してコピージョブが入力される。
画像処理装置12は、端末装置14からプレスキャン指示を受信すると、紙文書に対してプレスキャン処理を行ってプレスキャンデータを生成する。生成されたプレスキャンデータは端末装置14に送信される。
図4に戻り、ステップS12において、原稿データ解析部54は、受信したプレスキャンデータを解析してプレスキャンデータの属性を取得する。
ステップS14において、推奨設定特定部56は、ステップS12で取得されたプレスキャンデータの属性に応じた推奨設定を特定する。ステップS14の処理の詳細は、図7に示したフローチャートに従って後述する。
ステップS16において、通知制御部58は、ステップS14で特定された推奨設定を示す通知画面を表示部44に表示させると共に、推奨設定を音声出力部48から音声として出力する。これにより、推奨設定がユーザに対して通知される。
図6に、推奨設定の通知画面の例が示されている。本例では、推奨設定の通知画面においては、設定項目毎に推奨設定値が示される。図6には、設定項目「カラーモード」に対する推奨設定値「カラー」の通知画面が示されている。それと共に、通知画面においては、推奨設定値として「カラー」が特定された理由と、その理由が存在する紙原稿における位置が示されている。図6の例では、「2ページ目がカラー原稿であるため」という文により理由とその位置が示されている。また、当該通知画面が表示されると共に、通知画面に含まれるメッセージが音声として出力される。
また、当該通知画面においては、ユーザに推奨設定値を使用するか否かの問い合わせが含まれる。図6の例では、「推奨設定を使用しますか?」というメッセージ、及び「はい」ボタン及び「いいえ」ボタンがそれに相当する。ここで、ユーザが「はい」ボタンをタッチすると、設定項目「カラーモード」に対しては、推奨設定値である「カラー」が本設定として使用される。一方、ユーザが「いいえ」ボタンをタッチすると、設定項目「カラーモード」に対しては、推奨設定値である「カラー」は使用されず、「白黒」が本設定として使用される。そして、設定項目「カラーモード」に対するユーザの本設定入力が終わると、通知制御部58は、次の設定項目(例えば「スキャン面指定」)についての推奨設定値の表示及び音声出力が行われ、ユーザはそれに対して本設定入力を行う。このような処理を繰り返すことで、ユーザは各設定項目に対する推奨設定値を入力する。なお、全ての設定項目に対する推奨設定値が一度に表示され、且つ、それらが順次音声出力されて、ユーザは、複数の推奨設定値を利用するか否かの入力を一括で行うようにしてもよい。
図4に戻り、ステップS18において、ユーザにより入力された本設定を含むコピージョブが端末装置14から画像処理装置12に対して送信される。それにより、画像処理装置12は、本設定に従って再度紙文書のスキャン処理を行い、それにより得られた画像データに対して本設定に従ってプリント処理を行う。
以下、図7に示すフローチャートに従って、ステップS14の処理(推奨設定の特定処理)の詳細について説明する。
ステップS30において、推奨設定特定部56は、ステップS12(図4)で取得されたプレスキャンデータの色属性に基づいて、プレスキャンデータ(すなわち紙文書)にカラーページが含まれるか否かを判定する。
プレスキャンデータにカラーページが含まれると判定した場合は、ステップS32において、推奨設定特定部56は、設定項目「カラーモード」に対して推奨設定値「カラー」を特定する。プレスキャンデータにカラーページが含まれていないと判定した場合は、ステップS34において、推奨設定特定部56は、設定項目「カラーモード」に対して推奨設定値「白黒」を特定する。
ステップS36において、推奨設定特定部56は、プレスキャンデータの印刷面属性に基づいて、プレスキャンデータが両面印刷された紙文書から得られたものである(すなわち紙文書が両面印刷されたものである)か、プレスキャンデータが片面印刷された紙文書から得られたものである(すなわち紙文書が片面印刷されたものである)かを判定する。
プレスキャンデータが両面印刷された紙文書から得られたものであると判定した場合は、ステップS38において、推奨設定特定部56は、設定項目「スキャン面指定」に対して推奨設定値「両面」を特定する。プレスキャンデータが片面印刷された紙文書から得られたものであると判定した場合は、と判定した場合は、ステップS40において、推奨設定特定部56は、設定項目「スキャン面指定」に対して推奨設定値「片面」を特定する。
ステップS42において、推奨設定特定部56は、プレスキャンデータのレイアウト属性に基づいて、プレスキャンデータ(すなわち紙文書)が段組みされたページを有しているか否かを判定する。
プレスキャンデータが段組みされたページを有していると判定した場合は、ステップS44において、推奨設定特定部56は、設定項目「N−UP指定」に対して推奨設定値「なし」を特定する。
プレスキャンデータが段組みされたページを有していないと判定した場合は、推奨設定特定部56は、さらに、ステップS46において、プレスキャンデータの文字サイズ属性に基づいて、プレスキャンデータ(すなわち紙文書)に所定文字サイズ以下の文字が含まれているか否かを判定する。プレスキャンデータに所定文字サイズ以下の文字が含まれていると判定した場合は、ステップS44において、推奨設定特定部56は、設定項目「N−UP指定」に対して推奨設定値「なし」を特定する。プレスキャンデータに所定文字サイズ以下の文字が含まれていないと判定した場合は、ステップS48において、推奨設定特定部56は、設定項目「N−UP指定」に対して推奨設定値「2UP」を特定する。
ステップS50において、推奨設定特定部56は、プレスキャンデータのページ向き属性に基づいて、プレスキャンデータ(すなわち紙文書)に向きが異なるページが含まれているか否かを判定する。
プレスキャンデータに向きが異なるページが含まれていると判定した場合は、ステップS52において、推奨設定特定部56は、設定項目「自動正立指定」に対して推奨設定値「あり」を特定する。プレスキャンデータに向きが異なるページが含まれていないと判定した場合は、ステップS54において、推奨設定特定部56は、設定項目「自動正立指定」に対して推奨設定値「なし」を特定する。
ステップS56において、推奨設定特定部56は、プレスキャンデータの白紙混在属性に基づいて、プレスキャンデータが白紙ページを含む紙文書から得られたものである(すなわち紙文書が白紙ページを含むものである)か、プレスキャンデータが白紙ページを含まない紙文書から得られたものである(すなわち紙文書が白紙ページを含まないものである)かを判定する。
プレスキャンデータが白紙ページを含む紙文書から得られたものであると判定した場合は、ステップS58において、推奨設定特定部56は、設定項目「白紙検出指定」に対して推奨設定値「あり」を特定する。プレスキャンデータが白紙ページを含まない紙文書から得られたものであると判定した場合は、ステップS60において、推奨設定特定部56は、設定項目「白紙検出指定」に対して推奨設定値「なし」を特定する。
ステップS62において、推奨設定特定部56は、プレスキャンデータの傾き属性に基づいて、プレスキャンデータにおいて画像領域の傾きがあるか否かを判定する。
プレスキャンデータにおいて画像領域の傾きがあると判定した場合は、ステップS64において、推奨設定特定部56は、設定項目「傾き補正指定」に対して推奨設定値「あり」を特定する。プレスキャンデータにおいて画像領域の傾きがないと判定した場合は、ステップS66において、推奨設定特定部56は、設定項目「傾き補正指定」に対して推奨設定値「なし」を特定する。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。